お電話
03-6300-0763
10:00~21:00(完全予約制)
2017.05.17
**********************************************************************************************
↑↑↑ ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>
クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************
これまでのお話
◆胃の気の働きを直接うかがう脈とは
このブログにも何度も出てきている永田徳本(1513?-1630?)先生。
この先生の『診脈論』という本の中に、
「食前食後で、脈が変わっていないものは胃の気なしとする」
と説かれています。
一般に、食事をすると脈は大きく、やや早くなります。
こういう変化がないものは良くない、と考えます。
(因みに個人的には、食事が入ったのに、かえって硬くなるもの、あるいは細く弱く遅くなるものは、非常に良くない、という印象を持っています。)
運動や入浴でも同じような現象が起こりますが、食事の方がより顕著であると、蓮風先生は教えておられます。
清明院でも、昔から往診をやっていますので、重症の患者さんと接する機会は非常に多いのですが、最終段階に入った時なんかに、
この方法はよく使わせていただいています。
吸い飲みで水を一口入れて、脈がどう変化するか。
これで変化しない、あるいは硬くなると、いよいよかな、と分かります。
まあともかく、飲食して脈が普通の変化をするのが胃の気のしっかりした状態、変化がない、あるいは逆の変化が起こるのは、
胃の気の弱っている証拠、と診ます。
続く
読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!
2017.05.15
**********************************************************************************************
↑↑↑ ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>
クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************
前回のお話
◆一定の恒常性の有無を診る脈とは
脈というのは、当然ながら、一定の律動性がないといけません。
これが途中で飛んだり、急に早くなったり遅くなったりするようでは、基本的にはいけません。
前回紹介した原南陽先生は、著書『叢桂亭医事小言』の中の脈論という項の中で、
「代脈(たいみゃく)という脈がある。これは”交代”の代であり、強いものが急に弱くなったり、早いものが急に遅くなったりするものを言う。
大病人にこれが出たら、胃の気が無く、死期が近いと考えてよい。」
と言います。
単純に律動性がおかしい、現代のいわゆる「不整脈」とは違って、大きさそのもの、早さそのものが急激に真逆のものに変化するもののことを、
「代脈」と呼んで、非常に重篤な脈である、という風に述べております。
一般的な中医学の教科書などでは、「結脈(けつみゃく)」と「代脈(たいみゃく)」の解説として、
結脈・・・緩慢で不規則な不整脈(遅脈の部類)
代脈・・・緩慢で規則的な不整脈(虚脈の部類)
と書かれており、『胃の気の脈診』の中で蓮風先生は、このうちの結脈について、張景岳の説を参考に、胃の気の観点から、
「結脈は胃の気の衰亡と停滞」
と、簡潔に言い切っています。
ただ、結脈が停滞なのか、衰亡なのかの判断は慎重を要する、とも書いており、この脈の難しさも指摘しています。
西洋医学では、不整脈を3つの型に分け、まあ簡単に言えば「怖い不整脈」と「怖くない不整脈」とに分けており、場合によっては、
抗不整脈薬やカテーテルアブレーション、ペースメーカーの使用を勧めているようですが、現在では不整脈の治療は非常に進歩したようで、
ほとんどのものは治せる、という認識のようですし、ほとんどのものは怖くない不整脈である、としています。
診断には、ホルター心電図(24時間心拍をモニターする検査)を用います。
(電極が少々煩わしいけど、全く痛み等は伴わない検査です。)
まあ、心臓の病というのは、全く健康に見える人が突然倒れて、そのままあの世行き、なんてこともあり得ますから、
心配であれば、一度精密検査を受けてもいいんじゃないでしょうかね?
・・・まあともかく、我々の立場からは、脈に一定の恒常性がないものは、胃の気の異常の一つであり、重症患者に出ていたら非常に危ないし、
一般の慢性雑病の患者に出ていても、ちょっと注意を要する、と考えます☆
続く
読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!
2017.05.14
**********************************************************************************************
↑↑↑ ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>
クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************
これまでのお話
◆有力無力による脈とは
以前、このブログでも紹介した、江戸後期の名医、原南陽(1753-1820)先生が、その有名な著書『叢桂亭医事小言(そうけいていいじしょうげん)』の中で、
このように述べております。
「脈の拍動を押しつぶしてみて、すぐに切れてしまうようなものは、胃の気が無いよ~~。」
と。
前回、強すぎるものも良くない、というお話をしましたが、やはり脈は、押しつぶす力に抵抗して、押し返してくる力は、最低限ないといかんのですよ。
重要な教えだと思います。
そしてこの教えを、蓮風先生はさらに細かくアレンジして理解、運用しています。
続く
読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!
2017.05.13
↑↑日本人にとって、特別な場所。
**********************************************************************************************
↑↑↑ ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>
クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************
前回のお話
◆名状をもってするに難しき脈とは
以前このブログでも紹介した、明末から清初の名医、李中梓(李念莪1588-1655)先生が、その超有名な著作である、
『診家正眼』の中で、この様に述べております。
「胃の気のしっかりした脈というのは、大きいようで小さい、堅いようで柔らかい、何とも言えないちょうどいい脈なんです~~」
と。
まあつまり、中庸を得たような、言語で表現するのが難しい脈なのである、と。
そうはいっても、北辰会では、各古典や歴代医家の見解を参考に、「胃の気のしっかりした脈」について、以下のように表現しております。
緩滑(かんかつ・・・緩んでいるけどしっかりもしている)
弱以て滑(じゃくもってかつ・・・弱いんだけどもしっかりしている)『素問 玉機真蔵論』に記載
軟滑徐和(なんかつじょわ・・・柔らかいんだけれどもしっかりしており、ゆったりとしている)『景岳全書』に記載
衝和(しょうわ・・・強いんだけれども和やかである)『血証論』に記載
まあ、上記のような感じの脈から、離れれば離れるほど、それは病的な脈である、と考えられるわけです。
つまり、噛み砕いていえば、硬すぎる、強すぎる、早すぎる、あるいは反対に弱すぎる、遅すぎる、柔らかすぎる、などの脈は良くないっちゅうことです。
要は、やっぱ中庸が大事、ってことね。(*‘∀‘)
脈とて、その原則から外れるものではないのです。
続く
読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!
2017.05.11
↑↑落雷現場と仏さん。
**********************************************************************************************
↑↑↑ ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>
クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************
前回のお話
◆四時陰陽に従う脈とは
これはもともと、『黄帝内経素問』平人気象論(18)に出てくる脈のお話です。
「平人」というのは健康人のことで、平人の脈には四季それぞれに応じてわずかな変化が現れるのが正常、と説きます。
具体的には、
春は微かに「弦(げん):新緑の弦のようにしなやかで長い脈」
夏は微かに「鈎(こう):大きな脈。鉤脈、洪脈と意味は同じ」
長夏(※)は微かに「耎弱(ぜんじゃく):弱々しい脈」
秋は微かに「毛(もう):浮いた脈」
冬は微かに「石(せき):沈んだ脈」
という脈状が現れる、と説きます。
((※)長夏については、日本では梅雨時期、秋雨の時期のことである。 by『内経気象学 P37』緑書房 橋本浩一)
この「微かに」というのがポイントや!と、昔から藤本新風先生はいつも仰います。
この「平人気象論」の話は、後の漢の時代に書かれたとされる『難経』にも受け継がれ、その「15難」にも出て来ます。
『難経』15難では「微かに」が削除されているのですが、削除するべきでない、というのが北辰会の意見です。
こうやって、いくら大古典であっても、100ゼロで丸呑みするのではなく、おかしいところはおかしい、という意見を持つこと。
非常に重要だと思います。
続く
読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!
2017.05.10
↑↑落雷現場。恐ろしいですね。( ゚Д゚)
**********************************************************************************************
↑↑↑ ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>
クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************
先日、学生さんから質問をいただいたので、ちょっとまとめておきます。
◆胃の気の脈診とは
北辰会方式では「胃の気の脈診」という脈診法を行います。
これは、明代の名医、張景岳の言う「弦急脈」という考え方を、北辰会の藤本蓮風先生が、鍼灸臨床家の立場から再解釈し、
我々鍼灸師の臨床に使いやすいように新たに編み出した脈診法です。
東洋医学で「胃の気」という時は、基本的に「生命力そのもの」を指します。
北辰会方式では主にこの脈診法で、患者さんの胃の気(生命力)が活発なのか、そうでないのか(衰え気味なのか)を見極めています。
病気というのは、要は胃の気(生命力)が活発、旺盛でない状態。
治療が上手くいくと、胃の気が活発、旺盛になる。
それを見極めるのが「胃の気の脈診」です。
胃の気が活発、旺盛な脈には、色々な現れ方があるのですが、その中の一つに、「四時陰陽に従う脈」というものがあります。
これは、「春夏秋冬」の四季の流れが、脈にきちんと反映されているかどうかを見極める脈診法です。
長くなったんで続く。。
読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!
2016.09.16
清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、求人募集しております。
**********************************************************************************************
↑↑↑ ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>
クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************
「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。
2年半程前に、仕事のストレスと過労から、パニック・胃腸障害・自律神経失調など、とにかく日常生活がままならない程、身体を壊しました。
仕事を辞め、漢方薬で治療をし、2年かけて少しづつ少しづつ良くなってきたのですが、あと一歩というところでなかなか全快せず。
体力勝負の仕事の為、なかなか復帰出来ずにいたところ、ネットで清明院を見つけました。
病気と闘うのにも疲れ果て、金銭的にも悩みましたが
「これでダメなら諦めよう」
という気持ちでお願いしたのが始まりです。
初めての鍼の最中、感じた事のない頭のモヤモヤした痛み?が起きたので驚いたのですが、たった鍼1本刺しただけなのに身体にこんな反応が出るなんて・・・と、
逆に期待が膨らんだのを覚えています。
私の場合、翌日くらいまで少し症状が強くなるけど、そのあとスッと軽くなる、という変化を繰り返し、
「あれ?いつもより食べられる」
「そういえば疲れにくくなった」
と、小さい変化の積み重ねで、気づけば身体はみるみる回復。
鍼灸治療開始以前から服用していた漢方も併用してはいましたが、あれだけ手こずっていた症状が、あっという間に回復したのは間違いなく先生の鍼のお陰です。
そしてたった2カ月でついに念願の仕事復帰が出来ました!
その後、高血圧に悩む母を紹介しました。
母もみるみる元気になり、母娘共に長く病気に振り回されて来たので、もっと早く先生に出逢えていれば・・・、と思うばかりです。
そして、あるのが当たり前だった、のたうち回る程の生理痛までなくなり、根本治療の意味を実感しています。
4か月たった今、仕事がハードだと少し体調を崩す事もあるのですが、少し休めば自分で回復出来るようになりましたし、
何かあっても清明院があるから大丈夫!と前向きな気持ちで取り組めています。
一回6000円。
初めは迷いましたが、元気になった今は、健康で好きな仕事を続けられる為なら惜しいとは思いません。
今後も仕事との向き合い方を改めつつ、身体のバランスをしっかり整える為通い続けたいと思っています。
どうぞ宜しくお願い致します!
この方の初診は2016年5月でした。
初診時、これまで様々な治療を繰り返してきたけど、どれもなかなか決め手にはならず、苦労しておられる様子がよく分かりました。
こういう患者さんが、実は非常に多いのです。
西洋医学の専門病院の網の目からこぼれた患者さんです。
そして、こういった症状、状態に、鍼灸治療が効く、ということを知っている患者さんが、これまた非常に少ない。
そして、それに応えられる鍼灸院も、非常に少ない。
嘆かわしいことですね。
この患者さんは、初診時、「肝鬱気滞≧脾腎気虚」と弁証し、慎重に治療を開始しました。
発症以来の経過が2年と、やや長いことに加えて、これまでに西洋医学、漢方薬など、様々な処置を入れているために、
かえって病を複雑化した側面もあったものと思います。
治療後は多少の瞑眩現象が起こりますが、体表所見の変化を冷静に追っていくと、確実に改善しています。
極力、瞑眩現象が激しく出ないように配慮しつつ、週1、2回ペースで治療を進めること15回ほど、期間にして2カ月弱ほどで、
仕事に復帰できるほどに回復しました。
この患者さんが診断を受けたような病名の数々は、実は西洋医学は苦手なんじゃないでしょうか?
清明院はむしろ得意ですね。
また、主訴である諸症状の改善とともに、生理痛(激痛)が改善していることは括目するべき事実であり、西洋医学ではこういう効かせ方は難しいのではないでしょうか。
その患者さん自身が持つ「治る力」の最大化という、体質改善、根本治療を目標とする東洋医学の真骨頂だと思います。
因みにこの患者さんのお母様は先日紹介した
患者さんの声(60代女性 ふらつき、のぼせ、悪心、食欲不振、肩こり、全身倦怠感)
の患者さんです。
清明院ではこのように、一人をきっかけに、おじいちゃんおばあちゃんから赤ちゃんまで、全家族が患者さんになるケースがよくあります。(笑)
読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!
2013.12.02
**********************************************************************************************
↑↑↑ ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>
クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************
東洋医学は脈を診る。
「脈診」という、大変大事な診察法。
脈診 を含む記事 参照
・・・と、ここまで書いたら急用が入った! 続きはまた。(笑)
読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!
2012.06.28
**********************************************************************************************
↑↑↑ ↑↑↑
読者の皆様、 この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>
クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************
今日、こんなニュースが目に止まった。
【胃ろうなど人工栄養中止可能に、医学会が指針】
日本老年医学会(理事長・大内尉義東大教授)は27日、高齢者の終末期における、胃ろうなどの人工的水分・栄養補給について、
導入や中止、差し控えなどを判断する際の指針を決定した。
指針は医療・介護関係者向けに作成されたもので、人工栄養補給を導入する際は、「口からの摂取が可能かどうか十分検討する」などと指摘。
さらに、胃ろうなどの処置で延命が期待できたとしても、本人の意向などにそぐわない場合、複数の医療関係者と本人・家族らが話し合った上で合意すれば差し控えが可能とした。
人工栄養補給を開始した後でも、苦痛を長引かせるだけの状態になった場合などは、再度、話し合って合意すれば、
栄養分の減量や中止もできるとした。
医療側に対しては、患者側が適切な選択ができるよう、情報提供することを求めている。
国内では近年、口から食べられなくなった高齢者に、おなかに小さな穴を開け、管を通して胃に直接、栄養分や水を送る胃ろうが急速に普及。
認知症で、終末期の寝たきりの患者でも、何年も生きられる例が増えた。
一方でそのような延命が必ずしも本人のためになっていない、との声が出ていた。
(6月28日 読売新聞)
・・・だそうです。
皆さんこのニュース、どう思いますか?
僕は大賛成ですねえ。
一度胃ろうを付けてしまったら、本人がどうな状態にあろうが「外す」という行為が許されない、ということが、どんな状況を生むかを、
僕はこれまで何度も実際に見てきました。
「胃ろう」については、以前、実際の事例を示して、チラッと書きました。
「胃」って何ですか? 参照
これ以外にも、思い出せばまだまだあります。
口内で咀嚼し、嚥下された飲食物を胃腸で消化吸収する、自然の恵みを、同化し、異化し、身体の正常な状態を保つ、というのは、我々にとって、日々当たり前の営みです。
この営みが出来なくなっても、生きている、という状態を、果たして「生きている」と言っていいのだろうか、という議論は、以前からあります。
僕は20歳の頃、往診に行き、まったく何の意思の疎通も出来ない、体は手も足もカチコチに拘縮し、麻痺している恍惚の老人が、胃ろうだけで生き延びている姿を見て、
衝撃を受けたことがあります。
その患者さんは褥瘡(じょくそう・・・床ずれのこと)が出来ても、胃ろうの接合部分にばい菌がついて炎症を起こしても、膿から強烈な悪臭を発しながらも、
まったく表情を変えることなく、横たわっていました。
痛いのか、痛くないのかすら、分からない。
口からモノが入らなくなっても、東洋医学でいう「胃の気」を強引に繋ぐことを実現させた、この技術については、もちろん否定しないけれども、
それが本人の望む姿なのか、ご家族の納得する姿なのか、そこはよくよく、考えるべきだと思います。
読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!
清明院に皆様のお力を!<m(__)m>
2010.08.09
**********************************************************************************************
↑↑↑ ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>
クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************
これまでのお話・・・
「脾」って何ですか?(その9)
「胃」って何ですか?
「胃」って何ですか?(その2)
「胃」って何ですか?(その3)
「胃」って何ですか?(その4)
「胃」って何ですか?(その5)
「胃」って何ですか?(その6)
「胃」って何ですか?(その7)
「胃」って何ですか?(その8)
「胃」って何ですか?(その9)
これまで「胃の腑」に関するお話を「脾の臓」とも絡めながら、
・機能
・形態
・症状
なんかに注目しながら、具体例も挙げて話をすすめてきました。
・・・まあ、このシリーズは専門家に向けたものではないので、概要としては大体のことは述べてきたかな、と思います。
なので「胃ってなんですか?」シリーズは、ここらで一旦完結しようと思います。
最後に一つ、ついこの間、患者さんを診ていて、
「あー、これはまずいなー。」
と思ったことがあったので、お伝えしておきます。
☆「足三里」の危険性
その患者さんは、80代の女性です。
以前から診ていて、経過もよく、安心していたのですが、最近妙に元気がなく、脈、舌、体表観察所見も「脾胃」の反応所見がよくないのが気になっていました。
そんなある日、
「先生、最近食事の後、気持ちが悪くなるんです。」
と、その患者さんは訴えました。
詳しく聞くと、のどもよく乾く、便も出にくい、食欲も落ちてきている、体がだるいとおっしゃいました。
患者さんは、
「夏バテかなあ?」
とおっしゃったが、去年はどうだったか、これまではこういうことはあったかと聞いてみると、
「去年、その前はこんなことはなかった。」
とのこと。
さらによくよく聞いていくと、
「先生に鍼してもらってから調子がいいので、もっと調子よくなりたいと思って、足三里にここ最近毎日お灸をしている。」
とのこと。
「・・・それだ!!」
と思い、すぐに中止させたところ、上記の症状は消失。事なきを得た、ということがありました。
・・・ツボの中には、たまに、誰でも知っているような超有名選手がいます。
「足の三里」というツボもその一つです。
↑↑これです。
この「足三里」というツボは、よく「長生きの灸」とか言って、お灸をすると元気で長生きするとか、足腰が強くなるとか言われ、昔から有名です。
テレビや、一部の雑誌や書籍なんかで紹介されてたりすることも少なくありません。
・・・コレ、とんでもない話です。
こういう言い方は、迷信もいいとこです。
足三里にお灸をするだけで誰もが例外なく足腰が強く、元気で長生きするんだったら、誰も苦労しやしません。
確かに「足三里」は、上手に使えば大きな効果を得ることが出来るツボではあります。
しかしそれは、確かな東洋医学的な診断に基づいていて、なおかつ適正な術(鍼か灸か)で、適正な刺激量での処方であった場合にのみ、言えることです。
当然ながら、治療に使える、ということは、逆に言うと間違った使い方をすれば悪化させることもある、ということです。
上記の患者さんは、もともと「胃の腑」に熱がこもりやすいタイプの患者さんでした。
本来ならばその熱を冷ます治療、養生法を行い、どんどん「胃熱」を発散、排出させるように持っていかなくてはなりません。
しかし、この患者さんがやった「足三里にお灸」という処置は、どちらかというと「胃の腑」を温める治療になります。
つまり逆です。
熱に熱を足してしまっている訳です。
しかも、自分で見よう見まねで適当にツボの位置を決めているため、時には右のみが効いたり、左のみが効いたり、効果にばらつきがある上に、
その的確な評価も出来ないため、左右のアンバランスなんかも引き起こしやすいです。
高齢者が左右のアンバランスを起こし、それがあまりにもきつくなると、たいがい転倒します。
歩行姿勢が左右アンバランスで、不安定になるからです。
高齢者にとっては、転倒から骨折でもしたら、寝たきり状態にもなりかねません。
そうなってから泣いたってわめいたって遅いんです。
東洋医学というのは、誰でも簡単に使いこなせるもんじゃありません。
僕も場合によっては、遠方でたまにしか治療に来れない患者さんなど、自宅でお灸を据えてもらうこともありますが、その場合は、安全かつ確実なツボ以外は選びません。
・・・まあー、これだけ「医学だ、医学だ」と叫んでも、それはごく一部の人にしか伝わりません。
甘く見られることの方が多いです。
でも、それでも僕は叫ぶことをやめません。
だって「医学」だからです。
読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!
2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2025.03.01
2025年 3月の診療日時2025.02.06
2025年1月の活動記録2025.02.01
2025年 2月の診療日時2025.01.21
順天堂東医研、第6回公開シンポジウム「総合診療と東洋医学」2025.01.10
2024年12月の活動記録2025.01.02
2025年 1月の診療日時2025.01.01
謹賀鍼年!!2024.12.28
年内診療終了!!2024.12.14
2024年11月の活動記録2024.12.01
2024年 12月の診療日時2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール2023.11.16
日本東方医学会学術大会、申し込み締め切り迫る!!2023.11.01
2023年 11月の診療日時2023.10.10
清明院14周年!!