東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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夢と東洋医学 1

2018.07.29

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今ちょうど『素問』「脉要精微論(17)」の脈診の部分を書いているので、ついでに「夢」に関する記載にも触れておきましょう。

 

 

東洋医学も「夢」については認識し、どういった意味を持っているのかというのは、議論や考究の対象であります。

 

 

この「脉要精微論」の中にも、以下のように出てきます。

 

 

是知陰盛.則夢渉大水恐懼.陽盛.則夢大火燔灼.陰陽倶盛.則夢相殺毀傷.

上盛則夢飛.下盛則夢墮.

甚飽則夢予.甚飢則夢取.

肝氣盛.則夢怒.肺氣盛.則夢哭.

短蟲多.則夢聚衆.長蟲多.則夢相撃毀傷.

 

 

簡単に訳しますと、

 

 

陰実→大河を渡って怖い思いをする夢

 

陽実→大火が燃え盛っている夢

 

陰陽ともに実→虐殺損傷し合う夢

 

上焦が実→飛ぶ夢

 

下焦が実→落ちる夢

 

飽食→ものを贈り人に与える夢

 

飢餓→奪い取る夢

 

肝気実→怒り狂う夢

 

肺気実→泣き叫ぶ夢

 

腹に短虫→人々が寄り集まる夢

 

腹に長虫→喧嘩してケガする夢

 

 

夢に関して、『黄帝内経』では他にも、『霊枢』の方の「淫邪発夢篇(43)」が有名です。

 

 

あるいは『列子』「穆王篇(ぼくおうへん)」というところにも出てきます。

 

 

夢については、ずいぶん前に書こうかな、と思ってからずーっとほったらかしになっていたので、そろそろサクッと書きましょうかね。。。(苦笑)

 

多夢

「夢」の不思議

「夢」はなぜ見る?

「ユング」という人物

「フロイト」という人物    参照

 

 

 

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『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 4

2018.07.28

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これまでのお話

 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 1

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 2 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 3  参照

 

 

◆『黄帝内経素問』脉要精微論(17)における脈診に関する記載部分

 

 

長々と、勿体付けるかのように語ってきましたが、ここで『黄帝内経素問』脉要精微論(17)における脈診に関するポイント部分を抜き出しますと、

 

 

①診法常以平旦.

 

→脈は色々な外的条件の影響を受けにくい、夜明けに診ましょうね。

 

②夫脉者.血之府也.

 

→脈っつうのは「血が集まるとこ」だよん。で、その血を動かしているのは「気」だよん。

 

③四變之動.脉與之上下.以春應中規.夏應中矩.秋應中衡.冬應中權.

 

→四季の移ろいは、脈に反映されるよん。春はコンパス(規)のように丸く、夏はさしがね(矩)のように端正で盛んで、秋ははかり(衡)の様につり合いが取れており、

 

冬はおもり(権)のように安定しているよん。

 

④四時爲宜.補寫勿失.與天地如一.得一之情.以知死生.

 

→脈が四季の移ろいとマッチしている状態がいい状態なのよん。そのアンバランスを的確に見分けて、補瀉を間違わなければ、人の生き死にを仕切ることが出来まっせ―。

 

 

・・・④、スゴイっしょ。(゚∀゚)

 

 

(竹下が勝手に意訳☆)

 

 

 

続く

 

 

 

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『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 3

2018.07.26

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これまでのお話

 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 1

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 2   参照

 

 

◆『素問 脉要精微論(17)』の全体像

 

 

まあ、『黄帝内経』というのは、今から2500年くらい前に著されたとされる、『素問』81篇、『霊枢』81篇からなる膨大な書物であり、

 

「東洋医学の聖典」

 

と言ってもいいような本です。

 

『黄帝内経 素問 霊枢』を読むにあたって   参照

 

 

本気で東洋医学をやろうと思ったら、時間と労力を十二分に(一生?)かけて、自分の臨床と照らし合わせながら、一篇一篇、じっくりと読んでいくしかないのですが、

 

まあ、臨床家というのは「黄帝内経研究家」とはまた違うので、並の能力では、日々の忙しい臨床をやりながら、育児や家事など、家のことまでやって、

 

さらに条文を暗記したり、熟語の解釈に果てしない時間をかけたりするのでは、読み終わらないうちに、あっという間に一生が終わってしまいます。(苦笑)

 

 

なので、臨床家としては、常に自分の実際の臨床で起こった現象と照らし合わせながら、一篇一篇、要点を掴みつつ、共感できる部分、納得できる部分を掘り下げるように読むと、

 

楽しいし、ためになるんじゃないかと思います。

 

 

まあなんでも、楽しくなかったら続きません。

 

 

・・・で、今このシリーズで紹介しようとしている『素問』脉要精微論(17)ですが、この篇の要点は大づかみに言うと

 

「望聞問切の四診、それぞれの診察法について、専門的に論じた篇で、特に望診と脈診について、貴重な見解を提示してくれている」

 

篇だと思います。

 

 

このうちの、「脈診」に関する部分が、非常に興味深いです。

 

 

 

続く

 

 

 

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『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 2

2018.07.20

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前回のお話

 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 1   参照

 

 

◆脈の内外上下

 

 

前回、「気口九道脈診」というものを少し紹介しました。

 

 

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↑↑この図は、私が尊敬する李時珍(1518-1593)『奇経八脈考』の最後の方に、こんな図で描かれ、説明されている脈診法であります。

 

(岡本一抱(1655-1716)『経穴密語集』より)

 

 

患者さんや、西洋医学の医療者の方など、東洋医学のまったくの素人の方も多く読んで下さっているこのブログですから、この脈診法の専門的で詳細な解説はしませんが、

 

最近になって、中国の明代に李時珍(1518-1593)が唱えた、この脈診法を、現代の日本の鍼灸臨床で実践しよう、という先生方が出てきているようです。

 

 

今年の11月に大阪で行われる日本伝統鍼灸学会の学術大会では、この脈診法に関して、シンポジウムが行われるとか・・・。

 

日本伝統鍼灸学会 第46回 学術大会HP    参照

 

 

実は、この脈診法を、昭和の時代にすでに日本鍼灸界で臨床実践していた鏑矢は、蓮風先生のご尊父である藤本和風先生です。

 

 

和風先生以外の有名な先生で、この脈診法を臨床実践していた先生がいたという話は、僕は聞いたことがありません。

 

(もし誰か知っていたら、教えて下さい。<m(__)m>)

 

 

最近になって、「気口九道脈診」を臨床で実践しておられる先生方も、もともとは和風先生自身や、和風先生の主宰していた「無極会」という勉強会で教わっていた先生方の影響を受けているのではないかと思います。

 

 

・・・で、この脈診法はどういうものかというのを、ここに簡単に述べますと、他の脈診法と同じように、手首にある橈骨動脈の拍動部位を診るのですが、

 

拍動部位を外側から診るのと、内側から診るのと、真上から診るのとで、

 

橈骨動脈を3方向から診て、それぞれの部位で、十二経絡と奇経八脈の変動を同時に窺うという、ちょっと変わった脈診法なのです。 

 

経絡(十二正経)

経絡(奇経八脈)   参照

 

 

この脈診法は、十二経絡はともかくとして、同時に奇経八脉の変動をも窺うことが出来ると言われる、貴重な脈診法であります。

 

 

「奇経八脈が病んでいるのかどうかを窺い知る簡便な方法」というのは、古典の中には、意外とないのです。

 

(いや、あるぞ!!という方、おられましたらぜひ教えて下さい。<m(__)m>)

 

 

まあ、この脈診のルーツは、李時珍が急に言い出したというよりは、その親父さんの李言聞が書いた『四言挙要』という著書の中に出てくるようで、

 

そのさらに淵源は、そこからさらに1000年ほど遡って、有名な王叔和(3世紀)の『脈経』にあると言われます。

 

 

そもそも、あんなに小さい部位である、手首の橈骨動脈の拍動部位を、寸関尺、浮中沈の三部九候に分けて診るのすら十分細かいのに、さらに外側、内側、真上と3つに分けて診るだなんて、

 

細かすぎるよそんなん・・・、と思う人が多いかもしれません。

 

 

でもこういう考え方は、すでに『黄帝内経』にあります。

 

 

ふう、やっと今回のタイトルに寄ってきた。。。

 

 

脈診の話をし出すと、取っ散らかっちゃって、キリがない。(苦笑)

 

 

言いたいことが色々あり過ぎる。(*‘∀‘)

 

 

 

【参考文献】

 

『埋もれている脈診の技術 気口九道』平口昌幹 燎原

『現代語訳 奇経八脈考』李時珍著 勝田正泰訳 東洋学術出版社

『奇経八脈攷全釈』李時珍著 小林次郎訳 燎原

『経穴密語集』岡本一抱

 

 

 

続く

 

 

 

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『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 1

2018.07.19

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「東洋医学的な鍼灸治療」をなさる、あるいは標榜している先生方は、ほぼ皆さん「脈診」をします。

 

「脈」で何が分かるの?   参照

 

 

まず、そもそも治療のたびに「脈診」を行う鍼灸師自体が、この日本では少数派でしょう。(苦笑)

 

 

しかも「脈診」には、東洋医学と同じだけ歴史がありますので、現代では、この「脈」の診方考え方が、各流派によって異なっていたりします。

 

 

(一社)北辰会では、東洋医学の歴史と伝統、さらには日本鍼灸界の現状を踏まえた上で、北辰会方式にとってより有用性の高い脈診法として、

 

「胃の気の脈診」「脈状診(張景岳の十六脈を基本に)」

 

という考え方でもって、脈を診ています。

 

胃の気の脈診⑧ 衝和と弦急の脈

七死の脈⑧ 附録 数脈について     参照

 

 

日本の鍼灸学校なんかで、主に教育されている脈診法は、「六部定位脈診(ろくぶじょういみゃくしん)」と言います。

 

「初めて脈診をちゃんと教わりました。」

「六部定位脈診」の根拠         参照

 

 

この脈診法は、昭和の時代に、柳谷素霊先生のお弟子さんたちが、世に広めたと言われる脈診法です。

 

柳谷素霊という人物  参照

 

 

もちろん、臨床上有用な脈診法です。

 

 

さらに最近では、『本草綱目』で有名な、明代の李時珍(1518-1593)先生が残した「気口九道脈診」という脈診法を主張する先生方も出てきました。

 

「李時珍(りじちん)」という人物   参照

 

 

学ぶ側にしてみれば、よく言えば非常に多種多様、悪く言えば何が何だか分からない状況であるわけです。(^^;)

 

 

なんか話が長くなってきたんで、次回に続く。。。

 

 

 

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講義に最適なスライド枚数

2018.05.31

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アンケートでは好評いただきましたが、こないだ北辰会関東支部で喋った「胃の気の脈診」講義の反省を書いておきます。

 

 

僕にしては珍しく、終盤、早送りになってしまった。

 

 

しかも、10分オーバーしてしまった。

 

 

どちらも、お金を取って喋る、プロの講師としてはあり得ないミスです。

 

 

・・・まあ、というよりも、僕の美学に反しますね。

 

 

時間通り始まり、時間通り終わり、もっと聴きたいと思わせながら終わる、しかも予定調和的でない、そこに美しさを感じますのでね。

 

 

聴講者を置き去りにして、スライドを送りながら早口でバーッと喋る講師、講義時間オーバーする講師、個人的に、学生時代から超嫌いでした。

 

(あくまでも”僕は”ですよ。)

 

 

聴きに来てくれた人に申し訳ない。<m(__)m>

 

 

 

 

僕の講義のスタイルは、予めPPTでスライド資料を作成しておき、それを印刷して配布しておくものです。

 

 

そして、配布したものと”全く同じ”スライドを、プロジェクターで映写しながら講義を進めていく。

 

 

で、スライドに書いていないことを喋っていく。

 

(その中の響く言葉を、学生がメモしていくわけね。)

 

 

この、事前に配布したものと”全く同じ”というのもポイントです。

 

 

配布された資料と、スクリーンに映写された内容とが微妙に違っていたりすると、

 

「あれっ?」

 

と思うので、違和感が生じ、聴いてて非常にストレスなんです。

 

 

聴講者の興味と集中力を切らさないようにするためには、大きい声や、活舌の良さや、話術や、抑揚や、緊張と緩和なんかもそうなんだけど、

 

空調等も含めて、余計なストレスを与えないことが大事だと考えています。

 

 

なぜ、このスタイルを基本にしたかというと、一応このスタイルが、僕が19歳から9年間、鍼灸~柔整~鍼灸の教員養成課程と、毎日学校に通い続け、

 

無数の講義を聴いてきた中で、一番集中力が切れにくく、満足感が高い講義のやり方かな、と、実体験から思っているからです。

 

(あくまでも”僕は”ですよ。)

 

 

ただこのスタイルは、スライドの完成度に、ある程度講義の完成度が左右される、というマイナス点もあります。

 

 

スライドの枚数が多すぎ、あるいは少なすぎ、あるいはスライド内の文字がビジー過ぎとか、文字が大きすぎて見出しみたいなスライドばっかりとか、

 

こういう事前のスライド作成ミスがあると、講義の完成度が下がります。

 

 

こういうことにキチッと注意すると、時間もピタッと収まり、満足感の高い講義をすることが出来るのですが、今回の講義はスライド枚数が多すぎました。。。

 

(欲張って、4月の新風先生の内容を盛り込み過ぎましたね。。。)

 

 

90分講義だったんですが、スライド枚数は79枚でした。

 

 

1枚に1分強しかかけられないようだと、僕の講義の進め方だとやはり多すぎるようです。

 

 

この半分か、3分の2くらいのスライド枚数でちょうど良かったと思います。

 

 

確かに完成した段階で、ちょっと多いかなー、とは思っていたんですが、案の定でしたね。。。

 

 

これまでに何度も講義している内容だから何とかなるだろ、という慢心が、失敗のもとでした。

 

 

・・・むうー、今年の北辰会での講義は年末の衛生学園のみ。

 

 

次回はキチッとしたものを出せるように、気合い入れていきます!!

 

 

講義も技術です。

 

 

技術の追求という意味では、臨床と似ているところがあります。

 

 

あと因みに、講義と講演会は僕の中では違います。

 

 

講演会となると、内容を覚えてもらうというよりはスピーチ的であり、もっと話術や演出が重要になってくると思っています。

 

 

これはTEDが参考になりますね。

 

 

 

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(一社)北辰会スタンダードコース東京会場に参加してきました!!

2018.05.29

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27日の日曜日は、高田馬場で行われた(一社)北辰会スタンダードコースに参加してきました!!

 

 

プールにでも行きたいような晴天の休日の中、朝から狭い教室で喋ってきましたよ~。(苦笑)

 

 

内容は「胃の気の脈診」

 

(まずはキチッと読みましょう。)

 

 

・・・まあ、どれだけ伝わったか分かりませんが、アンケートを待ちたいと思います。

 

 

午後は実技指導。

 

 

今回はけっこう、皆さんのヤル気を感じて嬉しかったですね。

 

 

講義でも言いましたが、基本から応用まで、北辰会方式というのは教材も揃っており、講師も揃っており、非常に勉強が進めやすいんじゃないかと思います。

 

(本気で勉強したい人にとっては。)

 

 

最後は五反田でかねこ鍼灸治療室を開業されている金子太先生の「八綱辨証」講義。

 

 

金子先生は声楽をやっていますので、超いい声です。(笑)

 

 

八綱(陰陽表裏寒熱虚実)というのは、弁証論治を進めていくうえで欠かせない、最も大きな物差しになります。

 

 

八綱を間違わなければ、治療を大きく誤ることはないです。

 

 

また、講義の中で、明代の張景岳が『景岳全書 伝忠録』の中で言う「二綱六変」という考え方を紹介して下さっていましたが、この考え方が個人的には好きですね。(笑)

 

「張景岳(ちょうけいがく)」という人物   参照

 

 

「表裏寒熱虚実」という6つの物差しを使って、「陰陽」の二綱の傾きを明確にする、これが大事です。

 

 

 

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明日は北辰会で喋ります!!

2018.05.26

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明日は朝から元気よく、北辰会の勉強会で喋ります!!

 

 

内容は「胃の気の脈診」です!!

 

 

これまで、北辰会でも、鍼灸学校でも、何度も何度も語ってきた内容です。

 

 

胃の気の脈診は、北辰会独自の脈診法で、患者さんの胃の気(生命力)の盛衰をうかがうことの出来る、非常に便利な脈診法です。

 

 

このブログでも、色々な切り口から、何度も書いてきました。

 

「胃の気の脈診」を含む記事 参照

 

 

・・・まあ、脈診というのは、「胃の気の脈診」以外にも、さらに色々な診方や考え方があるのですが、臨床的には、あらゆる考え方を駆使して、

 

患者さんの病態や生命力の程度を立体的に捉えることが出来るようになればなるほど、自分の鍼がどう効いたのか、的確に、明瞭に判断できるようになるでしょう。

 

 

そうすると、臨床がドンドン楽しくなります。

 

 

鍼灸医学にどんどん魅了されていきます。

 

 

明日はその辺の話を、可能な範囲でしようかな、と思っています。

 

 

 

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浮くにしても浮き方が悪い

2018.05.20

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清明院では、単純に手そのものがないとか、ギブスしてるとか、透析中でシャントが入っているとか、そういう場合でもない限りは、

 

必ず脈を診て治療に入るし、治療後の脈も確認します。

 

 

体表観察の最初と最後、抜鍼の直後と休憩後にも、必ず脈を診る。

 

 

こないだ、最初の段階で、ベターっと沈んだ脈を診た。

 

 

脈状で言えば沈軟虚、って感じ。

 

 

体表観察後、脈力と脈幅は出てきたが、まだ沈んでいる。

 

 

その後、病態説明を加えた。

 

 

非常によく聴いてくださっていた。

 

 

・・・で、刺鍼直前、再度検脈すると、左関上中位に枯弦脉を打っている。

 

 

浮いたという意味では良化。

 

 

堅くなったという意味では悪化。

 

 

・・・さあ、どう考えるか。(*‘∀‘)

 

 

僕は良化と判断しました。

 

 

ただ、注意が必要と。

 

 

 

 

 

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日本内経医学会に行ってきました!!

2018.05.01

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こないだ予告しましたが、昨日は、二松学舎大学で行われた日本内経医学会に参加してきました!!

 

明日は内経医学会へ 参照

 

 

今回は中国北京の中国中医科学院鍼灸研究所黄龍祥先生による『黄帝内経』研究のお話。

 

 

中国語での講演であり、同時通訳が少し聴き取りにくかったり、スライドが少し見にくかったこともあって、正確に消化できているかちょっと怪しいですが、

 

各時代における『黄帝内経』の特徴や、その関り等も含めて、精緻に研究しておられる黄龍祥先生が、最終的に『黄帝内経』の重要なエッセンスは

 

”「血気」と「脈」”

 

である、という考えに行きついた、というような内容であったと思います。

 

 

また、以前このブログでも紹介した、日本人考証学派の大家である森立之や、2005年に亡くなった、東大の有名な哲学者である湯浅泰雄先生に影響を受けたことなども話しておられ、

 

日本人が中国の第一線の先生に影響を与えている部分は大きいんだと改めて思いました。

 

森立之という人物 参照

 

 

また、今回黄龍祥先生が紹介した『黄帝内経』の細かいエッセンスは、常々蓮風先生が仰っていることとほとんど同じでしたね。

 

 

文献研究から入っても、臨床家の立場で入っても、やっぱり重要なことは一致してくるものなんだなあ、と思いましたね。(*‘∀‘)

 

 

講義の中で、道教の経典である『太平経』を引用しておられたのが印象的で、「脈で一番大事なのは気である」というような記載が印象に残りました。

 

「道教」って何ですか?(その16)   参照

 

 

ここ、ちょっと掘り下げて、来月の「胃の気の脈診」講義にブチ込んでやろうかと思います☆

 

 

2コマ目は小曽戸洋先生『日本における黄帝内経の受容と変遷』

 

 

相変わらず文献研究の最前線の細かい内容をたくさん語ってくださいましたが、最後に

 

「誰が何年に何を書いたかなんてことに詳しくなっても何の意味もない!実際に内容に立ち入って研究しないと!」

 

と仰っていたのが印象的でした。

 

 

まったくだと思います。

 

 

そして、臨床家としてはさらに、

 

「それが現代の実地臨床で有用性の高いものかどうか」

 

実際にやってみて吟味するところまで、ですね。

 

 

「死典」ではなく、現代に真に生きる「古典」なのかどうか見極める、蓮風先生の仰る「臨床古典学」の立場です。

 

 

その後は明治国際医療大学斉藤宗則先生二松学舎大学町泉寿郎先生日本内経医学会会長の宮川浩也先生による『黄帝内経』を中心とした、

 

日本、中国の近代史、日中の交流のお話。

 

 

3先生ともに、非常に細かく調べておられて、素晴らしかったです。

 

 

僕の知らない内容がたくさん出てきました。

 

 

そして終了後の島田隆司先生顕彰会では、島田先生のご一族と初めて対面、ご挨拶させていただきました。

 

 

僕は現在、週に一回、東洋鍼灸専門学校で非常勤講師をやらせていただいていますが、これは今から10年くらい前、島田隆司先生のご長男さんである島田力先生が声をかけて下さったからです。

 

(・・・で、島田力先生を紹介してくれたのが兵頭明先生なわけね。)

 

 

今回初めてご挨拶させていただけて、良かったです。

 

 

各先生方のご挨拶、島田隆司先生の業績紹介では、リアルな日本鍼灸近代史を感じることが出来ました。

 

 

人生を通じて、非常に積極的に、鍼灸界に色々な学会を作ったり、中国と交流したり、国内の優秀な人をまとめたりすることに尽力された、

 

大変器の大きな先生であったことが、改めてよく分かりました。

 

 

ところで、島田先生が丸山昌朗先生に弟子入りしたのは32歳なんですね。。。

 

丸山昌朗という人物

墓マイラー 36 丸山昌朗先生   参照

 

 

30過ぎてから、あれだけたくさんの優秀なお子さんやお弟子さんを育てながら、業界にも臨床にも尽力された、そのパワーは本当に素晴らしいと思います。

 

 

見習います☆(*‘∀‘)

 

 

因みに島田隆司先生の素問講座については

 

島田隆司素問講座onネット

 

というサイトがありますので是非チェックしてみて下さい、

 

 

 

 

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