東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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原発の是非論

2011.06.11

なんだか、難しいタイトルね・・・。

(でも難しい話しはしません。というか出来ません。(笑))

今日、昼食を食べに、清明院の外に出ると、何やらドンチャンドンチャン、甲州街道の向こう岸でデモ行進をしておりました。

近くにいたおまわりさんに、

「これ、何の行進ですか?」

と聞くと、

「反原発だって。」

とのこと。

・・・特に震災以降、もちろんそれ以前からも、世界中で議論されている、「原発問題」

こないだもテレビで、俳優の山本太郎さんが反原発発言で波紋を呼び、事務所をやめた、なんていうニュースがやっておりました。

非常に難しい、この問題。

清明院ブログでも今、副院長がスタッフブログにて、主に問題になりやすい「被曝」に関する知識について連載しております。

カテゴリ 原発問題 参照

・・・まあこの問題は、

「人間が高度で、文明的な生活を求めすぎたあまり、結果として天に向かってツバを吐いた状況」

の、分かりやすい具体例だと思います。

今回の震災で、原発が「クリーンで安全なエネルギー」だという触れ込みが、間違いであったことは明らかになりました。

でも、「反原発!!」と大声をあげる人が多くいることはメディアを通じてよく拝見するが、肝心の「対案」が聞こえてこないような気がします。

正直、これもこれでちょっと問題、と思ってしまいます。

原発の安全性が確保されていない、ということは大問題であり、そこだけ見れば「即廃止!」という声が出て当たり前だが、じゃあこれまで我々が生活の中で依存しまくっている、

 

ありがたい「電力」の確保は、どうやってしていくのか、この部分に関する現実的な試算や、それがいつまでに実現可能か、という問題については、

 

あまり騒がれていないように思います。

というか、そういう話も出てはいるけど、なんとしてもそれを実現、という方向に動かそうとしている機運がないというかね・・・。


個人的には、それを政治家のせいにするのも、なんか違うような気がしています。


長期的には廃止の方向で考えた方がいいとは思ってるんだけど、そうするには、現代の文明的な生活が保てる程度の、原発に変わる「対案」がないとダメだと思います。

・・・水力?

・・・火力?

・・・風力?

・・・それとも?

個々の具体的なプランや方策を専門家任せにせざるを得ないのが悔しいけど、まあ僕として、清明院としては、「節電」しばらく続けます・・・。

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「梅雨」と「湿」と「土」と「脾」

2011.05.31

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いや~、毎日毎日、お天気がハッキリしませんなあ!


雨でジメジメしてみたり、寒かったり暑かったり、風が吹いたりと・・・。

毎朝、空を睨みつける人も多いのではないでしょうか。

以前、「肝の臓」と季節の関係を簡単に述べたことがあります。

「春」と「木」と「風」と「肝」 参照

 


・・・で、今日は、この時期に問題になりやすい、「脾の臓」と「湿気」の関係について述べてみたいと思います。

清明院でも、慢性的に「脾の臓」や「胃の腑」を患っておられる患者さんや、妊娠中でつわりが出ている患者さんなど、この時期は多少の悪化をみます。

カテゴリ 脾・胃 参照


しかし、鍼でキッチリと対処しますので問題ナシです。

「脾」って何ですか?シリーズで述べたように、「脾の臓」というのは、「胃の腑」と協調しながら、いわゆる人間が生きていく上で欠かせない

 

”消化・吸収機能”

 

を調節してくれています。


そして、この要となる「脾の臓」というのは、体内、それから体外(自然環境)の湿気(余分なお水)に弱いのです。

「余分なお水」というキーワードを含む記事 参照

 


まあしかし、こうして読み返してみると、あらためて書くまでもなく、ありとあらゆる書き方で、すでに書いていますネ・・・。(笑)

 

という訳で、上記のリンクを、よくお読みください。<m(__)m>

 

ホントは今回は、五行の「土」と二十四節気とか、色々絡めてお話ししたかったんですが、いかんせん時間がない・・・。

 

・・・ですのでそれはまたの機会として、まあともかく、こういう時を比較的楽に乗り切るためには、

・水分を必要以上にとり過ぎない

・脂っこい物とか、刺激物とか、極端に熱いもの、冷たいものなど、胃腸(脾胃)に負担のかかるものを食べない

・軽くていいから手足を使った運動をする

・鍼にガンガン来る

「決まり」です!(笑)

 

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あきらめない

2011.04.29

毎日毎日、患者さんを見ていると、たまにもうあきらめてしまっているような、投げやりな態度の患者さんを診ることがあります。

初診の時から、

「どうせやったってダメなんでしょ?」

みたいな感じの態度です。

そういう患者さんというのは、経過中も大体、少し良くなっている部分よりも、わずかの不調や不快な変化を丹念に探してきては、しきりにそれを訴えます。

「〇〇ってことはもうダメなんじゃないか、治らないんじゃないか。」

と。

(大概そこにはなんらの論理性はないです。)

そこで、

「うんうん・・・で、こないだの症状はどうなった?」

と聞くと、

「あ、あれはもう大丈夫です。」

との返事。

(苦笑・・・多少の差異はあるけれど、必ずどこかよくなっている点があります。)

・・・以前にも書いていますが、この極めて論理的でない、

「もうダメだ~・・。」

と思う気持ちというのは、病気と大変仲がいいように思います。

「不安」と「症状」
「不安」と「症状」(その2) 参照

僕はこれまでに何人も、亡くなる寸前まで診させていただいた経験がありますが、最後の時に、

「もうダメだ・・・。」

となってしまうと、とたんに弱ってしまうことがよくあります。

やっぱり生命は、「心身一如(しんしんいちにょ)」なんです。

「肝」って何ですか?(その10) 参照

・・・ただ、冒頭に述べたような患者さんが、一回で来なくなったら仕方ないけど(苦笑)、治療を受けにちゃんと通って来ている、ということは注目に値します。

つまり、ホントは「治る」と信じたいんだよね。

そして、ホントは僕のことをもっともっと信じたいんだと思います。

つまり、ぶっちゃけ、こういう患者さんになかなか信じてもらえない、そういう態度をとってもらえないというのは、僕自身の実力不足の面もあるワケです。

ここは、精進あるのみ、と考えるしかありません。

(もちろん冷静に体表観察して、何がよくなっているか、何がよくなっていないかは十二分に意識して診ますが。)

こういうのは、患者さんからしたら、どうしてもなかなか不安から解放されない、信じきるのが怖い、あるいは照れくさい(笑)、そういうケースなんだと思います。

でもこういう患者さんでも、一生懸命、最大限の誠意を持って治療していって、

「楽になる喜び」、

「治療してもらったことへの感謝」

の気持ちが芽生えてくれれば、一気によくなっていきます。

これも何度も経験があります。

こうなると、患者さんの顔つきが変わります。

まさにブレイクスルーです。

これは僕にとって「感動的」です。

なんだかんだ言って、「喜び」とか「感謝」というものは、ネガティブをポジティブに変え、人生を楽にする究極の方法だと思います。

当然、体も楽になります。

その患者さんの周囲の環境さえ、変わります。

自分が変われば相手が変わる、当たり前です。

せっかく、奇跡的な確率でこの世に生まれてきたのに、毎日不平不満ばかり、あきらめ顔で生きたら、もったいないように思います。

気の毒です。

そういう人をどうにか救えるように、僕はもっともっと精進せねばなりません。

僕らは「鍼」を持ってるんだから。

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患者さんの声(30代男性:突発性難聴、花粉症)

2011.04.05

「患者さんの声」をいただきましたので、紹介します!!


30代 男性 

症状:突発性難聴による聴覚障害、花粉症


ある朝目が覚めると、耳がくぐもった感じでした。

何の前触れもなく、突然です。

中耳炎にでもなったかな?と、軽い気持ちで耳鼻科に行ってみました。

ところが検査してみると、鼓膜に異常はなく、いわゆる「突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)」ではないかとのお話。

耳の奥の「うずまき」が機能不全とのことで、症例は多いが原因がわかっていない病気だそうです。

とりあえず、有効とされているステロイド剤や、血行を良くするビタミン剤、むくみをとる利尿剤などを処方され、様子をみることになりました。

薬は多少は効くようでしたが、完治するまでには至らず、このままステロイドを飲み続けるのもどうかと思い、妻の勧めで清明院を訪ねました。

まずは問診。

今回の症状についてだけでなく、生活や体質なども詳しく聞かれました。

そして鍼。

驚いたのは、耳とは程遠い、手の脇に1本だけ打ったことです。

感触は、ほとんど分からない程度でした。

「耳の近くや、全身にある『耳のつぼ』に何本も打つ(そして痛い)」という先入観を、見事に覆されました。

施術が終わってみると、症状は変わらないものの、肩や背中が明らかに柔らかくなっています。

症状に直接対処するのではなく、全身の総合的な流れ(と、いうのかな?)を整えることで、結果として改善されるということなのかなぁ、と感じました。

そして、週1~2回ペースで通うこと約1ヶ月。

症状は徐々に改善され、いつのまにか普通に聞こえるようになっていました。

突発性難聴は、定着してしまうと戻らない可能性が高く、とにかく早い対処が必要といわれています。

ギリギリのタイミングで清明院に出会い、無事完治することができ、本当に良かったと思います。


なお余談ですが、毎年悩まされている花粉症が今年は出ないことと、妙に食欲が出てやや太ってしまったこと(苦笑)がオマケとしてありました。


【清明院からのコメント】

本患者さんは、実は大変頭脳明晰な方でして、さすがにシンプルに要約して、この医学の特色、経過を述べて下さいました。(笑)

非常によくまとまった文章を書いて下さり、Sさん、ありがとうございます!!<m(__)m>

本患者さんが述べて下さったように、「突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)」という病気は、近年特に多い割に、

西洋医学の耳鼻科の先生方も手を焼いておられる病気の一つではないかと思います。

しかもそれが東洋医学、鍼灸でよくなることがある、という事実が、あまり知られてはいません。

つまり、耳が聞こえない、聞こえにくいという不安、不具合を抱えて、耳鼻科の薬で治療してもよくならずにさまよっている患者さんが多い疾患だ、ということです。

中には完全に聞こえなくなってしまう方もおられますし、鍼灸サイドから考えても、発症してから時間が経ってしまったものほど治りが悪いように思います。

この患者さんの場合も、もともと奥様が清明院の患者さんであり、早い段階で奥様の方からご相談いただいたため、

早期に着手することが出来た、ラッキーな症例だったと言えます。

「肝欝気滞(かんうつきたい)>腎虚(じんきょ)」と証を立て、治療を始めると、1回目から効果が表れ、約1カ月後、7回の治療で、ほぼ症状は消失しております。

今回このように「患者さんの声」を書いていただいたことで、同じ病に苦しむ一人でも多くの患者さんが救われるきっかけになれば、と思います。

また、もともとお持ちであった花粉症も改善されているという事実も、注目に値すると思います。

これは我々東洋医学の立場からすれば、この方の生活習慣、体質的な弱点を意識し、全体のアンバランスを是正しながら、

今回の依頼内容である「耳の聞こえにくさ」を治療する、という我々にとって「普通の」方法を取った結果であります。

こういうことが出来るのが、東洋医学なのではないかと思います。

 

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「心包」って何ですか?

2011.03.05

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・・・さあ、いよいよこの「五臓六腑」シリーズも最後に近づいてきました。

 


最後を飾るのは「心包(しんぽう)の臓」「三焦(さんしょう)の腑」でございます。

 

この2つについては、実は以前チョコッと述べています。

「表裏(ひょうり)」する臓腑 参照

 


・・・これまでは、肝とか腎とか、膀胱とか、比較的聞きなれたような内臓(臓腑)のお話が多かったため、多少イメージしやすかったと思いますが、

この、”心包”と”三焦”については、一般の方はあまり聞いたことがないと思います。

 

でもそれだけに、東洋医学独特の、非常に重要な二つなのであります。

 

まずは「心包の臓」から解説します。

 


☆「心包」とは何か

この「心包の臓」というものは、以前説明した「心の臓」とセットなんです。


「心」って何ですか?(その7) 参照


つまり”二つで一つ(ニコイチ)”ということであります。


だから、五臓に心包を加えて”六臓”と言わずに、

五臓・・・肝、心(心包)、脾、肺、腎

という風に、「心の臓」と同じもの、として扱うのが一般的です。

まずここがポイントです。

 


そして、「心包の臓」を図で示しますと・・・

心包の臓(類経図翼)

↑↑・・・こういうことになります。(『類経図翼』より)

 

上図の、ハート形の「心の臓」にワラワラと巻きついたような格好で描かれているのが「心包」です。

 


ちなみに以前お見せした、「心の臓」はこちらです。

 

 

心の臓(類経図翼)

ワラワラと巻きつく「心包」がない、ツルっとした姿となっております。(笑)

 

・・・ではこの、「心の臓」と二つで一つの「心包の臓」、ワラワラと巻きついて一体何をしているんでしょう。

 

 

それは次回。(笑)

 

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(社)北辰会関東支部2月定例会

2011.02.28

昨日、2月27日(日)は、代々木オリンピックセンターで行われた、(社)北辰会関東支部定例会に行ってきました!!

今回の定例会は、午前中基礎コースは土田丈先生による

「臓腑経絡学 肝・胆」

午前中臨床コースは尾崎真哉支部長による

「疾患各論 リウマチ」

これはどちらも非常に重要な内容です。

臨床上、「肝の臓」、「胆の腑」に異常を起こしている患者さんは少なくないし、「リウマチ」という病も、診る機会の非常に多い疾患の一つです。

僕は北辰会HPに載せるための宣材写真を撮るため、幸い両方の講義を少しづつ聴講させていただきましたが(役得)、お二人とも素晴らしい内容の講義をしておられました。

そして午後は本部講師である森洋平先生による

「北辰会の刺鍼術 講義+実技」

でした。

・・・コレまた素晴らしい内容で、受講生の方は北辰会の刺鍼術が、理論的にも実践的にも、よく分かったんじゃないだろうかと思います。

アンケートが楽しみなところです。

北辰会では、撓入鍼法(とうにゅうしんぽう)という独特の刺鍼術を用います。

そして、撓入鍼法をやりやすくするための独自の鍼”蓮風鍼”も開発しています。

昨日はこの、”蓮風鍼”の製造メーカーである、タフリー社さんも勉強会に見えてまして、なかなかの盛況ぶりでした。

・・・まあそうはいっても、一回講義を受けて、その時間だけ練習しただけで、完璧に出来るようになるワケありませんので、受講生の方々は、

 

僕も含め、今後よくよく、毎日毎日練習して、各々が上達していくことでしょう。

そして終わった後は飲み会・・・。

今回も濃かった・・・。(苦笑)

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「膀胱」って何ですか?(その5)

2011.02.27

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これまでのお話・・・


「腎」って何ですか?(その11)

「膀胱(ぼうこう)」って何ですか?
「膀胱」って何ですか?(その2)
「膀胱」って何ですか?(その3)
「膀胱」って何ですか?(その4)

 

さーここらで、「膀胱の腑」シリーズをいったん終わりにしましょう!!

 

☆「下焦」という世界



「腎」って何ですか?(その3)で述べたように、東洋医学ではおへそから下の、下腹部のことを「下焦(げしょう)」と呼び、とっても大事な臓腑がしまわれている場所だ、と考えています。

すなわち「腎の臓」、「肝の臓」、「小腸の腑」、「大腸の腑」、「膀胱の腑」、「女子胞(じょしほう:子宮のこと)」が存在し、上焦、中焦と比較すると、

 

最も多くの臓腑が存在します。


それも、消化や排泄、泌尿生殖器といった、生命を維持する上で欠かせない、重要な臓腑ばかりです。

気功などでも、おへその下には臍下丹田(さいかたんでん)という、気を集める特別な場所があるとし、古来から非常に重要視しています。


このように人体の中で非常に大事なポイントに、さりげなく(でもないか。)存在する「膀胱の腑」・・・。

その膀胱の腑と最も関係の深い経絡に、「足太陽膀胱経(あしたいようぼうこうけい)」という経絡があります。

(経絡の話も、そのうち書きます。)

その経絡上に、「崑崙(こんろん)」という経穴(ツボ)があります。


今日はオマケで、その話をちょこっと書いて終わりたいと思います。

☆神秘の霊峰「崑崙山」と「崑崙」という経穴

ちょっと番外編になりますが、この「崑崙」・・・。

 

外くるぶしの後ろにあるツボでございます。

 

 

崑崙

 

 

↑↑若干ムクミが気になりますが。。。

 

 


もともと、「崑崙山」という山の名前から取ったモノだと言われております。

(・・・まあ、カタチ的に外くるぶしが崑崙山で、そのふもとってとこでしょう。)


この崑崙山という山は、中国の太古の伝説にもよく登場する山でして、伝説では神様や仙人が住む、霊峰なんだそうです。

実際に現在も、チベット高原の北には同名の山脈が存在します。

(そこは普通の山脈のようですが。(笑))

古代中国で神秘思想が流行した時期、もともと山というのは神聖なものとして扱われていましたが、中でもこの崑崙山は特別扱いだったようです。

「コンロン」とは「渾淪」とも書き、こう書くと非常に深い意味を持ちます。


『列子』天瑞第一にこうあります。

「太初は、気の始めなり。太始は、形の始めなり。太素は、質の始めなり。気形質具わって未だ相離れず、故に渾淪(こんろん)という。」

穴沢辰雄『列子』明徳出版社 P32 参照)

 

 

・・・ここでは、「渾淪」とは宇宙開闢以前の混沌(カオス)のことです。

 

また道教などでは「崑崙」という言葉はそのまま「脳」を示す、とあり、これまた深い意味があります。

 


近代日本の著名な鍼灸家も、このツボは非常に強力なツボだと認識しているようです。

柳谷素霊先生の見解に、藤本蓮風先生も同意しています。藤本蓮風『経穴解説 増補改訂新装版』メディカルユーコンP226参照)

僕自身の臨床経験でも、診断点、治療点として、非常に使えるツボじゃないかな、と認識しています。

・・・まあ、あんまり書いてると止まらなくなりますが、個人的には「足太陽膀胱経」の中でも、非常に臨床における利用価値の高い、興味深い経穴だと思っております。(笑)

 

そして、そう思うに至るまでに、実践はもちろん、あらゆる着想のきっかけがあった、ということです。

 

まあ、これを一つのオマケとしまして、「膀胱の腑」シリーズ、いったん終了でございます!!

 

 

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「デジャヴ」とは

2011.02.12

 

 

 

 

清明院では現在、求人募集しております。

 

本物の鍼灸医学の世界を、我々と追求してみませんか?

 

募集内容の詳細はこちら

 

 

 

 

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好きな人は好きであろう、この「夢」シリーズ、たまには書きましょう。(笑)

「夢」はなぜ見る?
「肝」って何ですか?(その4)
「夢」の不思議            参照

 


今回は「デジャヴ」について。

 


・・・この、身近で不思議な現象、皆さんも経験したこと、あるんじゃないでしょうか。

 

これは何気ない瞬間に、

「あれ、ここ、夢で見た!!」

とか、

「あれ、なんかここ、来たことあるナー。」

と、初めて経験することなはずなのに、確かに過去に体験したことがある感覚があることであり、その場面や場所を夢で見た、ということをハッと思い出したりすることもあります。

 

これはよく「予知夢」と混同されることがありますが、事前に夢で見てようが見てまいが、

その時確かに過去に実際に体験した感覚があったこと

をも全て含む考え方なので、「予知夢」とは概念的には違います。

 

この「デジャブ」という言葉は、超心理学を研究していたフランスのエミール・ブワラックさん( 1851 – 1917)という人が、シカゴ大学在学中に提唱した考え方なんだそうです。

この現象はよく映画や漫画、ドラマなんかの題材や一場面に使われることがあります。

 

それぐらい身近な現象だということでしょう。

(例えばマトリックス、時をかける少女、ひぐらしの泣く頃に、涼宮ハルヒetc..)

 


この現象は、健常者が感じることも珍しくない割には、統合失調症や側頭葉てんかんの初期症状とか、科学的には記憶の異常現象として、病的な現象として扱われることが少なくありません。

 

なぜならば、よく分からないからです。(笑)

 


現代ではよく分からんものを、「病的」と決めつけ、いじくり回し、結果的に取り返しのつかない状況を生んでしまうことが屡々あるように思います。

 

・・・まあそれはさておき、デジャヴについては様々な学者さんによって色々な仮説が唱えられているようですが、所詮は仮説であり、確証はないでしょう。

 

個人的にはこの現象に関しては、あまりにも些細な現象なので、「魂の記憶」とか、「運命論」といった、オカルトチックな解釈も、嫌いではありません。(笑)

 

・・・まあ人間にはこういう、現行の科学で説明のつかない機能というか現象が、しばしば起こるものです。

 

「人間」そのものの歴史と「現代科学」のせいぜい数百年の歴史を比較して考えれば、当たり前のような気もしますが。

 

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「腎」って何ですか?(その11)

2011.01.30

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これまでのお話・・・


「腎(じん)」ってなんですか?(その1)

「腎」って何ですか?(その2)
「腎」って何ですか?(その3)
「腎」って何ですか?(その4)
「腎」って何ですか?(その5)
「腎」って何ですか?(その6)
「腎」って何ですか?(その7)
「腎」って何ですか?(その8)
「腎」って何ですか?(その9)
「腎」って何ですか?(その10)

 

・・・さて、そろそろ「腎」シリーズ、ラストになります。

 


これまで色々と書いてきましたが、「腎」というのは、五臓六腑の中でも特に重要な臓であります。

 


患者さんが訴える、様々な症状の根本中の根本になっていることも少なくありません。

 


したがって病を根っこから治療しようと考えた時、治療対象になることも多い臓です。

 


東洋医学の言う五臓六腑というのは、どれが欠けてもダメ、全体のバランスが重要、という風に考えますが、その中でもとりわけ重要なのはどれかといえば、

 

私は「肝・脾」・腎」の3臓であると考えています。

(まあここは、考え方によって多少分かれるところでしょうけども。)

ともかく、人間の生殖をつかさどる腎の臓・・・。

 


近年増加し、問題になっている不妊症や不育症、先天性の病なんかにも、大きく関与することが多いのです。

 

 

また、漫画などで描かれる、高齢者のトレードマークといえば「白髪」と「入れ歯」と「曲がった腰」ですが、これらにも「腎の臓」は大きく関わります。

 

☆「腎」と「髪」と「歯」

以前、髪の栄養である「血」と大きく関わるのは「肝の臓」である、というお話をしました。

「肝」って何ですか?(その3) 参照

 

しかし髪の栄養には、「腎」も大きく関わります。

 


なぜならば東洋医学には、

「肝腎同源(かんじんどうげん)」

という有名な言葉があります。

 


・・・コレはどういう意味かというと、腎が蔵する「精(せい)」は、体の状況に応じて「血(けつ)」に変化し、反対に肝が蔵する「血」が、「精」に変化する場合もある、

 

という、「精」と「血」は同根で、もともと同じものである、という考え方であります。

 


つまり、「血」が足らなくなると「精」が変化して補い、その逆パターンもある、ということです。

 


つまり、

「血の余り」

と言われる「毛髮」には、「肝」と「腎」が大きく関わる、という風に考えるのです。

(これを”精血同源(せいけつどうげん)”と言ったりもします。)

 

 

そしてさらに、東洋医学では「歯」のことを、

「骨の余り」

と呼びます。

 


「歯」というのは実際に、上あごと下あごの骨にガッチリとくい込んでいまして、骨を基礎として伸びてきます。

 


まさに、成長過程からも、見た目も見るからに「骨の余り」なんですが、その「骨」と、その中にある「骨髓」をしっかりとした良好な状態に保つ働きを持っているのが、

まさに「腎の臓」なのだ、ということです。

 


・・・ということは、「髪」と「歯」の状態というのは、そのままその患者さんの「腎の臓」の状態を示すことが少なくないのです。

 


小さい頃から虫歯が多いとか、50代後半で総入れ歯になったとか、出産したら歯がボロボロになったとか・・・、小さい頃から骨折しやすいとか、

 

中年期から背骨が変形して姿勢が曲がってきたとか・・・、若いうちから白髪が多いとか・・・、などなど、自分を考えても、周りの人を思い浮かべても、

 

思い当たる方が多いのではないかと思います。

 

・・・信じられない方もいるかもしれないけれども、高齢者で髪が真っ白の方が、鍼治療を始めてから、黒い髪が生えてきた、という事例を、僕は何度も経験しています。(笑)

 

 


まあ要は、

「腎の臓」をいい状態に保つことによって、高齢者はいつまでも若々しくいられるし、

若者は若者らしく、健全な人生を全うすることが出来るのです!

そして、東洋医学は、それの大きな助けになることが出来るのです!


 

・・・ということで、「腎の臓」シリーズ、ひとまず終了。

 

 

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「泣く」とはどういうことか(その6)

2011.01.07

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これまでのお話

「泣く」とはどういうことか(その1)
「泣く」とはどういうことか(その2)
「泣く」とはどういうことか(その3)
「泣く」とはどういうことか(その4)
「泣く」とはどういうことか(その5)

 

かなり久々になりますが、このシリーズ、ちょっと足しましょう。

 


今後もこのように、右にあるカテゴリーの色んな話を、たまに肉付けしていきます。

 


今日、こんなニュースを見つけました。


(↓↓以下簡略化して引用)

◆女性の涙に「逆フェロモン」…男性の興奮鎮静化

 

読売新聞 1月7日(金)3時7分配信

 

女性の涙には男性の感情に影響する化学物質が含まれているとの実験結果を、イスラエルにあるワイツマン科学研究所のチームがまとめ、

米科学誌サイエンス電子版で6日、発表した。


昆虫では、情報伝達の役割を担う微量の化学物質「フェロモン」が生殖行動に影響し、マウスでも雄の涙腺から分泌される物質が雌に交尾を促すことが報告されている。
 
今回、動物の世界で知られる促進フェロモンとは異なる作用のフェロモンが人間に備わっている可能性が強まった。

研究チームはまず、複数の女性ボランティアに悲しい映画を見せ、涙を採取。

涙と、塩水がしみこんだシートを男性被験者24人の鼻の下に別々にはりつけると、涙のシートをつけた場合でのみ、女性の顔写真に性的魅力を感じる度合いが減った。

唾液中の男性ホルモン「テストステロン」の濃度も低下したほか、脳の活動を調べる機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)でも、性的興奮にかかわる視床下部などで活動が低下していることを確認した。

 
 

(引用おわり)

 

・・・まあ要するに、人間の女性の涙には、男性の性的興奮を「抑制する」成分を含んでいる可能性がある、という記事ですね。
 

以前このシリーズでも、涙の成分についてはいまだに不明な点がある、ということをお伝えしました。
 

サイエンスの原文を読んだ訳じゃないけど、今回の実験結果は面白いことを示唆していると思います。
 

「女性の」「悲しい映画を観ての」涙が含む、

「嗅覚」を刺激する何らかの成分(フェロモン?)が

男性の「性的興奮」を

「選択的に」抑制する

ということがもし本当ならば、非常に興味深いですね。

 

「涙」、「悲しい」「嗅覚」、「性的興奮の抑制」、というキーワードからは、東洋医学的には「肝の臓」「肺の臓」が想起されます。
 

そして五行で言う「肝木」「肺金」からさらに「魂(こん)」「魄(はく)」、「肝血(かんけつ)」「肺気(はいき)」という陰陽、

そして、「男女」という陰陽・・・。

 
この実験をやったワイツマン科学研究所の人たちに質問してみたいことが山ほどあるんですけどー・・・。

 
(笑・・・言葉通じませんけどネ。)

 
・・・まあいずれにせよ、人体について現代科学的に分かってくれば来るほど、

「それをとっくに東洋医学は説明出来ていた!」

なんてことがたくさん起こるかもしれませんね・・・。(笑)

 
 

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