東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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脆く儚い

2012.02.19


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とある映画のワンシーンの、ワンフレーズが、印象に残っている。

(さらに…)

最近の症例(突発性難聴)

2012.02.15

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たまには症例を紹介しないとネ。

仕事してないんじゃないかと思われたらかなわん。(笑)

症状 左突発性難聴 50代 女性 

初診 H24.1月

ある日突然、左の耳が籠ったような感じがし、音が聞こえにくくなる。

仕事で無理はしていたが、今に始まったことではない。

耳鼻科にて、「突発性難聴」と診断され、ステロイド内服薬を処方されるも、ほぼ無効。

このまま聴力が戻らないのでは、と慌てていた時、古くからの友人の紹介で清明院に来院。

実はそのご友人の娘さんも、かつて突発性難聴を患い、清明院で完治した患者さんである。

以来、ご一家ほぼ全員で来院されている。(笑)

詳しい問診の後、治療はお腹の経穴に一本。

初診の治療直後、左耳の聞こえがよくなっていてビックリ仰天。

3診目にはほぼ正常に復した。

現在、健康管理、再発予防で治療継続中。

突発性難聴は、当然モノによるが、発症してしまったらとにかく早めに手を打てば、症状を改善させやすく、完治することも珍しくない疾患だという印象。

耳鼻科ではステロイドしか選択肢がなく、コレが効かなかった場合、なす術がなく、泣き寝入りになってしまっている患者さんは少なくない。

もちろん病名だけ聞いて、全てが治せるなんて言わないが、早期の鍼灸治療を選択肢に入れてはどうだろうか。

ちなみにステロイドが無効、あるいは効果薄で、そのまま聴力が戻らず、片耳のみの聴力に頼るようになって何年か経ってしまった患者さんも、

これまで何人か診ているが、完治とはいかないまでも、改善例は多くある。

・・・ちなみに、この方も娘さんをご紹介いただいた。(笑)

こうして全国、全世界に着々と広がる、鍼ネットワーク。


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憂う時もある

2012.02.14


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いつも言うように、この症状にはこのツボ、この症状にはこの漢方、この病名にはこのツボ、この病名にはこの漢方、

という短絡的な思考は明らかに間違っています。

(さらに…)

とある言葉

2012.02.09


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こないだ本を読んでて、とある言葉に出会った。

(さらに…)

橋下市長フィーバー

2012.02.07

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最近、橋下徹大阪市長に関するニュースの過熱っぷりがスゴイです。

それにしてもこの人は、弁護士で元コメンテーターだけあって、口がたちますし、タレント性があるし、何より実行力がありますねえ・・・。

メディアの使い方のうまさから、よく小泉元総理と比較されているようですが、演説の時の喋り方とか、確かにちょっと似てますよね・・・。

(橋下さんは小泉さんを大政治家だと思って尊敬してると公言してますから、きっと影響受けてるんでしょうね。)

有名な思想家の内田樹さんや、精神科医の香山リカさん、帝塚山学院大学教授の薬師院さん、北大教授の山口さん、そうそうたる面々から、

 

『橋下主義(ハシズム)を許すな』という本の中でコテンパンに批判されましたが、これを逆に受けて立って、田原総一郎の「朝まで生テレビ」の中で、

 

まさにコテンパンにやり返しました。

観た方は分かると思うけど、あの、1対6の激論に、余裕しゃくしゃくで臨んで、あれだけの楽勝ムードを醸し出せるのは、ディベートの技術もあるんでしょうが、

 

それ以前に彼が自分自身の打ち出した改革案に絶対の自信と信念を持っていて、なおかつ批判派の、自分に対する批判をまず聞いて、キチッと分析したうえで、

 

さらにそれがどこがどう的外れなのかを論理的に分析出来ているからでしょう。

まるで一人の冷静な大人に対して、6人の子供がギャーギャーとわがままや不満や不安などの感情をぶつけているだけ、のようにみえました。

放送翌日から、アレを見た視聴者からの、特に香山リカさん、薬師院さんに対するネットでのバッシングはひどいモノです。

・・・まあ、そうやって、ある部分を切り取って、誰かのことを匿名でコテンパンにネットで叩く風潮なんてのは、最近の非常によろしくない風潮でもあります。

香山さんや薬師院さんにも、いい部分、いい主張はあるはずで、そこを考えた上で判断しないと、と思います。

最低でも、全然いいところなく議論に負けたとしても、それなりに自分の意見をもって、今あれだけの勢いのある橋下さんの前に、批判派として、

 

全国民の前に出てきたというだけ、彼らはまだ評価できますね。

(少なくとも、実名を伏せて、ネットで人の誹謗中傷をしてる連中よりは、です。)

ちなみに橋下さんの批判本の筆頭に名前の出ている内田樹さんはなぜか出てませんでしたが、個人的にはぜひ出て欲しかった。

内田樹さんという人は非常に話しの分かりやすい方で、僕も何度かブログを読まさせていただいてますし、その主張の中には非常に同感なことも多いので、

橋下さんの改革の中でも問題になりやすい、教育改革に関して、直接対決がぜひ観たかったのですが、まあ・・・、仕方ない。

色々な事情があるのかもしれません。

橋下さんがよくいうように、今の日本の行政制度(仕組み)そのものは明治以降変わっていない、完全に制度疲労を起こしている、だから制度そのものを変えないと、

 

せっかくの議会制民主主義なんていったって、話し合うだけで結果的に何も決まらないんだ、だからその仕組みそのものの改革を大阪からやるんだ、

 

大阪の府と市による無駄な2重行政が、日本の政治機構の縮図なんだ!そして大阪都構想を成功させて、ひいては日本の政治の仕組みを変えたいんだ!

 

というのは、僕のような浅学でも非常によく分かりますし、ワクワク期待大です。

この調子でどんどんいい方向に日本が変わって、ついでに医療行政も変わって欲しいナー、と密かに思っております・・・。

出来ないのかナー、東洋医師・・・。

ちなみに私は、橋下さんについては、スゴイ期待してますが、常に冷静に、批判的にみていよう、と思っています。

小泉さんの時も思いましたが、世がフィーバーしてるならば、逆に必要以上に、意識的に冷静に。

コレ、陰陽論です。

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「表裏同治」とは(その5)

2012.02.04

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これまでのお話・・・


「表裏同治(ひょうりどうち)」とは

「表裏同治」とは(その2)
「表裏同治」とは(その3)
「表裏同治」とは(その4)

 

 

続きいきます!!!

 


前回、前々回と、漢方薬の話が続いておりますが、我々鍼灸師は当然、漢方薬を処方することは出来ません。

 


たまに患者さんから、漢方薬を処方してほしいと言われることがありますが、そういう時、清明院では、漢方専門の大ベテランの先生を紹介するようにしております。

 

知識の上では処方を考えることが出来たとしても、やっぱり臨床は「実践から理論へ」ですから、患者さんのためにも、漢方薬の専門家のところに行かせるべきだと考えております。

 

「餅は餅屋」ですね。

 

・・・という訳で、「表裏同治」を考える場合、我々鍼灸師であればどうするか、ということです。

 

答えは、簡単だけど、漢方薬の場合と理論的には一緒です。(笑)

 

基本的には、表裏双解を狙うのです。

 

じゃあ、表を治すのに一本、裏を治すのに一本、合計2本、という感じになるのかというと、確かにそういう場合もあります。

 


しかし個人的には、一本で表裏両方に効かせてしまう、というのが理想じゃないかな、と思います。

 

・・・まあ、もちろんその場合に具体的にどういうところを使うかは、ケースバイケースですが。

 


ここで活きてくるのが、過去に日本の漢方家や、中国の医者たちが残してくれた様々な理論や治験を知っているかどうかと、正確な体表観察能力だと思います。

 

特に後者は重要でしょう。

 

要は「ウデ」ですね。

 

また、どういう理論を選択、応用するか、という意味では「センス」も大いに問われます。

 

ちなみにこの、表裏同治を考える場合に、東洋医学をやっている人の間では常識ですが、「合病(ごうびょう)」や、「併病(へいびょう)」なんていう考え方もあります。

 

 


次回はそのお話。

 

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「表裏同治」とは(その4)

2012.02.03

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これまでのお話・・・。

「表裏同治(ひょうりどうち)」とは
「表裏同治」とは(その2)
「表裏同治」とは(その3)

 


前回、漢方薬に「表裏双解剤(ひょうりそうかいざい)」というグループが存在する、というお話をしました。

 

これはまさに読んで字のごとく、「表証」と「裏証」を同時に解く(治療する)お薬のグループです。

 

そしてそれは、さらに3パターンに分けられております。すなわち・・・、

1.解表温裏(げひょうおんり)・・・表証を治しながら、裏を温める。

2.解表清裏(げひょうせいり)・・・表証を治しながら、裏の熱を冷ます。

3.解表攻裏(げひょうこうり)・・・表証を治しながら、裏を攻め下す。

『中医臨床のための方剤学』神戸中医学研究会 編著 医歯薬出版株式会社から引用)

 

 


・・・まあ、コレ以上いくとどんどん難しくなっていくので深入りはしませんが、要は、表裏両方を治そうとする場合、

「表の状態」「裏の状態」にそれぞれ適切に合わせた処置をしないと治せませんよ、ということなんです。

ここで、こぼれ話になりますが、3.の”解表攻裏剤”の中に、有名な「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」という薬があります。

”メタボリックシンドローム”というものが騒がれるようになった近年、「やせ薬」なんつって大々的にうたわれ、話題になった薬です。

・・・やせ薬?? 

 

 

・・・漢方に??

 

 

いやいや、ちょっと待ってよ、そーゆーの、と思いませんか??

 


そういう、太ってるから、太鼓腹だから、イコールこの漢方、とかっていう考え方、また、そう誤解されるような宣伝方法に、僕はまったく賛成しない立場です。

この薬はもともと、1172年、元の時代に、「金元の四大医家」の一人といわれ、火熱論という学説を唱え、寒涼派といわれる劉完素(りゅうかんそ 1120-1200)によって書かれた、

 

『黄帝素問宣明論方(こうていそもんせんめいろんほう)』、通称『宣明論(せんめいろん)』という本に登場するお薬であり、この薬の目的は、

 

表裏、三焦(つまり全身)ともに実(邪気が旺盛)のものに使うことです。

 

・・・まあ確かにそう言われると、慢性的な食べ過ぎ飲み過ぎで、肥満から糖尿病が大流行りの現代人にとっては、とてもいい薬な気がします。

 


でも、コレ飲んで痩せようなんてのは、虫がイイ話です。

 


場合によっては(証が合っていなかったら)具合が悪くなることもあるかもしれません。

 

たまたま証があっていれば、スッキリと汗や便や尿が出て、痩せるケースもあるでしょうが、もしそうなったとしても、僕はあまり感心しません。

 


やっぱり薬に頼る前に、適切な運動、食事、睡眠です。(笑)

 

足すことよりも引くことを考えないと。

 

 


それでもダメな場合に、もし漢方薬でやりたいなら、漢方薬の専門家の診断に基づいた、適切な処方を選ぶことをお勧めしますねえ・・・。

 


忙しくて時間がないのは分かりますし、お手軽を求め、それに飛びついてしまう気持ちも分かります。

 

しかしながら・・・、です。

 

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「表裏同治」とは(その3)

2012.01.29

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これまでのお話・・・。

「表裏同治(ひょうりどうち)」とは
「表裏同治」とは(その2)

 


・・・まあ要は、外から邪気が入った病の場合は、まずは

浅いか、

深いか、

その真ん中か、

を考えて治療する訳です。

(もちろん、それが全てではなく、いきなり深いところに入ってしまうものもありますが。)

 

・・・で、明らかに浅いなら、浅い部分を治療すりゃあいいけど、浅いところ(表)も、深いところ(裏)も、同時に病んでいる場合があります。

 


こんなときは、その両方を治療する必要が出てきます。

 

それを「表裏同治」といいます。

 

漢方薬にも、「表裏双解剤(ひょうりそうかいざい)」というグループがあります。

 

 

つづく

 

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「表裏同治」とは(その2)

2012.01.27

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前回のお話・・・

「表裏同治(ひょうりどうち)」とは

 

前回、東洋医学では、いわゆる「カゼ」とか、最近話題の「インフルエンザ」など、細菌やウイルスによる急性の病のことを、多くは「外感病」と呼び、体の外から邪気が入って、正気を侵害している病、という風に考えます、とか、

外から入るワケですから、浅い部分からだんだんとカラダの奥深くに入っていき、最終的には五臓六腑が障害されて、命にも関わる、という風に段階的に分けて考えています、とか、

その「深さ別」の呼び名として、

表証・・・皮膚表面のような、浅い位置に病がある状態
 ↓
半表半裏証・・・浅い位置と深い位置の中間の、中途半端な位置に病がある状態
 ↓
裏症・・・五臓六腑に関わる、深い位置に病がある状態

・・・というのがある、なんてお話をしました。

 

このように言うと、非常にシンプルに聞こえますが、実は表証にも裏症にも半表半裏証にも、それぞれに非常に様々な、複雑で細かいパターン分類がありまして、

 

しかも治療する上では、その状態になるに至った”流れ”まで考えて、それにキチッと合わせた鍼灸なり漢方薬で治療しないと、

病は治らないばかりか、悪化していくことすらある、と考えます。

 

 

漢方の聖典と言われる『傷寒論』には、この薬を出して、こうなったら悪化、こうなったら成功、こうなったら効果がちょっと弱いからこれを追加しなさい、

 

という話が延々と書かれており、それ(リアルな臨床的見解が豊富)がこの本のバイブルたる所以です。

まあ誰が言ったか、「引きはじめに葛根湯」などという言葉があって、それを鵜呑みにした患者さんから、

「カゼひいたと思って葛根湯飲んだけど、全然治らなかったです。漢方薬って、私の体に合ってないんでしょうか。」

とか、マジ顔で聞かれることがあります。(苦笑)

 

漢方薬が合ってないんじゃなくて、診断が合っていないんです。

 

・・・また、その逆もあります。

「カゼの引きはじめに葛根湯、と思って飲んだら、スゴク効いて、楽になりました。病院の薬と違って副作用もないし、やっぱり漢方薬って効きますね!」

というパターンです。

 


これは、まず効いたのは”たまたま”だし、漢方薬に副作用がないという考え方は危険です。

 

ちなみに副作用についてはこちら

 

キチッとした専門家による診断に基づいて処方されたものならともかく、自分で症状のみから診断して服薬するのは、場合によっては大変危険だと思います。

 


まして体質改善とか言いながら、同一の漢方薬の、年単位での長期服用とか・・・。

 


あまりにも東洋医学が正しく理解されていない現状に驚くこともありますが、それを嘆いてても仕方ない。

 

一生かけて正しい東洋医学を説き、やるのみです。

 

 


・・・なんか話が逸れたから、また次回。(笑)

 

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なぜ「おかゆ」なのか。(その2)

2012.01.10


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前回のお話・・・

なぜ「おかゆ」なのか。 参照

前回、お粥の種類も、いろいろあるよ、というお話をしました。

お粥の「濃さ」も、全粥から三分粥まであり、上澄み部分の液体を「重湯(おもゆ)」といいます。

(興味深いネーミングです・・・。)

炊くモノの種類も、黒米、赤米、粟(あわ)、稗(ひえ)などなど、色々あり、「ナニで炊くか」に関しても、ほうじ茶、緑茶、牛乳などなど、

実にたくさんの種類があります。

我々東洋医学をやるものならば知らない者はいない、聖典のひとつである『傷寒論(しょうかんろん)』という書物の中に、

「桂枝湯(けいしとう)」

 

という、これまた超有名な薬が出てきますが、その薬の説明のところに、

桂枝湯をのませた後は、”熱希粥(ねつきじゅく)”・・・つまり、「熱くて薄いお粥」をのませて、薬の効果を助けるといいよ、

という一文が出てきます。


このように、お粥はお粥でも、熱いおかゆ、薄いおかゆ、トッピングを何にするかなどなど、目的によって微妙に使い分けるのです。

ちなみに1月15日、小正月には小豆粥(あずきがゆ)を食べますね。

また、お粥は必ず体にいいかというと、必ずしもそうではないようです。

流動物であるので、体が弱って食欲がない時に食べやすいという利点、またトッピングによって、足らない栄養を補うことが出来るという利点はありますが、

栄養価としては白米よりも低いし、腹もちも悪いし、噛まずに食べてしまうと、かえって消化に負担をかける側面もありますので、注意が必要です。

いいことばかりではないのですネ。


お粥については、まだ書きたいことがあるので、気が向いたらこの話、続きます。(笑)

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