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これまでのお話・・・
では続きいきます。
前回、中医学による疲労に対する考え方を簡単に示しました。
そして、この中医学の見解に、100%は納得しかねる、とも書きました。
この「疲労」については、以前蓮風先生もブログに19回に渡って記事を書いて下さっています。
かなり突っ込んだ内容まで書いて下さっていて、我々としてはありがたい限りなんですが、先生が書かれたポイントをまとめると、
◆現代人の言う疲労の本質は緊張と弛緩のバランスの崩れである
◆疲労そのものも問題だが、これが大病のバックボーンになることが大きな問題
◆臓腑では肝の臓が大きく関わる
◆養生法は散歩や武道がよい
ということだと思います。
(治療穴や治療方法まで書いてくれていますが、それは専門家向けになるので割愛します。)
蓮風先生ほどの先生が、こういう各論について、細かく突っ込んで意見を述べて下さることは、我々後輩としては非常にありがたい。
上記を読んでも分かるように、疲労は「気血の弱りや脾の臓の弱り」だけではなく、軽いものでは「肝の臓」の変調を中心にした、
「気の停滞」が大きく関わり、とくに現代人の訴える”疲労”に関しては、むしろこっちの方が多いのではないか、と、私も思います。
(ちなみに肝の臓に関しては「肝」って何ですか?(その13)参照。)
そして、これには鍼灸治療も重要だけど、日頃の養生、予防も重要である、ということだと思います。
こうやって、臨床家というのは、たとえ中医学の教科書に書いてないことでも、実際の現実に即してものごとを考え、古典に根拠を見出し、
慎重に検討していくのですね。
基本として重視はしつつも、教科書の内容にこだわり過ぎてはいけない。
まさに 孟子の言葉 ですな。
続く
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2014.03.23
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さて、いよいよ24節気では「春分」を迎えました。
花粉症の症状がきつい人も多いことでしょう。
花粉症考(目の痒み篇) 参照
春は五行で言うとも木気が盛んになります。
「五行」って何ですか?(その8)
「春」と「木」と「風」と「肝」 参照
従って人体では「肝の臓」や「胆の腑」の機能が亢進し気味になる場合があります。
「肝」って何ですか?(その13)
「胆」って何ですか?(その12) 参照
肝や胆が亢進するからって、肝や胆を抑制するように治療すれば、万事うまくいくかというと、全然そんなことないです。
肝や胆の亢進の症状は示しているけど、所見をよく診ると、どうも「脾の臓」の方に問題が。。。というケース、非常によくあります。
この場合、肝や胆を下手に叩くと、まあ悪化するか、すぐ戻ります。(苦笑)
正解は脾の臓のフォローです。
やっぱり、咄嗟の弁証論治の的確性ですね。
「弁証論治」を含む記事 参照
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2014.03.09
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人間は睡眠時、夢を見る。
夢については、以前書いた。
「夢」はなぜ見る?
「肝」って何ですか?(その4)
「夢」の不思議
「デジャヴ」とは 参照
夢は健常な人でも見ているが、いつまでも見た夢を覚えていたり、夢の印象が強すぎて熟睡感がなかったりすると問題。
”眠りが浅い”という状況になる。
東洋医学ではこれを”多夢”と呼んで、問題視します。
主に「心の臓」や「肝の臓」の異常で起こります。
で、熟睡感のない状態が続くと、”血虚”や”陰虚”の状態が進み、様々な異常が起こってきます。
これ、心や肝を治療するだけではうまくいかないことがある。
養生が重要。
早目に的確な手を打たないといけない。
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2014.01.28
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24節気では大寒を過ぎ、一週間以上経ちました。
こうなるともう、大寒と言うよりは、”立春前”という感じ。
日差しに、風に、確実に春木の気が入っております。
春は、五行では「木(もく)」。
木は、人体では「肝の臓」と「胆の腑」。
邪気では「風(ふう)」。
「五行」って何ですか?(その8)
「胆」って何ですか?(その12)
「肝」って何ですか?(その13)
「風」「火」について 参照
ここらあたりが、ざわついてきますネ、この時期は。
・・・まあ、かと言って、木にばっかり注目してても治せないんですが。
こういう時期的な問題と、その患者さんそれぞれの素因とを考慮して進めないと、この時期のカゼはうまく治せない。
インフルエンザも来てますね。
ヤル気満々☆
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2013.12.08
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前回のお話・・・
奇経八脈の謎 参照
今日はまた一つ、楽しい話。(笑)
何だったか思い出せないが、何かの本かサイトで読んだ、
「葉先生の医案(カルテ)をみると、奇経八脈はもちろん枢軸であるが、そのもっとも重要な機能は、
肝の臓を調整することである。肝の臓は女性の先天であり、陰性なので、凝結し鬱滞しやすい、
すると気が滞って、血もまた滞る。」
(秦天一)
というような言葉。
(『臨証指南医案』だったかな・・・?(苦笑) ちょっと文章が正確じゃないかもしれないけど。。)
北辰会方式では、あらゆる病の治療において、非常に注目される「肝の臓」。
何故なら、この「肝の臓」こそは、現代人に非常に多い、「七情の過不足」からのあらゆる病の形成に、深く関わる、と考えているからです。
本ブログ 「七情」まとめ
スタッフブログ 内因(まとめ) 参照
七情の過不足に、肝の臓が大きく関わり、その肝の臓を調整するのに、奇経八脈が関わる。。。
で、その奇経八脈を調整するのには・・・。
鍼灸では・・・。
22日、お楽しみに!!(笑)
けっきょく、宣伝になってしまった。。。(゚∀゚)
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2013.10.20
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こないだ、とある先輩から、「憋気(へっき)」という病の存在を教わりました。
「憋気(へっき)」というのはまあ、東洋医学的な病名みたいなもんです。
しかし、実は東洋医学をけっこう勉強している人でも、あまり聞きなれないこの病・・・。
日本語版の中医学書に、あまり出てないんですね。これ。
そこで、中国の詳しい本で調べてみると、現代人に意外と多い病のことを示しているようです。
『中医症状鑑別診断学 第2版』によると、「憋気(へっき)」とは、
◆胸の中が塞がったように通じず、鬱してのびやかでない。呼吸がしにくいものを指す。
とあり、似たような症状の「胸悶(きょうもん)」よりももっと重篤なものを指すようです。
原因となる臓腑の異常としては
1.肝の臓
2.心の臓
3.脾の臓と腎の臓
4.痰飲の邪気
が関与するものがあり、心、脾、腎が関与するのものでは、正気の弱りが関与する場合が多く、これらの3臓の働きは密接にかかわるので、
重層的に病んでいるケースも多いそうです。
要は正気の弱りが関わってくるようなものは治しにくい、ということです。
呼吸がしにくいのに、肺の病ではない、というのもポイントでしょう。
因みに肝、心、脾、腎、痰飲については、このブログでも触れています。
「心」って何ですか?(その7)
「肝」って何ですか?(その13)
「脾」って何ですか?(その9)
「腎」って何ですか?(その11)
「怪病多痰(かいびょうたたん)」という言葉
「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について 参照
また、『雑病源流犀燭(ざつびょうげんりゅうさいしょく)』という本に、「胸は、肝の分」という記載があり、これも興味深いです。
・・・まっ、たまには、こういう話も。(笑)
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2013.09.08
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8月から見えている、とある湿疹の患者さん。
2013.07.28
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相変わらず難病のオーダーが多い清明院なんですが、こないだ、興味深い症例を経験しました。
まあ、あまり詳しくは言えませんが、小便に関する症状、お悩みであります。
以前書いたように、東洋医学では、小便というのは、直接たまるところは「膀胱の腑」です。
この「膀胱」という、一見東洋医学的にはなんてことない臓腑が、なかなか重い意味を持っているなあと、最近非常に感じています。
三焦の腑、小腸の腑、腎の臓、脾の臓、肺の臓、肝の臓などと複雑に連携を図り、「水の代謝」「衛気の動き」に大活躍しています。
これが最近、非常に興味深くてねえ。。。
勉強し直しております。
まあ、完全に独り言です。
ふっふっふ。(笑)
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2013.07.10
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今日は東洋鍼灸専門学校で、「膝痛」について喋ってきました!!
鍼灸師であれば、誰もが必ず相談されるであろう、「膝痛」。。。
老人の変形した膝、スポーツマンの使いすぎた膝、十代の成長期に痛みの出るもの。。。
臨床の現場では、実に色々なものがあります。
これもまれに、骨の悪性腫瘍や細菌性の炎症があるもの、骨折があるものなど、注意が必要なものがあります。
東洋医学では、主に肝の臓や腎の臓などの臓腑の弱りや、何らかの邪気が膝の部分の経絡経筋の気血の流れを阻害したもの、と考えて治療します。
膝と肝の臓の関係については、以前副院長がスタッフブログに書いていました。
膝と肝の臓(その4) 参照
まあ、膝だから肝の臓が悪いとか、腰だから腎の臓が悪いとか、そういう短絡的思考はしませんが、実際にこれらの臓が関与することが多いのも事実です。
体の部位によって、特定の臓腑が関与しやすいというのは、面白いですね。
じゃあお腹は?胸は?顔は?首は?足の裏や手のひらは??
・・・と、疑問が次から次に湧いてきますな☆(笑)
僕のような浅学菲才がそう思うぐらいですから、歴代の医師たちはみんな、そういう問題について考えています。
で、答えや見解を出しています。
こうやって、徐々に学術を深める。
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2013.07.06
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毎日ムシムシしております。
こりゃムシできませんな。(爆)
・・・というわけで、今日は気圧が下がった場合、人体の気血はどのように変化するのか、考えてみたいと思います。
これ、実は結論から言うと、人によって違いますので、一概に言えません。(笑)
本来は、一人一人について、個別に考えないといけません。
でもそれを言ってはおしまいのなので(苦笑)、ちょっと考えてみたいと思います。
〇
そのそも、気圧とは何か。
これは、気体の圧力のことです。
(笑・・・そのままですが。)
大気(空気)というのは、気圧の高いところから低いところに移動します。
この、移動する時の、気体の圧力を「気圧」というわけですな。
気圧の高低差が大きいほど、大気は激しく動きます。
で、低いところには、大気が集まってきますので、上昇気流が生まれます。
で、上昇気流によって水蒸気も上空に上がって、雲ができて、曇り空になってジメジメし、その雲が徐々にぶ厚くなって、
水滴がデカくなってくると、場合によっては雨が降ると。
人体の場合は、気圧が低ければ、上昇気流によって空気中の酸素量が減るため、副交感神経が優位になり、場合によっては体がだるくなったり、
やる気がなくなったり、喘息発作が誘発されたりする、と言われております。
東洋医学的には、緊張がゆるみ、気血の動きが緩慢になり、停滞する、といった感じでしょうか。
もうちょっと言うと、「肝の臓」の疏泄作用や、「脾の臓」の運化作用あたりに影響を及ぼし、ここらがもともと弱い人にとっては、
何らかの症状惹起につながるよ、というほどの理解でよいと思います。
「肝」って何ですか?(その13)
「脾」って何ですか?(その9) 参照
まーそもそも「気圧」の発見をしたのは、1640年代~1650年代のヨーロッパだそうですから、東洋医学にはその概念自体、
もともと存在しやしません。
また、自然界では普通、気圧の変化に伴って、気温、気湿など、さまざまな要因が複合的に変化しますし、そういった自然環境の変化”のみ”を受けて生きているわけでもありませんので、
気圧の変化だけをもって、画一的に何かを語るのは難しいでしょう。
しかしながら、こういったことを考える、というのも重要です。
◆参考サイト
科学の歩みところどころ「第一回 大気圧の発見からボイルの法則へ」
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2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
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(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
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