東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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(一社)北辰会関東支部11月定例会

2013.11.25

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昨日、11月24日の日曜日は、お茶の水女子大学で行われた(一社)北辰会関東支部定例会に参加してきました!!

そして、この日も実は朝から墓マイラーしてきました!

それについては、また書きますが、この日の午前中は後藤りゅう先生による講義

「臓腑経絡学まとめ」

でした。

墓マイラーしてきましたので、途中から聴講させていただきましたが、相変わらず後藤先生の話は分かりやすい!

・・・まあ、臓腑経絡学の基本的な知識がない人にとっては、難しかったかもしれませんが、北辰会は鍼灸臨床家集団。

鍼灸医学の非常に高度なところを目指す、学術研究団体です。

あれを聴いて、よく分からない、難しい、と思った人は、一念発起して、臓腑経絡学を一から勉強し直したらいいと思います。

午後は実技訓練「胃の気の脈診」

今回も、臨床コースを一班担当させていただきましたが、やはり皆さんちょっと、勉強不足。。。

胃の気の脈診の基本的な考え方、それぞれの脈の分類の定義、そういったことをキチッと理解せずに、脈診の所作だけ教わっても、

片手落ちもいいとこです。

それでは、せっかくいいことを言ってくれている胃の気の脈診も、大して臨床の役に立たないと思います。

・・・ん~、僕が言うことじゃないかもしれないけど、実技指導の内容、ちょっと考え直した方がいいのかもしれませんねー。。。

そして最後は竹山悠樹先生による症例発表「鼻塞、四肢厥冷」です。

「鼻塞」というのは簡単に言えば”鼻づまり”のことです。

「四肢厥冷」というのは簡単に言えば”手足の冷え”のことです。

臨床上、よく見かける症状、と言ってよいと思います。

しかし慢性化すると、なかなか動きにくい、頑固な症状、とも言えると思います。

その頑固な症状を、比較的早期に動かして見せた症例でした。

本部育成部長、藤本彰宣先生に解説も非常に分かりやすかったです。

そして終わった後は酒。。。

今回は色々な先生同士の、色々なテーマでの激論が見れて、非常に面白かったです。(笑)

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出べその病理

2013.10.27

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たまに目にする「出べそ」

小児でも、大人でも、程度の問題はありますが、たまにおりますね。

これは、へその緒が取れた後、おへその奥の組織がキッチリと閉まっていないと、小腸や、胃の周囲の脂肪組織が、いきんだりした拍子に、

 

おへそ奥の部分からズルッと飛び出てくる病気です。

小児の場合は、多くは手で簡単に戻せますし、生後すぐに出た場合は、グッと圧迫しておけば、ほとんどは自然治癒するそうですが、

2歳になっても戻らない場合や、痛みがあったりする場合は、手術することもあるそうです。

しかし、基本的には自然治癒を待つことが多いようです。

成人の場合は、妊娠出産を繰り返した女性に多く、これは手術になることが多いようです。

東洋医学では、臍ヘルニアに関して、主に小児科の病として扱い、弁病名は「小児臍突(しょうにさいとつ)」と言います。


・・・続きは次回。(笑)

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「断食」是か非か

2013.09.17

 

 

 

 

清明院では現在、求人募集しております。

 

本物の鍼灸医学の世界を、我々と追求してみませんか?

 

募集内容の詳細はこちら

 

 

 

 

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患者さんを診ていると、たまにいらっしゃる、「断食」をなさる方。

 

 

もちろん、この「断食」を推奨する医師、あるいはそれ以外の医療者たちには、それなりの理論があり、実際に効果を上げているから、奨めるわけであって、その効果、実績については、もちろん否定しない。

 

ある体質の層の、ある局面においては、

「断食をやった方がいい場合」

が厳然と存在するのだろう、と理解しています。

 


しかし、あえて「断食」という不自然な状態にするということは、それなりのリスクを伴うはずであり、断食という方法論そのものが合わない人も一定数いるのではないか、と思う。

 


人間、一定のリズム、サイクルで食って、動いて、出して、寝る、が生命の基本。

 


若い女性が、痩せたい願望から、”プチ断食”とか言って、自主的に、不用意に、突然、「水のみ」の生活をしたりする。

 

これで、かなり体調を崩した例をたくさん知っている。

 

これ(太っては断食)を繰り返すうち、胃腸、消化器系の症状を中心に、慢性的な不調を抱えるようになる場合がある。

 


瞑想や、ヨガなんかもそうだけど、ちゃんとやると効果があるものでも、中途半端にやったり、見よう見まねでやると、怖いものがよくありますね。

 

 

 

鍼灸、漢方、薬膳もしかりだね。

 

 

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色々な腰痛

2013.09.07

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最近、色々なタイプの腰痛を診ました。

世間じゃあ、

「鍼灸と言えば腰痛!」

と思われているため、腰痛を診る機会はそれなりに多いです。


日々、勉強させていただいております。


最近、秋の風が吹いております。

夏の間に暴飲暴食や、冷たいものの過食で、散々傷めた胃腸の症状が出てくる時期でもあります。

こういったバックボーンと、患者さん個人個人が持っている家庭環境、職場環境が相まって、腰痛が形成されます。

以前も書いたように、腰が悪かったら、何でもかんでも腰に打つだなんてとんでもない。

 

こういったことについて分析できていなければ、きれいに治せない。

 

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(一社)北辰会6月本部臨床コース

2013.06.25

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おととい、6月23日の日曜日は、大阪で行われた、(一社)北辰会本部臨床コースに行ってきました!!

今回は午前中は実技訓練。

僕は久しぶりに刺鍼クラスでなく、いろいろなクラスをフラフラとしておりましたが、今はどんどん会に新しい、若い先生が入ってきておりますねぇ。。。

”組織の巨大化”これは素晴らしいことですが、なにやらもう、僕の居場所がない感じすらしました。。。(苦笑)

午後は蓮風先生による代表講演

「胃の気と難病」

です!

これは、5月に関東で先生がお話しされた内容ですが、新たな内容が加わっており、しかも久しぶりの2時間にわたる長時間講義。

蓮風先生の気合いを感じました。

そして最後は森洋平先生による

「近代日本鍼灸史」

・・・これが僕的に素晴らしかった。

全国の鍼灸学生、東洋医学を志す全学生に聴いてもらいたい内容です。

鍼灸学に限らず、我々が受けている教育が、なぜこういう教育なのか、それは、近代史をよく学ぶとはっきりします。

「我々はどこから来て、どこに行くのか。」

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「虚里の動(こりのどう)」について

2013.05.28

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こないだ、奈良の藤本漢祥院に研修にうかがった際、蓮風先生から、

「高津敬節(こうづけいせつ)の『鍼灸溯洄集(しんきゅうそかいしゅう)』を調べておきなさい。”虚里の動”について、重要なことが書いてある。」

と言われました。

 

 

たまにそういうアドバイスをいただくことがあります。

 

 

で、そういう時って、後々、それが何か重要な意味を持ったことが、これまでに何回もあります。


・・・で、さっそく調べました。

まず、『鍼灸溯洄集』という本は、江戸時代初期の1694年、浮世絵、俳諧、浄瑠璃など、日本独特の華やかな文化が花開いた元禄時代初期、

元禄8年に、高津敬節という人物によって刊行されました。

この高津敬節という人物は、大阪で3代続いた漢方医の一家であり、鍼灸についても一家言持っていた人物だと言われております。

この本の序の部分には、

「俗説に流されていた当時の鍼灸界をに対して、その原点を溯洄(そかい・・・流れをさかのぼる)する、という意味でこのタイトルになった。」

と書かれております。

東洋医学の原点と言ったら、『黄帝内経(こうていだいけい)素問、霊枢(そもん、れいすう)』です。

大阪の高津さんの、ごちゃごちゃ言う人に惑わされるな、原点に立ち帰れ!という主張です。

まあそうやって、その人自身がごちゃごちゃ言う訳ですが。。。(笑)

結局江戸時代も、今と同じか。。。(苦笑)

問題なのは、高津先生のような意識の高さを、医者たち自身がなかなか持てないことなんでしょうね。。。

・・・で、「虚里の動」に関してですが、これは『素問 平人気象論』にある通り、左の乳下に、服の上から触れても分かるような脈の拍動があった場合は、

気が異常に漏れていることを示しており、アブナイよ、というものです。

この、「左の乳下(乳頭のやや下)」という位置を、「虚里(こり)」と呼び、ここを別名「胃の大絡(たいらく)」と言って、胃の腑の働きも含めた「胃の気」との関係が深い、

 

と考えております。

「胃の気」というのは「胃の腑」や「脾の臓」の働きも含めた、もっと大きな力、いわば生命力そのもののことを指します。

カテゴリ 「脾・胃」 参照

東洋医学では、この「胃の気」、つまり生命力そのものが危うくなってくると、場合によっては胃の大絡である虚里から気が漏れてきて、

「虚里の動」となり、非常に危険な兆候だと考えるワケです。

・・・で、その問題に関して、『鍼灸溯洄集』に、どう書いてあるか。

これは、「虚里の動」をさらに細かく分類し、検討を加え、虚里の動が出てるのに死なない場合はこういう意味がある、とか、この場合は治しにくい、

 

とか、この場合はまだ見込みがある、とか、古典からの口伝をひいて、細かく分類、説明してくれております。

つまり、

『黄帝内経』の言説を、教条主義的にとらえるのではなく、実際の臨床と照らし合わせて、その後の医家の言説も踏まえて、批判的に読んでいる、

ということです。

また、ここの記載は

虚里の動で「胃の気」をうかがう、という問題についても、程度問題やパターンがある、

ということを示唆しております。

すげえぜ、高津先生。

僕も頑張ります。

まーこのように、僕にとっては蓮風先生の言葉は、簡明で、いつも示唆的です。

いい勉強させてもらいました。(感謝)

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(一社)北辰会関東支部5月代表講演

2013.05.27

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昨日、5月26日の日曜日は、代々木で行われた、(一社)北辰会関東支部、代表特別講演に参加してきました!!

というか、僕も喋ってきました!!(笑)

蓮風先生による代表特別講演は、関東地方では1年に2回東京で、1年に1回群馬で、合計3回行われます。

たった3回です。

非常に少ない機会です。

それ以外で、直接話を聞こうと思ったら、関西まで行くしかないのです。

しかも支部での講演は毎回毎回、本部でも話したことのないような、特別なテーマでの講演となっております。

蓮風先生の講演を聴いて、あるいは治療を受けて、あるいは本を読んで、人生が変わったという鍼灸師は少なくないはず。

この機械を見逃して欲しくない、と、強く思います。

(まあ、価値の分かる人が見ないと、”猫に小判”なのかもしれませんが。。。)

今回のテーマは、1日通して「胃の気」でした。

詳しい内容はスタッフブログ参照

鍼灸治療というのは、東洋医学の言う「気」を正しく動かし、「陰陽」のアンバランスを整え、生命力、つまり治る力を賦活化します。

この生命力そのもののことを「胃の気」と呼ぶ場合があります。

聴きに来られた方は、多くのものを持ち帰っていただけたのではないでしょうか。

昨日の講義を聴いて、誰かの人生が変わったならば、やった者の一人としては嬉しいところです。

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鍼灸師による「カゼひいてますか??」

2013.05.24

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東洋医学を勉強し始めると、

「こういう脈を打っている時は、カゼをひいている場合がある。」

と、教わることがある。

この教え方、僕は非常に問題があると思っています。

これを教わった人が、短絡的に考え、患者さんを触っていて、その脈を見つけた瞬間、

「カゼひいてますか??」

と、したり顔で問う。

そして、

「いえ、全然。」

と、シラケタ顔で言われて、青ざめる。

それとか、たまには、

「はい・・・。どうして分かったんですか~??スゴ~い☆☆」

とか、尊敬の眼差しで見られて、いい気になる。

これ、ダサい。

(苦笑・・・しかし、実は過去に俺もやったことアリ☆)


普通の、一般的な現代人が考える「カゼ」といったら、咳、くしゃみ、鼻水、ノド痛、頭痛、発熱、寒気、節々の痛みなんかがある状態のこと。

東洋医学的な「脈診」による脈の状態が示す、

「カゼをひいている状態の場合がある」

という言葉の意味は、大体は

「体の外から何らかの邪気が入ってきている」

 

つまり

 

「浮いている(浮脈を呈している)」


状態のことを言っている。

体の外から邪気が入ってきた場合、頭痛になるか、腰痛になるか、胃の不快感になるか、イライラ感になるか、

それとも多くの一般人が思う「カゼ」の症状を呈するか、それは、邪気に入られた人の、もともとの状態によって千差万別。

一般人による「カゼ」に対する認識と一致するとは、全然限らない。

それを分かった上で、見破って、聞くならいいけど、その脈を見つけただけで、いい気になって

「カゼひいてるでしょ??」

なんて聞いたら、大概ハズします。(笑)


よくよく考えなくてはなりません。

「浮脈=カゼ(外邪)」という「ステレオタイプ」はよくない。


教える側の責任、大きい。

 

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GWに体調が崩れるのは何でか。

2013.05.08

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昨日から診療再開しておりますが、GW中に体調を崩した患者さんがチラホラ・・・。

何人かに聞かれました。

「なんで普段の無理から解放されて、休養したのに、体が悪くなるんですか?」

と。

 


普段僕から、

「無理し過ぎ~」

とか、

「休め休め~」

と言われている患者さんほど、こう思うはずです。

なぜ、こういう現象が起こるのでしょう。

これもまあ、人によって色々なんですが、そう言っちゃあつまんない。

暴飲暴食で、胃腸に負担をかけた人。

普段のストレスから解放されて、一気に緊張が緩み、それまでの疲れが表面化した人。

人と会いまくったり、旅行に出かけたりして、睡眠不足、移動疲れの人。


パターンとしては上記3つが多いですが、ここから派生する病態については、五臓六腑、内外の邪気、全て関わりますので、

一人一人に合わせて、慎重に戻さないといけません。


これら要は、なぜ起こるかと言えば、GW中の生活が、普段と違い過ぎるからです。

GW中の生活が普段と違い過ぎても、僕のように大して体に影響がない人というのは、相当丈夫なのです。


普段と休日とで、睡眠時間や食事等、基本的なサイクルに関しては、あまりギャップが出ないように注意せねばならないし、

精神的にも、普段のストレスを発散するように持っていかないといけません。


「GW中は、旦那と一緒にいたから疲れました。。。」

とか、

「GW中は、彼女と一緒だったから疲れました。。。」

というのは、不幸な話です。(苦笑)

幸せになりましょう。

 

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「陰陽水」について

2013.04.11

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難病の患者さんを多く診ている。

難病の患者さんがカゼをひくと厄介だ。

皮膚表面が冷え、熱が発散できなくなって、熱がこもる。

すると、籠った場所にもよるが、色々な症状が出てくる。

例えば、喉の渇き。。。

そうすると、どうしてもたくさん飲んでしまうことがある。

そうすると今度は、飲み過ぎた水によって、胃腸や、その他の五臓に負担がかかる。

そうすると、結果的に「気血」が作りだしにくくなる。

全身のパワーダウンにつながる。

難病、進む。

・・・この流れ、非常にヤバい。

今日、それをどうにか食い止めた。

表面的な冷えをとりつつ、籠った熱をとりつつ、胃腸の働きをフォローする意図で、鍼を一本。

所見、好転するものの、まだ完ぺきに安心できないと思ったので、「陰陽水※」を飲ませ、脈の変化をうかがう。

バッチシ。

東洋医学最高。

 


※陰陽水とは、冷水を熱湯で割ったぬるま湯。患者さんに合わせて微調整が必要。(出典は『多識編』か。)

 

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