東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「痹」から「痿」へ。。。

2013.05.23

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東洋医学における、重要な病態認識で、「痹証(ひしょう)」という考え方(カテゴリー)があります。

これが、なんと鍼灸学校の教科書でも、「痺証」という、間違った漢字で記載されていることがある、という話は、こないだ書きました。

「痹」「痺」は違うのです。(苦笑)

「痹(ひ)」ってやつ 参照

「痹証」は、2500年前、中国で成立したとされる、東洋医学のバイブルである『黄帝内経(こうていだいけい)』という書物の中でも、

すでに認識されており、今現在の日本でも、我々はこの考え方で治療を行い、成果を上げております。

(永久不変の真理を説いているワケですよ。スゴイネ~)

これについては、以前スタッフブログに副院長がまとめてくれました。

痹証(その19) 参照

ところで、東洋医学の教科書をみますと、この「痹証」の定義は、

”様々な原因から、風、寒、湿、熱の邪気が経絡に侵入し、結果的に手足や関節で気血の循環障害が起こったモノ”

とされております。

・・・で、たとえ邪気の種類が「風・寒・湿」であっても、これがなかなか治らなかったり、気血の循環障害がきついと、けっきょく気の鬱滞は熱化して、

”熱痹(ねつひ)”
になる場合がある、とされております。

ではそれが、さらに進むと・・・?

今度は「痿証(いしょう)」という病態になる場合があります。

「痿証」というのは、筋肉や関節が萎えて、動かせなくなってしまったものを言います。

「痹証」では、痛みが中心になりますが、「痿証」では、運動障害が中心になります。

こうなると、たとえ局所的であっても、全身的であればなおさらですが、なかなか治りにくいです。

カン違いして欲しくないのは、こうなったとしても、治らないとは言いません。

しかし、そういう状況になる前に、早めに治療することが重要なのです。

先ほど言う『黄帝内経』には、

『風論(ふうろん)』
 ↓↓
『痹論(ひろん)』
 ↓↓
『痿論(いろん)』
 ↓↓
『厥論(けつろん)』

という4篇が、連続して記述されております。

 

東洋医学をやっているのであれば必読でしょう。

それぞれの病態の違い、連続性、治療法の違い、たいへん重要です。

いずれにせよ、早い段階で、キチンと分かっておられる先生にかかれば、その後起こりうる、ものすごい不幸を回避できるということです。

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「上肢痛」について喋ってきました!!

2013.05.22

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今日は学校で、「上肢痛(腕の痛み)」について、喋ってきました!!

これは、こないだから喋っている、「肩こり」「五十肩」ともつながってきます。

初心者はこうやって、体の部位ごとに、整理しながら覚えていくといいでしょう。

 

(一つの方法として)

腕の痛みといっても、色々な原因があります。

肩や首周辺の筋肉が硬く緊張してるのが原因になっているもの、内臓の異常からくるものなどです。

東洋医学でも、色々と分類法があります。

いずれにせよ、早めに治療をすることが重要でしょう。

病気は何でもそうだけど、長期化、重症化すればするほど治しにくくなります。

腕の痛みもそうです。

ヒドくなると、筋肉が麻痺して動かなくなる場合もあります。

それが長引くと、筋肉が委縮してきます。

こうなると、東洋医学的に見ても難しい。

とにかく、ウデに違和感を感じている人は、「違和感」の段階で手を打っておくことが重要です。

鍼で。

鍼が一番いい。(笑)

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「痹(ひ)」ってやつ

2013.04.28

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来週、東洋鍼灸専門学校で「頚肩腕痛(けいけんわんつう)」について喋ってこようと思います。

(苦笑・・・真面目にやってるでしょ☆)

東洋医学では、肩こりだとか、腰痛だとか、膝痛なんかの、よくある整形外科的な疾患、いわゆる運動器疾患というやつをどう考えるか。

北辰会ではこれ、大きく分けて4パターンの考え方があるのですが、その中でも重要なのが「痹証(ひしょう)」という考え方です。

これについては、以前副院長がまとめてくれました。

スタッフブログ 痺証(その19) 参照

ちなみに、細かいこと言うと、「痹証」を語る場合に”痺”という漢字を使うのは、本来誤りです。

「痺」はもともとは”うずらのメス”という意味で、全然この場合の意味と違います。

やまいだれの中の「卑」についても、”いやしい”という意味ですから、全然当たらない。

正しくは「痹」と書いて”しびれる”という意味の漢字です。

黄帝内経をはじめ、あらゆる古典にはこっち(痹)の文字で出てきます。

これ実は、鍼灸学校の「東洋医学臨床論」の教科書ですら間違っていますし、PCの東洋医学辞書なんかでも普通に変換すると「痺」の方の漢字が出てきます。

本来は、現代医学でも「麻痺」という時は「麻痹」と書くのが正しいのですが。。。

こうやって、情報というのは間違って伝わっていくのです。

テーゼそのものを疑う必要があるのです。

(細かすぎる指摘かもしれないが。)

・・・ま、この「痹証」ってのは様々な原因で、

筋肉や関節の気血の巡りが悪くなる
   ↓
そこに色々な種類の邪気が入り込む
   ↓
痛みやしびれや麻痹が発生!

ってやつです。

で、それが起こった部位だとか、入り込んだ邪気によって、細かく分類し、治療します。

問題は、(当たり前だけど)ただ分類しただけでは治らない、ということです。

患者さんの症状を、様々な診断法を使って、東洋医学的にキチッと分類する、これは重要です。

しかし、分けただけで満足してちゃダメ。

それをどう治すか。

ここがとっても大事です。

特に痹証は。

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カテーテル検査後の内出血(瘀血)

2012.11.03

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今日みえた患者さんで、事情があって、病院で心臓のカテーテル検査を受けて来られた患者さんがいました。

幸い、心臓の血管に狭くなっている部位はあるものの、緊急性を要するほどではなく、経過観察ということになったようです。

しかし、その時、検査のために、そけい部のあたりから血管にカテーテルを入れるのですが、抜いた後に大きな大きな内出血が起こってしまい、見るも無残な状態に・・・。

そけい部から太ももの前側まで、かなり広い範囲で真紫色になってしまっておりました。

よく、注射のあとに内出血になることがありますが、アレの超デカイ版です。

内出血もあそこまでデカイと、その周辺を動かした時に違和感を伴います。

こういうものを、東洋医学ではどう考えるか。

これは「瘀血(おけつ)」の一種、と考えます。

「血」って何ですか?(その10) 参照

東洋医学の言う「瘀血」というのは、「滞った血」のことです。

「瘀血」の成因というのは色々とあるんですが、この場合は内出血で、手術によるものですから、ケガみたいなもんです。

内出血というのは、本来あるべき、血管(東洋医学では”血脈”と言います)という道路の外に漏れ出してしまった血です。

道路を通っていればスムーズに運行できますが、道路から飛び出してしまったら、滞るのみです。

こういうのを、「離経(りけい)の血」なんて呼んだりもします。

離経の血が速やかに吸収され、お掃除されるには、その部分の「気」の巡りをよくしてやることです。

そして、瘀血を除去するのを促進する、という訳です。

治療直後、足を動かしにくいのが、動かしやすくなりました。

内出血の見た目はまったく変わってないのに。


周囲の筋肉の緊張が緩んだから?


気が動いたから?

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タバコと東洋医学(その4)

2012.08.25

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これまでのお話・・・

タバコと東洋医学
タバコと東洋医学(その2)
タバコと東洋医学(その3)

 


では、続きいきます!!

 

前回、タバコの持つ「いい側面」として、あの独特の香り以外にも、深呼吸、ため息によるリラックス効果を挙げました。

「・・・てか、別にそれなら普通に深呼吸すりゃいいじゃん。。。」

と思う人が大勢を占めるでしょうが(苦笑)、そこはさておき、そういう効果、側面もあるよ、というお話でした。(爆)


喫煙することにより、自分の好きな香りでもって理気化湿醒脾しつつ、普段よりも深く吸い込み、普段よりも多く吐く、つまり胸膈や横隔膜を大きく動かす、

 

このことに意味があるのだと思います。


現代は「ストレス社会」と言われます。


患者さんを見ていると、ほぼ全員、なんと呼吸の浅いことか。


緊張すると、上半身全体が堅くなり、呼吸が浅くなります。

全身が緊張しますが、呼吸に関係する、上半身の筋肉が、特に柔軟性を失うわけです。

呼吸が浅くなって、胸式呼吸になると、精神的にもどんどん冷静さを失って、安定的な冷静な思考がしにくくなりますし、

身体的にも、上下の気血のバランスが崩れ、頭や首肩の異常、腰から下の異常の原因になります。

また、たくさん吐き、たくさん吸うことは、横隔膜という筋肉をストレッチする効果があります。

あそこがストレッチされると、胸部も上腹部も、非常に血行がよくなることは、よく知られています。

たいがいの喫煙者は、仕事等々で、神経を使って、緊張し、頭に気血が上ったのを、タバコで「無理やり」深呼吸と、

リラックス効果によって緩め、「無理やり」引き下げるのです。

不健康な方法だけど、仕方ないからそうしてる、という感じではないでしょうか。

以前、「三焦」「道教」、「気功」について書いた時、「丹田(たんでん)」という言葉が出てきました。

「丹田」を含む記事 参照

ここは、東洋医学が非常に重視する場所です。

深呼吸すると、丹田、特に下丹田に気を集めやすくなります。

ここに気が集まると、精神は安定し、上下左右前後の気の偏在のバランスのとれた、心身ともに「いい状態」になります。

ここに気を集めるように意識した呼吸を「丹田呼吸」なんて呼んで、東洋医学、特に気功の分野では、非常に勧めております。

僕自身も臨床で、呼吸の浅さが顕著な患者さんには、よく勧めております。

あと、「ため息」についてですが、このため息のことを東洋医学では「太息(たいそく)」といいます。

これは次回。


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「肝」って何ですか?(その11)

2012.07.05

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これまでのお話・・・

「肝(かん)」って何ですか?(その1)
「肝」って何ですか?(その2)
「肝」って何ですか?(その3)
「肝」って何ですか?(その4)
「肝」って何ですか?(その5)
「肝」って何ですか?(その6)
「肝」って何ですか?(その7)
「肝」って何ですか?(その8)
「肝」って何ですか?(その9)
「肝」って何ですか?(その10)

 

 

久々に「肝の臓」について、ちょっと書き足しておきます。

 

というのも、最近診た患者さんで、「肝」について改めて考えさせられ、そのことについて、

「この”「肝」って何ですか”シリーズに書いといたっけな・・・??」

と思ったので、久々にザーッと読み返してみると、書いていませんでした!(゜o゜)

 


・・・という訳で、久々に書き足します。

(笑・・・こういうことがすぐにパッと出来るのも、ブログの良さだね。)

 

◆「肝の臓」と「疲労」と「疲労感」

こないだ、こんな患者さんがみえました。

「カラダが重だるい、しんどい、もう年だから、もう年だから・・・。」

とおっしゃる男性。


・・・といっても、その方はまだ40代前半。


どう考えても年齢的には”言うほど”年ではないです。


見た目だってそんなに老けこんでいる様子もない。

 


でも、彼曰く、

「ストレスなんて関係ない。まったく関係ない。だって常にあるから。精神的には全く問題ない。ただ、年だから・・・。」

とおっしゃる。

この時点で分かるのは、

1.精神的なストレスに常にさらされている自覚はあるが、それと体の症状との因果関係を認めたくない。

2.疲労感、倦怠感を強く自覚しており、それを自身の年齢のせいだと思いこんでいる。

という2点です。

そりゃあ確かに、20代の頃と比べたら、体力的には落ちてて当たり前です。

でもそれを、どうとらえるかで、カラダに感じる感覚、自覚症状は全然違ってきます。

『黄帝内経(こうていだいけい)』の中の有名な言葉で、「肝は罷極(ひきょく)の本」という言葉があります。

(『黄帝内経素問』六節蔵象論(9))

 


この聞き慣れない”罷極”という言葉の意味については、最近、蓮風先生のブログにも出てきました。

『鍼狂人の独り言』 疲労について その5 参照

 


要は、「罷極」とは「筋肉の疲労」のことであり、それと最も関係が深いのが「肝の臓」だよ、ということです。

 


ここでいう「疲労する」ということの定義は、何らかの作業により気血を消耗し、気血の停滞を生むことです。

 

その消耗や停滞を取り去り、疲労を回復させてくれるのが「肝の臓」”疏泄(そせつ)作用”という働きであることは、すでに説明しました。

「肝」って何ですか?(その2) 参照

 

ここでさらに、実際の疲労の程度そのものと、自覚的な疲労”感”との関わりを考えた場合、ここにアンバランスが生じるのも、重要な病理であり、

 

これもやはり「肝の臓」と深く関わります。

 


つまり、肉体的には大して無理をしてないから、気血の消耗の程度や停滞の程度も軽いにも拘わらず、強い疲労感を覚えるのは、カラダに実際に起こっていることを「認知する」システムの異常か、

 

あるいは患者さん自身の表現力の無さや、あるいは単なる大げさか、ということを考えねばなりません。

 

長くなってきたので、次回に続く・・・。

 

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緩めりゃいいってもんじゃない。

2012.06.29

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ここんとこ、気候が不安定だったせいもあって、何人かぎっくり腰の患者さんを診ました。

(5、6人診たかな・・・?)


お蔭さまで全員経過良好なんですが、ここで、いつも思うのは、ぎっくり腰をやった人の腰を触ると、だいたい過緊張(筋肉が緊張しすぎている部分)があります。

僕は昔は、こういう筋肉の緊張を見つけたら、キツイ鍼をそこに何本か打って、ガンガン緩めりゃいいと思っていました。

「痛いから筋肉が緊張するし、緊張してるから痛い→だから緩めりゃ楽になるはず!」

という短絡的な、実にめでたい発想です。

事実、この考え方でもって、マッサージ店なんかでグイグイ患部を揉まれた結果、さらに悪くなった患者さんを診ることは珍しくありません。

現実は、甘くないのです。(笑)

僕もかつては、何度も失敗しました。

治療直後に、全く動けなくなってしまう患者さんもいました。

また、治療後は何となくよくても、次の日にもっとヒドくなったりとか・・・。(恥)

ぎっくり腰に限らず、人間の体に異常が起こった時は、その局所に限らず、全身様々な場所に過緊張と過弛緩が表われます。

我々はそれを「虚実(きょじつ)」なんて表現したります。

コレを正確に調整すると、基本的には弛緩している部分は緊張し、緊張している部分は弛緩します。

しかし場合によっては、もっと緊張する場合、もっと弛緩する場合もあります。

要は「診立て」の正確さが大事なのです。

つまり、まずは正確な知識と、十分な経験が大事なのです。

それなしで患者さんを触ってるなら、巷の無資格マッサージなんかと変わらんのです。


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「血」って何ですか?(その4)

2012.05.05

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これまでのお話・・・


「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)
「血」って何ですか?(その3)

 

 

続きいきます!

 

◆血が不足すると問題発生

 

これまでの話で、東洋医学における「血」というものは、基本的には「飲食物」が主な原料となり、足らなくなると「腎精」「血」に変化してくれることによって不足がフォローされ、

 

主として「血脈」の中を流れて、全身を隅々まで循環し、必要に応じてカラダを栄養するもの、でした。

 

また、睡眠時など、あまり使われない時は「肝の臓」に蓄えられている、というお話もしました。

 


そして、「血」が循環する際の原動力や律動性には「心の臓」「肺の臓」が、飲食物を消化吸収するためには「脾の臓」「胃の腑」が、


「腎精」から「血」に変化するには「腎の臓」の働きが大きく関わり、「血」の生成、作用は、実に様々な臓腑の働きに支えられているよ、

 

というお話でした。

 

・・・で、今日は、”「血」が不足する”とはどういうことか、を考えてみたいと思います。

 

上記のようなメカニズムで生成される訳ですから、当然、「脾の臓」「胃の腑」に異常があって、飲食物をうまく消化吸収出来なければ、


「血」が生成されにくくなり、不足が起こってきます。

 

それでも、「腎の臓」がしっかりしていて、「腎精」をガッチリ蓄えてくれていれば、不足をフォローできます。

 

また、「肝の臓」「血」がたっぷりと貯蔵されていれば、ここからも不足をフォローすることが出来ます。

 


ですので、”脾胃が弱い=必ず血が不足する”という短絡的な考え方はNGなのです。

 


しかし、脾の臓や胃の腑が弱く、飲食物から「血のもと」を取り込めない、しかも腎の臓も弱っていて、「腎精」による血のフォローが出来ない、

 

なおかつ肝の臓にもあまり貯蔵出来ていない、ということになると、これは”全身的な血の不足”が起こります。

 


まずコレが一つ重要。

 

こうなると、カラダを潤すことが出来なくなるワケですから、いたるところがパサパサになってきます。

 

具体的には皮膚、髪、爪がパサパサ、弱く脆くなり、全身的に血色が悪くなり、唇や舌の色も褪せて白くなってきます。

(コワイネ~)

 

もう一つのパターンとして、「血」の全体量としてはあるんだけど、巡る力が弱い、あるいは何かによって邪魔されてるために、停滞してしまって、

 

必要な部分に届かず、”部分的に”足らなくなるパターンです。

 

皮膚に足らなければ痒みを起こしたり、目に足らなければ眼精疲労を、筋肉に足らなければこむら返りやけいれんなどなど、実に様々な症状を引き起こします。

 

これが、”部分的な血の不足”です。

 

二つ目にはコレが重要です。

 

・・・ちなみにこの、「部分的な血の不足」の原因の一つである、”停滞してしまって、使い物にならん血”のことを東洋医学では「瘀血(おけつ)」と呼んでおります。

 

「瘀血」については、素人の方でも、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。

 

 


以前、このブログでも紹介しました。

「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について 参照

 


要はこの瘀血が、正常な血の運行を物理的に邪魔して、必要な部分に届かないと、様々な症状が起こす場合があるのです。

 


それ以外にも、肝や心や肺の異常により、「気の停滞」が起こると、血の正常な循環が保てなくなる、というケースもあります。

 

・・・このように、「血の不足」と一口に行っても、東洋医学的にはまずそれが「全身的なのか、部分的なのか」を考え、それらのメカニズムまで考え、対処、治療しております。

 

 

ちなみにちなみに、言うまでもないですが、東洋医学の言う「血の不足(血虚)」と、西洋医学の言う「貧血」とは別物ですので、あしからず。(苦笑)

 

 


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「血」って何ですか?(その3)

2012.05.03

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これまでのお話・・・

「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)

 


続きいきます!

 

 

◆「血」の居場所

 


最初に述べたように、「血」「血脈」をその通路として全身を巡回し、全身の各部位を栄養します。

ドックンドックンと、律動的に、全身を巡っております。

 


ドックンドックンと押しこくられるパワーは「心の臓」が関与し(主血作用)、その律動性は「肺の臓」が、主に関与(治節を主る)しています。

 

「血」の通路であるこの「血脈」は、「心の臓」と関係が深いです。


「心」って何ですか?(その3) 参照

 


・・・というよりも、「心の臓」自体が、ある意味「血脈」の一部、とも考えられます。

 

胎児が育っていく過程で、「血脈」のある部分が膨らんで、特別な働きを持ったモノ、これが「心の臓」であるとも考えることが出来ます。

 



 

話がそれたので戻しますが、「血」というのは、例えば運動して筋肉を使えば筋肉に、パソコン作業で目を使えば目に、すぐにサッと集まって、その部分の働きを支えてくれます。

(まあ、燃料みたいなもんですナ。無尽蔵ではないけど。)

 

 


人間が、ある部分を使う時は、その部分には「気と血」が必要なのです。

 

だからやり過ぎ(使い過ぎ)たら休ませて、その間に「気血」を生成して、また使う、これの繰り返し以外あり得ないのです。

 

これは自然の摂理です。

 

また、あまり体を使っていない時、つまり寝ている時なんかは、「血」はどこにいるかというと、全身を巡ってないわけではないですが、

 

日中ほどは必要とされないので、主に「肝の臓」に貯蔵されています。


「肝」って何ですか?(その2) 参照

 


このように、東洋医学の言う「血」というものは、肝、心、脾、胃、肺、腎など、五臓六腑と密接に関わりながら、「気」や「精」というものとも深く関わりつつ、

 

全身を栄養し、潤してくれているのです。

 


だからこの「血」が不足すると、体が栄養不足を起こし、パサパサになります。(苦笑)

 

 

次回はその具体例のお話。

 

 

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宿泊型研修会「順雪会(じゅんせつえ)」2012

2012.02.13


清明院では現在、スタッフを急募しております!!

ぜひ我々とともに、切磋琢磨しましょう!!詳細はこちら。

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先週土曜日の診療終了後から、本日の午前中まで、群馬県、草津温泉ホテル「一井(いちい)」にて行われた、

(社)北辰会関東支部、宿泊型研修会「順雪会(じゅんせつえ)2012」に参加してきました!!

今回も、土曜日の夜に僕がホテルに着いた時には、すでに宴会後の、「夜の勉強会」が始まっており、今回は初めてみえる先生方も多く参加しておられ、

非常に盛り上がっておりました!

土曜日の夜はそのまま夜中まで、ほぼ実技のみの勉強会が続き、翌日も朝から蓮風先生による代表講演、

「経穴解説最新情報」

でした。

その後、スキー班と勉強会班に分かれ、僕はスキー班として、去年の順雪会から1年ぶりのスキーに行ってきました。

前日の夜から日曜日の午前中まで雪が降り、昼からは晴れて、運良く最高のコンディションでした♪

しかし普段使ってない筋肉を使ったせいか、滑り始めてすぐに足が笑いはじめましたが、動いてるうちにマシになりました。(笑)

そして夜の宴会は大爆笑。

何が起こったか、行われたかはヒミツです。(笑)

とりあえずS先生が最高でした。

さらにそのあとはナイトセミナーとして、堀内齊毉龍(さいりゅう)先生による特別講義が12時近くまで。

さらにさらにその後は夜中まで実技・・・。

久しぶりに尊敬する大先輩たちと、一人のモデル患者さんを使って、実際に触れて見ながら、あーでもないこーでもないと、

濃密な意見交換が出来ました。

先輩方、皆さん一見非常に個性的で独特でありながら、北辰会方式の基本はキッチリ抑えた、サスガの技術でした。

第一線で毎日毎日多くの患者さんを診ておられる先生方の技術や、言うことというのは、非常に参考になります。

・・・まーとにかく、関東支部の勉強会に来てる先生方、本部の先生方も、北辰会方式に興味のある一般の先生方も、鍼灸学生さんも、

「来なかったら損」

のひっじょ~に内容の濃い、イベント型研修会だと思います。

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