東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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七死の脈③ 弾石脈

2018.01.28

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◆弾石脈(だんせきみゃく)

 

 

今日は弾石脈です。

 

 

これも読んで字のごとく、石を弾いたように堅い、しかも速い脈のことです。

 

『脈経』「・・・堅ニシテ促・・・」とあります。)

 

 

なんですが、強く押さえると消えてしまう脈です。

 

 

蓮風先生の解釈では、大きな石を手に乗せて、それを金槌でガツンと叩いたときに、手に感じる衝撃のような脈だそうです。

 

 

この脈は、腎と肺の終絶の脈と考えられています。

 

 

『脈経』「腎膀胱部」『素問』平人気象論(18)には、腎の病脈として出てきます。

 

 

特に冬場にこの脈、あるいはこれに近い脈が出ると、「腎がかなり病んでいる、場合によってはヤバい!」と判断できます。

 

(比較的、冬場に強い痛みを訴えている老人に、たまにいらっしゃると思います。)

 

 

これが出ていても、治療で緩み、力が出て来るようなものは大丈夫ですが、緩まず、力が出ず、あるいは一過性にしかいい変化を見せないものはマズいです。

 

 

ここでは詳細は省きますが、これは、胃の気の脈診② 四時陰陽に従う脈にも書いたように、季節と臓腑の関係にも繋がってきます。

 

 

僕の経験上では、肺結核で亡くなった患者さんを診ていたことがありますが、その患者さんが亡くなる寸前に打っていた脈が、ちょうどこのような脈でした。

 

 

 

続く

 

 

 

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七死の脈① 雀涿脈

2018.01.26

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北辰会では、以前少し語ったように、脈診については「胃の気の脈診」と名付けて、胃の気の盛衰を診ています。

 

 

ここでいう「胃の気」というのは「生命力」そのもののことです。

 

 

生命力が盛んであるか、衰えているかは、脈に如実に映し出される、それを明確に感知できるようになれば良い、という立場です。

 

 

どんな治療であれ、治療後に胃の気が回復したことを確認できれば、それはうまくいっている、と判断することが出来ます。

 

(ただ、いくら良性の変化でも、もちろん一過性ではダメですが。)

 

 

・・・ところで、脈の中には、「ヤバい脈」というものが存在します。

 

 

診た瞬間、「ん、これは良くない!」と判断できる脈です。

 

 

こういう脈を見つけたときは、手を出さない方が無難ですが、手を出しても変化が見られないときは、すぐさま自分よりもウデのいい先輩なり、

 

信頼できる専門病院なりに送るべきです。

 

 

そういう脈のことを「怪脈」とか、「七死の脈」と言います。

 

 

これについては、江戸中期、山延年(やまのべみのる:名前の読み方について諸説あり)の著書『脈法手引草』の中に書かれています。

 

 

『脈法手引草』は、昭和38年に、医道の日本社より、岡部素道先生によって校閲版が出版されています。

 

(岡部先生、サスガいい仕事してくれてますね~~)

 

 

そしてこの中にある「七死の脈」については、蓮風先生も『胃の気の脈診』の中で解説しておられます。

 

 

一つ目は「雀涿脈(じゃくたくみゃく)」

 

 

これは簡単に言うと、やや沈んだ不整脈の、速くて堅い脈です。

 

 

橈骨動脈の拍動部を少し押さえないと触れず、しかも堅い、速い、不整である、この条件が揃うと、「ヤバい!」となります。

 

 

「雀啄(じゃくたく)」というのは、刺鍼の際の補瀉の技術でも使われるいい方なんですが、読んで字のごとく、「雀が啄(ついば)むように」といいうことで、

 

自然界の雀の嘴の動きを見てると分かるように、速く鋭く、チョンチョンと指に触れる脈、という意味です。

 

「雀啄」を含む記事 参照

 

 

この脈を診たら、あと4、5日は持つけど、脾胃が動いていない脈なので、終いには亡くなってしまう、と書かれてます。

 

 

これに相当する脈は、末期がんの患者さんなどで、亡くなられる寸前に何度か診たことがありますが、現代では、病院に入院している患者さんで診ることが多く、

 

その場合は点滴が入っていることが多く、まるで”ふやけた”ように、強制的に血脈が緩まされていて輪郭がぼやけている面があるため、

 

「堅さ」についてはさほど感じない、という印象が、個人的にはあります。

 

 

 

続く

 

 

 

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「『難経』に罪はない」を読んで

2018.01.11

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先日の鍼灸医学史研究会の後の懇親会で、尊敬している某先生と「五行」『易』の話になった。

 

鍼灸医学史研究発表会に行ってきました!!   参照

 

 

で、すぐに過去の論文を送っていただき、読ませていただいた。

 

 

10年前(2008年)の『季刊内経』の別刷で、内容は

 

「『難経』に罪はない」

 

というもの。

 

 

これは、当時の内経医学会の会長であった島田隆司先生への反対論文、という感じのもの。

 

(反対論文と言っても、この論文を書いた先生と、島田先生は普通に仲良いようですよ。仲いいけど、意見が違えば論文で主張し合う、いいことです。)

 

 

島田先生の『難経』へのご見解に対して、同意できる部分と出来ない部分を分けて、特に同意できない部分に関して、その理由を論じています。

 

 

非常に分かりやすく、陰陽五行の歴史、『難経』の内容をまとめてくれております。

 

 

今から15年くらい前、難経を1難から81難まですべて通読しましたが、その時に感じた一番の感想は、

 

「難経と言えば”五行”というイメージがあったけど、何これ、思いっきり”陰陽”の本じゃん!」

 

というところです。

 

 

私のその感想を、思い出させてくれました。

 

 

そして、陰陽調和を説くのに、なぜあそこまで五行論を縦横に用いるのか、『難経』が成立した歴史的背景から推測、考察しておられます。

 

 

 

 

今年は、香川で、東京で、「胃の気の脈診」について講義します。

 

 

久々に『難経』の話を大いに盛り込んでいこうと思います。

 

 

 

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鍼灸医学史研究発表会に行ってきました!!

2018.01.09

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1.7の日曜日は、北里大学で行われた、

 

「第五回 鍼灸医学史研究発表会」

 

に参加してきました!!

 

 

鍼灸医学史研究は、近年、素晴らしい学者肌の先生方が何人か業界に出てきて下さり、ジャンジャン研究が進んでいるところだと思います。

 

 

今後、不明瞭だったことが徐々に分かっていくことでしょう。

 

 

僕はちょっと自分でやるのは苦手な分野だけに、非常に興味深く聴けました。

 

 

これを、「マニアの世界」と冷笑的に言ってしまえば、それはそうかもしれないが、誰かのプロパガンダを鵜呑みにするのではなく、きちんとした歴史観(史実)に基づいて、

 

今現在自分がやっていることや言っていること、自分の主張を顧みることは非常に重要なことと思います。

 

 

今回、一人目の演者は加畑聡子先生

 

 

若くて綺麗な、新進気鋭の女性学者さんです。

 

 

山崎宗運という江戸期の鍼医の取穴法の研究を通じて、

 

「江戸時代なりのエビデンスの取り方に興味がある。」

 

と仰ったのが印象的でした。

 

 

江戸期の医者も、それ以前の古典の内容を、当時なりの方法で批判的に吟味していたんですね。

 

 

二人目は精神科医の蒲生裕司先生『断易と五行』に関する発表。

 

 

精神科医で断易を行うとは・・・。

 

 

タダモノではない先生ですね。(笑)

 

 

僕は周易のことなら、用語レベルくらいなら少しくらいは分かりますが、断易の、しかも占術の理論となると、全くのド素人です。(苦笑)

 

 

でも今回、興味が湧きました。

 

 

「貪生忘剋」という、鍼灸臨床にも応用の効きそうな言葉を得ました。

 

(思わぬ収穫でしたね)

 

 

三人目は左合昌美先生による「霊枢の人迎脈口診」のお話。

 

 

左合先生のご著書には、お世話になっております。

 

 

まあこの脈診法は、僕自身が臨床でやっているわけではないのですが、

 

「人迎脈口診は脈状診である。」

 

という結論が興味深かったですね。

 

 

聴いた話をすべて消化しきれてはいませんが、あの考えが、『難経』独取寸口脈診にも連なっていくのでしょう。

 

 

四人目は長野仁先生による、日本最古の鍼灸の流儀書である『鍼聞書(はりききがき)』の話を北里大学の創始者、北里柴三郎と絡めたお話。

 

 

長野仁先生は、もはや日本の伝統鍼灸界で知らない人はいない、江戸期の鍼灸の文献研究のトップランナーです。

 

 

最近では「東の大浦、西の長野」とかいう言い方もあるらしい。。。(゚∀゚)

 

 

まあホントに、素晴らしい知識量、研究量です。

 

 

しかも長野先生も大浦先生も、日々実際に鍼灸で患者さんを治療しながら、研究もやっておられるのがまた素晴らしい。

 

 

今回、長野先生は九州にある北里柴三郎記念館に赴き、柴三郎が師事した橋本家の墓参をしたという、貴重な話を聞かせていただくことが出来ました。

 

 

橋本家の墓の惨状には、目を覆いたくなりましたね。

 

 

あれが先哲への扱いなのかと。。。

 

 

今度研究グループで掃苔に行かれるようです。

 

 

最後は内経医学会会長の宮川浩也先生による『沢庵禅師』のお話。

 

 

沢庵禅師は、夢分流を世に広めたと言われる、御薗意斎とも交流があったことは知られています。

 

御薗意斎という人物

「沢庵和尚(たくあんおしょう)」という人物   参照

 

 

そして、禅僧らしく「無心」というキーワードを強調しているようです。

 

 

宮川先生も、沢庵の墓参の話をしておりましたね。

 

 

なんだか、みんな墓マイラーになってきた。。。

 

 

いいことだ。(゚∀゚)

 

(それが結論☆)

 

 

・・・要するに、歴史をきちんと踏まえて、今できる最大限をやろう。

 

 

 

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「紅汗」について考えてみましょう。7

2017.12.14

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これまでのお話

 

「紅汗」について考えてみましょう。

「紅汗」について考えてみましょう。2

「紅汗」について考えてみましょう。3

「紅汗」について考えてみましょう。4

「紅汗」について考えてみましょう。5

「紅汗」について考えてみましょう。6  参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆『宋本傷寒論』の「辨不可發汗病脉證并治第十五.」の条文

 

 

さて、ここには

 

「動氣在右.不可發汗.發汗則而渇.心苦煩.飮即吐水.」

 

と、出てきます。

 

 

簡単に訳しますと、

 

「腹診して、おへその右側に堅さや動悸などの異常が出ている人を、発汗させてはいけない。発汗させると鼻血が出て喉が渇いて、胸が苦しくてイライラし、

 

水を飲んだらすぐに吐いてしまう。」

 

となります。

 

 

誤治を戒めているわけです。

 

 

恐ろしいですねー。( ゚Д゚)

 

 

おへその右側に異常があるお腹については、鍼の聖典として有名な『難経』の16難の中に出てきます。

 

 

引用しますと、

 

「假令得肺脉.・・・其内證.齊右有動氣.按之牢若痛.・・・有是者肺也.無是者非也.」

 

と出てきます。

 

(中略しています。)

 

 

簡単に訳しますと、

 

「脈診をして、肺が病んでいるとしたら、・・・おへその右側に気の動きの乱れがあり、堅くて、圧すと痛む。・・・これがあってはじめて肺の病と言える。」

 

となります。

 

 

ある種の肺の病に対して、発汗させるということは、かえって肺を傷めてしまい、良からぬ変化が起こるぞ、ということです。

 

 

・・・ただ、この記載はあまり杓子定規に、教条主義的に扱うべきではなく、場合によっては発汗させることで回復する肺の病もあるんじゃないかと思います。

 

 

肺の病で、しかもおへその右側に異常があるものは、発汗法を用いる時には注意が必要、と思っておけばいいでしょう。

 

 

弁証上は肺の陰虚がないかどうか、ですね。

 

 

肺病は非常に繊細さが要求されるというのは、日常の臨床で良く思うことです。

 

 

 

続く

 

 

 

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そろそろ忘年会シーズン到来☆

2017.11.11

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11月に入りますと、もう忘年会シーズンです。

 

 

清明院では、12月はバタバタするので、11月のうちに大きい忘年会は済ませてしまいます。

 

 

二十四節気でも立冬を過ぎ、四時陰陽の微石の脈を頭に置きながら治療にあたっています。

 

胃の気の脈診② 四時陰陽に従う脈 参照

 

 

古代人は面白いとこ診てますねえ。

 

 

冬は収斂、収蔵の季節。

 

 

この時期の睡眠不足+暴飲暴食(特に酒)は、ヤバい場合があります。

 

 

それは冬に出なくても、春にとびかかってきます。

 

 

よくよく気をつけましょう。

 

(半分以上自戒。(苦笑))

 

 

 

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「検査しなければよかった」

2017.08.04

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たまに、患者さんがおっしゃる。

 

「検査したら〇〇が見つかりました。すごくショックです。検査しなければよかった。。orz」

 

と。

 

 

・・・さてこんな時、どうしますか?

 

 

そもそも、その検査自体、こちらが勧めた検査だったら、どうしますか?

 

 

例えば、出血でも痛みでも痺れでも、ある症状がなかなか治らない患者さんがいたとする。

 

 

でも、東洋医学的な所見(脈診、舌診、腹診、背候診など)に大きな問題がなく、鍼灸治療後の反応からしても、問題ない。

 

 

そこで、

 

「大丈夫だと思いますので、もう少し治療しながら養生して、様子を見ましょう。」

 

と声をかける、こんなことは、鍼灸院では日常茶飯事でしょう。

 

 

しかし、それでもその症状が取れてこなければ、患者さんの不安は募るばかりです。

 

 

現代は、手に持っているスマホで、インターネットで自分の症状を打ち込んで調べたら、なんでも出てきます。

 

 

ちょっとした症状でも、ガンの可能性、難病の可能性などなど。。。(苦笑)

 

 

鍼灸治療や、鍼灸院に対するマイナス情報だって、溢れかえっています。(苦笑)

 

 

そこで、

 

「先生は大丈夫と仰るけど、本当ですか?ガンじゃないんですか??難病じゃないんですか???」

 

と始まる。(笑)

 

 

不安が、術者への信頼感を上回ってくるわけです。

 

 

こうなると、その症状を、こちらの治療によって、治療直後に明らかにスパッと取らないことには、患者さんの不安は払しょくされません。

 

(因みに、取ったとしても、払しょくされなかったりします。(苦笑))

 

 

そういう場合、デッドロックを回避するために、清明院ではほとんど、

 

「では病院で、精密検査してみたら?」

 

と勧めてしまいます。

 

(もちろん言いっぱなしではなく、良さそうな病院を探してあげて、紹介状を書くことがほとんどですが。)

 

「紹介状」を含む記事 参照

 

 

そして、検査をした。

 

 

ガンや難病ではなかったが、思いがけない病気が判明した。

 

 

それがショックで、また不安が募る。

 

 

これが患者さんです。(笑)

 

「不安」の原因

不安と焦りと病

「不安」と「症状」(その2)   参照

 

 

そこで、最終的には、心身一如や、ポジティブシンキングを説くのが吉。

 

(説くならね。)

 

 

常に治療者は患者さんより先回り出来ていないと、仕事にならない。

 

(特に東洋医学の場合は。)

 

 

現代は、触れたくない情報には触れない方が幸せとか、見ない方がいい気がするから見ないとか、見るなとか、そういう考え方を患者さんに説いても、非常に弱い。

 

 

ほぼ無理でしょう。

 

 

インターネットは、すげえ力です。

 

 

また、適正な検査も、重要です。

 

 

ただ、検査だけで、何かが治るわけではない。

 

 

要は使い方です。

 

 

僕はそう考えています。

 

 

デッドロックを避けながら、上手に話を進めて、適正に治療を進めていけば、ほとんどのものは何とかなります。

 

 

 

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ブログ記事が全て消えるというコワい事態が発生(゚Д゚;)

2017.05.12

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本日、一時的ではありましたが、清明院のブログ(院長ブログ、スタッフブログともに)の記事が全て消えるという

 

実にコワ~い事態がありました。

 

 

約8年書いてて初めてです。(゜o゜)

 

 

当然、毎日、全てのデータは管理会社と清明院の両方でバックアップしていますので、問題なかったんですが、こええ~

 

 

超こええ~~

 

 

・・・ですので、今日僕が一生懸命書いた胃の気の脈診の第3弾は消え去りました!!orz

 

 

我ながらいい記事だったのに。。。

 

 

うー、もう一回書くのめんどくせえ~~~

 

 

今日はもう、呑んで寝る~~~(゚∀゚)

 

 

ガルルー

 

 

 

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合掌の意味

2017.04.30

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先週、先々週と、学生さんに「脈診」を説きました。

 

 

たまに聞かれるのが、

 

「北辰会では、脈診をする時に患者さんの手を合わせさせて診ますが、あれはお祈りをさせているのですか??」

 

という質問。

 

 

・・・違います。(笑)

 

 

毎回毎回、患者さんの手首を同じ角度にし、術者の指の当たる位置にバラつきが出ないための工夫です。

 

 

また、患者さんの合掌した手がちょうど患者さんのおへその下あたりに来ることによって、へその下(丹田)に意識が向き、

 

結果的にのぼせが下がりやすく、精神的肉体的な安定が得やすい、という意味もあります。

 

 

ですので、「お祈り」という意味はないです。(笑)

 

 

宗教じゃないっつーの。

 

宗教と東洋医学 参照

 

 

でも、そういう意見が出るくらい、この「合掌」というポーズは、全世界的に「お祈り」のポーズとして浸透しています。

 

 

仏教では、左手は衆生、つまり自分自身であり、右手は仏性、つまり仏さんという意味があるそうです。

 

wikipedia「合掌」 参照

 

 

つまり合掌することによって自分と仏が一体になるという意味があり、仏への帰依を示します。

 

 

宗教的祈りというのはある意味「神仏との対話」であり、神仏と一体となる、という感覚が重要ですよね。

 

 

キリスト教でも、カトリックは合掌するんだとか。

 

 

そしてキリスト教の場合は、相手への服従を示すんだとか。

 

(ここは仏教とはだいぶ違いますね。今度知り合いに聞いてみます。(^^))

 

 

いずれにせよ診察の際の合掌のポーズは祈りではない、しかし、治療ですから、術者にも患者にも、祈りにも似た、

 

敬虔な気持ちはあっていい、あった方がいい、と思いますけどね。

 

 

 

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4月(一社)北辰会スタンダードコース東京会場

2017.04.25

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23日の日曜日は、高田馬場で開催された(一社)北辰会スタンダードコース東京会場に参加してきました!!

 

 

今年度一発目の関東支部です。

 

 

今回、午前中は実技訓練「脈診 望診」

 

四診(診察法) 参照

 

 

年度が替わって、実技指導のやり方が変わりました。

 

 

これまでは一人の講師が5人から10人くらいの受講生を指導するスタイルだったのですが、これだと講師によって教える内容にバラつきが出る上、

 

消極的な人や引っ込み思案の人はモデルにあまり触れずに終わってしまうようなケースがありました。

 

 

そこで今年度からは、最初に尾崎支部長が実技のデモを見せ、その後、二人一組になって、

 

「体表観察練習帳」

 

を記入しながら実際に体表観察をやってみて、それを見回ってくる講師の先生に質問する、という形になりました。

 

 

これの方が、自主性を養うという意味で、とてもいいように思います。

 

 

これまではどうしても、自分が好きな講師のところに集まって、その講師の手技を見て感心するだけで、いつまでたっても技術が向上しないようなケースが見受けられましたが、

 

これなら毎回、自分の課題が分かるんじゃないかと思います。

 

 

そして午後は松田蓮山先生による講義「気」

 

 

北辰会は「気」をどう考えるか。

 

 参照

 

 

この根本的で超重要な問題を、コミカルな口調と、Vシネマのヤクザ映画に出て来そうな見た目で、上手に講義されていましたね。

 

 

最後は尾崎支部長の講義「鍼の極意」

 

 

尾崎先生は、かれこれ15年前くらいから知っていますが、今まで聴いた中で、一番今回の講義が良かったと思います。

 

 

尾崎先生の冷静な批判精神と、医療や、世の中に対する真っ直ぐな気持ち、たまにいい意味で論理性のないところがとてもよく表れた(笑)、

 

いい講義でしたね。

 

 

講師の先生方や、受講生の雰囲気に、春を感じました。

 

 

しかし今回は入会希望者が多かったですね。

 

(10人くらいいたんじゃないかな。)

 

 

北辰会で、関東で学校教員をやっているのは現在僕だけ(しかも非常勤)なんですが、それでこれだけ注目度、認知度があるのは、

 

やはり北辰会、恐るべしだと思いました。

 

 

 

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