東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 肝の臓

「春」と「木」と「風」と「肝」

2011.02.08

立春を過ぎれば、

「暑さ寒さも彼岸まで」

なんて言葉が、患者さんとの会話の中に混ざるようになってきて、ぼつぼつ春到来の予感でございます。

立春!!
三寒四温
ちょっとした養生法 参照

 

今日はえらく寒いし、夜には関東でも雪が降るなんて言ってるけど、昨日やおとといなんかは、意外と寒くなかったですよね。

 


また、昨日はけっこう風が吹いていましたが、その風の冷たさ、吹き方が真冬のそれとは随分違ってきたなあ、ということに、敏感な人は気付いたことでしょう。



春→夏→秋→冬→・・・
という季節の循環は、昔からある程度一定であります。

 


東洋哲学では、この「四季」の循環に応じて、人体にどういう影響が起こるかを、非常に理論的に考察しています。

 


なぜならこれは日本人、中国人が農耕民族であったからではないか、というのは、多くの学者さんが指摘するところです。

 


・・・という話を、このブログでも何度か書いています。

雨はなぜ降る?
「東洋医学」と「数学」
「清明」について    参照

 


・・・農耕民族にとって、その年の気候の変化をなるべく正確にうかがい知る、予測する、ということは、その年の収穫の多い少ないを決定づける事項であるため、

 

まさに死活問題であったワケです。

 


まーそれはともかく、1年のうちで「春」という時期は、五行で言うと「木(もく)」に分類され、自然界は樹木が青々と、伸び伸びと繁茂し、

 

また新芽が芽吹く時期でもあります。

 

 


人体も同じように、伸び伸びと繁茂するように気が伸び伸びと動いてくれればなにも問題は起こらないんですが、そうもいかない人にとっては「肝の臓」の働きが必要以上に高ぶりやすく、

 

肝の臓の不調を起こしたり、木の性質を持つ邪気である「風邪(ふうじゃ)」という邪気に侵されやすい時期となる、と考えます。(苦笑)

カテゴリ 「五行」
小麦アレルギー
「花粉症」について(その2) 参照

 


・・・ですのでもともと運動不足や仕事のストレスから「肝の臓」の働きが昂っていることが多い現代人は、この時期、

「肝の臓の働き高ぶり過ぎ病」

とか、

「風邪(ふうじゃ)に侵された病」

になってしまうことが多いのです。


(長くなっちゃいそうなんで今日はこの辺にしときます・・・。)

 

 


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「腎」って何ですか?(その11)

2011.01.30

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これまでのお話・・・


「腎(じん)」ってなんですか?(その1)

「腎」って何ですか?(その2)
「腎」って何ですか?(その3)
「腎」って何ですか?(その4)
「腎」って何ですか?(その5)
「腎」って何ですか?(その6)
「腎」って何ですか?(その7)
「腎」って何ですか?(その8)
「腎」って何ですか?(その9)
「腎」って何ですか?(その10)

 

・・・さて、そろそろ「腎」シリーズ、ラストになります。

 


これまで色々と書いてきましたが、「腎」というのは、五臓六腑の中でも特に重要な臓であります。

 


患者さんが訴える、様々な症状の根本中の根本になっていることも少なくありません。

 


したがって病を根っこから治療しようと考えた時、治療対象になることも多い臓です。

 


東洋医学の言う五臓六腑というのは、どれが欠けてもダメ、全体のバランスが重要、という風に考えますが、その中でもとりわけ重要なのはどれかといえば、

 

私は「肝・脾」・腎」の3臓であると考えています。

(まあここは、考え方によって多少分かれるところでしょうけども。)

ともかく、人間の生殖をつかさどる腎の臓・・・。

 


近年増加し、問題になっている不妊症や不育症、先天性の病なんかにも、大きく関与することが多いのです。

 

 

また、漫画などで描かれる、高齢者のトレードマークといえば「白髪」と「入れ歯」と「曲がった腰」ですが、これらにも「腎の臓」は大きく関わります。

 

☆「腎」と「髪」と「歯」

以前、髪の栄養である「血」と大きく関わるのは「肝の臓」である、というお話をしました。

「肝」って何ですか?(その3) 参照

 

しかし髪の栄養には、「腎」も大きく関わります。

 


なぜならば東洋医学には、

「肝腎同源(かんじんどうげん)」

という有名な言葉があります。

 


・・・コレはどういう意味かというと、腎が蔵する「精(せい)」は、体の状況に応じて「血(けつ)」に変化し、反対に肝が蔵する「血」が、「精」に変化する場合もある、

 

という、「精」と「血」は同根で、もともと同じものである、という考え方であります。

 


つまり、「血」が足らなくなると「精」が変化して補い、その逆パターンもある、ということです。

 


つまり、

「血の余り」

と言われる「毛髮」には、「肝」と「腎」が大きく関わる、という風に考えるのです。

(これを”精血同源(せいけつどうげん)”と言ったりもします。)

 

 

そしてさらに、東洋医学では「歯」のことを、

「骨の余り」

と呼びます。

 


「歯」というのは実際に、上あごと下あごの骨にガッチリとくい込んでいまして、骨を基礎として伸びてきます。

 


まさに、成長過程からも、見た目も見るからに「骨の余り」なんですが、その「骨」と、その中にある「骨髓」をしっかりとした良好な状態に保つ働きを持っているのが、

まさに「腎の臓」なのだ、ということです。

 


・・・ということは、「髪」と「歯」の状態というのは、そのままその患者さんの「腎の臓」の状態を示すことが少なくないのです。

 


小さい頃から虫歯が多いとか、50代後半で総入れ歯になったとか、出産したら歯がボロボロになったとか・・・、小さい頃から骨折しやすいとか、

 

中年期から背骨が変形して姿勢が曲がってきたとか・・・、若いうちから白髪が多いとか・・・、などなど、自分を考えても、周りの人を思い浮かべても、

 

思い当たる方が多いのではないかと思います。

 

・・・信じられない方もいるかもしれないけれども、高齢者で髪が真っ白の方が、鍼治療を始めてから、黒い髪が生えてきた、という事例を、僕は何度も経験しています。(笑)

 

 


まあ要は、

「腎の臓」をいい状態に保つことによって、高齢者はいつまでも若々しくいられるし、

若者は若者らしく、健全な人生を全うすることが出来るのです!

そして、東洋医学は、それの大きな助けになることが出来るのです!


 

・・・ということで、「腎の臓」シリーズ、ひとまず終了。

 

 

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「泣く」とはどういうことか(その6)

2011.01.07

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これまでのお話

「泣く」とはどういうことか(その1)
「泣く」とはどういうことか(その2)
「泣く」とはどういうことか(その3)
「泣く」とはどういうことか(その4)
「泣く」とはどういうことか(その5)

 

かなり久々になりますが、このシリーズ、ちょっと足しましょう。

 


今後もこのように、右にあるカテゴリーの色んな話を、たまに肉付けしていきます。

 


今日、こんなニュースを見つけました。


(↓↓以下簡略化して引用)

◆女性の涙に「逆フェロモン」…男性の興奮鎮静化

 

読売新聞 1月7日(金)3時7分配信

 

女性の涙には男性の感情に影響する化学物質が含まれているとの実験結果を、イスラエルにあるワイツマン科学研究所のチームがまとめ、

米科学誌サイエンス電子版で6日、発表した。


昆虫では、情報伝達の役割を担う微量の化学物質「フェロモン」が生殖行動に影響し、マウスでも雄の涙腺から分泌される物質が雌に交尾を促すことが報告されている。
 
今回、動物の世界で知られる促進フェロモンとは異なる作用のフェロモンが人間に備わっている可能性が強まった。

研究チームはまず、複数の女性ボランティアに悲しい映画を見せ、涙を採取。

涙と、塩水がしみこんだシートを男性被験者24人の鼻の下に別々にはりつけると、涙のシートをつけた場合でのみ、女性の顔写真に性的魅力を感じる度合いが減った。

唾液中の男性ホルモン「テストステロン」の濃度も低下したほか、脳の活動を調べる機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)でも、性的興奮にかかわる視床下部などで活動が低下していることを確認した。

 
 

(引用おわり)

 

・・・まあ要するに、人間の女性の涙には、男性の性的興奮を「抑制する」成分を含んでいる可能性がある、という記事ですね。
 

以前このシリーズでも、涙の成分についてはいまだに不明な点がある、ということをお伝えしました。
 

サイエンスの原文を読んだ訳じゃないけど、今回の実験結果は面白いことを示唆していると思います。
 

「女性の」「悲しい映画を観ての」涙が含む、

「嗅覚」を刺激する何らかの成分(フェロモン?)が

男性の「性的興奮」を

「選択的に」抑制する

ということがもし本当ならば、非常に興味深いですね。

 

「涙」、「悲しい」「嗅覚」、「性的興奮の抑制」、というキーワードからは、東洋医学的には「肝の臓」「肺の臓」が想起されます。
 

そして五行で言う「肝木」「肺金」からさらに「魂(こん)」「魄(はく)」、「肝血(かんけつ)」「肺気(はいき)」という陰陽、

そして、「男女」という陰陽・・・。

 
この実験をやったワイツマン科学研究所の人たちに質問してみたいことが山ほどあるんですけどー・・・。

 
(笑・・・言葉通じませんけどネ。)

 
・・・まあいずれにせよ、人体について現代科学的に分かってくれば来るほど、

「それをとっくに東洋医学は説明出来ていた!」

なんてことがたくさん起こるかもしれませんね・・・。(笑)

 
 

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「腎」って何ですか?(その8)

2011.01.05

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これまでのお話・・・


「腎(じん)」ってなんですか?(その1)

「腎」って何ですか?(その2)
「腎」って何ですか?(その3)
「腎」って何ですか?(その4)
「腎」って何ですか?(その5)
「腎」って何ですか?(その6)
「腎」って何ですか?(その7)

 

年末年始でなんやかんやと忙しくしてるうちに、随分と空いてしまいましたが、続き、いきま~す!!!

 

☆「腎」と生殖

 

前回、「腎の臓」”求心性”の働きを持った臓である、というお話をしました。

 


ところでこの表現、少し分かりにくかったかも知れませんので補足します。

 

・・・このシリーズでこれまで長々と解説してきているように、五臓六腑にはそれぞれ働き、役割があります。

 

「臓」と「腑」に関して大ざっぱにいうと、

「五臓」の方は”何かを貯め込む”、という働きが多く、

「六腑」の方は”何かを通す、あるいは洩らす”、

という働きが多いです。

 


つまり、「五臓」の場合は、

「肝の臓」は「血(けつ)」や「魂(こん)」を蔵(ぞう)し、

「心の臓」は「神(しん)」を蔵し、

「脾の臓」は「意」や「思」を蔵し、また、「胃の腑」と協調して一時的に飲食物を蔵し、

「肺の臓」は「気」や「魄(はく)」を蔵し、

そして今解説している「腎の臓」は「精」や「志」を蔵する、

といった具合であり、「六腑」の場合は、

「胃・小腸・大腸の腑」は飲食物を通し、

残りの3つはまだ解説してないけど、

「胆の腑」、「膀胱の腑」は胆汁、尿を一時的に溜めますが、結局は洩らしますし、

「三焦の腑」も、一面、体の中の”お水”の通り道であります。


(この3つについても、詳しくはいずれ解説します。)

・・・まあこのように、「臓」と「腑」でまずはおおざっぱに働きが分けられ、さらに五臓六腑それぞれに個別の働きがある中で、

 

比較的「腎の臓」の働きというのは目立って”求心力”(引き集める力)が強い、ということです。

 

そして「腎の臓」は、人間の生殖機能に大きく関わります。

 

前置きが思いのほか長くなっちゃったんで、続きは次回。(笑)

 

 

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「腎」って何ですか?(その3)

2010.12.17

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これまでのお話・・・


「腎(じん)」ってなんですか?(その1)

「腎」って何ですか?(その2)

 

さあさあ、どんどんいきましょう!!

 



☆「腎の臓」の形と位置(その2)

「腎」の形と位置については、もう少し書きたいことがありますので、書きます。(笑)

 


・・・前回、「腎」は腰椎(ようつい)の2番に付着している、と東洋医学では説く、というお話をしました。

 


この位置というのは、人体を上、中、下の3つに区切った場合、「下」にあたる部分です。

 


東洋医学ではこのように、人体を上中下の3つに区分する考え方を、よく用います。

 


その、”上”の部分のことを「上焦(じょうしょう)」と呼び、みぞおちよりも上の部分を指し、ここには「心の臓」と「肺の臓」が存在している、と説き、

”中”の部分はみぞおちからおへその高さで、ここを「中焦(ちゅうしょう)」と呼び、ここには「脾の臓」と「胃の腑」、それから「肝の臓」の一部分と、

 

「胆の腑」が存在すると説き、”下”の部分はおへそから下の部分で、ここを「下焦(げしょう)」と呼び、ここには「腎の臓」「肝の臓」、

それから「大腸の腑」「小腸の腑」「膀胱の腑」などが存在する、と説きます。

 


そしてこの「腎の臓」というのは、この”下焦”における中心的な存在、言わば主役、と考えられています。

 


なぜ主役なのかは、また後ほど解説していこうと思います。

 

・・・東洋医学に、理想的な体の状況を示す言葉で「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」という言葉があります。

 


これは、頭は涼やか、足は温かい、という、体の”上下”のバランスがキチッと取れた状態を指す言葉です。

 


病的な状態になると、これが逆転してしまいます。

 


これを、

「上熱下寒(じょうねつげかん)」

あるいは

「上実下虚(じょうじつかきょ)」

と呼びます。

 


そして、”下焦”の主役である「腎の臓」が何らかの原因で弱った時、こういう状態になりやすい、という考え方があります。

(もちろんそれが全てではありませんが。)

 


よく話題になる、更年期障害の代表的な症状に、”ホットフラッシュ(急激な顔面のほてり感、胸から上での発汗、動悸etc..)”というものがありますが、

コレなんかはまさに東洋医学の言う、「上熱下寒」の状態になっていることが多く、その根本原因に、「腎の臓の弱り」が見られることが少なくありません。

 

 


そして「腎の臓」の働きを助け、機能が最大限発揮できるように治療していくと、症状が改善することが多いです。

 


・・・また、話がそれましたネ。(笑)

 

続きは次回。

 

 

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「大腸」って何ですか?(その6)

2010.10.14

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前回までのお話・・・


「肺」って何ですか?(その12)

「大腸」って何ですか?
「大腸」って何ですか?(その2)
「大腸」って何ですか?(その3)
「大腸」って何ですか?(その4)
「大腸」って何ですか?(その5)

 

ぼつぼつ、「大腸の腑」に関する解説は終わりにしようかな、と思います。

 


・・・まあ、簡単にまとめると、東洋医学の言う「大腸の腑」というものは、

 

・上から送られてきた飲食物の残り物の、最後の通り道で、

・「肺の臓」や「脾の臓」や「腎の臓」などに働きを助けられながら、

・最終的な「使えるもの」を体の中に取り込み、

・大便をトイレにスムーズに伝え導く

というのが主な働きであり、その「大腸の腑」と最も関わりの深い「経絡(気の通り道)」は、

・手の人差し指、手首、肘、肩、首、顔面、鼻、目、額

なんかに深く関わるよ、ということです。

 


だから「大腸の腑の病」と言っても、東洋医学では決して下痢や便秘だけではなく、

 

テニス肘や五十肩、肩コリや頭痛、目の疲れや鼻炎などなど、

 

あらゆる病気が考えられるよ、というお話でした。

 

 


・・・ここで番外編を一つ。

 


☆「便が緑色!?」

 


患者さんからたま―に、

「先生、最近、野菜を食べてもいないのに、緑色の便が出るんですけど、どういうことでしょうか?」

と聞かれることがあります。

 

この、「緑色便(りょくしょくべん)」というものについて、西洋医学では、胆汁に含まれるビリルビン(赤血球の分解代謝産物)が、腸内の消化不良によって酸化し、

緑色の色素をもつビリベルジンに変化することによって起こるもので、多くは一過性であり問題ないが、まれに急性腸炎や食中毒で起こることもあり、云々・・・

などと説明します。

 


まあ要するに、単純に胃腸が弱っている場合か、あるいは胆汁が出過ぎている場合を示す、と考える訳です。

(あー、なんか久々に西洋医学の話したわ―。(笑))

 


東洋医学では、多くの場合、こういう患者さんを観察すると、「肝の臓」「脾の臓」に異常を示していることが多く、そこを治療することによって改善することが多いように思います。

 

つまりたいがいは、余分な神経の使い過ぎから胃腸を弱らせたり、暴飲暴食から消化機能を高ぶらせ過ぎた結果です。

 


他にも、大便の異常では、

「白い便」

「黒い便」

「タールのような便」

「スカスカの便」

「未消化のものが混じった便」

「粘液のような便」

「血が混じった便」

「カチカチの便」

「最初カチカチで、あとは軟便」

などなど、があります。

(経験ある人も多いのでは?)

 


・・・まあこのように、一つ一つ言っていくとキリがないんですが、大便の異常というのは、東西の医学に関わらず、重要な意味(診断意義)を持つことが多く、

 

診断上、非常に参考になりますので、恥ずかしくても、ぜひご相談いただきたいと思います。

 

 

こういう、便の種類によってどう診断するか、という話も、そのうち書きたいですね。

 


ちなみに、「いい便」というのは、

茶色くてバナナ状で、密度が高く、ズシっとトイレの水に沈み、便器にこびりつかない

ような便です。

 

(これは『アレルギーは鍼で治す!』を参考にしていますが、密にいえば、その人の食生活によって変わってきますので、一概に言えないですけどね。)

 


いつも便に異常を感じている人は、生活全体を見直し、毎日このような「大きな便り」に出会う日々を目指さなくてはなりません。

 

 


以上で「大腸の腑」シリーズ、いったん終わり。

 


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「夢」の不思議

2010.09.17

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最近、また「夢」というものについて、考えています。

これは以前にも、ちょこっとだけ、書いたことがあります。

「夢」はなぜ見る?
「肝」って何ですか?(その4) 参照

「夢」に対する解釈で、一般にもよく知られ、有名なのは、フロイトユングですわな。

・・・まあ、フロイトさんの方は、

「夢は願望の充足である」

と強調し、一時はそのフロイトさんの弟子でもあったユングさんは、

「夢は過去の願望ばかりではなく、現在の期待の実現でもある」

と強調しました。

それ以外にも色んな学者さんが色んな立派な研究成果や見解を持っているようですが、そのように、なかなか見解の統一がうまくはかれないということは、

 

逆に言うと結局は夢というものが「不可知」なるもの、ということの証左じゃないかな、とも思います。

日本にも、「初夢」とか「正夢」なんて言葉があります。

「夢」に対しては、昔からみんな興味津々な訳です。

(そりゃあそうです。だって超身近な不思議現象だもんね。)

これは、脳波の観察とか、そういう近代的な観点から研究した人たちによると、みんなが毎晩見ている、なくてはならないもの、ということになるらしいです。

(ただ、起きると同時に忘れてしまうのが正常ね。)

危険な実験で、「断夢(だんむ)実験」なるものがあるそうです。

これは、脳波上、「夢を見ている」とされる脳波の時に、強制的に被験者を覚醒させる、という実験で、これを5~7日繰り返すと、軽度~重度の精神異常などの症状が出るそうです。

(でもコレ、倫理的にやっちゃダメな実験ですぞ。)

東洋医学ではこの辺の仕組みを

 

「肝の臓」が蔵する「魂(こん)」

「肺の臓」が蔵する「魄(はく)」

 

そして、それらを統括する、


「心の臓」が蔵する「神(しん)」

 

というものの働きで説明します。

・・・まあ、ここいらの話はムズいので、年末の講義でちょこっとしゃべることにして、要は、

「夢をいつまでも覚えている=その時点でいくらか病的」

ということが言えるようです。

でもこれぐらいでは、誰にだってたまにならあることで、即治療対象、とは考えないことが多いでしょう。

面白いのは(というかみんなが興味あるのは)見た夢の内容に対する解釈ですね。

よく、やれ吉夢だとか凶夢だとか、色々言いますが、僕から見たら、「吉凶」もまた「陰陽」ですから、すべて「吉」の方向に解釈して、

プラスに転じてしまえばよいのです。(笑)

・・・例えばこないだ、とある大先生がおっしゃっていた、

「髪が全部抜けおちる夢を見た!」

なんていうのも、

凶夢としての解釈なら、”老いへの恐れ”とか、”ある能力の低下”という解釈もありますが、吉夢としての解釈として、

”さらなる高次の学びへの欲求”

とか、

”飾り気を捨て、ありのままに精神の成長に専心する前兆”

という解釈も出来るんです。

このように、マイナスは、いつだってプラスなんです。

・・・「陰陽論」て、マジで凄いんです!!

「夢」については、まだまだありますが、ちょこっとずつちょこっとずつ、小出しにして、書いていきます。(笑)


お楽しみに♪

 


【参考引用文献】

 

王克勤『中医心理学』たにぐち書店 

 

 

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足の親指の異常

2010.08.10

先日、患者さんから、こんな相談、質問をいただきました。

「左の足の親指が痛むんですが、何で左だけなんでしょうか?」

・・・足の親指の異常、と言うと、有名な外反母趾とか、陥入爪(かんにゅうそう:巻き爪のこと)あたりが有名です。

 

 

これらについて、西洋医学では、先のとがった靴による圧迫や、骨盤の歪み等からくる荷重のアンバランスによって、徐々に足の親指の血行が悪くなって発症する、と考えています。

 

【参考サイト様】

 

メディカルノート「外反母趾」

メディカルノート「陥入爪」     参照

 

冒頭の患者さんも、整骨院でこのような説明を受け、テーピングをしてもらった、とのことでした。

僕としては、コレはコレで筋が通っていると思いますし、否定するつもりは全くございません。

(事実、この患者さんも少し楽だ、とおっしゃいました。)

僕も、整骨院や整形外科で働いた経験もありますし、柔道整復師の免許も持っています。


各種の関節痛等の疾患において、こういうやり方(テーピング等)で効果が上がるケースがある、ということは、よく存じ上げておりますし、かつては僕自身も実際にやっていました。


しかし東洋医学では、これに対して、西洋医学とは違った考え方をします。


巻き爪や外反母趾、その他の異常については、足の親指に流れる「経絡・経筋
の異常、と考えます。

「経絡(けいらく)」って何ですか? 参照


東洋医学では、足の親指の、人差し指側(外側)には「肝の臓」に関係する経絡(足厥陰肝経)、内側には「脾の臓」に関係する経絡(足太陰脾経)の気が流れている、と考えます。

これらの流れが悪かったり、均等にバランス良く流れていなかったりすると、足の親指に様々な異常が起こる、と考えます。


つまり、「肝の臓」や「脾の臓」に異常が起こると、足の親指に異常が起こることがある、ということです。

「肝」について
「脾」について 参照

では、どういう異常が起こると、親指がどういう変化を起こすのか、という話になると、細かくて、難しくなるので書きません。(笑)

しかし、足の親指に起こった異常がどういったもので、しかも左右で違うのはなぜか、という問題も、東洋医学の考え方で、綺麗に説明がついていきます。

説明がつくだけで、治らないんじゃあしょうがないけど、それに基づいて治療していけば、ちゃんとよくなります。

 

これまでに何例も経験しています。


ちなみに冒頭の患者さんはお腹に1本鍼。


・・・よく効いています。


患者さんとしては、

「なんでお腹に?不思議!」

と思うかもしれないけど、東洋医学的に考えたら普通のことなんです。(笑)


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「脾」って何ですか?(その8)

2010.07.07

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これまでのお話・・・


「脾」って何ですか?(その1)

「脾」って何ですか?(その2)
「脾」って何ですか?(その3)
「脾」って何ですか?(その4)
「脾」って何ですか?(その5)
「脾」って何ですか?(その6)
「脾」って何ですか?(その7)

 


いや~、今日のジメジメも半端じゃなかったですね~!!

 


湿度は常に70%以上!

 


自然界がジメジメの時、体も心もジメジメになっちゃあいけません!

 


「サラッ」とさせとかないと!

 


・・・大体この時期、体がジメジメの人は太り、心がジメジメの人は痩せますな。(笑)

 


今日はそんなお話。

 


☆脾と「太る」「やせる」

 

これまでの話を読んだ人なら、これはなんとなく想像できると思います。

 


何度も出てきているように、当然「脾の臓」は消化、吸収に大きく関わります。

 


ということはこれがうまくいかなかったら過剰に太ったり、過剰に痩せたりしてしまうんです。

 


・・・まあコレ、当たり前の話ですけどね。(笑)

 


僕のところにも、いまだに、

「鍼で痩せられますか?」

とか、

「食欲のなくなる鍼ってないんですか?」

という問合せや質問がたま~にあります。(苦笑)

 


一体いつまで続くんでしょうか、女性の「楽して痩せたい」願望(幻想)・・・。

 


確かに、テレビや雑誌に出ているスリムで美しい女性を見て、ああなりたい、と思う気持ちはよく分かります。

 


でも、楽して、他力本願でそうなりたい、とか、何か一つのことだけやればあとは何もしなくていい、というのは、やっぱり虫のいい話のようです。

 


清明院では不自然に、無理やり食欲をなくさせたりするような、病気を形成、助長する行為は致しません。

 


どうしてもやりたければ他へどうぞ、という話にならざるをえません。(笑)

 


ただ、治療をしていくことで、その方の本来の消化吸収機能を取り戻し、体内の余分なものが減っていった結果として「やせる」ということはよくあります。

 


また逆に、やせ過ぎていた女性が、治療をすることによって適度に肉がついてきた、という変化もまたよくあります。

 


この変化に大きく関わるのが「脾の臓」です。

 


脾がうまく働かないと、飲食物が大して吸収もされずに、未消化便となって体から出ていってしまうことがあります。

 


また、吸収したのはいいけど、それがいつまでも無駄に体に留まる場合もあります。

 


前者の場合は痩せていくし、後者の場合は太っていきます。

 


ではどういう人がこのパターンに分かれるかというと、それは「脾の臓」以外の臓腑との機能のバランスによって決まってきます。

 


詳しくは難しくなるので書きませんが、例えば、すでに出てきた「心の臓」とか「肝の臓」とか、あるいは一番そばにある「胃の腑」とかとのバランスです。

 


これらがきちっと協調し合いながら仕事してれば問題ないんだけど、アンバランスがあると、先ほどの2つのタイプに分かれてきます。

 


何事もバランス、ということです。

 

 

陰陽あるけれども、「中庸(ちゅうよう)」が大事、というのが東洋医学的な健康体の基本です。

 

 


次回に続く。

 

 

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「心」って何ですか?(その6)

2010.06.04

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これまでのお話・・・

「心」って何ですか?(その1)
「心」って何ですか?(その2)
「心」って何ですか?(その3)
「心」って何ですか?(その4)
「心」って何ですか?(その5)

 

だんだんと、ネタが増えてまいりましたね・・・。

 


イイ感じです。(笑)

 


ただまあ、このブログは専門家に向けたものではないので、最初から全部読まなくても、1話1話、

「誰でもが」

分かるように配慮したものにしよう、と思っています。

 

今日は東洋医学のいう「心」を理解する上で欠かせない、「神(しん)」というものの関わりについて述べます。

 

 

東洋医学には「五神(ごしん)」という考え方があります。

 

人間の精神活動(考えたり、覚えたり、判断したり・・・)は、この「五神」というものの働きによってなされている、と考えられています。

 


そしてこの「五神」というものは、読んで字のごとく”5つ”あり、それぞれが「五臓」と深く関わる、とされています。

 


「五神」と「五臓」の関わりを書きますと・・・

・肝・・・魂(こん)

・心・・・神(しん)

・脾・・・意(い)

・肺・・・魄(はく)

・腎・・・志(し)

となります。

 

この中の、「肝」と「魂」の関わりについては、以前「肝」って何ですか?(その4)にて述べました。

 


脾と意、肺と魄、腎と志についても、いずれ述べようと思っていますが、今日はとりあえず「心と神」について述べましょう。

 


この「五神」というものには、それぞれに役割があります。

 


例えば、肝の魂には無意識をつかさどる働きがあったり、それ以外の意や魄や志にも、それぞれ異なった働きがあります。

 


その中で、この「心神」というものは特別、別格です。

 

なぜならば、他の四神の働きを統合し、まとめる、という、”部分的”ではなく、”全体包括的な”働きを持っているからであります。

 

つまり、人間が持つあらゆる感覚、記憶、本能、理性、思考、といった、精神活動の全てを、「心」が蔵する「神」が、最終的には統括している、という風に、東洋医学では考えます。

 

この辺の詳しい話はたにぐち書店『中医心理学』に非常によくまとまっております。

(しかしこれは専門書ですので、一般の方は読んでもチンプンカンプンかもしれません。)

 

 

実は僕は昔からこの辺の理論が好きでして、というか興味を持ってまして、色々な先輩たちに質問したり、本を読んだりして、徐々に自分なりに勉強を進めていました。

 

日々患者さんに接するたび、

「一体、人間のココロの仕組みってどうなっているんだろう?」

「この人は何を求めているんだろう?」

「どうすればこの人は癒されるんだろうか?」

とかっていう問題は、僕が鍼を持って以来、ずーっと頭にありました。

 


これを「医学理論的に考える」、一つのヒントがこの『中医心理学』でありました。

 

・・・まあそれはともかく、「心」という臓が蔵するこの「神」というものは、「魂」の説明の時と同じ感じになりますが、「気」のある側面に名前を付けたもの、と考えたらいいと思います。

 


つまり、平た~く、はしょりまくって、強引に、言うと(笑)、「気」のように全身を周流しつつ、”主に”「精神活動」のバランス調節をしているもの、と言えます。

 


じゃあ肝の臓が蔵する「魂」との違いは何か、というと、「魂」が無意識の精神活動に関与するのに対し、「神」は意識下の精神活動に”主に”関与します。

 

要は、仕事でも家庭でも、それ以外の人間関係も、我々の振る舞いは全て、各人の顕在意識下でなされていて、潜在意識が表面化することは通常ない訳ですが、

 

両者は表裏一体の関係性を持っていて、相互に影響しあう訳です。

 

これを調整、統括し、顕在意識を清明、正常たらしめているものが「心神」なのであります。

 

なので様々な要因でコレが不安定になると、実に多様な症状を呈します。

 


いわゆる西洋医学的な、”精神病”と言われるようなものも、東洋医学では「心神の病」の範疇に入ってくることが多いです。

 

あるいは原因不明の激痛を伴う病なども、この範疇で考えると説明がつくことが多いです。

 

なので臨床的には、この考え方を応用すると、非常に強力な鎮痛作用を鍼で表現することが出来たりします。

(・・・と言ってもまあ、そんな簡単な技術ではないけどネ。)

 

かなり簡単に述べましたが、東洋医学の言う「心の臓」が蔵する「神」とは、以上のような役割を持ち、人間の健康には欠かすことのできない役目を担っている、ということです。

 


次回に続く

 

 

 

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