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ここまでのお話し
小建中湯について 2 参照
別にシリーズ化する気もなかったんだけど、書き始めたら何となく、
「あれも書いとこ、これも書いとこ。」
ってなって、徐々に続いてしまった、この「脾胃モノ有名漢方薬」シリーズ。(笑)
特に脈絡もなく、患者さんを診ていて、よく使われているものを書いています。
(こんなん書いてたら、キリがないね。。。)
もちろんながら、漢方薬というのは、鍼灸と同じように、芯となる流儀や考え方に基づいて、論理的整合性、一貫性をもって処方されるべきもので、
決して症状のみ、病名のみから場当たり的に処方されるものではないと理解しています。
だから僕は、全くの素人さんが、エキス剤とはいえ、ドラッグストアで簡単に漢方薬を購入できる現状、ネット通販で自分の症状から調べて入手しては、
サプリメント感覚で次から次に試しまくる現状にも、正直反対です。
もちろん、自分で鍼や温灸を買って適当に試すことにも、厳しいようですが反対です。
僕は鍼灸臨床家であり、畑は違いますが、今後も優れた漢方家の先生方と協調しながら、真面目に東洋医学をやっていきたいですね。(^^)
前置きが長くなりましたが、今日は「補中益気湯」です。
(これで一応いったん締めとしましょう。)
実は2013年の記事に、チラッと登場しました。
この方剤の出典はあの中国金元の4大医家の一人、李東垣(1180-1251)先生の『脾胃論』であり、『中医臨床のための方剤学』によれば、構成生薬は
人参9g、白朮9g、黄耆15~30g、当帰9g、柴胡3g、陳皮6g、炙甘草6g、升麻3g
となっています。
効能は補中益氣、昇陽挙陥、甘温除大熱であり、主治は気虚下陥、気虚発熱とあります。
まあ要は、”黄耆”という生薬を主薬とし、結果的には中焦の気(脾気)を補って、気を昇らせ、脱肛や子宮脱などの”中気下陥”の症状を改善させ、
場合によっては気虚発熱を改善するという目論見の薬です。
李東垣は『内外傷弁惑論(1247)』の中で、発熱には外邪が入って邪正闘争の結果発熱するものと、脾胃が弱ったことにって発熱するものがあり、
脾胃が弱った場合については甘温剤で脾胃をフォローすることによって清熱することが出来ると主張しました。
ここで重要なのは、熱証モノは脾胃を補えばいい、という理解ではもちろんなく、その熱証症状、所見が、”何によるものなのか”を鑑別診断できる物差しを身に付けることですね。
この物差しになるのが脈診、腹診をはじめとした”多面的観察”であります!!
患者さんが、
「先生風邪ひいたー。。熱が出たー。。。」
と、言っていたからといって、それがどういう病因病機によるものなのかに対する理解ですね。
意外と臨床上、脾胃を補うことによって熱証症状が取れていくことはあります。
アトピー性皮膚炎なんかでも、たまに経験しますね。
実際に漢方家の先生の中には、補中益気湯を使ってアトピーに効果を挙げておられる先生も少なからずおられるようです。
刮目すべき理論です。
〇
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2019.03.05
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ここまでのお話し
小建中湯について 参照
前回、小建中湯の話がエラク中途半端に終わったので、続きを書きます。(^^;)
小建中湯は、実は以前このブログにもチョコッとだけ登場しています。
小建中湯は、桂枝湯のアレンジ版であることは前回お話ししました。
しかし、ここら辺を細かく話していくと、『傷寒論』の太陽病の講義みたいになってしまうので、ここではしません。(^^;)
(興味ある人は、無数に出ている『傷寒論〇〇』という本を5冊くらい買って勉強しましょう。)
小建中湯は、今日では東洋学術出版の『中医臨床のための方剤学』で「脾虚肝乗」という言い方をするように、脾の臓が弱ってしまって、肝の臓とのバランスが崩れたものによく使われます。
もちろん、この薬のもともとの出典は『傷寒論』ですから、寒邪に傷られた傷寒病の、ある段階においても使いますし、これをやって治らなかった場合に小柴胡湯を使う、という流れもあります。
「小柴胡湯」を含む記事 参照
また、『傷寒論』の中の小建中湯適応の脈診所見に「陽脈濇、陰脈弦」という、解釈次第では色々拡大出来るような脈状の表現も出てきます。(*‘∀‘)
あるいは『金匱要略』の中にも、この薬は”虚労病”、”黄疸病”、”婦人病”のところに出てきます。
さらに『金匱要略』では、目的に応じて、小建中湯に黄耆(おうぎ)を加えて「黄蓍建中湯」という薬を提示していたり、少し時代が下って中国唐代、
孫思邈(そんしばく 581?-682)の『千金翼方』では小建中湯に当帰(とうき)を加えた「当帰建中湯」があったり、日本の江戸期、あの華岡青洲(1760-1835)の
『瘍科方筌(ようかほうせん)』では、この「黄蓍建中湯」と「当帰建中湯」を組み合わせて、さらに膠飴を使わずに「帰耆建中湯(きぎけんちゅうとう)」という方剤を創方し、
癌が潰れて膿が止まらず、日々憔悴していくほどの重篤な病人に使用していたようです。
華岡青洲という人物 参照
・・・まあしかしこの、
「肝と脾のバランスが崩れている」
ことが、カゼから花粉症からアトピー、リウマチ、癌まで、あらゆる現代病の根本原因になっていることは、臨床上、実に多いと思います。
ここんとこをシンプルに調整してくれる薬だからこそ、約2000年の風雪に耐えて来れたんでしょうね。
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2019.03.04
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ここまで、中焦(脾胃)の異常に対してよく処方されている漢方薬を、いくつか紹介してきました。
大建中湯について 参照
前回、大建中湯を紹介したので、なんか小建中湯を紹介しないのは気持ちが悪い。。。
・・・ということで、ついでなんで小建中湯を紹介します。(゚∀゚)
(処方されている患者さんも結構いるしね。)
小建中湯も、大建中湯と同じ「温裏剤」のグループです。
出典はもちろんあの『傷寒論』ですから、約2000年の風雪に耐えてきた名方と言えます。
この処方は非常に有名です。
漢方薬の王様の一人と言っていい、「桂枝湯」という薬がありますが、この桂枝湯の中の「芍薬(白芍)」という生薬を倍の量にしたのを「桂枝加芍薬湯」といい、
それに「膠飴(こうい:みずあめ)」を加えたのが「小建中湯」です。
『中医臨床のための方剤学』によれば、効能は温中補虚、和裏緩急、主治は中焦虚寒、脾虚肝乗とあります。
・・・おっと、ここまで書いたら時間切れ。
続きは次回。(笑)
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2019.03.03
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ここまで、四君子湯を処方されていた患者さんがたまたま見えたことをきっかけに、脾胃が病んだ時の処方についてツラツラと書いてみた。
もちろん、湯液の専門家の先生から見たら笑っちゃうような、超大づかみの内容であり、間違いや曲解もあるかもしれないが、そもそもこのブログを専門家向けに書いたことは、この10年間、ほぼない。
あくまでも、この医学を全く知らない人、あるいは懐疑的な人(つまりほとんどの日本人(苦笑))を中心に、専門的な内容といっても、せいぜい初学者やディレッタントに向けて、
この医学の特長、特性を少しでも知ってもらおうと、書いている。
一応自分なりに調べた上で書いているつもりですが、もし間違い等があったら、すぐに修正しますので、ぜひご教示いただきたい。
・・・まあともかく、昨日、「安中散」と方意が似ている方剤として、「大建中湯」に触れた。
この方剤、意外と現代の消化器外科のドクターが処方することが多いようだ。
なぜなら、大腸癌術後の腸閉塞(イレウス)に有効であるという論文が出ているからだそうだ。
論文等については、大建中湯のツムラさんの説明書に簡潔に紹介されている。
このように、東洋医学的な整体観、人体観、疾病観に則った、弁証論治の結果としてではなく、西洋医学的な病名に基づいて、論文で有効性が一定認められているから、
という理由で、漢方薬が乱用されているケースが少なくないようだ。
実際にこれを処方している医師に、『金匱要略』や、その後の名医が残した「大建中湯」に関する諸文献を読んだ上で使用している先生は少ないのではないだろうか。。。
全く東洋医学の教育を受けたことがない医師が、腹診も脈診も舌診もせず、東洋医学的な人体観(臓腑経絡学説や病因論等々)や、弁証問診もしない中で、
西洋医学的病名のみを頼りに同一の漢方薬を長期に乱用する。。。
・・・これはー、どうだろうか。
やはり、この考え方は、生薬資源の無駄遣いに、繋がらないだろうか。
私の知己の、漢方家は、みな口を揃えてそう言っている。。。
脾胃の病といっても、ここまで紹介したパターンもそうだし、まだまだ他にも、たくさんある。
それを的確に分析し、良化や悪化の流れを考えて、その時点で最もフィットする方剤や、鍼灸で言えば配穴や手技を選び、経過に応じて加減していくことが出来るのが、東洋医学の叡智だと思うんですが。。。
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2019.03.02
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ここんとこ、
という記事を書きました。
ついでなんで、中焦(脾胃)モノを、もうちょっと書いときましょう。
単純に脾胃の病と言っても、寒熱虚実、他臓腑との関わり、色々あるんです。
それをきちんと分析して、きちんとした処置をしていかなかったら、治るもんも治りません。
今日は「安中散」です。
こないだ、これを処方されている胃痛、パニック障害の患者さんが見えました。
マズマズ効いていたようです。
これも出典は中国宋代、『和剤局方』であります。
『中医臨床のための方剤学』によると、
組成は肉桂(桂枝)4g、延胡索3g、牡蛎3g、小茴香1g、甘草1g、縮砂(砂仁)2g、高良姜1g、
効能は温中降気、止痛、
主治は裏寒の疼痛、
と、あります。
これは「温裏剤」のグループであり、『金匱要略』に出てくる、有名な「大建中湯」の附方(方意が類似している薬)として紹介されています。
要するに中焦を温めて寒邪を散らし、冷え痛みをとるのが方意な訳ですが、方意が似ているのに、組成はまったく違います。(苦笑)
ここが漢方の面白いところなんでしょうね。
・・・まあ、鍼灸もそうですね。
同じ効果を狙って、全然違う経穴に、全然違う鍼灸をすることは、日常的にあります。
「大建中湯」の場合は、脾胃+主に肺腎を意識しながら、急いで冷えと上逆を取りにいく方剤であるのに対して、「安中散」は脾胃+主に肝を意識して、
長期的な冷えに対して、”理気”というアプローチをかけていますね。
鍼灸でも、大建中湯的な効果を狙うのと、安中散的な効果を狙うのとでは、配穴から手技から違います。
・・・ところで「大建中湯」は、消化器外科でエラク使われるようです。
これにも触れときましょうか。
(キリがねえなー(;’∀’))
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2019.02.28
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こないだ、患者さんで、「四君子湯」という漢方薬を処方されている方がいらっしゃった。
・・・そこでふと、昔のことを思い出した。
ずいぶん前のことだが(15年以上前かな?)、蓮風先生が実技デモで腹診をしながら、
「これは四君子湯の証や!四君子湯と六君子湯は違うぞ!!どう違うか、お前分かるか!?」
と、当時の講師の先生が指されて、その先生が答えられずにアワアワしていたのを思い出した。
そのあと確か、太白に鍼をなさっていたように思う。
・・・で、当時、帰ってから、四君子湯と六君子湯の違いについて一生懸命調べたことがあった。
久々に思い出したんで、ここに書いておく。
〇
四君子湯の出典は中国宋代の国定処方集である『和剤局方(1110)』で、この方剤は『中医臨床のための方剤学』では「補気剤」のグループの薬だ。
(「補気剤」の代表選手、といってもいい方剤みたいです。)
内容は人参6g、白朮9g、茯苓9g、炙甘草6gとのこと。
(本によって別説もあるようだが。。)
効能は益気健脾、主治は脾気虚とある。
人参と炙甘草で津液を補い、白朮、茯苓では湿邪を取る、この相反する作用をもって、全体としては脾の臓の弱りをフォローする薬、というワケだ。
(相反する作用を持つ生薬をあえて配合して、結果的に効果を高める、これを相反相成というそうです。)
それに対して、六君子湯はどうか。
出典は明代の虞摶(ぐたん 1468-1517)による『医学正伝(1515)』だそうで、四君子湯よりもずいぶん後になって考案された処方らしいですが、
これも分類的には「補気剤」のグループで、四君子湯の脾気虚がさらに進んで、脾胃ともに気虚(脾胃気虚)を起こし、さらに湿痰を生じているものに対する方剤で、
前述の四君子湯の4味に加えて、和胃降逆の作用を持つ小半夏湯の内容(半夏・生姜)を加え、さらに理気健脾、燥湿化痰の陳皮と、補脾、養営の大棗を加え、
全部で8味もの、やや複雑な構成になっている。
総じて効能は補気健脾、和胃降逆、理気化痰、主治は脾胃気虚と痰湿、ということになる。
清代の名医で有名な程国彭(ていこくほう 1662-1735)の『医学心悟(1732)』に、
「・・・気虚挟痰、清陽不昇、濁陰不降、即上重下軽、六君子湯主之。・・・」
と、簡潔に述べているように、臨床的には脾胃の弱りによって中焦から上昇(特に上焦)に痰湿が停滞しているものに使うとある。
四君子湯も六君子湯も、どちらも脾気虚を補うという点では同じだが、六君子湯の場合は胃の気虚と痰湿の邪実が射程に入っている、ということですね。
鍼では、四君子湯の場合は大白への補法でいいと思うが、六君子湯の場合は、大白だけで終われるのは相当腕達者だと思う。
二穴に分けるか、腹を使うか・・・。
いずれにせよ、所見も評価も、全然異なる。
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2019.02.25
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北辰会方式でよく使う経穴に「上巨虚(巨虚上廉)」という経穴がある。
ここは、足陽明胃経上にあり、大腸の腑の下合穴である。
(因みに下合穴の出典は『黄帝内経霊枢』本輸篇(2)、邪気蔵府病形萹(4)。ここも見逃せない。)
「通腑法」といって、ここに瀉法をすることで、大腸の腑を通じさせ、便通をよくする目的で使うことが多い。
僕もかつて蓮風先生にここに鍼をしてもらい、そのあまりの効果に驚いたことをよく覚えている。
さて、『黄帝内経霊枢』海論篇(33)に、こんな一文がある。
「・・・衝脉者.爲十二經之海.其輸上在于大杼.下出于巨虚之上下廉.・・・」
奇経八脈のうちの衝脈が、十二経の海であり、その治療穴に大杼、上廉、下廉があると。
僕はこの一文が、鍼灸学生の頃から気になっている。
なので、「通腑法」以外の意味や効果を期待して、上廉も下廉も使う。
・・・少し、分かってきた。
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2019.02.19
清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、
募集内容の詳細はこちら!!
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清明院では女性の患者さんが多い、「股関節痛」。
これは、外側に出るもの、内側に出るもの、動作時に出るもの、動作開始時にのみに出るもの、安静時にも出るもの、大腿部にまで放散するものなどなど、痛みの出方は実に様々。
整形外科で、股関節の変形を指摘されているものも、ないものもある。
この部位の疼痛は、膝関節と同じく、毎日歩行する以上、安静が保てず、症状が遷延しやすい。
また、一時的に疼痛が緩解しても、再発を繰り返しやすい。
鍼灸臨床サイドでは、如何に「人工股関節」という最終手段にさせないか、筋力低下、歩行困難を食い止めるか、がポイントになる。
(もちろん無理、無茶はしません。)
即効性が得られ、なおかついい状態が持続するものの多くは軽症であり、正気の虚が関与しているものであれば、治療に時間がかかることが多い。
しかし、三歩進んで二歩下がるような地味な治療であるが、キチッとやると、キチッとした効果が期待でき、患者さんから非常に感謝される症状でもある。
それくらい、歩行時の腰下肢の疼痛というのは嫌なものだ。
股関節(周辺も含む)に流注する経絡は、ザっと
足陽明胃経(経脈(気衝)、経別(髀関)、経筋(髀枢))
足太陰脾経(経脈(衝門)、経別(髀)、経筋(髀))
足太陽膀胱経(経脈(八髎穴、髀枢、会陽穴)、経筋(会陽))
足少陰腎経(経脈(長強、会陰))
足少陽胆経(経脈(環跳、居髎、気衝)、経別(髀枢)、経筋(髀枢、長強、伏兎))
足厥陰肝経(経脈(衝門、府舍)、経別(前陰部で足少陽と会合))
となり、
(笑・・・足の三陰三陽全部じゃんか!)
奇経では、
任脈(会陰)
督脈(会陰、会陽)
衝脈(会陰、気衝、陰股の内廉)
帯脈(五枢、維道)
陽蹻脉(居髎、環跳、股外の前廉)
陰蹻脉(陰股)
陽維脉(居髎、環跳)
陰維脈(股の内廉、府舍、会陰の傍ら)
となる。
(笑・・・これも全部じゃんか!)
絵が下手だから書かないけど、上記を股関節にズームして図に起こすと、股関節の経絡学的な立体構造が見えてくる。
それを疼痛部位、可動障害の起こっている方向と照らし合わせれば、経絡学をキチッとやっている人であれば、色々な配穴や診どころが浮かぶ筈。
まあ、臨床上多いと感じるのは、脾経胃経、肝経胆経から起こるもの。
それらを勘案して、上手に調整すれば、イケるものはイケる。
つい最近もイケた。
今まさにイケつつある症例もある。
腎の関与がキツイものだと、難しいのかな、という気もする。
【参考文献】
『臓腑経絡学』藤本蓮風他 アルテミシア
『現代語訳 奇経八脈考』李時珍著 勝田正泰訳 東洋学術出版社
『奇経八脈考全釈』李時珍著 小林次郎訳 燎原
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2019.01.25
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前回のお話し
「腹哀」という経穴 ① 参照
◆「哀」をどう考えるか。
360以上ある経穴のうち、「哀」という文字が使われているのは「腹哀」一穴のみです。
経穴の名前に「哀しい」の「哀」とはどういうことかと、それだけでも興味をそそります。
東洋学術出版社『針灸経穴辞典』によると、
「哀」は泣き叫ぶという意味があり、腹痛の際に腹鳴が泣き叫ぶように聞こえるからこの名がついた
とあります。
(マジかいな(笑))
燎原『針灸経穴名の解説』によれば、上記の説明とともに、『春秋繁露』の、
「哀気は太陰となし、季節は冬に当たる」
という文を引用し、
従って哀気は陰を主とし、陰は閉結しやすいので腹痛、消化不良、大便膿血を主とする
と説明しています。
(これは少し臨床的ですね)
近代文藝社『鍼灸経穴名の解釈と意義』によると、上記以外の解釈として、『会元針灸学』という本から引用し、
「哀」は乞い求めること、腹は脾胃の消化吸収の働きを乞い求めることからこの名前がついた
と、分かったような分からないような説明が書かれています。(苦笑)
また、上記の説明は全て青島出版社『中国針灸穴位通鑑』にも記載されていました。
(中国語だけどね。引用文献の漏れのなさでは、やはり経穴書の王様です。誰か完訳版書かねえかなー♪(*‘∀‘))
因みに『中国針灸穴位通鑑』には、『釈名・釈義語』から引用して「哀は愛なり」という、なんかカッチョイイ解説もありました。(笑)
昨日書いたように、僕が以前から着眼していた、「腹哀」穴の”横並びに重要経穴多いよね”問題に着眼している解説は、上記各書には残念ながらなかったが、
なんと先日紹介した『経穴名辞攷』には、このことがバッチリ書かれていた。( ゚Д゚)
『経穴名辞攷』 参照
小田規矩之介先生と、着想がカブっていたことが嬉しかった。(笑)
続く
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2018.12.12
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これまでのお話し
参照
さて、続きいきましょう。
◆積聚癥瘕関格(しゃくじゅちょうかかんかく)
1.積聚癥瘕が転動しない者(『東医宝鑑』に張仲景の言として紹介)
2.関格の病(※)で尿閉があるもので、頭汗がないものは生きる、頭汗があるものは死す『東医宝鑑』
(※関格・・・小便が通じない病を関、嘔吐が止まないのを格、西洋医学的には腸閉塞等の重い病のことを指す)
3.平素疝瘕(ここでは腹背の痛みを伴う腹皮の隆起)があり、大病の後にこれの位置が変わるもの(浅田宗伯『先哲医話』に和田東郭の言として紹介)
・・・今日は有名な「積聚モノ」です。
しかも李氏朝鮮時代の許俊(ホジュン 1546-1615)の、有名な『東医宝鑑』の話が出てきます。
(あ、『東医宝鑑』の話、そういえばしてなかったなあ・・・。そのうち書こう☆)
東洋医学では、腹部に出来る塊や、気の停滞のキツイもののことを「積(しゃく)」「聚(じゅ)」、合わせて「積聚(しゃくじゅ)」と呼ぶことがあります。
この根拠は『黄帝内経霊枢』の五変(46)や『難経』の55難、56難に出てきます。
いずれにせよ、腹部に腫塊があり、これが動かないものは良くない、あるいは、大病の後に変に動くものは良くない、と書かれてあります。
ここでは、特に2.の頭汗の話は面白いですね。
「頭汗」という現象については、以前取り上げました。
頭から汗が出る人 まとめ 参照
この場合は、頭汗がある場合は特によくない所見、と捉えるようです。
・・・さて、これをどう考えるか。
関格は、腸閉塞、尿閉(癃閉)の重いものですから、胃腸、つまり穀道、溺孔の閉鎖(不通)が主要病理です。
これ+頭汗ということは、頭汗に関しては無汗(汗孔の閉鎖)とは逆の現象です。
こういう、浅いところと深いところで、主要病理とは逆の現象をみた場合に、「逆証」の可能性が高くなるのだと思います。
動く筈のものが動かない、動かない筈のものが動く、セオリー通りいかない、こういうものが極めて危ないのだと思います。
いずれにせよ、多面的観察が大事なんですがね。。。
続く
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(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール2023.11.16
日本東方医学会学術大会、申し込み締め切り迫る!!2023.11.01
2023年 11月の診療日時2023.10.10
清明院14周年!!