東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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順天堂東医研、公開シンポジウム開催!!

2019.11.20

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来たる12.19(木)、夜19時から20時半までの1時間半、お茶の水の順天堂大学にて公開シンポジウム

 

「東洋医学における予防医学の現状と課題」

 

を行います!!!

 

(文字クリックでポスターへ)

 

 

これは、順天堂東医研の1周年記念特別企画です。

 

 

順天堂東医研は、普段は医学生と医師のみの限定の講座なんですが、今回は特別に、どなたでも参加できます!!

 

 

ですので、医師と医学生はもちろん、鍼灸師、鍼灸学生、薬剤師、薬学生、果ては患者さんでも、東洋医学、予防医学に興味のある方はどなたでもご参加いただけます。

 

 

シンポジウム登壇者は私以外に

 

順天堂大学 大学院医学研究科 公衆衛生学講座 助教で、鍼灸師でもある、友岡清秀先生

 

と、

 

日本東方医学会会長、吉祥寺中医クリニック院長 長瀬眞彦先生

 

で、座長を

 

順天堂大学 大学院医学研究科 公衆衛生学講座 教授である谷川武先生

 

という、この順天堂東医研の創立講師陣で行います。

 

 

いつもよりも広い教室らしいですが、それでも入れなくなる可能性もありますので、お申し込みはお早めに!!

 

 

お申込みは必ずこちらのフォームよりお願いします!!!

 

 

気合い入れて喋ります!!!

 

 

 

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(一社)北辰会11月定例会東京会場

2019.11.12

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10日の日曜日は、一社)北辰会定例会東京会場に参加してきました!!

 

 

今回は本部から大阪の「鍼灸 大仙堂」院長、山本克仁先生がお見えになって、実技デモ。

 

 

山本先生の話は分かり易く、体表観察も非常に丁寧です。(*^^*)

 

 

皆さん釘付けになっていましたね☆

 

 

午前中は二時間まるまる使って実技訓練。

 

 

内容は先月に続き「腹診・空間診・尺膚診」に加えて、「照海、外関の取穴」です。

 

 

皆さんいつもながら、熱心に取り組んでいましたね。

 

 

午後は目黒の「伝統鍼灸 寧心堂」院長、森岡健介先生による症例検討会「蛇串瘡(ヘルペス)後神経痛」です。

 

 

森岡先生は我が清明院、二代目副院長でもあります。

 

 

まあ彼らしい、分かり易い症例でした。

 

 

ヘルペス後神経痛というのは、意外と鍼灸院ではよく診る症状だったりします。

 

 

ものによっては、病気の中でもトップクラスに「痛い」病気です。

 

 

今回のは、短期間で見事に症状改善、減薬、廃薬に導いた症例でした。

 

 

ぜひ学会発表、論文投稿まで仕上げて、世に出してほしいですね。(‘ω’)

 

 

関東支部、終了後の飲み会も盛り上がってきています☆

 

 

 

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日本東方医学会の学術委員に就任いたしました。

2019.10.20

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先日、御縁があって、日本東方医学会の学術委員に就任致しました!!

 

 

この学会は、昭和48年(1973年)に設立された「医師東洋医学研究会(※)」が前身だそうで、昭和58年(1983年)に厚生省(現厚労省)の許可を得て設立された「東方医療振興財団」が母体となって運営されている、医師、薬剤師、鍼灸師を中心とした学会です。

 

(またしても、僕が生まれる前からある学会です☆)

 

※医師東洋医学研究会・・・医師への鍼灸の教育を目的とした研究会(MSA会 故間中喜雄先生が会長)の会員で構成された研究会

 

 

国内最大の東洋医学の学会で、漢方専門医認定機関である日本東洋医学会と違うのは、インド伝統医学であるアーユルベーダや、アラビア伝統医学であるユナニ医学にも目を向けているところでしょうか。

 

(東アジアどころか全ユーラシア伝統医学ですね。(゜o゜))

 

 

発足の段階から、この学会に深く関わられたのが谷美智士先生(故人)です。

 

 

谷先生は、あの小田原の間中喜雄先生の病院のスタッフだったそうです。

 

(間中先生と一緒に、日本初の鍼麻酔下での手術を成功させたとか。)

 

間中喜雄を含む記事 参照  

 

 

そして現在、この学会の会長をなさっているのが、私が今、順天堂東医研でお世話になっている長瀬眞彦先生です。

 

 

長瀬先生は2019年の4月から、新たに会長になられました。

 

 

今後、学会の活性化を担っていかれることでしょう。

 

 

私も微力ながら、何か協力できれば、と思います。

 

 

学会というのは、全くそれまでのバックボーンの異なる先生方の集合体であります。

 

 

用語や理論や一定の価値観を共有している「流派」「学派」とは、似てるところはあるけど、ちょっと違います。

 

(より広いと言ったらいいのか、規模が大きいと言ったらいいのか。)

 

 

鍼を持って20年、最近はボツボツ「学会」と関わることも増えてきました。

 

 

より広い世界を見て、自分とは違う価値観や考え方にも触れ、結果的に臨床に活かす。

 

 

まだ右も左も分かりませんが、これをテーマに、頑張っていこうと思います!!!

 

 

 

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順天堂東医研に行ってきました!!

2019.10.19

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10.17の木曜日は、順天堂東医研に行ってきました!!

 

(「順天堂大学医学部 東洋医学研究会」と表記すると長ったらしいので、今後はこうします。(*‘∀‘))

 

 

 

今回は吉祥寺中医クリニック長瀬眞彦先生の講義「漢方エキス剤の効かせ方~人生すべからくマッチング〜」でした。

 

 

先生の講義は非常に分かり易いです。

 

 

いつもながら、高度な症例を交えつつ、学生の興味を引き付けつつ、有名な漢方や生薬に関して、上手に説明しておられました。

 

 

今回も漢方を煎じながらの講義でしたが、今回煎じて試飲した薬は「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」です。

 

 

この薬は超有名な「小柴胡湯」の変法であり、あの『傷寒論』に、「少陽病」の薬として登場する薬です。

 

『傷寒論(しょうかんろん)』という本

「小柴胡湯」を含む記事 

「少陽病」を含む記事           参照

 

 

 

かの折衷派の代表格である和田東郭をして

 

「半夏瀉心湯の代わりになる薬は後世方にはない。」

 

とまで言わしめている名方です。

 

和田東郭という人物    参照

 

 

 

数十年前に蓮風先生も注目されて、この方剤が目当てとする「心下痞(しんかひ:みぞおちの痞え)」という所見を如何にとるか、北辰会方式としてのやり方を教えて下さいました。

 

(それを初めて関東で発表した時の講義で、モデルになって鍼してもらったのでよく覚えています。)

 

 

今回の講義で先生が強調しておられたのは「マッチング」、つまり、その漢方が適応となる「レスポンダー」を如何に見つけるか、という部分です。

 

 

これをするには、やはり基礎的な東洋医学理論や、脈診や舌診などの基礎的な診察法を身に付けることが重要で不可欠だ、ということです。

 

 

ここを上手に、効率的に説いていくのが僕の仕事かな、と思いますね。(^^)

 

 

他にも

 

「エキス剤と煎じ薬、どっちが効くの??」

 

とか、

 

「そもそもどう違うの??」

 

という話や、半夏瀉心湯も煎じとエキス剤では全然違う味で、なかなか興味深かったです。

 

 

 

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「栃本天海堂」倉庫ツアー!!

2019.10.11

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こないだ、先日の日本東洋医学会で、(一社)北辰会の漢方医である竹本喜典先生のご紹介で名刺交換させて頂いた、

 

有名な漢方・生薬メーカーである「栃本天海堂」の課長さんである宮嶋さんの案内で、大阪の高槻にある倉庫の見学と、

 

京都にある武田薬品工業の薬草園の見学ツアーに行ってきました!!!

 

 

・・・まあ、一口に東洋医学と言っても、僕らの専門は鍼灸ですから、漢方薬に関しては、門外漢とまではいかないけども、普段治療するのに扱わないので、

 

理論的には色々知ってはいても、漢方医の先生や生薬メーカーさんほどは詳しくないです。

 

 

ですので今回は、なかなかないいい機会なので、参加させていただきました!!

 

 

 

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↑↑まずあさイチにここへ。

 

 

 

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↑↑倉庫はこんな感じです。立派立派!(゜o゜)

 

 

 

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↑↑中はこんな感じ。

 

 

この袋や段ボール、全部世界中から輸入した漢方やハーブです!!

 

 

厳密に温度管理、衛生管理されております。

 

 

この膨大な中から、いくつかサンプルも見せて下さいました。

 

 

 

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↑↑これは「桂枝湯」で有名な桂皮(ケイヒ)です。

 

 

もちろんシナモンですから、香りも良いし、欠片をかじったら美味かった。。。

 

 

 

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↑↑精神疾患なんかによく使われる「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」で有名な「龍骨」

 

 

大型哺乳類の骨です。

 

 

もともとは恐竜の骨(化石)を使っていたんだそうです。

 

 

舌に吸着するものが良品とされ、実際にかけらを舌に乗せてみたら超吸着!!!

 

 

良品ですな。(ΦωΦ)

 

 

 

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↑↑これはあらゆる漢方薬に入っている、有名な生薬、乾姜(かんきょう:生姜(しょうきょう)の乾燥したもの)ですね。

 

 

豚の生姜焼きの、あのショウガです。(∩´∀`)∩

 

 

 

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↑↑よく漢方の便秘薬と言われる「大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)」で有名な大黄

 

 

これはイカツイです。

 

 

他にも、䗪虫(しゃちゅう:サツマゴキブリ)、水蛭(すいてつ:チスイヒル)も見せて頂きましたが、苦手な人もいるでしょうから写真掲載は自粛します。。。(笑)

 

 

この倉庫にある無数の袋の発送元ラベルを見てみると、ベトナム、ロシア、オーストラリア、イラン、エジプト、グアテマラ、ドイツなどなど、

 

本当に世界中から生薬を集めていることが分かりました。

 

 

世界の中の日本、物流の力を感じましたね。

 

 

多くの人が関わって、厳重に管理されている、これら生薬が、やがては患者さんの口に入り、病を治すと思うと、見慣れた漢方薬一包へのありがたみが変わりますね。(*‘∀‘)

 

 

 

薬草園編に続く。

 

 

 

 

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「太極」「無極」の意味 7

2019.09.22

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これまでのお話し

 

「太極」「無極」の意味    

「太極」「無極」の意味 2 

「太極」「無極」の意味 3      

「太極」「無極」の意味 4  

「太極」「無極」の意味 5      参照

 

 

さて、続きいきましょう!!

 

 

◆「気」の哲学の変遷

 

 

さてここまで、「太極」「無極」「その両者の関係」「鍼灸臨床家としてはどうか」あたりを題材として話を進めてきました。

 

 

「臨床家としてはどうか」というところで、北辰会ではこの医学の言う「陰陽論」を、単に「陰陽論」と呼ぶのではなく「”太極”陰陽論」として、

 

理解、運用するべきだ、というお話(臨床古典学)もしました。

 

 

蓮風先生の御著書では、中国、成都中医薬大学の教授で、易学の大家である鄒学熹先生『易学十講』の論を参考に、陰陽論というのは「陰」「陽」「その境界線」の3つ、

 

「三を含みて一となす」という考えがあり、全て一つであるという太極と、陰陽と境界の太極があるからだ、と説きます。

 

(因みにこの辺の詳細(『易学十講』の部分的翻訳)は、北辰会機関誌『ほくと』17号に掲載されています。)

 

 

まあこれは、簡単に言えば何かを陰陽に分ける時に、その基準(境界)を明確に!というお話です。

 

 

そしてこれには、背景として「気一元論」という考え方があります。

 

「気一元論」を含む記事  参照

 

 

「気一元論」は、簡単に言えば「この世界は全て気で出来ているのさ」という考え方です。

 

 

東京大学出版会『気の思想』によれば、「気一元論」という言い方は、特に誰それさんが言い出した言葉、というワケではないようで、古くは『老子』『荘子』『淮南子』の中にもあるっちゃある考え方であり、

 

この考え方を強調したのは、中国では北宋の張横渠(ちょうおうきょ 張載(ちょうさい)ともいう 1020-1077)、日本では伊藤仁斎(1627-1705)が有名だそうです。

 

伊藤仁斎という人物    参照

 

張横渠もせっかくなんでそのうち紹介しましょう。この人は何とあの程顥と程頤(二程子)の叔父さんです。優秀な一族だねえ~~ (゜レ゜))

 

 

荘子の

 

 

・・・因みに、現代中国では大きく気の哲学について3つの流れがあると考えているそうで、

 

1.程伊川と朱子の「性即理」の考え方(客観唯心論、客観的観念論)

 

2.陸象山と王陽明の「心即理」の考え方(主観唯心論、主観的観念論)

 

3.張横渠と王夫之の「気」の哲学(唯物論)

 

とし、3.の唯物論哲学こそ最高のものである、としているそうです。

 

(by 『朱子学と陽明学』島田虔次)

 

(因みに、王夫之気一元論に関してはこの論文が参考になりました。)

 

 

しかしこの、3.の、気一元論を、全くの唯物論と解し、それを最高のものとする考え方と、北辰会の考え方は違います。

 

 

中国哲学、中国伝統医学に通底する「気」という概念は、唯物論でとらえきれるものではない、と考えています。

 

 

北辰会では「気」を唯物論でとらえ、最小精微な物質である、とするのではなく、むしろ生命原理、生命原体ともいうべきものとして、生気論的に理解しています。

 

 

つまり「気」を、物理学(ニュートン力学)の言うような質量を持った存在、と考えるのであれば、それとは認識を異にする、ということです。

 

(といって、量子力学の言うような素粒子とも同じでないと思いますが。)

 

 

・・・ま、「気ってなに??」という問いに対しては、トートロジー的になるけど、10年前に書いたように、「気は気です。」という答えがやっぱベストかな、と。

 

「気」ってなんですか?(その3)    参照

 

 

ここまでの話で言えば、生成論の太極も、場の論の太極も、認識論、存在論における主観と客観も、ぜーんぶただ一つの気の動きの一様態ですよ、ってことですね。

 

 

次回、清代に「気は動きである」この理論を完成させたと言われる戴震(1723-1778)さんを紹介します。

 

 

 

続く。

 

 

 

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「太極」「無極」の意味 6

2019.09.21

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これまでのお話し

 

「太極」「無極」の意味    

「太極」「無極」の意味 2 

「太極」「無極」の意味 3      

「太極」「無極」の意味 4  

「太極」「無極」の意味 5      参照

 

 

さて、続きいきましょう!!

 

 

◆「陰陽論」ではなく「”太極”陰陽論」。 その②

 

 

さて前回は、蓮風先生の著書における「太極」のとらえ方を紹介し、北辰会が鍼灸臨床で「太極」をどう考えているのか、というお話を紹介しました。

 

 

僕らは、あくまでも現代日本の鍼灸臨床家なので、古代中国哲学や、哲学用語の歴史的変遷や、東洋医学のバイブルとされるような各種古典の内容を、

 

あくまでも現代日本人への鍼灸臨床に役立つような、理解運用の仕方をするように心がけています。

 

 

これが北辰会の提唱する「臨床古典学」という立場ですね。

 

 

因みに、(一社)北辰会では「無極」という言葉についてはあまり言及されないのですが、奥村裕一学術部長がかつて1997年に『全日本鍼灸学会誌』上に発表された、

 

「日本鍼灸古流派の研究-腹診および腹部刺鍼を中心として」

 

という論説の中に、日本の江戸期の医家による、腹部における「太極」「無極」という表現が出てきます。

 

 

ここについても今回、ついでなんで、あとで触れておきましょう。(∩´∀`)∩

 

 

・・・ところで、前回言うように、北辰会では「陰陽論」を単に「陰陽論」と言わずに、あえて「”太極”陰陽論」と呼んでいるのには、陰陽は偉大な哲学、分析学だけれども、

 

あくまでも常に「太極を踏まえた上で」分析することが重要だ、というメッセージが含まれています。

 

 

陰陽という「二」で考えつつも、常に太極と言う「一」の視点を外さないこと。

 

 

ですので「陰陽論」は単純な二元論ではなく、「二元的一元論」なのである、という重要な主張です。

 

 

陰陽論が、森羅万象に対する単なる分析学なのであれば、その境界線やものさしは精密で精緻であればあるほど良いわけですが、西洋医学のように、

 

電子顕微鏡レベルにまで精密精緻になってくると、出来ることや分かったことが増える一方で、分からないことも増えていき、時に「木を見て森を見ず」となって、

 

結果的にかえって「自然(人体)のトータルな全体としてのバランスの調和」を見逃す、見誤る、ということが起こりうる訳ですね。

 

 

手術はうまくいったけど亡くなってしまった、とか、血液検査の数値上は薬は効いているけど、全体的な体調としては悪化した、などですね。

 

 

ここに、よく言われるように、西洋医学で治らないものが、東洋医学では治ることがある、という事実の謎の一つが隠されているのではないか、と考えています。

 

 

上記の考えは北辰会方式のすべてを貫いており、以前紹介した「総合と総体」の話や、「直観と論理」の話にも通じてきます。

 

総合と総体(東洋医学の哲学)   

「直観」を含む記事              参照

 

 

あくまでも「気一元」の世界観。

 

 

色々分けるけど、そもそも分けれないもの「太極=太一」なのだ、ということが大前提なんです。

 

 

 

続く。

 

 

 

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よしよし。。。

2019.09.06

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今朝、まだ咽喉痛が。。。(苦笑)

 

 

しかし、治療の甲斐あってか、昨日の夜中にドバドバ汗をかいて、一気に解熱した感がありました。

 

(計ってないけど)

 

 

従って、全身的には楽。

 

 

また、朝にとある漢方薬を飲んで、診療開始。

 

 

昼休みに、自分で鍼をして、寝る。

 

 

夕方起きると、少しノドの腫れが引いています。

 

 

ふー、これで今回も無事、西洋医学の世話にならずに終われそうです。

 

(時間に余裕があったら、いくつかの病院にかかってみたいんだがね。。。)

 

 

自分が体調を崩した時に、西洋医学がどう診たてて、どういう処置をするのか、その際の医師の雰囲気や空気感はどうか、そういうことを、ある意味「見学」しに行くのです。

 

 

僕は意外とこれ、好きなんです。(゚∀゚)

 

 

まあ今回は行くことがなく終わりそうですが。。。

 

 

まずまず、いい流れでしょうね。

 

 

 

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順天堂大学医学部、東洋医学研究会に参加してきました!!

2019.08.30

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昨日の夜は、順天堂大学医学部、東洋医学研究会に参加してきました!!

 

 

今回は私は講師ではなく、聴講生としての参加です。

 

 

講師は吉祥寺中医クリニック院長、長瀬眞彦先生です。

 

 

今回は学生からのリクエストで、いくつかの生薬や症例を紹介しつつ、煎じ薬の実演を見せて頂きました。

 

 

今回の煎じ薬は大建中湯

 

 

大建中湯に関しては、以前このブログでも紹介しました。

 

大建中湯について    参照

 

 

EBMの手法にきちんと則った論文で、特定の状態の患者さんに有効性が示されている漢方というものがあり、それが臨床現場では多く使われている向きがあるけど、

 

それで終わってしまわず、そこからさらに、レスポンダー(東洋医学の言う”証”に適合する人)を如何に見つけるかが大事だ、という講義でした。

 

 

ここが、やはり今後は重要だと思いますね。

 

(そうしないと、マジで”生薬資源の無駄遣い”に。。。)

 

 

「〇〇病には〇〇という漢方が有効」それは論文で、データで示されている、文句あるか!・・・と言って使うのは良いけども、そこからさらに、

 

東洋医学的な診断に基づいて、効果の精度を高める、それが出来るかどうか、これが極めて重要ではないでしょうか。

 

 

それをするには、東洋医学の論理と診断学を身に付けないといけません。

 

 

今回で9回目。

 

 

圧倒的な勉強力を持ち、将来、多くの患者さんを診るということが分かっている、彼ら医大生に対して、僕もまだまだ手探り状態ではありますが、

 

回を重ねるごとに、順天堂の東洋医学研究会で出来ること、月に一回の勉強会で、医学部生の到達目標が徐々に明らかになってきている気がします。

 

 

また今回は、北里大学医学部の東洋医学研究会の学生も数名来ていて、こうやって医大生間の横の繋がりも、徐々に広がっていく気配も感じました。

 

 

いいですね~~☆(゚∀゚)

 

 

 

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柳谷素霊著『鍼灸の科学 実技編』

2019.08.19

DSC_0509.JPG

 

 

 

 

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『鍼灸の科学』という本がある。

 

 

昭和34年に第一刷。

 

 

出版社は医歯薬出版。

 

 

この本は「理論編」「実技編」の二冊セットである。

 

 

「理論編」の方を書いたのは当時の東京教育大学(現:筑波大学)の講師、芹沢勝助先生

 

(この先生も、そのうち紹介しましょう。)

 

 

戦後、GHQによる鍼灸廃止の流れに抗う形で、先日紹介した京大の石川日出鶴丸先生や、この芹沢勝助先生たちが構築した、現代科学理論でもって再構築し、

 

衛生面や安全性に配慮した鍼灸治療理論と実践の流れが、令和の現在でも随所に続き、業界内で、たいへん大きな影響力を持っています。

 

石川日出鶴丸先生の言葉

石川日出鶴丸先生の言葉 2    参照

 

 

もちろん、以前にも少し紹介しましたが、「鍼灸の西洋医学化」の流れは明治の時代からすでにあります。

 

墓マイラー 32 奥村三策先生   

奥村三策という人物

今日は盲学校へ       参照

 

 

この辺についても、このブログ上で、冷静に再検討したいですね。

 

 

令和だしね。

 

 

 

 

そして、この本の「実技編」を書いたのは柳谷素霊先生

 

柳谷素霊という人物

墓マイラー 15      参照

 

 

この本が出版された昭和34年(1959年)は、柳谷先生が亡くなられた年です。

 

 

亡くなったのがこの年の2.20、出版されたのが3.5ですから、まあ、遺言みたいな本でしょうか。

 

 

序文の日付が3.3と、なんと死後の日付になっています。。。

 

 

序文を読むと、なんというか、全てわかった上で、妙に低姿勢というか、経験だけでは科学でないと素直に認め、最後の行ですべての業界人に敬意と謝意を表し、

 

ささやかながらもポジティブさを感じる内容になっている。

 

 

なんて言うか、遺言としてカッコいいと思いました。(`・ω・´)ゞ

 

(苦笑・・・まあ、『理論編』の序文も同じ内容だから、芹沢先生の文章化かもしれないけど。。)

 

 

内容は刺鍼法や手技に関してであり、さほど珍しいことは書いていないが、第一章「はりの実技」、第二章「きゅうの実技」ともに、ラストに「補瀉」について書かれている。

 

(ここに、個人的に含みを感じます。)

 

補瀉 目次    参照

 

 

とりわけ、鍼の補瀉の方には、朝鮮の鍼灸書である『臓珍要編』における”補瀉の程度の問題”と、日本、江戸期の『鍼灸広狭神倶集』”宗気と補瀉”の考えを引いており、

 

しかも、これはどこから持ってきた考えなのか定かでないが、補法をするにも瀉法をするにも、ある呪文を唱えながらするものである、ということを紹介している。

 

 

この呪文の部分に関して詳細は述べませんが、これは江戸期、岡本一抱『鍼灸抜萃大成』からの引用であり、男女で補瀉の手法が逆になる、

 

と述べられています。

 

岡本一抱という人物     参照

 

 

鍼灸師養成施設の教材としても使用されることになっていたこの本に、あえてこの内容を入れ込むところに、少し柳谷先生の本音が垣間見えているような気がします。(゚∀゚)

 

 

柳谷先生は、昭和13年から、戦時中の約5年の休刊期を挟んで、死の約2年前の昭和31年まで、今でも刊行されている業界誌『医道の日本』の巻頭言の執筆をしています。

 

 

特に戦後になってから、GHQのクソ強引な要請を受けて、法律上、教育制度上「現代化」という名の「西洋医学化」を強いられてのことですが、

 

「鍼灸の科学化」というテーマで、柳谷先生は何度も巻頭言を書いているが、これを読んでみると、いわゆる当時の「科学派」と言われる人達を、

 

暗に揶揄したような雰囲気の内容が多く、柳谷先生にしてはやや歯切れが悪いようにも読めます。

 

 

戦前、大いに鍼灸医道の理想を語っていた時と比べると、戦後の古典的鍼灸への心無い批判に対する、忸怩たる思いがあったんでしょうかね。。。

 

 

柳谷先生は、このテーマで最後に書いた昭和29年5月の「鍼灸の科学は臨床の場から」という記事において、

 

「臨床を離れて、鍼灸の本質的な科学の形成は考えられないと思う。」

 

と述べ、

 

「鍼灸術は元来、天然所応、自然律の必然的所産であり、臨床から産声をあげたものである。」

 

と述べ、最後の行では

 

「屡々臨床の場において遭遇する、非科学的な現実の究明もまた必要事であるばかりでなく、ここに鍼灸の本質的なものがあるように考えられるのである。」

 

と言い切っている。

 

 

・・・まあ要するに、どいつもこいつも科学科学というが、その対象をどうするか、という問題がまずあるし、また、今の科学で分からなかったら非科学、

 

という立場は、かえって科学的じゃなくね? 鍼灸は、臨床は、そんなもんじゃなくね?? というアツい主張に聞こえます。

 

 

・・・しかし、この問題に関しては、批判したり、嘆いたり、見出しを語るに留まり、ではどうするか、鍼灸の臨床の本質を科学化するには具体的にどうしたらいいか、

 

その方法論は?というところについては、残念ながら語れなかった、提示できなかった、というところではないでしょうか。

 

 

この問題に関する巻頭言を拾い読みすると、鍼灸による生体実験の問題や、統計の導入の問題、科学化の背景にあるべき哲学の問題などに関して、

 

今でも語られるような諸問題点の根本的な部分をほとんど網羅して、実に鋭く指摘している。

 

 

これを最後に、「鍼灸の科学化」に関してはほぼ語ることなく、最期を迎えたかと思いきや、人生最後の本のタイトルが『鍼灸の科学』だったとは。。。

 

 

そして、柳谷先生の死後、1960年代に入って、北朝鮮のボンハン学説が話題になり、1970年代に入って、日中国交正常化、鍼麻酔、漢方ブームから、

 

1980年代の中医学導入期、1990年代の国際化、国内での各流派間の論争期、2000年代の規制緩和からの鍼灸学校の乱立激増、大学化、そして現代・・・と、

 

社会における鍼灸の位置づけは常に変化しています。

 

 

変化していますけど、どうなんでしょうね。

 

 

鍼灸臨床の本質は、結局は数千年前と変わっていないような。。。(^^;)

 

 

語り出すとキリがないけど、この本は、日本近代鍼灸史の貴重な資料でもありますので、芹沢勝助先生の『理論編』と合わせて、おススメです!!

 

 

 

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