東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 脈診

「尺膚診」について 12

2015.09.22

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これまでのお話

 


「尺膚診(しゃくふしん)」について 
「尺膚診」について 2                     
「尺膚診」について 3          
「尺膚診」について 4
「尺膚診」について 5   
「尺膚診」について 6
「尺膚診」について 7
「尺膚診」について 8 
「尺膚診」について 9
「尺膚診」について 10
「尺膚診」について 11  
     
  参照

 

では続きいきます!

 

 

◆『傷寒論』における尺膚診の記載?

さて、前腕の皮膚の状態を詳細に伺う診察法である、この”尺膚診”というものに関して、超有名な古典である、

『史記』『黄帝内経』、そして『難経』における記載を紹介してきました。

 

今日は東洋医学を学ぶものにとってのもう一つの聖典、『傷寒論』における尺膚診の記載を紹介したいと思います。

『傷寒論』については 『傷寒論(しょうかんろん)』という本 参照

 


この傷寒論の最初に”傷寒卒病論集”という、序文のような文章があります。

 


ここに、

・・・觀今之醫、不念思求経旨、以演其所知、各承家技、終始順舊、省疾問病、務在口給、相対斯須、

便處湯薬、按寸不及尺、・・・(中略)・・・、所謂窺管而已。

という文章が出てまいります。

 

これを簡単に意訳しますと、

最近の医者をみてると、古典を学んで、そこから原理原則を自分で新たに発見して、自分の学術をレベルアップさせようとは少しも思はず、

それぞれ、自分の流派の技術を受け継いで、優れたものとし、始めから終わりまで、古いしきたりに従うだけであり、

病人を診察するにも、顔色を窺い、巧みに口を使って丸め込むことに身を入れて、診療にかける時間はいとも簡単に済ませ、

いい加減に薬を与えている。

脈診も、手首の脈を見るのが関の山で、尺膚は診ない。

こんなんじゃあ、細い管から天を臨むようなもんだ。

 

・・・という風に、『傷寒論』の著者である張仲景は嘆じて、当時の医療界を憂いています。

ここで言う”尺”をどう訳すかについては、

”尺膚(前腕の皮膚の状態)”

という説と、

”尺位の脈(手首の動脈の一部分)”

という説と、諸説紛々なんだそうですが、個人的には尺膚であってほしいですね。(笑)

 


『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)に書いてあるように、脈診情報と尺膚診情報は太鼓とバチのような関係ですのでね。(笑)

 

尺膚診情報と脈診情報、この二つが一致するのをもって順と考える。

 


尺膚診で相対的に陰をうかがい、脈診で相対的に陽をうかがう。

 


で、これら二つよりも顔面診はさらに相対的に陽をうかがう、と。

 


このように、各診察法は並列ではなく、それぞれに診ているポイントがあり、それらの陰陽のグラデーションまで考え併せて、弁証に資する情報と位置付けるのですな。

 

だから、各診察法の位置づけが明確であるほど、正確な診断を下すことが可能になる。

 

シャープな治療が可能になる。

 

位置づけがあいまいな人がやっている鍼よりも、大きく気を動かすことが出来る。

 

続く

 

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「尺膚診」について 10

2015.09.20

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これまでのお話

 


「尺膚診(しゃくふしん)」について 
「尺膚診」について 2                     
「尺膚診」について 3          
「尺膚診」について 4

「尺膚診」について 5   
「尺膚診」について 6

「尺膚診」について 7
「尺膚診」について 8 
「尺膚診」について 9      
      参照

 


では続きいきます!

 

 

◆『黄帝内経素問』脉要精微論(17)における尺膚診の記載

 


さて、黄帝内経の中には、まだ尺膚診に関する記載があります。

 


本日紹介しますのは、素問の17篇目、脉要精微論(みゃくようせいびろん)でございます。

 


この篇名の由来なんですが、ここでは、黄帝と岐伯が、診察の方法について問答しています。

 


その中で、特に脈診と望診の重要性を強調しているので、”脉要精微論”という名前がついているそうです。

 

(分かったような分かんないような説明ですネ。。。(苦笑))

 


そして、僕が知る、黄帝内経の中の尺膚診の記載は、これが最後ですね。

 


他にもあるよ!という方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。

 


一緒に、勉強しましょう。(笑)

 



 

まあともかく、ここに、

尺内兩傍.則季脇也.


尺外以候腎.

尺裏以候腹.

と、出てきます。

 


簡単に訳せば、

尺の内側で、脇の部分の状態が分かるよー

尺の外側で、腎の状態が分かるよー

尺の深い部分で、腹の状態が分かるよー

という意味なんですが、ちょっとややこしいのは、この部分の”尺”の意味なんです。

 


これの解説として、

手首の脈の、脈診の部位について述べているのでアール!

という説と、

いやいや、尺膚診(前腕)について述べているのでアール!

という説があり、北辰会では後者の説の方を参考にしています。

(まあ、後者の説の方が有力なようなんですがネ。)

 


この説は、多紀元簡(1754?-1810)という人物の『素問識』という本の中に、いくつかの根拠とともに出てきます。

 


しかし、黄帝内経に注釈を入れた、有名な王冰(7世紀)という人の注なんかでは、

この尺は”尺沢(しゃくたく 肘にある経穴)”という意味でアール!

と書かれてあったり、明代の有名な医家である張景岳なんかは、

この尺は手首の脈のことでアール!

と言ってみたり、諸説紛々なわけです。

 


そこで重要になるのが、我々は臨床家な訳ですから、実際に現場で使ってみて、確かに妥当性が高い方を採用すりゃあいい、という、蓮風先生の言う”臨床古典学”的スタンスなのです。

 


ある古典を金科玉条視したり、教条主義に陥るのではなく、あくまでも臨床と合うものを採用する。実際に病める患者さんを前にして、真実使えるモノを採用する。

 


これでいいのです。

 


大体からして、『黄帝内経』というのは、まず第一に医学書なんであって、文学や考古学の研究材料じゃないのです。

(もちろん、そういう側面もあるけどネ。)

 

そういう考え方でこの部分を読み、実践で使ってみた結果、この記載の意味としては、前腕の各部位を、人体の各部位と対応させて、

 

診察、治療に組み込んでいく考え方を採用した、というワケなのです。

 

続く

 

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「尺膚診」について 6

2015.09.14

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これまでのお話

 


「尺膚診(しゃくふしん)」について 
「尺膚診」について 2                     
「尺膚診」について 3          
「尺膚診」について 4

「尺膚診」について 5       参照

 

では続きいきます!

 

 

◆『黄帝内経霊枢』論疾診尺篇(74)における尺膚診の記載

 


黄帝内経には、それ以外にもまだ尺膚診に関する記載があります。

 

霊枢の中の”論疾診尺篇(ろんしつしんしゃくへん)”というところにも、尺膚診の記載があります。

 


まあここが一番、尺膚診について集中的に述べている篇、と言っていいでしょう。

 


まさにタイトル通り、疾病と尺(前腕部分の皮膚の状態)との関わりを論じた篇です。

 


黄帝内経の中の、尺膚診についての記載は、ここにしか書かれてないと思ってない人もいるぐらいです。(笑)

 


ここに、

 

黄帝が岐伯(医師)に問いました。

「色を望診したり、脈診せずに、尺膚診だけで診断し、外から内を知るにはどうすればいいの?」

岐伯が答えて、

「その尺の緩急小大滑渋と肉の堅脆を細かく見極めれば、診断できますよ。」

 

と、いきなり冒頭に出てきて、そこからさらに、

 

尺の膚が滑で、光沢があるのは風です。

尺の肉が弱は、解㑊の病です。

 

尺の膚が滑で油のようにつややかなものは風なり。

 

 尺の膚が渋は、血虚の風痺病です。

 

 尺の膚が粗く、魚の干物の鱗のようなものは溢飮(水の停滞)の病です。

 

 尺の膚の熱が甚しく、脈が盛大で落ち着きがないのは温病です。

尺の膚が寒、其の脈が小なものは下痢で気虚です。

 

 尺の膚が燃えるような熱で、先に発熱して後に冷えるのは往来寒熱です。

 

 尺の膚が先に冷えていて、しばらくして熱感を感じるのも往来寒熱です。

 

肘の所のみ熱があるのは腰より上に熱がある。

 

手の所のみ熱があるのは腰より下に熱がある。

 

肘の前(内側)のみ熱があるのは胸の前に熱がある。

 

 肘の後(外側)のみ熱があるのは肩背に熱がある。

 

 前腕の内側のみ熱があるのは腰腹に熱がある。

 

 肘頭より下の三から四寸に熱があるのは、腸中に虫がある。

 

 掌中に熱があるのは腹中に熱がある。

掌中に冷えがあるのは腹中に冷えがある。

 

 母子球に青い毛細血管が有るのは胃中に冷えがある。

 

 尺が燃えるように熱く、人迎(頚動脈の拍動)が大は、多量の出血。

 

 尺が堅で大、脈が甚しく小さいものは、気虚であり、これに煩悶が加われば死ぬ場合がある。

 

と続きます。

(なげえー(@_@))

 

・・・まあ要は、前腕の皮膚を見るだけで、これだけ色々なことが分かるわけです。

 


古代人の大いなる知恵だと思います。

 

なお、この篇で括目するべきは、前腕の皮膚の異常(特に寒熱)と、体幹部の異常を対応させて診ているところです。

 

前腕で全身を診る、という時に、深さ(深浅)だけでなく、高さ(高低)も意識している、というのがポイントであります。

 

深さも陰陽、高さも陰陽であります。

 



続く

 

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「尺膚診」について 5

2015.09.13

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これまでのお話

 


「尺膚診(しゃくふしん)」について 
「尺膚診」について 2                  
「尺膚診」について 3     
「尺膚診」について 4
            参照

 

では続きいきます!

 

◆『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形(4)における尺膚診の記載

続いて、同じく黄帝内経の中の霊枢です。

霊枢の4篇目、邪気蔵府病形篇というところにも、尺膚診の記載が出てきます。

この”邪気蔵府病形篇”という篇名の由来なんですが、そのまんまでありまして、邪気が臓腑を侵襲していく際の病状(病形)について書かれた篇なので、この名前がついております。


ここに、


脈が急は尺の皮膚も緊張。

 

脈が緩は尺の皮膚も弛緩。

 

脈が小は尺の皮膚も痩せる。

 

脈が大は尺の皮膚も隆起してふくれる。

 

脈が滑は尺の皮膚も滑らか。

 

脈が渋は尺の皮膚も渋る。

 

此の変化は、微かなものもあれば甚しいものもある。



だから、善く尺を調べることが出来る人にとっては、脈を診る必要はなく、善く脈を調べることが出来る人にとっては、色を診る必要はないのです。


と、書いてあります。

ここでも、脈診と尺膚診の関係性がフィーチャーされておりますが、むしろ尺膚診の方が優位な診断法であり、

治療の上手い人は尺膚診だけで診断がつくような言い方がされております。

この記載のみを全く鵜呑みにする訳にはいきませんが、その優位性において脈診を超えるとは、邪気蔵府病形篇における、

尺膚診の有用性の高さが伺えます。


ここから、邪気蔵府病形篇全体の意味を考えて読むと、極めて示唆的だと思います。

以前、蓮風先生に実技指導をしていただいている時に、先生が尺膚診をしていて、

「この反応は、中渚、液門から天井まで繋がっているやつやな。」

と、チラッと仰っていたことを思い出しました。

尺膚診と脈診を比較した場合の、尺膚診の優位性を考えたとき、上記のようなことを脈診のみで分かろうと思っても、

それは難しい、ということなんだろうと思います。

続く

 

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「尺膚診」について 4

2015.09.12

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これまでのお話


「尺膚診(しゃくふしん)」について 
「尺膚診」について 2   
「尺膚診」について 3
         参照

 

では続きいきます!

 

 

◆『黄帝内経素問』通評虚実論(28)における尺膚診の記載

 

『黄帝内経』という書物の説明は前回しましたので、繰り返しません。

 

素問の28番目の篇である”通評虚実論(つうひょうきょじつろん)”の中に、尺膚診に関する記載が出てきます。

 

因みにこの”通評虚実論”の意味ですが、我々が治療する際に、非常に重視している”虚実”という考え方について、

時間、五臓、経絡、気血、脈、治療など、非常に広範囲に論じた篇です。


因みに虚実については

「虚実」って何ですか?
虚実の深さ          参照

 

ここに、

経、絡、ともに実というのは、寸脈は急で尺は緩なり

とか、

絡気が不足し、経気が有余なものは、脈が熱で尺が寒なり

とか、

経気が不足し、絡気が満は、尺が熱で満、脈が寒で渋なり

とか、

尺の虚は歩行に力が無い

とか、ここでも主に脈診情報とセットで、病態把握の方法として尺膚診が紹介されております。

(ここでいう”尺”というのが、前腕の皮膚の状態のことです。)

ここで、『史記 倉公伝』といい、『黄帝内経素問』の平人気象論といい、通評虚実論といい、

なぜ、尺膚(前腕部分の皮膚の状態)と、脈診情報(橈骨動脈の拍動の状況)を診ることで、

病態把握が出来るのか、という疑問が頭に浮かびます。

 


これについて、日本、江戸期の医家である多紀元簡(たきげんかん 1754?-1810)は、手首の脈で経気(けいき
)が診れるのは、手首の脈動は前腕の皮膚と比較すると相対的に「陰」だからで、

 

前腕の皮膚は相対的に「陽」なので、絡気(らくき)が診れるのではないか、と、経絡を経と絡に分けて、深さの観点から陰陽に分けて考察しています。

 

これも一つの考え方でしょう。

 

続く

 

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「尺膚診」について 3

2015.09.11

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これまでのお話

「尺膚診(しゃくふしん)」について 
「尺膚診」について 2
                            参照

 

では続きいきます!

 

◆『黄帝内経 素問 平人気象論』における尺膚診の記載

 


さて、本日は我々のバイブルである『黄帝内経(こうていだいけい)』です。

 

『黄帝内経』は、ザックリいえば約2500年前くらい、春秋戦国時代に複雑な経緯で纏まり始め、前漢の時代(BC206~8)にはその原型は編纂されていたと言われ、

 

『素問(そもん)』81篇、『霊枢(れいすう)』81篇、合わせて162篇からなる大著であり、ここに書かれた内容、理論が、

 

その後の東洋医学(中国伝統医学)の基本になっております。

 

(専門的な詳しい考証に関しては真柳誠先生の『黄帝医籍研究』汲古書院がいいと思います。)

 


言わずと知れた、東洋医学をやるものにとって、必要不可欠な、聖典のような本です。

 

この中の、『素問』の18篇目である”平人気象論(へいじんきしょうろん)”という篇の中に、尺膚診に関する記載が出てきます。

 

因みにこの、”平人気象論”という篇名の意味ですが、”平人”というのはいわゆる健康な人のことを指し、”気象”というのは

”気(ここでは脈の打ち方を主に指す)”



”形象(けいしょう・・・ここでは脈の形)”

のことであり、健康人と病人の脈の打ち方を主に比較検討した篇だから、”平人気象論”と言います。

 


ここに、

尺熱するを病温という。尺熱せず、脈が滑は病風という。

とか、

臂(ひ・・・前腕のこと)に青脈が多いのを脱血という。

 

尺が緩で脈が渋なものは解㑊(異常な疲労感)という。

とか、

尺が渋で脈が滑は多汗という。

 

尺が寒で脈が細は謂うなれば後泄(下痢)という。 

 

脈も尺も(粗い感じ)で常に熱きものは熱中という。

 


てな具合に、脈の打ち方(脈診情報)と合わせて、前腕の状態から、病態を把握する方法があったことが書かれています。

 

『黄帝内経』の中の尺膚診の記載は他にもあります。

 

続く

 

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「尺膚診」について 2

2015.09.10

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前回のお話

「尺膚診(しゃくふしん)」について 参照

 

では続きいきます!

 

◆『史記 扁鵲倉公列伝』における尺膚診の記載

 

中国に、司馬遷(しばせん)という人が書いた『史記』という、超有名な書物があります。

 

東洋医学、東洋哲学をやるものなら、聞いたことのない人はいないような書物です。

 

wikipediaによれば、これは、前漢(BC206~8)の武帝(7代目の皇帝)の時代に、司馬遷(BC145頃~87頃)という歴史家によって編纂された、中国の歴史書だそうで、

 

中国が正しいと認めた歴史書(正史)の第一に数えられ、計52万6千5百字もの大著で、二十四史(にじゅうしし)(中国の王朝の正史24書のこと)のひとつで、

『漢書』
と並んで最高の評価を得ているそうです。

 


司馬遷
自身が名付けた書名は『太史公書』(たいしこうしょ)なんだそうですが、後世に『史記』と呼ばれるようになると、

これが一般的な書名とされるようになったそうです。

 


「本紀」12巻、「表」10巻、「書」8巻、「世家」30巻、「列伝」70巻から成る、紀伝体(上位に位置づけられた2項目、「本」と「列」に由来する)の歴史書で、

叙述範囲は伝説上の五帝の一人である黄帝から、前漢の武帝までだそうです。

(この”黄帝”は、我々東洋医学者のバイブルである『黄帝内経』の黄帝のことです。)

 

このような記述の仕方は、その後の中国の歴史書、正史記述の雛形となっていて、この書は、単に歴史的価値だけではなく、その文学的価値も、高く評価されているそうで、

 

日本でも古くから読まれており、元号の出典として12回も採用されているそうです。

 


 

・・・とまあこのような、スゴイ本に、我々が日々やっている、”尺膚診”の記載が出てきます。

 


『史記』の中の”扁鵲倉公列伝”というところの中の、”倉公伝”というところの中の、
”診藉(言わばカルテ集)”の中に、

 

 

「臨菑氾里女子薄吾病甚.衆醫皆以爲寒熱篤.當死.不治.

 

臣意診其脉曰.蟯瘕.蟯瘕爲病.腹大.上膚黄麤.循之戚戚然.

臣意飮以芫華一撮.即出蟯可數升.病已.三十日如故.

 

病蟯得之於寒濕.寒濕氣宛篤不發.化爲蠱.臣意所以知薄吾病者.

切其脉.循其尺.其尺索刺麤.而毛美奉髮.是蟲氣也.

其色澤者.中藏無邪氣及重病.」

 

という文章が出てきます。

 

これを竹下なりに、端折って端折って、翻訳すると・・・、

 


今でいう山東省の近くで、女の子が病気になった。

周りの医者は重篤な病で、もう助からないと言っていた。

これに対して、僕(倉公)は脈を診て、回虫の病と判断して、一つまみの薬草を飲ませた。

すると、すぐにたくさんの回虫を吐き出して、治った。

回虫の病は、腹が大きく張って、元気がなくなり、皮膚が荒くなる病気。

30日で、元通り元気になった!

この病気の診断は、脈と、前腕の皮膚(尺)の状態を診ることによって分かった。


回虫の病は寒湿の邪気によってかかってしまう。

寒湿の邪気が発散できれば治るけど、発散できないと重症化する。

この患者さんは、前腕の皮膚は荒かったが、毛や髪は綺麗。

その光沢からして、五臓に邪気は入っておらず、重病ではないと判断したわけさー。

(訳が間違ってたら、誰か教えてー(*‘∀‘))

 


まあ、これが尺膚診の出典の一つ。

 

古来より、脈診と並んで、大変重視されていたことが分かります。

 

続く

 

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10月24~25日 日本伝統鍼灸学会

2015.08.30

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10月に、伝統鍼灸学会の学術大会で、2日連続で学生さん向けに喋ります。

http://jtams.com/43-tokyo/?page_id=474

何を喋るかというと、今回の学生セミナーのテーマは「触診力」なんだそうで、色々な先生が喋る中、僕のパートは

「経穴診(けいけつしん)」

についてです。

僕ら東洋医学は、西洋医学のように、血液検査の数値や、画像診断の画像、理学所見を元に診断していくのではなく、

東洋医学的な問診情報はもちろんのこと、

手首の脈の打ち方(脈診)、

舌の色や潤い具合など(舌診)、

腹の皮膚表面の状態(腹診)、

背中の皮膚表面の状態(背候診)、

手足の皮膚表面の状態(原穴診、八脈交会八穴診、尺膚診)、

などなどを参考にして、東洋医学的に診断していきます。

だからまあ、

「経穴診」

と言っても、実に幅が広く、全身の重要な経穴を診ます。

全部やったらとても時間が足りないので、この中の一部である、

「原穴診」

と、僕が個人的に好きな、

「八脈交会八穴診」

について、簡単に理論を紹介し、

”百聞は一見にしかず”

なんで、実技をお見せしようと思います。

わざわざ土日を潰して、伝統鍼灸学会に来る学生さんは、普通の学校の授業の学生さんとは、質が違うはず。

我々が日々やっている「伝統鍼灸学」を、真摯に学びたい人が、必ずいるはず。

そういう人に、響くように、全力でやろうと思います。

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2015年度、後期授業開始!!カリキュラム公開!!

2015.08.26

清明院では現在、スタッフを急募しております!!

ぜひ我々とともに、切磋琢磨しましょう!!詳細はこちら!

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東洋鍼灸専門学校、2015年度の後期授業が始まります!

 

今回、色々と事情がありまして、前期は毎週水曜日に朝一の一コマだけ講義しに行っていたのですが、後期からはさらに3コマ増えまして、

 

なんと1日4コマ、担当することになりました。

(苦笑・・・ほぼ朝から晩まで、東洋医学を喋りっぱなしです。)

患者さんには、大変なご迷惑をおかけします。

これも東洋医学、鍼灸医学のため、何卒、ご理解ご協力ください。<m(__)m>

増えた3クラスに喋る内容は内容は前期と同じ、

「北辰会方式概論+実技」

であります。

因みに、北辰会方式と銘打っていても、内容は非常に学生に合わせた基礎的なものであり、この医学の基本を何度も何度も確認しながら、

北辰会方式の考え方のエッセンスを紹介するような形で、概論的に浅く広く講義するように心がけています。

ですので、北辰会に全く興味がない学生にも、極力楽しく聴けるように工夫した内容になっております。

(宣伝とか言われたら胸クソ悪いしね。<(`^´)>)

これで、昼夜4クラス、合計100名以上の学生を、半年間受け持つことになります。

どんなことが起こるか、楽しみですな。(*’ω’*)

前期、受け持っていた昼の一クラスについては、同じ講義をもう半年繰り返す訳にもいかないので、北辰会方式の理論の根幹部分であり、

全鍼灸師が治療理論の基礎に置くべきである

「臓腑経絡学」

を、全臓腑経絡、やろうと思います。

さてさて、なかなか大変な日々になりそうです。

しかしだからこそ、やりがいがあります。

因みにここに、この半年間、前期に行った20コマの内容を記しておきます。

1.4.8 ガイダンス~北辰会方式概論
2.4.15 中医学概論 実技デモ
3.4.22 胃の気の脈診 実技
4.4.30 舌診 実技
5.5.13 腹診 実技
6.5.20 背候診 実技
7.5.27 原穴診・八脈交会八穴診 実技
8.6.3 顔面気色診・眼診 実技
9.6.10 井穴診・爪甲診 実技
10.6.17 空間診 実技
11.6.24 臓腑経絡学総論 実技
12.7.1 弁証問診①総論 実技
13.7.8 弁証問診②各論 実技
14.7.15 弁証問診③女性カルテ 実技
15.7.22 弁証問診④男性カルテ 実技
16.7.29 刺鍼術・施灸術 実技
17.9.2 難病症例解説 実技
18.9.9 テスト 実技
19.9.16 公開臨床①(問診)
20.9.30 公開臨床②(体表観察~刺鍼~養生指導)

 

・・・専門家の皆さん、なかなかのラインナップでしょ??(笑)

上記講義、どのコマも、一切の手抜きナシです。

やるからにはマジです。

・・・でも、辞めろと言われればすぐに辞めます。(笑)

講義が本業ではないのでね。

その分、患者さんをやるだけです。

 


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「左肝右肺」に関して 7

2015.02.02

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これまでのお話・・・

 

「左肝右肺」に関して
「左肝右肺」に関して 2 
「左肝右肺」に関して 3 
「左肝右肺」に関して 4
  
「左肝右肺」に関して 5
  
「左肝右肺」に関して 6
   参照

 

では続きいきます。

 

というか、キリがないので、いったん終わりましょう。(笑)

 


◆左右の使い分け

 


東洋医学に、「巨刺(こし)」とか「繆刺(びゅうし)」という治療方法があります。

 


これは、患部とは左右反対側を治療したり、患部と離れたところを治療したりする方法なんですが、問題は、

”これらを「どういう時に」使うのか”

です。

 

 

毎回毎回、必ずそうすれば正解、ではないのです。

 

 


まあ、これは業界的には半分以上常識なんで、いちいち出典挙げないけど、各古典によれば、

 

巨刺の方は経脈に病があるときで、しかも九候の脈に変化があるときで、繆刺と比べて相対的に深刺しをしろ

 

とあり、

 

繆刺の方は絡脈に病があるときなので、巨刺よりも相対的に浅刺しであるが、場合によっては刺絡しろ

 

と、あります。

 


刺絡の細かい話
「刺絡」という方法論(その2) 参照

 

・・・このようにあるんですが、古典におけるこの書き方に、僕的にはもう一つ納得できません。(笑)

 

だって、これだけだと、経脈に病があったって、絡脈に病があったって、それを患部の「反対側に」取る理由になってない。

 


おそらく、古代中国のえらーい先生が書いた、その部分の解説を読んでも、申し訳ないが、解説になってなくね?って話です。(笑)

 


右の絡脈に病があるなら、そのまま右の絡脈を治療すりゃあいいし、左の経脈に病があるなら、そのまま左の経脈を治療すりゃあよくね??、と思ってしまいます。(笑)

 

では何故、反対側を取った方がいいかというと、ここはあくまでも僕の私見ですが、内臓の位置をみれば分かるように、左右が全く対称な人間なんていない訳ですが、

 

健康人であればおおむね左右の平衡バランスは取れています。

 

 

ということは、人間にはそもそも気血の左右差を是正しようという力が備わっています。

 

それにより、全身くまなく、過不足なく、気血が行き渡り、健康が担保されるから、ですよね。

 

ですので、当然ながら、例えば左の経脈や絡脈が、何らかの病的な状態になると、右の経脈や絡脈にも気血の変動が起こるはずです。

 

で、普通であれば、直接、病的な状態になった経脈や絡脈をいじるのが常套手段でしょう。

 

左なら左を、右なら右を、と。

 

邪気を散らしてみたり、正気を集めてみたりね。

 

ところが、この常套手段よりも、病経の「反対側を」狙った方がいい場合というのは、患側(病的な経脈や絡脈)の反対側の経絡が、患側の経絡の異常を是正する「主体」になっている場合ではないでしょうか。


(ぼくはそうだと思っています。)

 

因みに、『黄帝内経』にも、左右差を調整することの重要性は諸篇に説かれています。

 

(素問では陰陽応象大論(5)離合真邪篇(27)繆刺論(63)、霊枢では官鍼篇(7)官能篇(73)あたりでしょう。)

 

 

日本でも、かつてわが地元である群馬におられた鍼灸師である赤羽幸兵衛(1895-1983)先生が、「シーソー現象」と称して、左右のバランスを調えることの重要性を説いておられます。

 

 

いずれにせよ、

 

「ではどういう時に、左右反対側を取った方が良いのか」

 

という診断学が重要であるわけです。

 

 


僕はそれは、「気の偏在度合い」で判断するようにしています。

 

メディカルユーコン『鍼灸治療 上下左右前後の法則』 参照)

 

つまり、病的な状態になったのは左の経脈や絡脈だったとしても、全体として右に正気や邪気が偏在していれば、そっちを動かした方がより早く、

 

そして動きが大きい、と考えていますし、日々そう実感しています。

 

・・・とまあ、そんな風に考えて、細かいメカニズムにも注意しつつ、臨床では常に臨機応変に左右を選んでおります。

 


(因みにこの場合、”脈診”は非常にポイントになるように思います。)

 

 

なんか話がそれたけど、このシリーズ、とりあえずおしまい。

 

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