東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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東西医学による脚気(かっけ)バトル

2013.04.24

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今となってはあまり聞き慣れない、「脚気(かっけ)」という病気があります。

脚気とは、ビタミンB1が不足して起こる、心不全と、末梢神経障害を主な症状とする病気です。

心不全で下肢がむくみ、末梢神経障害で足がしびれることから”脚気”と呼ばれます。

この病気は江戸時代と明治、大正、昭和初期に日本で流行りました。

江戸時代に、玄米に変わって白米を食べる習慣が根付いたことが流行のきっかけとされております。

この時(江戸時代)は、漢方医が

「米をやめて蕎麦にしなさい。」

と食養生を指導し、治していました。

(経験則であったでしょうが、蕎麦にはビタミンB1が含まれます。)

 

明治時代、日露戦争(1904(明治37)~1905(明治38))では、戦闘よりも脚気で命を落とした兵士の方が多かったことは非常に有名です。

大正時代にも、白米や、安価な移入米が中心で、副食をあまりとらない、当時の食生活の背景があったことから、再び大流行し、年間2万6千人以上もの死者を出したこともあったそうです。

この頃、脚気結核と並んで2大国民病となっておりました。

明治11年、明治政府は、明治天皇の肝いりで、神田一ツ橋に「脚気病院」なるモノを設置しました。

ここはなんと・・・、ベッドを半分に分けて、片方は西洋医学、もう片方は漢方医学で、脚気の治療を行う、という病院でした。

(イイネエ~!明治天皇!!(笑))

ちなみに明治天皇は、脚気治療の名手であった漢方医、遠田澄庵(とおだちょうあん)の大ファンだったようです。

このことは、当時の民衆から、「漢洋脚気相撲」と囃したてられました。

しかし、実はこの病院、何故か4年で閉鎖されております。

真相は不明ですが、治療結果は漢方医側の圧勝であり、それが当時の明治政府の方針にそぐわなかったから、というのが、憶測ですが定説です。

(だって、原因がビタミンB1不足であることは分からなくたって、経験的に治し方を分かっているから、この結果は当然です。)

こういう事案があったにもかかわらず、明治政府は、脚気病院が閉鎖された翌年(明治15年)から医師法改正の法整備をガンガン進め、

その後の明治28年には、西洋医学を修めたもののみを医師とする、という、今から考えたら最悪の法律が通ってしまいました。

これが、基本的には今でも続いています。

したがって、医学部には東洋医学カリキュラムはほとんどなく、医師免許を取った先生方は、東洋医学の知識は少ない(というかほとんどない)です。

全くない先生の方が圧倒的に多いでしょう。

何やら「大きな力」の存在を感じざるをえませんね。

患者不在の。

心ある医師たちの意見不在の。

 

一方で、脚気の治療法の研究が、鈴木梅太郎のオリザニン(ビタミン)の発見に繋がったりと、脚気に関する悪戦苦闘の歴史は、近代の東洋医学、

 

西洋医学を理解する上で非常に重要だと思います。

 

 

【参考】

 

『脚気の歴史』板倉聖宣

『脚気の歴史 ビタミンの発見』山下政三

 

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『模倣の時代 上下巻』

2018.10.08

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最近、面白い本を読んだんで、紹介します。

 

 

『模倣の時代 上下巻』板倉聖宣著 

 

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幕末から明治、今ではなんてことない病気である脚気(かっけ)が非常に恐ろしい病気であったことを知っていますでしょうか。

 

 

そして、この病気の治療をかけて、東洋医学と西洋医学の名医たちが真剣に勝負した時代があったことを知っていますでしょうか。

 

 

このことは、以前少し書きました。

 

東西医学による脚気(かっけ)バトル   参照

 

 

また、脚気を考える上で知っておいた方がいい知識として、麦飯のお話があります。

 

「麦飯」ってどうでしょう?? 9   参照

 

 

僕が畏敬している、浅田宗伯先生も出てきます。

 

浅田宗伯という人物    参照

 

 

このブログで何度となく書いていますが、この時代、東洋医学が、真剣に頑張ったけど、それでも潰されていく様子が、よく分かる内容になっています。

 

 

東洋医学に関わる人には、患者さんも含めて、全員に読んで欲しい内容です。

 

(分厚い割には文字数もそこまで多くなく、読みやすい本だと思います。)

 

 

 

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「麦飯」ってどうでしょう?? 8

2017.07.10

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これまでのお話

 

「麦飯」ってどうでしょう??

「麦飯」ってどうでしょう?? 2

「麦飯」ってどうでしょう?? 3 

「麦飯」ってどうでしょう?? 4

「麦飯」ってどうでしょう?? 5   参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆麦飯ととろろ。

 

 

さて、麦飯の話から始まり、白米(うるち米ともち米)の現代医学的、東洋医学的なお話までしました。

 

 

ここで、話を麦飯に戻しましょう。

 

 

麦飯のよさは大体分かった。

 

 

でも、それを食おうと思ったら、牛タンとろろ「ね〇し」にでも行かないと、なかなか外では食えませんね。

 

 

ちなみに「ね〇し」の牛タンとろろ定食はもともと仙台の名物ですが、これは戦後、食べ物がない中で「太助」というお店が出し始めたのがきっかけといわれ、

 

麦飯ととろろについては、食感を良くする為とか、消化を助けるためとか言われているようです。

 

仙台牛タンの歴史 参照

 

 

あとはまあ、刑務所の麦飯が有名ですね。(笑)

 

 

これはもともと受刑者を管理する上で、脚気の予防のために与えられていたようです。

 

(他にも海軍とかね。)

 

 

刑務所の食事と、生活リズムや運動量の半強制的な是正が、体に与える影響は、ホリ〇モンの出所後の姿を見たら一目瞭然ですね。(笑)

 

 

現代人の食生活(運動睡眠その他も含めて)はおかしい、だから生活習慣病になる、当たり前の話なんです。

 

 

公衆衛生の状況が悪かったら疫病が流行る、食べ物がなかったら栄養失調、飢餓が流行る。

 

 

大概のもんはこうやって「ごく当たり前」に起こってきます。

 

 

 

 

・・・ところでなんで、麦飯にはとろろ(山芋)なんでしょうか。

 

 

単に食感の問題のみでもない気がします。

 

 

今回はそれを考えてみましょう。

 

 

とろろといえば山芋です。

 

 

山芋は漢方では、「山薬(さんやく)」という名前の生薬です。

 

(すげえネーミングだ(゜o゜))

 

 

山薬は有名な六味丸八味地黄丸に入っている生薬で、性味は甘・平であり、脾・肺・腎を養うといわれます。

 

 

「山薬」といわれるぐらい超優秀な山芋くん。

 

 

効能は補脾止瀉、養陰扶脾、養肺益陰、止咳、補腎固精、縮尿、止帯とあり、

 

「補気して滞らず、養陰して滋でなく、中気培補する最も和平な品で、渋性もあり、収斂の効能も持つ」

 

と言われます。

 

 

これを 「麦飯」ってどうでしょう?? 3 で述べたような麦飯(大麦)の東洋医学的効能と合わせて考えると、

 

1.「大麦」で気を下げ、潤し、清熱利湿しながら

 

2.「山薬」で気を傷らない様にしつつ、陰をフォローすることで、

 

効果を助ける、という感じになるので、相性がいいとされてきたのではないでしょうか。

 

 

・・・まあ、ネットで見ると、栄養学的にはそこまで大きな意味はないとか、単に食感をよくするためだけの問題とか、

 

昔は食べるものが少なかったから云々・・とか、そういうのばっかり出てきますが、この組み合わせが現在も残っているのは、

 

僕からみるとこういう、東洋医学的意味づけが背後にあるからなんじゃないかと思いますね。

 

(どなたか詳しい方、何かご存知でしたらご教示ください。)

 

 

 

続く

 

 

 

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「麦飯」ってどうでしょう?? 2

2017.07.02

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↑↑ここ、何気にスゴかった。。。

 

 

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前回のお話

 

「麦飯」ってどうでしょう??   参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆「麦飯」の歴史

 

 

麦飯というのは、大麦や裸麦を炊いたもので、現在では多くは白米に一定の割合でブレンドされて、一緒に炊き込まれて、

 

食卓に並ぶことが多いようです。

 

 

現代では、普通は白米のみのご飯が当たり前ですが、もともと日本人の主食は麦飯の他、かて飯といって、米に他の穀物や野菜、

 

海藻などを加えて、共に炊飯したもの(今でいう炊き込みメシみたいな感じ)、あるいは粟、稗など、米以外の穀物のみを炊飯したものが普通だったそうです。

 

 

今日のように、白米のみというのは、祝祭時にのみ、食べる習慣があったくらいなんだそうです。

 

◆参考 

 

農林水産省「日本食の歴史」

亀田製菓株式会社「お米の歴史」     参照

 

 

明治、大正までは日本人の主食は麦のみか、麦の比率の方が白米よりも多い方が主流であったが、戦後、白米の比率の方が高くなったようです。

 

 

・・・で、最近では麦飯は健康食みたいな扱いになっている、と。

 

 

なんで、健康食品として扱われるかというと、大麦は米と比べて食物繊維、タンパク質、ビタミンを多く含むためなんだそうです。

 

 

江戸末期に庶民の間に白米が流行した結果、脚気が大流行したことは有名です。

 

 

脚気については、東洋医学と西洋医学で勝負したこともあるという話を、以前紹介しました。

 

脚気を含む記事 参照

 

 

また近年では、麦飯が糖代謝に関与し、糖尿病に効果があるのではないかという研究報告もなされているようです。

 

糖尿病を含む記事 参照

 

 

 

続く

 

 

 

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「不安」の原因

2017.01.23

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患者さんの不安をいかに取り除くか。

 

 

これは、どんな病気を治す上でも重要。

 

 

ここを、そもそもそんなこと無理、性格だからしょうがない、と逃げたらよくないと思う。

 

 

また、患者さんの心理誘導や心理操作はムンテラだ、ムンテラだ、と言い過ぎるのもどうかと思う。

 

 

これについても、これまで何度も書いてきた。

 

「不安」を含む記事 参照

 

 

どんな症状でも、どんな病気でも、大なり小なり患者さんは不安感を覚えるものですが、とりわけ五臓では、「心の臓」の異常で、

 

「不安感」というマイナス感情が起こりやすいと言われる。

 

カテゴリ 「心・小腸」 参照

 

 

「心の臓」の単独の証としては、

 

心気虚、心陽虚、心血虚、心陰虚、心火亢盛、寒傷血脈、痰火擾心、痰迷心竅、心痹、水気凌心、脚気衝心

 

あたりがある。

 

『中医弁証学』東洋学術出版社より

 

 

このうちの、心の臓自体の虚証病変、つまり上記の最初の4つ(気虚、陽虚、血虚、陰虚)が病因病理の片隅にでも入ってくるようなものは、

 

急性病、慢性病問わず、いやーな不安感が出やすいんじゃないかと思います。

 

(たとえ動悸や胸痛や胸悶感がなくても。)

 

 

だから、もちろん患者さんが来たら、まずは主訴をキチッと弁証して、その主訴と合致した証と病因病理を踏まえて治療を進めたらいいのだが、

 

初診時や経過中に、患者さんが不安感を強く訴えるような場合は、あくまでも病因病理と証を外さないようにしつつ、

 

しかも結果的に「心の臓」の気血が充足、疏通するように意識した配穴に処置すると、効果が出やすいように思います。

 

 

あとは毎回治療後に、「後渓」「神門」「心兪」あたりの反応の変化を、見逃さないようにするべきだと思います。

 

 

決して患者さんの言葉で、術者自身が狼狽することの無いよう。

 

 

 

もしそうなるようであれば、無理せず治療を断った方が、お互いのためだと思います。

 

 

 

 

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