東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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扁鵲の六不治

2019.06.05

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こないだ読んでた本にたまたま出てきた、「扁鵲(へんじゃく)の六不治」

 

 

・・・まあ「六不治」は、相当有名な話であり、この医学を勉強し始めた頃ぐらいから知ってはいたが、今読むと、また味わいが違う。(笑)

 

 

このブログでは、ずいぶん前にチラッと部分的に紹介しただけなので、いい機会なんで、ここらできちんと書いておこう。

 

あくまで「ご提案」    参照

 

↑↑なんか、上記の過去記事読むと、開業したてで漸く軌道に乗ってきたころで、患者さんを何としても治そうと意気込んで、よく言えば躍起になっている、

 

悪く言えば少し傲慢になっている、実に青臭い文章で、読んでて赤面しますね。(笑)

 

 

・・・でもいいです、そういう時期があって、今がある。

 

 

それも歴史の真実なので、別に修正とかしません。

 

 

「六不治」は前漢の司馬遷『史記』扁鵲倉公列伝に出てくる言葉で、ここでいう「不治」というのは”治らない人”という意味ではなく、「医者から見て治しにくい人」という意味にとるのが妥当のようです。

 

 

・・・で、「六不治」の内容とは、

 

1.驕恣(きょうし)理を論ぜざるは、一の不治なり

 

 (わがままでおごり高ぶり、論理的に物事を考えることが出来ない人)

 

2.身を軽んじ財を重んずるは、二の不治なり

 

 (体よりもお金、と、治療費をケチる人)

 

3.衣食適する能わざるは、三の不治なり

 

 (衣食が適切でない、あるいは何らかの理由で適切に出来ない人)

 

4.陰陽并背、臓気定まらざるは、四の不治なり

 

 (陰陽のバランスが極端に悪く、五臓の状態が極端に悪い人)

 

5.形つかれて服薬能わざるは、五の不治なり

 

 (体が衰えて、薬も飲めない人)

 

6.巫を信じ医を信ぜざるは、六の不治なり

 

 (宗教を過信し、医師、医療を信じない人)

 

とあります。

 

 

・・・上記6パターン、全て治療にあたったことがありますが、まあー、治しにくいですよね。。。(苦笑)

 

 

とはいえ、それでも逃げずに治療に向かう、説明を尽くす。

 

 

・・・で、最終的には患者さんの体だし、命だし、患者さん自身の人生だし、というところで、患者さんの意向は最大限尊重する、可能な限り寄り添う、

 

無茶はしない、というところが大事じゃないかな、と思っています。

 

 

自分が出来ることを最大限やらせていただく、という姿勢が大事だと思うんで、患者さんを診ていて、

 

「こんなんだから治らんのだ!」

 

とかは、別に今は思わないですね。。。(*‘∀‘)

 

 

 

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2019 台湾研修 ⑥ 故宮博物院

2019.05.16

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これまでのお話し

 

2019 台湾研修 ① イントロ

2019 台湾研修 ② 長庚記念病院へ

2019 台湾研修 ③ 台北市中医師公会へ

2019 台湾研修 ④ 二二八和平公園   

2019 台湾研修 ⑤ カリスマ、温先生    参照

 

 

 

◆三日目は故宮博物院へ

 

 

今回、行ってみたかったところの一つに、故宮博物院があります。

 

 

故宮博物院は、世界最大級の博物館の一つであり、wikiにあるように、中華民国の歴史を象徴するような歴史を持っています。

 

 

ここには実は、日本の江戸医学館にあった貴重な書物も保存されているそうで、それも今回の一つの目当てでした。

 

 

また今回、偶然にも「院蔵医薬図書文物特展」や、著名な書画家である張大千「張大千生誕120年記念特別展」が開催されており、それも見どころでしたね。

 

 

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張大千の書は、デカくて迫力あって好きですね~~☆

 

 

清明院に飾りたいけど、バカ高いんでしょうね。。。(苦笑)

 

 

あと、一般的には故宮博物院の展示物の目玉とされる翠玉白菜の見事さは、すぐ近くで見たけど、僕にはちょっとよく分かりませんでした。。。

 

 

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(苦笑・・・これを見て感動できる感性、素晴らしいと思いますが、僕には一生持てそうもないです☆(゚∀゚))

 

 

また、本館から少し離れたところにある「図書文献館」で、貴重書籍でも見て帰ろうと思ったら、なんと医学書コーナーのみ休みでした!!(苦笑)

 

 

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受付の女性に、日本の鍼灸師であることを伝えると、まさかの

 

「真柳誠先生を知っていますか??よくここに来ますよ。(^^)」

 

とのこと。(笑)

 

 

さすが真柳先生。(゜o゜)

 

 

台湾でも名前が売れている。。。

 

 

まあここは、僕の勉強が進んで、どうしても見たい、しかもここにしかない、そういう本が出てきたら、また訪れてみたいと思います。

 

(たまたま休みだったというのは、”まだお前程度の勉強量で来るとこじゃないよ。”と言われたような気もしました。orz)

 

 

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↑↑図書文献間の入り口に蒋介石ドーン!

 

 

 

続く

 

 

 

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(一社)北辰会定例会大阪会場へ(二陳湯と鍼灸の症例)

2019.05.14

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5.12の日曜日は、大阪上本町で行われた(一社)北辰会定例会に参加してきました!!

 

 

今回は午前中は実技。

 

 

僕は上級班で、風胤堂本院長である油谷真空先生の超絶技巧を目の当たりにしていました。(゜o゜)

 

 

午後は久々に、丸々三時間症例検討会。

 

 

奈良のタケモトクリニック院長の竹本喜典先生による、「二陳湯加減と鍼灸を併用した三症例」です。

 

 

この二陳湯という薬は、このブログにも何度も出てきている、江戸期の多くの医家たちが参考にした、あの『和剤局方』が出典です。

 

『和剤局方』を含む記事 参照

 

 

中医学をやっている臨床家であれば、全員持っているであろう、東洋学術出版社の『中医臨床のための方剤学』では、「燥湿化痰剤」の首先に出てくる方剤で、「湿痰」という邪気に使う、超有名選手であります。

 

「怪病多痰(かいびょうたたん)」という言葉

「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について      参照

 

 

二陳湯は、半夏・茯苓・陳皮・甘草で構成されたシンプルな方剤であり、これを生姜、烏梅とともに飲む、と書いてあります。

 

 

東洋医学をやっているものにとって、半夏と陳皮のコンビネーションはあまりにも有名ですが、二陳湯の場合、この半夏と陳皮が古いものの方が、

 

薬性がマイルドになり、より良い、ということで、「半夏と陳皮の二つが陳(ふる)いほど良い。」という意味で「二陳湯」なんだそうです。(^^)

 

 

この方剤を、清代の名医である王旭高先生(1798-1862)「治肝三十法」の考え方を参考に加減して、見事に治してみせた症例を、三例発表して下さいました。

 

 

この症例は、今年の6月に新宿で行われる日本東洋医学会学術総会でも、ポスター発表なさいます。

 

 

今回聴き逃がした方は、ぜひ新宿に!!(=゚ω゚)ノ

 

 

僕も久々に湯液の絡んだ症例で、非常に勉強になりました。

 

 

また、中医学をベースにすれば、湯液家とも共通の理論土台の中で討論できるし、やはり中医学理論は有用だなあと思いましたね。

 

 

終わった後は呑み。。。

 

 

今回、油谷先生が爆裂していました。(笑)

 

 

 

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2019 台湾研修 ② 長庚記念病院へ

2019.05.11

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前回のお話し

 

2019 台湾研修 ①  イントロ    

 

 

 

◆2日目は朝から研修

 

 

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台北二日目、朝から台北中医師公会さんが手配して下さったマイクロバスがホテルまで迎えに来て下さり、午前中の研修先である長庚記念病院へ。

 

(日本語版サイトもあるー(゜o゜))

 

 

長庚記念病院は、台湾全土とアモイに8つの総合病院を持つ、マンモス病院です。

 

 

到着するなり、中医科の主任の先生と針灸科の主任の先生が出迎えて下さり、メチャ広い会議室に案内され、病院のプロモーションビデオを見せて頂きました。

 

(研修、受け入れ慣れてるー(゜o゜))

 

 

プロモーションビデオでは、やはり最新鋭の西洋医学に最も注力している様子がよく分かりましたが、一方で、キチッと伝統医学も残している、という姿勢も伝わりました。

 

(ここが日本との大きな違い)

 

 

その後、鍼灸の外来と、調剤室を見学させていただきました。

 

 

鍼灸の外来では、カルテはきちんと電子化されており、西洋医学的な所見とともに、中医学的な四診所見もキチンととってあり、それを参伍して治療を進めている様子がよく分かりましたし、

 

入院病棟のすぐ近くに、「薬湯」のスペースがあることに感心しました。

 

 

患者によって、数種の薬湯を使い分けて、入らせるんだそうです。

 

 

・・・ただ、患者数については、大きい病院の割にはやや少ない印象を受けたかな。(^^;)

 

 

その点、中国は圧倒的患者数でしたね。

 

 

台湾では東洋医学の診療科は不採算部門だったりするのかな、とか、余計なお世話を感じつつ。。。

 

 

調剤室も、煎じ薬用の生薬類も、エキス剤も、圧倒的物量とスペースでしたね。

 

 

 

 

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帰りがけに病院の入り口で記念写真を。

 

 

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今回、事前情報で、

 

「台湾は東洋医学と西洋医学が東アジアの中でも、比較的うまく共存している。」

 

というのがありました。

 

 

案内してくれた中医科の先生に、その質問をぶつけてみたところ、絵に描いたような苦笑いを浮かべていましたが(笑)、やはりそこそこうまくいっているようです。

 

 

いいですねー、台湾。

 

 

そして、午後の研修先へ。

 

 

 

続く

 

 

 

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今日は朝から・・・

2019.04.11

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今日は朝から、Facebook上でいい記事を読ませていただいて、朝からいい気分に。

 

 

その後、先輩とのチャットワーク上でのやり取りで、またいい気分に。

 

 

その後、メールにて、とあるご依頼をいただき、またいい気分に。

 

 

また、冒頭のとは全然関係ないFacebook上のやり取りで、元気づけられ、またいい気分に。

 

 

昼に院長業務で銀行に行って、じゃっかんイライラするも、吉野家の牛皿定食が旨かったんで、またいい気分に。

 

 

ついでに行った、マルイのメガネ屋のお姉さんが、親身になってメガネを修理してくれたんで、いい気分に。

 

 

勢いに乗って、このブログにゴチャゴチャに書き溜めた過去記事を、右記のカテゴリを新たに作ったりして整理してたら、あっという間にこの時間に。。。

 

 

特に「漢方薬」カテゴリは、子カテゴリを作って細分化しました。

 

 

また最近、あらゆるレベルの癌の患者さんが多いんだけど、興味深い変化が出てて、そっちも目が離せない。

 

 

また往診でも、超重症の患者さんに、あり得ない変化が出てて、そっちも目が離せない。

 

 

やりたいこと、言いたいこと、書きたいこと、何でもあり過ぎる。。。

 

 

時間が足らない。

 

 

ホントありがたい。<m(__)m>

 

 

 

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三旗塾オープン講座に参加してきました!!

2019.03.18

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17日の日曜日は、目黒で行われた三旗塾オープン講座に参加してきました!!

 

 

この講座、当初の会場側のキャパは60名だったらしいですが、なんと参加者130名、ギュウギュウに詰めて、実にいい感じの熱気でした☆

 

(キャンセル待ちもずいぶん出たようです。)

 

 

やっぱ講演会場はすし詰めがいいね☆

 

 

この日の演者さんは、テレビ等のメディアで大活躍されている鍼灸師の若林理砂先生と、(一社)北辰会代表、藤本新風先生でした。

 

 

若林先生の取り組みは、非常に分かりやすく、人柄的にもストレートであり、しかもそれをご自身が楽しんでやっておられるなあ、という印象を受けました。

 

 

今後、ご自身の治療院を、数人の武術の指導者と組んで、薬店とトレーニングスペースを併設した治療院にするらしく、こういったやり方も、

 

今後の一つの在り方だろうと思います。

 

 

また、SNSなど、ネットを駆使して、体調不良を抱えている人などの「特定の条件の」人とどんどん繋がれる時代、若林先生のおやりになっているような、

 

「東洋医学的な健康相談を目的としたオンラインサロン」

 

や、

 

「メディアを駆使した情報発信」

 

をなさる鍼灸師の先生は、今後どんどん増えそうな予感を感じました。

 

(ただ若林先生も仰っていたように、そうそう簡単ではないと思いますが。。。)

 

 

オンラインサロン上の患者さんは極端な虚証が多いというのも、個人的には興味深いと思いましたね。

 

 

そして後半は新風先生による講義と実技。

 

 

多少の機材トラブルや準備不足なんかはありましたが、いつも通り、マズマズうまくいったと思います。

 

 

アンケートが楽しみですね。

 

 

終わった後は三旗塾の先生方と呑み。。。

 

 

最終的にはヒドイことになりました。(苦笑)

 

 

そして今日は東京衛生学園の謝恩会です。

 

 

昨日会ったメンバーと、また会います☆(^^)

 

 

 

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花粉症狂騒曲

2019.03.17

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イヤーしかし、老いも若きも男も女も、皆さん花粉症ですな。。。

 

 

インフルエンザの後は花粉症、次はなんだ、梅雨が来るから、うつ病か!?(~_~;)

 

 

今や国民の5人に一人が花粉症と言われ、国民病と言われますが、僕が子供の頃は、花粉症の人なんてほとんど見かけませんでしたね。

 

 

単純に花粉の飛散だけでなく、大気汚染や水質汚染、食品添加物や社会構造などなど、様々な問題が複合的に関与して、この現状になっているのでしょう。

 

 

僕自身は幼少の頃から、アレルギーは全くないと思っていましたが、今から約20年ほど前、東京に来てから、年によっては少し出るようになりました。(T_T)

 

 

しかし、抗アレルギー剤や、抗ヒスタミン薬、ステロイドなどの西洋医学的治療は、これまでまったく、マジで一回も使ったことがないです。

 

(苦笑・・・まあ、幸いにも不要で済んだ、というところですな)

 

 

あれらの対症療法としての効果は素晴らしいようで、患者さんを診ていると、ほとんどの方が何かしら飲んでおられますね。

 

 

ですので、鍼灸臨床サイドでは標本同治、あるいは本治のみ、という感じで処置をすることが多いですね。

 

 

最近では西洋医学的な根治療法と言われる「減感作療法」も、皮下注射じゃなくて錠剤や液体でやるんだとか。

 

 

・・・さて、今後はどうなるやら、って感じですね。

 

 

僕は何年か前に、咳が数カ月止まらなくなった時に、自分で鍼をしても漢方飲んでも、先輩にかかってもダメだった時があり、仕方なく初めて呼吸器内科にかかりまして、

 

その時に呼吸器の検査のついでにアレルギー検査をしたら、スギやヒノキに陽性が出ていました。

 

 

毎年、鍼と漢方でいよいよどうにもならなくなったら、西洋医学的対症療法にお世話になろうかな、と思っているのですが、今のところコントロール出来ています。(゚∀゚)

 

 

今度、ちょっと機会をいただいて花粉症に関して人前で喋るので、最新情報も踏まえて勉強し直そうと思います。

 

 

 

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補中益気湯について

2019.03.08

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ここまでのお話し

 

四君子湯と六君子湯

平胃散について 

安中散について

大建中湯について

小建中湯について  

小建中湯について 2   参照

 

 

別にシリーズ化する気もなかったんだけど、書き始めたら何となく、

 

「あれも書いとこ、これも書いとこ。」

 

ってなって、徐々に続いてしまった、この「脾胃モノ有名漢方薬」シリーズ。(笑)

 

 

特に脈絡もなく、患者さんを診ていて、よく使われているものを書いています。

 

(こんなん書いてたら、キリがないね。。。)

 

 

もちろんながら、漢方薬というのは、鍼灸と同じように、芯となる流儀や考え方に基づいて、論理的整合性、一貫性をもって処方されるべきもので、

 

決して症状のみ、病名のみから場当たり的に処方されるものではないと理解しています。

 

 

だから僕は、全くの素人さんが、エキス剤とはいえ、ドラッグストアで簡単に漢方薬を購入できる現状、ネット通販で自分の症状から調べて入手しては、

 

サプリメント感覚で次から次に試しまくる現状にも、正直反対です。

 

 

もちろん、自分で鍼や温灸を買って適当に試すことにも、厳しいようですが反対です。

 

 

僕は鍼灸臨床家であり、畑は違いますが、今後も優れた漢方家の先生方と協調しながら、真面目に東洋医学をやっていきたいですね。(^^)

 

 

前置きが長くなりましたが、今日は「補中益気湯」です。

 

(これで一応いったん締めとしましょう。)

 

 

実は2013年の記事に、チラッと登場しました。

 

金元の4大医家 李東垣(りとうえん)   参照

 

 

この方剤の出典はあの中国金元の4大医家の一人、李東垣(1180-1251)先生『脾胃論』であり、『中医臨床のための方剤学』によれば、構成生薬は

 

人参9g、白朮9g、黄耆15~30g、当帰9g、柴胡3g、陳皮6g、炙甘草6g、升麻3g

 

となっています。

 

金元の4大医家 朱震亨(しゅしんこう)

金元の4大医家 張従正(ちょうじゅうせい)

金元の4大医家 劉完素(りゅうかんそ)       参照

 

 

効能は補中益氣、昇陽挙陥、甘温除大熱であり、主治は気虚下陥、気虚発熱とあります。

 

 

まあ要は、”黄耆”という生薬を主薬とし、結果的には中焦の気(脾気)を補って、気を昇らせ、脱肛や子宮脱などの”中気下陥”の症状を改善させ、

 

場合によっては気虚発熱を改善するという目論見の薬です。

 

 

李東垣は『内外傷弁惑論(1247)』の中で、発熱には外邪が入って邪正闘争の結果発熱するものと、脾胃が弱ったことにって発熱するものがあり、

 

脾胃が弱った場合については甘温剤で脾胃をフォローすることによって清熱することが出来ると主張しました。

 

 

ここで重要なのは、熱証モノは脾胃を補えばいい、という理解ではもちろんなく、その熱証症状、所見が、”何によるものなのか”を鑑別診断できる物差しを身に付けることですね。

 

 

この物差しになるのが脈診、腹診をはじめとした”多面的観察”であります!!

 

 

患者さんが、

 

「先生風邪ひいたー。。熱が出たー。。。」

 

と、言っていたからといって、それがどういう病因病機によるものなのかに対する理解ですね。

 

 

意外と臨床上、脾胃を補うことによって熱証症状が取れていくことはあります。

 

 

アトピー性皮膚炎なんかでも、たまに経験しますね。

 

 

実際に漢方家の先生の中には、補中益気湯を使ってアトピーに効果を挙げておられる先生も少なからずおられるようです。

 

 

刮目すべき理論です。

 

 

 

 

 

 

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小建中湯について 2

2019.03.05

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ここまでのお話し

 

四君子湯と六君子湯

平胃散について 

安中散について

大建中湯について

小建中湯について     参照

 

 

前回、小建中湯の話がエラク中途半端に終わったので、続きを書きます。(^^;)

 

 

小建中湯は、実は以前このブログにもチョコッとだけ登場しています。

 

「麦飯」ってどうでしょう?? 7

「紅汗」について考えてみましょう。15   参照

 

 

小建中湯は、桂枝湯のアレンジ版であることは前回お話ししました。

 

 

しかし、ここら辺を細かく話していくと、『傷寒論』の太陽病の講義みたいになってしまうので、ここではしません。(^^;)

 

(興味ある人は、無数に出ている『傷寒論〇〇』という本を5冊くらい買って勉強しましょう。)

 

 

小建中湯は、今日では東洋学術出版『中医臨床のための方剤学』「脾虚肝乗」という言い方をするように、脾の臓が弱ってしまって、肝の臓とのバランスが崩れたものによく使われます。

 

 

もちろん、この薬のもともとの出典は『傷寒論』ですから、寒邪に傷られた傷寒病の、ある段階においても使いますし、これをやって治らなかった場合に小柴胡湯を使う、という流れもあります。

 

「小柴胡湯」を含む記事   参照

 

 

また、『傷寒論』の中の小建中湯適応の脈診所見に「陽脈濇、陰脈弦」という、解釈次第では色々拡大出来るような脈状の表現も出てきます。(*‘∀‘)

 

 

あるいは『金匱要略』の中にも、この薬は”虚労病”、”黄疸病”、”婦人病”のところに出てきます。

 

 

さらに『金匱要略』では、目的に応じて、小建中湯黄耆(おうぎ)を加えて「黄蓍建中湯」という薬を提示していたり、少し時代が下って中国唐代、

 

孫思邈(そんしばく 581?-682)『千金翼方』では小建中湯当帰(とうき)を加えた「当帰建中湯」があったり、日本の江戸期、あの華岡青洲(1760-1835)の

 

『瘍科方筌(ようかほうせん)』では、この「黄蓍建中湯」「当帰建中湯」を組み合わせて、さらに膠飴を使わずに「帰耆建中湯(きぎけんちゅうとう)」という方剤を創方し、

 

癌が潰れて膿が止まらず、日々憔悴していくほどの重篤な病人に使用していたようです。

 

孫思邈という人物

遠方からの患者さんが増える

墓マイラー 44 華岡青洲先生

華岡青洲という人物        参照

 

 

・・・まあしかしこの、

 

「肝と脾のバランスが崩れている」

 

ことが、カゼから花粉症からアトピー、リウマチ、癌まで、あらゆる現代病の根本原因になっていることは、臨床上、実に多いと思います。

 

「脾」って何ですか?(その9)

「肝」って何ですか?(その13)    参照

 

 

ここんとこをシンプルに調整してくれる薬だからこそ、約2000年の風雪に耐えて来れたんでしょうね。

 

 

 

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小建中湯について

2019.03.04

20190120_211142.JPG

 

 

 

 

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ここまで、中焦(脾胃)の異常に対してよく処方されている漢方薬を、いくつか紹介してきました。

 

四君子湯と六君子湯

平胃散について 

安中散について

大建中湯について     参照

 

 

前回、大建中湯を紹介したので、なんか小建中湯を紹介しないのは気持ちが悪い。。。

 

 

・・・ということで、ついでなんで小建中湯を紹介します。(゚∀゚)

 

(処方されている患者さんも結構いるしね。)

 

 

小建中湯も、大建中湯と同じ「温裏剤」のグループです。

 

 

出典はもちろんあの『傷寒論』ですから、約2000年の風雪に耐えてきた名方と言えます。

 

『傷寒論(しょうかんろん)』という本

「張仲景(ちょうちゅうけい)」という人物

墓マイラー 27(番外編) 張仲景先生

 

 

この処方は非常に有名です。

 

 

漢方薬の王様の一人と言っていい、「桂枝湯」という薬がありますが、この桂枝湯の中の「芍薬(白芍)」という生薬を倍の量にしたのを「桂枝加芍薬湯」といい、

 

それに「膠飴(こうい:みずあめ)」を加えたのが「小建中湯」です。

 

 

『中医臨床のための方剤学』によれば、効能は温中補虚、和裏緩急、主治は中焦虚寒、脾虚肝乗とあります。

 

 

・・・おっと、ここまで書いたら時間切れ。

 

 

続きは次回。(笑)

 

 

 

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