東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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患者さんの声(60代女性 関節リウマチ、シェーグレン症候群)

2016.04.28

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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。

 

 

60代 女性 

 

【症状】関節リウマチによる手足の痛み、シェーグレン症候群による乾燥症状

 

【既往歴】子宮内膜症、胆石、自律神経失調症

 

 

 

十年ほど前に患ったリウマチの痛みが、昨年末からまた出てきてしまいました。

 

治癒したと思っていたのでショックでした。

検査結果は、やはりリウマチの値が出ており、シェーグレン症候群も合併していました。

 

幸い、検査値はどちらも軽度でしたが、手足の痛みをベースに日替わりで身体の様々な箇所が痛み、辛い状態でした。

 

処方してもらった抗炎症鎮痛剤があまり体に合わず、免疫抑制剤を服用することにも不安がありました。

 

今まで働き続けてきてくれた体の何処にも弊害を及ぼすことなく、対症療法ではなく、体全体が元気になりたいとの思いが強く、

 

治療方法を色々探していた時に、友人が鍼治療を勧めてくれました。

 

鍼といえば、肩こりや腰痛治療のイメージだったのですが、リウマチも治療して下さるとの事でお世話になることにしました。

 

治療開始当初は痛みが増したように感じたり(好転反応)、日によって痛む場所が変わるのでモグラ叩き状態でした。

 

正直な所、鍼一本刺すだけで本当に効果があるのかなあと思ったこともありましたが、痛みはあっても体が軽くなってきたり、

 

食欲も増し、口内の渇きが気にならなくなってきたりと、

 

 

治療を重ねる毎に心身共に楽になっていきました。

 

 

治療して頂いて二カ月経った現在、日替わりの痛みはなくなり、手足の痛みも軽減していて、とても有難く、嬉しく思っています。

 

竹下先生には食べ物をはじめ、色々な養生を教えて頂き、質問にも丁寧に答えて下さって感謝しています。

 

痛みが完全に無くなることを願いつつ、治療をして頂きながら養生に心がけ、「大丈夫!」と明るい気持ちで過ごさせてもらいたいと思っています。

 

これからも宜しくお願い致します。

 

 

【清明院からのコメント】


本症例は、初診がH28年の2月、と
ある鍼灸院さんからの紹介でした。

関節リウマチやシェーグレン症候群というのも、清明院では意外と多く診る疾患です。

 

関節リウマチ YAHOOヘルスケア

シェーグレン症候群について 難病情報センター

 

西洋医学的には痛み止めやステロイドを使って、効果薄だと、免疫抑制剤を使ったりしてコントロールするしかなく、

 

いずれにしても対症療法的であり、たとえうまく症状がコントロールできていたとしても、患者さんとしては非常に先行きが不安な疾患でもあります。

 

こういうものに、東洋医学が力を発揮します。

 

東洋医学的な考え方に基づく、「根本的な体質改善」が見込める可能性がある、ということです。

 

西洋医学的な数値がどうであれ、リウマチの関節炎や、シェーグレンの乾燥症状が起こる状況、外的環境にさらされても、

 

それが起こらない体質に改善される場合がある、ということです。

 

本症例の患者さんは、初診の10年前にもリウマチの痛みを発症したことがあり、今回、10年ぶりに再発してしまったこと、

 

病院から出された薬があまり効かなかったことに、非常に不安感を覚えておりました。

 

また、10年前に発症した時は漢方薬で治したそうで、もともと東洋医学に理解のある患者さんでした。

 

このように、どんな病気であれ、東洋医学の考え方に肯定的な患者さんは、治療がうまくいきやすい傾向があると思います。

 

初診時、「痹証(肝鬱痹≒著痺:脾湿肝鬱)」と証を立て、治療を開始すると、初診治療後から非常に手応えのある変化を見せました。

 

多少、治療後に瞑眩が出たり、症状が右往左往することはありましたが、5診目には症状が緩解し始め、そのままブレずに、

 

冷静に有効打を与え続け、2か月後、20診目には関節炎の消退をみました。

 

「メンケン」って何ですか? 参照

 

今後も、外部環境がいかに変化しても、リウマチやシェーグレンの症状が出ないような体質になるよう、治療を進めさせていただこうと思います。

 

また、本症例で興味深いのは、リウマチによる関節炎を主な標的として治療を進めていたのですが、シェーグレン症候群による渇き症状も、

 

同時に改善していることは、注目に値すると思います。

 

東洋医学は、全身のバランスを整えることによって、その患者さんの「治る力」を最大化しようとする治療です。

 

化学物質による強引な対症療法ではありません。

 

ですので、こういう、嬉しい副産物が付いてくることはよくあります。

 

アレルギーや自己免疫疾患など、西洋医学が比較的苦手とするような疾患に、伝統鍼灸、試してみては如何でしょうか。

 

試す価値「大」だと思います。

 

 

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補瀉 参考文献

2016.04.26

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以下に、この「補瀉」シリーズを書くのに使った、参考引用文献を記します。

 

 

専門家の先生方は御参考にどうぞ。

 

(タイトルと出版社で検索できるだろうから、作者名は省きました、悪しからず。)

 

 

『現代語訳 黄帝内経 霊枢 上下巻』東洋学術出版社

『現代語訳 黄帝内経 素問 上中下巻』東洋学術出版社

『意釈黄帝内経素問』築地書館

『意釈黄帝内経霊枢』築地書館

『難経解説』東洋学術出版社

『ハイブリッド難経』六然社

『難経鉄鑑』たにぐち書店

『刺鍼技術史』たにぐち書店

『針経三書』中国中医薬出版社

『鍼灸学釈難』源草社

『完訳 鍼灸大成』三和書籍

『針灸手技学』東洋学術出版社

『写真で見る鍼灸補瀉手技』東洋学術出版社

『補瀉論集』石山針灸医学社

『解説 鍼灸重宝記』医道の日本社

『東洋医学の宇宙』緑書房

『弁釈針道秘訣集』緑書房

『北辰会方式 理論編』(一社)北辰会

『日本鍼灸医学 基礎編』経絡治療学会

『杉山真伝流臨床指南』六然社

『針灸広狭神倶集』石山針灸医学社

『鍼経原始』森之宮医療学園出版部

『鍼灸茗話 全』医道の日本社

『漢方医学の新研究』文理書院

『鍼灸真髄』医道の日本社

『鍼灸医学典籍大系』全23巻 出版科学総合研究所

 

ほか

 

 

・・・って感じです。

 

 

あとは色々、ネット上に公開されてある古文献とか、自分で入手した江戸期の古文献や、中国語文献とかの記載を縦横無尽に引用させてもらいました。

 

 

実は今回、6年間毎日ブログを書いてきて、こうやって専門家のみに向けたような記事をシリーズで書いたのは初めてです。

 

 

意外と楽しいもんですね。(笑)

 

 

少しスカッとしました。(*‘∀‘)

 

 

一般人や患者さんに向けたような内容の記事はスタッフブログの方に任せて、こういうのも今後はたまに書いていこうかな、と思います。

 

 

まあしかし、支持者の少ない日陰の医学医療である鍼灸人としては、専門用語ばっかりのBtoBよりも、BtoCの方が重要だと思っています。

 

 

今後も工夫していきます。

 

 

 

皆様、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。<m(__)m><m(__)m>

 

 

 

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補瀉 48

2016.04.21

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1

補瀉 35  『杉山真伝流』における補瀉 2

補瀉 36     永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉

補瀉 37   『杉山流三部書』における補瀉 

補瀉 38     岩田利斉『鍼灸要法』における補瀉

補瀉 39    岡本一抱『鍼灸抜萃大成』における補瀉 

補瀉 40    本郷正豊『鍼灸重宝記』における補瀉 

補瀉 41  菅沼周桂(1706-1764)『鍼灸則』における補瀉 

補瀉 42  石坂宗哲(1770-1841)『鍼灸茗話』における補瀉 

補瀉 43  坂井豊作(1815-1878)『鍼術秘要』における補瀉 

補瀉 44   澤田流における補瀉 

補瀉 45  柳谷素霊先生、経絡治療学会における補瀉 

補瀉 46 北辰会における補瀉

補瀉 47 北辰会における補瀉 2          参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆北辰会の補瀉は、何故ほとんど手技を使わないのか その2(無為自然)

 

 

補瀉という考え方は、『黄帝内経』の中に貫かれ、数千年に渡る鍼灸医学の中にずーっと貫かれていると言っていい、とても重要な考え方です。

 

 

蓮風先生もかつては、この考え方の淵源は、「孫子の兵法」で有名な『孫子』の虚実萹がもとになっているのだと認識しておられたようです。

 

孫子の兵法 参照

 

 

すなわち、戦(いくさ)です。

 

 

病を、邪気と正気の戦ととらえ、

 

正気を集める、すなわち味方の兵を集めて援軍を送るのが補法、

 

邪気を散らす、すなわち敵軍を積極的に蹴散らすのが瀉法、

 

という考え方です。

 

 

これにも、もちろん一理ありますし、このことは、北辰会が少数鍼治療であることの理由でもあります。

 

(鍼をたくさん打って、むやみに戦線を広げずに、一極集中で確実に勝っていく方法、という意味で。)

 

 

しかし、諸子百家の勉強を進める中で、『老子』77章に、

 

「天の道は余り有るを損じて、而して足らざるを補う。」 

 

とあることに、思うところがあったそうです。

 

 

蓮風先生はこのように、東洋医学は人間学であるから、鍼を持つ者は、あらゆる宗教、哲学、諸子百家思想に、人間理解の論理を学ぶべきだ、

 

と、若い頃から繰り返し説いています。

 

 

老子の思想の根幹部分は何と言っても「無為自然」です。

 

「老子」という人物 参照

 

 

『老子』37章にこうあります。

 

 「道常無為、而無不為」

 

(道(タオ)は常に何事もなさないが、それでいて全てを成し遂げている)

 

「道教」って何ですか?(その16)

「道家思想(どうかしそう)」って何ですか?  参照

 

 

東洋医学は、「整体観」といって、人体も含めて、この自然(宇宙)は完璧に整った統一体である、という考えに基づいています。

 

「整体観」って何ですか? 参照

 

 

人間が生理的で健康な状態、というのは、完璧に整った状態、完成品と定義しているわけです。

 

 

そして、その完璧なバランスが崩れてしまっているのが、我々の言う「病」であるわけで、もともと完璧な統一体(整体)であるからこそ、

 

そこには「治る力(正気)」が備わっている訳なので、鍼灸や漢方薬で「気」を動かし、崩れた人体のバランスを整える(完璧に近づける)ことで、

 

その「治る力」を最大化せしめるのが「治療」なのだ、という考えなのです。

 

 

そして、もともと完璧な自然、整体である人体の「治る力」をより最大化するには、あまり人為的で、作為に満ちた鍼をするよりも、

 

自然に逆らわないように、作為を排した、無為自然的な鍼をした方が、より大きな気の動きを得ることが出来るのではないか、

 

と考えるに至ったようです。

 

 

これが、現在では手技をほとんど使わない、大きな理由の2つ目。

 

 

ただ、無為自然というのは、ただ何も考えずにボケーッと鍼をすることではないし、北辰会は、補瀉における手技を全く否定しているわけでもない。

 

 

 

その話を次回。

 

 

 

続く

 

 

 

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患者さんの声(20代女性 治らないカゼ)

2016.04.12

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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。

 

 

20代 女性 

 

【症状】1か月以上治らないカゼ症状(咳、痰、微熱、悪寒、下痢)

 

【既往歴】十二指腸潰瘍、生理痛、不正出血

 

 

 

最初、清明院に行ったきっかけは1ヶ月以上風邪をこじらせたことでした。
どこの病院に行っても、待ち時間は長いのに診察は1分程度・・・

 

全然治らず、不安な私に、鍼灸の勉強をしている弟が、ここしかない!と勧めてくれて、清明院に行きました。

病院嫌いで注射も大嫌いな私が、鍼なんて無理!と思いましたが、そのときは藁にもすがる思いでした。

 

4枚にわたる問診票
1時間以上の問診
そして1時間の治療

 

とにかくたっぷり聞かれて、たっぷり話しました。

 

正直、記憶の中で薄れている部分も多いところまで聞かれて、逆に普段の自分の生活と向き合う時間にもなったような気がします。

 

最初は緊張してばかりでしたが、先生がとても話しやすく、たくさん聞いてくださるので、だんだん打ち解けるようになり、

 

自分の体をとことん診て、治してもらえる!と信じて通うようになりました。

 

最初は週2回ずつ通いました。
治らなかったカゼが、1週間くらいで咳は治り、その後、すぐに痰も絡まなくなりました。

お腹はなかなか治らなかったのですが、先生を信じて通い続け、そこから1ヶ月弱くらいで良くなりました。

 

それからは、症状以外の体調を整えてもらい、できるだけ健康体になるように、先生に言われるがまま通っています。

 

体のちょっとした異常から、病気の芸能人のニュースなどで精神的にも不安になったりすることもあり、その度に先生には診ていただいて治療してもらっています。

ちょっとでも痛い、変な感じを伝えると先生は親身に診てくださり、心配なければ心配ない!と言ってくださるので、

 

とりあえず何かあったら相談してみようといつも思っています。

 

去年、移転リニューアルしてから完全個室になり、他の患者さんたちに自分の状況が聞こえなくなったので、話しやすくなりました。

 

今ではかなり元気になったので、通う頻度も減りましたが、ここなら安心!という病院ができただけ心強いです。

 

鍼灸院や東洋医学はマイナーで足を踏み出しにくいとは思いますが、病院嫌いの私でも、すすんで行く病院です!

 

ぜひ皆さんに一度行っていただきたいです!

 

 

 

【清明院からのコメント】


本症例は、初診がH27年の6月、
ある鍼灸学生さんからの紹介でした。

この症例は、発症当初、一般的なカゼ症状から始まり、病院で投薬治療を行い、一定の改善を見るも、それ以上の効果に関してはお手上げ状態になっていた症例です。

 

こういう症例も、意外と多く診ます。


西洋医学の病院が処方するかぜ薬(西洋薬)というのは、基本的にはカゼに伴って起こる諸々の症状を、表面的に緩和するものしかなく、

 

薬を飲んだら症状は楽になったけど、かえって経過は長引いた、という結果になってしまう患者さんが少なくありません。

 

また、医師を対象に取ったアンケートで、

 

「あなた自身がカゼを引いた時、薬を飲みますか??」

 

という問いに、飲むと答えた医師は極端に少なかった、という有名な話もあります。

 

http://biz-journal.jp/2015/09/post_11561.html

 

(因みに私の知り合いの、西洋医学バリバリのドクターも、そう言っていました。)

 

そういった理由から、近年、カゼを根本から治療しようということでなのか、「漢方薬」を処方するドクターも増えていますが、

 

私の知人の漢方薬専門の薬剤師の先生からは、皆さん口を揃えて、

 

「知ったかぶりの、全然デタラメな東洋医学の知識でもって、患者さんにまったく的外れな漢方薬を処方するドクターが多過ぎる!」

 

と聞きます。

 

これらは、現代医療の由々しき問題の一つですね。

 

大変嘆かわしい現実だと思います。

 

・・・でまあ、こういう状態になっている患者さんに、清明院の鍼は良く効きます。(笑)

 

この患者さんも、初診時、今回のカゼも関与した「肝脾同病(肝気逆、湿熱)」と証を立て、治療を開始すると、一回の治療で非常に大きな効果が得られました。

 

その後も順調に経過し、下痢症状のみ、若干ぶり返すことがありましたが、初診から1カ月弱、計7回の治療で、全症状消失しました。

 

まずまず、鍼がよく効いた症例と言っていいと思います。

 

このように、カゼなどの急性の軽症の疾患であっても、間違った治療、対応を重ねることで、治りにくくなり、ついにはもともと体質的に弱い部分を、

 

さらに弱めてしまう結果になってしまうことは、少なくありません。

 

当然それが大病、重病に繋がる可能性もあります。

 

こういう経験をした患者さんは、その後は自分の身に何かあると、すぐに鍼に診せに来るようになります。

 

(笑・・・体で覚えるワケです。)

 

 この患者さんも、現在では清明院のすぐ近くの会社に転勤されたこともあって、1、2週に1回、健康の維持増進を目的に、

 

通院を継続されております。

 

「カゼに鍼が効く」という事実は、現代日本の国民にはほとんど知られていないと思います。

 

でも実際に効くのです。

 

東洋医学では、数千年前から当たり前に、カゼを診療してきました。

 

何かあったら、早い段階で清明院に鍼に来ることをお勧めします。

 

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日本東洋医学会

2016.03.22

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3.20は、東京大学で行われた、日本東洋医学会に久々に参加してきました!!

 

 

日本東洋医学会という団体は、医師を中心とした東洋医学の学術団体です。

 

 

まあ、医師が中心ですから、必然的に漢方薬の話が多くなるのですが、たまに聞くと面白い。

 

 

医師から見た東洋医学と、鍼灸師から見た東洋医学は、またちょっと違ったりします。

 

 

その視点の違いが、僕的には面白かったりします。

 

 

今回は鍼灸関係の講演もありましたが、印象に残ったフレーズは、

 

「ガラパゴス化する日本の鍼灸」

 

ですね。(苦笑)

 

 

1980年代から、東洋医学の世界基準を作ろうという動きが活発化し、日中韓の3国を中心に、

 

1.用語の統一、

 

2.経穴の位置の統一、

 

3.教育方法、トレーニング方法の統一、

 

4.疾病分類の統一

 

という、4本柱を旗印に、様々な会議体が作られ、話が進んできました。

 

 

2000年代に入って、1.と2.の課題については、決定しました。

 

 

英文、日本語での教科書もすでに出来ています。

 

 

3.と4.についても、中韓はそれぞれ立派な内容のものを自国内で持っているらしいのですが、日本ではそれの対案と言えるような、

 

国是とされるようなものはないのが現状です。。。

 

 

このままでは、国際社会の中で、日本の鍼灸はどのような評価になるのか。。。

 

 

よく政治の面で、日本の外交の弱さが問題になりますが、こういうところでも、日本というのはアピールがなかなか出来ていないようですね。。。

 

 

また一方で、日本人の行う鍼は非常に繊細である、したがって使用する鍼も非常に品質がいい、と、鍼の精巧さに対する評価は高いようです。

 

 

今年は10月にWFASという、国際鍼灸学会がつくばで行われます。

 

WFAS ホームページ

 

(因みに我々北辰会の藤本蓮風先生も副会頭に就任しました。)

 

 

そこで日本がどのようなプレゼンスを示せるのか。

 

 

僕的にはやっぱり、一症例の完成度で勝負するしかないと思うんですけどね。。。

 

 


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患者さんの声(60代女性 脊柱管狭窄症)

2016.03.20

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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。

 

 

60代 女性 

 

【症状】脊柱管狭窄症による腰下肢の痛み痺れ(坐骨神経痛)、歩行困難

 

【既往歴】関節リウマチ、右顔面神経麻痺

 

 

 

「竹下先生なら親身になって診てくれますよ。」

 

という言葉を頼りに清明院に行ったのが、今から二年ほど前の事です。

 

当時、新宿駅から清明院までの5分程度の道中、痺れで毎回一度は立ち止まり、屈伸をして、どうにか通っていました。

 

そして鍼治療が始まっても、元々鈍感な体質?!の為、最初の頃は何の変化も感じませんでした。

 

温めて頂いた足元が気持ちいい...くらいでした。

 

それが、いつとは分からないのですが、屈伸しないで通えるようになったのです。

 

最近では、お友達と週二、三回歩く時間を作って、60~90分、休みなく歩いているのです。

 

普段、持病の他、私にとっては万病の時の駆け込み寺のようです。

 

知らず知らずの間に、竹下先生のお導きでここまでこれたと、感謝しています。

 

これからも体調を崩したら清明院。

 

なにで来ても、最善の対応をしますと断言して下さる竹下先生。

 

これからもどうぞよろしくお願い致します。

 

あの言葉を信じて良かったです。

 

 

 

【清明院からのコメント】


本症例は、初診がH26年の4月でした。

 

あるマッサージ院さんからの紹介でした。

この症例も、専門病院で投薬治療を行い、一定の改善を見るも、それ以上の効果に関してはお手上げ状態になっていた症例です。

そういうものを治してこその鍼灸医学ですね。

清明院では、脊柱管狭窄症に関しては、これまでにも診させていただいた経験が多くあり、それなりに自信があります。

 

初診時、「肝鬱気滞、腎虚」と弁証し、鍼をした後の変化から見て、これはいけるだろうな、という手ごたえは感じていました。

 

ただ、本症例は本格的に発症してから4年が経過しており、初めて軽い症状を自覚したのは15年前、という慢性症状であり、

 

メインの症状以外の既往歴も色々とあるので、時間はそれなりにかかるだろうと思いました。

 

案の定、初回の治療後、いい変化は感じていたものの、すぐに症状が元に戻ってしまうという、患者さんも、こちらとしても、ヤキモキするような状況がしばらく続きましたが、

 

それでも冷静に、有効打を与え続けた結果、上記のような素晴らしい結果が得られた、という症例だと思います。

 

よく頑張って通って下さったと思います。

 

このように、慢性、難治性の疾患を治療する場合、患者さん自身の治療に対する前向きな心持ち、行動が非常に重要になります。

 

初診以降、週1,2回のペースで治療を続け、無理をして疲れたり、カゼを引いたり、症状が強く出てきたりする度に適切に対応し続け、

 

徐々に徐々に症状が緩解していき、初診から1年が経った頃には、症状は半分以下となり、1年半たった頃には、最初を10とすると1程度まで改善しました。

 

現在では月に1.2回、健康の維持増進を目的に、通院を継続されております。

 

一回二回の治療で劇的に治癒した症例も、派手で結構ですが、こういう症例も実は鍼灸治療、東洋医学の醍醐味、本領だったりします。

 

脊柱管狭窄症というと、薬や注射で痛みや痺れをごまかし続け、いよいよ歩けなくなると手術する、で、しばらくするとまた同じ症状が出て、

 

同じことの繰り返しをしているうちに、いよいよ歩行困難、お手上げ状態となる、という悲惨な流れになってしまう方が非常に多いのですが、

 

早い段階で清明院に鍼に来ることをお勧めします。


何でも治せるとは言いませんが、脊柱管狭窄症については、鍼を持って以来、非常に多くの症例を診ていますが、総じて皆さん結果はいいようなので、

 

お困りの方は是非一度診せにいらしてください。

 

 

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補瀉 7

2016.02.13

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これまでのお話・・・

 

補瀉 1

補瀉 2

補瀉 3

補瀉 4

補瀉 5

補瀉 6 参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形萹(4)における補法

 

 

ここには、邪気が臓腑を襲った時の症状の出方や治療法が書かれているのですが、その中に、

 

「刺濇者、必中其脈、随其逆順、而久留之、必先按而循之、已発鍼、疾按其痏、無令其血出、以和其脈。諸小者、陰陽形気倶不足、勿取以鍼、而調以甘薬也。」

 

とあります。

 

 

訳しますと、

 

「血虚のものに鍼する時は、必ず目的の経脈を狙って、その気の流れに合わせて置鍼します。必ず、刺す前にきっちりとツボを押さえ、

 

抜いた痕は血が出ないようにキッチリ抑えます。非常に正気が弱ったものについては、鍼をせず、甘味のある薬を使います。

 

となります。

 

 

 

ここでも、鍼する前にキチッと抑えること、抜いた痕もキチッと抑えることを教えております。

 

 

これまでにも出てきた、

 

「開闔の補瀉」

 

ですね。

 

 

 

ここで面白いのは非常に正気の弱った患者には、鍼は使わない、と書いてあることです。

 

 

鍼を刺して気を動かすこと自体が、非常にリスクを伴うようなケースというのも、あるにはある、ということです。

 

 

蓮風先生も、絶命する寸前の患者さんに対しては、そのご家族に、

 

「体を軽く擦ってあげなさい。」

 

と指示をすることがありますし、治療も、毫鍼で刺さずに、翳す鍼が中心になってきます。

 

 

 

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どっち転んでも大変なら、やりたい方をやろう

2016.01.27

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今日は学校でおテストです。

 

 

3年生にとっては最後の期末テストなんですね。

 

 

国家試験まであと21日なんだそうです。

 

 

僕のテストでは、毎回最後にサービス問題として

 

”将来どうなりたいか”

 

を問います。

 

 

1.名人的鍼灸師

 

2.地域密着ホームドクター的鍼灸師

 

3.多角経営をこなすセレブ鍼灸師

 

4.考え中

 

 

この4択です。

 

 

圧倒的に多いのは、2.です。

 

 

これ、学生としては無難な選択肢を選んだつもりかもしれませんが、独立してそれをやる場合、ハードルはかなり高いと思います。

 

 

多くの患者さんにとって、ホームドクターなんて、すでにいるからです。(苦笑)

 

 

保険も効くし、薬もくれるし。

 

 

間に合ってますわー、って話です。

 

 

そこに、鍼灸マッサージのみで、自由診療で、地域社会における医療に割り込もうと思ったら、なかなか難しいと思います。

 

(まあ、すでにホームドクターになっている整形外科とか接骨院に、鍼灸師として勤務するなら、それはかなり現実路線かとは思いますが。)

 

 

もちろん出来ないことはないと思いますが、これを選んだ多くの人が考えているより、ハードルは高いんじゃないかと思います。

 

 

4.の人は、ホントは決まっているけど、その態度表明をするのはちょっとはばかる、という人が多いのではないでしょうか。

 

 

考える時間が3年間もあって、ホントのホントにまだ考え中なのであれば、ちょっと優柔不断すぎですね。(苦笑)

 

 

3.を選んだ人はまあ・・・、頑張って下さい、って感じです。

 

 

僕的には断然1.ですねー。

 

 

鍼なんていう、とんでもない道具を持って、東洋医学を学んだならば、それ以外に何を目指すの??って感じです。(笑)

 

 

この世界に入ってから一貫して。

 

 

・・・まあ、どう転んでも大変なんであれば、やりたいことをやろう。

 

 

人様に迷惑かけないように注意しながら。

 

(もしかけちゃったら、謝って修正しよう☆)

 

 

 

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カゼか喘息か。

2015.12.20

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患者さんから、

 

「先週カゼを引いててー、・・・」

 

という話をされることがあります。

 

 

そういう時、私は間髪入れずに

 

「診せに来ればよかったじゃないですか。」

 

と声をかけます。(笑)

 

 

ここで、リアクションは2パターンに分かれます。

 

1.「え?カゼって鍼で治るんですか?」

 

となる患者さん。

 

 

このことについては、何回か書いていますが、哀しいかな、現代ではカゼを引いたら近所のコンビニや薬局で薬を買って、

 

仕事休んで、遊び行かないで、家でお粥食って薬飲んで寝込んで、それでも治らなかったら病院に行く、というのが国民の常識です。

 

ファーストチョイスで鍼に行く、という人はごく少数派でしょう。

 

(鍼灸院の患者さんと、鍼灸師ぐらいかも!?(苦笑))

 

 

でも、東洋医学では数千年前から当たり前にカゼの治療を行っています。

 

ですので、こういう患者さんにはまず、そのことをキチッと教えてあげないといけません。

 

現代日本で東洋医学を実践するものの責務でしょう。

 

 

もう一つのリアクションパターンは

 

2a.「いやー、来たかったんですけど、忙しくてー、・・・」

 

とか、

 

2b.「いやー、来たかったんですけど、熱が出ちゃって動くのもしんどくてー、・・・」

 

という場合。

 

 

こういう患者さんは、鍼でカゼが早く治る、楽になる、ということを分かっています。

 

ここで、2.のパターンの患者さんであっても、自分の今の症状が”カゼ”なのか”喘息”なのかイマイチ区別がつかない、

 

なんてことがよくあります。

 

 

カゼと喘息は違うのか。

 

 

 

長くなったんで続く。(笑)

 

 

 

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半分以下

2015.11.05

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清明院の患者さんは皆さん理解しておられることと思うが、鍼灸治療の本領は、肩凝り腰痛と言うよりも、むしろ現代医学が不得手とするような、

慢性の難治性の内科疾患だったり、アレルギー疾患だったりする。

(さらに…)

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