東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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陰陽の妙

2010.08.08

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突然ですが、僕は「睡眠力」に自信があります。(笑)

 


最高で、40時間連続で寝続けたこともあります。

 


反対に、3日連続で徹夜したこともあります。

 


これはちょっとした特技であります。

 


今日は久々の完全オフでした。

 


昨日、診療終了後にとある先輩とサシで飲みに行き、『傷寒雑病論』に関する疑問を次々にぶつけ、自分の弱点を確認。

 


その後、それを秘密メモに書き残し、寝る。

 


そして今さっき起きました。

 


今日は18時間ほど寝ました。(笑)

 


よく、”何でそんなに寝れるのか”と聞かれるが、幼少の頃からなのでしかたない。

 


日中の活動は「陽」、夜間の睡眠は「陰」、このリズムとバランスが大事なのは言うまでもないけど、これは人によって若干違います。

 


「個体差」です。

 


・・・これが、普通の状態よりも大きく逸脱したものが「病気」という評価になるんでしょうけども、なぜか「不眠」はよく問題になるけど、「過眠=寝過ぎ」はあまり問題になりませんなあ。

(遅刻して怒られることはあってもネ。(苦笑))

 


これって「陰陽」の妙なんかなあ、と思ったけど、そうじゃなくて、「病気」として問題にするかどうか、という基準そのものに、「偏り」があるからではないか??

 


自分の特技から、「観点」「立ち位置」の重要性に気がついた。

 


観点、立ち位置を変えると、病気が病気でなくなり、健康が健康でなくなることがある。

 


そっちの方が「陰陽の妙」なんじゃないか?

 


まだ頭ボーっとしてるけど、こいつは何やら面白そうだぞ・・・。

 

 

認識主体の立ち位置によって陰陽は異なる。

 

 


おしまい

 

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ぎっくり腰!?

2010.07.30

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いや~、わたくし事で恐縮ですが、実はおとといの晩、僕としたことが、3年ぶりに”ぎっくり腰”になりました。(笑)

おとといの夕方、たまたま夜の患者さんがみえるまで、30分ほど時間があいたので、

「よっしゃ、掃除機でもかけよかな♪」

と思って、鼻歌交じりに”ブイ~ン・・・”とやっていたら、突然腰が、

「ピシッ!」


となって、歩くのも辛い状況に・・・。

(当然、その時点で鼻歌は中止。)

しかもその時点で、患者さんがみえる時間まで15分を切っていました。(苦笑)

しかし、頭をよぎった言葉は

”ピンチはチャンス(by小泉元総理)”、

こういう時こそ鍼師の本領発揮です。

即座に脈、舌の状態、どういう動きで痛みが出るか、それから痛みの性質、記憶にある限りの、この2,3日の飲食、大小便、睡眠等の状況から、

『痺証(痛>着痺)、バックボーンに腎虚あり』


と考え(細かい説明省略)、とあるツボに刺鍼。

即座に、ある程度ならば動けるようになる。

そしてそのままどうにかこうにか、夜の患者さんを十数人治療し、診療終了後、もう一度自分で自分を治療。

さらなる改善を確認し、すぐに楽な姿勢で休む。

 

(清明院の院内で)


そのまま清明院で寝てしまい、夜の2時過ぎに何となく目が覚めたので、再度ダメ押しで治療。

またグーッと眠気が来て、再び寝る。

朝、痛みの程度は発症時を数字の10とすると1~2程度。

ほとんど問題ない。

昼に副院長に鍼してもらう。

そして今日、痛みの程度は0。

可動域いっぱいまで動かした時のわずかな違和感を残すのみとなり、ほぼ完治。

今日はもちろん、おととい、昨日の患者さんでも、僕が腰を痛めているなんて、誰も気が付かなかっただろうと思います。

鍼最高。


おしまい

 

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次なる緊張

2010.06.08

先週末から、大阪へ、群馬へと、めまぐるしく動き回って、さすがに少し疲れましたが、昨日の睡眠により、即座に復活いたしました!!(笑)

祖母の顔を拝んできましたが、あまりにも美しい死に顔に、なんか拍子抜け・・・。

葬儀の際には葬儀屋さんが綺麗にお化粧をしますが、それでも苦しんで亡くなった人なんかの場合は、隠しきれない”異様な雰囲気”があることが少なくありませんが、

祖母の場合は、ホントに安らかーな感じだったので、なんだか妙にホッとしました。

ちょっと難しい言い方だけど、悲しいけども、安心させられるような、そんな死に顔でしたねえ・・・。

まあしかし!

いつまでも悲しんでもいられません。

「生きてる限りは前進あるのみ」でございます!!

僕としては症例発表が終わり、今年の上半期の中での、大きなイベントが終わったところで、下半期の展開を考えていかねばなりません。

(僕自身、それからもちろん清明院のネ。)

今年の下半期の大きなイベントとしては、何と言っても年末の(社)北辰会関東支部定例会、代表講演の日の午前中、「神主学説」の2時間講義ですかねー・・・。

関東においては、関西と比べるとまだまだ業界内外への浸透度の低い北辰会ですので、こういったイベントの日にどういうパフォーマンスを見せるかで、その後が大きく左右されると思います。

「神主学説」に関しては、大体僕の頭の中ではまとまっていますが、それをどれだけ分かりやすく、”たったの2時間”という枠組みの中でどのように表現するか、

僕の「講師」としての技術が問われます。

初めて見える方も大勢いらっしゃるでしょうから、そういう方にも満足していただきつつ、ベテランの先生方が聴いても”面白い”と思えるようなものにしなければ、あまりやる意味はない、と思っています。

そんなこと言ってるとまた、「極上の緊張感」の中でやることになりますが(苦笑)、そういう仕事をやらせていただけることを、とてもありがたく思います。

あと最近実は、水面下で進めている計画があります。(笑)

いずれ明らかになっていくと思いますので、そちらもお楽しみに♪

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GW中のブログについて

2010.05.02

皆様、GWはいかがお過ごしでしょうか。

僕は昨日の診療終了後、残った仕事をせっせと片付け、清明院を「感謝の念を持って」キチッと掃除し、これから群馬に帰ります。(笑・・・品行方正でしょ?)

ところで昨日、患者さんから

「GW中もブログは更新するんですか??」

と聞かれました。

・・・今年の年末年始もそうでしたが、こういう大型連休の時は”気が向いたら”更新します。(笑)

大型連休の時は、僕は大体いつも、愛すべき田舎である「群馬県前橋市」に帰ります。

そして至高のうどんである「水沢うどん」を買って帰ってきます。

(あれを食べたことない人は人生の半分以上損しています。と言っても過言ではないほどの、最強のうどんです。(笑))

他にも焼きまんじゅう、嬬恋(つまごい)の野菜、下仁田(しもにた)ねぎ、下仁田の刺身こんにゃくなど、何しろ群馬はウマいものが多い!!

そして温泉とスキー場が多い!!それ以外は何もない!!!(笑)

・・・まああと、群馬にいる間はプライスレスな悪友たちがいますので、「飲酒」と「睡眠」の果てしなき繰り返しによって、あっという間に時間が過ぎ去ります。(苦笑)

5日からは通常の診療再開いたしますので、皆様のGW中のお話を、楽しみにしております。

では!

(更新する気、ないんかい!)

 

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「肝」って何ですか?(その4)

2010.05.01

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これまでのお話・・・

「肝(かん)」って何ですか?(その1)
「肝」って何ですか?(その2)
「肝」って何ですか?(その3)

 

肝という臓は、人間の体の中でも大変重要な臓でして、上記以外にもまだまだ働きはあります。

 

話があまりマニアックになっていきますと、患者さん向きでなくなるんで、このブログでは極力専門用語は使わずに、分かりやすく解説していこうかな、と思ってます。

(まあ専門家の先生方には、そういうサイトや本がいくらでもあるしね。)

・・・てな訳で今日も、肝の働き、いけるとこまで。

 

◆肝は「目」に関わる

 


・・・これも結局は、「髪」や「爪」と同様に、「目」を養っているのは「血」だから、というオチであります。


肝にためこまれている「血」が十分であり、ちゃんと目に十二分にいきわたっていれば、少々長い時間本を読んでも、PC作業をしても、

 

目が疲れたりかすんだりすることはありません。

 

清明院でも、よく患者さんの下まぶたを下げて(いわゆる”アッカンベー”ね。)、白くなってないかどうか診させていただくことがありますが、


下まぶたをめくった時の色が白くなっていれば、


「あ、肝がためてる血が少ないか、ためてる量はあっても、何らかの原因で、目にきちんと行きわたってないな。」


と考えます。

 

他にも、白内障や緑内障、疲労性の網膜剥離などなど、眼科のあらゆる病気は、東洋医学的には「肝」の異常を中心として起こっていることが少なくありません。

 

◆肝は「魂(こん)」を蔵(ぞう)す


・・・コレ、響きからして、いかにも東洋医学~!って感じでしょ?(笑)

「一体なんなのだ、この「魂(こん)」というものは!?ワケのわからんことを言うな!!」

と、僕も学生の頃は思っていました。

これについて細かく細かく解説をしていくと、どんどん肝の話から逸れていきますし、僕自身が年末に北辰会で講義する内容のネタばらしにもなっていきそうですんで、ここではごく簡単に述べてみます。

ここで言う「魂(こん)」ていうのも、人体を循環する「気」の一種だと考えて下さい。

つまり、生きている人間の体の中を絶えず流動し、心身のバランス調節をしてくれているものの一つです。

(「気」については、「気」ってなんですか? 参照)

 

で、「魂」は、日中活動時は「気」のように全身を行ったり来たりしていますが、睡眠時は、「肝の臓」に戻る、という運動パターンを持っています。

「肝の臓」が家だとすると、その家の主人が「魂」といった感じです。

 


このように肝の臓は、「血」であったり「魂」であったり、色々な重要なものを”蓄える”という性質があるということが、肝の臓を理解する上ではひとつ、重要です。

 


 

・・・で、「魂(こん)」「気」との違いはどうかというと、「気」が全身を巡って、”全ての生命活動を”調整するものであるのに対して、「魂」は、

「人間の無意識の精神活動を調節しているもの」

と言われます。

(笑・・・分かりにくいねえ~)

 

要はこの、「無意識の精神活動」っていうものは、僕らが普段、普通に「意識的に」やっていることの”支え”であり”裏”となっているものです。

 

例えば、「何かしよう」と思う時も、それを実際に行動に移す時も、その背後には、必ずこの「魂」の働きがある、ということです。

 


だから、目立ちませんが、大変重要なものです。

 

この「魂」の働きの具体例としてよく言われるのは、「夢」や意識昏迷状態での「うわごと」などです。

「夢」についてはかつて「夢」はなぜ見る?にちょこっと書いてますのでご参考あれ。)

 

 

本来は、「寝てる」という状態であれば、人間は当然無意識状態ですから、「魂」の出番はありません。

 

だから寝ている時は「魂」「肝」におとなしく帰っています。

(その時「魂は肝に蔵されている」わけね。)

 


しかし肝が病になると、この「魂」が不安定になって、(肝の臓に蔵することが出来なくなって)寝ている間も肝に帰らなくなります。

 

(非行少年のように、夜遊びし出すわけです)

 

そうすると、「夢」をよく見て、しかもそれをいつまでも覚えている、という病的な現象が起こります。

 

これを東洋医学では「多夢(たむ)」と呼び、うわごとや、酷いものでは夢遊病なども含めて、「魂(こん)」が夜の間に肝の外で遊んだ、

 

という意味で、「遊魂(ゆうこん)現象」なんて言います。(笑)

 

・・・面白いですねえ。(笑)

 

東洋医学にはこういう、西洋医学にはない、独特の病のとらえ方がたーくさんあります。

 

どれもとても面白いです。

 

しかしもちろん、この医学は面白いだけで終わりません。

 

例えば上記のような、毎晩毎晩、悪夢にうなされて睡眠不足で困っている、という患者さんがいた時に、これを”遊魂現象”と考え、「肝」に着眼して診察し、

実際に肝の病が中心だ、と確定したとします。

 


そして、それを上手に治療していくことによって、夢を見なくなり、ぐっすり眠れるようになる、

 

そして、それに伴って、肝の臓に関する病的なツボの反応やその他の症状が体から消えていく、という現象が「現実に」起こるんです。

 

そういう症例を実際に経験するたび、東洋医学はこのような一見不可思議な説明から、確かに一部「真実」を捕まえている、と再確認出来る訳であります。

 

 


次回につづく。

 

 

 

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鍼灸には保険が効かない!?(その1)

2010.03.21

この間、いいコメントをいただきましたので、「鍼灸と保険」というテーマで何回かに分けて書こうかな、と思います。

(そういうことにも目を向けていかないとね。現実は大事です。目をそらさずに行きましょう!)

 


まず初めに、今現在、日本は言うまでもなく「国民皆保険制度」というものを採用しています。

 

これのお蔭で、前年の収入に応じて1~3割の負担金で国民誰でもが低額で医療を受けることが出来ます。

(皆さん持ってますよね?保険証。)

 


仮に収入がなくても、生活保護制度、後期高齢者医療制度等によって、その権利は守られますし、病気によっては全額公費負担になる制度もあります。

 

とても弱者思いの、いい制度ですよね。

 


しかしこれは、「保険医療機関」での治療がメイン(というかほとんど)です。

 


つまり、国家資格である「医師免許」「歯科医師免許」を持った医師が営業している、病院、医院、診療所、クリニック、歯科医院での治療に関して、

 

保険者(国や保険組合等)から治療費の大部分(7~9割)が支払われるわけです。

 


あと一部、柔道整復師がやっている接骨院、整骨院でも保険が使える、という認識があります。

 


しかしこれは正確に言うと、接骨院の場合は原則として、一度窓口で治療費を全額(10割分全額)払って、
自分の保険負担割合との差額分を、

 

患者さん自身が、自分で保険者(例えば国保なら区役所)に請求する、という方法をとるものです。


(あくまで「原則」としてね。)

 


しかしそれだと、一時的にでも患者さんの負担が大きくなりますので、多くの(というかほとんど全ての)接骨院では、「受領委任」といって、

 

保険者への差額の請求手続きを接骨院が代行するため、窓口では一部負担金のみをいただく、という形をとっています。

 


接骨院に治療に行ったことのある方は、申請書にサインを求められた経験があると思います。

 


これは、上記の手続きを接骨院さんの方に任せますよ、という確認なんです。

 


これにより、接骨院、整骨院では保険が使える、という認識が国民に浸透しています。

 


もう一つ言うと、接骨院で保険が使えるのは「骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷の5つの外傷(ケガ)のみ」についてです。

 


最近、慢性の腰痛や肩こり、単なる疲労感などに対する不正な保険請求が問題になっていますね・・・。

 

(逮捕者も全国に出ています)

 


ではいよいよ、鍼灸の場合はどうかというと、一応、保険は使えます。

 


・・・が、なぜかほとんど全然、使っている鍼灸院ありませんよね?

 


これはなぜかというと、保険を使って鍼灸を受けるためには、「医師による同意書」というものが必要になることと、保険制度においては、

 

一回の治療費がかなり低く設定されていること(総額でなんと1500円程度!)が理由になると思います。

 

しかも、保険適用になる症状として、「腰痛、頸肩腕症候群、リウマチ、五十肩、神経痛、頸椎捻挫後遺症」という、たった6つの疾病に限定(!)されており、

 

なおかつ、ひと月の治療回数、治療開始から終了の期間に至るまで、全て同意書を書いた医師が決定します。

 


さらには、上記6つの疾病を、病院と鍼灸院で併療(同時に治療)することは認められていません。

 


これまでに、患者さんがそのことを知らずに、同じ疾病で医院と鍼灸院に同時にかかってしまって、鍼灸院に「だけ」保険者から治療費が支払われなかった、

 

なんていう恐ろしい事例もあったようです。

 


しかも、今では撤廃されましたが、つい最近までは、鍼灸の治療回数には、なぜか法的に制限(ひと月10回までだったかな?)があり、

とてもまともに商売できるような仕組みではございませんでした。

 


そのため、保険専門の鍼灸院というものはほとんどなく、積極的に保険を使っている鍼灸院は、単純にすぐ隣にある医院と業務提携していたり、

単純にそこの鍼灸院の院長の親や親戚が医師であったり、という特殊な場合以外は、なかなか導入しにくいのが現状です。


「・・・あのさー、これ、なんか不公平じゃない?」

と思います。

 

さも日本という国に、保険制度に、鍼灸なんて効かない、嫌いじゃ、滅びよ!と言われているような気ィすらします。(苦笑)

 


しかも前回のブログにも書いたように、患者さんからは怪しい、痛そう、熱そう、恐いなんて言われます。(苦笑)

 


なんで、こんなことになるんでしょう。僕ら一生懸命やってるつもりなんだけどなー・・・。

 


毎日毎日、睡眠時間、遊ぶ時間を削って、鍼の本を読み、休日は勉強会にいき、知識、技術を少しでも高め、
患者さんの健康に少しでも寄与しようと頑張っているのは、

 

鍼灸の学術を最大化するためであって、こんな扱いを受けるためじゃない!

 


・・・とかって、卑屈になったこともあります。でも冷静に考えれば、こうなるには、それなりの理由、いきさつがあったはずです。


(次回に続く)

 

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「花粉症」について(その2)

2010.03.09

前回に続き、花粉症に対する、東洋医学の考え方を簡単に紹介してみたいと思います。

 


東洋医学には、「花粉症」という概念がありません。

 


もっと言うと、「アレルギー」という概念すらありません。

 

(最近の中医学の教科書にはあるかもしれませんが、伝統的には、という意味です。)

 

・・・でも、治療法はいくらでもあるのです。

 


どうしてでしょうか。

 


まず、花粉も、ホコリ(ハウスダスト)も、自然界にはあって当たり前です。

 


花粉やホコリ自体に毒があるなら、杉林の中に住んでる人とか、掃除業者さんとか、どうするんでしょうか。

 

 

即死しますよね。

 

(苦笑・・・まあ掃除業者の方は、掃除する場所によってはそういうこともあるでしょうが。)

 


要は、それ自体は毒を持っている訳では無い物質(異物)に対して、体の側が過剰に反応してしまい、鼻だの喉だのに異常を起こす、
その体の側に、

 

すでに何らかの問題があるはずだ、と考えるわけです。

 


そしてこの場合、体の「何がどう」おかしくなっているか、ということを明確に理解しなくてはいけません。

 


ここまでは、東洋医学も西洋医学もある意味同じです。

 


しかし、人体に対するそもそもの認識の仕方、分析方法が異なるため、ここから先は大きく違ってきます。

 


東洋医学では、「春先」という時期には、五臓の中の「肝」という臓の機能が盛んになる、と考えます。

(ただこれは、あくまでも「生理的に」盛んになる、という話で、正常な人であれば別に体が病気を起こすことはありません。)

 


「肝」という臓の働きが盛んになると、正常であれば全身に「気血」が充実、充満して、ある意味、パワー全開、元気溌剌状態になります。

 


皆さんの周りにも、この時期、妙にハイテンションで活発な人、いませんか?

 


自然界においても、「春先」という時期は、冬眠していた動物たちは動き出し、草木は芽吹き、いわゆる静から動へ、全てのものが大きく変化する時期でもあります。

 


じゃあ、パワー全開なのに、なんであんなことになるのかというと、花粉症のくしゃみにしても鼻水にしても、涙や目の痒みにしても、

要は「花粉」という異物を洗い流そうとする体の反応ですよね?

 


当然、目や鼻やのどの粘膜に花粉などの異物がくっついたら、体の中のお水がそこに集まって、一生懸命洗い流そうとします。

 


しかしそれを「過剰にやり過ぎてしまう」から、不快な症状が出る訳です。

 


東洋医学では、五臓の中の「肝」という臓が、体に入ってきた異物を処理する際の要となる、と考えます。

 


ですので、主にこの「肝」の臓の働きが「過度に」盛んになり過ぎたり、あるいは「肝」以外の臓でも、
その働きが何らかの原因(飲食の不摂生、睡眠不足など)によって弱っていたり、

 

亢進したりしてすると、自然界にもともとある、本来なんでもないはずの「花粉」というものに対して、過剰に反応し過ぎてしまうことがあります。

 


この状態を現代医学では「花粉症」と呼んでいるわけです。

 

・・・で、実際の鍼治療では、「肝の臓」以外にも、体の「どこがどう」おかしくなってるか(アンバランスを起こしているか)を東洋医学的に考え、

それを整える(平均化する)ように治療します。

 


そうすると、辛い症状が非常に軽くなる、あるいはまったく出なくなる、というケースが、実際によくあります。

 


要は、東洋医学では「花粉症」に対して、体の外ではなく「中」のアンバランス、とりわけ
「肝」という臓に注目しつつ、それらを整えることを目的として治療をする訳です。

 


これの具体的なやり方については、無数にあるし、専門的過ぎるので割愛しますが、ポイントは「肝」を落ち着かせることと、体の「上下」のアンバランスを整えることが重要になります。

 


つまり、花粉やホコリの存在自体はどうしようもないんだから、それに対して「普通に」反応できる体の状態を作ろうぜ、ということです。

 


・・・僕としては、これまでの経験上、「花粉症」の治療に対する、東洋医学の力は絶大だと思います。

 


知らなきゃホントに損します。(笑)

 


毎年毎年辛い症状に悩んでいる方、是非一度ご相談下さい。

 

 

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「養生」と「鍼灸」

2010.02.19

明日から暖かくなるようですね。

ようやく、というところでしょうか。(苦笑)

・・・しかし、ここのところの寒さは異常ですね~。

そんなわけでかぜひきさんをよく診るんですが、よく患者さんから、

「「かぜ」って鍼で治療できますか?」

と聞かれることがあります。この質問に対して、僕はいつも

「もちろんできます。ただ、摂生が一番ですがネ。。」

と答えています。


東洋医学では古くから、現代医学で言うウイルスや細菌による急性の病気のことを指して、

「外感病(がいかんびょう)」

と呼んで、様々な治療法を考案し、成果をあげています。

(漢方薬はもちろん、鍼灸でも、です。)


この理論に従って治療をすれば、直後にその場でのどの痛みがとれたり、発汗して熱が下がったり、寒気や関節痛がとれたりすることはよく経験します。

(ちなみに今日もありました(笑))


・・・しかし、どんなに無理していようとも、鍼していればオールオーケーかと言うと、残念ながらそうではありません。


やはり基本は十分な睡眠、胃腸への負担の軽い食事、安静(無理に動かない)です。


それをやった上で、鍼で「病気と闘う力」、「治る力」を高めてやれば、より効果的で、早く治るよ、ということです。


「鍼」があまりにも高い効果を示して、それに慣れると、一にも二にも「養生」が大事だ、ということを忘れがちになります。


しかしこれは逆に言うと、まずはしっかり養生して、鍼灸で体のバランスを整えていれば、あらゆる病を予防できるよ、ということでもあります。

・・・あと少しで暖かくなります。


鍼と養生で、なんとか乗り切りましょう!

 

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惰眠をむさぼる

2010.01.25

昨日は年が明けて初の完全オフでした。

例によって、これでもかというぐらい寝ました!(-_-)zzz・・・完全に充電モードに入っていましたネ(笑)

僕は自慢じゃないけど、40時間連続で寝たこともあります(苦笑)

・・・かと思えば、三日間完全徹夜したこともあります。

いつも患者さんには、睡眠はリズムが大事です!とか言ってるくせに・・・不健康ですよね~(+_+)

是正していかねば!

なぜ、「痛いところ」に鍼をしないのか

2009.12.26

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これはですねー、僕が鍼を持った当時からずーっと、新しい患者さんに聞かれ続けている疑問であります。

 


この間も、何気ない会話の中で聞かれました。

 


これについては以前、「ある腰痛の患者さん」というタイトルでも少し述べましたので、そちらも参照してください。

 


これは患者さんからしてみれば、ある意味当然の疑問でもあります。

 


僕はこの質問が来たときはたいてい、

「もちろん打つ場合もあります。でもね、それで治るものはごく軽症のものなんです。また、患部に鍼を打つということは、弱っている(血行の悪い)ところに鍼を打つわけだから、

 

それだけリスク(かえって悪化させる危険性)も高いんです。」

とか、場合によってはもっとシンプルに、

「この場合は打たない方が効くと思うからです。」

という風に説明します。

 


しかし、これには実はもっと深イイ意味があります。

 


今日は僕の経験を例に挙げて説明しようと思います。

 


このブログ上でも、HP上でも何度も言うように、清明院では「東洋医学」に立脚した治療を行います。

 


治療をするにあたっては、その患者さんのどの臓腑(五臓六腑)が悪いのか、どの経絡が悪いのか、ということを考えながら診察し、最も効果が高いと思われる経穴(ツボ)を選んでいきます。

 


つまり、「東洋医学的な」病気の原因究明をさせていただく訳です。

 


その過程を経て、この臓腑が悪くて、この経絡が悪くなっている、という診断結果を得た上で、初めて治療に入りますので、「痛いところ(患部)」に鍼をするよりも、

 

その痛みを起こさしめている「原因」となっている臓腑や、それと関連する経絡に、経穴を使って直接アプローチした方が結果がいいことが多いし、

 

もし結果が良くなかったとしても、なぜ良くなかったのかを考察するのが非常にやりやすいんです。

 


もちろんこれは僕の経験上の話です。

 


しかし、もし皆さんが鍼師だとして、それまでの経験や知識から見当のつかないこと、あるいは効かないと分かっていることを、患者さんに出来ますか?

・・・その昔、とある腰痛の、なかなか治療がうまくいかない患者さんがおられまして、僕は当時、なぜだろうなぜだろう、と考えながら、

睡眠時間を削ってその患者さんの病気について調べ、細かく再問診をしながら治療していると、

「そんなことどうでもいいから、さっさと腰に鍼をしてくれよ!!」

と言われたことがあります。

 


このとき、本当は自分の技術不足を素直に反省するべきだなー、と今は思うのですが、当時僕は自分の必死の努力(のつもり)を

「そんなことどうでもいい」

と言われた怒りと悲しみから、

「僕はあなたの召使いではありません!そんなに自分の体のことが分かるんなら、鍼ならあげるからご自分で腰に鍼を刺したらどうですか!?」

と言ってしまったことがあります。

 

 

いわゆる「逆ギレ」ですネ。(苦笑)

 


・・・当然、二度とその患者さんは見えませんでした。

 

 

今にして思えば、完全に冷静さを欠いた若造の、安いプライドから来る、だっさい物言いですね。

(まあもし今、こんな後輩がいたら、その「やる気」は高く評価しますがね。)

 


こういうとき、本来なら(プロなら)冷静に患者さんの納得が得られるような説明がキチッと出来なければいけません。

 


それでも納得が得られないし、治っていかないようなら、

「自分なりに最善は尽くしましたが、残念ながら今の僕には治せません。」

と素直に謝り、自分よりも腕達者だと思う先生とか、信頼できる西洋医にでも紹介するべきなんです。

 


「臨床」というのはまさに真剣勝負です。

 


こういう時に、患者さんに言われるがままに、ハイハイと言って患部に鍼してても、それで治らなけりゃ、結局「下手くそ」の烙印を押されます。

(ちなみに、その経験もあります。)

 


そこで頑固に、「いや、私はこう思うのだ!」といって、東洋医学的に一生懸命考えた鍼をしても、やっぱり治らなかったら「下手くそ!」と言われます。

 


こちらのプロ意識(まあプライドみたいなもんか)と、患者さんの要求との最大公約数が表現できてて、しかも治った、効いた場合にのみ成立するのが我々の「臨床」です。

 


これはあまり言いたかないんだけど、大変、厳しい世界だと思います。

 


でもその中で、苦しんだ末に僕が得た、一臨床家としての結論が、

「東洋医学的な最高の鍼の世界を追求すること」

ですし、それで生活がまわり出してしまえば、メチャメチャ楽しいんです!

・・・まあちょっとカタい話になったけど、それを踏まえて、冒頭のテーマに関して平たーくいうと、

「東洋医学では、症状の原因にアプローチできる経穴は、必ずしも患部周辺にある訳ではないのです。だから結果的に患部に打たないことが多いんです。

 

僕の経験上、その方が効きます。」

ということです。

 

 

コレじゃあ平たすぎるかな・・・?

 

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