東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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タバコと東洋医学(その5)

2012.08.26

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これまでのお話・・・

タバコと東洋医学
タバコと東洋医学(その2)
タバコと東洋医学(その3)
タバコと東洋医学(その4)

 


では、続きいきます!!

今日は、東洋医学の考える”ため息”について触れます。

清明院が使用している、「北辰会専用カルテ」の予診票の項目には、

「ため息がよく出る」

〇か☓か△か、という問診項目があるぐらい、”ため息がよく出るかどうか”については、東洋医学的には注目します。

よく、クラ~イ顔して、

「ハァ~・・・。。」

ってやってる人、見かけますよね。(苦笑)

このため息のことを、東洋医学では「太息(たいそく)」といい、その意味づけは、ざっくり言うと胸の周辺部分の「気の停滞の除去」です。

肝の臓、胆の腑、心の臓、肺の臓の働きが主に関わります。

主にこれらの臓腑の働きが、何らかの原因によって失調しているときに、生理的にそれを是正しようとするため、

”ため息”が出やすい、ということになろうかと思います。

(太息については、『黄帝内経』『素問 五常政大論(70)』『素問 至真要大論(74)』『素問 平人気象論(18)』『霊枢 口問篇(28)』『霊枢 邪気蔵府病形篇(4)』

あたりに記載があり、特に『霊枢 口問篇(28)』の記載が非常に参考になります。)



患者さんが呈する、あらゆる症状というのは、何気ないものでも、その一つ一つが、その人の中身(五臓六腑の状態)を反映してくれる鏡なのです。

「表を以て裏を知る」 参照

ここまでをまとめると、「タバコを吸う」ということは、

1.胸部に絡んだ痰の邪気を乾かしつつ、

2.深い呼吸により、上った気を下げ、

3.自分好みの香りで気を巡らせ、脾の臓の働きを鼓舞し、

4.「ため息」によっても胸部の気を巡らせ、胸部周辺の緊張を緩め、様々な臓腑の失調をフォローしようとする

行為である、ということなのです。


逆に言えば、

 

「そうする必要があるような体の状態である」

 

ということです。

 

これはもちろん、喫煙習慣を肯定しているわけではなく、この対処法は、非常に不健康な対処法だ、という指摘です。

だから、東洋医学的には、「タバコを吸う習慣がある」という時点で、様々な臓腑の機能失調や、胸部を中心に、痰の邪気を持っている可能性が高い、と考えます。


また、タバコの葉に含まれるニコチンの毒性を考えると、上記のような”いい側面”というのはあくまでも一時的、対症的なものに過ぎず、

東洋医学的には徐々に胸部を中心に「熱毒」を籠もらせる結果になるので、ほどほどにしないといけないし、出来れば吸わない方がいい、

 

ということになります。

(今の時代、他人様に迷惑をかける可能性も高いし。。。)

ただ、あまり患者さんを脅かして、無理やり、急に止めさせたりすると、上記のような、

”タバコを吸うことによって抑え込んでいた異常”

が一気に表面化して、様々な症状を呈することがあります。


僕のように。(^^;)

 

次回こそいよいよ、その話が出来そうですな。(笑)

 

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乳製品は体にいい?(その7:番外コーヒー篇②)

2012.08.09

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これまでのお話・・・

乳製品は体にいい?
乳製品は体にいい?(その2)
乳製品は体にいい?(その3)
乳製品は体にいい?(その4)
乳製品は体にいい?(その5)
乳製品は体にいい?(その6)

 


では、どんどんいきます!

 

前回、「コーヒー」について書きました。

 


毎日毎日、患者さんの話を聞いていると、コーヒーや紅茶、緑茶などといった、いわゆる「カフェイン類」を過飲している人は多く、キチッと養生指導しなくてはいけないことが多いです。

 

これまでに多い人で、1日10杯も飲んでる、なんて人もいました。

 

ナンボいい鍼をしても、患者さんが誤った食生活を続けていたりすると、治療の大きな妨げになるものです。

 

カフェイン含有食品として有名なのは、紅茶、緑茶、コーヒーあたりです。

 

(因みに含有量的には紅茶>お茶>コーヒーの順ですが、インスタントコーヒーはレギュラーコーヒーの約70倍ものカフェイン量なんだそうです。。。(゜o゜))

 

問題はカフェインが入ってるものを、その人の”適正量”、”許容量”を超えて摂ってしまっているかどうか、また、それがどの程度、今回の症状に影響を与えているかどうか、です。

 


カフェインについて栄養学的に詳しく、一般人に分かりやすく解説したサイトは山ほどありますので、ここではしませんが、”いい作用”としては、

 

脳の働きを活発にするとか、利尿作用、虫歯予防作用、胃液分泌促進あたりが有名です。

 

反対に、過飲した場合の”悪い作用”は、胃潰瘍や卵巣嚢腫や乳腺嚢腫になりやすいとか、イライラや頭痛といった中毒症状が出るとか、です。

 

参考 内閣府 食品安全委員会「食品中のカフェインについて」

 

このカフェイン類というのは、東洋医学的にはどういう意味を持つのでしょうか。

・・・これは摂った人の、その時の状態によって、発現する作用が違ってくると思いますので、これまた臨機応変に、個別に考える必要があると思いますが、基本的には肝気を鼓舞する、という押さえ方で良いと思います。

 

因みに、何度も言うようですが、そもそも「過飲」の量だって、人それぞれ違います。

 

興味深いことに、患者さんに聞いていると、カフェイン類を摂ると、シャキッとする人と、ホッとする人の2パターンがおります。

 


同じ人でも、状況によって違う(逆の反応を示す)場合もあります。

 


会社にいる時はシャキッとするけど、家にいる時はホッとする、とかね。

 

家でカフェインを摂るとホッとする人には、寝る前にカフェイン類を摂った方が、かえってよく眠れる、どうして??なんておっしゃる方もいます。

 

このことから、興奮状態になったり、安静状態になったりすること(精神情緒の変動)にカフェインが関わる、と考えられ、それならば、東洋医学的には、

気の巡りや精神状態や思考機能に大きく関わる訳ですから、臓腑で言えば「肝の臓」「心の臓」「脾の臓」あたりに作用する面が相対的に大きいのかもしれません。

つまり、「肝の臓」「心の臓」、「脾の臓」を中心に病んでいる人は、摂取量に注意が必要、と考えます。

「肝」って何ですか?(その13)
「脾」って何ですか?(その9)
「心」って何ですか?(その7)  参照

 

 

このように、臨床的にはあくまでも総合的に判断するべきで、ある情報のみをもって何かを断言することはできません。

 

・・・とまあ、このシリーズに関して、こんなもんなんですけど、山の子供さんからご質問いただいたので、せっかくなんで、タバコの問題もついでにいっときましょうかネ。

 

 

 

やはり皆さん、この辺の話は興味あるんだな。。。

 

 

◆参考文献 

 

『食材効能大辞典』東洋学術出版

『東方栄養新書』メディカルユーコン

 

 

 


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膝に水がたまる(その2)

2012.07.22

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前回のお話・・・

膝に水がたまる

では続きいきます!!

東洋医学では膝が痛いからって、必ず膝に原因がある、とは考えません。

単純に歩きすぎたとか、急激に太ったとかで、膝自体に物理的な負荷がかかりすぎた場合で、膝周囲のみ治療すればよくなる、というケースもないわけではないですが、

 

それは問題が膝のみにある、ごく軽いものであって、実際はそれ以外にも、五臓六腑の異常が関係している場合、外から全身が冷やされた場合など、

 

様々な病因があり、それを明らかにして、それに合わせて、治療します。

まあそうしないと、鍼灸院にわざわざ来るような大概のものは、なかなかよくなりません。

現在の日本の医療体制では、我々鍼灸院にみえる膝痛の患者さんは、まず最初に整形外科に行って治らず、次に整体や整骨院に行っても治らず、

 

悪く言えば、いろんな医療にさんざんいじくり回されたあとの、膝痛の患者さんが多いのです。(苦笑)

ですので、簡単で単純なものは、鍼灸院にたどり着く前にほぼ治ってしまっているので、我々のところに来るようなものは、五臓六腑の慢性的で複雑な変調の関わる、

 

ある意味重傷な膝痛が多いと思います。

ここで我々の臨床上多いのが、「肝の臓」、「脾の臓」の異常です。

「肝」って何ですか?(その13)
「脾」って何ですか?(その9) 参照

まあ、詳しい話をしていくと長くなりすぎるし難しくなっていっちゃうのでしませんが、この2臓を整えることで、よくなる膝痛は非常に多いです。

だから、患者さんとしては意味不明だろうけど、膝痛の治療なのに腕に一本、とか、頭に一本、という場合がよくあります。

最近診た膝痛の患者さんは、みんな上半身への刺鍼でよくなっております。

西洋医学の処置で治らなかったものが、です。

現代の「普通の」医学で治らないものを治す、こういうのも、東洋医学の存在意義だと思います。

((笑)・・・どうして水が溜まるかの細かい話、書こうと思ったけど、時間がなかった、あしからず・・・。)

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患者さんの声(50代女性 耳鳴り、耳の閉塞感)

2012.07.18

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「患者さんの声」をいただきましたので、紹介します!!

(さらに…)

「血」って何ですか?(その8)

2012.06.16

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これまでのお話・・・


「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)
「血」って何ですか?(その3)
「血」って何ですか?(その4)
「血」って何ですか?(その5)
「血」って何ですか?(その6)
「血」って何ですか?(その7)

 

 

続きいきます!

 

 

実際に、瘀血によっておこる痛みというのは、どのようなものなんでしょうか。

 

数年前、私の母が交通事故に遭いました。

 


会社の同僚と何人かでワゴン車に乗り、栃木県の有名な「いろは坂」を下っていた時のこと。

 


運転に慣れてない人が運転したそうで、カーブを曲がり切れず、ガードレールに正面から激突。

 


危うく谷底には落ちずに済んだのですが(苦笑・・・もし落ちてたらもうこの世にいません。)、その時に母はシートベルトで腹部を強烈に圧迫されました。

 

それにより、腸管が一部損傷し、小さな穴が開いており、このままでは腹膜炎を起こす可能性があるということで、緊急手術、となりました。

 

手術により腸管の穴は塞がったものの、手術した跡が、麻酔が切れた後に猛烈な激痛に襲われました。

 


痛み止めを点滴するも、大して効かず、夜間になると一層痛みは強まり、その日はほとんど眠れなかったそうです。

 


それを訴えると、看護師さんが患部に湿布を貼ってくれたり、さすってくれたりするけど、これもまったく無効・・・。

 

腸管の手術だから、メシも全く食えない。

 

緊急入院して手術をした栃木の病院に、僕が行ったのはその次の日。

 


清明院の診療終了後。

 


母はなかなか見たことがないぐらい、激痛に歪んだ、苦悶の表情をしておりました。(苦笑)

 


どのような体勢をとっても痛い、手術痕から腰にかけてのズキズキと鋭い痛み、夜になってくると余計痛い、とのこと。

 

ちょっと専門的になるが、これは事故、手術と、ある意味2回に渡る「外傷」によって腹腔内に急激に生じた瘀血による、経気の阻滞です。

 

急激に生じた瘀血と、経気の強烈な阻滞が、平素の肝鬱を助長させ、しかもそこに睡眠不足、断食も加わり、脾腎が動かず、一過性ではありますが心血をも不足させ、心神不寧も呈していました。

 

もちろん瘀血を速やかに除きたいが、こういう時に不用意に破血や活血をかけると、瘀血が動じてしまい、かえって痛みがきつくなることがあるのは経験済み。

 

まずは空間的な気の遍在も視野に入れた理気と、寧神安神が先だ。

 


母は辛そうに、

「あんた、こーゆーの、鍼で何とかならないんかね・・・?」

というので、

「もちろんなるよ。」

と即答し、とあるところに鍼を一本。

 


その場で痛みが半分以下に和らぐ。

 

痛み止めの点滴よりも、湿布よりも、看護師さんの”さすり”よりも、一本の鍼が効いたという事実。

 

もちろんこの症例は、開腹手術をしなければ、腹膜炎から絶命していた可能性もある症例なので、緊急手術はやむを得なかったと判断してるが、


その後の経過については、東洋医学の方に分があったと思っている。

 

 

つづく

 

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患者さんの声(20代男性 6年続く重い花粉症)

2012.06.02

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再び「患者さんの声」をいただきましたので、紹介します!!

20代 男性


【症状】6年間続く重度の花粉症による目の痒み、くしゃみ等

6年位前から自分は花粉症だとハッキリ自覚するようになりました。


3年前からは目のかゆみ、止まらないクシャミで夜も寝付けず、アイボンで目を洗い、薬を毎日飲んでいました。

 
そんな中、友人から「花粉症に鍼が効く。」と教えてもらいました。

 
「鍼はやったことないけど、なんかうそ臭い。」

「”気”ってなんだ? ドラゴンボールか??」

「肩こり、腰痛には効くかもしれないけど・・・。」

と思いながらも、

「少しでも症状が軽くなればラッキー♪」

と、昨年(H24年)の10月から通い始めました。

 
週1回程度で通いだしましたが、それまで医療費にお金をかける習慣がなかったので、サラリーマンにとって1回5千円はかなり大きい負担です。
 

最初のころは生活を切り詰めて治療費を捻出していましたが、忘年会・お祝い事・親の入院などで出費が増えてしまい、途中からは月2回程度に減らしました。

(安月給なので、これでも辛いですが・・・)

 
最初の問診では、自分でも意識していないことを色々聞かれるし、先生は長髪で怪しげなオッサン(実際は若いらしいですが)だし、

院内は変な音楽が流れているし、「やっぱり何か胡散臭い!」と思ってました。(笑)

 
しかも、花粉症の治療なので、効果があるのかどうかは春にならないとわかりません。

「4月に効果を実感できなかったら、通うのをやめよう。」

と思ってました。

 
・・・で、今年の春。
 

完治とはいきませんでしたが、薬を飲まなくても我慢できる程度の症状で、一日に数回しかクシャミをしませんでした。

例年は薬をのんでも止まらないのに、今年は一切飲んでません。

目も多少かゆくなりますが、目薬・アイボンが必要なほどではありませんでした。

ここまで効果があるとは思いませんでした。

正直びっくりしました。

来年のためにも継続して通いたいと思ってますが、どの程度の頻度で通えば良いかが、まだ分かりません。

回数が多いほど良いのは当然でしょうが、無理なく続けられる範囲で通おうと思ってます。

 

【清明院からのコメント】

なかなか、厳しい「患者さんの声」をいただきました。(苦笑)

軽く酔った状態で書いてくれたそうなので、何となく文章から酒の匂いがしますね。

あのー、胡散臭くて、すいません。<m(__)m>

・・・でもまあ、良くなったんだから、いいじゃないか、という症例です。(笑)

この方は初診時、コメントにもあるように、”疑いの眼(まなこ)”丸出しでやってきました。(紹介なのにー。)

しかし、どことなくサバサバした感じで、よければ続ける、ダメならやめる、とハッキリ割り切ってきました、という印象を受けました。

「肝鬱気逆、湿熱」と証を立て、治療をすると、初回からいい変化。

この時点で、しっかり継続すれば、間違いなく例年よりはいい状態になります、と伝えました。

経過中、経済的な問題から、治療間隔を開けざるを得なくなったので、理想的とまではいきませんでしたが、まずまず調整出来た方だと思います。

あとは酒に気をつけて、経済的に無理のない範囲で通ってくれれば、もっとよくなるでしょう。(笑)

近年増加傾向である花粉症・・・、西洋薬で症状だけ無理やり抑えてごまかしておられる方が少なくありません。

根本的には体質改善、生活改善をしないことには、根治は難しい疾患だと思います。

辛い症状でお困りの方は、清明院に相談に来られてはいかがでしょうか。


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悪阻(つわり)と結婚指輪

2012.05.17

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最近、以前から通院されている不妊症の患者さんが妊娠されたり、妊娠初期で、つわりの治療でお見えになっている患者さんがたくさんおられます。

とある、なかなか治らないつわりの患者さん・・・。


こちらの指示もちゃんと聞いてくれるし、キチッと時間通り、決めた頻度で治療に見えておられますが、治療すると楽にはなるものの、

1、2日経つと症状が戻ってしまいます。


非常に苦しそうであり、何とかしてあげたい。

・・・ちょっと専門的になるけど、つわりの中医学的な基本病理メカニズムは、衝脈気逆が関与して起こる、胃失和降が基本です。

「生理と病理の連続性」というものの感じられる症状の最たるもので、妊娠すれば、奇経八脈の任衝2脈が盛んになるワケだから、

気機が上逆傾向になるのは、生理的現象とも考えられる。


なので、患者さんに説明する際には、つわりは正常な人でもある程度は出ることがあるから、最小限度に抑えましょうネ、

という風にお話しさせていただくことが多い。


ただこの「最小限」が、食事が取れない、嘔吐が続いて全身虚脱、栄養不良状態になる、とまでなってくると、うまくない。

当然、胃気の上逆が心神を擾乱すれば不眠や精神不安定も呈してきます。

もともと、肺の病変を持っている人であれば、喘息様の発作や気逆咳なんかが出てくることもあります。


そこで、八綱弁証、臓腑弁証、空間弁証などを弁別、駆使し、胃気を中心とした気機の降逆から、止嘔に努めるワケだが、なかなか止まらないことがある・・・。


で、なぜだろう、なぜだろうと考えていたところ、手の少陽三焦経の左右差が目に付いた。

肝鬱気逆から手少陽の左右差が生じることはあっても、手少陽の左右差が肝鬱気逆を助長する、という観点が希薄だった。


・・・で、左手薬指、手の少陽三焦経上に光る愛の証、結婚指輪を容赦なく外させた。

そしたらすぐ治った。(爆)

指輪、ピアス、ネックレス、具合悪い時は外しましょうネ。(笑)

正常な気の流れを邪魔することがありまっせ。

 

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「血」って何ですか?(その4)

2012.05.05

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これまでのお話・・・


「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)
「血」って何ですか?(その3)

 

 

続きいきます!

 

◆血が不足すると問題発生

 

これまでの話で、東洋医学における「血」というものは、基本的には「飲食物」が主な原料となり、足らなくなると「腎精」「血」に変化してくれることによって不足がフォローされ、

 

主として「血脈」の中を流れて、全身を隅々まで循環し、必要に応じてカラダを栄養するもの、でした。

 

また、睡眠時など、あまり使われない時は「肝の臓」に蓄えられている、というお話もしました。

 


そして、「血」が循環する際の原動力や律動性には「心の臓」「肺の臓」が、飲食物を消化吸収するためには「脾の臓」「胃の腑」が、


「腎精」から「血」に変化するには「腎の臓」の働きが大きく関わり、「血」の生成、作用は、実に様々な臓腑の働きに支えられているよ、

 

というお話でした。

 

・・・で、今日は、”「血」が不足する”とはどういうことか、を考えてみたいと思います。

 

上記のようなメカニズムで生成される訳ですから、当然、「脾の臓」「胃の腑」に異常があって、飲食物をうまく消化吸収出来なければ、


「血」が生成されにくくなり、不足が起こってきます。

 

それでも、「腎の臓」がしっかりしていて、「腎精」をガッチリ蓄えてくれていれば、不足をフォローできます。

 

また、「肝の臓」「血」がたっぷりと貯蔵されていれば、ここからも不足をフォローすることが出来ます。

 


ですので、”脾胃が弱い=必ず血が不足する”という短絡的な考え方はNGなのです。

 


しかし、脾の臓や胃の腑が弱く、飲食物から「血のもと」を取り込めない、しかも腎の臓も弱っていて、「腎精」による血のフォローが出来ない、

 

なおかつ肝の臓にもあまり貯蔵出来ていない、ということになると、これは”全身的な血の不足”が起こります。

 


まずコレが一つ重要。

 

こうなると、カラダを潤すことが出来なくなるワケですから、いたるところがパサパサになってきます。

 

具体的には皮膚、髪、爪がパサパサ、弱く脆くなり、全身的に血色が悪くなり、唇や舌の色も褪せて白くなってきます。

(コワイネ~)

 

もう一つのパターンとして、「血」の全体量としてはあるんだけど、巡る力が弱い、あるいは何かによって邪魔されてるために、停滞してしまって、

 

必要な部分に届かず、”部分的に”足らなくなるパターンです。

 

皮膚に足らなければ痒みを起こしたり、目に足らなければ眼精疲労を、筋肉に足らなければこむら返りやけいれんなどなど、実に様々な症状を引き起こします。

 

これが、”部分的な血の不足”です。

 

二つ目にはコレが重要です。

 

・・・ちなみにこの、「部分的な血の不足」の原因の一つである、”停滞してしまって、使い物にならん血”のことを東洋医学では「瘀血(おけつ)」と呼んでおります。

 

「瘀血」については、素人の方でも、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。

 

 


以前、このブログでも紹介しました。

「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について 参照

 


要はこの瘀血が、正常な血の運行を物理的に邪魔して、必要な部分に届かないと、様々な症状が起こす場合があるのです。

 


それ以外にも、肝や心や肺の異常により、「気の停滞」が起こると、血の正常な循環が保てなくなる、というケースもあります。

 

・・・このように、「血の不足」と一口に行っても、東洋医学的にはまずそれが「全身的なのか、部分的なのか」を考え、それらのメカニズムまで考え、対処、治療しております。

 

 

ちなみにちなみに、言うまでもないですが、東洋医学の言う「血の不足(血虚)」と、西洋医学の言う「貧血」とは別物ですので、あしからず。(苦笑)

 

 


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「血」って何ですか?(その3)

2012.05.03

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これまでのお話・・・

「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)

 


続きいきます!

 

 

◆「血」の居場所

 


最初に述べたように、「血」「血脈」をその通路として全身を巡回し、全身の各部位を栄養します。

ドックンドックンと、律動的に、全身を巡っております。

 


ドックンドックンと押しこくられるパワーは「心の臓」が関与し(主血作用)、その律動性は「肺の臓」が、主に関与(治節を主る)しています。

 

「血」の通路であるこの「血脈」は、「心の臓」と関係が深いです。


「心」って何ですか?(その3) 参照

 


・・・というよりも、「心の臓」自体が、ある意味「血脈」の一部、とも考えられます。

 

胎児が育っていく過程で、「血脈」のある部分が膨らんで、特別な働きを持ったモノ、これが「心の臓」であるとも考えることが出来ます。

 



 

話がそれたので戻しますが、「血」というのは、例えば運動して筋肉を使えば筋肉に、パソコン作業で目を使えば目に、すぐにサッと集まって、その部分の働きを支えてくれます。

(まあ、燃料みたいなもんですナ。無尽蔵ではないけど。)

 

 


人間が、ある部分を使う時は、その部分には「気と血」が必要なのです。

 

だからやり過ぎ(使い過ぎ)たら休ませて、その間に「気血」を生成して、また使う、これの繰り返し以外あり得ないのです。

 

これは自然の摂理です。

 

また、あまり体を使っていない時、つまり寝ている時なんかは、「血」はどこにいるかというと、全身を巡ってないわけではないですが、

 

日中ほどは必要とされないので、主に「肝の臓」に貯蔵されています。


「肝」って何ですか?(その2) 参照

 


このように、東洋医学の言う「血」というものは、肝、心、脾、胃、肺、腎など、五臓六腑と密接に関わりながら、「気」や「精」というものとも深く関わりつつ、

 

全身を栄養し、潤してくれているのです。

 


だからこの「血」が不足すると、体が栄養不足を起こし、パサパサになります。(苦笑)

 

 

次回はその具体例のお話。

 

 

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「経絡」って何ですか?(その4)

2012.04.17

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これまでのお話・・・

 


「経絡(けいらく)」って何ですか?

「心包」って何ですか?(その5)

「経絡」って何ですか?(その2)

「経絡」って何ですか?(その3)

 

 

 

続きいきます!!

 


◆経絡は絶えず循環している

 

前回までで、「経絡」のメインルートは12本あり、それを「正経十二経」と呼び、一本一本が関係の深い臓腑をもっており、

それは全身を複雑なルートで、絶えず循環している、というお話をしました。

 

では、どのような順番なのかというと。

肺経→大腸経→胃経→脾経→心経→小腸経→膀胱経→腎経→心包経→三焦経→胆経→肝経

という順番で、全身を循環していると考えられています。

 


・・・な~んて言われても、ワケ分かりませんわな。(笑)

 

まあ、ここはあんまり、専門的にならないように、深入りしないように解説しますが、経絡というのは、それぞれが関連する臓腑をもつことと、

もう一つ重要なのが、「手を中心に流れる」ものと、「足を中心に流れる」ものに分けられることです。

 

例えば、「肺経」であれば肺の臓と深く関わりながら手に流れ、「肝経」であれば肝の臓と深く関わりながら足に流れる、という具合です。

 


そう考えると、

肺経(手)→大腸経(手)→胃経(足)→脾経(足)→心経(手)→小腸経(手)→膀胱経(足)→腎経(足)→心包経(手)→三焦経(手)→胆経(足)→肝経(足)

という順番になるのですが、これを見ると、経絡の気は手→手→足→足→手→手・・という風に、手から足へと巡り、再び手へと、順番に巡っていることが分かります。

 

こうやって経絡は、手足、すなわち上下の気の流れのバランスをとってくれているのです。

 

また、体内の臓腑(深部)にも、皮膚表面(浅部)にも巡ることで、体の深部の気と、浅部の気とのバランスもとっており、上下、左右、前後、内外の気血のバランスの恒常性は、

この「経絡」の循環システムが正常に機能して、はじめて成り立つものと考えているのです。

 

次回は、経絡それぞれが持つ特長について、ちょっと触れときます。

 

 

 

「経絡」って何ですか?(その5) に続く

 

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