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2018.09.10
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これまでのお話・・・
一貫堂医学について 2 参照
・・・さて今日は、森道伯の一貫堂医学の言う三大体質の二つ目、「臓毒証体質」について掘り下げます。
「臓毒証体質」とは、風毒、食毒、梅毒、水毒の四毒に侵された体質、だそうです。
この四毒を少し詳しく言いますと・・・、
「風毒」とは、ここではあらゆる病のもととなるようなキツイ邪気のことを言っているようです。
「食毒」とは、そのまんまですが食べ物の毒、それも急性の中毒ではなく、慢性の毒とも言えるもので、要するに肉食中心の偏った食生活や、
暴飲暴食の過剰な栄養だったり、また現代であれば加工食品や添加物などによる 内臓機能の低下なども広く含まれる考え方だと思います。
「梅毒」というのは性感染症で有名なあの梅毒で、現代では残念ながら増加傾向だそうです。
「水毒」というのは腎機能が低下して不要な水分の排出が滞って、水滞(浮腫みも含む)が起こったもののことを指しているようです。
この「四毒」が体内に蓄積し、単一に、あるいは複合して、健康を害しているようなものを、「臓毒証体質」と名付け、
これらすべてを「防風通聖散加減」で治療していた、というワケです。
この体質のものは、ガッチリしていて若いうちは丈夫だが、壮年期になると癌や脳卒中、痔疾や腎疾患を起こすと言われます。
診断は望診、脈診、腹診であり、
皮膚は黄白色、脈は実脈や堅い脈が中心で、腹は全体が堅いか、あるいは全体が軟満しているか、
だそうです。
防風通聖散は、以前このブログでも紹介した金元の4大医家の一人である劉完素(1120-1200)の著作である『黄帝素問宣明論方』(1172)に出て来る方剤で、
もともと熱のこもりやすい人が風寒邪に罹患し、「表裏ともに実」になったものに使う方剤と言われます。
実はこれ、近年になって”やせ薬”みたいに言われて、「ナ〇シトール」だの「コッコ〇ポA」とかいう商品名がついて製品化されています。。。
(しかし、痩せたいからといって安易に使用するのは、危険極まりないので絶対にやめましょうね。)
まあ、こういうものがよく売れるぐらい、安逸過度や暴飲暴食で実熱証、毒素をため込んでいる人が多いというのは、森道伯先生の晩年の、
第一次大戦後の、未曽有の好景気であった大正~昭和初期の日本と似ているのかもしれません。
しかし、私もたまにのぞかせていただき、勉強させていただいている、山口の村田漢方同薬局の村田恭介先生は、そのブログの中で、
「特殊な状況においてしか使う必要のない、まして現代においては全く必要のない、支離滅裂に近い配合」
と断じておられます。(笑)
・・・うーん、この辺、漢方家からしてどうなんでしょうね。
まあ、防風通聖散の方意を見ると、表は風邪邪実、裏は腸胃の湿熱の実、で、表は疏風して裏は清利湿熱で、表裏双解剤、というわけですから、鍼ではどうやるのが近いでしょうかね。
外関や合谷やりながら、上廉で下すような感じ?しかも養血や和中の穴処も加える??
あるいは上腹部の沈んだ実をややキツ目に瀉すか??
(これだと難易度は高いね。)
まあ、確かなのは、防風通聖散も、単に痩せようと思って長期に服用するなんてのは、バカ丸出しだね。(苦笑)
毎日、メシ減らして走ってりゃ、絶対痩せます。
漢方薬のそういう使い方を聞いたら、天国で森道伯が泣いているでしょうな。
続く
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2018.09.09
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前回、一貫堂医学の基本中の基本である、「三体質・五処方」を紹介しました。
今日はこのうちの「瘀血体質」なるものについて少し掘り下げましょう。
「瘀血」という病理産物については、東洋医学では誰でも知っているような重要な概念で、このブログでもチョイチョイ登場しています。
まあ要するに、「使いもんにならん、停滞した血(けつ)」のことです。
あらゆる病気、症状に関わり、あらゆる病気、症状を治りにくくする、病理産物であります。
一貫堂医学では、これを叩くことを治療、予防の3本柱の一つとして、非常に重視してるわけです。
一貫堂のいう瘀血体質というのをもう少し詳しく述べると、要は「体内に停滞した血液を持っている者」のことであり、血液の多くは腹部にあることから、
腹部、それも下腹部、骨盤内(それも左側)に瘀血が停滞しやすい、特に閉経後や月経不順のある婦人に多いと考え、皮膚の色、脈診、腹診などで判断するようです。
(皮膚は赤ら顔、爪は暗赤色、あるいは貧血して黄白色、脈は細実、腹は臍周に緊張、腹直筋が緊張など)
瘀血体質の患者がかかり易いのは脳溢血、片麻痺、喘息、胃腸病、肝臓病、肺結核、痔疾、淋疾、精神疾患、婦人病などなど、とのことです。
(幅ひろー(゜o゜))
・・・で、これらを通導散加減で治療します、と。
通導散というのは、中国明代、16~17世紀を生きたと言われる龔廷賢(きょうていけん 生没年不詳)の著作である『万病回春』に所収されている処方で、
現代でも超有名な駆瘀血剤(瘀血を取り去る薬)です。
この『万病回春』は、江戸時代の日本人の医師に広く読まれた古典であり、極めて実践的な内容で、あの和田東郭や、原南陽も高く評価しているそうです。
つい最近、1989年になって、大塚敬節先生の指示を受けた松田邦夫先生が全訳解説本を出版されたことでも知られています。
この通導散は、『傷寒論』の陽明病の薬として有名な大承気湯に当帰、紅花、甘草を加えた加味承気湯に、さらに蘇木、枳殻、陳皮、木通を加えたもので、
気の停滞、瘀血を取り去る力の強い薬です。
(『万病回春』の原文には”童便、黄酒各一鍾で温服すべし”とありますが、”童便”ってまさか。。。( ;∀;))
・・・で、私は鍼師ですので、さてこれを、鍼でやるならどうするか、という問題にぶち当たる訳ですが、北辰会では瘀血証には三陰交、膈兪、血海、臨泣などを瀉法で使いますが、
通導散のイメージに一番近いものとなると、この中では臨泣でしょうかね。。。
ただし「上手にやれば」ですね。(ΦωΦ)
続く
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2018.09.08
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先日、森道伯先生を紹介しました。
森道伯という人物 参照
森道伯先生が晩年唱えたと言われる、「一貫堂医学」。
現代にまで、影響を与えております。
これは簡単に言うと、
「体質を3つに分類し、5つの処方を上手に使い分ける」
という医学なんだそうです。
3つの体質というのは、
① 瘀血証体質(瘀血をため込んでいるタイプ)
② 臓毒証体質(風毒、食毒、梅毒、水毒の四毒をため込んでいるタイプ)
③ 解毒証体質(肝臓の解毒能が低下しているタイプ)
の3つであり、この「体質」そのものを改善することが、病の根本的な治療に重要なのだ、という考えであり、5処方というのは
①には通導散、
②には防風通聖散、
③には、幼少期には柴胡清肝散、青年期には荊芥連翹湯、青年期以降には竜胆瀉肝湯、
を、それぞれ加減して用いる、というやり方が根幹だそうです。
(上記はどれも現代も用いられる、有名な処方です。)
・・・まあ、こう簡単に言ってしまうと、いかにもマニュアル漢方みたいですが、森先生はおそらくこの簡単な理論ベースを、加減方で縦横無尽に使い分けていたんでしょうね。
以前も紹介しましたが、江戸期、和田東郭(1742-1803)が『蕉窓雑話』の中で弟子たちに
「方を用ゆること簡なる者は、其の術日に精し。方を用ゆること繁なる者は、其の術日に粗し。世医ややもすれば、 すなわち簡を以て粗と為し、繁を以て精と為す、 哀しいかな。」
これを簡単に意訳すると、
「薬をシンプルに使う先生はうまい!薬を煩雑に使う先生はヘタ!世の医者は、煩雑な処方を有難がる向きがあるけど、哀しいことだ。」
というほどの意味でしょう。
「四逆散」というお薬 6 参照
まあ、あれやこれやと、治療を煩雑にやる先生や、それを尊敬するような風潮をクサしている訳です。
和田東郭も森道伯も、著述を好まなかったという点は似ていますし、少数の処置(処方)でバチッと効かせるという考え方は、北辰会の一本鍼にも通じますね。
なんだかシンパシーを感じる先生達です。
(蓮風先生はメチャメチャ本書いてるけど。笑)
せっかくなんで、一貫堂に関して、もう少し掘り下げましょう。
続く
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2018.09.04
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9.2の日曜は、大阪で行われた(一社)北辰会エキスパートコースに参加してきました!!
今回は午前中は実技。
古参の講師である「太陽堂鍼灸院」院長、高木幸二先生に、ちゃっかり治療してもらっちゃいました☆
高木先生は、約30年前の、藤本漢祥院の内弟子です。
ほぼ、北辰会の生き字引です。
ガタイのデカい、声のデカい先生ですが、鍼や診察は非常に繊細で、分かりやすいです。
今回も非常に勉強になりました。
午後は大阪で「鍼灸 大仙堂」を開業されている山本克仁先生による講義「問診情報の、弁証への繋げ方」。
北辰会では初診時に1時間以上かけて、症状だけでなく、生活状況や体質についてなど、色々な情報を聴取します。
でも、そうやって苦労してとった情報を、弁証(診断)に結び付けないとゼロ意味です。(笑)
今回、それをどうやって結びつけるか、非常に丁寧に講義して下さいました。
最後は若手のホープ、「藤本玄珠堂 武庫川分院」院長である松本賢一先生による症例発表「アトピー性皮膚炎」。
藤本玄珠堂と言えば、私も昔から非常にお世話になっている、藤本新風先生の鍼灸院です。
そこの分院長である松本先生。
真横(座長)に本院長がいるという、極限の状況下での発表でした。(笑)
生まれつきのアトピー性皮膚炎という、決して簡単とは言えない病気に、鍼一本で、たいへんよく頑張っている症例だと思います。
初診は今年の春であり、まだまだ経過の短い症例ですから、これから数年かけるつもりで、キッチリ根本から治してあげて欲しいと思いますね。
そして終わった後は酒。。。
今回はドクターや薬剤師の先生方と、漢方トークが爆発しました。
北辰会の症例カルテには、あらゆる勉強のネタが詰まっています。
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2018.09.02
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清明院では、新患さんが見えた時、もしその症状でかかっている西洋医学の先生がいらした場合に、鍼灸に来たという内容を書いた「来院報告書」というのを、
その先生に送ってもいいかと尋ねます。
で、必ず患者さんの許可、承諾を得た上で、病院に「来院報告書」を郵送します。
本当は全症例、こうしておかないと、鍼灸が介入した時点からその症状が好転した場合、西洋医学の先生はなぜだか分からないか、あるいは自分が出している薬なりが効いているものと思ってしまうでしょう。
これでは、結果的に患者さんの不利益に繋がりますので、清明院としては極力、西洋医学と手を携えて患者さんの治療にあたりたいという思いから、
なるべくこれを送ることにしています。
結構な確率で丁寧な返信が来ますし、理解のある先生であれば
「鍼灸は素晴らしいからぜひ試してみて下さい。」
という話になります。
そこで患者さんはさらに安心します。
・・・ところが、うまくいかないケースというのもあります。
今のところ「来院報告書」を送ったらドクターが激高したとか、そういう事例には当たったことはないですが、普通に無視されたことは何度もあります。(苦笑)
・・・まあ、鍼灸や東洋医学をまったく知しらないドクターからしたら、
「ナニコレ??この病気に鍼灸??意味あんの?ノーエビデンスでしょ。<(`^´)>」
ってなもんでしょうね。(苦笑)
なにせ、6年間の医学部の授業の中に東洋医学の授業は4コマしかないし、医師国試にも出ないのですから。(苦笑)
鍼灸の可能性や現場での様子など、慰安的マッサージの延長ぐらいにしか思っていないでしょう。
あるいは、患者さん自身から、
「病院の先生には言わないでください。プライドが高い先生なので。。。」
とか、
「怖いので。。。」
とか、
「合わないので。。。」
と言って、断ってくる場合もあります。
こういう場合は、あえて無理押ししませんが、患者さんを中心に据えた、東洋医学と西洋医学の、建設的なやり取りが当たり前になるような世の中になればなあ、
と、いつも願っています。。。
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2018.08.31
↑↑圧倒的貫禄。これは墓マイラー 森道伯先生で紹介したお写真をもとにした肖像画らしいんですが、素晴らしい出来栄えですね。
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昨日、墓マイラー 森道伯先生という記事を書きました。
・・・まあ、東洋医学をやっている者にとっては言わずと知れた、「一貫堂医学」の創始者であります。
このブログにも、これまでチョイチョイ、名前だけは登場していました。
・・・さて、どんな人物か。
〇
1867年、大政奉還の年に、水戸藩(現茨城県中・北部)の、代々武家の家系に生まれる。
父は白石又兵衛という。
遠い祖先に清和源氏・源頼義がいる。
(清和源氏とは、清和天皇の血を引く源氏姓の一族。後述しますが、皇室とご縁がありそうです。)
2歳の時、水戸藩の内乱を逃れて、今の茨城県、笠間城下の陶器商である森喜兵衛の養子となる。
(だから森姓なわけね。)
12歳で養父が死去。
この時、養母を連れて東京に出て、すでに東京にいた長兄・又二郎とともに、鱉甲彫刻をして生活する。
(なんて立派な12歳なんだ!( ゚Д゚) 現代にはこんなんいないでしょうな。。。)
この時の荷物の中に、実父の白石家に伝わる家伝の医書があったそうです。
(この一冊が原点か。因みに詳細不明。)
1887年(明治15年)、15歳の時、実父の勧めにより、東京(浅草蔵前)で開業していた、実父の知己であり、仙台出身の産科の名医である、
遊佐大蓁(ゆさたいしん:正しくは快慎かいしんというらしい)について、3年間医学を学ぶ。
因みにこの遊佐先生の先祖は大庄屋で、医家としての初代の人物は、婦人科で有名なあの賀川玄悦(1700-1777)の学統であり、
道伯が師事したのは医家としての遊佐家の2代目で、4代目の遊佐寿助は宮城県薬剤師会の初代会長であったらしい。
墓マイラー 14 参照
(繋がるね~~(゜o゜))
・・・ともかく、その後も鱉甲職人を続けながら、清水良斉という漢方医について漢方を学ぶ。
この清水先生がまた謎の人物で、名医だったそうだが大酒呑みで、ある時、旅に出ると家を出たまま、忽然と姿を消したそうで、その後を継ぐ形で「道伯」と号し、診療を行うようになったそうです。
(まあ、神が道伯先生に診療所を与えたんでしょうかね。。。)
因みに道伯は鱉甲彫刻職人としても「西町の豊光(彫刻師としての道伯の号)」と呼ばれ、名が売れていたらしい。
(サスガです。<m(__)m> きっかけは生活の為でも、やるからにはマジ、って感じだったんでしょうな。)
明治24年、24歳で最初の結婚。
26歳で長男義之介、30歳で次男光隆が生まれる。
(結婚してすぐに長女が生まれたそうですが、出生後すぐに亡くなってしまったそうです。)
明治32年、32歳の時に妻が妊娠中に腸チフスに罹り、流産し、亡くなる。
この時、道伯自身も、水戸に旅した際に風湿に中たり、強烈な黄疸を発し、清水良斉の治療を受けるも、生死を彷徨う。
(この時のエピソードについては後述します。)
1902年(明治35年)、35歳で「日本仏教同志会」創立、社会教化運動を行う。
(これは明治39年には解散したらしいですが。。)
↑↑こういうところも、道伯先生の面白いところです。
医家であると同時に、彫刻家であり、宗教家、社会活動家でもあったんですね。(゜o゜)
道伯先生は大変博学で、禅宗、真言密教にも精通しており、熱心に観音信仰をしていたそうです。
また政治や経済にも明るく、観劇に行く趣味もあったとか。
30代の頃、清水良斉先生の失踪後、「一貫堂」の看板を掲げて「道伯」と号し、診療を行うようになったそうです。
「一貫堂」はかつて師事した遊佐先生の診療所からとったもので、論語の里仁第四にある「吾道一以貫之」に基づいているそうです。
明治41年、41歳で再婚し、42年、道伯先生にとっては第4子である敬三郎が出生。
1918年(大正7年)、51歳の時、スペインかぜが大流行した際、病のパターンを胃腸型、肺炎型、脳症の3つに分け、それぞれ漢方で治療し、
大いに効果を挙げたという逸話はあまりにも有名です。
1923年(大正12年)、56歳で関東大震災に遭遇、居所保護法の建議案を訴えて、上野公園で演説を行う。
(こういう、政治活動家的な側面もあったようですね。)
1926年(大正15年)、59歳の時、門人・西原学氏が「漢方専門」と標榜したところ、医師会から圧迫を受けたことをきっかけに、森先生は憤慨し、
長野市善光寺にて「漢方医道復興大講演会」を開催し、
「漢方を滅さんと欲せば、まず森道伯の首を刎ねよ!!」
との有名な文句を叫び、専門科名認可の訴訟を起こし、ついにこれを獲得しました。
(スゲエ!(゜o゜) でも森先生は無資格!!みたいなね。。(笑))
・・・この、魂の籠った一言が、昭和の「漢方復興運動」の第一声と言ってもいいでしょう。
今日、街中に当たり前に「〇〇漢方クリニック」とか、総合病院内の中に「漢方外来」なんてのがあるのは、古くは森先生のこの行動のお陰と言ってもいいでしょう。
1930年(昭和5年)、63歳の時、森道伯の名声を伝え聞いた竹田宮、北白川宮から治療の依頼あり。
(ここで皇室と繋がるわけです。何かの縁なんでしょうね。)
同年8月、歩行困難を訴え、9月には病床に伏せ、脊髄炎、尿毒症を起こす。
1931年(昭和6年)、64歳で逝去。
亡くなる3年前には、自分の死期を家人に告げていた。
(ということはやはりあの墓石は自分で建てたっぽいですね。。。)
道伯先生は32歳の時に大病をした時に、観音菩薩に、
「寿命をもう32年延ばしてくれ、そしたら残りの人生は東洋医学の復興のために生きる」
と日夜お願いし、鍼灸と漢方薬で全治した経験があるらしく、その予言の通り、64歳でこの世を去った。
臨床でも、非常に直観が冴えており、不問診で患者の状態をピタッと言い当てたり、患者がこれからかかる病を予言し、その通りになったりと、
霊能力者っぽい逸話も多い先生であります。
〇
以前書いた丸山昌朗先生といい、自分の死期を正確に悟っていたエピソードは、他の先生でもけっこうありますね。
名医らしいエピソードだと思います。
また道伯先生は
「術は以心伝心で初めて伝わるもの」
とし、著述を好まず、書籍は残っていないそうです。
もっとも有名な弟子である矢数格(道斎)先生の『漢方一貫堂医学』が、森先生を知る重要な手がかりだと思います。
また、この先生は臨床において漢方だけでなく鍼灸も非常に重用したようであり、弟子には「人迎脈口診」の研究で有名な小椋道益先生や、
『漢方医術復興の理論』の著者で、昭和の時代に経絡治療を唱道したことで知られる竹山晋一郎先生、また婦人科医で、現在私が講師としてお世話になっている
東洋鍼灸専門学校の校長でもあった石野信安先生、他にも刺絡で有名な工藤訓正先生や、道伯先生と直接は会っていないようですが柳谷素霊先生門下の西沢道允先生など、
鍼灸師に与えた影響や、鍼灸そのものとの縁も深いです。
お弟子さんの諸先生方の後日談によって、この先生の臨床でのエピソードはたくさんあるのですが、特に印象に残ったものを二つ紹介します。
矢数格(道斎)先生の弟君である矢数道明先生が、漢方を学びながらも西洋医学にも興味を持ち、こっそりと患者の尿検査をしていたところ、それが道伯先生の耳に入り、
「試験管で小便の検査をしなければ治療が出来ないような漢方家になるならやめてしまえ!破門だ!!」
と怒鳴られたとか、あるお金持ちの患者さんが、処方を渡されて、帰るときに受付で
「これで本当に治るんでしょうか?」
と尋ねると、
「疑うような薬なんか飲むな!」
と一喝し、一旦渡した薬を引き取った事があるそうです。
(後日この患者さんは自分の態度振る舞いを反省し、無事治ったそうです。)
・・・とまあ、アツい臨床家、という感じの森先生。
この情熱が、多くの患者さんを救い、多くの優秀な後輩の心に火をつけ、現代まで脈々と続いているのでしょう。
「漢方医学復興」といえば、森道伯と同じ時代を生き、似た主張をした大人物である和田啓十郎先生とは、親交や面識があったかどうかは分かりませんが、
和田先生の場合は先に西洋医学を学び、その後に東洋医学に傾倒した人物で、業界に対して、ある種のイデオローグ的な言行を取ったのと違い、
森先生は最初からまさに「一貫して」漢方医学であり、生涯一臨床家であったと、後の竹山晋一郎先生は両者をともに”天才”と評価しつつ、
対比、比較しています。
また、和田啓十郎先生の息子さんである和田正系先生と、森道伯先生の高弟である矢数格(道斎)先生が、千葉医専(現千葉大学医学部)の同級生であったことは、
単なる偶然でない気がしてなりません。
・・・以上、どんなにコンパクトにまとめても僕の頭と文章力ではこれぐらいになってしまうので、肝心の「一貫堂医学」がどういうもので、
鍼灸ではどういう風に応用が利くか、みたいな話は、また違うところで書きましょう。(笑)
イヤーなんか、森家と和田家と矢数家、そして大塚家、柳谷素霊先生、千葉大学、北里大学、東洋鍼灸専門学校と、一連の近代日本東洋医学の歴史の流れ、重みを感じます。
また、僕としては、一貫堂も、森道伯先生の弟子には鍼灸師もいるのに、どこからか、鍼灸師と漢方医が一枚岩でなくなってしまったような感じがして、それが悔やまれますね。。。
◆参考引用文献
『漢方一貫堂医学』矢数格
『漢方一貫堂の世界』松本克彦
『漢方医術復興の理論』竹山晋一朗
『森道伯先生生誕百年祭記念文集』仁性会
『森道伯先生伝並一貫堂医学大綱』道齋矢数格編
『漢方治療百話 第八集』矢数道明
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2018.08.20
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前回のお話
「肺胃不和」という証 参照
◆肺胃の活力のもとは?
肺胃の活力のもとは主に陰液(津液)と言っていいでしょう。
まあ平たく言えば、生理的に必要なお水です。
これが枯れると、問題が起こります。
それを「津傷(しんしょう)」とか、「液虧(えきき)」と呼んだり、さらに水液の不足から熱を持った状態になると「陰虚(いんきょ)」と呼んだりします。
また、さまざまな原因によって、肺胃に熱が籠った場合でも、相対的に津液が虚損して、病変を起こします。
これを「肺胃鬱熱(はいいうつねつ)」と呼んだりします。
・・・で、これらの病理状態にならないために、肺と胃の間には、肺の津液が胃を潤し、胃の津液は肺を潤す、という互助関係があります。
この互助関係が、様々な原因で破綻し(不和を起こし)、肺胃の重要な生理作用である「粛降、和降」が果たせなくなった時に、一つには咳が出たり痰が出たりします。
食欲不振や酸っぱいものが上がってきたりといった、現代医学的には「逆流性食道炎」のような症状が出ている患者さんも多いです。
本来下らなくてはならないものが、上がってきてしまうわけですね。
こういったものを「上逆症状」と呼んだりします。
こないだ、「逆流性食道炎+咳喘息」と病院で言われた、と仰る患者さんがいました。
逆流性食道炎の炎症を抑える薬をもらったら、咳が楽になったとおっしゃっていました。
こういうことを書くとすぐ、
「西洋医学の考えと東洋医学の考えが一致してる!統合可能だ!!わーい!(゚∀゚)」
とか騒ぐ人がいますが、実はそんなもんじゃないです。
こうやって、西洋医学と東洋医学が部分的にクロスオーバーすることはあります。
・・・ありますが、だからと言って同じ物差しで語ることは出来ません。
(方便としてはいいけどね)
残念ですが。(笑)
続く
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2018.08.19
清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、
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婦人科疾患と、呼吸器疾患を同時に持っている患者さんも少なくない。
患者さんは、西洋医学の婦人科で薬をもらい、呼吸器科で別の薬をもらい、なかなかコントロールできなくなると、ようやっと清明院に来る。
こういう患者さんをよく診ます。
(苦笑・・・最初の段階で来てくれれば、どれだけ楽か。。。)
これ、東洋医学的には、症状や場所が違うだけで、同じ病気であると考えられることも少なくない。
・・・で、よーく診たてて、吟味した経穴に一本鍼をすると、両方とも良くなったりする。
いやーたまらんね、東洋医学、鍼灸は。(゚∀゚)
かつて、2002年に中国でSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行し、多くの死者も出て、かのスペインかぜの様に大流行し、パンデミックを起こすことが危惧された時、
広州中医薬大学の鄧鉄濤(とうてっとう)先生が、東洋医学で立ち向かったという話を以前書きましたが、この時に鄧鉄濤先生が使った「仙方活命飲(せんぽうかつめいいん)※」という薬は、
主に癰瘍毒(ようようどく:キツイ炎症を伴うオデキ)の薬です。
(ちなみにスペインかぜの時も、日本では日本人の漢方家である森道伯先生が大活躍した話がありますね。これもそのうち書きましょう。)
※仙方活命飲・・・『校注婦人良方』が出典。効能は清熱解毒、消腫潰堅、活血止痛。主治は癰瘍腫毒初起。金銀花・陳皮各9、白芷・貝母・防風・赤芍・当帰尾・甘草・皂角刺・穿山甲・天花粉・乳香・没薬各3
また、知り合いの漢方家の先生に伺うと、五味消毒飲(※)などもオデキの薬ですが、これを用いて呼吸器疾患や婦人科疾患を治す、なんてことも普通にあるようですね。
※五味消毒飲・・・出典は『医宗金鑑』、効能は清熱解毒、消散疔瘡、主治は各種疔毒、癰瘡癤腫。金銀花15、野菊花・蒲公英・紫花地丁・紫背天葵子各6
因みに、
「オデキの薬で、なんで肺炎が治るのか」
という問題に関しては、北辰会機関誌『ほくと』57号にて蓮風先生が解説して下さっているので、そちらをぜひ参照してください。
〇
呼吸は、律動性が大事。
月経も、律動性が大事。
それが乱れないのをもって、良しとする。
この律動性が、色々な臓腑経絡の働きで担保されている。
また、呼吸器は、ある意味常に、外界と接している粘膜。
女性生殖器も同様に、常に外界に接している粘膜。
肺は鞴(ふいご)のように袋状の形態、女子胞(子宮)は、懐胎するために袋状の形態。
どちらも大きく伸縮します。
肺の臓の隣(下)には、陽臓である心の臓がある。
女子胞の隣(上)には陰臓である腎の臓がある。
また、呼吸器は体幹の最も上部に位置し、女性生殖器は体幹の最も下部に位置する。
働き、形態が似てて、位置的には上下の陰陽。
この上下の気の交流も、色々な臓腑経絡の働きで担保されている。
肺の臓がある上胸部には、宗気のもととなる天空の清気が充満しており、女子胞がある下腹部には、胎児を妊養するための陰血が豊富に充満しています。
この意味でも、気血の陰陽。
機能的、形態的には相似性があり、位置的、環境的には陰陽関係にある。
これらが、同じ考え方で治療できる。
冒頭で述べた、オデキの治療と同じように、「内から外へ」と邪熱を誘導、発散させて治すのが、常套手段、ということ。
・・・まあ何て言うか、東洋医学最高。(゚∀゚)
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2018.08.18
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こないだ、更年期障害様ののぼせとめまいで、数年前から定期的に通院されている患者さんが仰った。
この2,3年は、長いこと安定していたが、今年の夏前くらいから、軽いものの、少しメマイが出ているのが気になっていた。
やや怪訝に感じながら治療をしていたんですが、ある日、
「ヨモギ茶をやめて、麦茶に変えたら、ずいぶん調子いいみたい。」
と仰った。
この瞬間、
「あーなるほど!!チェックしとけば良かったーー!!!」
と、僕は思ったんですが、さあこれ、鍼灸師の皆さん、意味、分かりますか?
この患者さんに何が起こったか、即座に予測できますか??
ヨモギの生薬名は「艾葉(がいよう)」です。
性味は「苦・辛・温」、帰経は「肝・脾・腎」、効能は「散寒除湿・止痛・温経止血・袪湿止痒」、禁忌は「陰虚血熱」です。
まあ要するに、深い部分を温め、冷えによる痛みを止める効果がある訳です。
ポイントは「陰虚血熱」のものには禁忌で、冷茶として飲んだとしても、性質的には温める作用が強いことを意味しています。
「ヨモギ茶」というのは、ヨモギの煎じ液のようなものですね。
ヨモギの葉っぱを完全に乾燥させたものを、香りがたつまで炒ってから煎じるようです。
そして「艾葉」は何といっても我々にとって重要な、「お灸」の原料であります。
お灸は、ヨモギの葉の裏にある線維から製造します。
我らが東洋医学が、陰の治療が鍼(金属)だとすれば、陽の治療には灸を、そしてその素材として、数ある植物の中から、ヨモギを選んだんですから、
温める作用は相当強く、確かである、と考えていいでしょう。
それに対して、麦茶はどうかと言うと、「大麦」の種子を煎じたものであります。
大麦については以前書きましたが、生薬名としては「麦芽(ばくが)」と言われ、種子を発芽させた状態で使うようです。
これは性味は「甘・平」、帰経は「脾・胃」、効能は「健脾開胃・行気消食・舒肝・回乳(母乳の出をよくする)」、注意点は「回乳に働くので、授乳期」とあります。
(母乳が出過ぎちゃう可能性がある、ってことかな。)
・・・まあ要は、脾胃を調え、気の巡りをよくするものと思っていいと思います。
麦茶が冷やすのか、温めるのかについては、色々な考えがあるようですが、麦茶の製法については発芽した種子ではなく、種子そのものを水洗いして、
乾燥させたものを軽く焦げ目がつくまで炒って、それを煮出すようです。
ですので、寒熱についてはなかなか複雑です。
以前書いたように、「種子」を食べる、と考えれば陰分が強いかな、と思うが、それを乾燥させてしかも炒ってある、しかもそれを煎じた液体を飲む、
という話なので、陽に思いっきり傾けた種子を煎じた液体、と、思えます。
そいでまた、それをキンキンに冷やして飲むと美味いという。。。
(苦笑・・・まあ、”陰的な作用(気味)”のみを抽出した液体、と考えてもいいのかもしれませんね。)
寒熱に関してはそのように、微妙に調整してあるので、温めるとか冷やすという効能よりも、脾胃を調整する、気の巡りをよくする、ここが麦茶のいいとこでしょう。
・・・と、このように考えていくと、熱証の人が夏場にヨモギ茶を飲むよりは、麦茶の方がはるかに良さそうだ、となるわけです。
冒頭の患者さんは、私の診立てでは思いっきり陰虚で熱証(+大いに湿痰)です。
こういうことがあるので、患者さんが日々良かれと思って飲んだり食べたりしているモノには、注意を払わなくてはなりませんし、こちらから先手先手を打って誘導しないといけません。
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2018.08.07
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8.5の日曜は、宮城県仙台市、東北大学で行われた、(一社)日本東洋医学会に参加してきました!!
今回の内容は
「漢方医学教育協議会@東北」
ということで、
「医学部における東洋医学教育を今後どうするか」
というのがテーマでした。
もちろん、僕は医学部での東洋医学教育に関しては、全くの部外者で、当事者ではないんですが、(一社)北辰会や、いくつかの鍼灸専門学校や、このブログ上で、
かれこれ10年くらい、しつこくしつこく、東洋医学の重要性、必要性を説いている立場上、個人的に興味のあるところなので、聴いてきました。
会場に入って、まず感じたのは、
1.重要なテーマなのに、人数が少ない
2.年配の先生が多い
3.会場が綺麗(東北医大、やっぱデカい)
これでした。(苦笑)
1日通しての感想は、やはり東洋医学の教育サイドには、優秀でアツい先生は単体ではいても、それが全体的な、大きなうねりにはなっていないのを感じました。
内容としては、まあ僕が正確に聴けていれば、の話ですが、まず現状において、全国に医学部が82校あって、その中で、東洋医学に関するカリキュラムは、
最低で4時間(240分=90分+90分+60分)入れることになってはいるが、各医学部によって、内容や分量はマチマチで、中には三潴忠道(みつまただみち)先生のいらっしゃる福島県立医大のように、
20時間以上組み込まれてあり、しかも実技(腹診や脈診、漢方を煎じるなど)の実習まである学校もあれば、講師の不足や、予算の問題などで、
鍼灸については(漢方についてもなのかな?)全く実施出来ない学校もあったり、そもそも最低限必要な内容(共通カリキュラム)というのが定まっていないため、
学校によって、講師によって、やっている内容も分量もバラバラ、従って国試にも出題されない、と、まあ問題山積のようです。
(これで、国試を通って医師にさえなれば、漢方が処方でき、鍼が打てるというのだから、恐ろしい以外の何物でもないです。。。)
・・・で、この現状を少しでも改善、打開するために、まずは基本となる共通カリキュラムを作ろう、ということで、2015年から聖マリアンナ医大の松田隆秀教授を中心に、
「漢方医学教育協議会」という協議会を立ち上げており、今回は、基本となる講義のひな形を作ったので、それを発表してみる、という試みの会だったようです。
で、90分の講義を二つと、60分の講義を一つ、拝聴いたしました。
具体的内容については、まだ協議中であり、今回のはあくまでもたたき台、とのことなので、ここでは伏せます。
(講義の中に”鍼灸”の文字があったので、若干ホッとはしました。(苦笑))
で、最後に各大学の先生方での総合討論がありましたが、ここでの問題は、大きくは講師不足の問題、予算の問題、でしたかね。
でもここで感じたのは、何年経っても東洋医学の基本は変わらない訳だから、予算の問題で講師が呼べないのであれば、座学講義についてはEラーニングを大いに活用すればいいと思うし、
鍼灸についても、既存の鍼灸学校や鍼灸師会、煎じの実習なんかは薬剤師会や、薬剤師の先生方の中で東洋医学の勉強、実践を行っている団体等に声をかければ、
全て解決という訳にはいかないにせよ、何とかなることも多いように感じました。
そういう、すぐに依頼できるような横の繋がり、相互関係、スキームが、まだまだ十分に構築されていないように感じましたね。。。
・・・まあ正直、僕自身の経験から言えば、いっぱしの漢方医、鍼灸医になろうと思ったら、毎日、東洋医学の勉強と臨床をビッチリやって5~10年はかかると思います。
(少なくとも鍼灸は間違いなくそうです。)
だから、もし国民のために本気で東洋医学振興をやるなら、東洋医学専門の医学部、東洋医学専門の病院を作らなきゃいけないぐらいが本当なんだと思いますが、
それは非現実的でしょう。(苦笑)
明治政府の漢方医学廃止政策が、まあ今でもこうやって生きてるわけです。
・・・と、嘆いていても始まらないので、じゃあ出来る範囲で、西洋医学一辺倒の医学部の中で、キチッとした東洋医学を、まずは教育しましょう、
そのために皆で知恵を出しあいましょう、ということな訳ですから、この動きは、一先ずはいいんじゃないかと思っています。
(ただ、鍼灸師、薬剤師も、もっと巻き込んだ方がいいとは思いましたが。)
あとは時間をかけて、世界情勢も鑑みながら、徐々に徐々に医学部内での東洋医学に関する法定のカリキュラム数を増やして、やがて医師国試にも出るようになれば、
学生の側にも、真剣に学ぶものが増えるでしょう。
まあ仕方ない、こうやって地道に進めていく他ないよね。
これはまだまだ一生かけて、開拓しがいのあるところだなーと思いましたね。(゚∀゚)
あと個人的には、「漢方医学」教育協議会じゃなくて、「東洋医学」教育協議会にして欲しいと思いましたけど。。。
(意図的に鍼灸が蚊帳の外に置かれているような感じがしますんで。。)
そもそもが狭い中で、さらに分離しててもしゃーないっしょ。
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