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03-6300-0763
10:00~21:00(完全予約制)
2016.10.18
清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、求人募集しております。
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16日の日曜日は、大阪で行われた(一社)北辰会スタンダードコースに参加してきました!!
今回は午前中は実技練習「胃の気の脈診」。
北辰会独自の脈診です。
ですが、完全な独創というワケではなく、ちゃんと『黄帝内経』や明代の医家「張景岳」の学説を踏まえた、非常に分かりやすい、
かつ臨床家にとってありがたい脈診法です。
(少なくとも僕はそう思っています。)
今回は初心者の先生のモデルになりましたが、どうしても初心者というのは、つい慌てて難しいことをしようとしたり、
難しいことばかりを考えてしまって、結果的に基礎が見につかない、というケースを多く見かけます。
蓮風先生や、講師の先生方のように、カッコよくハイレベルな脈診がしたい気持ちは痛いほどよく分かるのですが、
早くそうなりたいのであれば、まずは徹底的に基礎を固めることです。
その方が結果的に早いのです。
北辰会の言う「胃の気の脈診」は、基本中の基本から一つ一つ丁寧に身に付けていけば、こんな簡単で分かりやすい脈診法もない、
というぐらい明快な脈診法です。
数十年前に蓮風先生が「胃の気の脈診」の本を初めて出した時のタイトルは、『”簡明”鍼灸脈診法』であったことをお忘れなく。
ぜひキチッと身に付けていただき、それをきっかけに、どんどん深遠な脈診の世界に入っていってもらいたいと思います。
午後は神戸の「輝鍼灸院」院長、原元氣先生の講義「臓腑経絡学 心包・三焦」。
原先生の講義は、非常に分かりやすいです。
スタンダードコースの受講者に合わせて、重要な発言もたくさん入れて下さいました。
そして、終わった後は酒。(笑)
住宅ローンについて考えさせられましたネー。(笑)
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2016.10.13
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東洋鍼灸専門学校での後期講義、始まっております。
昨日は「脈診」に関して講義してきました。
東洋医学的な診断治療を行う上で、欠かせない診察法である「脈診」。
このブログでも、何度も触れています。
脈診と言えば、現代日本では一番大きな、伝統鍼灸の学派である「経絡治療学会」が提唱する「六部定位脈診」という脈診法が、
経絡治療学会の講師の先生方などによって、全国の多くの学校で教えられています。
国家試験にも出題されます。
これは、昭和初期に「古典に帰れ」と提唱したといわれる柳谷素霊先生の高弟の先生方が提唱した脈診法であり、その後、
現代まで、ずーっとメジャーな脈診法として扱われています。
墓マイラー 15 参照
学生さんに聞いても、脈診と言ったら「六部定位脈診」しか知らない、東洋医学的な治療方式と言ったら「経絡治療学会のやり方」しか知らない、
という学生さんも多いです。
しかし、脈診の歴史を紐解くと、中国でも日本でも、必ずしも「六部定位脈診」のみが行われてきたわけではない。
・・・というか、「六部定位脈診」が、こんなに偏って、広く教育されているのって、近現代の日本のみなんじゃないだろうか。(苦笑)
そこで僕は毎年、「脈診」そのものの、客観的に見た、極力偏りのない「脈診の歴史」から講義しています。
その上で、今やグローバルスタンダードと言っていい、現代中医学が採用している脈診(28脈状診と言います。)の基本的理論と実際を説いてから、
我々北辰会の脈診法(胃の気の脈診と言います。)について、理論と実際を紹介するようにしている。
これをすると、毎年学生から、
「初めてちゃんと脈診を教わりました!」
と言われて、驚きます。
(3年生ですよ。。)
まあ要はその講師が、自分のやり方考え方について「だけ」しか語っていない、なんてことは、真面目な学生さんは御見通しなんですね。
(真面目だったわけではない僕ですら、学生時代そう思っていました。)
その先生の見解はどうでもよくて、そうでない、永遠に使える東洋医学のスタンダード、基礎基本を、学生さんは求めているんだと思います。
まずそれを理解し、その上で、色々と取捨選択していきたいんだと思います。
当然ですよね。
日本で唯一、東洋医学を勉強できる公的教育機関である鍼灸学校がそうなっていないというのは、大いに問題だと思っているのは、私だけでしょうか。。。
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2016.09.09
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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。
(ついつい書いてもらうのを怠けてしまうね。イカンイカン。)
「清明院」に通い始めて約2ヶ月になります。
数年来、高血圧の諸症状に悩まされ続けてきました。
降圧剤は飲みながらも、家系だから、体質だから仕方がないのか・・・と、半ば諦め気味で、サプリメントや漢方薬も色々試してきました。
ある日、軽い眩暈に襲われ、中々回復せず、ほぼ一日中ソファーに横になっている日が続き、とうとう義母の四十九日法要にも行くことが出来せんでした。
悶々としていた時に、縁あって娘の通う「清明院」にお世話になることになり、初日は這う様にして出かけて行きました。
初診は問診、診察、治療合わせて3時間。
体力がもつかどうか不安でしたが、治療後、かなり身体が楽になり、付き添ってくれた娘と久しぶりにお茶をして帰れる程になりました。
毎回、確実に元気になっていくのを実感していたので、私に“キャンセル”という選択肢はありませんでした。
猛暑日も台風の日も何より優先して通い続けました。
お陰様でかなり元気になりましたので、来週には義母のお墓参りに熊本まで帰ります。
東洋医学は以前から信頼しておりましたが、とりわけ「清明院」の鍼一本の治療には驚いてしまいます。
竹下先生、スタッフの皆様、本当に有難うございます。
今後とも宜しくお願い致します。
最後に紹介してくれた娘に“有難う!”。
本症例の初診は2016年の7月、当該患者さんの娘さん(清明院の患者さん)からの紹介でした。
最初に来られたのは娘さんで、娘さんが短期間でずいぶんよくなったので、お母様を紹介して下さいました。
主訴は高血圧に伴う、眩暈を中心とした諸症状です。
清明院では日常的によく診る症状です。
原因不明(本態性)の高血圧症の患者さんというのは、症状の原因がよく分からず、対処方法がよく分からない不安感、
また今後、高血圧によって脳卒中や心筋梗塞を起こす不安感、またさらに、一生降圧剤を飲む憂鬱さを抱えている方が少なくなく、
その不安感や憂鬱さから、諸症状をより増悪させているケースが多いです。
こういうものに、鍼灸がとてもいいです。
降圧剤から離脱できたケースもあります。
初診時、「肝胃不和」と弁証し、治療すると、直後に症状が劇的に楽になりました。
そのまま週2回ペースの治療を継続し、8診目には非常に良好な状態となりました。
現在ではメンテナンスのため、治療を継続しております。
「通院が楽しみになる。」
これが本来の医療でしょうね。
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2016.06.26
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3.『傷寒論』の辨太陽病脉證并治下第七.の、大陷胸湯のところに、
「太陽病.脉浮而動數.浮則爲風.數則爲熱.動則爲痛.數則爲虚.頭痛發熱.微盗汗出.而反惡寒者.表未解也.
醫反下之.動數變遲.膈内拒痛.胃中空虚.客氣動膈.短氣躁煩.心中懊憹.陽氣内陷.心下因鞕.則爲結胸.
大陷胸湯主之.若不結胸.但頭汗出.餘處無汗.劑頸而還.小便不利.身必發黄.」
と、出てきます。
これは、カゼに対して、間違った治療をやったら、頭から汗が出て、黄疸まで出る場合があるよ、っちゅうことです。
しかもここでは、なかなかヤバい病態の話をしています。
すぐに適切な処置を行わないと、命にかかわるケースもあります。
カゼだからと言って、ナメたらいけません。
多くの人は、現在でも、最終的にはカゼから肺炎を起こして死ぬのです。
僕も長いこと往診をやっていますので、色々な症例が頭をよぎります。。。
続く
〇
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2016.06.24
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蒸し暑い日々が続いています。
皆さん、汗がベタベタして、イヤでしょ!?(笑)
東洋医学では、汗の出方と性質と、出た後の変化を問題にします。
患者さんから聞いていると、全身、色々な部位から汗をかく人がおります。
患者さんの中で、
「頭だけから妙に汗が出るー( ゚Д゚)」
と仰る人がいます。
さてこれは、東洋医学的に考えると、どういう現象か。
まずは弁証論治の父、張仲景(150?-219)先生の『傷寒論』に聞いてみましょう。
1.辨痓濕暍脉證第四.に、
「濕家之爲病.一身盡疼.發熱.身色如似熏黄.濕家.其人但頭汗出.背強.欲得被覆向火.若下之早則噦.
胸滿.小便不利.舌上如胎者.以丹田有熱.胸中有寒.渇欲得水.而不能飮.口燥煩也.
濕家下之.額上汗出.微喘.小便利者死.若下利不止者.亦死.」
と、出てきます。
まあ要するに、「湿邪」を体にため込んでいる人は、頭に汗かくよ、って話です。
(笑・・・端折り過ぎか。)
こういう人は、胃腸を弱らせると、体の状態が余計に悪化し、頭の汗が止まりません。
続く。
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2016.05.09
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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。
30代 男性
【症状】花粉症(目痒、鼻閉、鼻汁)、排尿障害(残尿感、尿切れの悪さ)
【既往歴】腹膜炎、上腕骨骨折、うつ病
花粉症の症状が出はじめて5年ほど。
年々ひどくなっていく症状に、薬をあれやこれやと試すものの、治るわけでもなく、毎年
「またこの時期か。。。」
と憂鬱な気分になっていました。
友人から
「鍼がいいよ。」
と教えてもらい、清明院を紹介してもらいました。
当初、
「体中に鍼を刺して治療する」
というものを想像していましたが、清明院は全く違いました。
初診時は1時間半にわたっての問診。
その後、治療。
「ここまで問診があるんだから、さぞいっぱい刺すんだろう」
と思っていましたが、はじまってみると、たったの1本。
「えっ!?」
と思いましたが、その神の手とも思えるピンポイント治療が、ジワジワと効いてきました。
初回の治療後はボ~っとする感じで効いてるのかどうかわかりませんでしたが、そこから毎週通うことで効果が出てきました。
2回目からは、花粉症の薬をあえて止めてみました。
するとビックリ。
鼻のつまりと目の痒みが治まってきたのです。
花粉症のシーズン中ということもあり、
「もっと早く行けばよかった」
とも思いましたが、そんなことは関係なく、すぐに効果が出ました。
治療費は1回6,000円と高めですが、薬を飲むこと、すぐに効くことを考えると、費用対効果は抜群だと思います。
今後は月に1回程度、「体のメンテナンス」と来年の花粉症の対策として、通い続けたいと思います。
薬は飲み続けると効きにくくなるとも聞きます。
体に合う合わないもあります。
現に僕は強い薬を処方されて胃痛に悩まされたこともありました。
でも鍼はそんなことは一切なく、痛みも、危険なこともないと感じました。
すぐに効果が出るのも良いですね!
そしてなにより、気さくな竹下先生のおかげで、毎回安心して治療に入ることができます。
花粉症でお悩みの方、薬を飲みたくない方に、鍼はとってもオススメです。
どうもありがとうございました。
そして、引き続きよろしくお願いします。
【清明院からのコメント】
本症例は、初診がH28年の3月、この業界の関係者さんからの紹介でした。
これまでにも、花粉症の患者さんには「患者さんの声」を何人かに書いていただいていますし、花粉症に対する東洋医学の考え方については、
このブログにも以前簡単にですが、書きました。
「患者さんの声」を書いていただいた方以外にも、春秋は毎日のように、清明院では非常によく診る疾患であり、非常に臨床成績のいい病だと思います
東洋医学的な考え方に基づく花粉症治療のいいところは、症状に対する対症療法ではなく、
「根本的な体質改善」
が見込める、ということだと思います。
平たく言えば、花粉そのものに毒性はない訳ですから、本来なんでもないはずの花粉に、過剰に反応してしまっている人体側を、
正常な範疇に戻せばいい、という考え方です。
(今や、大気汚染で、花粉に付着しているモノに、いくらかの毒性があるかもしれませんが。。。)
まあ、東洋医学、鍼灸治療の考え方で心身のバランスを整えた結果、不快な過剰反応が起こらなくなる、あるいは起こっても軽く済む、
そういう体質に改善される場合がある、ということです。
花粉の飛散量がどんなにあっても、薬も飲まずに、症状も出なければ、生活上、何の問題もないです。
それでもどうしても気になるというならば、田舎の空気の綺麗なところに移住するしかないです。
東洋医学は根本治療ですので、この症例もそうだったんですが、花粉症の治療なのに、花粉症以外の症状(排尿障害)も経過中にとれてしまいました。
こういうところが、東洋医学の真骨頂でしょうね。
西洋医学の考え方ではなかなか真似できない部分だと思います。
(もちろん、西洋薬による、こういったアレルギー疾患に対する、症状抑制における効果についても、それなりに理解はした上で発言しております。)
初診時、「肝火上炎」と証を立て、治療を開始すると、患者さん自身が書いて下さったように、2診目からは明らかな効果を得ることが出来ました。
5年間悩み、あちこちにかかって治らなかった症状が、あっけないものですね。
今後、社会的に責任あるポジションに就かれる方ですので、外部環境がいかに変化しても、様々な症状が出ないような体質になるよう、
治療を進めさせていただこうと思います。
アレルギーなど、西洋医学が対症療法に終始してしまうような疾患に、伝統鍼灸、試してみては如何でしょうか。
試す価値「大」だと思います。
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2016.03.10
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3.9の水曜日で、東洋鍼灸専門学校、2015年度の後期授業が終了しました!!
〇
・・・いやー、長かったー!!(@_@)
今回は「体表観察学」を昼夜3クラスに、「臓腑経絡学」を昼1クラスに、各クラス約20コマずつ、合計80コマの講義を終了しました!!
この、1日4コマ講義の話を受けたとき、どんなことが起こるか、楽しみとか言っていましたが、結果的には、「僕が」けっこう疲れました。
(苦笑・・・すなわち、まさかの”僕が疲れる”という結果が得られました。。。)
まあでも、ここに、カリキュラム内容を公開し、記念碑にしようと思います。
【昼専科、夜本科専科】
1.ガイダンス~北辰会方式概論
2.中医学概論 実技デモ
3.28脈状診 実技
4.胃の気の脈診 実技
5.舌診 実技
6.腹診 実技
7.背候診 実技
8.原穴診・八脈交会八穴診 実技
9.顔面気色診・眼診 実技
10.臓腑経絡学概論 実技
11.弁証問診①総論 実技
12.弁証問診②各論 実技
13.弁証問診③女性カルテ 実技
14.弁証問診④男性カルテ 実技
15.刺鍼術・施灸術 実技
16.難病症例解説 実技
17.公開臨床①(問診)
18.公開臨床②(体表観察~治療~養生指導)
19.空間診 実技
20.爪甲診・井穴診 実技
【昼本科】
1.ガイダンス 実技
2.臓腑経絡学総論 実技
3.臓腑経絡学 肺 実技
4.臓腑経絡学 大腸 実技
5.臓腑経絡学 胃 実技
6.臓腑経絡学 脾 実技
7.臓腑経絡学 心 実技
8.臓腑経絡学 小腸 実技
9.臓腑経絡学 膀胱 実技
10.臓腑経絡学 腎 実技
11.臓腑経絡学 心包 実技
12.臓腑経絡学 三焦 実技
13.臓腑経絡学 胆 実技
14.臓腑経絡学 肝 実技
15.奇恒之腑 実技
16.奇経八脈① 実技
17.奇経八脈② 実技
18.気と陰陽論基礎 実技
19.神主学説基礎 実技
(昼本科については前期に体表観察学の一通りの講義が終わっているため、座学講義の後半は実技で体表観察の練習をしました。)
・・・専門家の皆さん、なかなかのラインナップでしょ??(笑)
上記講義、どのコマも、一切の手抜きナシです。
やるからにはマジです。
でもちょっと疲れたので(苦笑)、2016年度はコマ数を半分に減らして、臨んでみようと思います。
やっぱ僕の居場所は、患者前だ。
それをよく理解する上で、大変大きな半年でした。
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2016.02.02
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これまでのお話
奇恒之腑について 4 参照
では続きいきます!!
本日は奇恒之腑のラスト、「女子胞」についてです。
女子胞というのは、西洋医学で言う”女性生殖器”のような存在です。
(これも厳密に考えていくと違うのですが、イメージとしてはそんな感じです。)
要は、女性独特の臓器でり、妊娠し、胎児を育てる場所のことです。
(いわゆる”子宮”のイメージが一番近いでしょうね。)
形としては袋状でありながら、胎児を蔵する働きがあり、妊娠していない時でも、毎月、妊娠できるように十分な気血を蔵する、
というわけで、風変わりな存在である「奇恒之腑」にノミネートされとる訳です。
ちなみに、男性の場合の陰嚢、睾丸、精巣を”男子胞”という言い方はしませんし、奇恒之腑にも数えられていません。
(男性だって精を蔵するのにねー)
これは男性生殖器には胎児を妊養する能力がないからでしょう。
女子胞については当然、『黄帝内経』に出てきます。
『黄帝内経素問』奇病論(47)には、
「女子胞は腎に繋がっているのだー!!」
とあり、『黄帝内経素問』上古天真論(1)には、
「14歳になると、女子胞に関わる気血が盛んになって、妊娠できるようになるのだー!!」
と、書いてあります。
因みに、現代日本では初潮年齢の平均は12歳ぐらいだそうです。
2500年前と比較して、二歳も違うのは、栄養状態や、セクシャルな情報の氾濫など、様々な原因が考えられるでしょう。
ともあれ、上記から分かるのは、女子胞は腎の臓と非常に関わりが深く、女子が正常に発育すると、一定の年齢で、女子胞において妊娠できるようになる、ということですね。
ただ実際は、女子胞には経絡で言うと腎の臓の経絡である足少陰腎経の他にも、足厥陰肝経、足太陰脾経、足陽明胃経、奇経八脈の任脈、督脈、衝脈が入りますし、
機能の上では心の臓も深く関わりますので、一概に女子胞の病だからと言って、腎の臓が悪いとは即断できません。
清明院にも婦人科疾患の患者さんは非常に多いのですが、一例一例、的確な弁証論治が要求されます。
まだまだ細かいことを語りだしたらキリがないですが、「奇恒之腑」シリーズ、一先ずここまでにします。
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2015.11.27
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これまでのお話
では続きいきます!!
前回、手足の経絡は3つの陰経と、3つの陽経とに分類される、というお話をしました。
それを「三陰三陽経」というワケですが、その名前を陰経から言うと
「太陰経」「少陰経」「厥陰経」、
陽経では
「太陽経」「少陽経」「陽明経」
でしたね。
そしてこれらは、陰気や陽気の多寡によって、このように呼び分けられている、というお話をしました。
今日は、それ以外の特徴について触れておこうと思います。
◆三陰三陽経と開・闔・枢(かい・ごう・すう)
この話は一般の方には難しいと思うけど、ついでなんで書いときます。
三陰三陽、それぞれの経絡の”働き”を考えた場合、開・闔・枢という3つの働きに分けることが出来ます。
これは、『黄帝内経素問』陰陽離合論(6)というところに書かれています。
「開」には開くという意味があり、気の出入に関係します。
三陰三陽経の中で「開」の働きを持っているのは、陽経では太陽経、陰経では太陰経です。
太陽経は小腸と膀胱の経絡、太陰経は脾と肺の経絡です。
・・・まあ、この4つの臓腑ともに、”開く”ことによって気の出入を調整するという意味で、理解できなくもないと思います。
「闔(ごう)」は閉じるという意味があり、気の保護に関係します。
「闔」の働きは陽経では陽明経、陰経では厥陰経です。
陽明経は胃と大腸、厥陰経は肝と心包です。
この4つも、閉じることによって気を保護する、と、理解出来なくもない感じです。(笑)
「枢」は”開と闔(つまり開閉)を調整する”という意味があります。
ドアで例えれば、開いていて出入り自由な状態が「開」、閉じた状態が「闔」、それを調整する蝶番のような役割を担うのが「枢」です。
「枢」の働きは少陽経と少陰経です。
少陽経は胆と三焦、少陰経は心と腎です。
この4つが、「開く」と「閉じる」を調整するというのも、分からんではない、という感じですな。
〇
ここで個人的に重要かな、と思うのは、上に一応臓腑を働きとともに挙げましたが、開・闔・枢というのは、「臓腑」そのものの働きことを言っているのではなく、
あくまでも「経絡」(手足三陰三陽経)の、生理的な働きのことを言っているのだ、ということです。
手足三陽経において、人体後面(陽の部位)を大きく流れる太陽経は、開く(エネルギーを発散する、と言い換えてもいいかもしれません)働きを持っており、
人体の前面(陰の部位)を大きく流れる陽明経は、閉じる(エネルギーをため込む、と言い換えてもいいかもしれません)働きを持っており、
人体の側面(陰陽が中途半端な部位)を大きく流れる少陽経は、その開閉を調整する働きを持っており、手足三陰経においては、手足三陽経のその働きを支えつつ、
自身も開・合・枢の働きを有し、表裏のエネルギーバランスの調整(恒常性維持)に役立っている、ということだと思います。
このように経絡というのは、それぞれに気血の量が多かったり少なかったり、それぞれに担う働きが違ったりしながら、人体の複雑で霊妙なバランスを支えている機構なのです。
つづく
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2015.11.20
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これまでのお話
では続きいきます!
ここまで、手足の三陰三陽経と、五臓六腑との関わり(仮説も含めて)を説明してきました。
今日はまた別の角度から考えてみたいと思います。
手足の経絡にはそれぞれ、「三陰三陽」の名前が付いています。
どういうことかというと、以下の通り。
手の大腸経、足の胃経・・・陽明経(ようめいけい)
手の三焦経、足の胆経・・・少陽経(しょうようけい)
手の小腸経、足の膀胱経・・・太陽経(たいようけい)
手の肺経、足の脾経・・・太陰経(たいいんけい)
手の心包経、足の肝経・・・厥陰経(けついんけい)
手の心経、足の腎経・・・少陰経(しょういんけい)
とまあこのように、手の経絡と足の経絡を一つづつまとめて一対にし、それぞれに名前が付けられています。
この、”陽明”だの”少陽”だのという名前は、もちろん『黄帝内経』にて定義されたのですが、どういう意味かと言うと、一つには
「その経絡の陽気や陰気の多寡」
を示すんだそうです。
少陽経と太陽経といったら、何となく太陽経の方が陽気が多そう、というのは、字からしてすぐ分かりますね。
少陰経と太陰経もしかりですね。
では、陽明経というのはいったい何なんでしょう。
これは、太陽経よりもさらに陽気が多く、いよいよ明るい、という意味なんだそうです。
では、厥陰経というのはいったい何なんでしょう。
これは、太陰、少陰と陰気が少なくなってきて、いよいよ尽きるように少ない、という意味なんだそうです。
(厥には”厥(つ)きる”という意味があるそうです。)
でもまあ、本当に尽きてしまっては死んでしまいますから、あくまでも生きている人間の中における、相対的な陰気の少なさを示すのが、この呼び名なんだそうです。
そして、この6つの呼び名を「六経(りっけい)」と呼びまして、これが後代の有名な『傷寒論』の「六経弁証」という考え方に繋がっていきます。
『傷寒論』というのは、「傷寒」というぐらいですから、超簡単に言えば”寒邪(冷えの邪気)”にやられ、色々な症状を呈しながら、
最終的には死んでしまうところまでの病気の流れ(各ステージ)について、病の起承転結を詳細に詳細に説明した本です。
ですから当然、経絡それぞれの陽気や陰気の多寡に応じて、寒邪に侵襲された場合に出てくる症状や所見が、それぞれの経(位置)によって違うのです。
続く
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2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2025.03.01
2025年 3月の診療日時2025.02.06
2025年1月の活動記録2025.02.01
2025年 2月の診療日時2025.01.21
順天堂東医研、第6回公開シンポジウム「総合診療と東洋医学」2025.01.10
2024年12月の活動記録2025.01.02
2025年 1月の診療日時2025.01.01
謹賀鍼年!!2024.12.28
年内診療終了!!2024.12.14
2024年11月の活動記録2024.12.01
2024年 12月の診療日時2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール2023.11.16
日本東方医学会学術大会、申し込み締め切り迫る!!2023.11.01
2023年 11月の診療日時2023.10.10
清明院14周年!!