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2010.03.12
昨日、珍しく親戚からメールが入りました。
何でも、身内が「小麦アレルギー」になった(判明した)とのこと。
・・・以前から、その親戚は何となくアレルギー体質っぽい印象はあり、注意するようにと伝えてあったんですが、
「はやっ!」
と思いました。
もちろん即座に、
「鍼するべき!」
とメールしましたが、今ホントに多いですね、アレルギー。
これはねー、花粉症についての時も書いたけども、内的、外的のありとあらゆる要因が複雑に絡んでいるんでしょう。
今回のケースで考えれば、どうやら小麦が外的要因、ということはおぼろげに分かりますが、内的要因について、となると現代医学的には不明な点が多いようです。
・・・そうなると根本治療(アレルギー反応自体を全く起こさないようにする)は不可能、というか不明、となり、治療は小麦と、小麦の入った食品を摂取しないことと、
もし湿疹等の症状が出てしまった場合は軟膏等で対症療法的に抑えよう、それしかない、となる訳です。
この、患者さんにとっては大変厳しい場面で、東洋医学がパワーを発揮します。
同じ小麦アレルギーでも、よくよく観察していくと、必ずその患者さん独特の「特徴」が出てきます。
まず、最近発症したということであれば、「春先」に初発、ということが分かります。
その時点で、こないだ花粉症の時に述べたように、「肝の臓」「胆の腑」「木気(風邪)の関与」の関与を疑います。
また、食餌性(しょくじせい)のアレルギーというのは、花粉などと違って、食べるものに対する反応ですから、
「肝」以外にも「脾の臓」や「胃の腑」の関与もありうるかもしれません。
そして、湿疹が出た、ということになれば、それがじゅくじゅくしたものか、カサカサしたものか、赤みはどうか、熱は持っていたか、出た場所はどこか、
などを詳しく聞いて、調べていくことにより、徐々に「体の内面」の「どこがどう」おかしくなっているか、という問題が明らかになってきます。
コレを整えていくことによって、結果的に「小麦」という食品に「普通に」、「人並みに」対応できる状態に持っていければいい訳です。
「エエ!?小麦アレルギーって、肝臓や胃が悪いんですか!?」
と思った方が、もしいたらいけませんので、これは何度も何度も繰り返し、しつこくしつこく述べていますが、東洋医学の言う内臓学と、西洋医学の言う内臓学には違いがあり、
当然、東洋医学の言う「肝の臓」と、西洋医学の言う「肝臓=Liver」は違います。
五臓六腑ってなんですか? 参照
・・・まあ要するに、人間は物質代謝が基本な訳で、「動く」と「寝る」のバランスが重要であるのと同じように、「食べる」と「出す」のバランス、
つまり、「同化」と「異化」のバランスがキチッと取れていれば、大概の病気は治っていくんだと思います。
現代病と言われる「アレルギー疾患」、今後も注視していきたいと思います。
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2010.02.24
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・・・続いて、「表裏(ひょうり)」についてです。
日常会話の中でも、
「表裏一体」とか、
「表裏(おもてうら)のない人」
とか、よく言いますよね。
要するに「表(ひょう)」というのは見えてる部分、「裏(り)」というのは見えない部分のことを意味します。
この意味から、「表の病」というのは、「見えてる病」「表面的な病」という意味を持ち、要は病気の位置が浅いですよ、ということを示します。
浅い、と言うと、じゃあアトピーなどの皮膚の病気は「表の病」か、ということになりますが、そうではありません。
症状の出ている部位のことではなく、あくまでも、主な病変部位(言わば主戦場、症状の原因となる、陰陽バランスの崩れた場所)が浅い部位にある病を「表の病」と言います。
ですので、慢性のアトピーなどでは、症状が出ているのは皮膚であっても、主な病変部位は内臓(臓腑)の機能異常、バランス異常だったりするので、
「裏の病」という判断になる訳です。
「表の病」の例を挙げると、体の外からガンガン冷やされたり、あるいは乾燥して喉が痛いなどの、かぜの初期段階なんかが相当します。
これに対して「裏の病」というのは、「見えない病」「深い部分の病」という意味を持ち、深い部分、すなわち、繰り返しになりますが「臓腑」に病があるものを言います。
これも、簡単に「深い」と言ってしまうと、西洋医学的な肝炎とか腎炎とか胃炎などの、内臓の炎症疾患とかを想像しますが、そういう意味ではありません。
東洋医学の言う「臓腑」の病変と、西洋医学の言う「内臓=organ」の病変とは、意味が違います。
東洋医学では、内臓の形体的な異常に注目しているのではなく、五臓六腑それぞれの機能のバランスの乱れに注目しているのです。
ここは混同しないようにしたいですね。
ですので、慢性の頑固な病気などは、ほとんどが「裏の病」の範疇に入ってきます。
たとえ、肩こりであっても、です。
このように、東洋医学では”表裏”という概念(ものさし)を使って、病変(陰陽バランスの乱れ)が起こっている部位(位置)を考えますので、この考え方を「病位」と言います。
我々は、前回、前々回とお伝えしてきた「虚実(病勢)」「寒熱(病性)」「表裏(病位)」という、東洋医学独特の分類概念を駆使して、
「病の趨勢」「病の性質」「病の部位」という観点から、まず大まかに患者さんの病気を大きく「陰陽」に分析する訳です。
この「虚実」の2つ、「寒熱」の2つ、「表裏」の2つの物差しを使って、まず病を大きく「陰陽」の2つに分けることを、
「8つの綱領を弁(わきま)える」という意味で「八綱弁証」と言います。
因みに個人的には「虚実」の2、「寒熱」の2、「表裏」の2をそれぞれ組み合わせると、「虚・寒・表」「虚・寒・裏」「虚・熱・表」・・・と、組み合わせが8通りできるので、
その8通りの組み合わせに、とりあえず全ての病を概括できるという意味で「八綱弁証」という理解の方が好きだったりします。
この分類概念(弁証法)は、実は他にもまだまだあります。
そのうち気が向いたら書こうかな、と思います(笑)
それで、「ここぞ!!」というところに鍼灸を施し、アンバランスを整え、治療させていただく訳ですね。
東洋医学は、とっても科学的で芸術的な医学なんです。
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2010.02.19
明日から暖かくなるようですね。
ようやく、というところでしょうか。(苦笑)
・・・しかし、ここのところの寒さは異常ですね~。
そんなわけでかぜひきさんをよく診るんですが、よく患者さんから、
「「かぜ」って鍼で治療できますか?」
と聞かれることがあります。この質問に対して、僕はいつも
「もちろんできます。ただ、摂生が一番ですがネ。。」
と答えています。
東洋医学では古くから、現代医学で言うウイルスや細菌による急性の病気のことを指して、
「外感病(がいかんびょう)」
と呼んで、様々な治療法を考案し、成果をあげています。
(漢方薬はもちろん、鍼灸でも、です。)
この理論に従って治療をすれば、直後にその場でのどの痛みがとれたり、発汗して熱が下がったり、寒気や関節痛がとれたりすることはよく経験します。
(ちなみに今日もありました(笑))
・・・しかし、どんなに無理していようとも、鍼していればオールオーケーかと言うと、残念ながらそうではありません。
やはり基本は十分な睡眠、胃腸への負担の軽い食事、安静(無理に動かない)です。
それをやった上で、鍼で「病気と闘う力」、「治る力」を高めてやれば、より効果的で、早く治るよ、ということです。
「鍼」があまりにも高い効果を示して、それに慣れると、一にも二にも「養生」が大事だ、ということを忘れがちになります。
しかしこれは逆に言うと、まずはしっかり養生して、鍼灸で体のバランスを整えていれば、あらゆる病を予防できるよ、ということでもあります。
・・・あと少しで暖かくなります。
鍼と養生で、なんとか乗り切りましょう!
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2010.02.02
七情シリーズ、続いて「思」についてです。
人間は普通、何か行動する時、常にその前にそれを、
「しようと思って」、
行動する訳ですよね?
これが思慮「深い」行動だと、人様から高く評価されたり、思慮が「浅い」行動をして、争いごとの種になったりすること、ありますよね??
しかし、東洋医学では、思慮深かったら無条件にイイ!という訳ではなく、「思慮過度」と言って、思慮しすぎてもいけないし、思慮が不足し、
遂げられなくても、体に悪影響だ、と考えます。
(ここでもやっぱり、問題は”過不足”、”バランスの不調和”です。)
「思」という感情は、東洋医学では五臓の中の「脾」という臓に悪影響を与え、食欲不振やお腹が張る、といった、様々な症状を出します。
(これは西洋医学の脾臓=spleenとは違いますよ!僕はこれを何度でも言います!)
【参考】
『素問 陰陽応象大論(5)』「・・在志爲思.・・」
『同 五運行大論萹(67)』「・・其志爲思.・・」
・・・まあ、クヨクヨ思い悩んで、食欲不振や消化不良、こういう経験、思い当たる人も多いのでは?
ちなみに東洋医学の言う「脾」というのは、いわゆる現代医学の言う、「胃腸の働き」そのものを指して言うことが多いです。
さらに、東洋医学では、短期記憶や、血流そのものや、血の生成などにも大いに関与する、と考えます。
(ざっくり言うとね。)
また、「思えば気が結す」と言って、思い悩んだ状態が長く続くと、全身の血行が悪くなり、ひどければ出血傾向(不正出血、鼻血etc..)の原因にもなります。
(『黄帝内経素問 挙痛論(39)』「・・思則氣結.・・」)
また、飲食の不摂生などによって、先に「脾の臓」(胃腸の働き)が弱って、結果として精神的に思い患いやすくなる、という
「逆のパターン」
もあります。
(これけっこう大事!)
現代人は、食生活のメチャクチャな人があまりにも多い気がします。
(時間といい、食べてるモノといい、です。)
現代は、昔と違って、欲望のままに簡単に何でも食べるものが手に入る、まさに飽食の時代ですので、これが、あらゆる病の原因となっているケースは非常に多いと思います。
(しかも欧米型の、添加物、着色料満載の加工食品ばっかり!)
・・・気を付けたいものですね。(苦笑)
江戸時代中期、観相学(南北相法)で有名な水野南北(1760-1834)は、
「食は運命を左右する。」
と言って、節食こそが運気を好転させる秘訣だ、という意見を述べています。
彼がもし現代にいたら、現代人の食生活を見て、どういう感想を持つでしょうか・・・。(苦笑)
・・・次回は「悲」と「憂」についてです。
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2010.01.20
前回は、「寒燥」についてのお話をしました。
今回はその逆の「湿熱(しつねつ)」について書いてみようと思います。
最近の気候は、前回述べたように、まさに「寒燥」という感じであります。
それとまったく逆なので、時期外れのように感じますが、日々、患者さんを診ていますと、今の「寒燥」の時期であっても、この「湿熱」という邪気が問題になることがあります。
・・・コレ、なぜでしょうか?
これは、現代の食生活と、発達した空調機器に、問題の中心があるのではないかと愚考しています。
◆「湿」について
「湿邪(しつじゃ)」というのは、外界では湿度の高さ、人体内では水分の停滞が過剰に存在することで、人体に病的な異常を起こす「邪気」の一つであり、
性質の上から「陰邪」に分類されます。
つまり、「湿邪」というのは、平た~く言うと、
「余分なお水」
を意味しますので、単純に水分(お酒も含む)の摂り過ぎ、あるいは食べすぎで胃腸が弱った場合にも、水分がうまく捌けなくなって、結果として体内に「湿邪」が生じます。
体外の「余分なお水」は、というと梅雨時期や夏場のムシムシ、ジメジメした時期に湿度が高くなる、まさにあれのことです。
(もちろんそれが人体に悪影響を及ぼした時に、”湿邪”という邪気として認識する訳ですね)
◆「熱」について
それに対して「熱邪(ねつじゃ)」というのは性質的には「陽邪」に分類され、からだの内外に存在する”余分な熱”のことを言います。
ここで勘違いしてほしくないのは、現代人は「熱」と聞けばすぐ体温の「発熱」を想像しますが、東洋医学の言う「熱」というのはそれだけではなく、
ある種の咽喉の渇きや便秘、過食傾向、またカゼや感染症の原因などになるもの(邪気)として「熱邪」というものを位置づけています。
こういう、東洋医学と西洋医学の概念の混同が、東洋医学が正確に理解されにくい原因の一つだったりします。
前もこんなようなこと言ったかもしんないけど、カゼひいて熱がある人をみた時に、「すごい熱だね~」ではなく、
「体温がHOTだね~。」
とか、
「HEATだね~。」
とか言ってくれれば、混同されにくいのにな~・・と思います。(笑)
体外の「熱邪」は、というと、夏場の暑い時期や、冬場でも過剰な暖房などで不快なほど熱すぎる状況の時に、人体に悪影響を及ぼした時に「熱邪」と考えます。
(分かりやすく言うとね。)
この2つ、「湿邪」と「熱邪」が合体したものを、東洋医学では「湿熱の邪気」と呼び、「寒燥」と同じように、陰邪と陽邪ががうまいことバランスをとっている、邪気の中でも「手強い奴」な訳です。
現代は、外が寒くて乾燥していれば、家の中は暖房と加湿器を使って快適を得ようとします。
しかしやりすぎれば、秋冬なのに「ムシ熱い室内」になってしまいかねません。
そうなれば「寒燥」ではなく、季節外れの「湿熱」の病になりやすくなります。
また冬場は、寒いからと、あまり外に出歩くことも少ない人が多く、運動不足になりやすく、忘年会や新年会などで、暴飲暴食、過食傾向になりやすいです。
こうなると胃腸は弱り、水分が捌き切れず、体内に余分なお水である「湿邪」が増えます。
さらに、汗もかきにくい時期ですので、体内の余分な「熱邪」を汗によってうまく排出(発散)することも出来ず、結果、体内に「湿熱の邪気」が生じてしまう場合があります。
こうして現代では、冬場なのに「湿熱」の病が問題になることがある訳です。
「湿熱」については、大変面白い部分でもありますので、もっと細かく書こうかなとも思うのですが、時期的に梅雨時期とかの方が実感しやすいかな、
と思うので、その頃になったら、また詳しく述べてみようかなー、と思っています。
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2009.12.20
(その1)では、現代人は水分を飲む量が多過ぎてることが多いように思う、というお話をしました。
今日はその続きとして、飲むものの種類(質)について考えてみたいと思います。
清明院では初診時、(一社)北辰会専用カルテを使用しています。
ここには、一日の水分摂取量と、尿の量の比較、また、カフェイン類(コーヒー、紅茶etc..)をどのくらい摂っているか、飲酒量と飲酒頻度はどうか、
などなど、詳しく質問事項が並べてあります。
「飲み物」というのは、当然それぞれの種類によって、体内に入った時に人体に及ぼす影響は異なります。
東洋医学では、単なる「水」でさえも、30種類程度に分類して考えている(ホジュンにも出てきましたね☆)ほど、飲み物が持つ作用というのは、
時には薬にもなり、時には毒にもなる、と考え、大変重要視しています。
つまり、飲み物の種類、量、出入りのバランス、体表所見や症状をトータルで考えて、摂取している水分がその人にとって余分な「毒」になる場合、
結果的に体内に「余分なお水」が増えてしまって、それが結果的に「ムクミ」となる訳です。
ここで、この世の全ての飲み物について解説することなど、到底出来ませんし、そういった専門書もたくさんありますので、ここでは、患者さん向けに、
おおよその傾向を述べますので、参考にしていただければ、と思います。
1.甘い飲み物(糖分の多いもの。たくさんありますね。)
・・・心身の緊張を緩め、少量、適量であれば胃腸には良い。しかし飲み過ぎればかえって胃腸を弱らせ、便秘、のぼせ、慢性の炎症などのもとになる。
2.苦い飲み物(コーヒーが代表選手かな。)
・・・これも心身の緊張を和らげ、適量であれば便秘やのぼせの解消に役立つ。しかし飲み過ぎればかえってのぼせて、全身的には冷える。
3.酸っぱい飲み物(果汁100%ジュースとか、ああいうのの甘くないやつね。)
・・・これは体を引き締め、シャキッとさせますが、飲み過ぎれば血行を悪くし、体を冷やします。
4.冷たいものがいいのか、温かいものがいいのか
・・・これはその人の体質によってケースバイケースなんですが、基本的には極端に冷たいもの、極端に熱いものは避けて、一気飲みはしないように、チビチビ飲むのが無難でしょう。
5.お酒は?
・・・お酒は「百薬の長」という言葉があるくらいで、適量であれば、心身の緊張をほぐし、血行を良くする作用があります。
問題は飲み過ぎた場合、胃腸、肝臓、腎臓、その他内臓を弱らせ、慢性炎症、その他様々な症状の原因、引き金になりえます。
まあ、もろ刃の剣ですな。(苦笑)
6.カフェイン類は?
・・・これは、ここぞ!という時に使うべきであって、日常的に常用、過飲するのはお勧めできません。常用していると徐々に体の上下のバランスを大いに崩すようです。
(いわゆる冷えのぼせみたいな状態ですね。)
・・・とまあ、超簡単にザックリと示してみました。
まだまだ挙げていけばキリがないんですが、結局は、量的にも質的にも「偏らない」ことがとても大事だ、ということです。
色々な物をバランスよく、しかも全体量として行き過ぎない程度に飲む、というのが理想なんです。
ちなみに、これは何も東洋医学独特の考え方でなく、現代の最先端の栄養学でも、ほぼ同じような結論に至っているようです。
よく知られた言葉で、「医食同源(いしょくどうげん)」という言葉があります。
(因みに「医食同源」という言葉自体は東洋医学にはないようですが。参考サイト)
上記のような飲食物の特性を知っていれば、体調が悪い時、何かを控えて、何かを多めに摂るだけで、特別に鍼灸、漢方で治療なんてしなくても、
自分で十分に対応できちゃいます。
まさに「未病を治す」ことが出来る訳です。
普段の自分自身の食生活の傾向を知っておくことは大変重要ですので、この機会によく見直してみるといいと思います。
調子の悪い人はたいがい「偏り」があるはずです。
まさに東洋医学のいう「陰陽」のアンバランスなんですね。
◆参考文献
『東方栄養新書』メディカルユーコン
『中国伝統医学による食材効能大事典』東洋学術出版社
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2009.12.15
先日、とある患者さんのお母様から、何気ない会話の中で嬉しいことを言われました。
母「先生の治療を受けるようになって、娘が見違えるように元気になりました!」
竹「あー、それは良かったですねー。」
母「こないだ娘がね、
「お母さん、なんか最近生きる気がしてきた!」
って私に言うんですよ~。ありがとうございます~。」
竹「・・・(一瞬沈黙)ああ~、それはいいことですね~!(笑)」
この会話の赤字部分に、僕はけっこう本気で感動しました。
面白いもので、対象者(この場合、患者さんご本人)から言われるよりも、第3者から言われる方が、人間の感情を揺さぶる効果は高いですね。
これがなぜ効果的なのか、という問題は今度語ることにして、たとえ癌とかアトピーとか、それ以外のいわゆる「難病」じゃなくても、病院で病名もつかず、
「ストレスでしょう」
とだけ言われ、様々な辛い症状を治らないまま抱えておられる患者さんにとっては、毎日がまさに生き地獄だったりします。
仕事もつまんない、友達もいない、恋人もいない、家族ともうまくいかない、体のあちこちに色々な症状がある・・・
「いったい私はなんで生きているんだろう・・・。」
とか、
「これから何を目標にして生きていったらいいんだろう・・・。」
とか、色々と悩み、しまいには、
「どうしたらここから逃げれるんだー!」
とか、
「何かにすがりたい―!」
とか、クヨクヨ、ウジウジと弱腰に考えてしまって、余計に悪循環に陥ってしまい、暗い日々を送っておられる患者さんを、多く見かけます。
そういう患者さんの多くを笑顔に変えることが、「鍼」には出来ると思います。
当然ですが、鍼にすがりゃあオールオーケーという意味ではないですよ。
誤解なきように!
自助努力が大切なのは言うまでもないです。
鍼は魔法ではなく、患者さん自身の「治る力」を手助けする大変優れたツールだ、ということです。
なぜそういうことが出来るかと言うと、東洋医学っていうのは、人間の「精神面も含めた」「全体的な」アンバランスを診る、正す、という観点を絶対にはずさないからなんだと思います。
ということは、人間の「心」と「体」も、分けて考えないんです。
西洋医学では心は心療内科、体は内科や外科、ですよね?
東洋医学では心と体を分解して考える、という考え方自体がそもそもありません。
専門的に言うと分ける考え方もありますが、それは便宜上分けてるだけで、結局は一つのもの、という考え方が貫かれています。
それを「心身一如(しんしんいちにょ)」と言います。
(「心身一如」自体はもともと禅の言葉)
体の治療即心の治療、心の治療即体の治療、という考えのもとに成り立った医学であるため、この医学に基づいて「治療」を施すと、体の症状が良くなるにつれて心も穏やかになってくる、
前向きになってくる、という現象がしばしば起こります。
心の問題以外にも、肩こりの治療をしてたら胃痛が治った、とか、頭痛の治療してたら生理痛も治った、とか、東洋医学には副産物がたくさん付いてきます(笑)
副作用どころか副効果、です。
それで、上記のような言葉につながる訳です。
「人生を変える一本の鍼」
・・・これって、素晴らしいことだと思いません??
いや~しかし、冒頭の赤字部分の言葉、あとからじわじわ来ます(笑)
東洋医学は、鍼はほんとにスゴイです。今日も明日も明後日も、鍼が出来る、させていただける、ということを、誇りに思います。
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2009.12.09
今日は、よく言われる「五臓六腑」とは何か、について書いてみたいと思います。
よく、うまい酒を飲んだ時に
「五臓六腑に染み渡るわ~!」
なんて表現がありますが、これは実はもともと、東洋医学の言葉なんです。
このブログの中で、何度も
「人間の陰陽のバランスを調えて病気を治すのが東洋医学です。」
と書いてきました。
もちろんこれはこれで、すごく大事な、根本的な考え方なんだけど、
「じゃあそうするためには、実際にどうしたらいいの?」
という疑問が当然浮かびます。
・・・コレに答えるためには、あくまでも「気」や「陰陽」という考え方(根本哲学)に則った、「人間の体のしくみ」をしっかりと理解する必要があります。
そこで考え出された(想定された)のが、「五臓六腑」という、人間の内臓に対する考え方です。
コレの内訳は・・・
・五臓:(肝・心・脾・肺・腎(かん・しん・ひ・はい・じん))
・六腑:(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦(たん・しょうちょう・い・だいちょう・ぼうこう・さんしょう))
となります。
これらの一つ一つに対する解説はいくらでも専門書がありますし、難しくなるので今日は解説しませんが、いずれ簡単に解説出来たら、と思っています。
この分類に基づいた人間の内臓を図にすると・・・
↑こんな感じになっちゃいます(笑)
(張景岳『類経図翼』より)
・・・一見、
「は?何コレ?全然実際の人間の内臓と違いますけど・・・?」
と思いますよね?
・・・江戸時代、日本に蘭学(オランダの学問)が入ってきた時、日本の多くの医者は、西洋の写実的な解剖図(現在でもよく病院の待合室なんかに貼ってあるやつ)を見て驚嘆し、
「我々は間違った理解をしていた、なんてバカだったんだ!」
とか言って変に反省し、今日までの自分たちの医学は間違っていた!と考えてしまったのです。
そして、それまでの東洋医学独特の五臓六腑の学説の用語を、そのまま西洋医学の解剖学用語に訳語として乗せていきました。
いわばその延長線上にあるのが、現代の解剖学です。
しかし、その理解は、果たして良かったでしょうか。
この図は「ある意味においては」間違っておらず、もっと深い意味、意義があるのではないでしょうか。
・・・大体、中国だって日本だって、ちょっと分かる人にとっては、この図が実際に人体を解剖したものと違うことなんて、百も承知だったはずです。
江戸期から、舶来品を無批判に受け入れ、新しモン好きで付和雷同な日本人なんでしょうか。。。(苦笑)
まあともかくこの図は、「今まさに、実際に生きて動いている」病人や健常者を、医師が五感をフル活用して徹底的に観察し、数百年、数千年かけて徹底的に臨床レベルで実験しまくった末に考え出された、
「人間の生理機能」
と、
「体の表面に現れる様々な異常」
から類推した、
「“人体の構造と機能”を説明するための解剖図」
と言えます。
消毒も麻酔もない時代に、現代ほど外科手術が日常的に行われていたはずはなく、なるべく人体に負担をかけない方法で「生理機能」を調整して病気を治す、
というのが、医者の共通テーマだったはずです。
そこから編み出されてきたこの図が、江戸期に「実際の見た目と違う=まったく間違っている」と評価されてしまったのは、残念でなりません。
これはこれで正しい図なんです!
(写実的でないだけで、“機能”を説明した図である、という意味では)
ですから本当は、もともと「上の図における内臓の名前」だったはずが、西洋医学の解剖図の翻訳に使われちゃってるんで、結果的に混乱のもとになって、
なんか木に竹を接ぐ様なワケ分からんことになっちゃってるのが、日本の東洋医学教育の、一つの問題点だと思います。
(まったく問題にされないけど。)
患者さんが「胃が痛い」じゃなくて「stomachが痛い」と言えば、変に混同されることもないんだが。。。
・・・この辺の話題も、話し出すとキリがないんでこのぐらいにしときますが、要は「五臓六腑」とは、
・もともと東洋医学独特の、機能面におけるトータルなバランスに調和に着眼した内臓学の言葉で、
・東洋医学がこれを考える上で相手にしたのは“形態“じゃなくて、外から人間の五感でうかがうことの出来る“機能”ですよ、
ということです。
西洋医学もいいけど、東洋医学もいい!
とりわけ、東洋人には東洋医学がいい!!
やっぱりなんだかんだ言って、そもそもの体質や感覚に合ってる!
「伝統」というものをバカにするモンじゃない!
・・・そのように「強く」思っています。
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2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2025.03.01
2025年 3月の診療日時2025.02.06
2025年1月の活動記録2025.02.01
2025年 2月の診療日時2025.01.21
順天堂東医研、第6回公開シンポジウム「総合診療と東洋医学」2025.01.10
2024年12月の活動記録2025.01.02
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謹賀鍼年!!2024.12.28
年内診療終了!!2024.12.14
2024年11月の活動記録2024.12.01
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2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
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患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
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(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
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2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール2023.11.16
日本東方医学会学術大会、申し込み締め切り迫る!!2023.11.01
2023年 11月の診療日時2023.10.10
清明院14周年!!