東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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脳卒中と鍼灸 その3

2013.06.01

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これまでのお話・・・

脳卒中と鍼灸 その1
脳卒中と鍼灸 その2

 


では続きいきます!

 

現代人にひっじょ~に増加傾向の「脳卒中」・・・。

これは、東洋医学でも2500年前に認識され、原因から治療方法まで、あれやこれやと模索されてきました。

・・・で、2500年分の膨大な情報を大体まとめると、原因としては、


1.精神的なストレス(特に急激な怒り)

2.飲食の不摂生(特に酒)

3.過労(特に過度のSEX)

4.急激な気温変化

だそうです。

結局、どんな病気も、根本原因は似たようなもんですな。(笑)

前回述べたように、東洋医学では「脳卒中」は最終的には主に「肝の臓」「胆の腑」の病、という風に認識するんですが、

 

それが成立するまでには「心の臓」「腎の臓」「火邪」「痰」「風邪」「瘀血」なんかも大きく関わります。


カテゴリ 肝・胆
カテゴリ 心・小腸
カテゴリ 腎・膀胱
カテゴリ 邪気(発病因子
) 参照

 


これらの臓腑の弱りや、各種の邪気が複雑に関わり合って体をいためているところに、さらにそれらが上記の1.~4.の4つの原因によって、

急激に助長され、成立するのが「脳卒中」という病なのです。

次回、これの具体的な症状とそのメカニズムを考えてみます。

 

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脳卒中と鍼灸 その2

2013.05.31

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前回のお話・・・

脳卒中と鍼灸 その1


では続きいきます!


脳卒中について、東洋医学では主に、「肝の臓」「胆の腑」の病の一種、ととらえます。

カテゴリ 肝・胆 参照

ここからして、もうすでに全然違いますよね。


「へ?脳の病気じゃないの??」って話です。


東洋医学でも「脳」というものの存在は当然認識しているんですが、しかしそれよりも、生命活動を営む上で、より根本的な仕組みである、

「五臓六腑」
の方に、常に着眼し、注目し、治療対象とします。

また、脳卒中を起こした時の諸症状が、まさに肝と胆に関わる症状だからなんですね。


東洋医学では、脳卒中のことを主に「中風(ちゅうふう)」と呼びます。

今でも、ご高齢の方と話すと、脳卒中のことを「中風」とか、「卒中風(そっちゅうふう)」とか仰る方がおります。

昔はまだ漢方用語の方が主流だったんですね。


まあともかく、東洋医学では、脳卒中に関して、2500年前の東洋医学のバイブル、『黄帝内経(こうていだいけい)』の中で、すでに「偏枯(へんこ)」と呼んで認識しております。

 

『霊枢』熱病(23)刺節真邪(75)九宮八風(77)、『素問』生気通天論(3)陰陽別論(7)通評虚実論(28)風論(42)大奇論(48)参照)

 


そして、長~い長~い歴史の中で、その原因や、症状のバリエーションについて、エライ先生達が色々と検討を加えてくれております。

 


この、歴代医家の認識について、いちいち触れていくと難しくなるし、長くなるんで、

「まとめると、要はこういうこと」

という話を、次回いきます。

 

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東西医学による脚気(かっけ)バトル

2013.04.24

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今となってはあまり聞き慣れない、「脚気(かっけ)」という病気があります。

脚気とは、ビタミンB1が不足して起こる、心不全と、末梢神経障害を主な症状とする病気です。

心不全で下肢がむくみ、末梢神経障害で足がしびれることから”脚気”と呼ばれます。

この病気は江戸時代と明治、大正、昭和初期に日本で流行りました。

江戸時代に、玄米に変わって白米を食べる習慣が根付いたことが流行のきっかけとされております。

この時(江戸時代)は、漢方医が

「米をやめて蕎麦にしなさい。」

と食養生を指導し、治していました。

(経験則であったでしょうが、蕎麦にはビタミンB1が含まれます。)

 

明治時代、日露戦争(1904(明治37)~1905(明治38))では、戦闘よりも脚気で命を落とした兵士の方が多かったことは非常に有名です。

大正時代にも、白米や、安価な移入米が中心で、副食をあまりとらない、当時の食生活の背景があったことから、再び大流行し、年間2万6千人以上もの死者を出したこともあったそうです。

この頃、脚気結核と並んで2大国民病となっておりました。

明治11年、明治政府は、明治天皇の肝いりで、神田一ツ橋に「脚気病院」なるモノを設置しました。

ここはなんと・・・、ベッドを半分に分けて、片方は西洋医学、もう片方は漢方医学で、脚気の治療を行う、という病院でした。

(イイネエ~!明治天皇!!(笑))

ちなみに明治天皇は、脚気治療の名手であった漢方医、遠田澄庵(とおだちょうあん)の大ファンだったようです。

このことは、当時の民衆から、「漢洋脚気相撲」と囃したてられました。

しかし、実はこの病院、何故か4年で閉鎖されております。

真相は不明ですが、治療結果は漢方医側の圧勝であり、それが当時の明治政府の方針にそぐわなかったから、というのが、憶測ですが定説です。

(だって、原因がビタミンB1不足であることは分からなくたって、経験的に治し方を分かっているから、この結果は当然です。)

こういう事案があったにもかかわらず、明治政府は、脚気病院が閉鎖された翌年(明治15年)から医師法改正の法整備をガンガン進め、

その後の明治28年には、西洋医学を修めたもののみを医師とする、という、今から考えたら最悪の法律が通ってしまいました。

これが、基本的には今でも続いています。

したがって、医学部には東洋医学カリキュラムはほとんどなく、医師免許を取った先生方は、東洋医学の知識は少ない(というかほとんどない)です。

全くない先生の方が圧倒的に多いでしょう。

何やら「大きな力」の存在を感じざるをえませんね。

患者不在の。

心ある医師たちの意見不在の。

 

一方で、脚気の治療法の研究が、鈴木梅太郎のオリザニン(ビタミン)の発見に繋がったりと、脚気に関する悪戦苦闘の歴史は、近代の東洋医学、

 

西洋医学を理解する上で非常に重要だと思います。

 

 

【参考】

 

『脚気の歴史』板倉聖宣

『脚気の歴史 ビタミンの発見』山下政三

 

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不気味な地震・・・。

2013.04.13

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今朝、兵庫県、淡路島で地震があったようです。

(さらに…)

花粉症考(目の痒み篇)

2013.03.30

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これまでのお話・・・

「花粉症」について
「花粉症」について(その2)
「花粉症」について(その3)
患者さまの声(30代男性:突発性難聴、花粉症)
患者さまの声(20代男性 6年続く重度の花粉症)
黄砂やらPM2.5やら・・・
花粉症考(鼻水篇)
花粉症考(鼻水篇②)
花粉症考(くしゃみ篇)
花粉症考(くしゃみ篇②)

 

なんやかんや書いてたら、そこそこのボリュームになってきましたが、花粉症に関しては、皆さん興味深い部分だろうと思いますので、

続いていきましょう!


今日は、花粉症につきものの、「目の痒み(目痒)」について。


花粉症の時期になると、目が真っ赤で、痒みがあって、ヒドくなるとゴーグルなしでは外出できない、なんて言う患者さんもおられます。

気の毒な話です。

まあこれも、「鼻」と似たような考え方なのでありますが、東洋医学では

1.目が赤くなるのを「目赤(もくせき)」、

2.目が痒くなるのを「目痒(もくよう)」

と、分かりやす~い名称で呼んで、それぞれ鑑別法、治療法、を考えております。

 

(因みにここでは、結膜下が出血して真っ赤になる「白睛溢血(はくせいいっけつ)」とは分けます。)

1.の方は、主に目に「余分な熱」がこもった場合や、肝の臓と腎の臓が弱った場合が考えられ、

2、の方は、「熱」以外にもこないだ鼻のところで出てきた「風」や「寒」、あるいは「血虚」でも起こる、とされています。

(『症状による中医診断と治療 下巻』P559、592、606参照)

 


まあ、臨床的にはこの2つは密接に繋がっている部分が多い症状だと思います。

ちなみに、「目」にどんな経絡が流れているのかは、こないだ副院長が書いてくれました。

スタッフブログ 目の痒みと経絡 参照


これらの経絡の流れが悪くなると、、目に異常が出るワケですが、その、流れを悪くする原因が、上記のように色々とあるよ、って話です。

・・・うーん、時間がないので続きは次回。

 

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花粉症考(鼻水篇)

2013.03.23

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花粉症に関して、これまで色々書いてきた。

カテゴリ 花粉症と東洋医学 参照

 

今日は、花粉症の主要な症状である、「鼻水」「鼻づまり」について、どのように対策をとるべきか、考えてみたいと思います。

東洋医学では、鼻水は「鼻流涕(びりゅうてい)」、鼻詰まりは「鼻塞(びそく)」と呼んで、それぞれ細かく分類し、治療法を考えています。


「鼻」という部位は、東洋医学的にみると、「肺の臓」の入り口であります。

「肺」って何ですか?(その12) 参照

 

つまり、「肺の臓」に異常があれば、当然それが「鼻」の症状として反映される場合があります。

 

 

つまり花粉症における「鼻」の症状を改善するのには、「肺の臓」を安定させることが肝要、ということです。

 

しかしこの「肺の臓」のいじくり方を間違えると、治るどころか、悪化します。

 

 

肺は東洋医学では「嬌臓(きょうぞう)」といわれるように、華奢な女性のように、ナヨナヨして敏感な臓です。

 

ここは非常に診断、治療に慎重を要する部分でありまして、花粉症なら何でもかんでも「小青竜湯」なんてのは、個人的には全然賛成できません。

 


最近、久々にテレビ見てたら、「花粉症に小青竜湯」って、CMでもやってるではないですか!

 

ビックリ~。。。

 


「眠くならない花粉症薬」だってさ・・・。(@_@;)

 

アレじゃあみんなカン違いしちゃうね。。

 


間違っても、花粉症で小青竜湯飲んだけど効かなかった、だから東洋医学はダメ、とか言わないでくださいね。

こういうのはホント、東洋医学、漢方薬に対するミスリードだと思っていて、大反対です。

 

(もちろん、病態によっては効くことがあるし、それで助かっている人がいるという事実は否定しませんが)

私の知り合いの漢方専門の臨床家なんかは、花粉症でも2、30種類の漢方薬を、その人の症状、体質に合わせて自在に加減して使い分けるそうです。

 


・・・当然ですよね。

 


鍼もそうです。

 


ツボのパターン、打ち方、置鍼時間、ぜーんぶ違います。

 


・・・まあともかく、鼻の話に戻りますが、花粉症の人が強く鼻をすする、あるいは強く鼻をかむ、これをよく見かけますが、これ、実は養生法として絶対よくないと思います。

 

鼻を強くすすること、かむこと、それ自体が、「鼻」という部分における気の停滞を強め、症状を悪化させる面があるのです。

 


ですから、もし症状が出てしまったら、すぐに鼻にティッシュをしっかりと詰めて、垂れて来ないようにし、ティッシュが濡れたら交換、これの繰り返しがいいと思います。

 


両鼻にティシュを詰めた姿はみっともないし、口呼吸にもなりますから、当然上からマスクで抑えましょう。

 


・・・で、「表裏寒熱虚実」はどうか、「臓腑経絡」はどうかと、しっかり東洋医学的に診立てられる先生に、鍼してもらうなり、漢方を処方してもらって、

 

症状を抑えつつ、キッチリ養生しましょう。

 

 


そうすりゃ、ほとんどのものは気にならないレベルまで良くなるでしょう。

 


花粉症なんてもんは。

 

悪いのは花粉じゃなくて、患者さんの身体状況。

 

しっかり調えればいいだけの話です。

 

一つ一つ冷静に、確実に。

 

 

 

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東洋医学への正しい理解

2013.03.17

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この10年で、東洋医学に対する期待、関心は、高まっただろうか。

現場でこの10年以上やってきた者の印象としては、高まったように思う。

患者さんも、同業者も、昔は冷たかった。

鍼灸といえば、慰安的なマッサージの延長で、せいぜい肩こりか、さほど深刻でない腰痛、膝痛ぐらいにしか効かない、という認識が一般的で、

 

医学、医療であることを真面目な顔をして主張すると、嘲笑されるような向きがあった。

 

また、鍼灸と言ったら、

「飯が食えてるだけでスゴイ。」

みたいな、”食うのがやっと”の職業であるなんてことも、よく言われた。


それが今では、アレルギーや自己免疫疾患、癌や糖尿病、婦人科疾患など、現代の西洋医学が苦手とするような様々な疾患に対して、有効である可能性がある医学だ、

 

という認識が、少しづつではあるが、高まってきたように思う。

 

この1カ月の、清明院の新患さんの主訴を見ていても、そう思う。

 

肝機能障害、肝炎、躁鬱病、アトピー性皮膚炎、花粉症、不妊症、月経異常、癌などなど、単純な肩こりや疲労を訴えて見える人は、むしろ少ないぐらい。


東洋医学がこうやって注目され始めたことの背景には、もちろん否定する訳では無いが、明治以来、威信を保ってきた西洋医学への不信感や、

 

実際問題としての西洋医学の「頭打ち」感があることは否めないのではないだろうか。


親や肉親が、がんと診断され、化学療法や外科手術をやった結果、全くいい場面がなく、死んでいった。

難治性のアレルギー疾患で、薬で一生抑えるしかない、と冷たく言われた、など、西洋医学に対するマイナスの印象を患者さんや周りから聞くことはよくあります。

ただ、西洋医学がダメだから東洋医学に頼る、というマイナスからの流れではなく、西洋医学はこういうところが良くて、東洋医学はこういうところがいい、

 

という、双方の特長を正しく理解した患者さんが増える、という流れの方がいいと思います。

今後は、そういう流れが今よりも増えてくるでしょう。

サービスが向上する一番の近道は、消費者が賢くなることではないでしょうか。


医師に言われるがまま、されるがまま、という患者さんは、今後は減ってくるでしょう。

そこで、東洋医学がいかなるものか、正しく理解し、表現、体現できる先生しか生き残れないようになったらいいのではないかと思います。

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3月(般社)北辰会本部臨床コース

2013.03.11

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昨日、3月10日の日曜日は、大阪で行われた、(般社)北辰会本部臨床コースに参加してきました!!

この日は午前中は実技訓練です。

こないだ関東にみえた油谷真空先生に、貴重な技術、考え方を教わってきました。

午後は藤本蓮風先生による代表講演

「肝病について」

です。

この講義は10年前に北辰会の機関誌『ほくと』の誌上でまとめた内容を、再度講義し直す中で、最新情報を織り交ぜていく、

という講義です。

「肝の臓」がいかに色々な病に関与し、治療する上で中心的な問題になるか、あらためて考えさせられました。

最後は、去年関東にみえた山本克仁先生による症例発表

「三叉神経痛」

でした。

三叉神経痛は顔面の痛みを訴える、たまに出会う病気ですが、かなり重症の神経痛を、驚きの早さで治癒させた症例でした。

山本先生は私と同年代で、大変優秀で、実力のある、私にとって刺激的な先生です。

今回も、非常にいい刺激をもらいました。

そして終わった後は呑み。

今回の酒は、とにかく笑いましたねー。。。(笑)

充実の週末。

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頻尿のメカニズム

2013.03.06

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「頻尿」という症状がある。

妊娠中や膀胱炎の時など、比較的女性に多い症状ではないだろうか。

東洋医学では、「小便頻数(しょうべんひんさく)」と呼んで、病的な症状として対処する。

ちなみに、小便が薄くて透明で量が多いのは「小便清長(しょうべんせいちょう)」

夜間のみに小便の回数が増加するのは「夜間多尿(やかんたにょう)」と呼んで、

「小便頻数」とはまた違った概念として、区別している。

これは、「膀胱の腑」「腎の臓」「脾の臓」「肺の臓」「肝の臓」の異常や、「湿熱」といった病理産物によって成ることが多く、よく診る症状であるが、発症プロセスは比較的煩雑である。

正気の弱りが直接的、あるいは間接的に関与しているものは、治りが悪いという印象がある。

尿のもとは飲食物に含まれる水分の中の余剰のもの。

これが、「小腸の腑」から、「脾の臓」「腎の臓」の力を借りて浸み出し、「膀胱の腑」に溜まっていく。

この濁水は、一定程度たまると、「肺の臓」「心の臓」の働きによって、あの独特の切迫感、つまり「尿意」として感知、認識され、

「肺の臓」の気を引き下ろす力、「肝の臓」の発散する力を借りて、体外に排出される。

上記のメカニズムにおいて、「小便頻数」になるということは、

”大して膀胱の腑に溜まってないのに”

あるいは、

”何らかの原因で、すぐに濁水が膀胱の腑に溜まってしまって”

あるいは、

”膀胱の腑そのものの動き(要は伸び縮み)が悪くて”

小便が近くなる状態である。

これを考えて治療すると、大体よくなる。

ちなみに、呑み会でビールを飲み過ぎて、小便が近くなるのは、むしろ正常で、生理的である。

 

呑み会で、かえってトイレが遠くなるものはあまり良くない。

よく分からん健康法とかなんとかいって、意識して1日数リットル多飲していて、小便が近くなるのは問題。

術者が騙されてはいけないし、患者さん自身にも、「自分の場合の病理」を、よく理解してもらう必要がある。

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「胆」って何ですか?(その12)

2013.02.27

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これまでのお話・・・

 

「肝」って何ですか?(その13)

「胆(たん)」って何ですか??(その1)

「胆」って何ですか?(その2)

「胆」って何ですか?(その3)

「胆」って何ですか?(その4)

「胆」って何ですか?(その5)

「胆」って何ですか?(その6)

「胆」って何ですか?(その7)

「胆」って何ですか?(その8)

「胆」って何ですか?(その9)

「胆」って何ですか?(その10)

「胆」って何ですか?(その11)

「胆」って何ですか?(その12)

 


では、続きいきます!!

◆なんで「胆」が決断をつかさどるのか。

僕的には、こういう疑問を自分からもちだして、自分で調べながら色々と考えられるようになって、実践と照らし合わせられるようになって初めて、

 

東洋医学が本当の意味で楽しくなってくるんじゃないかと思っています。

「胆=決断」なんてことを、一個一個全て機械的に暗記したって、つまらないし、臨床ではあまり役に立ちません。

 

 

僕らは、知識をひけらかすために東洋医学やってるんじゃないです。

 

 

より人体や病を東洋医学的に深く理解し、自分の治療に役立てるためにやっているんです。

 


東洋医学では、

「この臓腑にはこういう働きがあって云々・・・。」

という記載が山のように出てきます。

 

頭がいい人は、こういうのをキチーッと暗記します。

 

・・・で、

”ところでそれって、なんで?”

と問われると、まったく、自分の考え(解釈)を持っていないことがあります。(苦笑)

 


これでは、あまりよろしくないと思います。

 

せっかくの記憶力が、もったいなくないですか?

 

だから僕は、僕なりの稚拙な考えであっても、「定義に対する疑問」をなるべく持って、それを自分なりに解決していこうと思っています。

 

で、もし頭を打ったら、それを先輩にぶつけてみりゃあいい。

 

前置きが長くなったけど(苦笑)、僕的には、「胆の腑」”決断”に関わる理由は、いくつかの理由が重層的に関与していると思っています。

 


まず前回、人間の精神面、”思考や感情”は主に五臓が主っている、というお話をしました。

 


そして、それの大元締めが「心の臓」であると。

 

「経験=記憶」からくるイメージをフル活用して、一生懸命「思考」し、頭の中で「作戦会議」した結果、最終的な決断を下すのが「胆の腑」の力だ、という理論が立つのは、いったいどういうワケか。

 

ここで、「心の臓」「胆の腑」には、実はただならぬ関係性があります。

 

それは、「子午陰陽(しごいんよう)関係」といって、時間帯によって、どの臓腑に関する経絡の気が盛んになるか、という考え方における「心」「胆」の陰陽関係です。

 

「子午陰陽」については、以前、チョコッと書きました。

夜のみ出る症状 参照

(そのうち、もっと詳しく書こうと思っていますが。。。(苦笑))

 


この考え方においては、
心の経絡の気の流れが盛んな時は、胆の経絡の気の流れは相対的に弱くなる、その逆も然り、という陰陽関係が提示されています。

 

このように、心と胆は生理的に「経絡の気の量」という側面で、バランスをとっています。

 

だから機能的にも、「感覚、記憶、思考」の代表取締役の心と、「最終決断」の胆とで、バランスをとっている面がある、と、僕は考えています。

 

「思考」「決断」も、ある意味陰陽です。

 

また、もう一点、何かを決定するにあたって「作戦会議(というか立案する)」をするのは、将軍に例えられる「肝の臓」でした。

「肝」って何ですか?(その9) 参照

 

「肝の臓」「胆の腑」は漫才コンビですから、「決断」に関わることで、「肝の臓」将軍の「作戦会議」の働きを補完している、という面もあると思います。

 

まあそれ以外にも、あまり複雑になるから細かくは書かないけれども、実は「胆の腑」「脾の臓」とか「腎の臓」との関連なんかもあったりして、

非常に複雑に、かつ密接に、他の臓腑と関わって、「決断をつかさどる」という、”腑”としては極めて特殊な機能が付与されているのだと思います。

 

もーちょい続く。

 

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