東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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日本東方医学会、医鍼薬地域連携研究会(DAPA)に参加してきました!!

2021.04.13

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昨日の夜は、日本東方医学会の分科会の一つともいえるDAPA(Doctors, acupuncturists, pharmacists’ association 医鍼薬地域連携研究会)に参加してきました!!

 

(20時から21時までの短時間のオンライン講座です。)

 

 

この研究会では、医師と鍼灸師を中心に、その他薬剤師などの多職種間での、地域医療における連携の在り方を考える、というのがテーマであり、

 

必ず実際の症例を通じてそれを行う、というのがポイントだろうと思います。

 

 

一口に「他職種連携」と言っても、医師にも色々な先生がおり、東洋医学自体に対して全くの無知、無理解、否定的という先生もいれば、

 

東洋医学に対して理解があるどころか、かなり専門的に、ハードに勉強し、実践しておられる先生までいらっしゃいます。

 

 

私もこれまで、医師との連携といえば、約20年の鍼灸臨床の経験の中で、正直「ゴミ同然」の扱いを受けたこともあれば(笑)、しっかりと我々の立場を立てて、

 

尊重して下さり、実に丁寧に関わって下さった先生など、色々な経験があります。

 

 

そういった現状を踏まえて、ここに参加する先生方が、流派や学派を問わず、連携が実際にうまくいった症例や、うまくいかなかった症例を持ち寄ることによって、

 

現実の現場での連携の中で、どういう問題が起こるのか、それを未然に防ぐにはどうしたらいいか、あるいはうまくいくケースはどういったものが多いか、

 

などを、建設的に考えていくことが出来ます。

 

 

まだまだ参加者数も少ないですが、今後、徐々に発展していくことが期待できる研究会ではないかと思います。

 

 

次回は5.10(月)の夜20時から、お申し込みやお問い合わせはDAPAのFBページからどうぞ!!

 

 

 

 

 

 

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日本東方医学会、医鍼薬地域連携研究会(DAPA)で喋ってきました!!

2021.03.09

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昨日の夜は、日本東方医学会医鍼薬地域連携研究会(DAPA)にて、1時間ほど喋ってきました!!

 

 

この研究会は、3~4年前から日本東方医学会の中に立ち上げられた小規模な研究会だそうで、医師と鍼灸師と薬剤師が地域で連携し、

 

患者さんに資する医療を展開、提供出来るように、との思いで行われている勉強会だそうです。

 

 

ちなみに今回は非公開であり、理事長の長瀬先生からご依頼いただき、不肖わたくしが、これまでの拙い経験のいくつかを語らせて頂きました。

 

 

 

 

・・・まあ、鍼灸業界といえば、なかなか大変です。(苦笑)

 

 

開業鍼灸師である父と叔父をもつ僕は、今から20年前に上京し、病院にも二件ほど勤務して、医師をはじめ、あらゆる医療職種の方と仕事をしてきましたが、多職種連携が叫ばれる近年の医療業界全体の中で、

 

厳しい見方をすれば、鍼灸師というのは、正直「蚊帳の外」であり、しかも、総体としてあまり信用されているとは言えないのではないかと思います。

 

 

そういうこともあって、これまでに現場で、ずいぶん悔しい思いもしてきたつもりです。

 

 

業界の現実については、チラホラと、これまでにも書きました。

 

「訪問鍼灸マッサージ」の現実 その5

 

東洋医学をやっている鍼灸院の求人がほとんどないメカニズム 5     

 

参照

 

 

 

 

それを、僕がどう乗り越えてきたか、現状はどうか、というお話をし、最近の、医師と連携しつつうまくいっている難治性疾患の症例を紹介させていただきました。

 

 

参加された先生方に、私の考え(生き様?)が少しは伝わったら嬉しいな、と思っています。

 

 

まあ要するに、現状を嘆いたり憂いていても仕方なく、失敗を恐れてビクビクしていても仕方なく、「失敗は成功のマザー」と考えて、なんでも果敢に挑戦し、

 

もし失敗したら素直に反省し、修正し、自分を信じ、仲間を信じ、また挑戦し続けることに尽きるんじゃないかな、と思います。(*‘∀‘)

 

 

 

次回(4.12(月)、19時~)以降は、公開で行う予定とのことですので、また何か情報が入ったら告知します!!

 

 

 

 

 

 

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廃薬は慎重に。

2019.10.30

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今日、たまたま何人かの患者さんから言われた。

 

 

「お陰様で、病院の薬は全てナシになりました!」

 

 

と。

 

 

まあ嬉しいことなんだが、ここで僕が、

 

 

「それは担当医の先生の御判断ですか?」

 

 

と確認すると、

 

 

「ハイそうです!」

 

 

とのことで、ホッと安心した。

 

 

・・・また、こう仰る患者さんも見えた。

 

 

「こないだの治療後からすごく調子がいいので、薬を減らしてみました。」

 

 

と。

 

 

この方の場合は自己判断。

 

 

この方はもともと、この薬を出した担当医のことを全く信用していなかった。

 

 

この薬を飲むようになってから、副作用なのか、主訴以外にも色々な症状が出ており、最初から飲むのがイヤだったと仰り、担当医への文句、不平不満を仰る。

 

 

しかし僕はこういう時、患者さんに乗っからない。

 

 

「それを必ず、処方している先生に伝えて下さい。」

 

 

「それが気まずくて嫌であれば、かかる病院を変えましょう。」

 

 

と声をかけるか、あるいは、

 

 

「どうしても自分で止めると仰るなら止めませんが、こればっかりは自己責任ですよ。」

 

 

と伝えるようにしています。

 

 

ここで、患者さんが、

 

 

「鍼をやるようになってから調子がいいので、薬を止めました。」

 

 

と、正直に患者さんがドクターに言うと、激昂するドクターも、これまでにいた。

 

 

(苦笑・・・自分は患者の言うこと聞かないのに、患者が自分の言うこと聞かないとキレるパターンね。)

 

 

いずれにせよ、薬を飲まないでも普通でいられるのが正常、健常、であります。

 

 

しかし一方で、廃薬、減薬については、処方している医師に相談しながら、慎重に。

 

 

 

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「武田薬品」薬草園ツアー!!

2019.10.13

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前回のお話し

 

「栃本天海堂」倉庫ツアー!!     参照

 

 

さて、午後からは京都に移動し、「武田薬品工業」の薬草園へ。

 

 

 

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↑↑京都市の左京区、門跡寺院で有名な「曼殊院」の横にあります。

 

 

曼殊院では日本三大不動の一つ、「黄不動」の複製画を見ることが出来ます。

 

不動明王マイラー 目次    参照

 

 

黄不動の掛け軸の実物は滋賀の三井寺にあるそうですが、これは秘仏中の秘仏で、一般人は見ることが出来ません。

 

(僕は、安置されているお堂の前までは行きましたが。。。)

 

 

 

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↑↑なんと、この薬草園は、東京ドーム二個分の敷地面積なんだとか。。。

 

 

武田薬品、恐るべし。(゜レ゜)

 

 

自分がいかに零細かを、思い知らされますね。

 

 

到着後、PVを見せて頂いたのち、ガイドさんがついて、一つ一つ説明しながら回らせて下さいました。

 

 

 

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↑↑乾燥生薬を手作業で粉末にする「薬研(やげん)」

 

 

 

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↑↑オジサンたち、一生懸命粉末化体験しました。(笑)

 

(これけっこう大変。(^^;))

 

 

 

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↑↑偶然、今回段どってくださった「栃本天海堂」さん製の薬研が!!(゜o゜)

 

(これは今では製造されておらず、貴重なものなんだとか。)

 

 

園内には、あらゆる生薬が栽培されています。

 

 

 

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↑↑このように、和名、学名、生薬名、生薬に使用する部位、薬効、分類など、きちんと書いてくれています。

 

 

 

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↑↑附子、烏頭、巴豆・・・、東洋医学、生薬学をかじったことのある人なら誰でも知っている、劇薬中の劇薬です。

 

(トリカブトは事件にもなったから、一般人でも知っていますね。)

 

 

 

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↑↑以前、香川修庵「治打撲一方」で紹介した「川骨」です。

 

香川修庵という人物

墓マイラー 9

「治打撲一方」という薬    参照

 

 

 

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↑↑華岡青洲が世界初の麻酔下での乳がん手術に成功した際に使った「蔓陀羅華(マンダラゲ チョウセンアサガオ)」

 

華岡青洲という人物

墓マイラー 44 華岡青洲先生    参照

 

 

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↑↑蓮風先生の話によく出てくるカギカズラ。

 

 

生薬名を釣藤鈎(ちょうとうこう)といい、有名な抑肝散釣藤散に入っています。

 

 

このトゲの部分を使い、逆上せた気を下げる働きを発揮させます。

 

 

トゲで引っ掛けて気を降ろす、というイメージからではないか、ということなんですが、オイオイ、そんなん、マジか?と思うけど、ホントにそう効くんだから、漢方というのは面白い。(*^^*)

 

 

そのように、形や、自然界での働きから、薬効を思いつき、使ってみたら確かにそう効く、というものが結構あるようです。

 

「形象薬理」という考え方     参照

 

 

 

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↑↑名前が悪い、「クソニンジン」。(笑)

 

 

なんとこれ、「抗マラリア薬」として使われており、2015年に中国の屠 呦呦(と・ゆうゆう、トゥ・ヨウヨウ)先生がこれの研究でノーベル賞(医学・生理学)を受賞されております。 

 

 

漢方薬、生薬には、伝統的に難病に使われて、効果を発揮してきた薬が多数あり、それは現代の医学者、科学者からすれば、研究材料の宝庫でしょう。

 

 

まだまだ今後、ノーベル賞級の発見はあるんじゃないかと思います。

 

 

 

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↑↑呉茱萸湯(ごしゅゆとう)で有名な呉茱萸(ゴシュユ)

 

 

今回、これが一番インパクトあったかな。。。

 

 

なんか、おいしそうな見た目ですが、かじってみたら辛いというが苦いというか、刺激がハンパじゃない!!!

 

 

まあ、この日は他にも、色々な刺激の強い生薬を、かじったりなめたりしたせいか、唇と喉のピリピリ感が、半日くらい取れなかったです。(苦笑)

 

 

 

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↑↑これは、刺激の強い生薬を触った指で、うっかり目をこすってしまい、目が空かなくなった韓先生です。(笑)

 

 

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↑↑出口付近には、方剤別に、構成生薬を一カ所に全て植えてくれているというサービスまで!!

 

 

さすが製薬会社の薬草園ですね。。。

 

 

・・・今回、色々とここに書ききれないほど勉強になったのはもちろんですが、漢方薬にまつわる、あらゆる人の苦労というか労力、努力、歴史の重みを感じました。

 

 

医師などの使う側(処方する側)も飲む側(患者さん)も、漢方薬、生薬は大事に使ってほしいですね。

 

 

 

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「芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)」というお薬

2019.07.05

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昨日、「温経湯」という漢方薬に関して書いた。

 

「温経湯」というお薬    参照

 

 

我々鍼灸師が、なぜ湯液を勉強しないといけないかというと、僕が思うのは、単純に飲んでいる患者さんが多いからです。

 

 

漢方薬を飲んでいる患者さんを治療する以上、その漢方薬が東洋医学的にどういう作用を患者さんに及ぼしているかを考えて、それを加味して診たて、処置しないといけません。

 

 

まあこれは西洋薬もしかりなんですが、西洋薬の場合は、即東洋医学の理論に置き換えるのはなかなか難しいのに対して、漢方薬であれば理論上は簡単に変換することが出来ます。

 

 

それが効いてるとか効いてないとかの意味を考えることが出来ます。

 

 

これに対して、西洋薬や外科手術を、一つ一つ、東洋医学的にどう評価するのか、という問題は、今後の課題でしょう。

 

(西洋医学の先生方、是非一緒に研究しましょう。)

 

 

ともかく、こないだとある先生とやり取りしていて、「温経湯」のついでに話題に出てきた「芎帰調血飲」という漢方薬があります。

 

 

これも、温経湯ほどではないけど、たまに飲んでおられる患者さんがおります。

 

 

『中医臨床のための方剤学』には、「温経湯」の附方(似た薬)として紹介されています。

 

 

・・・さて、どんなお薬か。

 

 

この薬の出典はあの『万病回春』です。

 

『万病回春』を含む記事    参照

 

 

『万病回春』は中国明代、1587年に龔廷賢(きょうていけん)先生がまとめた本で、全8巻、その内容は、江戸期の偉大な医家たちに大きな影響を与えまくった本です。

 

 

「芎帰調血飲」の別名は「芎帰補血湯」と言います。

 

 

『金匱要略』では、温経湯”閉経後の婦人”を例に挙げて紹介されているのに対し、『万病回春』に出てくる芎帰調血飲、”産後の夫人”を例にとって、

 

30パターン近い、様々なバリエーション(加減方)とともに紹介されています。

 

 

ド頭に「産後一切の諸病」と書いているくらいだから力強い。(笑)

 

 

まあ簡単にまとめて極言すれば、要は、産後に気血が弱って気滞血瘀、瘀血が残留したものでしかも寒証のものに使う、というワケです。

 

 

名前に「芎帰」とついているくらいですから、主薬は川芎当帰でしょう。

 

 

川芎と言えば活血行気、当帰と言えば「血中の気薬」といわれ補血活血行気、であります。

 

 

温経湯芎帰調血飲の違いは、呉茱萸が入っているかどうかが大きいでしょうね。

 

 

・・・これをどう考えるか。

 

 

どう使い分けるか。

 

 

鍼ではどうか。

 

 

呉茱萸「暖肝」てナニしてんの??

 

 

疑問は尽きません。

 

 

 

続く

 

 

 

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「温経湯」というお薬

2019.07.04

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「温経湯(うんけいとう)」という漢方薬がある。

 

 

アトピーなんかで、意外と、処方されている人が多かったりする。

 

 

・・・さてこれ、どんな薬か。

 

 

出典はあの『金匱要略』の、婦人雑病脈証并治です。

 

『金匱要略(きんきようりゃく)』という書物     参照

 

 

『金匱要略』では、閉経後に下痢が続いて止まらず、下腹部が引きつって腹が張り、夜間に発熱し、手掌が火照り、口唇が乾燥するものに使う、とあります。

 

 

『中医臨床のための方剤学』によれば、効能は「温経散寒・養血袪瘀」とあります。

 

 

要は経絡経筋を温めて寒邪を散らし、血を養い、瘀血をどかす、と。

 

(この、血に対するアプローチとしての補血、養血、理血、活血などの違いについても、そのうち触れないといけませんね。)

 

 

主治は「衝任虚寒・瘀血阻滞」とあります。

 

 

奇経八脈の衝脈と任脈が冷えてしまって、瘀血を生じたものに良し、と。

 

「奇経八脈」を含む記事 参照

 

 

これは衝任脈の虚寒+血虚+瘀血の邪実、ということで、虚実挟雑証の処方であります。

 

 

配合生薬はたくさんあるのですが、主薬は暖肝、散寒呉茱萸(ごしゅゆ)と、温通桂枝(けいし)であります。

 

 

(主に下腹部を)温め、血の巡りをよくすることがこの方剤の眼目であり、現代では月経不順、月経痛、不正性器出血、不妊症などによく応用されるようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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麻薬のような鍼 (∩´∀`)∩

2019.05.30

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清明院に通院中の、発育障害の4歳の患者さん。

 

 

ある日、ご機嫌ナナメ。

 

 

やたらにグズる。

 

 

・・・そこで、とあるところに鍼を翳す。

 

 

直後から、爆笑し始める。

 

 

爆笑の声が部屋からずーっと漏れている。

 

 

お母さん、この変化に、じゃっかん引く。(笑)

 

 

「なんか、麻薬でも打ったかのようです。。。」

 

とのこと。

 

 

 

 

またある日も、ご機嫌ナナメ。

 

 

来院するなり、何やらプンプン怒っている。

 

 

いつもなら、私が

 

「はい、舌を出して―」

 

と言うと

 

「ベー」

 

と出すけど、この日は無視。(苦笑)

 

 

・・・そこで、とあるところに鍼を翳す。

 

 

10分後、にっこり笑って自分から舌を出し、

 

「ベーーー」

 

とのこと。

 

 

お母さん、またじゃっかん引く。(笑)

 

 

 

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「大青竜湯」という薬

2019.04.10

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最近のお話し

 

「牛車腎気丸」という薬

「治打撲一方」という薬

「小青龍湯」という薬

「麻黄湯」という薬

「葛根湯」という薬

「桂枝湯」という薬

 

参照

 

 

ここまで述べてきた、「桂枝湯」「麻黄湯」”桂麻の剤”から派生する方剤は非常に多い。

 

 

また、『傷寒論』以降に著された様々な方剤の書も、結局は『傷寒論』の処方を基本として、いわば「後出しじゃんけん」的に色々なことを言っているものは多い。

 

(・・・言い方が悪いか。(苦笑) ”伝統医学の継承と発展”だね。)

 

 

なので、『傷寒論』は数千年先まで影響を与える、怪物のような本なのだ。

 

 

かつて、とある先生から紹介されて、知る人ぞ知る漢方の大家(故人)の先生にお会いした時、その先生は

 

「もう60年も毎日『傷寒論』を読み続けているが、それでも分からないところがある。。。」

 

と仰っていた。(苦笑)

 

 

そのぐらい、深遠な世界を表現した本なのだ。

 

 

まあ大体、『易経』にせよ『内経』にせよ『論語』にせよ、古代中国の古典というのは、それだからこそ魅力があるんだろう。

 

 

・・・話が逸れたが、麻黄湯の加減方として、東洋学術出版社『中国傷寒論解説 続篇』には、「小青龍湯」「大青竜湯」「葛根湯」の3方剤が紹介されている。

 

 

このうち、「小青龍湯」「葛根湯」についてはすでに語ったので、「大青竜湯」だけ語らないのも、なんか気持ち悪い。。。(^^;)

 

 

・・ということで、今日は「大青竜湯」のお話。

 

 

よく、柴胡剤でも「小柴胡湯」「大柴胡湯」、承気湯類でも「小承気湯」「大承気湯」とあるように、方剤名の前に「大」「小」とついている場合がありますが、

 

当たり前ながら、これは効果の強弱を示すものではありません。(苦笑)

 

 

似ているところがあり、兄弟のようでありながらも、似て非なる方剤を、このように呼び分けています。

 

 

大青竜湯も、出典はもちろん『傷寒論』であり、

 

太陽中風.脉浮緊.發熱惡寒.身疼痛.不汗出而煩躁者.大青龍湯主之.若脉微弱.汗出惡風者.不可服之.服之則厥逆.筋惕肉瞤.此爲逆也.

 

傷寒脉浮緩.身不疼.但重.乍有輕時.無少陰證者.大青龍湯發之.

 

とあり、『金匱要略』では

 

病溢飮者.當發其汗.大青龍湯主之.小青龍湯亦主之.

 

とあります。

 

 

まあ簡単に言うと、大青竜湯の場合は、

 

「表面が冷えて、結果的に浅いところに熱が籠ってしまったもの」

 

に使います。

 

 

大青竜湯の中に入っている「石膏」という生薬は、浅い部分に籠った熱を取るための非常に重要な生薬です。

 

 

ですので、麻黄湯からの加減方をまとめると、

 

麻黄湯の場合は表面を温めて汗をかかす、

 

小青竜湯の場合は表面の冷え+水邪の突き上げ、

 

葛根湯の場合は表面の冷え+うなじのこわばり、

 

大青竜湯で表面の冷え+それによって籠った浅い部分の熱、

 

というバリエーションがあることが分かります。

 

 

鍼の場合も、カゼひきさんを治療する場合はこのように、

 

「どういう体質の人に」

 

「どういう邪気が襲って」

 

「結果的に表面で何が起きていて」

 

「深い部分では何が起きているのか」

 

を考えながら治療していきます。

 

 

なので、漢方薬の考え方と、一緒であり、ある意味応用的です。

 

 

ですので、鍼灸師にとっても、『傷寒論』理解は非常に大事なのです。

 

 

 

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「桂枝湯」という薬

2019.04.09

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最近のお話し

 

「牛車腎気丸」という薬

「治打撲一方」という薬

「小青龍湯」という薬

「麻黄湯」という薬

「葛根湯」という薬

 

参照

 

 

前回書いたように、葛根湯は、桂枝加葛根湯麻黄を加えたもの。

 

 

で、桂枝加葛根湯は、桂枝湯葛根を加えたもの。

 

 

今日は

 

「そんじゃ桂枝湯は?」

 

というお話。

 

 

・・・これこそ、まさに漢方薬の王様みたいな薬です。

 

 

出典はもちろん漢代、『傷寒論』でありまして、『傷寒論』のド頭に出てくるのが桂枝湯です。

 

 

また、北辰会会員の必携の書である『袖珍中医四部経典(※)』にも収録されている、清代の名医、呉鞠通の著書『温病条弁』も、ド頭に出てくる方剤はこの「桂枝湯」なのであります。

 

((※)・・・『黄帝内経素問』『黄帝内経霊枢』『傷寒論』『金匱要略』『温病条弁』がすべて簡体字で収録されている、何とポケットサイズの書。)

 

 

数千年の風雪に耐えてきた名方ですね☆

 

 

『傷寒論』中の桂枝湯掲載の条文を全てここに拾おうと思うと、あまりにも長くなるのでやめますが、これ自体にもとにかく非常に多くの使い方があり、

 

バリエーションも非常に多くある、漢方薬の王様です。

 

 

『金匱要略』にも、栝楼桂枝湯、白虎加桂枝湯、枳実薤白桂枝湯、鳥頭桂枝湯、柴胡桂枝湯と、様々なバリエーションや使い方が紹介されています。

 

 

・・・まあー、それだけ奥が深い薬なので、あまり簡単に語るのは語弊があるのですが、最もポピュラーな使い方は、カゼの初期に使う場合です。

 

 

しかし、麻黄湯とは違って、桂枝湯の場合は汗があります。

 

 

外から邪気が入ったことによって、体の表面における気血の流れのバランスが崩れて、本来出てはいけない汗が、ダラダラと出てしまっている状態です。

 

 

そこで、気血を調和させて、気の流れをよくし、結果的に邪気を散らし、汗を自然に止める薬、という理解が、最もポピュラーでしょう。

 

 

また、以前書いたように、桂枝湯は、服用した後に熱くて薄いおかゆ(熱稀粥)をすすれ、と書いてあることも有名ですね。

 

『傷寒論』の時間指示と電話 参照

 

 

映画『レッドクリフ』で、感染症にかかった兵士に桂枝を煎じて飲ませているシーンがありましたが、三国志の時代から使われる、超有名な方剤です。

 

(映画の中でも孔明が言っていたけど、ああいう重篤な感染症が桂枝湯で治るというワケではないよ。)

 

 

この桂枝湯の様々なバリエーションについても、いつか気が向いたら書きましょうかね。

 

 

 

 

 

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「葛根湯」という薬

2019.04.08

20190303_195030.JPG

 

 

 

 

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最近のお話し

 

「牛車腎気丸」という薬

「治打撲一方」という薬

 

参照

 

 

ここまで書いてくると、「葛根湯」を語っておかないとなんか気分が悪い。。。

 

 

・・・ということで、以前 

 

葛根湯医者

 

という記事で触れた、葛根湯について書いておきます。

 

 

まあこれも、もはや誰でも知ってる、漢方界のスーパースターですね。

 

 

しかしあまりにも、考えなしに服用されているケースが多すぎる。。。(苦笑)

 

 

患者さんでも、

 

「カゼっぽかったんで自己判断で葛根湯飲みました。」

 

と仰る方は、非常に多い。

 

 

この葛根湯も、出典はあの『傷寒論』であり、前回語った小青竜湯と同じく、「麻黄湯」の加減方とみることも出来ますし、超有名な「桂枝湯」のバリエーションと考えることも出来ます。

 

東洋学術出版社『中国傷寒論解説 続篇 基礎と方剤』では、麻黄湯類に分類されています。)

 

 

桂枝湯の状態に加えて、「うなじのこわばり」があるものに対して、桂枝加葛根湯という薬を用い、それに麻黄を加えたものが「葛根湯」であります。

 

 

桂枝加葛根湯葛根湯の違いは「汗の有無」です。

 

 

やはり麻黄剤というのは「皮膚表面を温めて、汗をかかせて治す」のがポイントです。

 

 

『傷寒論』の中には

 

 

太陽病.項背強几几.無汗惡風.葛根湯主之.

 

太陽與陽明合病者.必自下利.葛根湯主之.

 

太陽與陽明合病.必自下利.不嘔者.屬葛根湯證.

 

 

とあり、これを見ると、風寒邪が少し深く入って、下痢するものにも使える、となっています。

 

 

また『金匱要略』の中には、

 

 

太陽病.無汗而小便反少.氣上衝胸.口噤不得語.欲作剛痓.葛根湯主之.

 

 

と出てきます。

 

 

これは皮膚表面に冷えがあって汗が出ず、なのに小便も出ず、という状況になると、気が突き上げて喋りにくくなったり頚がこわばったりするものに葛根湯が使えるという話です。

 

 

葛根湯を使う、という時、

 

「汗が出ているか」

 

「皮膚表面に冷えがあるかどうか」

 

「大小便はどうか」

 

最低でもここに注目する必要があります。

 

 

 

カゼには無数の種類があり、どういうカゼなのかを考えて治療しないと、必ずこじれます。

 

 

 

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