東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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4月(一社)北辰会スタンダードコース東京会場

2017.04.25

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23日の日曜日は、高田馬場で開催された(一社)北辰会スタンダードコース東京会場に参加してきました!!

 

 

今年度一発目の関東支部です。

 

 

今回、午前中は実技訓練「脈診 望診」

 

四診(診察法) 参照

 

 

年度が替わって、実技指導のやり方が変わりました。

 

 

これまでは一人の講師が5人から10人くらいの受講生を指導するスタイルだったのですが、これだと講師によって教える内容にバラつきが出る上、

 

消極的な人や引っ込み思案の人はモデルにあまり触れずに終わってしまうようなケースがありました。

 

 

そこで今年度からは、最初に尾崎支部長が実技のデモを見せ、その後、二人一組になって、

 

「体表観察練習帳」

 

を記入しながら実際に体表観察をやってみて、それを見回ってくる講師の先生に質問する、という形になりました。

 

 

これの方が、自主性を養うという意味で、とてもいいように思います。

 

 

これまではどうしても、自分が好きな講師のところに集まって、その講師の手技を見て感心するだけで、いつまでたっても技術が向上しないようなケースが見受けられましたが、

 

これなら毎回、自分の課題が分かるんじゃないかと思います。

 

 

そして午後は松田蓮山先生による講義「気」

 

 

北辰会は「気」をどう考えるか。

 

 参照

 

 

この根本的で超重要な問題を、コミカルな口調と、Vシネマのヤクザ映画に出て来そうな見た目で、上手に講義されていましたね。

 

 

最後は尾崎支部長の講義「鍼の極意」

 

 

尾崎先生は、かれこれ15年前くらいから知っていますが、今まで聴いた中で、一番今回の講義が良かったと思います。

 

 

尾崎先生の冷静な批判精神と、医療や、世の中に対する真っ直ぐな気持ち、たまにいい意味で論理性のないところがとてもよく表れた(笑)、

 

いい講義でしたね。

 

 

講師の先生方や、受講生の雰囲気に、春を感じました。

 

 

しかし今回は入会希望者が多かったですね。

 

(10人くらいいたんじゃないかな。)

 

 

北辰会で、関東で学校教員をやっているのは現在僕だけ(しかも非常勤)なんですが、それでこれだけ注目度、認知度があるのは、

 

やはり北辰会、恐るべしだと思いました。

 

 

 

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分からない脈

2017.04.24

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今、東洋鍼灸専門学校「脈診」について喋っています。

 

 

 

 

いまだに、「分からない脈」がある。

 

(まあ、当たり前ですが。若造がスイマセン。<m(__)m>)

 

 

「脈診30年」

 

とか言われますが、昔は

 

「習得に30年かかるなんて、そんな診察法、価値ねえよ!」

 

と、非常に反感を覚えましたが、今はホントにそうだよなと、思わないでもないです。

 

 

基本理論は基本理論としてあり、それを習得し、運用するのは、さほど難しい話ではない。

 

 

問題はその先にある、もっともっと微妙な

 

「脈診の機微」

 

の問題。

 

 

患者さんの心、体、魂の「その時その瞬間」の状態が、映る鏡が脈。

 

 

で、その脈から、その患者さんの遠近の未来予測をするのが脈診。

 

 

だから名人になると、脈を診て、預言者、超能力者めいたことを言ったりして、それがピタリと当たったり、なんていう逸話も、少なくない。

 

 

僕の残りの人生で、そういうレベルまで行けるか。

 

 

 

行きてえ~

 

 

 

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突然焦黄苔。

2017.04.22

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数年診ている患者さん。

 

 

ある日、あまり普段訴えない症状を訴える。

 

 

脈診、特段の異常を感じない。

 

 

気色診、特段の異常を感じない。

 

 

舌診

 

「ん?」

 

となる。

 

 

この患者さんでは、診たことのない焦黄苔

 

 

これは、何かが起こっているはず。

 

 

でも患者さんは、変わったことは特に何もないと言う。

 

 

鍼もいつものように効いた。

 

 

一先ず、カルテに書いておく。

 

 

焦黄苔、黒苔は、イヤな所見だ。

 

 

 

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三旗塾、中医オープン講座に行ってきました!!

2017.03.21

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3.19の日曜日は、三旗塾、中医オープンセミナーに行ってきました!!

 

 

このセミナーは、金子朝彦先生の主催する「三旗塾」が開催する、年に一回のイベントだそうで、普段やっている中医学の勉強ではなく、

 

他の流派の先生をゲストに呼んで講演してもらうという、斬新な試みです。

 

(まあ、随分過去にはこういうのは、他の流派間でもあったらしいんですが、いつの間にか行われなくなった、言わば対外試合、

 

対外交流みたいな感じですかね。)

 

 

去年の日本中医学会で、以前から気になっていた金子先生とお会いして、FBで繋がって以来、この日がちょうどオフの日だったんで、

 

行ってみることにしました。(*‘∀‘)

 

 

会場に行ってみると、かなり知っている顔が。。。(笑)

 

 

今年は積聚会の西岡由記先生、長野式の伊藤弘隆先生による特別講義でした。

 

 

西岡先生は、そのご著書である『易経と難経』を数年前に読まさせていただいて以来、ずうっと講義を聴いてみたいと思っていた先生ですし、

 

長野式は、実は僕は15年以上前に、毎月足しげく勉強しに行っていた時があります。

 

 

ですが、この講座では面白いことに、積聚の先生が積聚治療の話をしない、長野式の先生が、長野式の話をしないのです。

 

 

一人の鍼灸臨床家として、自分の研究や、普段の治療を語る、といった、これまた斬新な企画でした。

 

 

金子先生のアイデアが、イー感じで炸裂してると思います。

 

 

西岡先生は傷寒論と難経と易経を絡めて、脈診に関する話しを非常に分かりやすく講義されていましたし、伊藤先生は非常に難しい、

 

患者さんのトラウマに対する独自のアプローチを紹介して下さいました。

 

 

久々にガンガンメモって、ガンガン質問しまくっちゃいました。(笑)

 

 

大変、いい刺激をいただきました☆

 

 

今はIT情報化社会、他流派の勉強会の様子なんかも、ネットで即時的に、かつ写真入りでリアルに覗くことが出来ます。

 

 

しかも何か情報発信したら、一瞬で地球の裏側まで届く時代。

 

 

これから、各流派が健全に刺激し合って、みんなで過去よりももっといいものが構築出来たら、素晴らしいですね。

 

 

 

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「衛気」って何ですか? その14

2017.02.16

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これまでのお話

 

カテゴリ 「衛気」参照

 

 

 

◆「衛気」はどこに流れる??

 

 

「衛気」は、体表面のみでなく、体表面から離れたところにも流れている、と、北辰会では考えています。

 

 

なぜならば、「翳す鍼」が効くからです。

 

 

北辰会では、時に経穴に対して「翳すのみ」の鍼で治療する場合があります。

 

 

小児や乳幼児や、皮膚感覚の敏感な患者さんには、非常によく効く、実に使える治療法です。

 

 

しかし、歴代の医家の説を見ても、この体表面に触れすらしない「翳す鍼」というやり方を強調した医家はいないようです。

 

(誰かご存知でしたら、ぜひご教示下さい。<m(__)m>)

 

 

衛気がなぜ、体表面から離れたところにも流れている、と言えるかは、以前このブログにも、『黄帝内経』の文章を引きながら仮説を書きました。

 

「浮く」の意味 まとめ 参照

 

 

 

まあ、歴代の鍼師はこれまで”翳す”手法を言わなかったですが、気功家やヒーラーといわれるようなグループの人達は、当たり前に「手翳し」という手法を使いますね。

 

 

「手翳し」「鍼翳し」・・・。

 

 

歴史的、学術的に見れば、これはどちらかというと気功術に近いのかもしれませんが、まあ、臨床家としては、効けばいい、治ればいい。

 

 

病的な反応の出ている経穴に鍼を翳すと、独特の感覚があることは事実。

 

 

一定時間、あるいは一瞬、鍼を翳すことで、脈診、舌診等の東洋医学的な所見が変化することは事実。

 

 

きちんと効いてくれて、その事実に対して、東洋医学による理論的分析がきちんとかけられればいい、ということになります。

 

 

・・・ところで、この「翳す鍼」をやるには、注意が必要です。

 

 

 

続く

 

 

 

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総合と総体 10

2016.12.18

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これまでのお話

 

総合と総体 1

総合と総体 2

総合と総体 3

総合と総体 4

総合と総体 5

総合と総体 6

総合と総体 7   参照

 

 

 

◆「太極」とは。

 

 

ここまで話してきたように、この医学において重要なのは、人間(患者)を「気一元」「天人合一」の考え方でもって、

 

「一」にまとめて、「総体」のアンバランスを診ている、というところにある、というお話をしてきました。

 

 

よく、この医学の根本は「陰陽」だ、と言われます。

 

カテゴリ「陰陽」   参照

 

 

脈診にしても舌診にしても腹診にしても、要は生体の「陰陽」のアンバランスをうかがうためのものなんですね。

 

 

陰陽を考える上で重要な言葉に「太極」という言葉があります。

 

 

この言葉の意味は、『漢方用語大辞典』によれば

 

「宇宙の太元気、宇宙を構成する陰陽二元気の根本。」

 

とあります。

 

 

また、『道教事典』では、もっと詳しく解説されており、まとめると、

 

「『易経』の繋辞伝における生成論の始めであり、朱子学においては認識論的意味を持たせられるようになった。」

 

と、何やら難しいけど重要なことが書いてあります。(笑)

 

 

蓮風先生のご著書である『東洋医学の宇宙』には、「太極」に関しては

 

1.太極陰陽は天地創造分化の大本

2.陰陽する場が太極

3.太極は認識以前の状態

 

と、箇条書きでサクッとまとめてくれております。

 

(ここは要は生成論と認識論、両方踏まえている訳ですね。)

 

 

蓮風先生はこのように、難しいことをサクッと簡単にまとめて説明するのが非常に上手い先生だと思います。

 

 

僕なんかは先生のこういうところを見て、凄く臨床家的だなあ、凄いなあ、と思う訳です。

 

 

何故なら臨床では、患者さんに対して、病気や、体の難しい問題を、すぐにパッと簡単に説明する能力が常に問われるからです。

 

(クドクド理屈を言っても、多くの患者さんは、なかなか聞いてくれないです・・・。苦笑)

 

 

まあともかく、「太極」は陰陽の大元になるもので、同時に陰陽に分けられる「場そのもの」でもあると。

 

 

また、医者と患者で例えれば、医者が患者を認識する以前の状態が「太極」で、認識した段階で「陰陽」に一応分けられるんだけれども、

 

常に「太極」、つまり一元の場から目を離さずに、意識を離さずに、「陰陽」の傾斜を意識する訳ですね。

 

 

このように、東洋医学の言う「陰陽論」というのは、単純な二元論ではなく、「二元的一元論」なのだ、というのが北辰会の主張であり、

 

その意味から、「陰陽論」と言わずに「太極陰陽論」と呼んでおります。

 

 

 

続く

 

 

 

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総合と総体 5

2016.12.13

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これまでのお話

 

総合と総体 1

総合と総体 2

総合と総体 3

総合と総体 4   参照

 

 

 

◆「総合」「総体」それぞれの意味

 

 

そもそも、「総合」って言葉はどういう意味なのか。

 

 

『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』によれば、これはもともと、哲学用語なんだそうです。

 

 

意味は

 

人間の意識の最も重要な働きの一つであり、多くの認識内容を一つの全体的な認識へ統合することをいう。

 

なんだそうです。

 

 

まあ、「総合」の一例を挙げれば、私、竹下を認識する時に、

 

男で、清明院の院長で、鍼灸師で、ロン毛で、バイク乗ってて・・・、

 

と、竹下にまつわる様々な「部分的な認識」を統合して、「全体的な認識」をする、ということです。

 

 

こうやって、認識する対象の、部分的な情報を集めていって、それを全部合わせて(総合して)、認識する、というのが「総合的な」認識の仕方です。

 

 

西洋医学の、人体や疾病に対する認識の仕方は、このやり方に近いと思います。

 

 

 

では「総体」はどうか。

 

 

これは『デジタル大辞泉』によれば、読んで字のごとく、って感じですが、「物事の全体」という意味です。

 

 

我々東洋医学は、患者さんの病を認識しようとするときに、舌診や脈診をしますが、それは、

 

「舌そのものの状態」「脈そのものの状態」

 

のみを診ているのではなく、それらを通じて、病のみならず、もっとTOTALな、患者さんの体全体、「総体」のバランスの不具合を診ているのです。

 

 

 

 

 

 

先日まで、TVで『総合診療医 Dr.G』という番組がやっていました。

 

(浅草キッドが司会してたやつね。)

 

 

西洋医学の世界では、総合診療医のことをジェネラリスト(Generalist)とか、ドクタージェネラル(Dr.general)と呼ぶそうです。

 

 

そう言えばいつだったか、学生時代に、鍼灸学校に教えに来た医師の先生が、

 

「皆さん鍼灸師の先生方には、今後、地域医療の中で、総合診療医の役割を担っていっていただきたいのです!」

 

なんて発言をしていたように思いますが、この先生からしたら、最大限鍼灸師のことを立てた言い方をしたつもりかもしれないが、当時これを聞いた時、東洋医学の特質を分かっていない、実は見下した発言にも思えました。

 

 

先ほど言うように、「総合」というのはあくまでも「部分」への認識を寄せ集めた集合体で、西洋医学が得意とする認識方法。

 

 

先ほどの先生がいう「総合診療医」というのは、広範な”西洋医学の”医学知識を持ち、患者さんが訴える様々な症状や所見(部分的情報)から、目の前の症例が何科にかかるべき疾患であるのか、

 

あるいはどこの部分の、どういった異常で起こっている症状なのか、などを、様々な検査を通じて、ビシッと、ピタッと診断、治療、他科へのコンサルができるドクターのことであろうと思うが、

 

それはどう考えても西洋医学の各科に広範に精通した「医師」の高度な仕事であり、僕ら鍼灸師、東洋医学サイドは、そんなの全くの門外漢であり、

 

現実的にはかなり限界の見える考え方だと思うのは私だけだろうか。

 

(もちろん、総合診療医の存在が、地域医療にしても何にしても、非常に重要な存在であることは分かっていますが。)

 

 

この言い方で言うなら、僕ら鍼灸師は「”総体”診療医」でしょう。

 

 

徹頭徹尾、東洋医学の考え方に基づいた「総体診療医」としての診断治療が出来るから、西洋医学が出来ないような病を治すことが、時に可能なんじゃないでしょうか?

 

 

今日も、西洋医学ににかかって全然良くならなかった患者さんが、鍼ですぐに治っていかれました。

 

 

こういうことが、清明院でも、僕が知っている多くの先輩や後輩の治療院でも、日常的に起こっているのは、単なる偶然や、何かの間違いなんでしょうか?

 

 

あるいは暗示や心理効果なんでしょうか?

 

 

 

続く

 

 

 

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(一社)北辰会スタンダードコースに参加してきました!!

2016.10.24

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10.23の日曜日は、(一社)北辰会スタンダードコースに参加してきました!!

 

 

今回は午前中は実技訓練「胃の気の脈診」

 

 

私も臨床班を一班担当しました!

 

 

どーも今週は、東洋鍼灸専門学校でも、東京衛生学園でも、北辰会でも、ずーっと「胃の気の脈診」の講義をしているように思います。。。

 

 

「胃の気の脈診」をきちんと理解しようと思ったら、まずは北辰会の言う「胃の気」とはどういったものなのか、その原理を理解し、

 

次に「胃の気の脈診」の、実際の実技における脈の診方の4分類と、その根拠を覚えることが、基本中の基本として重要なんですが、

 

正直この、基本中の基本が、出来ていない人が多い。。。

 

 

基本がない中で、ヘンに背伸びして、応用的なことを言ったりやったり、考えたりすることほど、危険なことはありません。

 

 

上記がまずは出来ていないと、何年やっても、「胃の気の脈診」の上達なんてないと思います。

 

 

午後は成増で「伝統鍼灸 松田蓮絲堂」を開業している松田蓮山先生による「臓腑経絡学 肝・胆」

 

 

見た目は中国マフィアみたいにいかついし、長年少林寺拳法をやっていたため、実際に腕っぷしも相当強い松田先生ですが、

 

話してみると、クマのプーさんのような、心優しいひょうきん者です。(笑)

 

 

今回の講義から「蓮」の字を使った号も名乗って心機一転、東京で大暴れしてほしいと思います。

 

 

最後は浅草で「伝統鍼灸 かみなり」を開業している土田丈先生による講義「問診・体表観察」

 

 

土田先生は、実は僕の鍼灸学校時代の同級生です。

 

 

もともとスポーツマンで、スポーツトレーナーの畑に居た先生ですが、今では立派な北辰会の講師になられました。

 

 

チョンマゲも切り落とし、心機一転、ますます東京で暴れてほしいと思います。

 

 

僕も何か、心機一転しようかな。(゚∀゚)

 

 

 

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10月(一社)北辰会スタンダードコース大阪会場

2016.10.18

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16日の日曜日は、大阪で行われた(一社)北辰会スタンダードコースに参加してきました!!

 

 

今回は午前中は実技練習「胃の気の脈診」

 

 

北辰会独自の脈診です。

 

 

ですが、完全な独創というワケではなく、ちゃんと『黄帝内経』や明代の医家「張景岳」の学説を踏まえた、非常に分かりやすい、

 

かつ臨床家にとってありがたい脈診法です。

 

(少なくとも僕はそう思っています。)

 

 

今回は初心者の先生のモデルになりましたが、どうしても初心者というのは、つい慌てて難しいことをしようとしたり、

 

難しいことばかりを考えてしまって、結果的に基礎が見につかない、というケースを多く見かけます。

 

 

蓮風先生や、講師の先生方のように、カッコよくハイレベルな脈診がしたい気持ちは痛いほどよく分かるのですが、

 

早くそうなりたいのであれば、まずは徹底的に基礎を固めることです。

 

 

その方が結果的に早いのです。

 

 

北辰会の言う「胃の気の脈診」は、基本中の基本から一つ一つ丁寧に身に付けていけば、こんな簡単で分かりやすい脈診法もない、

 

というぐらい明快な脈診法です。

 

 

数十年前に蓮風先生が「胃の気の脈診」の本を初めて出した時のタイトルは、『”簡明”鍼灸脈診法』であったことをお忘れなく。

 

 

ぜひキチッと身に付けていただき、それをきっかけに、どんどん深遠な脈診の世界に入っていってもらいたいと思います。

 

 

午後は神戸の「輝鍼灸院」院長、原元氣先生の講義「臓腑経絡学 心包・三焦」

 

「心包」って何ですか?(その6)

「三焦」って何ですか?(その12)  参照

 

 

原先生の講義は、非常に分かりやすいです。

 

 

スタンダードコースの受講者に合わせて、重要な発言もたくさん入れて下さいました。

 

 

そして、終わった後は酒。(笑)

 

 

住宅ローンについて考えさせられましたネー。(笑)

 

 

 

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補瀉 40

2016.04.07

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1

補瀉 35  『杉山真伝流』における補瀉 2

補瀉 36     永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉

補瀉 37   『杉山流三部書』における補瀉 

補瀉 38     岩田利斉『鍼灸要法』における補瀉

補瀉 39    岡本一抱『鍼灸抜萃大成』における補瀉         参照

 

 

 

では続きいきます!!

 

 

 

◆本郷正豊『鍼灸重宝記』における補瀉 

 

 

さて今日は、本郷正豊先生『鍼灸重宝記』(1718)を見てみたいと思います。

 

 

この先生は、江戸中期の鍼灸医です。

 

 

実は『鍼灸重宝記』は以前、このブログにもチラッと登場したことがあります。

 

「沢庵和尚(たくあんおしょう)」という人物 参照

 

 

この本は、現代の「経絡治療」と呼ばれる流派の先生方の大元中の大元と言っていい、明治時代の鍼灸医で、脈診の大家と言われた八木下勝之助先生が、

 

他の本を一切読まずに、『鍼灸重宝記』のみを読んで、90歳を超えるまで治療されていたことで有名です。

 

 

そしてこの本は、北辰会の藤本蓮風先生とも縁のある、東方会の小野文恵先生が、大東亜戦争をまたいで現代語訳され、出版したことでも有名です。

 

 

そしてその本の推薦文は、私が今教えに行っている、東洋鍼灸専門学校柳谷素霊先生が書いています。

 

 

小野先生は、柳谷先生の有力なお弟子さんの一人だったんですね。

 

 

なので、なんかこの本を読むと、脈々と続く大きな歴史の流れを感じるんです。

 

 

ここにも、補瀉に関する記載があります。

 

 

そしてそれは何と、前回紹介した岡本一抱『鍼灸抜萃大成』の内容と全く一緒です。

 

(笑・・・例の呪文唱えるやつね。)

 

 

そして実はこの記載は、沢庵和尚『針記』の記載そのままなんだそうです。

 

(この辺は長野仁先生が非常に精緻に研究しておられますので、専門家の先生方は長野先生の論文等を参考にしてください。)

 

 

因みに『鍼灸重宝記』には、お灸でやる補瀉についても記載があり、瀉法の場合は火を扇ぐか吹き消せといい、補法の場合は、自然に消えるようにしなさいと説きます。

 

 

これもなかなか面白い記載。

 

 

瀉強補弱、強弱の補瀉と言ってもいいでしょう。

 

 

また、この本には「腹部打鍼術」についても書かれており、夢分流の流れを汲んでいることが分かります。

 

 

まあともかく、江戸期の超有名医家であり、現代の鍼灸家にも強い影響を与え続ける岡本一抱、本郷正豊の両者が、

 

禅僧である沢庵和尚の影響を受けていたなんて、興味深いですね。

 

 

我々が使う打鍼術の創始者、夢分斎も禅僧であるし、「禅宗」というものを考えることは、日本独特の鍼灸を考える上で、一つのキーワードなのかもしれませんね。

 

 

禅宗の旗印と言えば、何と言ってもこれです。

 

「不立文字、教外別伝、直指人心、見性成仏」

 

 

・・うーん。。。

 

 

ただ、こう言ってしまうとねー。。。

 

 「禅宗(ぜんしゅう)」って何ですか?

「禅宗」って何ですか?(その2)

「禅宗」を含む記事 参照

 

 

 

続く

 

 

 

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