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これまでのお話・・・
「肝」って何ですか?(その13)
「胆(たん)」って何ですか??(その1)
「胆」って何ですか?(その2)
「胆」って何ですか?(その3)
「胆」って何ですか?(その4)
「胆」って何ですか?(その5)
「胆」って何ですか?(その6)
「胆」って何ですか?(その7)
「胆」って何ですか?(その8)
「胆」って何ですか?(その9)
「胆」って何ですか?(その10)
では、続きいきます!!
◆「胆の腑」と決断力
現都知事の猪瀬直樹さんが、『決断する力』なんていう本を書いております。
将棋の羽生名人も、『決断力』なんていう本を書いています。
政治の場面、勝負の場面、人生の様々な「場面」において、”決断力”は大事です。
・・・まっ、そんなワケで今日は、「胆の腑」と”決断”のお話です。
「胆(たん)」って何ですか??(その1)に書いたように、
「”胆(膽)”という漢字は”生きる”ということと大きく関わる意味を持つ。」
という、白川静先生の解釈を紹介しました。
これ、なかなか面白い解釈でして、東洋医学的な「胆の腑」の働きと符合する面があります。
東洋医学では、「胆は決断をつかさどる」な~んて言って、「胆の腑」がものごとの最終的な決断に大きく関わることを指摘しています。
このことは重要です。
過去に経験したことであれば、過去の記憶を頼りに、未経験のことであれば想像や、他人からのアドバイスから、
「この場合はこうしよう!」
という風に”決断”してますよね?
小さい決断から大きな決断まで、人生は思考~決断の連続と言ってもいい。
そこに大きく関わるのが「胆の腑」だって言うんです。
しかし、人間の感情や思考には、主に「五臓」が関わるんだ、という話を、これまでしてきました。
これに対して「六腑」というのは、生命活動を維持する上で欠かせない重要な働きをするけれども、精神、思考にはあまり関わらない、
というのが、一般的なセオリーです。
しかし、これまで述べてきたように、色んなところで仲間ハズレの「胆の腑」は、そういう型にはまらないのです。
東洋医学的な身体観では、仲間ハズレや異質な存在が、実は重要なのです。
(人間社会でもそうか!?)
〇
話は変わるけど、今、日銀の白河総裁が辞任して、次期総裁と、副総裁人事を誰にするか、大きな話題になっています。
これは、景気を左右するアベノミクスにおいて、大変重要なファクターです。
ニュースにもよく「胆力」という言葉が出てきていますネ。
〇
さてここで、さらに深めて、”じゃあなんで”、「胆の腑」はものごとの決断に関わるのか、考えてみたいと思います。
続きは次回。
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2013.02.16
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これまでのお話・・・
「肝」って何ですか?(その13)
「胆(たん)」って何ですか??(その1)
「胆」って何ですか?(その2)
「胆」って何ですか?(その3)
「胆」って何ですか?(その4)
「胆」って何ですか?(その5)
「胆」って何ですか?(その6)
「胆」って何ですか?(その7)
「胆」って何ですか?(その8)
「胆」って何ですか?(その9)
では、続きいきます!!
◆「胆の腑」と「胆汁」と「黄疸」
このテーマは面白いので、もう少し書き足しておきましょう。
「黄疸(おうだん)」という症状があります。
僕も、短い臨床経験の中で、重篤なものから、比較的軽度なものまで、何度か診させていただいたことがあります。
西洋医学的には、
「ビリルビン(胆汁色素)が血液中に過剰に増加して、白眼や皮膚、体液が黄色く染まった状態」
と定義され、正常な新生児でも一過性に出ることがありますが、病的なものでは肝臓、胆嚢、膵臓の病変などで出ることがあり、
内臓にガン等の重篤な病変がある場合もあるので、注意を要する、といった説明がなされています。
・・・まっ、ビリルビンちゅーのは、胆汁が黄色いののもとになる色素のことで、これが、何らかの原因で全身に漏れ出しちゃって、
過剰になると、色んなところが黄色く染まっちゃうよ、っちゅー話です。
で、これ、東洋医学ではどうなんでしょうか。
そもそも”黄疸”という言葉自体、もとは東洋医学の言葉であり、当然、約2500年前、『黄帝内経(こうていだいけい)』の中にすでに出てきています。
そのあと、後漢の時代の『金匱要略(きんきようりゃく)』という本に至っては、”黄疸”のためにわざわざ一章さいて、細かく分類し、治療法を指摘してくれています。
その後もずーっと研究は続き、様々な書籍で触れられており、今日でも、東洋医学ではこの黄疸というものを分類し、治療しています。
まあ簡単に言うと、東洋医学の言う”黄疸”は、「肝の臓」「胆の腑」「脾の臓」「胃の腑」あたりの病変(とりわけ、胆汁の外溢)ととらえ、
邪気としては主に「湿熱」の存在が考えられています。
「肝」って何ですか?(その13)
「脾」って何ですか?(その9)
「胃」って何ですか?(その10)
「湿熱」について
燎原書店『症状による中医診断と治療 上巻』 参照
そして、黄色い色そのものが明るいか暗いか、黄疸以外にどんな症状、所見が出ているかによって「陰黄」「陽黄」といって、黄疸自体を陰陽に分けています。
サスガ東洋医学は、何でも陰陽に分けて考えますね。(笑)
・・・とまあ、このようにしてみると、東洋医学サイドから見ても、「胆汁」の巡りがうまくいかなくなった場合、「黄疸」という病変がある、
という認識は持っていていいと思いますが、それ以上に「黄疸イコール胆の腑」ではなく、他の臓腑や、邪気の存在も意識して、
黄疸そのものの陰陽も考えて治療することが大事なのです。
だから、”黄疸だから〇〇湯(漢方薬)!”という発想は間違っており、場合によっては大変危険なのです。
もしこういう、重篤な症状を呈している状態で、鍼灸なり、漢方なり、東洋医学にかかろうと思ったら、キチッと勉強されて、
そういうことを分かっておられる先生にかかられることを強くおススメします。
なんか話が逸れたけど、続く。
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2013.02.12
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9日から11日まで、群馬県の草津温泉で行われた2泊3日の宿泊型研修会「順雪会」に参加してきました!!
「順雪会」の詳細については、こないだ書きました。
年々参加者が増加しており、今年は50人近い参加があったようです。(驚)
都内から片道4時間、関西からは7時間、今回は、高知から10時間かけて参加された先生もいらっしゃいました。(゜o゜)
それだけの価値がある研修会になってきた、ということだろうと思います。
初日の夜から本部の方剤学の専門家である島内薫先生を中心に自主勉強会が始まり、
2日目は朝から蓮風先生による代表講演、
「肝病について~序論~」
午後は藤本彰宣先生による講義と実技、
「弁証論治における打鍼と古代鍼」
その夜はなんと夜中の3時まで自主勉強会。。。(苦笑)
色々な先生による、ヒッジョ~に臨床的な技の見せ合い、語りあいです。
そして最終日も、朝から藤本彰宣先生による講義と実技の続き。。。
古代鍼や打鍼を、弁証論治の中でどう活かすか、という問題をきっちり踏まえて使っているのは、北辰会だけです。
そこが重要なんです。
古代鍼や打鍼をやりました、効きました、で終わったらダメなんです。
なぜ(どういう証だから)使ったのか、それによって起こった変化は、何を意味するのか、に対する理解をキッチリしておくこと、です。
それを踏まえずに形だけ北辰会のまねしても、難しいんじゃないかな、と思います。
あと、念のため断わっておきますが、もちろん自主勉強会や講義は参加自由であり、スキーや温泉に行きたい人は遊びも十分楽しめますし、
疲れた人は早く寝ることも可能です。
北辰会方式でも、ナニ方式でもそうでしょうが、月に一回、勉強会に来て、ただ話を聞いたり、本を読んだりするだけでは、
なかなか分かりません。
出来るようになりません。
自分と近いレベルの人と仲良くなって、ともに切磋琢磨する、そうしながら日々臨床で修行するのが一番の早道と思います。
そういう意味では、宿泊型の研修会に参加し、勉強しながら、遊びながら、お酒でも飲みながら、仲間や頼りになる先輩を見つける、
というのは大変いいことなんじゃないかと思います。
順雪会に来られて、色々教わった内容をもって、多くの患者さんが救われることでしょう。
こういう企画が続くといいなあ、と思います。
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2013.02.11
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これまでのお話・・・
「肝」って何ですか?(その13)
「胆(たん)」って何ですか??(その1)
「胆」って何ですか?(その2)
「胆」って何ですか?(その3)
「胆」って何ですか?(その4)
「胆」って何ですか?(その5)
「胆」って何ですか?(その6)
「胆」って何ですか?(その7)
「胆」って何ですか?(その8)
では、続きいきます!!
◆『淮南子(えなんじ)』における胆の腑
この『淮南子』という書物がいかなるものか、という話は、こないだスタッフブログに副院長が簡単に書いてくれました。
スタッフブログ 『淮南子(えなんじ)』という書物 参照
その『淮南子』の”精神訓”というところに、
「妊娠して10か月経って、人間が生まれて形になる時、胆は口に関わり、相方の肝は耳に関わるよ~ん♪
他に、肺は目、腎は鼻、脾は舌に関わるんだよ~ん♪」
とあります。
(抜粋意訳 by竹下)
・・・これは、実は一般的な東洋医学の学説とは異なる論なんですが、そういえば口も、開閉しますよねえ?
したがって僕的にはこれを読んだとき、”ナルホドナー♪”と思いました。
ここで、”イヤイヤ、目だって開閉するじゃねーか!”と即座に突っ込んだ人は優秀です。(笑)
空間物体を、視覚を通じて認識するための器官である「目」と「口」とは、全然違います。
「口」というのは、飲食物の入り口、つまり、胃、小腸、大腸の入り口です。
東洋医学の一般常識からすれば「脾の臓」がもっとも深くかかわる器官です。
前回述べたように、胆の腑は、胆汁で、消化を助けます。
また、胃の腑と協力して、気を下げる働きを持つ、とも言われます。
当然、開閉する部分なんだから、胆は目にも関わるんでしょうが、「より」口に関わる、という意味なんだと思います。
東洋医学に関する、あまり一般的でない言説や分類が書いてある文献て、実は調べるとけっこうあるんですが、そういうものを理解するには、
こういう風に原理を把握した、柔軟な考え方がないと難しいと思います。
大事なのは、全て相対論なんだ、ということです。
どんな本に書いてあることだって、結局はそれの作者が、
「まー色々ある中で、どっちかというとこう、と、僕は思うけど?」
という話しなんです。
着眼点や切り口が違えば、形式論理学的な前提は変わったりします。
だから読むときは、書いた人の意図を汲んであげないと。
・・・まあそう言ってしまうと、何でもアリなようですが、現実は何でもアリではない、オモシロキビシイ世界なんです。
また、『淮南子』の同じ部分には、
「人に色々な感情があるように、お空にも色んな気象状況があるよね~?で、胆っていうのは、お空で起こる現象で言うと、
雲みたいなもんだぜ~!しかも相方の肝は風みたいなもんで、他に脾は雷、腎は雨、肺は氣みたいなもんさ~、
で、それらみんなを心が仕切っているのさ~!!」
とも書いてあります。
(抜粋意訳by竹下)
この部分こそ、僕が「胆汁」というものは、「小腸の腑」に出てきて消化を助ける以外に、有形と無形の中間である霧(水蒸気)のように全身各所に行き渡り、
全身各所の「枢」を調整している、という働きもあるんじゃないかなー、と妄想したきっかけです。(笑)
雲は水蒸気、気体と液体の中間の、中途半端な状態です。
まさに臓のようで腑のような、胆を表わすのにピッタリです。
しかもそれが、風(肝)の力を借りて、自由自在に大空(この場合の全身)を流れ、太陽の強い日差しを程よくさえぎったり、分厚くなれば雨を降らせて、湿度を調整する。
(因みに脾が雷というのも面白いですね)
この記載が妙にシックリきたんですねー。
次回に続く。
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2013.02.10
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これまでのお話・・・
「肝」って何ですか?(その13)
「胆(たん)」って何ですか??(その1)
「胆」って何ですか?(その2)
「胆」って何ですか?(その3)
「胆」って何ですか?(その4)
「胆」って何ですか?(その5)
「胆」って何ですか?(その6)
「胆」って何ですか?(その7)
では、続きいきます!!
◆「胆汁」ってナニ??(その2)
では今日は、東洋医学の言う「精汁(胆汁)」というものがいかなるものなのか、もう少し僕なりに愚考してみたいと思います。
確かに、現代の一般的な中医学の教科書なんかによく書いてあるように、胆汁は「肝の臓」の気血(余気)が変化して出来た、黄色くて苦い液体であり、
胆から「小腸の腑」に出ていって、脾胃の消化吸収を助けるモノである、という考えは、別に否定はしません。
それも確かなことだと思います。
(ちなみに、そもそも”中医学”がなんだか分からない方は過去記事 東洋医学と中医学 参照)
また、なぜ胆汁のことを、”精汁”と呼ぶのかについては、「肝の臓」の精気が濃縮された汁、という意味だと思います。
また、これが清らかであるのは、「胆の腑」が飲食物を通さない、しかも肝の精気を濃縮して溜めている、極めて清潔な腑だから、とも言えるでしょう。
因みに、面白いことに、「肝の臓」の働きが亢進している人は、妙に潔癖症になったりすると、東洋医学では考えたりします。
(『難経』16難「・・假令得肝脉.其外證.善潔.面青善怒.・・」参照)
〇
こういった考え方と、もう一点、これは前回チラッと書いた私見なんですが、やはり胆汁は全身の「枢(とぼそ、くるる)」に関わるのだと思います。
門扉の蝶つがいの中心軸を滑らかに動かすには、潤滑油が必要ですよね?
その潤滑油になるのが、「胆の腑」に貯蔵されている「精汁」なんじゃないか、と愚考しています。
つまり、「胆の腑」が大事に貯蔵する「精汁(胆汁)」というのは、一つにはそのまま「小腸の腑」にドロリと出てきて、
飲食物の消化吸収を助ける面と、もう一つには霧のように自由に全身を伸び伸びと巡り、全身の「枢」部分に行きわたり、
各所で”開閉”を調整し、発汗、排尿、排便などのスムーズな働きを助けているんじゃないか、と思っています。
そう考えると、臨床的につじつまが合うことが多い、と思うからです。
ちょっと難しくなるけど、「胆の腑」は、その気が流れる経絡である「足少陽胆経」と、この「胆汁」を介して、全身の「枢」の働きにコミットしている、
大変重要な腑である、と「僕は」考えています。
(違うよ、と思われる方は、是非ご意見聞かせて下さいネ☆)
また、このシリーズの(その1)で、『淮南子(えなんじ)』という書物に、面白い言説が載っている、という話をしました。
長くなりそうなんで、それは次回。
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2013.02.08
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これまでのお話・・・
「肝」って何ですか?(その13)
「胆(たん)」って何ですか??(その1)
「胆」って何ですか?(その2)
「胆」って何ですか?(その3)
「胆」って何ですか?(その4)
「胆」って何ですか?(その5)
「胆」って何ですか?(その6)
では、続きいきます!!
◆「胆汁」ってナニ??(その1)
これまで、
・「胆の腑」は人間の精神の働きと関連する
・「胆の腑」は「肝の臓」の働きを助ける
・「胆の腑」は「”精汁”という清い汁(胆汁)」を貯蔵している
・「胆の腑」は全身各所の開閉を調整するのに大きく関わる
・「胆の腑」は六腑の中では仲間ハズレ
・「胆の腑」は個性派グループである”奇恒の腑”の中でも仲間ハズレ
ということを書いてきました。
・・・だいたい「胆の腑」の特殊性がお分かりになってきたんじゃないかと思います。
なぜそうなのかを考える前に、胆の腑が貯蔵してるこの「精汁(胆汁)」って、一体何なんでしょ?
いわゆる、現代医学的な解剖生理学における「胆汁(bile)」というのは、「肝臓(Liver)」で生成される、消化を助ける液体であり、肝臓で生成された後、
「胆嚢(gallbladder)」に貯蔵されて濃縮され、食事の度に「十二指腸(duodenum)」に出てきて、未消化物とごちゃ混ぜになることで、消化吸収を助けます。
(学生時代、生理学の先生が”胆汁は大便に色を付けます”と説明してましたね)
よく、お酒を飲み過ぎたりして嘔吐し、これ以上吐くものがないぐらい吐き続けると、そのうち黄色くて苦い、ナゾの液体が出て来ることがありますね?
あれがまさに「胆汁(bile)」なのです。
しかし、東洋医学における「精汁(胆汁)」の役割というのは、西洋医学のそれとは概念が異なります。
現代の中医学の本には、大体の本には
”「胆汁」は、「肝の臓」の余った気(余気)から生成され、「小腸の腑」に分泌され、脾胃の運化(消化)を助ける”
とあり、西洋医学そのまんまな感じがしますが、谷口書店の『基礎中医学』P98に、『医原』という書物からの引用で、
「飲食物が入ってくると、小腸が満ちて、胆の腑を上に押し上げて、胆汁が絞り出される」
という面白い記載があります。
脾の臓と胃の腑を説明した時に、飲食した後に手足を動かすことで、脾の臓が活性化し、馬蹄形に胃の腑に巻き付いて、胃の腑をグリグリと揉むことで、
蠕動運動が起こる、という説明を紹介しましたが、それに似てますね。(笑)
また、重篤な病の際に現れる「黄疸」という病変がありますが、これも東洋医学では「胆汁」が常道を外れて皮下に溢れた結果、と考えます。
つまり、胆汁は普段は消化管に出てきて、脾の臓や小腸の腑、大腸の腑の働きを助けると言われますが、東洋医学的には全身各所に関わって(特に”開閉”に)、
五臓六腑のバランス調整の潤滑油として働いている、と考えた方が東洋医学的には正確だと思います。(私見)
続きは次回。(笑)
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2013.02.07
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「胆」って何ですか?(その4)
「胆」って何ですか?(その5)
では、続きいきます!!
◆「胆の腑」の特殊性(その2)
前回、”奇恒(きこう)の腑”という言葉が出てきました。
この”奇”という文字は、”風変わりな”という意味です。
「奇」という文字の考え方については、以前述べました。
「正」と「奇」 参照
そして”恒”という文字は、旧字体では”恆”と書き、色々な意味があるんですが、要は”常に変わらない”というような意味です。
”奇恒の腑”という言葉の意味について、柴崎保三先生の大著『黄帝内経素問』によれば、
「常に変わることのない独立(単独)の腑」
と説明されています。
・・・まっ、つまり、頑固で孤独な、変わりモン、みたいなもんです。
(笑・・・いるでしょ?そういうの。)
しかし、人体や病を考える上で、そういった存在が、捨て置けないケースがよくあるのです。
まあ「胆の腑」はそういう、特殊なグループの一員です。
〇
ところで前回、「胆の腑」は、その「奇恒の腑」の中でも、また特殊なんだ、と述べました。
奇恒の腑には、「胆」の他に骨、髄、脳、脈、女子胞(女性生殖器)があります。
これら「胆」以外についても、そのうち詳しく書こうかと思っていますが、まあ今は置いといて、とりあえずこれら「胆」以外の5つは、
それぞれが単独で、しかもほぼ左右対称に、対をなして存在しております。
しかし「胆」だけは、肝の臓にくっついて、ぶら下がってるような形で人体の右側に存在し、しかも肝の臓と同じ、五行では「木」の性質を持ち、
肝の臓と表裏関係という、形態的にも機能的にも、非常に強い関係性で結ばれています。
(こないだ述べたように、漫才コンビです。)
まあこのように、他の臓腑と直接表裏関係で対をなして深く関わるのは、「奇恒の腑」の中でも「胆の腑」のみなのです。
〇
ここまでで、「胆の腑」というものが、五臓六腑の”六腑”の中でも際立って特殊な存在であり、しかも東洋医学的には生命活動の中心となる五臓六腑以外の、
特殊な分類である”奇恒の腑”の中でも、また際立って特殊な存在である、ということが分かりました。
「胆の腑」はこのように、かなり変わった、実に個性的な存在なんです。
(変わり者中の変わり者です。)
これはつまり、「胆の腑」というものが、「五臓六腑」だの、「奇恒の腑」だのと、こういう”分類学”に収めるには、ちょっと特殊過ぎ、中途半端過ぎる、
取り扱いに注意を要する腑なのだ、ということを示しています。
でも、だからこそ、非常に大事なんです。
次回から、そんなお話。
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2013.02.06
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◆「胆の腑」の特殊性(その1)
前回、「胆の腑」は他の五臓五腑と比較して、特殊な存在である、ということを書きました。
六腑の中では、「三焦の腑」というのが、際立って特殊な存在であることは、以前に書きました。
今日は、”じゃあ「胆の腑」の場合は、どう特殊なのか”という話です。
五臓と六腑の特徴を大まかに分けると、
・五臓:中味のしっかりつまった内臓
・六腑:中に穴の空いた、管状の内臓
という「形態的な」特徴があります。
さらに、
・五臓:大切なものをしまってある内臓
・六腑:余分なものを通過させる内臓
という「機能的な」特徴があります。
そう考えれば、胃、小腸、大腸は管状であり、しかも”大便”という余分なものを通過させる器官とも言えますし、膀胱は、
形は袋状だから管状ではないけど、”尿”という余分なものを通過させる機関です。
あの特殊な三焦にしたって、”水を通過させる”という機能は持っています。
・・・じゃあ、「胆」は?
形は膀胱のような袋状だが、「胆汁」という謎の液体を、大事にしまっている。。。
(通過させるとも言えますが、胆汁の場合は貯めておくことに重きが置かれています。)
また、あとで触れようと思いますが、胆の腑は腑でありながら、「決断」という精神作用に関わります。
(精神作用を主宰するのは、東洋医学の場合は脳ではなく五臓でしたね。)
このように、臓のようでもありながら、腑のようでもある、実に他の人達(臓腑)と合わない、いわばヘンテコな「腑」なのです。
それを指して、古典では「胆の腑」のことを「奇恒(きこう)の腑」と呼んでいます。
(『黄帝内経素問』五蔵別論(11)です。)
また、この「奇恒の腑」には「胆の腑」以外にもいくつかあるのですが、その中でも「胆」は仲間ハズレなのです。。。
次回はそのお話。
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2013.02.03
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◆「胆の腑」と枢(くるる、とぼそ)
胆の腑を考える上で、臨床的に大事なのが、この「枢(くるる、とぼそ)」に関わる、という考え方です。
どういう考え方かというと、まずこの聞き慣れない”とぼそ、くるる”というのは、ドアを開閉する際に使う”蝶つがい”の真ん中に通す棒のことです。
↓↓
↑↑外からは見えないけど、コレの真ん中の、回転する部分に差し込んである棒のことネ。
(清明院の初診室の扉です☆ よく動きまっせ―!!)
これは要は扉の「回転軸」のことです。
門扉は、開くにも閉じるにも、回転軸がないと上手く出来ません。
人間の機能にも、扉を開閉するがごとき機能が、いくつもありますよね?
汗をかく時に、皮膚表面にある汗が出る穴(汗腺)が開閉しますし、排尿する時は膀胱~尿道が開閉しますし、排便する時は肛門の開閉、
飲食物の飲み込みから消化の、咽喉、食道、胃腸の開閉なんかがそうです。
これらの扉がもし開きっぱなし、閉まりっぱなしだったら、色々な障害が生じるということは、簡単に想像が出来るでしょう。
そういう病気もたくさんありますね。
東洋医学では、その全身各所の開閉の調整をし、開閉の「スムーズさ」に大きく関わるのが、回転軸をつかさどる「胆の腑」だというのです。
(もちろん、発汗、排尿、排便は他の臓腑も複雑に関連しあって、成り立っていますがネ。)
ですから胆が異常を起こすと、開閉がうまくいかなくなる症状が出ることがあります。
コレは実は、大変な問題に繋がることがあります。
アトピー性皮膚炎、糖尿病、ガンなどの重大な病は、ここがおかしくなっていることが少なくありません。
・・・ところでなぜ、開閉をつかさどるのが胆の腑なのか、実はこれには深い意味があると思います。
まあ、古典にそう書いてあるから、と言ってしまえば簡単ですが、それだけではイマイチ納得できません。(苦笑)
・・・で、色々と妄想するワケですが(笑)、一つには、胆の腑というのは、それ以外の五腑と比較して、非常に特殊な腑でして、
独特の特徴を持っていることと関係しているんじゃないかと思っています。
その話は次回。
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2013.02.02
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「胆」って何ですか?(その2)
さて、今日からいよいよ東洋医学の言う、「胆の腑」とはどういうものか、を簡単に解説していこうと思います。
簡単に、です。
難しい、いかめしい話が好きな方は、そういう感じの解説サイトや専門書はいくらでもありますんで、そっちを見てもらうとして、
僕がやるのはチョーカンタンな、肝胆(カンタン)の話です。(笑)
・・・でも、ポイントは外さないように注意を払います。
分かる人が読んだら分かる、大事な話も入れていこうと思っています。
〇
前回、「肝胆相照らす」という言葉が出て来ましたが、東洋医学的にも、「胆の腑」と「肝の臓」は非常に密接な関係にあります。
以前書きましたが、この2者(肝と胆)を陰陽で分けると、「肝の臓」は相対的に陰、「胆の腑」は相対的に陽、という関係性にあり、これを”表裏の陰陽関係”なんて言います。
「肝の臓」の詳細については以前書きましたので、そちらをご参照いただくとし、要はそういう、「肝の臓」の働きをサポートするのが、
「胆の腑」の大きな役割の一つ、という訳です。
肝胆で協調して、一つの働き(漫才コンビみたいなもんです。)を成しているワケですね。
そういう意味では、機能における関わりの密接さにおいて、「脾胃」とも似ているものがあります。
カテゴリ 「脾胃」 参照
そして、肝胆は脾胃と同じく、中焦に存在し(ただし肝は下焦まで大きく垂れ下がっていますが。)、この4者で、飲食物を消化、吸収し、
「気血のもと」を調達するとともに、完成した「気血」を上下左右前後、全身へくまなく巡らせる、という役割もやっています。
コレは大変重要な役割でありまして、多くの患者さんでは、ここのところ(肝胆、脾胃の4臓腑)が機能失調を起こして、
それがあらゆる慢性病の原因になり、また、治らない原因になっていることが多く見受けられます。
なんていうか、このワンユニットは「生命のモーター」「自然治癒力のモーター」ですな。
まずコレが大事です。
そしてその中で、「胆の腑」は独特の役割を果たします。
次回へ続く。
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