東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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(一社)北辰会スタンダードコース東京会場に参加してきました!!

2018.04.24

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4.22の日曜日は浅草で行われた(一社)北辰会スタンダードコースに参加してきました!!

 

 

今回、諸事情により午後からの参加となりましたが、年度初めということもあっていつもより人数が多かったですね。

 

 

まあ、北辰会方式の道のりは長いですが、頑張って欲しいと思います。

 

 

午後は実技訓練。

 

 

久々の顔もいましたな。(笑)

 

 

しかし、なんか今回、前日に飲んだ酒が鼻から出てくるという奇病にかかりまして、僕のコンディションがイマイチでした。(苦笑)

 

 

酒+睡眠不足+冷え、この3つが重なるとこの奇病が発生しますね。(-_-;)

 

 

もうそんなに若くないね、気をつけます。

 

 

最後は国立の蒼天堂治療院院長、尾崎支部長の「北辰会方式とは」

 

 

尾崎先生のアツい思いの詰まった講義でした。

 

 

北辰会の成り立ち、関東支部の成り立ち、中医学の成り立ち、北辰会と他流派との違い・・・、聴講された方は、何度も反芻してもらいたいと思います。

 

 

ちなみに私は今回、奇病治療のため、聴き終わったらそそくさと帰りました。。。

 

(笑・・・翌日にはキチッと治りました。)

 

 

・・・さて来月は、私も「胃の気の脈診」を喋ります!!

 

 

聴き逃がせませんぞ~~(*‘∀‘)

 

 

 

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細かい部分を詰める

2018.04.18

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来月、東京で「胃の気の脈診」の講義をするにあたって、細かい部分を水面下で詰めています。

 

 

北辰会ではこうやって、けっこう水面下で、色々な学術的な内容を日々詰めています。

 

(まあどこの会もそうなのかな・・・?)

 

 

「胃の気の脈診」については、これまで何度やったか分からないくらい、東鍼校でも、北辰会でも、喋ってきた内容です。

 

 

でも、その周辺の内容にまで立ち入ると、まだまだ知らないことがあります。

 

 

脈診の歴史=東洋医学の歴史そのものだからです。

 

 

ちゃんとやろうと思ったら、超膨大な分野です。

 

 

また、ずいぶん前になりますが、この脈診の言う「胃の気」というものと、実際の難病の患者さんの症例を絡ませた講義を、東京で蓮風先生にしていただいたこともあります。

 

(10年ほど前でしょうかね、「胃の気と難病」。)

 

 

東洋医学の臨床家にとって、外すことのできない概念である「胃の気」

 

 

何度も何度も見つめ直し、基本を反芻し、結果的に、現場での脈診の精度をまだまだ最大化していこうと思います。

 

 

 

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(一社)北辰会スタンダードコース大阪会場に参加してきました!!

2018.04.17

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15日の日曜は、北辰会の勉強会に参加してきました!!

 

 

午前中は実技訓練。

 

 

今回、脈診を中心に、徹底的な実技訓練です。

 

 

脈診するにも、体の使い方(フォーム)、指の使い方(運指)が大事。

 

 

これがきちんと出来てないと、何年やっても脈診が分かりません。(苦笑)

 

 

午後は鍼灸大仙堂院長、山本克仁先生による「北辰会方式とは」

 

 

北辰会の歴史から内容まで、分かりやすく説明して下さいました。

 

 

極めて重要なのは、

 

「北辰会は現代中医学を用語と理論のベースに置いてはいるが、本来の内経の言う”気一元”の世界観で治療を行っている。」

 

という部分。

 

 

北辰会を、単なる中医学派の一つ、と思っている方、間違っていますよ。(゜レ゜)

 

 

北辰会は気一元論、大極陰陽論という哲学的な世界観に基づく、「鍼灸弁証論治派」であります。

 

 

そして最後は藤本新風副代表による「胃の気の脈診」

 

 

実は来月、同じ内容で私が東京で講義します。

 

 

僕が北辰会にチョイチョイ出入りするようになった約20年前から、

 

「脈診と言えばアキノリ先生(新風先生の本名)。」

 

と言われるほど、昔から熱心に脈診の研究と実践を行ってこられた新風先生。

 

 

初心者用に基本を押さえつつも、なるほどサスガ!と唸る内容が随所に入った講義でした。

 

 

来月の講義内容に、キッチリ反映させようと思います。<m(__)m>

 

 

 

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経絡治療学会うたづ部会で講演してきました!!

2018.03.21

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四国の旅、二日目は経絡治療学会うたづ部会での講演です。

 

 

場所は四国医療専門学校

 

 

香川で長い歴史を持つ、専門学校さんです。

 

 

清明院元副院長である松木宣嘉先生は、現在ここの学校の教員であり、経絡治療学会うたづ部会のスタッフでもあります。

 

 

その御縁で、今回の講演が実現したわけですが、これを最後に、うたづ部会は休会するようです。

 

(苦笑・・・まあ、経絡治療学会には香川支部という団体も存在するらしく、香川で経絡治療が学びたい人はそっちに行けばいいわね。)

 

 

今回、朝の10時から、夕方4時半過ぎまで喋り倒して、公開臨床やり倒して、懇親会でも二次会まで喋り倒してきました!!

 

(予定は4時まででしたが、ゾーンに入ってしまい、大幅に延長しました!)

 

 

通算12時間近く、ほとんど喋りっぱなしです。(゚∀゚)

 

 

内容は「①北辰会方式概論」~「②胃の気の脈診」~「③公開臨床」の3コマ構成でした!!

 

 

①では北辰会の簡単な歴史と、なぜ中医学をベースに置くのか、日本独自、北辰会独自の、どういった技術を取り込んでいるのか、などのお話をして、

 

②では北辰会が重視する「体表観察学」の中でもひときわ重視している「胃の気の脈診」という脈診法について、基本中の基本となる4分類や、脈状診のお話をさせていただき、

 

③では5名のモデルに対して毫鍼、打鍼、古代鍼を全てお見せするという、楽しい企画でした。

 

 

質問もたくさん出ました。

 

 

モデルさんの、鍼に対する反応も良かったです。

 

 

まああと、講義中に僕が爆笑しちゃって、腹痛くてヘタりそうになりました。(笑)

 

 

鍼の面白さが、少しは伝わったんじゃないかと思います。

 

 

・・・まあ、うどんもうまいし、四国最高!!

 

 

 

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(一社)北辰会エキスパートコースに参加してきました!!

2018.03.13

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3.11の日曜日は、大阪で行われた(一社)北辰会エキスパートコースに参加してきました!!

 

 

今回、午前中は体表観察練習上級班。

 

 

今回、久々に大ベテランである渡辺厳優先生にご指導いただきまして、自分の脈診の甘さを見返すいいきっかけになりました。

 

 

僕が診ている部分よりも、もう一枚裏というか、深い部分、細かい部分を診ておられるのが悔しかったですね。

 

 

今日の臨床に、早速役立っております。

 

 

午後はこの日のメインである奥村裕一学術部長の公開臨床完全版。

 

 

奥村先生自ら問診をし、体表観察をし、治療をする一部始終を見せて下さいました。

 

 

奥村先生は、非常にほんわかとした優しい語り口と雰囲気で、問診も治療も進めていましたが、要所要所で非常に鋭い確認を入れておられたのが印象的でした。

 

(あまりにも違和感がなかったので、多分、初心者の方は気付かなかったんじゃないかと思います。)

 

 

そして、鍼もサスガの動かし方。

 

 

まあ当たり前ですが、北辰会が作った古代鍼という道具を、そうとう自分のものにしておられるなあ、と思いました。

 

 

僕が毎年やってる公開臨床も、もっと工夫しようと思いましたね。。。

 

 

 

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3.18(日)香川で朝から晩まで喋ります!!

2018.03.09

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ずいぶん前に告知しましたが、来たる3.18(日)、香川にある四国医療専門学校で喋ります!!

 

来春、四国で喋ります!!   参照

 

 

それも、朝から丸1日、飲み会まで、恐らくずーっと喋ります!!

 

 

・・・いやー、告知してから、あっという間に時間が経ってしまいました。。。

 

 

しかも今回は、経絡治療学会うたづ部会さんから御呼ばれしての講演です。

 

 

実は、ここの運営スタッフの一人は、清明院初代副院長の松木宣嘉先生なんです。

 

 

その御縁もあって、経絡治療学会主催の勉強会で北辰会が喋るという、興味深い講演となりました。

 

 

まあ以前も、福岡だったかどこだったか、ちょっとうろ覚えですが、経絡治療学会副会長の馬場道敬先生が主催に関わった講演会で蓮風先生が喋ったことがありますし、

 

去年の伝統鍼灸学会では新風先生の実技に他流派の先生方が参加して下さいました。

 

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編)  参照

 

 

たまにあるんですよ、こういうのは。

 

 

どこの流派が見たって、良いものは良いんです。

 

 

しかもこの講演を最後に、うたづ部会は休会するようです。

 

うたづ部会休会のご案内  参照

 

 

まあ最後なんで、気合い入れて喋らせていただきます!!(゚∀゚)

 

 

今回、朝から

 

「北辰会方式概論」

 

午後一は

 

「胃の気の脈診 理論編」

 

最後は

 

「質疑応答・公開臨床」

 

をやらせていただきます!!

 

 

講演は朝10時から、午後16時まで、その後の飲み会まで、ずーっと喋り倒しになると思います!!

 

 

西日本の皆様、ぜひお越し下さい!!

 

 

お申し込みはこちら!!!

 

 

 

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七死の脈⑨ 附録 結代脈について

2018.02.06

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これまでのお話

 

七死の脈① 雀涿脈

七死の脈② 屋漏脈

七死の脈③ 弾石脈

七死の脈④ 解索脈 

七死の脈⑤ 魚翔脈

七死の脈⑥ 蝦游脈

七死の脈⑦ 釜沸脈

七死の脈⑧ 附録 数脈について   参照

 

 

 

◆結代脈について

 

 

まあここまで、山延年『脈法手引草』に書かれている「七死の脈」について、蓮風先生の御著書『胃の気の脈診』の見解を中心に、紹介してきました。

 

 

ここまで見てきて気付くのは、七脈すべて、数脈結代脈(不整脈)ですね。

 

 

そもそも、脈診所見というのは、

 

律動的(速さがなるべく一定)で、速すぎず遅すぎず、強すぎず弱すぎず、

 

が良いものであるわけです。

 

 

遅数で言えば、遅いより、速いものの方が原則としてはマズいでしょう。

 

 

したがって、

 

リズムがおかしい(結代脈)であって、しかも速い(数脈)、

 

というのは非常にヤバい脈である、と考えます。

 

 

それでも、治療して徐々にでも改善してくるものはまだ大丈夫。

 

 

正しい治療をやっているのに、かえって硬くなるもの、速くなるもの、リズムが崩れるものは、いよいよ良くないです。

 

 

今日はこのうちの結代脈(不整脈)について考えてみます。

 

 

不整脈とは、西洋医学的には、心臓の律動的な動きを支えている電気信号が上手く流れないことによって起こるもので、

 

遅くなるもの(徐脈)、

 

早くなるもの(頻脈)、

 

脈拍が飛ぶもの(期外収縮)

 

とに区別されます。

 

 

注意が必要なものとして、急に脳血流の異常から失神するものや、日常生活レベルの負荷でも強い動悸、息切れを感じるものがありますが、治療法として、

 

徐脈にはペースメーカーや、

 

頻脈にはカテーテルアブレーション、

 

期外収縮はほとんどのケースでは経過観察

 

となります。

 

 

そのほかに抗不整脈薬も多く開発されており、不整脈が見つかったからといって、それほど心配することはない、というのが現代西洋医学の見解のようです。

 

 

注意が必要なものとしては、急に失神するものや、日常生活レベルの負荷でも強い動悸、息切れを感じるものがあります。

 

 

東洋医学では、不整脈は

 

結脈(けつみゃく:ゆっくりで不規則)

 

代脈(たいみゃく:弱々しく不規則)

 

と呼ばれ、結脈と代脈の特徴を兼ねた脈については、合わせて

 

結代脈(けったいみゃく)

 

と呼ばれることもあります。

 

 

多くは問題ないのですが、東洋医学的に危ない脈になる時は、この結代脈に「堅さ(緊脈、弦脈など)」「速さ(促脈、数脈など)」が加わった時です。

 

 

しかもこれが、治療しても改善しない、あるいは改善しても一過性であり、すぐに戻ってしまう、また、脈以外の所見にもアブナイ所見が出ている、

 

こうなった時は極めて迅速な判断が要求されます。

 

 

患者さんを診ていますと、

 

「私、もともと不整脈なんです。」

 

という方に出会うことはさほど珍しいことではないですが、ちょっと注意しておく必要があります。

 

 

 

続く

 

 

 

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七死の脈⑧ 附録 数脈について

2018.02.04

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これまでのお話

 

 

七死の脈① 雀涿脈

七死の脈② 屋漏脈

七死の脈③ 弾石脈

七死の脈④ 解索脈 

七死の脈⑤ 魚翔脈

七死の脈⑥ 蝦游脈   参照

 

 

 

◆数脈(さくみゃく)について

 

 

ここまで、脈診上、非常に危ない脈(七死脈、怪脈)のお話をしてきました。

 

 

ヤバい脈の大まかな特徴として、

 

堅さ、速さ、不規則(不整脈)、極端に浮いている、極端に沈んでいる、

 

これらの異常が重なると非常にマズい、アブナイ、というお話をしました。

 

 

今日はその中の、数脈(さくみゃく)について考えてみます。

 

 

数脈というのは、基本的には速い脈(いわゆる頻脈)のことです。

 

 

中医学の教科書では、90回/分が基準と言われ、術者(平常人)の1呼吸に5回以上拍動するもの、と言われます。

 

 

数脈に対する北辰会的な見解については、今から35年ほど前、1983年に、蓮風先生が『迎隨』という雑誌に、

 

「数脈は必ずしも熱にあらざるの論」

 

という論考を投稿しています。

 

(谷口書店『鍼灸医学における実践から理論へ パートⅠ』にも掲載)

 

 

これを簡単に説明すると、それまで、『難経』9難の説を参考に、「数脈」は熱証を示すものと考えられてきたが、それに異を唱えている医家も多く、

 

とりわけ、蓮風先生の大尊敬する、明代の名医である張景岳は、

 

「数脈は必ずしも熱ではない!」

 

と、著書『景岳全書』脈神章に明記している、さらに蓮風先生自身のいくつかの症例からしても、そのように思える、という内容です。

 

「張景岳(ちょうけいがく)」という人物   参照

 

 

・・・だから、脈だけで診断を即決してはいけない、東洋医学を行うものは、必ず多面的観察をして、慎重に診断はなされなければならない、

 

と、指摘して下さっています。

 

 

そしてさらに、同年、1983年の『胃の気の脈診』の中でも、張景岳の16脈状診を参考に、数脈を”胃の気”と絡めて解説し、結論として、

 

「数脈は胃の気の逼迫である。」

 

と表現しています。

 

 

重症の患者さんに数脈が出た時、あるいは重症でない患者さんでも、数脈が出ており、それが治療しても緩まない時は、近々何かが起こると考えて、

 

ほぼ間違いないと思います。

 

 

僕の経験で、数脈で印象深いのは、これはウソみたいな本当の話なんですが、3.11東日本大震災の時、その一週間くらい前から、妙に数脈を打っている患者さんが多い、

 

しかもそれが治療してもなかなか緩まない、というのを、当時のスタッフと話していたら、あの大地震が来たことがありました。

 

 

 

そういうパターンもあるんですね。

 

 

 

続く

 

 

 

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七死の脈⑥ 蝦游脈

2018.02.02

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これまでのお話

 

七死の脈① 雀涿脈

七死の脈② 屋漏脈

七死の脈③ 弾石脈

七死の脈④ 解索脈 

七死の脈⑤ 魚翔脈           参照

 

 

 

◆蝦游脈(かゆうみゃく)

 

 

今回は蝦游脈です。

 

 

「蝦游」というのは、蛙が一瞬水面に出てきて、また水中にもぐるように、何もない水面にフッと蛙が現れて、またいなくなるように、

 

たまに打ったかと思うとまた打たなくなる、そういう脈のこと言います。

 

 

カエルが遊ぶ、蝦游脈ね。

 

 

これは、「脾胃の絶脉」と言われます。

 

 

具体的には、浮位(軽く触れた位置)でたまに触れるがすぐになくなる、他の七死脈の中では「魚翔脈」に近い脈です。

 

 

「魚翔脈」との違いとしては、より不安定、ということでしょう。

 

 

魚が静止した状態でひらひらと尾ひれを動かしているような脈が「魚翔脈」、蛙が時たま水面に出てきて、探そうとすると全然どこにもいない、神出鬼没な脈、

 

これが「蝦游脈」だということです。

 

 

蝦游脈について、蓮風先生は『胃の気の脈診』の中で、発作性頻脈(※1)で最終段階のもの、チェーンストークス呼吸(※2)が起こったり、

 

場合によってはそれも起こらずに他界する場合がある、と注釈を入れています。

 

 

※1発作性頻脈・・・急に脈が速くなるタイプの不整脈。

 

※2チェーンストークス呼吸(交代制無呼吸)・・・徐々に深くなり、徐々に浅くなる、重篤な状態で現れる特徴的な呼吸。

 

 

これは脾胃の絶脉ですから、もともと脾胃を中心とした病理の患者さんが弱ってきて、この脈を呈したら、いよいよかな、となります。

 

 

あるいは、五臓全てが弱っているような患者さんが、ある時急激に脾胃に負担をかけて、この脈が出たら、「マズい!」となります。

 

 

ここからは私見ですが、魚翔脈もそうですが、この脈が興味深いのは、触れてしばらくすると少し安定する場合があることです。

 

 

触れた瞬間、すぐに拍動がなくなり、そのまましばらく見つからなくても、触れていると、それなりに安定してくるように思います。

 

 

脈とは患者の病態を映し出すもの、というのは間違いないのですが、そう一方向性の単純なものではなく、術者との双方向の気の動きが反映される面があることが分かります。

 

 

 

続く

 

 

 

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七死の脈⑤ 魚翔脈

2018.01.31

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これまでのお話

 

七死の脈① 雀涿脈

七死の脈② 屋漏脈

七死の脈③ 弾石脈

七死の脈④ 解索脈           参照

 

 

◆魚翔脈(ぎょしょうみゃく)

 

 

今日は魚翔脈です。

 

 

「魚翔」というのは、魚が尾ひれをひらひらと動かす、という意味だそうです。

 

 

魚が一カ所にじっとしていて、たまに尻尾をひらひらと動かすような脈、という意味です。

 

 

具体的には橈骨動脈に軽く(浮位)触れて打っており、ふわっと打ったと思ったらすぐに消える脈、と言います。

 

 

これは腎の臓の終絶の脈であり、これを打ったら半日後には死す、と書かれています。

 

 

個人的な経験では、やや若めの、がんで亡くなる寸前の患者さんが、ちょうどこのような脈を打っていましたね。

 

 

古代中国の脈象の表現の仕方は面白いと思います。

 

 

術者の主観によって分かれてしまう脈診の感覚を、色々なものに例えることで、どうにか皆で共有しようとしたんですね。

 

 

このように、脈というのは、

 

堅くてもダメ、柔らか過ぎもダメ、沈んでもダメ、浮いてもダメ、速くてもダメ、遅くてもダメ、不安定もダメ、

 

というのが、よく分かります。

 

 

 

続く

 

 

 

 

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