東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「問診」の重要性

2010.10.28

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今日、初診の患者さんから問われました。

 


問診中に、

「先生、それって何か今回の症状と関係があるんでしょうか?」

・・・今日の患者さんは、別に怒ってる風ではなく、本当に不思議、という感じで聞いてこられました。

 


これはある意味、当然の疑問だと思います。

 


患者さんの中には、

「何でそんなことまで答えなきゃいかんのだ!」

という感じで、ちょっと怒った風に聞いて来られる時もあります。

 


まあー、この問いにはいつも通り、僕は即答で、

「もちろん関係あります。」

と、お答えし、その理由を説明するようにしています。

 

(まあ、問われた時点で後手であり、本当はそう問われる前にこちらから説明していないといけないわけですが (^^;)

 


東洋医学における問診では、その患者さんの症状が、

いつから発症し、

きっかけは何で、

現在どういう状態にあり、

これまでの経過はどうか、

という、どこの医療機関へ行っても聞かれる、当り前な内容以外にも、

過去~現在の飲食の状況、

大便や小便、睡眠の状況、

女性であれば月経や産後の状況、

現在の生活環境、家族の状況、

果てはこれまでの人生、こうなるに至った根本的な経緯などなども含めて、

あらゆる角度から、多角的に分析します。

 


ですから一見、今回の症状とは直接関係のなさそうなことまでお伺いすることがあるのです。

 


そしてこれらは、どれも外すことの出来ない、重要な情報になります。

 


正確に、かつ的確に問診が取れていればいるほど、東洋医学的な診断の確度は高くなります。

 


病治しは真剣勝負、斬るか斬られるか(・・僕vs病気ですよ。vs患者さんじゃないよ!)の世界ですから、万全を期して挑む必要があります。

 


ですから、色々なことを伺うのです。

 


・・・そして、鍼とお灸を持って、最善の治療方針を僕なりに一生懸命考えるのです。

 

 


病魔を「バサッ」とぶった斬るためにネ。

 

 

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患者さんの声(30代女性:首の痛み、鼻と喉のつまり感など)

2010.10.26

 

 

 

 

清明院では現在、求人募集しております。

 

本物の鍼灸医学の世界を、我々と追求してみませんか?

 

募集内容の詳細はこちら

 

 

 

 

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久々に、「患者さまの声」をいただきましたので、載せさせていただきます!

 


これからも不定期に、載せていきたいと思っています!!

30代 女性 

症状:過度のPC作業による首の痛み

 

パソコン仕事なので、首・肩のこりは職業病ですが、ここ半年でさらに労働時間が増え、首が痛むことが多くなりました。

マッサージではよくならず、首を動かさなくても鋭い痛みが走るようになったため、治療を考え始めました。

首の他にも不調を感じていたので、体全体を総合して診てもらえるらしい東洋医学・鍼灸に興味がわきました。

清明院を選んだのは立地と、ブログの更新にやたら熱心な院長先生に


「鍼灸は未知の世界だけど、この先生なら話が通じそう・・。」


と親近感を持てたためです。

(予想通り、先生は気さくな方で打ち解けやすく、院内のそこここに花を生けてあるのも好印象でした。)

初診では先生に、


「長年のパソコン仕事で首がかなり変形してしまっているので、痛みはスッキリとは取れないかも。」


と言われましたが、鍼の効果は他の部分で実感できました。

初回の治療後、以前、耳鼻科で診てもらっても治らなかった、鼻と喉のつまりがとれて、すーっと通ったんです! 

この効果を感じられたことで、焦らずに首の治療に通うことができました。

数日おきの治療で、2週目には痛みが減り始め、3週目には1日に1回あるかないか、4週目には鋭い痛みを感じることは全くなくなりました。

今は6週目です。

これからどんな体の変化があるのか、楽しみに通いたいと思います。

【清明院からのコメント】

この方は大学卒業以来、今日まで10年以上、ずーっとPC関係の仕事に携わり、目や首、肩といった部分を、酷使し続けてきた患者さんです。

初診時は、首を動かすともちろん、歩いているだけでも痛みが走る、とのことでした。

また、首の痛み以外にも生理痛やアレルギー、耳鳴りや大便、小便、睡眠の異常等、色々な症状がありました。

長時間のPC作業をなさる方というのは、常に頚肩部の筋肉や、目などに負担がかかっている状態にあります。

しかも、今回のように症状が出たからと言って、仕事でやっている訳ですから、会社を休むわけにもいきません。

治療しながら、少しづつ少しづつ、いい状態に傾けていくしかない訳です。

患部を診ると、大きな怪我の既往歴がある訳でもないのに、頚部の骨の並びが大きく歪んでいて、長年の負担から、徐々に徐々に変形していったことがうかがえました。

このように、形態的に大きく崩れてしまっていて、なおかつ日常、負担をかけながら治療しなくてはならない場合、治療に時間を要することが多く、

その旨をお伝えした上での治療開始となりました。

証としては「腎気虚(じんききょ)≒肝欝気滞(かんうつきたい)」と考え、治療を開始しました。

患者さんが書いて下さった文章にもある通り、初診時、鼻とのどに違和感を訴えておられたのがその場で消失したことで、

「鍼が効く!」ということを理解され、治療を続ける気になられたようです。(苦笑)

そしてそのまま治療すること、約5回にして、首の症状に変化が現れ、現在では以前のような痛みはほとんど出ていません。

最近では、生理痛や排便、排尿の不安定感を意識しながらも、首から目を離さないように、若干治療間隔を開けながら、治療続行中です。

長年のPC作業によって、人間にとって非常に大事な首、肩、腕、目などに不調を訴える方は少なくありません。

この方のように、首の骨が歪んでしまうほどに悪化していても、鍼によって症状を改善させることは可能です。

このような症状でお困りの方がいらっしゃいましたら、あきらめてしまわず、是非ご相談いただければ、と思います。

 

 

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「超」遠方の患者さん

2010.10.21

今日は、当院の患者さんの紹介で、遠く宮崎県(!)から治療に見えた患者さんがおられました。

まあ、今回は他にも都内に用事があったので、そのついでに初診を、という形でしたが、次回見える時は何日か治療のために日をとって、

観光がてら東京に何泊かして、治療に来られるようです。

それ以外にも、清明院では埼玉、千葉、神奈川から、電車を乗り継いで来られる方は珍しくありません。

コレは大変嬉しいことではあるんですが、もし宮崎県に清明院と同じ治療スタイルの鍼灸院があれば、普段はそこに通ってもらい、

何ヶ月かに一遍、用事で東京に来るついでに治療をする、ということも考えられる訳です。

そっちの方が患者さんの経済的、肉体的負担が軽いのは明らかですよね?

清明院の鍼灸治療は、北辰会方式です。

(北辰会方式についてはこちら参照)

初診時、1~2時間という十分な時間をかけて、今回お困りの症状はもちろん、それ以外の様々な症状や、飲食の傾向、大便、小便の状況、睡眠の状況、

生活環境、家庭環境、仕事の状況、精神面などなど、ありとあらゆる情報をキャッチします。

その上で、今回その患者さんがお困りの症状が、どういうバックボーンの上に生じているかを「東洋医学的に」読み解き、

そして入念な体表観察の後、1本、ないし数本の、非常に少ない本数の鍼によって、精神面をも含めた、全身のアンバランスを意識しながらも、

「かなり的を絞りこんだ」

治療を行う訳です。

・・・北辰会方式のみで、鍼灸専門で開業されている北辰会の会員の先生は、関西を中心に全国にいますが、まだまだ少ないのが現状です。

九州、沖縄から青森、北海道まで、各都道府県に何件もあった方が、絶対にいいと思っています。

この状況・・・、

「どげんかせんといかん!」

と思います。

(宮崎県に絡ませてみたんですが。・・・だめ?(微笑))

・・・まーそうはいっても、僕として出来ることは、結局のところ、ひたすら鍼の道を精進し続けるのみなんですがネ。(苦笑)

いち鍼灸師として、「ワン&オンリー」でありたい、という願望も、正直ありますしね♪

とにかく頑張ります!!

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オフの過ごし方

2010.10.17

今日は久々の完全オフでした。

僕にとって、非常に貴重なこの「完全オフ」なんですが、過ごし方は大体決まっております。

・・・1日寝てます。(笑)

僕は幼いころから、自分でも驚くほど長時間寝ることが可能です。

(これはある意味特技なんです。)

今日もその特技を、いかんなく発揮しました。

寝ていると、人間は夢の中で、時間も空間も超えることが出来ます。

遠くに行ったり、幼いころに行ったり、逆に未来に行ったり、普段会えない人にあったり、「夢」という幻影の中ではありますが、現実から遠く離れた旅に出ることが出来ます。

今日もその旅を楽しんできました。(笑)

・・・しかしながら、「夢」と「現実」は表裏一体、つながっています。

完全に乖離してはいけませんし、「非現実」を「非現実」だとわきまえなくてはいけません。

だから、それが出来るから、長時間寝て、色んな「夢」を楽しむことが出来るんです。

僕の長時間睡眠は「逃避」ではなく現実的な「趣味」なんです。

でもこれは皆さんにはあまりお勧めできない「休日の過ごし方」であります。(苦笑)

・・・ま、明日からまた頑張ります!

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陰陽の妙

2010.08.08

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突然ですが、僕は「睡眠力」に自信があります。(笑)

 


最高で、40時間連続で寝続けたこともあります。

 


反対に、3日連続で徹夜したこともあります。

 


これはちょっとした特技であります。

 


今日は久々の完全オフでした。

 


昨日、診療終了後にとある先輩とサシで飲みに行き、『傷寒雑病論』に関する疑問を次々にぶつけ、自分の弱点を確認。

 


その後、それを秘密メモに書き残し、寝る。

 


そして今さっき起きました。

 


今日は18時間ほど寝ました。(笑)

 


よく、”何でそんなに寝れるのか”と聞かれるが、幼少の頃からなのでしかたない。

 


日中の活動は「陽」、夜間の睡眠は「陰」、このリズムとバランスが大事なのは言うまでもないけど、これは人によって若干違います。

 


「個体差」です。

 


・・・これが、普通の状態よりも大きく逸脱したものが「病気」という評価になるんでしょうけども、なぜか「不眠」はよく問題になるけど、「過眠=寝過ぎ」はあまり問題になりませんなあ。

(遅刻して怒られることはあってもネ。(苦笑))

 


これって「陰陽」の妙なんかなあ、と思ったけど、そうじゃなくて、「病気」として問題にするかどうか、という基準そのものに、「偏り」があるからではないか??

 


自分の特技から、「観点」「立ち位置」の重要性に気がついた。

 


観点、立ち位置を変えると、病気が病気でなくなり、健康が健康でなくなることがある。

 


そっちの方が「陰陽の妙」なんじゃないか?

 


まだ頭ボーっとしてるけど、こいつは何やら面白そうだぞ・・・。

 

 

認識主体の立ち位置によって陰陽は異なる。

 

 


おしまい

 

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ぎっくり腰!?

2010.07.30

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いや~、わたくし事で恐縮ですが、実はおとといの晩、僕としたことが、3年ぶりに”ぎっくり腰”になりました。(笑)

おとといの夕方、たまたま夜の患者さんがみえるまで、30分ほど時間があいたので、

「よっしゃ、掃除機でもかけよかな♪」

と思って、鼻歌交じりに”ブイ~ン・・・”とやっていたら、突然腰が、

「ピシッ!」


となって、歩くのも辛い状況に・・・。

(当然、その時点で鼻歌は中止。)

しかもその時点で、患者さんがみえる時間まで15分を切っていました。(苦笑)

しかし、頭をよぎった言葉は

”ピンチはチャンス(by小泉元総理)”、

こういう時こそ鍼師の本領発揮です。

即座に脈、舌の状態、どういう動きで痛みが出るか、それから痛みの性質、記憶にある限りの、この2,3日の飲食、大小便、睡眠等の状況から、

『痺証(痛>着痺)、バックボーンに腎虚あり』


と考え(細かい説明省略)、とあるツボに刺鍼。

即座に、ある程度ならば動けるようになる。

そしてそのままどうにかこうにか、夜の患者さんを十数人治療し、診療終了後、もう一度自分で自分を治療。

さらなる改善を確認し、すぐに楽な姿勢で休む。

 

(清明院の院内で)


そのまま清明院で寝てしまい、夜の2時過ぎに何となく目が覚めたので、再度ダメ押しで治療。

またグーッと眠気が来て、再び寝る。

朝、痛みの程度は発症時を数字の10とすると1~2程度。

ほとんど問題ない。

昼に副院長に鍼してもらう。

そして今日、痛みの程度は0。

可動域いっぱいまで動かした時のわずかな違和感を残すのみとなり、ほぼ完治。

今日はもちろん、おととい、昨日の患者さんでも、僕が腰を痛めているなんて、誰も気が付かなかっただろうと思います。

鍼最高。


おしまい

 

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次なる緊張

2010.06.08

先週末から、大阪へ、群馬へと、めまぐるしく動き回って、さすがに少し疲れましたが、昨日の睡眠により、即座に復活いたしました!!(笑)

祖母の顔を拝んできましたが、あまりにも美しい死に顔に、なんか拍子抜け・・・。

葬儀の際には葬儀屋さんが綺麗にお化粧をしますが、それでも苦しんで亡くなった人なんかの場合は、隠しきれない”異様な雰囲気”があることが少なくありませんが、

祖母の場合は、ホントに安らかーな感じだったので、なんだか妙にホッとしました。

ちょっと難しい言い方だけど、悲しいけども、安心させられるような、そんな死に顔でしたねえ・・・。

まあしかし!

いつまでも悲しんでもいられません。

「生きてる限りは前進あるのみ」でございます!!

僕としては症例発表が終わり、今年の上半期の中での、大きなイベントが終わったところで、下半期の展開を考えていかねばなりません。

(僕自身、それからもちろん清明院のネ。)

今年の下半期の大きなイベントとしては、何と言っても年末の(社)北辰会関東支部定例会、代表講演の日の午前中、「神主学説」の2時間講義ですかねー・・・。

関東においては、関西と比べるとまだまだ業界内外への浸透度の低い北辰会ですので、こういったイベントの日にどういうパフォーマンスを見せるかで、その後が大きく左右されると思います。

「神主学説」に関しては、大体僕の頭の中ではまとまっていますが、それをどれだけ分かりやすく、”たったの2時間”という枠組みの中でどのように表現するか、

僕の「講師」としての技術が問われます。

初めて見える方も大勢いらっしゃるでしょうから、そういう方にも満足していただきつつ、ベテランの先生方が聴いても”面白い”と思えるようなものにしなければ、あまりやる意味はない、と思っています。

そんなこと言ってるとまた、「極上の緊張感」の中でやることになりますが(苦笑)、そういう仕事をやらせていただけることを、とてもありがたく思います。

あと最近実は、水面下で進めている計画があります。(笑)

いずれ明らかになっていくと思いますので、そちらもお楽しみに♪

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GW中のブログについて

2010.05.02

皆様、GWはいかがお過ごしでしょうか。

僕は昨日の診療終了後、残った仕事をせっせと片付け、清明院を「感謝の念を持って」キチッと掃除し、これから群馬に帰ります。(笑・・・品行方正でしょ?)

ところで昨日、患者さんから

「GW中もブログは更新するんですか??」

と聞かれました。

・・・今年の年末年始もそうでしたが、こういう大型連休の時は”気が向いたら”更新します。(笑)

大型連休の時は、僕は大体いつも、愛すべき田舎である「群馬県前橋市」に帰ります。

そして至高のうどんである「水沢うどん」を買って帰ってきます。

(あれを食べたことない人は人生の半分以上損しています。と言っても過言ではないほどの、最強のうどんです。(笑))

他にも焼きまんじゅう、嬬恋(つまごい)の野菜、下仁田(しもにた)ねぎ、下仁田の刺身こんにゃくなど、何しろ群馬はウマいものが多い!!

そして温泉とスキー場が多い!!それ以外は何もない!!!(笑)

・・・まああと、群馬にいる間はプライスレスな悪友たちがいますので、「飲酒」と「睡眠」の果てしなき繰り返しによって、あっという間に時間が過ぎ去ります。(苦笑)

5日からは通常の診療再開いたしますので、皆様のGW中のお話を、楽しみにしております。

では!

(更新する気、ないんかい!)

 

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「肝」って何ですか?(その4)

2010.05.01

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これまでのお話・・・

「肝(かん)」って何ですか?(その1)
「肝」って何ですか?(その2)
「肝」って何ですか?(その3)

 

肝という臓は、人間の体の中でも大変重要な臓でして、上記以外にもまだまだ働きはあります。

 

話があまりマニアックになっていきますと、患者さん向きでなくなるんで、このブログでは極力専門用語は使わずに、分かりやすく解説していこうかな、と思ってます。

(まあ専門家の先生方には、そういうサイトや本がいくらでもあるしね。)

・・・てな訳で今日も、肝の働き、いけるとこまで。

 

◆肝は「目」に関わる

 


・・・これも結局は、「髪」や「爪」と同様に、「目」を養っているのは「血」だから、というオチであります。


肝にためこまれている「血」が十分であり、ちゃんと目に十二分にいきわたっていれば、少々長い時間本を読んでも、PC作業をしても、

 

目が疲れたりかすんだりすることはありません。

 

清明院でも、よく患者さんの下まぶたを下げて(いわゆる”アッカンベー”ね。)、白くなってないかどうか診させていただくことがありますが、


下まぶたをめくった時の色が白くなっていれば、


「あ、肝がためてる血が少ないか、ためてる量はあっても、何らかの原因で、目にきちんと行きわたってないな。」


と考えます。

 

他にも、白内障や緑内障、疲労性の網膜剥離などなど、眼科のあらゆる病気は、東洋医学的には「肝」の異常を中心として起こっていることが少なくありません。

 

◆肝は「魂(こん)」を蔵(ぞう)す


・・・コレ、響きからして、いかにも東洋医学~!って感じでしょ?(笑)

「一体なんなのだ、この「魂(こん)」というものは!?ワケのわからんことを言うな!!」

と、僕も学生の頃は思っていました。

これについて細かく細かく解説をしていくと、どんどん肝の話から逸れていきますし、僕自身が年末に北辰会で講義する内容のネタばらしにもなっていきそうですんで、ここではごく簡単に述べてみます。

ここで言う「魂(こん)」ていうのも、人体を循環する「気」の一種だと考えて下さい。

つまり、生きている人間の体の中を絶えず流動し、心身のバランス調節をしてくれているものの一つです。

(「気」については、「気」ってなんですか? 参照)

 

で、「魂」は、日中活動時は「気」のように全身を行ったり来たりしていますが、睡眠時は、「肝の臓」に戻る、という運動パターンを持っています。

「肝の臓」が家だとすると、その家の主人が「魂」といった感じです。

 


このように肝の臓は、「血」であったり「魂」であったり、色々な重要なものを”蓄える”という性質があるということが、肝の臓を理解する上ではひとつ、重要です。

 


 

・・・で、「魂(こん)」「気」との違いはどうかというと、「気」が全身を巡って、”全ての生命活動を”調整するものであるのに対して、「魂」は、

「人間の無意識の精神活動を調節しているもの」

と言われます。

(笑・・・分かりにくいねえ~)

 

要はこの、「無意識の精神活動」っていうものは、僕らが普段、普通に「意識的に」やっていることの”支え”であり”裏”となっているものです。

 

例えば、「何かしよう」と思う時も、それを実際に行動に移す時も、その背後には、必ずこの「魂」の働きがある、ということです。

 


だから、目立ちませんが、大変重要なものです。

 

この「魂」の働きの具体例としてよく言われるのは、「夢」や意識昏迷状態での「うわごと」などです。

「夢」についてはかつて「夢」はなぜ見る?にちょこっと書いてますのでご参考あれ。)

 

 

本来は、「寝てる」という状態であれば、人間は当然無意識状態ですから、「魂」の出番はありません。

 

だから寝ている時は「魂」「肝」におとなしく帰っています。

(その時「魂は肝に蔵されている」わけね。)

 


しかし肝が病になると、この「魂」が不安定になって、(肝の臓に蔵することが出来なくなって)寝ている間も肝に帰らなくなります。

 

(非行少年のように、夜遊びし出すわけです)

 

そうすると、「夢」をよく見て、しかもそれをいつまでも覚えている、という病的な現象が起こります。

 

これを東洋医学では「多夢(たむ)」と呼び、うわごとや、酷いものでは夢遊病なども含めて、「魂(こん)」が夜の間に肝の外で遊んだ、

 

という意味で、「遊魂(ゆうこん)現象」なんて言います。(笑)

 

・・・面白いですねえ。(笑)

 

東洋医学にはこういう、西洋医学にはない、独特の病のとらえ方がたーくさんあります。

 

どれもとても面白いです。

 

しかしもちろん、この医学は面白いだけで終わりません。

 

例えば上記のような、毎晩毎晩、悪夢にうなされて睡眠不足で困っている、という患者さんがいた時に、これを”遊魂現象”と考え、「肝」に着眼して診察し、

実際に肝の病が中心だ、と確定したとします。

 


そして、それを上手に治療していくことによって、夢を見なくなり、ぐっすり眠れるようになる、

 

そして、それに伴って、肝の臓に関する病的なツボの反応やその他の症状が体から消えていく、という現象が「現実に」起こるんです。

 

そういう症例を実際に経験するたび、東洋医学はこのような一見不可思議な説明から、確かに一部「真実」を捕まえている、と再確認出来る訳であります。

 

 


次回につづく。

 

 

 

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鍼灸には保険が効かない!?(その1)

2010.03.21

この間、いいコメントをいただきましたので、「鍼灸と保険」というテーマで何回かに分けて書こうかな、と思います。

(そういうことにも目を向けていかないとね。現実は大事です。目をそらさずに行きましょう!)

 


まず初めに、今現在、日本は言うまでもなく「国民皆保険制度」というものを採用しています。

 

これのお蔭で、前年の収入に応じて1~3割の負担金で国民誰でもが低額で医療を受けることが出来ます。

(皆さん持ってますよね?保険証。)

 


仮に収入がなくても、生活保護制度、後期高齢者医療制度等によって、その権利は守られますし、病気によっては全額公費負担になる制度もあります。

 

とても弱者思いの、いい制度ですよね。

 


しかしこれは、「保険医療機関」での治療がメイン(というかほとんど)です。

 


つまり、国家資格である「医師免許」「歯科医師免許」を持った医師が営業している、病院、医院、診療所、クリニック、歯科医院での治療に関して、

 

保険者(国や保険組合等)から治療費の大部分(7~9割)が支払われるわけです。

 


あと一部、柔道整復師がやっている接骨院、整骨院でも保険が使える、という認識があります。

 


しかしこれは正確に言うと、接骨院の場合は原則として、一度窓口で治療費を全額(10割分全額)払って、
自分の保険負担割合との差額分を、

 

患者さん自身が、自分で保険者(例えば国保なら区役所)に請求する、という方法をとるものです。


(あくまで「原則」としてね。)

 


しかしそれだと、一時的にでも患者さんの負担が大きくなりますので、多くの(というかほとんど全ての)接骨院では、「受領委任」といって、

 

保険者への差額の請求手続きを接骨院が代行するため、窓口では一部負担金のみをいただく、という形をとっています。

 


接骨院に治療に行ったことのある方は、申請書にサインを求められた経験があると思います。

 


これは、上記の手続きを接骨院さんの方に任せますよ、という確認なんです。

 


これにより、接骨院、整骨院では保険が使える、という認識が国民に浸透しています。

 


もう一つ言うと、接骨院で保険が使えるのは「骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷の5つの外傷(ケガ)のみ」についてです。

 


最近、慢性の腰痛や肩こり、単なる疲労感などに対する不正な保険請求が問題になっていますね・・・。

 

(逮捕者も全国に出ています)

 


ではいよいよ、鍼灸の場合はどうかというと、一応、保険は使えます。

 


・・・が、なぜかほとんど全然、使っている鍼灸院ありませんよね?

 


これはなぜかというと、保険を使って鍼灸を受けるためには、「医師による同意書」というものが必要になることと、保険制度においては、

 

一回の治療費がかなり低く設定されていること(総額でなんと1500円程度!)が理由になると思います。

 

しかも、保険適用になる症状として、「腰痛、頸肩腕症候群、リウマチ、五十肩、神経痛、頸椎捻挫後遺症」という、たった6つの疾病に限定(!)されており、

 

なおかつ、ひと月の治療回数、治療開始から終了の期間に至るまで、全て同意書を書いた医師が決定します。

 


さらには、上記6つの疾病を、病院と鍼灸院で併療(同時に治療)することは認められていません。

 


これまでに、患者さんがそのことを知らずに、同じ疾病で医院と鍼灸院に同時にかかってしまって、鍼灸院に「だけ」保険者から治療費が支払われなかった、

 

なんていう恐ろしい事例もあったようです。

 


しかも、今では撤廃されましたが、つい最近までは、鍼灸の治療回数には、なぜか法的に制限(ひと月10回までだったかな?)があり、

とてもまともに商売できるような仕組みではございませんでした。

 


そのため、保険専門の鍼灸院というものはほとんどなく、積極的に保険を使っている鍼灸院は、単純にすぐ隣にある医院と業務提携していたり、

単純にそこの鍼灸院の院長の親や親戚が医師であったり、という特殊な場合以外は、なかなか導入しにくいのが現状です。


「・・・あのさー、これ、なんか不公平じゃない?」

と思います。

 

さも日本という国に、保険制度に、鍼灸なんて効かない、嫌いじゃ、滅びよ!と言われているような気ィすらします。(苦笑)

 


しかも前回のブログにも書いたように、患者さんからは怪しい、痛そう、熱そう、恐いなんて言われます。(苦笑)

 


なんで、こんなことになるんでしょう。僕ら一生懸命やってるつもりなんだけどなー・・・。

 


毎日毎日、睡眠時間、遊ぶ時間を削って、鍼の本を読み、休日は勉強会にいき、知識、技術を少しでも高め、
患者さんの健康に少しでも寄与しようと頑張っているのは、

 

鍼灸の学術を最大化するためであって、こんな扱いを受けるためじゃない!

 


・・・とかって、卑屈になったこともあります。でも冷静に考えれば、こうなるには、それなりの理由、いきさつがあったはずです。


(次回に続く)

 

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