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これまでのお話
『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 3 参照
◆『黄帝内経素問』脉要精微論(17)のポイント 続き
ここには脈診に関して、まだまだ重要なことが書いてあります。
① 知内者按而紀之.知外者終而始之.此六者.持脉之大法.
→体内の状況を知ろうと思えば脈を診ればいいし、外(経気の流れ)を知ろうと思えば始終を定めればいいよん。
春夏秋冬と内外の6つは、脈を診る上で意識しなければならない大原則でっせー☆
② 尺内兩傍.則季脇也.尺外以候腎.尺裏以候腹.
中附上.左外以候肝.内以候鬲.右外以候胃.内以候脾.
上附上.右外以候肺.内以候胸中.左外以候心.内以候膻中.
前以候前.後以候後.上竟上者.胸喉中事也.下竟下者.少腹腰股膝脛足中事也.
→脈の尺位の外側で腎の状態を窺い、内側で季脇の状態を、真ん中で腹部の状態を窺う。
左の関位の外側で肝を、内側で膈を窺い、右の関位の外側で胃を、内側で脾を窺う。
左の寸位の外側で心を、内側で膻中を、右の寸位の外側で肺を、内側で胸中を窺う。
脈診部位の前(掌側)で体の前半分を、後ろ(肘側)で後ろ半分を窺う。
寸位の掌側で胸から上の状態を窺い、尺位の肘側で下半身の状態を窺う。
〇
ここでは、②の理解が有名かつ重要だと思います。
東洋医学の脈診では、手首の橈骨動脈の拍動部を三部位に分けます。
それを掌側から「寸口(すんこう)・関上(かんじょう)・尺中(しゃくちゅう)」と呼び分けています。
(よく”寸・関・尺”と略されて呼ばれます。)
因みにこの「寸関尺」に関しては、遠藤先生のこの論文が参考になります。
②の文章に書かれているのは、この「寸関尺」の部位を、さらに細かく、内側から診たり、外側から診たり、真上から診たり、掌側から診たり、肘側から診たりする診方を紹介してくれているもの、
というのが一般的な解釈なんですが、日本の江戸時代、多紀元簡(1754?-1810)先生は違った解釈をします。
多紀元簡という人物 参照
彼は、代表著作である『素問識(そもんし)』の中で、これは「尺膚診(しゃくふしん)」のことであると、『内経』および王冰の中を列挙して解釈しています。
「尺膚診」については、ずいぶん前に書きました。
「尺膚診」について 14 参照
・・・まあ要するに、ここは手首の橈骨動脈の拍動部の事を論じているのではなく、前腕全体の診方のことを論じているんじゃないか、という解釈です。
↑↑このような図を使って、説明してくれています。
(『素問識』より)
多紀元簡先生の解釈(尺膚診)ももちろん参考にはなりますが、このように、橈骨動脈の脈診部分を内外上下からみる診方考え方が『黄帝内経』の時代にすでにあり、
そこに全身の各部位や五藏六府が投影されていることが、非常に興味深いところです。
東洋医学お得意の、
「局所は全体の情報を含んでおり、全体の縮図である」
というフラクタル的な考え方が炸裂しているわけであります。
続く
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2018.07.29
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今ちょうど『素問』の「脉要精微論(17)」の脈診の部分を書いているので、ついでに「夢」に関する記載にも触れておきましょう。
東洋医学も「夢」については認識し、どういった意味を持っているのかというのは、議論や考究の対象であります。
この「脉要精微論」の中にも、以下のように出てきます。
是知陰盛.則夢渉大水恐懼.陽盛.則夢大火燔灼.陰陽倶盛.則夢相殺毀傷.
上盛則夢飛.下盛則夢墮.
甚飽則夢予.甚飢則夢取.
肝氣盛.則夢怒.肺氣盛.則夢哭.
短蟲多.則夢聚衆.長蟲多.則夢相撃毀傷.
簡単に訳しますと、
陰実→大河を渡って怖い思いをする夢
陽実→大火が燃え盛っている夢
陰陽ともに実→虐殺損傷し合う夢
上焦が実→飛ぶ夢
下焦が実→落ちる夢
飽食→ものを贈り人に与える夢
飢餓→奪い取る夢
肝気実→怒り狂う夢
肺気実→泣き叫ぶ夢
腹に短虫→人々が寄り集まる夢
腹に長虫→喧嘩してケガする夢
夢に関して、『黄帝内経』では他にも、『霊枢』の方の「淫邪発夢篇(43)」が有名です。
あるいは『列子』の「穆王篇(ぼくおうへん)」というところにも出てきます。
夢については、ずいぶん前に書こうかな、と思ってからずーっとほったらかしになっていたので、そろそろサクッと書きましょうかね。。。(苦笑)
「フロイト」という人物 参照
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2018.07.12
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先日、癌が見つかった患者さん。
癌が見つかった 参照
腹腔鏡での、簡単な切除手術を終え、1週間ほどの入院から帰ってきた。
何でも、手術した日から歩くように言われて、入院中も積極的に軽い歩行運動を勧められたそうだ。
その方が傷の治りが早い、とのことで。
(最近はそういうもんなんですな。(゜レ゜)・・・まあ、モノによるだろうし、賛否分かれそうだけど。)
で、本日再度往診に伺ってきたが、慎重に診たけど、特に変わった様子はなかった。
(じゃっかん陽分に邪が浮いたかな。)
まあ、術前との違いがあるとすれば、大ケガをした人の反応と似ていたね。
(手術後の患者さんを診るといつも感じることなんだけど)
怪我をすると、出血します。
手術しても、出血します。
東洋医学の言う、血脈(血管)から出血、漏出した血のことを「離經の血」と呼んで、一種の瘀血(おけつ)と考えます。
カテーテル検査後の内出血 参照
この瘀血が、手術した部位の気血の通行を阻害します。
五臓では、血とのかかわりの深い、心の臓や肝の臓の働きを主に阻害します。
だからこの瘀血を散らすように持っていきます。
もともと、この患者さんは、癌としての症状は何もなく、健診で判明したもの。
たまたま見つけたから、拡がる前に取ろう、という考え方です。
僕はもちろん、医師と、患者さんのその判断は尊重したいと思います。
あるのが分かってて放置するのは、誰だって気持ち悪いし怖いです。
・・・で、最大限尊重しつつ、どの局面においても、冷静に東洋医学の見地から、出来ることを行います。
本当はこういうのを、西洋医学と、密に連絡、連携とりながらやりたいんだがねえ。。。orz
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2018.06.25
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蓮風先生の講義によく出てくる、
「イランことばっかり考えすぎるから、疲れて病気になるんや!」
という言葉。
普段、患者さんを診ていると、また、自分自身の体調が悪くなった時、非常に納得させられます。
必要なこと、好きなことは、考えすぎるほど考えてもいい。
考えれば考えるほど、結果に対する納得度は上がり、結果的にうまくいかなくても、幸福度が上がる。
だけど、イランことばっかりに気を取られると、単純に心身が疲れます。
で、結果的に肝腎なことの納得度が下がり、結果的に幸福度が下がる。
・・・で、病気になる。
そういう人は非常に多い。
また、注意力が散漫になるので、事故りやすくなる。
そういう人は非常に多い。
自分がイランことに絡めとられてないか、時々、全生活を点検するべきだ。
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2018.06.13
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こないだ、
という記事を書いた。
「門」には当然「門扉」という意味があり、気が入るところでもあり、出るところでもある。
平生は閉まっているものであり、気の往来がある時には開く、という意味か。
また、「門」には地霊を祀る要所、という意味もある。
(白川静『字訓』より)
ところで、「門」という字の付く経穴にはどういうものがあるか。
任脈:石門
督脈:命門、瘂門
手太陰肺経:雲門
手陽明大腸経:なし
足陽明胃経:梁門、関門、滑肉門
足太陰脾経:箕門、衝門
手少陰心経:神門
手太陽小腸経:なし
足太陽膀胱経:風門、殷門、魂門、肓門、金門
足少陰腎経:幽門
手厥陰心包経:郄門
手少陽三焦経:液門、耳門
足少陽胆経:京門
足厥陰肝経:章門、期門
経外奇穴:気門(関元の横3寸)、患門(心兪穴の少し外側、灸で使う)
正穴の別名:督脈の顖会穴の別名として鬼門
(臨床上重要な経穴を赤字にしました。)
赤字以外の経穴にも、思わぬ使い道があることでしょう。
大腸経、小腸経にないというのも興味深い。
大腸、小腸はそれ自体が門みたいなもんだからでしょうかね。
個人的には、顖会穴の別名である「鬼門」は意味が深いように思います。
「顖会穴」については、明代、張景岳が『黄帝内経霊枢』海論(33)における脳髄海の治療穴にある「蓋(がい)」のことを百会ではなく顖会であると言っています。
「気」と「鬼」 参照
ここは僕もよく注目し、場合によっては刺絡したりします。
ある種の精神病の患者さんなんかでは、百会よりも反応の出ている経穴ではないかと思います。
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2018.03.01
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これまでのお話
では続きいきましょう。
◆意識障害の西洋医学的分類
西洋医学でも、通常の意識障害と、一過性の意識障害(失神)を区別して考えるようです。
僕はもちろんながら、西洋医学の救急医療に関しては、ズブの素人ですので、いくつかのサイト様と書籍を参考に、自分なりに調べさせて頂きました。
もしおかしいところがありましたら、是非ご指摘ください。
救急医療においては、意識が戻った後も、何らかの認知障害等が残っている場合は、「意識障害」とし、一過性の失神とは区別するそうです。
当たり前ですが、救急外来では非常によく遭遇する症候だそうです。
救急搬送患者の1割以上だそうです。
・・・まあ、意識障害というのは、結論から言えば「脳の血流の異常」で起こるわけですが、それが一過性のものと、遷延するものでは、病態が異なる、という訳です。
「一過性意識障害」に、明確な定義はないようですが、来院した時点で意識が戻っているかどうかで判別するそうです。
病態に関して、頭部の大きな外傷や、脳卒中では勿論ですが、一過性に意識が消失し、すぐに戻るものについては急な血圧低下(神経反射、不整脈、出血、感染症)による脳の血液循環異常、
低酸素血症、高炭酸ガス血症、低血糖、電解質異常、肝性脳症、尿毒症、低体温、高体温、中毒が考えられるそうです。
(たくさんあるな~。。( ゚Д゚))
上記は脳だけでなく全身性の病態で、一過性の意識障害の7割(!)を占めるそうです。
また、脳局所に限定した疾患では、てんかんやくも膜下出血が2割だそうです。
十数年前に私の親戚が起こしたのは脳腫瘍によるてんかん発作でした。
また、以前職場の同僚が、クモ膜下出血を起こしたことがありました。
あれも怖いですね。
まったく元気に見える人が、ある日急激に倒れてしまう、本人はもちろん、周囲も非常にショックを受ける病気です。
救急では、この意識障害がてんかんなのか失神なのかを、まずは考えるそうです。
失神では、血圧低下による脳全体の虚血に伴って、抗重力筋の緊張が一気に低下するので、転倒時に受け身が取れずに、2割以上の患者が頭部や顔面の外傷を伴うそうです。
この外傷が、致死的な外傷になることもあるそうです。
こないだ、先輩が風呂場の脱衣所で倒れた時は、たまたま段差のあるところに頭が来ていたので、打たなかったのですが、抗重力筋の緊張が一気に緩むというのは、
まさに操り人形の糸を一気に切ったような、勢いのいい倒れ方ですね。
あの倒れ方で、もし頭部の下がコンクリートだったら、確かにヤバかったと思います。
今回の、先輩の時もそうだったし、以前、新幹線の中で中年の男性が僕の目の前で倒れたのを見たことがありますが、その時も、まさにそういう感じ(受け身なし)で、
その中年男性は真後ろに倒れたため、床に強く後頭部をぶつけており、非常に肝を冷やしました。
(新幹線の通路部分はビニール製の床(いわゆるクッションフロア)であり、コンクリートほどは固くないので、大きな頭部外傷はなさそうでしたが、凄い音がしました。)
また、西洋医学では血圧低下の原因を診断することが重要なんだそうで、体内の組織の物理的異常である器質的疾患(心臓・大血管疾患、消化管出血、脱水、アナフィラキシー、パーキンソン症候群、シャイドレーガー症候群、糖尿病、特発性起立性低血圧症)
が関与していた場合に、治療対象になるようですが、これはなかなか素人や専門外の医療人が現場で咄嗟に見分けるのは難しいのではないでしょうか。
(しかしたくさんあるな~( ゚Д゚))
器質的疾患の関与がない場合は、多くは治療せずに経過観察、ということになるようです。
(器質的疾患があるかどうか調べるのに、呼吸等、生命維持をしつつ入院して検査を重ねていく、てパターンもあり得るわけですね)
器質的疾患がない場合に多いのは迷走神経反射ですが、この場合は予後良好だそうです。
(不幸中の幸いパターンですね)
次に多いのは、不整脈等の心原性の失神だそうですが、この場合は予後が悪く、心臓性の突然死の前兆とも言われるそうなので、注意が必要、となります。
他に起立性低血圧、薬剤誘発性(飲酒後も含まれる)、他にも原因不明のものもあるようです。
また、失神と、一過性の脳虚血発作(TIA)が誤診されることが多いそうで、失神は「脳全体の」一過性の血流不全が起こるものであるのに対して、
TIAは「脳の一部分が」一過性の虚血を起こすことによるもので、意識障害の他に回転性のめまいや複視、片麻痺、小脳失調などの神経症状が出るのが特徴で、
症状が一過性の意識障害のみであればTIAとは考えにくいそうです。
上記を踏まえると、今回の先輩のケースでは、西洋医学的には、調べてないから分からないけど、器質的疾患がないとすれば、
飲酒後(ある意味薬剤性)の一過性の失神(迷走神経反射?)
ということで、予後良好の失神であり、事なきを得た、ということになるのでしょうね。
・・・まあそれでも、一過性の意識障害を経験したら、念のため、心臓(心電図)や脳(CTなど)に関しては調べておいてもいいんじゃないかとは思います。
本人はともかく、ご家族としては不安ですしね。
続く
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2018.02.16
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前回のお話
では続きいきましょう。
◆暈厥の弁証
暈厥には、どんな証が考えられるかというと、以下の通り。
1.気虚
2.血虚
3.血気上逆
4.肝陽上亢
5.痰濁上擾
6.暑熱
『症状による中医診断と治療』には、以上の6つが挙げられています。
(成書によっては、多少多かったり、少なかったりする場合があります。)
1.2.は虚証、3.4.は肝の病変、5.6.は実証です。
臓腑では「肝の臓」の異常が中心であり、病態に虚実あり、ということですね。
だから、一口に暈厥とっても、治療法は、倒れたメカニズムによってそれぞれです。
もし失敗すれば悪化して、深刻な状態になることも考えられます。
ですので、やはり「的確な診断」が重要です。
・・・で、こないだの先輩のケースはどれに該当するかな~・・・、と考えていく訳ですが、ここ(成書)に挙げられているのはあくまでもひな形的なパターンの羅列であって、
これらが時には複合的に、あるいはここに書かれていないパターンでも、暈厥は起こってきます。
ですので、あまり上記の弁証分類に縛られ過ぎて、無理やり当てはめて考えるのも、失敗のもとだったりします。
(教条主義を排す、ってやつね。)
また北辰会方式としては、どういった機序(病因病理)で、上記の証による暈厥に至ったのか、の把握が重要でしょう。
(これは、予後にも関わるからです。)
まあ、あくまでも実際の体表所見、当日の患者像を参考に、何が起こったのかを考えるべきだと思います。
そういったことを十分に鑑みつつ、慎重に考えると、あの日、その先輩は倒れる直前に、ホテルの豪華な食事を、普段よりも多くとり、普段ほとんど飲まない酒(ビール)も多く飲んでいました。
(瓶ビール二本ほどかな?)
この時点で、脾胃に常ならぬ負担を強いていたことは十分に考えられます。
(飲食不節→湿困脾土、湿熱中阻、脾失健運、胃失和降などの”病因→病理”が考えられます。)
しかも朝から早起きし、熱海への移動疲れもあったことと思いますし、研修会ですから、精神的緊張もあったことと思います。
(睡眠不足→気虚や血虚、新幹線での長時間同一姿勢、精神的緊張→肝鬱気滞、気滞血瘀などが考えられますね。)
しかも倒れる直前に、露天風呂にて長湯をしている。
長風呂では、肉体的緊張は緩み(理気活血疏肝)つつも、あまりに長ければ、疲労(気虚や血虚)は助長される面があります。
また、冬場の露天風呂ですから、そこで風寒邪を感受した可能性もある。
(その場合は気が急激に上逆傾向になります。)
ただ、横で見ていましたが、湯舟には肩まで浸かっておりましたし、一緒に入っていて、そこまで風も強くなく、冷たい風を受けていた感じはしませんでしたね。
(そして、風呂から上がった瞬間、一瞬”左に”フラッとよろめいたのが少し気にはなりました。)
風呂場での会話にも特に参加しておらず、そこで何か七情が乱れるようなことはなかったのではないかと思います。
(これは推測ですが。)
その後、脱衣所で急に後ろにバターンと倒れた時、すぐさま駆けつけて脈を診ていた先生が、
「沈んで細くて堅いけど、力はあります。重按がやや弱いです。」
と仰っていました。
この脈は、その後すぐに意識がついた時、その瞬間に、緩みながら浮いてきたそうです。
ここで、気虚や血虚の暈厥では、顔面蒼白、脈無力が特徴で、肝の病変や暑熱では顔面紅潮が特徴ですが、顔色としては、土気色、という感じで、蒼白でも紅潮でもなかったですね。
また、血虚で倒れると、目が落ちくぼんで輝きがない、というのが特徴のようですが、倒れた瞬間、目は一点を見つめ、妙にギラっとしていました。
血気上逆では歯を食いしばるのが特徴ですが、口は開いて、歯は食いしばっていなかったです。
倒れた時に上腹部を触った先生は、極端に冷えていたと仰っています。
また、ご本人が意識がついてから、
「倒れる寸前に悪心がして、気付いたら倒れていた。」
と仰っています。
舌診は、意識がついてすぐの舌は舌背が紫暗、舌腹は淡白傾向、特に舌下静脈が淡白気味だったようです。
(血虚と瘀血の所見が両方出ていますが、血虚が本と診てとれますね)
これらの情報を総合すると、成書の分類からいけば、5.の痰濁上擾が中心でありつつも、背後に若干、2.の血虚があるのでは??となります。
さて、これを治療して、今後同じ状況にさらされても、暈厥を起こさない体にするにはどうしたらいいでしょうか。
続く
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2018.02.11
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これまでのお話
◆損至脈について
石原保秀著『死生要訣』には、東洋医学の代表古典である『千金方』と『脈経』から引用してきて、「損至脈(そんしのみゃく)」という考え方も紹介されています。
これはちょっと大事なので、書いておきましょう。
まあこれを簡単に言うと、
損脉=遅脈
至脈=数脈
のことです。
・・・なら普通に遅脈、数脈、って言えばいいじゃんか、と思うと思いますが、
損脉(遅脈)の場合は、病が肺→心→脾→肝→腎と上から下に進み、
至脈(数脈)の場合は逆に、病が腎→肝→脾→心→肺と、下から上に進む、
という風に、病の伝変順に特徴がある、という違いがあります。
そしてこの記載は、鍼の聖典の一つといってもいい、『難経』14難にも出てきます。
(・・・というか、『難経』の方が先であり、オリジンですね。)
これについては、『ハイブリッド難経』の中で、割石先生が非常に読み応えのある解説をして下さっています。
(興味のある方はそちらを参照してください。ブリ難の21難までの解説は、いつ読んでも非常に刺激的です。)
順逆を考えた時、上から下に進む病と、下から上に進む病では、後者の方がアブノーマルであり、悪い感じがしますが、『難経』ではそうは書いておらず、
損脉(遅脈)の時に腎を病んでいるものは死ぬ、
至脈(数脈)の時に肺を病んでいるものは死ぬ、
と書いています。
これは、それぞれ伝変の最終段階だから、という意味でしょうけれども、臨床的には
極端な損脉(遅脈)であって腎を病んでいるもの、
極端な数脈(至脈)であって肺を病んでいるもの、
この二つは注意が必要だ、ということです。
・・・ここでなぜ、損至脈に触れたかというと、以前大阪で、私の末期がんの症例発表に関して、藤本新風先生から
「この症例において、損至脈を意識して診ましたか?」
と、質問をいただいたことがあって、妙に印象に残っているんですよね。
何か意味があると感じ、以来、気を付けるようにしています。
続く
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2017.12.11
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20代前半の頃、東洋医学の医者になりたいと意気込んで、毎晩、目を爛々とさせながら、夜中まで勉強して、日曜日は勉強会に行って、
空いた時間は先輩や、気になる治療院に治療を受けに行き、分からないことは先輩に聞きながら、必死になって東洋医学を身に付けようとしていた。
・・・でも、現実は厳しくて、患者さんは誰も、僕の出来損ないの東洋医学なんて受けようとしてくれなかった。
毎回、分からないなりに脈を診て、舌を診て、腹診をして、
「肝臓がどうのこうの」
とか、
「腎臓がどうのこうの」
とか、
「東洋医学ではどうのこうの」
とか、よく意味の分からない説明をしては、手先や足先など、症状と全然関係ない場所に鍼治療するのだが、ある日、ご高齢の男性患者さんから言われた。
「あのさー、そんなんどうでもいいから、早く肩もめよ。」
と。
僕が、
「いや、でも内臓の不調も考えて、根本的な治療をしないと・・・、」
と食い下がると、
「腎臓だの肝臓だのは、病院のそれ専門の先生に診てもらうから、別にアンタに診てもらわんでもいいよ。」
と言われた。
僕は歯を食いしばって、
「そうですか、分かりました。」
と頭を下げて、悔しさで震える手で、その患者さんの肩をもんだ。
一人で群馬から東京に出てきて、友達もいない中、そんな惨めな日々だった。
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2017.10.25
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さて、いくつか紹介してきましたが、ここらで一区切りとしましょう。
こういうのやってたら、ホント果てしなく紹介できるんだがね。。。
とにかく、鍼はスゲエから!(゚∀゚)
これまでの症例
・・・ではいきましょう。
患者 40代 男性
主訴 手足の痺れ感
現病歴 初診の3カ月ほど前から手足の先に痺れ感を感じる。(チクチク、違和感、力が入らない)
既往歴 脊髄損傷、過敏性腸症候群
弁証 腎虚、血虚
配穴 明らかにしない
経過 初診後、症状が少しマシになる。3回の治療で、ほぼ改善。
5回目では、自覚症状消失。
過去に事故による脊髄損傷で1カ月ほど歩行不能になった既往歴があり、今後も注意深く診ていく予定。
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2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール2023.11.16
日本東方医学会学術大会、申し込み締め切り迫る!!2023.11.01
2023年 11月の診療日時2023.10.10
清明院14周年!!2023.10.04
12.3(日)市民公開講座やります!!2023.10.01
2023年 10月の診療日時2023.09.23
第41回、日本東方医学会学術大会のお知らせ2023.09.22
第55回、順天堂東医研に参加してきました!2023.09.21
第27回、日本病院総合診療医学会で発表してきました!!2023.09.20
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.09.01
2023年 9月の診療日時2023.08.18
第54回、順天堂東医研で喋ってきました!2023.08.17
順天堂東医研の学生さんと、「森のくすり塾」へ。2023.08.16
診療再開!!