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2017.07.05
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本日公開のメルマガ『あはきワールド』に、私が書いた記事が載りました。
手前ミソではありますが、一人でも多くの人に読んでもらいたいので、このブログで、「節操なく」宣伝させていただきます☆(゚∀゚)
(だって、書くのけっこう大変だったから、読んでくれる人が少ないと悲しいのでね。)
今回ご依頼いただいたテーマは
「〇〇はこう治す!」
というお題。
そもそも、北辰会方式では、「同病異治」と「異病同治」、さらに「三因制宜」という考え方を非常に重要視しており、
「〇〇という症状(病名)にはこういう経穴!」
みたいな考え方はしません。
正直、どっちかっていうとそういう考え方には否定的です。
(まあ、方便としてそういう言い方を使うことはないではないが。)
ですので今回、あらゆる病、とりわけ難病治療において北辰会が非常に重視する「肝の臓」が病んだ場合、つまり「肝病」というものに焦点を当てて、
自分なりに症例をくっつけて書いてみました。
まあでも、書きあがったものを改めて読んでみると、書き尽くしていない部分、説明を補足したい部分も多く、それは後々、
このブログ上ででも、スピンオフ記事を書きましょう。
このブログの読者の皆さんには、是非読んでもらいたいですね。
珍しく僕の「~だ。~である。」口調の文章です(笑)
因みに『あはきワールド』は、有料メルマガですが、学生さんは無料なので、絶対読むべきです。
いい情報の宝庫だと思いますね。
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2017.04.23
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患者さんで、
「気にしだすとどんどん症状がひどくなる。」
と仰る方がいます。
これは逆に言うと、
「他のことに気が言っている時は気にならない。」
ということでもあります。
これはまあ症状が、精神情緒の変動の影響を受ける、と考えてもいいです。
心の臓や肝の臓の問題に落とし込むことが多いです。
・・・さあこれが、なかなか厄介。
なぜ厄介かというと、そういう患者さんの生活は、多くの場合、症状を気にする機会が多いような生活になってしまっています。
何か他に考えなくてはいけないこと、やらなくてはいけないことがあると、意外と大丈夫だったりします。
でもそれがない。
その生活そのものを変えることは難しい。
だから鍼で、その患者さんの思考のクセを変えていかなければならない。
これがなかなか、難しい。
でも治療が上手くいって、安定すると、気にしなくなるから不思議。
根気が要りますね。
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2017.02.26
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清明院には、毎日、いわゆる「精神科疾患」の患者さんがお見えになります。
うつ病、統合失調症、パニック障害、摂食障害などなど。。。
病名はともかく、皆さん西洋医学の治療のみでは、なかなかコントロールしきれないと仰います。
こういった疾患をお持ちの患者さんが不安定になりやすい、なんてよく言われる時期の一つが「春先」です。
季節の変化の影響を、体が受けます。
・・・で、体の変化の影響を、精神が受けると。
分かりやすい話です。
東洋医学では、春先は、夏にかけて、自然界の陽気が徐々に盛んになる。
これに連動して、人体内の陽気も盛んになる。
気血が上に外に向かい始める。
ここで、もともと気血が上に偏っている人や、外(皮膚や粘膜)にこもっている人は、状態が悪化しやすい、というワケです。
また、春先は五臓の中の肝の臓や胆の腑の気が盛んになりやすい。
・・・ということは、肝や胆がもともと機能亢進しているような人は、状態が悪化しやすい。
いわゆる精神病の患者さんというのは、気血が上に偏っており、肝胆が亢進している人が少なくない。
こういう人は悪化しやすい。
でも半面、これまで元気のなかった患者さんが、妙に元気になったりする場合もあります。
「季節の変化」による「体の生理的変化」が、その患者さん固有の「病理」に与えた影響、それらを冷静に斟酌して補瀉しないと、間違えます。
決めてかかってはだめだし、慎重に、冷静に進めないといけません。
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2016.10.25
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先日告知したように、11.27に、北辰会で喋ります!!
今、その内容の細かい部分を詰めている作業中です。
3時間ももらって、対外的に喋るんだから、せっかくなんで、永久保存版の講義にしようと思っています。
(数年前から、北辰会の講義は年に数回しかないので、毎回そういう気持ちでやっています。)
〇
ところで北辰会では、中医学の言う「病因病機」のことを「病因病理」と呼んでいます。
(これらは、いわば疾病のメカニズムみたいなもんです)
これに関して、「機」と「理」の、字義の違いに触れつつ、こないだ述べました。
「理」の意味 5 参照
要約すると、結局、なぜ北辰会方式では「病因病理」と呼ぶのか、明確な回答は先輩に聞いてもなかなか得られず、
「どっちでもエエんちゃう??」
とか言われて、
「だったら中医学の教科書に合わせて、病因病機と言った方が良いんじゃないすか!?」
と思ったりして、ハッキリしないイライラ感みたいなものがありましたが、色々とまとめていると、やっぱり「病因病機」という呼称よりも、
北辰会方式では「病因病理」という呼称の方がいい気がしている、という話をしました。
「病機」というのは読んで字のごとく「病の機序」であり、病のメカニズムのことです。
(肝鬱気滞→脹痛、みたいなね。)
それに対して「病理」というのは、先日書いたように「ある病機の、生理面も含めた、理論的根拠」という意味に解します。
(肝鬱気滞を緩めんがための生理的欲求として、甘いものや酒を過食過飲したら、結果として胃熱が生じた、みたいなね。)
こういう風に、ある症状の背景にある「生理的な欲求」についてまで考えることで、各病機の標本主従が明確になり、病の全体像の「本質中の本質」が把握しやすいのではないか、と考えています。
具体的に言うと、精神的なストレスの過剰から気機が鬱滞し、肝の臓の病変を起こし(病因→病機)、それを緩めんがために甘いものを過食(病機→生理)した結果、
二次的に脾の臓や胃の腑の病変を起こした(病因→病機)という患者がいた場合、肝の病機と脾胃の病機の標本を考えると、本は肝、となります。
ここで、病因病機のみしか意識しなければ、この症例における時系列的、理論的な標本の判断が難しくなります。
そして、それが分析出来た上で、四診によって現時点、治療時点における各病機の標本主従を明確にして「証」を弁出して、養生指導も欠かさずに、治療を進めていくのです。
そうすると、治療の結果、何が動いて、何が動いてないかが分かります。
因みに、例えば上記のケースで、病因病理の上では「本は肝」であっても、初診時の状況(主訴その他の状況)によっては、「急則治標」で胃の熱から叩く、
とかいうケースもあり得るワケです。
やれ弁証論治派、といっても、ここまで理路整然とやっているところもなかなかないと思いますけどね。
11.27は、イヤというほどこういう話をしてやるうー!!(=゚ω゚)ノ
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2016.04.10
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これまでのお話・・・
補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法
補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法
補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法
補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法
補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法
補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法
補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法
補瀉 8 『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法
補瀉 9 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法
補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法
補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法
補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法
補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法
補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法
補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ
補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ
補瀉 17 『難経』71難における補瀉
補瀉 18 『難経』76難における補瀉
補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き
補瀉 20 『難経』78難における補瀉
補瀉 21 『難経』79難における補瀉
補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ
補瀉 23 孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉
補瀉 24 金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉
補瀉 25 金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉
補瀉 26 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉
補瀉 27 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2
補瀉 28 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3
補瀉 29 明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉
補瀉 30 明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉
補瀉 31 現代中医学における補瀉
補瀉 32 日本における補瀉の受容
補瀉 33 『針道秘訣集』における補瀉
補瀉 34 『杉山真伝流』における補瀉 1
補瀉 35 『杉山真伝流』における補瀉 2
補瀉 36 永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉
補瀉 37 『杉山流三部書』における補瀉
補瀉 38 岩田利斉『鍼灸要法』における補瀉
補瀉 39 岡本一抱『鍼灸抜萃大成』における補瀉
補瀉 40 本郷正豊『鍼灸重宝記』における補瀉
補瀉 41 菅沼周桂(1706-1764)『鍼灸則』における補瀉
補瀉 42 石坂宗哲(1770-1841)『鍼灸茗話』における補瀉 参照
では続きいきます!!
◆坂井豊作(1815-1878)『鍼術秘要』における補瀉
さて今日は、坂井豊作先生の『鍼術秘要』を見てみたいと思います。
この先生も、前回紹介した石坂宗哲先生と同じ、江戸後期の鍼灸医です。
当時流行していたオランダ医学(西洋医学)にかぶれて、全く東洋医学的な鍼が実践されていないことを嘆き、
自分なりに研究、実践し、その成果をまとめたのが『鍼術秘要』である、と述べています。
石坂宗哲といい、坂井豊作といい、江戸後期にオランダ医学が日本に入ってきた時、当時の多くの医師達は皆そっちに流れてしまって、
西洋医学が優れていて東洋医学は劣っている、と考えるようになり、真面目にその優劣を論断した医者はほとんどいなかった、
という現実を非常に嘆いていたようです。
(今の時代も大して変わんねーね。はあ。)
坂井先生の特長は、何と言っても”横刺術”です。
鍼を垂直に刺すのではなく、水平に刺す。
それによって、病んでいる経絡にビターッと鍼が当たるため、垂直に刺すのの10倍効く、と言っております。(笑)
また面白いのは、鍼が効く病というのは、「肝の臓」を中心に病んでいる病である、と断言しています。
(これも重要な指摘じゃないかな、と思います。)
そんな『鍼術秘要』の最初の部分に、「針術の要言」という項があり、そこに補瀉について書かれています。
そこには、
「瀉法は鍼の痕から気を漏らしだすやり方であり、補法は凝った経絡を切り裂いて金気を内に送り込むやり方である。」
と、書いてあります。
(抜粋意訳 By 竹下)
そして、この後の段で開闔の補瀉を説き、実際に使うのは瀉法がほとんどである、と説いてます。
まあこれも一つの考え方ですが、鍼をするにあたって、何かを注入するとか、何かを引きずり出すとか、そういう考え方が、昔から実際にあります。
これについては、最後のこの補瀉の話をまとめる時に述べようと思っていますが、実はちょっと危険です。
北辰会では、そういう考え方で補瀉をやってはいけないと、戒めている部分でもあります。
坂井豊作先生は63歳でなくなっていますが、もしかしたら寿命を早めた側面があるかもしれませんね。
(特にこの補法に対する考え方は。)
いずれにせよ、「肝の臓」の不調 をベースとした、十四経絡の不通が、鍼で対応できる多くの病に共通している、という認識と、
治療における”横刺”という技法は、北辰会にも大きな影響を与えていますし、大いに参考にするべきところだと思います。
(ただまあ、坂井流では鍼を100本以上打ったそうですけどネ・・・。(苦笑))
続く
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2015.11.13
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東洋医学、とりわけ鍼灸医学において重要な「経絡経穴学」。
我々鍼灸師が、他の誰よりも詳しくなくてはならない学問分野だと思います。
今日はこのうちの「経絡学」に関する内容を少しお話しします。
人体の、気が流れるルートとされる「経絡」は、胃から始まって、全身をくまなく一周します。
その長い道のりは、特に関わりが深い臓腑別に、12の名前に分けられます。
(肝の臓なら肝経、大腸の腑なら大腸経・・・、といった具合にです。)
これを「十二経絡」と言います。
このように、始りから終わりまで、場所によって12の名前があるのですが、全てひっくるめると1本に繋がっていて、
それが全身をくまなく巡って一周すると、再び胃から始まって、全身を一周する、考えられています。
このように、まるで輪っかの様に、端っこが無いとされるのが経絡です。
「如環之無端」という言葉 参照
そして、この十二経絡も、陰と陽に分けられます。
(なんでも陰陽に分けるのが東洋医学です。)
それも、ちょっと独特の分け方をされます。
それを「三陰三陽学説」といって、他の中国思想や中国哲学にはない、中国医学独特の、『黄帝内経』独自の、分け方なのです。
これについて、以前ホントにチラッとしか書いてなかったので、今回はもう少し詳しく書きます。
続く
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2015.11.10
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11.22に、東京衛生学園にて「経穴解説 肝・胆・心包・三焦」を喋ります。
肝や胆や心包や三焦というのは、どれも五臓六腑の中の一つです。
これらに関わる経穴に鍼をすると、これらの臓腑に影響を与えることが出来ます。
つまり、肝・胆・心包・三焦に関わる経穴を治療に使うということは、肝の臓、胆の腑、心包の臓、三焦の腑について正確な理解が出来てないと、
自分が何を目的として鍼をしているのか分かりませんので、そもそも話にならないのです。
これらの臓腑についての解説は、一般向けの簡単な内容ではありますが、以前書きました。
「肝」って何ですか?(その13)
「胆」って何ですか?(その12)
「心包」って何ですか?(その6)
「三焦」って何ですか?(その12) 参照
経穴を使いこなす上では、最低限上記の部分の、より専門的な知識が必要になります。
ましてや、私のブログに書いてあるぐらいのことは知らなかったら、
「経穴に対して、気の集散を目的として鍼をする」
という考え方で鍼をするのは、正直やめといた方がいいと思います。
況や、そういった鍼灸治療に対する論評めいたことも。
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2015.06.13
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これまでのお話
「四逆散」というお薬
「四逆散」というお薬 2
「四逆散」というお薬 3
「四逆散」というお薬 4
「四逆散」というお薬 5 参照
さて今日も、四逆散に関する、別の先生のご意見。
今日は矢数道明(やかずどうめい 1905-2002)先生です。
この先生も、大塚敬節先生や奥田謙蔵先生と並んで、1905-2002の、実に96年間を生きた、近代を代表する漢方家の一人です。
亡くなる前年の、95歳まで外来診療を続けておられたことは有名です。
(スゲエ!!(;゚Д゚))
この先生の診療所(温知堂)は清明院のすぐ近く、新宿にあり、現在もご遺族によって引き継がれております。
この先生の師匠である森道伯先生(1867-1931)も、後世派の一派である一貫堂医学の創設者として、たいへん有名です。
この森先生も素晴らしい先生なので、そのうち紹介したいと思います。
(みんな本当にスゴイので、紹介し始めたらキリがないですな。。。(苦笑))
〇
まあともかく、矢数先生はその著書『漢方処方解説』の中で、
「四逆散は大柴胡湯と小柴胡湯の中間のものに用いる。」
と述べ、
「大柴胡湯よりも虚証で、熱状が少なく、肋骨下の緊張がやや弱く、小柴胡湯よりは少し実証で、お腹は肋骨下の緊張、腹直筋の緊張が中心で、
腹直筋の緊張は臍の周囲まで及び、手足のキンキンに冷えてる者や、癇の昂ぶる神経過敏症の者に用いる。」
と述べ、臓腑では
「肝の臓の実と、脾胃がやや虚。」
と述べ、たいへん応用範囲が広い薬であることを教えています。
まあ、矢数先生の解説の書き方としては、四逆散が大柴胡湯の変方だと述べた、和田東郭先生や浅田宗伯先生の見解を尊重しつつ、近代の湯本求真先生や龍野一雄先生の論を引いて、
大柴胡湯と四逆散の使い分け方、とりわけ、腹診における見分け方に重きを置いた、解説の仕方をしております。
この観点も、また重要です。
大塚先生の見解に、少し補足を加えた、という感じですね。
「四逆散」というお薬 7 に続く
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2015.06.10
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これまでのお話
では続きいきます!!
ここまでで、四逆散という超有名な薬に関して、和田東郭、浅田宗伯の見解を示しました。
さて今日は、また違う人の見解を見てみましょう。
今日は目黒道琢(めぐろどうたく 1739-1798)先生です。
まあこの先生は、和田東郭や荻野元凱と同時代の東京(江戸)にいた、超秀才、研究熱心バリバリ!みたいな先生です。
彼が言うには、
四逆散の状態とは、みぞおちが常に痞え、両肋骨下が、ガチガチに張って凝り、左脇腹が特に甚だしく、みぞおちの凝りがきつすぎて、
胸の中までも痞え感、膨満感を感じ、何となく胸中が不快で怒りっぽく、或いは肩とか背中が張って、或いは背中のみぞおちの裏あたりが張ったりします。
これらは、肝鬱(肝の臓の機能亢進)の症状です。
こういうものに、四逆散を使うといいです。
最近、肝鬱の人が多いので、四逆散の合う人が極めて多いです。
和田家(和田東郭の一派の事と思われる)では、慢性症状の病人を百人治療すれば、五、六十人は此の方に加減して用いると、
弟子が言っています。
水分の動きが強い証は、山薬、生地黄を入れると有効という。
私も、よく四逆散を用いて、いい成果が上がってます。
また、疝気(急性の腹痛)にも、四逆散の適応症が多いです。
『餐英館(さんえいかん)療治雑話』より抜粋意訳 by竹下
・・・だそうです。
同年代(5つ下)の和田東郭のやり方を参考にしているあたり、この時代は和田東郭がかなりリード的な存在だったようですね。
肝鬱(精神的なストレスによって、肝の蔵の機能が更新している病態)は、現代人にも非常によく見受けられる病態です。
これに対して、応用的に四逆散を使っていたのですね。
しかし、和田東郭の患者100人中5,60人は四逆散加減だったとは、興味深いところです。
江戸の平和に思える町民文化は、意外と人間関係によるストレス社会だったのでしょうかね。。。(苦笑)
肩こりと東洋医学 7 参照
「四逆散」というお薬 4 に続く
〇
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2015.02.10
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これまでのお話
「百会(ひゃくえ)」という経穴
「百会(ひゃくえ)」という経穴 2
「百会(ひゃくえ)」という経穴 3
「百会(ひゃくえ)」という経穴 4
では、続きいきます!!
前回、百会穴で、全身の上下の気の調整が可能である、というお話をしました。
では、3次元空間における、上下以外の、左右とか、前後とか、内外の気の不調和の場合はどうか。
結論から言えば、調整できるでしょうね。
そういう目的で百会を使うことは、あります。
(少なくとも僕は。)
ただここで、ポイントとして考えておくべきなのは、やはり
”百会は体のてっぺん”
だということです。
つまり、百会で気の調整をやるということは、上下左右前後内外の気のアンバランスの調整をするのに、
”位置的には最も陽気の強い、体のてっぺん”
で、調整するやり方である、という理解が重要だと思います。
その、上下左右前後内外の気の不調和が、陽気の異常を中心としたものであれば、選択肢の一つとして百会が有利である可能性が高い、ということです。
そして、標的とする臓腑で言えば、流注からすれば肝の臓が主であろうし、標的とする経絡で言えば、最初に述べた三陽五会の5つの経絡であろう、ということです。
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2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール2023.11.16
日本東方医学会学術大会、申し込み締め切り迫る!!2023.11.01
2023年 11月の診療日時2023.10.10
清明院14周年!!2023.10.04
12.3(日)市民公開講座やります!!2023.10.01
2023年 10月の診療日時2023.09.23
第41回、日本東方医学会学術大会のお知らせ2023.09.22
第55回、順天堂東医研に参加してきました!2023.09.21
第27回、日本病院総合診療医学会で発表してきました!!2023.09.20
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.09.01
2023年 9月の診療日時2023.08.18
第54回、順天堂東医研で喋ってきました!2023.08.17
順天堂東医研の学生さんと、「森のくすり塾」へ。2023.08.16
診療再開!!