東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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患者さまの声(20代女性:4年間続く肩こり、頭痛、全身倦怠感)

2011.07.30

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さらにさらに、「患者さんの声」をいただきましたので、紹介します。


20代 女性 

症状:4年間続く肩こり、頭痛、全身倦怠感


 

会社の先輩のおススメの鍼灸院、ということで清明院をご紹介いただきました。

慢性的なひどい肩こりと頭痛でこの数年悩まされてきましたが、清明院に通い始めて数回経つと、頭痛が出なくなりました。

また、いつも何となく体がだるかったのが、軽く感じるようになりました。

鍼灸院にかかるのはまったくの初めてだったため、鍼は痛そうだなと不安に思っていましたが、全然痛みはありません。

鍼を打たれているひと時は、眠りにつく直前のような感覚がずっと続き、かなり心地の良い時間です。


そして、治療のあとは毎回体がポカポカになっていて、いつも驚きます。

今後の目標としては・・・、何かと体の不調を鍼頼みにせず、生活習慣も積極的に見直していければ、と思っています。

【清明院からのコメント】


この方は、清明院の患者さんの紹介でいらっしゃいました。

初診時は、今の仕事に就いて以来、4年間以上続く肩こり、頭痛であり、現在も毎日パソコンに向かっている状況なので、

いくらか楽になることはあっても、治りはしないんじゃないか、といった感じの不安顔、半信半疑顔をしておられました。

ところが、「肝欝気逆(かんうつきぎゃく)」と証を立て、治療を開始すると、初診直後から効果あり、3回目には肩こり消失。

しかも初診以来、頭痛は出ておりません。

・・・最近では、

「清明院の鍼の先には魔法の薬が塗ってありますんで~。」

とか、くだらない冗談を言いながら、体調管理目的で治療しております。(笑)

・・・さておき、この方の場合、非常に良かったのは、実に素直に、こちらの言うことをよく守っていただき、きちっと養生した上で、

こちらに治療を委ねてくれたことが、これだけの即効性を表現出来たことの大きな要因ではないかと思います。

なかなか養生を守って下さらなかったり、こちらの言うことを素直に聞けないタイプの患者さんでは、たとえ単純な肩こりでも、

治療な余計な時間がかかったり、場合によってはうまくいかなかったりすることもあります。

誤解を恐れず言うと、どんな病気であれ、「治療」というものは患者さんと治療者との二人三脚であり、患者さんと我々の信頼関係が、

そのまま治療効果に反映されるものなのです。

こういった鮮やかな経過をたどる症例のようには、うまくいかない肩こりというものも存在するのが事実です。

したがって、東洋医学では、病名や症状のみで、治る治らないは判断できません。

こういう症例を経験したからといって慢心せずに、どういうケースであっても快方に導けるように、精進しなくてはいけないと思います。

まあとりあえず、この方に関しては、よかったなー、と思っておりますが。(笑)

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お祝い&再会

2011.07.14

今日は、数年ぶりに会う、以前の職場の同僚(鍼灸師)が、清明院に治療を受けに来ました。

彼女は以前、同じ職場にいた頃から、体調を悪くすると必ず僕が治療していました。

(・・・というか強引に僕がやってました。(笑))

いつだったか、彼女が「細菌性腸炎」と診断され、下痢と腹痛が続いている時も、あえて抗生剤を飲まずに鍼だけで治療したり、

風を引いて40度近い熱が出た時も、薬を一切飲まずにあえて鍼だけで治療したりと、かなり根性のある「鍼フリーク」です。

(しかし、彼女自身はあまり勉強はしない人なんですがネ・・・。(苦笑))

そんな彼女が、いつの間にか子供を二人も産んでいたようで、産後から腰痛が出始め、最近では足にしびれも出てきた、

そこで、「竹下なら何とかするだろう」とのことで久々の来院となりました。

長い間、一生懸命治療を続けて、しっかりと結果を残していくと、こういうときに患者さんの脳裏に、

「あいつなら何とかするかも・・・。」

という言葉が浮かんでくれるもんなんです。

・・・ともかく、女性にとって、「出産」というイベントは、本来まったくの生理的な現象で、病気ではありません。

しかし、妊娠、出産、育児によって色々な不調を起こすことがあります。

これには、身体的、精神的な問題が複雑に関わってきます。

東洋医学では、

「妊娠、出産、育児により、何がどうなった結果、こうなってるのか。」

それをシャープに分析して治療します。

昨今話題の不妊症等々、そういった女性特有の病気についても、そのうちこのブログでまとめなければ、と思っております。

・・・まあそんな訳で、今日の治療後も、すっかり楽になって帰っていきました。

そして今日の診療終了後は、先輩の鍼灸院が移転改装したとのことで、そのお祝いに行ってまいります!

そしてそのあとはおそらくその先輩とサシでお酒・・・。

生きて帰れるんだろうか・・・。(苦笑)

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「三焦」って何ですか?(その3)

2011.07.11

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これまでのお話・・・

「心包」って何ですか?(その6)
「三焦」って何ですか?
「三焦」って何ですか?(その2)

 

さあどんどんいきます!!

 

☆「三焦」は”気血水”、特に”気と水”が移動するスペースである

三焦(類経図翼)

(中国明代、張景岳『類経図翼』より)

 


図にすると、こんなことになっております。


図で見たら、まさに「三焦」=「全身」であります。


またこの図は、「三焦」が皮膚と臓腑をつないでいること、形のはっきりしない膜状の組織だ、ということも表現しようとしている図、と考えて下さい。

 


この図から、三焦は「気・血・水」の流れるスペースそのものである、と考えることが出来ます。

 


・・・しかし、”三焦は全身です。”と頭ごなしに言われましても、具体的に何をしてるのか、もうちょっと細かく分からないと、イマイチ手の出しようがありません。

 

この図の中で興味深いのは、「中焦」の部分に何やら最も多くの文字がツラツラ書いてあり、上焦、中焦、下焦の中では、特に「中焦」との関わりが重要っぽい、ということが分かるのが一つ、

 

また、背中側の意味深い位置に「腎の臓」だけが記載されていて、「三焦」と「腎」の関わりが強調されているということが、興味を引きます。


 


これらのことは、「三焦の腑」とは全身である、と言いつつも、特に「脾胃」、それから「腎」と深く関わる事を暗示しています。

 

・・・以前説明したように、「脾胃」の働きといえば、消化吸収の要として、飲食物から”気と血のもと”を取り出し、全身を栄養することがメインテーマでした。

カテゴリ 「脾・胃」 参照

 

そして、「腎の臓」の働きと言ったら、「尿」を中心として、発汗、排便といった、人体の「余分な水分排出機構」に大きく関わりつつ、

親からもらった先天的な生命力を秘めた「生殖」「成長」に関わる重要な臓だ、というお話もさせていただきました。

カテゴリ 「腎・膀胱」 参照

 

そして「三焦の腑」はこの「脾胃」「腎」と大きく関わりながら、皮膚における汗腺と臓腑をつなぎ、「気、血、水」、とりわけ「気と水の通り道」として、

発汗、排便、排尿がスムーズに行われるための”大前提(インフラ)”となっているのです。

 

 

上下水道がなかったら、トイレも台所もないですからね。

 

・・・私の知り合いの信頼できる漢方薬の先生に言わせると、この「三焦の腑」のことを「三焦空間」と呼び、このスペースをしっかりと広げ、

スムーズに流通させてやることによって、体内の余分な水分や滞った気血を「より」速やかに除去できる、という考え方もあるそうで、

これは我々鍼灸師にとっても、大変参考になる考え方だと思います。

 

・・・長くなっちゃったんで、次回に続く。

 

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「三焦」って何ですか?(その2)

2011.07.10

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これまでのお話・・・

「心包」って何ですか?(その6)
「三焦」って何ですか?

続いていきます!


☆全身としての「三焦」と「三分割」の重要性


これまで、このブログでも何度か、「上焦」「中焦」「下焦」と、人体を上中下の3部位に分ける考え方を紹介しています。


上焦は、膈(かく)から上、「心・肺の臓」がある場所です。

中焦は、膈から下、おへそより上、「脾の臓」と「胃の腑」「肝の臓」「胆の腑」がある場所です。

下焦は、おへそから下、「腎・肝の臓」「小腸・大腸・膀胱の腑」などがある場所です。

 


これら3つの部位を総称して、「三焦」と呼ぶことがあります。

 


ですから、

「三焦って何ですか?」

と問われたら、

「上焦、中焦、下焦を合わせた、全身まるごとひとくくりのことです。」

と言うことも出来ます。

 


出来ますが、これも「三焦」という言葉の解釈のひとつ、概念のひとつでしかありません。

 


・・・ところで、人体をわざわざ上中下という3セクションに分けて考える、これは一つには中国古来の、

「天地人三才思想(てんちじんさんさいしそう)」

というものが深く関わっているようです。

 

この「天地」という陰陽(大宇宙)の中にある「人間」という陰陽(小宇宙)、これは一言でひっくるめて言っちゃえば「大自然」なので、

本来は一体のものであり、分けられるものではありません。

 

この、本当は分けられないけれども、一応、そこに存在する法則性や秩序を理解するために便宜上「三分割」する、という考え方が、東洋医学においては極めて重要です。

 

もともと一つのものを分けて考えた時、「陰」と「陽」と「その境界線」で「三」です。

 


この考え方を非常に重要視した学者で、成都中医薬大学の教授である鄒学熹(しゅうがっき)という人がおります。

 

蓮風先生が数年前、この先生と実際に有名な麻婆豆腐のお店で会食しながら、易学について薫陶を受けたという話は、北辰会の間では有名です。

 

特にこの先生の、「三を含みて一となす」という考え方は、当時の蓮風先生、北辰会にとって、大変インパクトが大きかったようです。

 

その他にも、この先生の考え方は、蓮風先生や、北辰会の医易学の専門家である神野英明先生にも大きな影響を与えたようです。

 


この業界もホント、上には上がいて、キリがないですねえ・・・。

(苦笑・・・なんか、話がそれてしまった。)

 

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『日本鍼灸の診断学』

2011.07.08

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昨日に引き続き、おススメ本第2弾、いきます!

本日ご紹介させていただく本は、鍼灸学生、鍼灸師、東洋医学に興味のある医療関係者は必携の本です。

(ですので専門書ですから、一般の方には難しい本だと思います。)

(さらに…)

「錯雑証(さくざつしょう)」という考え方(その2)

2011.06.05

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前回、東洋医学的に診断、治療するのには、「弁証(べんしょう)」という過程が欠かせないヨ、というお話をしました。

 

そして、たくさんある弁証のやり方の中から、「八綱弁証(はっこうべんしょう)」というものを紹介しました。

 

この、八綱弁証では、病気の何を明らかにするかというと・・・、

・表裏(病気の位置が、浅いところにあるか深いところにあるか)

・寒熱(病気の性質が、冷えによるものか熱によるものか)

・虚実(病気の趨勢がどうか、いわば勝ち戦か負け戦か)

を、明らかにします。

 


・・・なんだかムズいように聞こえるかもしれないけど、ここはそんなに難しいことは言っていません。

 


単純に、素直に、そのまま理解して下されば、と思います。

 


・・・例えば病の「寒熱(かんねつ)」を考えた場合、この病は冷えのものだ!ということが明らかならば、治療方針を考えるのは簡単です。

 


温めりゃよいのです。

 


つまり、鍼灸治療ではお灸や、気を集めて温めるような鍼が中心になるし、漢方薬であれば温める作用のある生薬を使った処方になってきます。

 


また、病の「虚実(きょじつ)」を考えた場合も、この病は勝ち戦だ!押せ押せムードだ!ということが明らかならば、治療方針としては、

バンバン悪いものを体外に排出するように持っていけばよい、ということになります。

 

積極的に汗をかかせたり、便を下したり、尿を排出させたり、吐かせたりすればよいのです。

(・・・単純でしょ?簡単な話です。)

 

しかし、問題は、これら(表裏・寒熱・虚実)が明確に割り切れず、偏りが中途半端な場合です。

 

東洋医学ではそれのことを、「錯雑証(さくざつしょう)」と呼んで、大変重要視します。

 

 

次回に続く

 

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経穴(ツボ)は治療ボタンにあらず

2011.06.01

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清明院の患者さんの中には、重症や、難病の患者さんもいる。


今日、とある往診の患者さん(高齢の女性)から言われた言葉。

「先生、こないだのツボ、よく効いたわ~。すごく楽だったわ~。またあそこにやって~。」

・・・この患者さんもかなりの重症。

リウマチ、狭心症、副腎不全、腎不全等々、西洋医学的な病名の宝庫のような患者さんだ。


西洋薬も、病院に言われるがままに、雪だるま式に増えていき、もう長いこと、15種類ぐらいの薬を飲み続けている。

それなのに、しょっちゅう心臓発作を起こしては、病院に入退院を繰り返していた。


往診を開始した時は小便がほとんど出ておらず、全身にきつい浮腫みと呼吸困難


慌てて治療して、苦心しながらも、何とか小便が通じ、呼吸困難、胸痛、動悸等の症状がやっとマシになってきた矢先に、この言葉。(苦笑)


患者さんの中には、

「〇〇の病気(症状)には〇〇というツボ!」

という認識で、経穴(ツボ)をとらえている人が少なくない。

 

それはどんな重症の患者さんでも同じだ。

 

・・・でもそれは間違っている。

「経穴(けいけつ)」って何ですか? 参照

 


同じツボでも一人一人、状態が違う。


同じ人の同じツボでも毎日毎日、状態が違う。


当然、同じ病名の人でも、ツボの状態は異なっている。


顔や声や体型や性格が一人一人違うように、同じ人でも時によって違うように、厳密にいえば、まったく同じツボは一つもないのだ。


それに対して、絶妙に合わせた鍼や灸をするから、結果的に正しく「気」が動き、結果として全身の陰陽、五臓六腑の調和がとれ、結果として、

 

ビックリするような効果が得られるのだ。

 


瞬間瞬間に合わせた治療をすることが大事なのだ。

 

ある病気や症状の時に、誰でも、いつでも、同じ経穴に、同じような反応があり、そこに同じような鍼をすれば同じような効果が得られるかというと、

 

それはとんでもない間違いだ。

 


ある症状が出ている時に劇的に効いたツボも、その症状が治まってしまえば、ツボの反応も治まり、同じように鍼をしたとしても、こないだのような効果は得られにくい。

 


僕も昔、こういう場面で、患者さんに言われるがままに、

「こないだやってよく効いたツボ」に、

「こないだやったように」

鍼をして、かえって悪化させた、苦い経験もある。

 

正確な診立てが出来ていない、ツボを正確に観察できていない証拠だ。

 

「こないだ」と「今この瞬間」では、もう同じツボではないのだ。

 


 

だから、冒頭の患者さんにはこう答えた。

「うん、またそのうちネ。(ニッコリ)」

・・・そして、「こないだの」とは違うツボに、「こないだの」ぐらい楽になるであろう、正しい治療をした。

 

P.S


誤解を招かないように付言しておきますが、前回の治療と同じツボを使うことも当然あります。

要は、治療するその瞬間における、最適な経穴の選択というのは、プロとしての判断で「この場合効かせやすいか、そうでないか」で決まるのであります。

要するに「経穴」、ツボは、治療ボタンではないのです。


「人間」、病人は、機械ではないのです。

「生命」、いのちは時々刻々と、個性的に変化流転しているもの、というのが、東洋医学の大前提なのです。

 

 

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養生指導でたまにあるやり取り

2011.05.20

清明院では初診時、患者さんの「普段の食生活」についても細かく伺います。

その上で、もし控えた方がいいようなもの、積極的に摂った方がいいようなものがあったら、養生指導として、ご提案させていただくことがあります。

例えば・・・、

「水分量をもう少し控えめに」

とか、

「甘いものをもう少し控えめに」

とか、

「カフェイン類をもう少し控えめに」

とか、

「根菜類をよくとって」

などなど・・・、です。


すると、患者さんによっては、

「じゃあ何mlまでなら大丈夫ですか!?」


とか、

「どのくらいの頻度で、どのくらいの量、摂ったらいいでしょうか!?」

と、突っ込んでくる場合があります。(苦笑)

・・・これ、お気持ちは分かります。

ハッキリとした指標が欲しいんですよね。

(笑・・・守る守らないは別として。)

しかしこれ、当然患者さん一人一人によって違うし、同じ人でもその日の体調によって違ってきます。

ですので、〇〇は〇mlまで、という機械的な形の養生指導というのは、我々東洋医学の立場では行いません。

様子を見ながら、少しづつやるしかないと思います。

清明院の患者さんには管理栄養士さんや薬剤師さんもおられますが、現代栄養学的にも、

「1日分の〇〇は〇グラム!!〇〇ml!!」

といったような考え方は、とっくに否定されているそうです。

突き詰めていくと、一人一人に合わせた養生指導を考えていくしかない、野菜中心で、バランス良く、旬のもの、その土地のものを摂るのがイイ、

 

という結論になるそうです。

 

(・・・と、学生時代に栄養学の先生が仰っていました。)

 

そしてそれは、東洋医学がハナから、この数千年もの間、言い続けていることなのでございます。(苦笑)

 

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患者さまの声(30代男性:突発性難聴、花粉症)

2011.04.05

「患者さんの声」をいただきましたので、紹介します!!


30代 男性 

症状:突発性難聴による聴覚障害、花粉症


ある朝目が覚めると、耳がくぐもった感じでした。

何の前触れもなく、突然です。

中耳炎にでもなったかな?と、軽い気持ちで耳鼻科に行ってみました。

ところが検査してみると、鼓膜に異常はなく、いわゆる「突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)」ではないかとのお話。

耳の奥の「うずまき」が機能不全とのことで、症例は多いが原因がわかっていない病気だそうです。

とりあえず、有効とされているステロイド剤や、血行を良くするビタミン剤、むくみをとる利尿剤などを処方され、様子をみることになりました。

薬は多少は効くようでしたが、完治するまでには至らず、このままステロイドを飲み続けるのもどうかと思い、妻の勧めで清明院を訪ねました。

まずは問診。

今回の症状についてだけでなく、生活や体質なども詳しく聞かれました。

そして鍼。

驚いたのは、耳とは程遠い、手の脇に1本だけ打ったことです。

感触は、ほとんど分からない程度でした。

「耳の近くや、全身にある『耳のつぼ』に何本も打つ(そして痛い)」という先入観を、見事に覆されました。

施術が終わってみると、症状は変わらないものの、肩や背中が明らかに柔らかくなっています。

症状に直接対処するのではなく、全身の総合的な流れ(と、いうのかな?)を整えることで、結果として改善されるということなのかなぁ、と感じました。

そして、週1~2回ペースで通うこと約1ヶ月。

症状は徐々に改善され、いつのまにか普通に聞こえるようになっていました。

突発性難聴は、定着してしまうと戻らない可能性が高く、とにかく早い対処が必要といわれています。

ギリギリのタイミングで清明院に出会い、無事完治することができ、本当に良かったと思います。


なお余談ですが、毎年悩まされている花粉症が今年は出ないことと、妙に食欲が出てやや太ってしまったこと(苦笑)がオマケとしてありました。


【清明院からのコメント】

本患者さんは、実は大変頭脳明晰な方でして、さすがにシンプルに要約して、この医学の特色、経過を述べて下さいました。(笑)

非常によくまとまった文章を書いて下さり、Sさん、ありがとうございます!!<m(__)m>

本患者さんが述べて下さったように、「突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)」という病気は、近年特に多い割に、

西洋医学の耳鼻科の先生方も手を焼いておられる病気の一つではないかと思います。

しかもそれが東洋医学、鍼灸でよくなることがある、という事実が、あまり知られてはいません。

つまり、耳が聞こえない、聞こえにくいという不安、不具合を抱えて、耳鼻科の薬で治療してもよくならずにさまよっている患者さんが多い疾患だ、ということです。

中には完全に聞こえなくなってしまう方もおられますし、鍼灸サイドから考えても、発症してから時間が経ってしまったものほど治りが悪いように思います。

この患者さんの場合も、もともと奥様が清明院の患者さんであり、早い段階で奥様の方からご相談いただいたため、

早期に着手することが出来た、ラッキーな症例だったと言えます。

「肝欝気滞(かんうつきたい)>腎虚(じんきょ)」と証を立て、治療を始めると、1回目から効果が表れ、約1カ月後、7回の治療で、ほぼ症状は消失しております。

今回このように「患者さんの声」を書いていただいたことで、同じ病に苦しむ一人でも多くの患者さんが救われるきっかけになれば、と思います。

また、もともとお持ちであった花粉症も改善されているという事実も、注目に値すると思います。

これは我々東洋医学の立場からすれば、この方の生活習慣、体質的な弱点を意識し、全体のアンバランスを是正しながら、

今回の依頼内容である「耳の聞こえにくさ」を治療する、という我々にとって「普通の」方法を取った結果であります。

こういうことが出来るのが、東洋医学なのではないかと思います。

 

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2011年3月(社)北辰会役員講師研修会

2011.03.21

昨日、2011年3月20日は、大阪にて行われた、(社)北辰会役員講師研修会に参加してきました!!

この研修会は、普段の定例会と違い、一般会員や聴講生は参加できず、北辰会の役員、講師のみで行われる、言わば”内々の”勉強会です。

それだけに展開される内容も高度で、いつも以上に勉強になります。

今回のテーマは、

「体表観察 集大成」

ということで、朝は代表理事、藤本蓮風先生の挨拶に始まり、運営関係の報告、確認を堀内齊毉龍(さいりゅう)先生から、学術関係の確認事項を藤本彰宣(あきのり)先生から、

 

それぞれ説明があり、そのまま夕方4時半まで、各班に分かれて、ほぼぶっ続けで

「体表観察実技指導」

でした。

僕は藤本彰宣先生の班でして、今回も色々と勉強になりました・・・。

彰宣先生は現在北辰会の育成部長であり、非常に教えるのが上手な先輩です。

学術を教わると同時に、自分が教える立場に立った場合を想定しての「教え方」も、非常に勉強になりました。

そして終わった後は例によってお酒・・・。

今回も前回に引き続き、大阪で「廣田きらめき薬局・煌鍼灸院」を開業されている廣田三知郎先生と、マニアック~な話をガッチリとしてまいりました・・・。

(一般人も専門家も、廣田先生のブログは必見の内容ですよ!!!)

まあ、まだまだし足りないといえばし足りないですが、いつまでもやってたらすぐ朝になっちゃいます。(苦笑)

という訳で、後ろ髪をひかれながら終電で引き揚げてきました・・・。

廣田先生は僕と同年代ですが、鍼灸師に加えて薬剤師のライセンスも併せ持ち、薬局と鍼灸院を同時に経営しつつ、何人ものお子さんを育てつつ、

 

趣味であるバイクに乗りつつ、サーフィンにも乗りつつ、頭脳明晰かつパワフルかつイケメンかつ刺激的な先生です。(笑)

僕自身はこれまで鍼灸一辺倒でやって来た人間なので、漢方薬はまだまだ自在に使いこなすことは出来ない、というのが正直なところですが、

廣田先生のように漢方薬での臨床もされている先生の話を聞くと、非常に参考になるところがあります。

これは本来は鍼灸医学も漢方薬の医学も、共通の東洋医学の理論の上に成り立っている医学だからです。

以前このブログで紹介した神戸の「輝鍼灸院」院長、原元氣先生と言い、刺激的な同世代が多いということも、僕が北辰会に学びに行く大きな理由の一つなのです。

先生方のように、「ガチ」でやれる同世代の同業者がいる、ということは、色々な意味でとてもありがたいことなんです。

僕もまだまだ、素晴らしき同世代に後れをとらないように頑張ろうと思っております。

 

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