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これまでのお話し
「体用理論」に関して 4 参照
◆滑伯仁の「体用」観。
尊敬する大先輩である神野英明先生の『鍼灸・漢方の名医になるための秘訣』に、中国元代の名医、滑寿(かつじゅ 別名:滑伯仁かつはくじん 1304-1386)の見解が紹介してあるので、触れておきます。
滑伯仁についてはこのブログに何度も出てきていますが、そのうちきちんと紹介しましょう。
滑伯仁は、現代の鍼灸学校の経絡経穴学の教科書の元ネタと言っていい『十四経発揮』や、現代の鍼灸師の脈診と言えば一番有名な「六部定位脈診」の根拠となる『診家枢要』を著した人物であり、
『難経』の解釈本としても極めて重要な『難経本義』の著者でもあり、現代の日本伝統鍼灸の臨床家にとっては避けて通れない人物です。
「六部定位脈診」の根拠 参照
その滑伯仁の発言として、張景岳先生が紹介しているくだりです。
「最も微妙なものは理、最も顕著なものは象、体用は根源的に一つ、微妙と顕著には間が無く、その理を理解すれば現象は押し広げて分かるものです。」
と。
(滑伯仁の発言を張景岳が引くってのも、ワクワクしますね。)
元の時代に、鍼灸医学を猛プッシュして下さった名医である滑伯仁先生は、最も霊妙な原理と、最も顕著な現象は、根源的に一つ(体用一源)で、
しかもその間は無い(体用無間、顕微無間)と言います。
どういうレベルでそう言えると発言したのか、また、どういう文脈で述べたのか、非常に気になりますが、基本的には朱子学の見解の通りなんだと思います。
体用理論に関しての補足、一先ずここまでとします。
また私自身の理解が深まったら、補筆するかもしれません。
【参考文献】
『宋代易学の研究』今井宇三郎著 明治図書出版
『鍼灸漢方の名医になるための秘訣』神野英明著 たにぐち書店
『臓腑経絡学』藤本蓮風他 アルテミシア
2019.07.19
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昨夜は順天堂大学医学部、東洋医学研究会で喋ってきました!!
今回は前半は「東洋医学のキホン」として、『臓腑経絡学』の”大腸の腑”の内容を中心に、これまでの復習もしつつ、話をしました。
後半は初の実技指導「脈診」として、脈診の基本的なお話をしました。
「脈」で何が分かるの? 参照
これまで、後半は実際に鍼で人間が変化する様子を観察していただきましたが、今回から実際に実技指導として歴史も踏まえつつ、東洋医学的な脈の診方考え方をお伝えしました。
いいモデルにも出てきていただき、変化の様子が少しはリアルに分かって頂けたんじゃないかと思います。
今回、改めて思いましたが、医学部の学生さんというのは、言うまでもなく圧倒的な勉強力を持っている訳ですが、東洋医学に関する基礎的な知識は皆無です。
その中で、我々からすると常識中の常識にあたるような部分を、分かりやすく喋るというのは、けっこう技術がいるなと、再認識しました。
思えば北辰会でも東鍼校でも、私の講義の対象は有資格者や三年生であり、一定の基礎は踏まえている人を相手に喋ってきたことを再認識しました。
なので、講義中に何かを言いかけて、
「あ、そうか、これは知らないんだ。。。」
とか
「あ、そうか、この言い方だと西洋医学と混同するな。。。」
とか、内心で考えながら喋っていました。(苦笑)
ですので、僕自身も非常にいい勉強、経験になりました。
こうやってコツコツと続けて、一人でも、少しでも、医師と医師の卵に、東洋医学の考え方の良さが伝われば、と思います。
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2019.06.16
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これまでのお話し
刺激量の問題 ③ 参照
◆置鍼か単刺か つづき
四診合参でよーく弁証して、さあ一本鍼、となっても、まず置鍼か単刺かの問題がある。
鍼をして、一定時間置いておく手法を「置鍼(ちしん)」、刺してすぐに抜鍼する方法を「単刺(たんし)」と呼んだりする。
・・・まあこれは、鍼した瞬間に大きく、かつ理想的に気が動いたことが、脈診その他で十分に確認出来たら「単刺」の方がいいし、鍼した瞬間の動きは小さくても、
一定時間置いておくことで徐々に大きく、理想的な気の動きが得られるならば「置鍼」の方がいい、ということになる。
そう頭で分かってはいても、最初はなかなか感覚を掴めるものではない。
僕も最初の頃は、友人を実験台にしながら、置鍼しては壊し、単刺しては壊した。(苦笑)
なので最初のうちは、一本鍼したらすぐに脈を確認して、患者さんにどういう変化が出ているか、よーく診るようにした方がいい。
(この脈診がまた未熟なので、余計に大変な訳だが。)
ここで、師匠や先輩の存在が、実にありがたい。
かつて、僕が脈を診ている時に、蓮風先生や先輩が鍼をなさる、というのを何度か経験させてもらったことがあるが、鍼を打った瞬間、場合によっては近づけた瞬間に、脈はグーッと変化する。
・・・で、打った直後に理想的な脈の変化が得られたなら、それは「置鍼」という方法は取らない方が正解だと教わった。
(ずいぶん前の話だが)
で、良い変化は良い変化だけど、もう一つ、というようだったら、置鍼するべきなのだが、ここでさらに「置鍼時間はどうするか」という問題がでてくる。
続く
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2019.05.28
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5.26の日曜日は、高田馬場で行われた(一社)北辰会定例会東京会場に参加してきました!!
今回は朝から実技訓練「脈診・望診・取穴」。
先月と同じテーマでしたが、望診に爪甲診を入れ、取穴のテーマを前回の瘀血から湿熱、湿痰に変えて、蠡溝と豊隆に変更しました。
・・・まあ何と言っても、まずは
の熟読から始まります。
(文字クリックで購入ページへ)
当たり前ですが、学術習得にはそれなりの時間、かかります。
学んですぐに出来るような浅薄なものではない。
でもそれだけ奥が深く、使いこなせるようになれば、素晴らしい世界が待っています。
ですので、たまに勘違いしているアンポンタンがいるけど、「難しいのが売り」というワケではない。
「難しくて高度で、でも素晴らしい世界を、誰でもが共有出来る、分かりやすい理論の次元に落とし込んで、それを時間をかけてじっくりと勉強している」ワケであります。
せっかく、良く晴れた爽やかな日曜日を潰して勉強に来たんですから、頑張って欲しいと思いますね。
午後は関東では久しぶりの「症例レポート」です。
今回は「伝統鍼灸 心月院」院長、坂井祐太先生による「健忘の一症例」です。
「健忘」などという症状を主訴として患者さんが来院するというのも、北辰会方式の鍼灸のいいところでありますね。
本来の伝統的な鍼灸医学というのは、全科疾患を治療してきました。
今回はフロアからたくさんの質問が出て、大変盛り上がりましたね。
たった一症例を、あらゆる角度からナンボでも深めることが出来る、これも北辰会方式の長所ですね。
終了後は、実は同じ日にお茶の水の順天堂医院で開催されていた「良導絡自律神経学会 東日本支部」の勉強会後の懇親会に参加してきました!!
以前このブログに書きましたが、実はこの日は、大阪から北辰会代表理事である藤本新風先生が見えて、特別講演を行っていました。
こちらも非常に盛り上がったようで、良かったです。
良導絡と北辰会、患者さんに対して、全然違うアプローチの仕方だけど、どちらも効果が出ていることは確か。
和風先生と中谷先生のご縁もあるし、こういったコラボも面白いと思います。(゚∀゚)
懇親会では、良導絡の先生方のアツさ、元気さに触れて、面白かったです。
ご挨拶、名刺交換させていただいた良導絡の先生方、大変ありがとうございました!!<m(__)m>
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2019.04.30
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4.28の日曜日は、高田馬場で行われた(一社)北辰会定例会に参加してきました!!
今回は本部から山本克仁先生、足立尚哉先生もお見えになって、今年度のガイダンスを喋ってくださいました。
その後、尾崎真哉支部長から「北辰会と肝病」という講義。
五臓の中でも、「肝の臓」の治療を非常に重視する北辰会。
私も以前、「肝病はこう治す!」という論考を、有料メルマガ『あはきワールド』に投稿したことがあります。
現代日本人を治療する上で「肝の臓」に対する理解は非常に大事なことと思います。
・・・今回、支部長の講義はかなり爆裂していたようです。(笑)
午後は実技訓練「脈診・顔面気色診・舌診・取穴」。
今回は私の方でデモと解説を喋らせていただきました。
どれだけ伝わったか分かりませんが、まあ来月も同じテーマで実技訓練があるようですので、また訓練しに来ていただけたらと思います。(^^)
新年度一発目、参加人数も多く、飲み会も実に盛り上がっていましたね~☆
まあしかし、こうやって勢いのある時ほど、慎重に、繊細に。
陰陽論であります。
続く
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2019.04.20
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これまでのお話し
「五行」のはたらき 2 参照
◆稼穡とは
まず、土の働きである「稼穡(かしょく)」というのは、学生さんにとっても覚えにくい、現代ではなかなか使わない言葉なんですが、
「稼」=穀物を植える
「穡」=穀物を穫り入れる
という意味であり、まさに農業そのもの、といった意味です。
古代中国は、もちろんながら農耕民族、農耕文化であり、
「土≒農業する場」
であったわけです。
日本でも、平安時代の仏教説話集である『地蔵菩薩霊験記』に、
「稼穡は皆万民の命を重くするところ天下の重宝なり」
と出てくるそうですし、
「土≒農業する場」
という理解、設定には、何ら違和感はなかったでしょうね。
(『精選版 日本国語大辞典』参照)
因みに、魏の宋均の注である、『春秋』の緯書(※)である『春秋元明苞』では「土=吐」と説明し、後漢の許慎の『説文解字』では「生きてるものを吐き出す」と説明し、
「土」という文字に含まれる「二」は大地の表面と地中を示し、「|」は生命が地中から地表に芽を出している姿、と説明しています。
(※)・・・漢代、儒家の経書を神秘主義的に解釈した書物。
まあつまり、大地(土)は、気をたっぷりと蓄えており、様々なものを生み出す場だよ、と。
故に「土は万物の母」であると言われたりもします。
(因みに『老子』の第一章に「万物の母」という言い方が出てきますが、これは五行の土の働きを言ったものではなく、天地そのもの(宇宙)のことを言っています。)
「老子」という人物 参照
老子第一章の「万物の母」と五行の土の「万物の母」を絡ませた説明では、この論文が面白かったですね。
土は万物の母であり、方位(空間)では中央に位置し、季節(時間)では各季節の終わりと始まり(土用)、あるいは日本では梅雨と秋雨の時期(※)を指します。
((※)・・・『内経気象学入門』P37~参照。『黄帝内経』の諸篇では”長夏”といって6月に土があてられていますが、これは日本の気候とは必ずしも一致しません。)
つまり自然界の中で、中心であり、キーであり、緩衝材であり、バランサーであり・・・、行き過ぎない状態をもって良しとします。
人間の生命で言えばまさに「胃の気」ですね。
東洋医学的に細かく言えば、臓腑経絡では脾の臓(足太陰脾経)と胃の腑(足陽明胃経)であり、経穴では陰経の兪原穴、陽経の合穴が配当されます。
脾・胃 参照
五行の土(どろ)が配当されている臓腑経絡、経穴に鍼灸をする時、一つには
「土気を動かしている」
という意識を持って、効果を観察するといいと思います。
たとえばよく使う「天井穴」とかね。(゚∀゚)
続く。
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2019.03.08
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ここまでのお話し
小建中湯について 2 参照
別にシリーズ化する気もなかったんだけど、書き始めたら何となく、
「あれも書いとこ、これも書いとこ。」
ってなって、徐々に続いてしまった、この「脾胃モノ有名漢方薬」シリーズ。(笑)
特に脈絡もなく、患者さんを診ていて、よく使われているものを書いています。
(こんなん書いてたら、キリがないね。。。)
もちろんながら、漢方薬というのは、鍼灸と同じように、芯となる流儀や考え方に基づいて、論理的整合性、一貫性をもって処方されるべきもので、
決して症状のみ、病名のみから場当たり的に処方されるものではないと理解しています。
だから僕は、全くの素人さんが、エキス剤とはいえ、ドラッグストアで簡単に漢方薬を購入できる現状、ネット通販で自分の症状から調べて入手しては、
サプリメント感覚で次から次に試しまくる現状にも、正直反対です。
もちろん、自分で鍼や温灸を買って適当に試すことにも、厳しいようですが反対です。
僕は鍼灸臨床家であり、畑は違いますが、今後も優れた漢方家の先生方と協調しながら、真面目に東洋医学をやっていきたいですね。(^^)
前置きが長くなりましたが、今日は「補中益気湯」です。
(これで一応いったん締めとしましょう。)
実は2013年の記事に、チラッと登場しました。
この方剤の出典はあの中国金元の4大医家の一人、李東垣(1180-1251)先生の『脾胃論』であり、『中医臨床のための方剤学』によれば、構成生薬は
人参9g、白朮9g、黄耆15~30g、当帰9g、柴胡3g、陳皮6g、炙甘草6g、升麻3g
となっています。
効能は補中益氣、昇陽挙陥、甘温除大熱であり、主治は気虚下陥、気虚発熱とあります。
まあ要は、”黄耆”という生薬を主薬とし、結果的には中焦の気(脾気)を補って、気を昇らせ、脱肛や子宮脱などの”中気下陥”の症状を改善させ、
場合によっては気虚発熱を改善するという目論見の薬です。
李東垣は『内外傷弁惑論(1247)』の中で、発熱には外邪が入って邪正闘争の結果発熱するものと、脾胃が弱ったことにって発熱するものがあり、
脾胃が弱った場合については甘温剤で脾胃をフォローすることによって清熱することが出来ると主張しました。
ここで重要なのは、熱証モノは脾胃を補えばいい、という理解ではもちろんなく、その熱証症状、所見が、”何によるものなのか”を鑑別診断できる物差しを身に付けることですね。
この物差しになるのが脈診、腹診をはじめとした”多面的観察”であります!!
患者さんが、
「先生風邪ひいたー。。熱が出たー。。。」
と、言っていたからといって、それがどういう病因病機によるものなのかに対する理解ですね。
意外と臨床上、脾胃を補うことによって熱証症状が取れていくことはあります。
アトピー性皮膚炎なんかでも、たまに経験しますね。
実際に漢方家の先生の中には、補中益気湯を使ってアトピーに効果を挙げておられる先生も少なからずおられるようです。
刮目すべき理論です。
〇
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2019.03.05
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ここまでのお話し
小建中湯について 参照
前回、小建中湯の話がエラク中途半端に終わったので、続きを書きます。(^^;)
小建中湯は、実は以前このブログにもチョコッとだけ登場しています。
小建中湯は、桂枝湯のアレンジ版であることは前回お話ししました。
しかし、ここら辺を細かく話していくと、『傷寒論』の太陽病の講義みたいになってしまうので、ここではしません。(^^;)
(興味ある人は、無数に出ている『傷寒論〇〇』という本を5冊くらい買って勉強しましょう。)
小建中湯は、今日では東洋学術出版の『中医臨床のための方剤学』で「脾虚肝乗」という言い方をするように、脾の臓が弱ってしまって、肝の臓とのバランスが崩れたものによく使われます。
もちろん、この薬のもともとの出典は『傷寒論』ですから、寒邪に傷られた傷寒病の、ある段階においても使いますし、これをやって治らなかった場合に小柴胡湯を使う、という流れもあります。
「小柴胡湯」を含む記事 参照
また、『傷寒論』の中の小建中湯適応の脈診所見に「陽脈濇、陰脈弦」という、解釈次第では色々拡大出来るような脈状の表現も出てきます。(*‘∀‘)
あるいは『金匱要略』の中にも、この薬は”虚労病”、”黄疸病”、”婦人病”のところに出てきます。
さらに『金匱要略』では、目的に応じて、小建中湯に黄耆(おうぎ)を加えて「黄蓍建中湯」という薬を提示していたり、少し時代が下って中国唐代、
孫思邈(そんしばく 581?-682)の『千金翼方』では小建中湯に当帰(とうき)を加えた「当帰建中湯」があったり、日本の江戸期、あの華岡青洲(1760-1835)の
『瘍科方筌(ようかほうせん)』では、この「黄蓍建中湯」と「当帰建中湯」を組み合わせて、さらに膠飴を使わずに「帰耆建中湯(きぎけんちゅうとう)」という方剤を創方し、
癌が潰れて膿が止まらず、日々憔悴していくほどの重篤な病人に使用していたようです。
華岡青洲という人物 参照
・・・まあしかしこの、
「肝と脾のバランスが崩れている」
ことが、カゼから花粉症からアトピー、リウマチ、癌まで、あらゆる現代病の根本原因になっていることは、臨床上、実に多いと思います。
ここんとこをシンプルに調整してくれる薬だからこそ、約2000年の風雪に耐えて来れたんでしょうね。
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2019.03.03
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ここまで、四君子湯を処方されていた患者さんがたまたま見えたことをきっかけに、脾胃が病んだ時の処方についてツラツラと書いてみた。
もちろん、湯液の専門家の先生から見たら笑っちゃうような、超大づかみの内容であり、間違いや曲解もあるかもしれないが、そもそもこのブログを専門家向けに書いたことは、この10年間、ほぼない。
あくまでも、この医学を全く知らない人、あるいは懐疑的な人(つまりほとんどの日本人(苦笑))を中心に、専門的な内容といっても、せいぜい初学者やディレッタントに向けて、
この医学の特長、特性を少しでも知ってもらおうと、書いている。
一応自分なりに調べた上で書いているつもりですが、もし間違い等があったら、すぐに修正しますので、ぜひご教示いただきたい。
・・・まあともかく、昨日、「安中散」と方意が似ている方剤として、「大建中湯」に触れた。
この方剤、意外と現代の消化器外科のドクターが処方することが多いようだ。
なぜなら、大腸癌術後の腸閉塞(イレウス)に有効であるという論文が出ているからだそうだ。
論文等については、大建中湯のツムラさんの説明書に簡潔に紹介されている。
このように、東洋医学的な整体観、人体観、疾病観に則った、弁証論治の結果としてではなく、西洋医学的な病名に基づいて、論文で有効性が一定認められているから、
という理由で、漢方薬が乱用されているケースが少なくないようだ。
実際にこれを処方している医師に、『金匱要略』や、その後の名医が残した「大建中湯」に関する諸文献を読んだ上で使用している先生は少ないのではないだろうか。。。
全く東洋医学の教育を受けたことがない医師が、腹診も脈診も舌診もせず、東洋医学的な人体観(臓腑経絡学説や病因論等々)や、弁証問診もしない中で、
西洋医学的病名のみを頼りに同一の漢方薬を長期に乱用する。。。
・・・これはー、どうだろうか。
やはり、この考え方は、生薬資源の無駄遣いに、繋がらないだろうか。
私の知己の、漢方家は、みな口を揃えてそう言っている。。。
脾胃の病といっても、ここまで紹介したパターンもそうだし、まだまだ他にも、たくさんある。
それを的確に分析し、良化や悪化の流れを考えて、その時点で最もフィットする方剤や、鍼灸で言えば配穴や手技を選び、経過に応じて加減していくことが出来るのが、東洋医学の叡智だと思うんですが。。。
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2018.12.03
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ここまでのお話し
参照
加地伸行先生の名人芸的講演を聞いて感動した後は、漢法苞徳会会長、鈴木福三朗先生の講義「八木素萌師と『難経』の世界」。
鈴木先生は八木素萌先生が生前、現在の経絡治療の問題点を強く訴えておられたこと、東洋医学は「時節」を鑑みた治療をするべきだ!というメッセージを、
語気強く訴えておられました。
今回の大会では、普段接することの無い、漢法苞徳会の治療の方法論が少し分かったことがひとつの収穫でしたね。
まだ全然よく分かりませんが、少し勉強してみたいと思います。
そして午後一は1日目の続きである実技セッション「気口九道脈診」。
1日目と同じく3名の先生が壇上に上がり、「気口九道脈診」を使った実技を披露しました。
川北先生以外の二名の先生の実技は分かりやすかったです。(苦笑)
新風先生が登壇して、脈の変化を診たのはスリリングなシーンでしたね。(゜o゜)
今回、二日間にわたって行われた「気口九道脈診」、ずいぶん興味を持った方も多いのではないでしょうか。
今後、脈診を怪訝に感じて東洋医学から脱落する鍼灸学生さんの間にも、
「脈診にも色々ある」
「この脈診なら分かりやすい」
とか、そういう考えが広まればいいなあ、と思いました。
(まあでも、ムリかな。。。(苦笑))
最後は刺絡鍼法実技。
日本刺絡学会副会長で、ベテランの大貫進先生、北里大学の友部和弘先生、あと二人の中国の先生による刺絡の実技。
中国の先生方のうちの一人は、実技前にスライドを使って紹介されていましたが、スライドで見ると、圧倒的マンパワー、圧倒的建物(白い巨塔)、
圧倒的患者数(年間450万人以上が来院する病院)でやっていることがよく分かりました。(苦笑)
東洋医学(漢方、鍼灸)が、数(大規模調査)でモノを言おうとした時、中国以上のことを日本が言うのは大変じゃないかなあ、という気がしました。
まあ、出来るのであれば、相互に協力したらいいですね。
日本の先生方は基本的な刺絡の方法の解説と実技でしたが、刺絡は基本が大事です。
また、中国の先生の、耳の経穴から刺絡する手法は初めて見ました。
あれは使い方によっては劇的に効くだろうな、と思いますね。
今度やってみよっと。(゚∀゚)
続く
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2024年5月の活動記録2024.06.01
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2024年4月の活動記録2024.05.01
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(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール2023.11.16
日本東方医学会学術大会、申し込み締め切り迫る!!2023.11.01
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清明院14周年!!2023.10.04
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2023年 10月の診療日時2023.09.23
第41回、日本東方医学会学術大会のお知らせ2023.09.22
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