東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「熱中症」について(その6)

2011.07.06

前回までのお話・・・

35℃超え!!
「熱中症」について 
「熱中症」について(その2)

「熱中症」について(その3)
「熱中症」について(その4)
「熱中症」について(その5)

 

サーサー、どんどんいきましょう!!


本日も、「熱中症」に関する不安なニュースがやっておりましたね・・・。


なんでも、6月中に病院に運ばれた人の数が去年の3倍なんだとか・・・。

そしてすでに全国で20人以上の人が亡くなっているんだとか・・・。

にもかかわらず、震災以降、今全国で共通の話題は「節電」です。


関東、東北は特にです。

・・・ということは、エアコンを使うことを過度に控えた結果、今年は例年よりもうまく体温調節、水分調節できずに、熱中症で運ばれる人、命を落とす人が増えるのかもしれませんね。


清明院の患者さんでも、吐き気がするとか、足がつったとか、軽~い熱中症と言っていいような症状を起こした患者さんが何人かいらっしゃいました。

そういう患者さんの生活や、その時の状況を聞いてみると、やっぱり体調管理のやり方が何かしら間違っています。

大量発汗していながら、真水のみを一生懸命飲んでいる。

それで、一過性の電解質異常、塩分不足から、足や、その他の場所の筋肉がつってしまった。


暑くて大汗かきながら、ガブガブ水を飲んで、そうめんとか冷たいうどんとか、入りやすい麺類ばっか食いながら睡眠を削って、

クーラーガンガンのオフィス、自宅で仕事仕事・・・。


やがて下痢が出始め、のぼせ感と気持ち悪さとメマイが出てきたとか・・・、パターンは違えども、みんなある種の熱中症です。

病の本体は体に籠らせた「余分な熱」と「気・津液不足」です。


このバランスを考えて治療し、養生指導を行って、患者さんがそれをちゃんと守ってくれれば、バッチリなんですが・・・。(苦笑)

 

 

ともかく、前回の続きですが、熱中症にならないために、クーラーの効いたところでじっとしてたら健康的かというと、さにあらずです。

東洋医学の聖典である『黄帝内経(こうていだいけい)』の中では盛んに、自然にあらがうな、ということを述べています。

あらがうのではなく、合わせる、そういう過ごし方を説いています。

夏は花がキレイに満開になるように、気分を開放して、外に向かって発散させてOK!寝る時間も、他の季節に比べて相対的に少なくてもOKだぜ!

と述べています。ここは、夏は大いに遊べや、騒げや、ともとれます。また、

頭イイ人はちゃんと養生するから未然に病を防げるけどさー、愚か者はかえってこれに背くんだよねー。だから病気になってから慌てる破目になんのよ。

ノドが乾いてから井戸を掘るの?戦争が起こってから武器を作るの?そんなんじゃ、遅くねぇ??

と、不養生の人や、間違った養生をする人を痛烈に皮肉っています。

『素問:四気調神大論(2)』から抜粋意訳 by竹下)


このように、季節の特性に合わせながら、過度にならないように気を付ける、これが「普通」なのです。


現代人の生活、とりわけ都会人が、いかにこの「基本」から離れ過ぎているか、まずそれを頭で理解するだけで、全然違うのです。

 

「熱中症」について、ここまででひとまず終わり。

 


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ケガと鍼灸

2011.02.07

清明院には、スポーツマンや肉体労働者が来院しております。

 

(意外ですか??(笑))

陸上やスノーボード、内装業に馬術、フットサルやサッカー、マラソンやサーフィンなどなど・・・。

ありとあらゆるジャンルのスポーツを、プロ並みにやっておられる患者さんが見えております。

当然これまでには、プロスポーツ選手を診ることもありました。

・・・なんか、東洋医学的な鍼灸治療っていうと、五臓六腑だとか、舌を診たりだとか、脈を診たりだとか、何やら内科的な考え方で、

 

内科的な疾患ばっかりを診ているようになんとなく思われがちですが、それは全然違います。

体の前後左右上下の筋肉や関節、精神と肉体、五臓六腑それぞれのバランスを全面的、全体的に取らんがために色々診ているのです。

ですので、スポーツや交通事故による外傷(ケガ)に、清明院がやっているような、

東洋医学的に診立てて、ポイントを絞り込んだ鍼

というのは大変有効です。

治りを早めたり、痛みを緩和したりすることができます。

また、怪我の経過中に鍼をやっていると、早く治るだけでなく、「キレイに」治る、というのが特長のように思います。

最近いくつかケガの面白い症例を経験しましたので、そのうちこのブログで発表しようと思いますです。

・・・まあなんていうか、「鍼最高」

 

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小手先の医療

2010.11.02

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ふと思う。

・・・そもそもなんで、「分ける」のか。

東洋医学では、この全宇宙、当然人間も、「気」で出来ている、という自然哲学を肯定しながら、それを「陰陽」→「五行」と分け、

「五臓六腑」というものを想定し、「十二経絡」というものを想定する。

その12の経絡のそれぞれをさらに4つに分類して考える。

つまり48パターンの経絡の分類をした上、さらに細かい分類をも示唆している。

そして、それだけにとどまらず、8つの「奇経八脈(きけいはちみゃく)」というものをも想定し、

さらにそのそれぞれに、総数においては360以上もの「経穴(けいけつ)」というものの所属と性質を想定する。

西洋医学でも、現代自然科学に「一応」基づき、人体を60兆の細胞からなる、人類の進化の結晶と考え、内臓、筋肉、骨、神経などの、

 

形態や機能の似通った「組織」「系」に分割して理解する。

そして、それらの”形体的異常らしきもの”「病気」とし、その”異常らしきもの””正常らしきもの”に変化させることを以て「治療」と呼ぶ。

両者とも、その認識の上で、実際に病める人間に立ち向かい、それなりの成果をおさめている。

まあともかく、根本哲学は違えども「分ける」ということに関しては共通している訳だ。

・・・ところで何故分けるのか。

 

分けないと分からないからだ。(笑)

 

じゃあなんで分かりたいのか。

 

単なる知的好奇心??

それもあるだろうが、やはり一つには、病める人を治したいんだ、という、医療を志す者の「希求」に応えるためではないか、と思う。

医療を志す者が「患者を治したい」と思う、ということは、とても自然なことだと思う。

(考え方によっては、これが過ぎると傲慢な勘違いを生むのかもしれないが。)

その願いに応えるものが「医学」なのだとすれば、必然的に「医学」においては、人体を「分ける」ことによって病を説明しなくてはならない、となる。

そしてそれを学び、実践するものは、それに対して深い理解をしていなくてはならない。

一面、医学において人体を「分ける」ということの意味は、人体という自然現象を「理解する」ことへの医療者側の欲求の充足ではないだろうか。

そして、何の分野でも、そういうことをやってるのは人間だけだ。

それは、老子の言う「無為自然」には反しないのか。

反しない。(と思う。)

じゃあ何で反しないのか。

こうやってこの問題を考えていくと、なかなか、難しい・・・。(苦笑)


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小児と鍼灸(その3)

2010.10.23

本日も満員御礼でございました!!(感謝)

 


そして今日は、お子ちゃま達が何人も訪れまして、久々に「清明保育園」となりました!(笑)

 


つかの間の園長気分です。

 


小児の患者さんを診ていると、色々と気付くことがあります。

 


今日初診にみえた3歳のHちゃんは、最初、不安丸出しのお顔で、お父さんに隠れるように清明院に入ってきました。

 


そして、いざ僕が近づくと、せきを切ったように泣き出しました。

 

(苦笑・・・そろーりと近づいたんだが。。。)

 


実は、初診の時は、こういう子どもは珍しくないです。

 


今まで、小児科の病院で、たくさん怖い思いや痛い思いをしてきたんだと思います。

 

だから白衣を見ただけで、イコール痛いことや怖いことをされる、と思いこんでしまうんですね。

 


その対策のために、白衣を脱いで治療にあたることも、これまではやったりしましたが、最近はそれもしません。

 


なぜならば、鍼によって、

絶対に痛がらせない

しかも「効く」ということを体で理解させる

自信があるからです。

 


小児というのは、大人に比べて、「治る力」が非常に活発です。

 


しかもたまにいる大人のように、

「科学で完全に解明されてない、まったく不可思議な、この鍼灸という治療が、最新の科学に基づく西洋医学の専門病院によって、〇〇病と診断された、この私に果たして効くのだろうか・・・。」

などという雑念もございません。(苦笑)

 

言い方は悪いけども、小児というのはまだ動物に近い部分があって、非常に素直に、迅速に反応を示すし、それを理屈抜きで理解することが出来ます。

 

ですから、体に出ている反応をよーく診ておいて、大きくバランスの崩れている部分を「ちょこっと」いじってやるだけで、たいがい、よい方向に向かいます。

しかし一方で、大人よりも内臓も骨も筋肉も脆弱であり、ひとたび病気になると、悪化していくのも早い、という特徴があります。

 


なので場合によっては、詰めて治療に通ってもらわなくてはならない場合もあります。

 


清明院でも場合によっては、朝治療して、夜もう一度来てもらったり、毎日来てもらわなければいけないケースもあります。

 


まだまだ、小児と鍼灸については色々と書きたいこともあるんですが、今日は北辰会関東支部前日勉強会のお時間となってしまいましたので、この辺で終わりにします。

「小児と鍼灸」については、今後も折に触れて書いていきたいと思います。

鍼灸というのは、小児のあらゆる病に大変、有用性の高い医療だと思います。

 

 

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「肺」って何ですか?(その7)

2010.09.03

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これまでのお話・・・


「肺」って何ですか?(その1)

「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)
「肺」って何ですか?(その6)

 

☆「肺」と皮膚


今日はコレです。

コレもまあ、

「え!?なんで??肺と皮膚なんて、なんか関係あんの?」

と思う方もいらっしゃるんじゃないかと思います。

これは、東洋医学をちょっと知っているような人の間では、ポピュラーな話です。

東洋医学では、人体の皮膚表面(皮膚、汗腺、産毛、粘膜等まで含む)のことを「皮毛(ひもう)」と呼び、

”肺は皮毛をつかさどる”

という有名な言葉があります。

 

『黄帝内経素問』痿論(44)です。)

つまり、何らかの原因で「肺の臓」に異常を起こすと、この「皮毛」に異常が起こることを教えてくれています。

 

今日はこのことについて考えてみたいと思います。

 

まずこれには、「皮毛」の意味をサッと理解する必要があります。

 


・・・東洋医学のいう「皮毛」は、

1.外気温や、湿度などの複雑な陰陽変化に常にさらされ、それに対する防衛の最前線であり、

2.汗や分泌物を体外に出すことによって体温調節や解毒に一役買い、

3.粘膜においては、常に様々なばい菌や機械的刺激にさらされながらも、それに侵されないように体を守り(ここでも最前線)、

4.体の全ての器官(内臓、骨、筋肉etc…)を大外から「まるっ」と包みこみ、外界との境界線となる

部分のことです。

現代では、アトピー性皮膚炎など、この「皮毛」に慢性的に異常を起こす患者さんが非常に増加しています。

 

(2018年版日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 参照)


コレの原因は当然、様々な原因が複合的に絡み合った結果だとは思いますが、東洋医学的に考えると、一つには、

”大気汚染による「肺の臓」の機能の低下”

も、大きく関与しているであろう、と思います。

 


新宿なんかに住んでますと、まったく、中国の古典にあるような「天空の清らかな気」を吸っている感覚がしません。(苦笑)

 

海の匂いのする伊東に生まれ、土の匂いのする群馬で育った僕には、それがよく分かります。

 


そもそも空気の悪いところで生まれ育った人に、皮膚の異常が増えるなんてのは、東洋医学的に考えたら”当たり前”ですね。

 

・・・ところで、最近はあまり言われなくなりましたが、

「皮膚呼吸」

なる言葉がありましたねえ?

 


現在でも、一部のサイトなんかでは、当たり前のようにこの言葉が登場し、それに基づいた施術の効能なんかが説明されています。(苦笑)

 

皮膚でガス交換(酸素と二酸化炭素の交換)を行うのは両生類(カエルさんたち!)とかです。

 


つまり、

「人間は皮膚で呼吸しているからうんぬん・・・。」

と主張することは、

「人間は卵を産むからうんぬん・・・。」

と言っているのと、ある意味同じことです。(苦笑)

 

・・・東洋医学の言う、「肺と皮毛」の関係というのは、こういうことを言っているんじゃありません。

 


コレを正しく理解するためには、「衛気(えき)」というものについて、「サッと」考える必要があります。


・・・これはちょっと長くなりそうなので、次回に続く。(笑)

 

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「胃」って何ですか?

2010.07.19

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・・・さあ、そろそろ再開しましょう。

 


これからお話しする「胃の腑」についてのお話は、とても重要です。

 


東洋医学では、生命を考える上で、この「胃」という腑の働きを、「脾」とセットで大変重要視しています。

 


何度も言いますが、東洋医学のいう「胃の腑」というものは、西洋医学の言う「胃=stomach」とは違います。混同なきよう。

 

西洋医学では、「死」を心肺停止と瞳孔散大からの全細胞の活動の停止、と考えます。

 

(もちろん死の定義については法律的、生物学的など、色々な解釈や議論があります。)

 

 

そしてそこに至るプロセスにおいて特に重要視される臓器は「心臓=heart」であったり「脳=brain」ですよね。

 


語弊があるかもしれませんが、東洋医学では、そうは考えません。

 


最後まで、五臓六腑の正常な働きに裏打ちされた、「陰陽のバランス」を重要視します。

「陰陽(いんよう)」って何ですか?
「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」って何ですか? 参照

 


そしてとりわけ、その中でも重要なのが「脾胃」であります。

 


・・・昔、とあるパーキンソン病(脳の病気で、体が震えたり、筋肉がこわばって、徐々にあらゆる運動が出来なくなってしまう病気)の患者さんがいました。

 


その方は80過ぎの男性で、奥様と二人暮らし。

 


昔から病院が嫌いな方でしたが、鍼をすると震えが止まり、ご飯がおいしく食べられる、ということで、信頼していただき、亡くなられる寸前まで診させていただいたことがありました。

 


その方は最後、徐々に徐々に筋肉が硬直していき、起き上がることすら困難、だんだんと食べ物を噛んだり飲み込んだりすることもままならない状況になっていきました。

 


その時、病院の医師は、「胃ろう(胃に管を通し、その管から胃に直接栄養を入れる方法)」をご本人と奥さまにすすめてきました。

 


それをすれば、奥様の介護の負担が減るし、ご本人も長く生きられるし、誤嚥(ごえん:誤って飲み込んだものが気道に入ること)して肺炎を起こす危険性もないと。

 


しかしご本人は、断固拒否。

「そんなことまでして生きてるんなら、死んだ方がマシだ!俺がもし喋れなくなっても、そんなこと絶対にするなよ!」

と、奥様におっしゃっていました。

 


その後、いよいよ喋ることすら難しくなり、流動食をどうにか口にするようになった頃、奥様が病院の先生に、

「胃ろうにして下さい。」

と、”ご本人に内緒で”願い出ました。

 

 

無理もないことで、介護の負担があまりにもきつかったんだと思います。

 


しかし、「検査だから」とご主人をだまして病院に連れていき、胃ろうを開けた翌日に、ご主人は他界されました。

 


・・・何とも言えない、症例でした。

 


東洋医学が重要視するのは、あくまでも他の4臓5腑とのバランスの取れた、「脾胃」であり、それは機械的な消化吸収機関、としての「内臓の一つ」のことではありません。

 


この患者さんの場合も、治療していく上で僕の念頭にあったのは、最終的には「脾胃」の機能をどこまで保てるか、繋いでいけるか、ということでした。

 


その場合、常に他の臓腑や全身(精神的な安寧も含む)とのバランスを考えていなくてはなりません。

 

 

すべての生物が避けることのできない「死」というものに対して、一つの自然現象として、相対的に寛容に受け止めるか、たとえ姑息的であっても、

 

方法があるのにやらないということを医療の敗北と考えて、いかなる方法であっても、延命の道をとるか。

 

 


・・・東洋医学の「胃」と西洋医学の「胃」は違うんです。

 

 

 

次回に続く

 

 

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「心」って何ですか?(その2)

2010.05.28

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前回のお話・・・


「心」って何ですか?(その1)

 

今日は、心の形態について考えてみたいと思います。

 

 


☆心は他の4臓と直接つながる


心の臓(類経図翼)

 

↑上の図が、東洋医学的な「心の臓」の図であります。

 

(中国明代、張景岳『類経図翼』より)


 
 
これを見ますと、心から直接4本の管が伸びていることが分かります。

 


それぞれの管は肝、脾、肺、腎という他の4つの臓に直接繋がっていることを示します。

 

この中で、「肺」とのつながりだけは他と比べて、少し違います。

 

この図に、ちょっと難しいけど、

「肺系即肺管」

という言葉が書いてありますね?

 

・・・まあ、ここは諸説あるようなんですが、要は心と肺とは、気管(空気の通り道)を通じて連結しており、

 

それ以外の3つの臓よりもさらに機能的に密接なつながりを持つ、と解釈すればよい、と思います。

 

 

 

「心の臓」は、それ以外の四臓のうち、「肺の臓」との繋がりが密接かつ特別です。

 

 

 

「肺の臓」”八葉蓮華”と言われ、蓮の花の姿で描かれるのに対して、「心の臓」”蓮の蕾(つぼみ)”として描かれます。

 

 

 

このことは、東洋医学の蔵象観自体が、仏教の影響を受けていることや、心と肺の同源性、同根性を示している示唆だと思います。

 

(私見です。) 

 

 


位置については、肺の下で膈(かく)の上、ちょうどみぞおちの少し上あたりにあるとされ、これは西洋医学の言う「心臓」の位置とほぼ一致します。

 


・・・しかしここで、東洋医学の言う「膈(かく)」というものは、西洋医学の言う、「横隔膜(おうかくまく)」とはまた違います。

 

古代の中国でも、人体を解剖する、という行為は当然ながら行われていたようです。

(『黄帝内経霊枢』経水篇(12)にすでに記載あり)

 

ですから、実際に人体を解剖してみて、西洋医学の言う「横隔膜」を目で見て、「膈」としたのでしょう。

 

しかし、そこから先は違います。

 

西洋医学の解剖学の本を見ると、「横隔膜」は筋肉であり、人間の呼吸運動に関わる、”呼吸筋”の一つであり云々・・・と出てきます。

 


つまり呼吸に関わる重要な筋肉である、という認識です。

 


これに対して東洋医学では、そうではありません。

 


まず、人体というものを働きの上から、横に三分割して考えています。

(すなわち、「膈」から上(上焦)、膈からおへそまで(中焦)、おへそから下(下焦)、という風に、です。)

 


そしてこの「膈」というものを、「膈」から下の、飲食物が消化吸収される、ある意味では汚れた世界(中焦、下焦)と、清らかな空気を吸い込む、

膈から上の綺麗な世界(上焦)とを分ける、大事な膜だ、と考えました。

 

(中焦と下焦の境界線には、膈のような物理的な境界はありません。)

 


「膈」があるから、その上に存在する「心」「肺」は特に綺麗でいられる、大便や小便のもととなるような、飲食物が消化吸収された”残りカスの気”が、

「膈」から上の世界には入ってこないのだ、と考えました。

 

面白いですねえ。。。

 

こういう発想、僕は大好きです!(笑)

 


まあいつも言うように、東洋医学は「医学」ですから、”面白い”だけでは終わりません。

 

この考え方に基づいて、鍼灸なり漢方なり、何か治療をしたら、キチッと効果があがる、言った通りになる!

 

 

患者さん喜ぶ!

 

だから、寝る間も惜しんでやる価値がある、という訳です。

 

 

・・・次回に続く

 

 

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「肝」って何ですか?(その5)

2010.05.06

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これまでのお話・・・

「肝(かん)」って何ですか?(その1)
「肝」って何ですか?(その2)
「肝」って何ですか?(その3)
「肝」って何ですか?(その4)

 

◆肝は筋(きん)と関係が深い(補足)

 


これは上記(その3)で述べたんですが、今日はもう少し詳しく説明してみましょう。

 


・・・まあコレは、結局のところは(その3)で言ったように、筋を養っている主なものが「血」であり、それをためこんで配分調節しているのが肝だから、という話な訳です。

(笑・・簡単に言い過ぎでしたかね?)

 


ここで注意したいのは、いつも言うように、「筋」と言っても、西洋医学の言う「筋肉=muscle」と、東洋医学の言う「筋」は違うよ、ということです。

 

ここは大事なトコなんで、今日はここをちょっと説明しておきましょう。

 

以下の説明では、キチッと区別するために西洋医学の言う筋肉に関しては”筋肉”、東洋医学の言う筋に関しては”経筋(けいきん)”と表記します。

 

混乱しないでネ。(*^_^*)

 


東洋医学では経絡(けいらく)とよく似た考え方で、「経筋(けいきん)」というものの存在が考えられています。

 


この「経筋」に関する「経筋学」というのは、西洋医学の言う「解剖学的、組織学的な筋肉学」とは”全然”違います。

 


そもそも人間の動作、というのは、一つの筋肉の収縮のみによって起こっている訳ではございません。

 


ある動作にかかわる、あらゆる筋肉が同時多発的に収縮、弛緩しながら、なめらかな人間の動作を、とても巧妙に作っています。

 


そしてその動作には、一定のパターンがありますよね?

 

例えば肘や膝を、いつも曲げる方向とは反対の方向に自由自在に動かせる人間はいませんよね。

 

無理に曲げようとすれば当然「骨折」です。

(笑・・ちなみにこの仕組みを利用して考え出されているのが、格闘技の”関節技”です。)

 

その、動作のパターンを考えて、あらゆる筋肉を一まとめにして、言わば、

「運動機能のパターン別のグループ分け」

をしたのが、東洋医学の言う「経筋」というものです。

 


このグループ分けは、全部で”12パターン”ありまして、実は「経絡」と同じ数でまとめられています。

(経絡については以前、「経絡(けいらく)」って何ですか?で少し述べましたのでご参照下さい。)

 


しかもその流れ、要は12経筋それぞれが受け持つエリアも、12経絡のそれとかなり似ています。

 


こう考えることによって、内臓の機能と運動器の機能の関連性を見出すことが出来、

「人間のからだのしくみ」

というものを考える場合、非常に全体に統一性が出てきて、色々考えやすい訳です。

 

西洋医学が人体を細胞に分け、果ては遺伝子、原子、電子まで、何しろ「分割」しまくろうとするのに対して、東洋医学は一応、

”理解するために”

分割はするけども、必ず最終的には常に「一つ」にまとめようと考えます。

 

 

局所の異常であっても、それはあくまでも分割不能な「全体」の不調和の結果なんだ、という考え方です。

 

 

これが徹頭徹尾貫かれていることが、東洋医学の最大の特徴であり、長所であり、ある場面においては短所でもあると思います。

なぜ、東西でこのような違いが生じるかについては、いつかまた述べましょう。

(苦笑・・・コレがなかなか大変なテーマなんだけどね。。でも僕なりの考えはあります。)

 


・・・まあとにかく、この「経筋」というものがスムーズに、異常なく動くために必要不可欠なものが「血」であり、それを蔵してて、

しかも全身への配分を調節しているのが「肝」なんだから、「肝は筋と関係が深い」と言える訳です。

 


今日の話に対して、意地悪な質問をするとすれば、

「へえ~、じゃあ東洋医学って、医者が分かりやすく人間の体を理解するために考えた、あいまいな仮説の集合体ってことですか?」

という質問が浮かびますが、この質問に対しては、僕なら、

「そうです。それが何か?・・・じゃあ西洋医学はそうじゃないんですか?2者の違いを分かりやすく説明して下さい。」

と、”意地悪な”逆質問をしますね。(笑)

 


・・・まあ、ていうのは、究極、あいまいな仮説の集合体であるのは、西洋医学も東洋医学も「同じ」ではないでしょうか。


(竹内薫氏の『99.9%は仮説』っていう良い本がありましたね)

 

 

西洋医学で出来ることも、東洋医学出来ることも、限られている。

 

でも、どちらも実際に一定の臨床効果を挙げており、現状ではどちらも限界はあるにせよ、

「病む人体の真実」

の、ある部分は捕まえているんじゃないか、と僕は考えています。

 

次回に続く

 

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「肝」って何ですか?(その3)

2010.04.30

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これまでのお話

「肝(かん)」って何ですか?(その1)
「肝」って何ですか?(その2)

 


今日は肝の色々な働きについて、いけるとこまで。

 



◆肝は筋(きん)をつかさどる

 


・・・これはそのまんまの意味です。

 


よく、こむら返り(ふくらはぎの筋肉がつる)を起こす患者さんがいますが、コレなんかは東洋医学では「肝」の異常で起こっていると考える場合がよくあります。

 

あと、いわゆる「チック症」と呼ばれるような、緊張や興奮で、顔面の筋肉がピクピク痙攣するようなものも、「肝」の病変を中心として起こっているものが多い、と考えます。

 

(もちろん肝だけではないけど、多い、ということです。)


なぜならば、筋を養っているのは「血(けつ)」であり、その血は肝が蔵し(蔵血)疏泄(そせつ)機能によって筋に血を配分調節している主役は、「肝」に他ならないからであります。

 

まあしかし、ここで重要なのは(というか勘違いしてほしくないのは)、主役がいれば当然脇役もいる、ということです。

 

実際に治療する上では、この脇役がどういう状態か、というのが非常に問題になりますので、

こむら返りやチック=肝の病

という考え方は、東洋医学ではしませんので、あしからず。

 



◆髪、爪と関わる

 


・・・これも結局、この2つ(髪と爪)が、肝がためている「血」によって栄養されているからです。

 


だから、肝がためている血が不足したり、疏泄機能がうまくいかなくて体の隅々までいきわたらなくなると、爪はもろくなり、髪はパサパサ、ゴワゴワになってきます。

 

よく臨床をやっていて思うんですが、髪がパサパサの患者さんで、肝を中心に患っておられる方を治療していくと、これから生えてくる髪が、

 

きれいな潤った髪になるのは分かるけど、”もうすでに生えている髪までもが”ツヤツヤに潤ってくることがあります。

 

僕はこういう変化があるとよく、

「清明院は”中から美容鍼灸”で勝負させてもらってます!(笑)」

とか言って、笑いながらやっていますが、これは特に若い女性の患者さんには、これは大変喜ばれます。

 

今までさんざん、高いシャンプーやらなんやらを試してきたのに改善しなかったのが、鍼を受けるようになったら、月経の異常や冷えの改善なんかとともに、

 

髪質まで改善したと。

 

 

これは受ける側からすればミラクルですよね。

 

 

でも実際には日常茶飯事的によくあります。

 

 


髪や爪というのは、確かに切っても痛くもかゆくもないし、血も出ませんが、体の一部であることに変わりはありませんから、そこにはかすかに「気」が巡っているんです。

だから肝が調い、疏泄の力、蔵血の力がきちっと働いてくると、体の隅々まで「気と血」が行きわたり、その結果、すでに生えている状態の髪や爪までもが、

 

本来の美しさを取り戻す、ということだろうと僕は考えています。

 

 

素晴らしいことですよね。

 

 


・・・今日はここまでにして、続きは次回。

 

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「敏感」と「鈍感」(その2)

2010.04.24

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昨日は失礼しました<m(__)m>

 

続きを書きます。

 


「敏感」と「鈍感」(その1)

 

患「じゃあ、「気」が動きにくい人の場合は、鍼が効きにくい、って考えていいんですか?」

竹「確かにそうとも考えられます。ただ、そういう人であろうとどういう人であろうと、医者としては治さなくてはいけませんよね?

だから鍼の中にも色んな種類、やり方があるし、鍼以外にも漢方や気功など、様々な方法が考案されています。

それをどう使い分けて、いかに早く、確実に治すかが、医者のウデなんです。

気の動きの悪い人は確かに治しにくい面はあるけど、それはこちらの創意工夫で乗り越える訳です。」

患「なるほど~。」

・・・という会話でした。

 

(まあ、かなりきれいな言葉に置き換えてますがね(笑))

 


これは実はよく言われることで、清明院のように、「気」というものに対してアプローチする治療方法、というのは、刺激量としては非常にソフトな場合が多いです。

 


鍼灸院の中には「筋肉を緩める」とか、「神経を刺激する」とか言って、1回の治療で50本も100本も鍼をしたり、数本しか打たない場合でも、

 

かなり深く打ってぐいぐいと刺激する先生もいらっしゃいます。

 


もちろん清明院では、敏感な人であろうが鈍感な人であろうが、そういう強刺激なんてしなくても、十分体は反応すると考えています。

 


むしろ強刺激にすればするほど「悪化」というリスクを伴いやすい、と考えています。

 


さらには、必要最小限かつ適切な場所への微妙な刺激こそが、体にとって最もいい反応を起こす、とも考えています。

 


またそうすることで、次回の治療へのフィードバックもしやすいと思っています。

(効いたか効かなかったか、効かなかったら何故そうなのかが考えやすい)

 


まあ要するに、鍼治療を受けるのに、敏感も鈍感もあまり関係なく、それぞれに合ったやり方、刺激の方法をこちらで考えますので、心配ないよ、

 

ということです。(笑)

 

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