東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「決定論」という言葉

2012.09.19

 

 

 

 

清明院では現在、求人募集しております。

 

本物の鍼灸医学の世界を、我々と追求してみませんか?

 

募集内容の詳細はこちら

 

 

 

 

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昨日の話に出てきた、何やら難しそうな「決定論(けっていろん)」という言葉・・・。

『荘子』の渾沌のお話 参照

 

な~んか、難しそうな言葉ですよね。

 


こないだ読んでた本にも、何度か出てきまして、気になったのでちょっと調べました。

 

ヤフー百科事典によると、


常識的には、未来の事柄のなかには、人間の
自由意志によって、それが生ずるかどうかが左右されるものがあり、

この意味で未来には不定な部分がある。

この常識に逆らって、世の中でどういうことが起こるかは、未来永劫(えいごう)にわたってすべてあらかじめ決定されている、

と主張する立場が、決定論である。

とあります。

 


・・・相変わらず、辞書や百科事典っちゅーのは、分かりにくい言い回しですな。。。

 

でもこれはまあ、分からんことはないですネ。(苦笑)

 


要するに、未来に何が起こるかは、あらかじめ分かっている!とする立場が決定論なんですね。

 

これをネットなんかで検索すると、とんでもなく難しい(というか眠くなる)哲学のサイトにたどりついたりして、眠れない夜には最高です。(爆)

 


睡眠薬よりよく効くんじゃないでしょうか。(睡眠薬飲んだことないけど。)

 


 


・・・ま、決定論は、パッと聞き、”んなわきゃねーだろ!”とも思える話です。(笑)

 

でもこれを深く考えると、なかなか難しい話になっていって、宗教、哲学、道徳、神学、物理学や自然科学の分野なんかでも登場してくる、重要な考え方です。

 


ここではあまり深い内容には立ち入りませんが(というか難しくって無理ですが(苦笑))、全てがあらかじめ決まっているだなんて、なんだか面白くない話ですよね。

 

・・・「因果律(いんがりつ)」という言葉がありますが、原因があって、結果がある、ということが正しいならば、その原因が成立するにも、また原因がある、ということになり、

 

ある結果が起こった原因も、その前に起こった原因の結果である、と考えると、いくらでも遡ることが出来るので、逆に言うと、今が決まってるなら、

 

未来に関しても全てが決まっている、とも考えられます。

 

これ、ややこしーけど、分かるっしょ?

 

これを”因果的決定論”というらしいです。

 

この考え方は、何かを予測する時、普段から誰でもある程度は使いますが、なんぼ予測しても、予定は未定、”100%決定”ではないですよね。

 

僕的には、世の中、一寸先が分からないから面白いんだと思います。

 

不思議な力を感じることはありつつも。

 

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患者さんの声(50代女性 耳鳴り、耳の閉塞感)

2012.07.18

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「患者さんの声」をいただきましたので、紹介します!!

(さらに…)

「血」って何ですか?(その8)

2012.06.16

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これまでのお話・・・


「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)
「血」って何ですか?(その3)
「血」って何ですか?(その4)
「血」って何ですか?(その5)
「血」って何ですか?(その6)
「血」って何ですか?(その7)

 

 

続きいきます!

 

 

実際に、瘀血によっておこる痛みというのは、どのようなものなんでしょうか。

 

数年前、私の母が交通事故に遭いました。

 


会社の同僚と何人かでワゴン車に乗り、栃木県の有名な「いろは坂」を下っていた時のこと。

 


運転に慣れてない人が運転したそうで、カーブを曲がり切れず、ガードレールに正面から激突。

 


危うく谷底には落ちずに済んだのですが(苦笑・・・もし落ちてたらもうこの世にいません。)、その時に母はシートベルトで腹部を強烈に圧迫されました。

 

それにより、腸管が一部損傷し、小さな穴が開いており、このままでは腹膜炎を起こす可能性があるということで、緊急手術、となりました。

 

手術により腸管の穴は塞がったものの、手術した跡が、麻酔が切れた後に猛烈な激痛に襲われました。

 


痛み止めを点滴するも、大して効かず、夜間になると一層痛みは強まり、その日はほとんど眠れなかったそうです。

 


それを訴えると、看護師さんが患部に湿布を貼ってくれたり、さすってくれたりするけど、これもまったく無効・・・。

 

腸管の手術だから、メシも全く食えない。

 

緊急入院して手術をした栃木の病院に、僕が行ったのはその次の日。

 


清明院の診療終了後。

 


母はなかなか見たことがないぐらい、激痛に歪んだ、苦悶の表情をしておりました。(苦笑)

 


どのような体勢をとっても痛い、手術痕から腰にかけてのズキズキと鋭い痛み、夜になってくると余計痛い、とのこと。

 

ちょっと専門的になるが、これは事故、手術と、ある意味2回に渡る「外傷」によって腹腔内に急激に生じた瘀血による、経気の阻滞です。

 

急激に生じた瘀血と、経気の強烈な阻滞が、平素の肝鬱を助長させ、しかもそこに睡眠不足、断食も加わり、脾腎が動かず、一過性ではありますが心血をも不足させ、心神不寧も呈していました。

 

もちろん瘀血を速やかに除きたいが、こういう時に不用意に破血や活血をかけると、瘀血が動じてしまい、かえって痛みがきつくなることがあるのは経験済み。

 

まずは空間的な気の遍在も視野に入れた理気と、寧神安神が先だ。

 


母は辛そうに、

「あんた、こーゆーの、鍼で何とかならないんかね・・・?」

というので、

「もちろんなるよ。」

と即答し、とあるところに鍼を一本。

 


その場で痛みが半分以下に和らぐ。

 

痛み止めの点滴よりも、湿布よりも、看護師さんの”さすり”よりも、一本の鍼が効いたという事実。

 

もちろんこの症例は、開腹手術をしなければ、腹膜炎から絶命していた可能性もある症例なので、緊急手術はやむを得なかったと判断してるが、


その後の経過については、東洋医学の方に分があったと思っている。

 

 

つづく

 

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「血」って何ですか?(その4)

2012.05.05

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これまでのお話・・・


「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)
「血」って何ですか?(その3)

 

 

続きいきます!

 

◆血が不足すると問題発生

 

これまでの話で、東洋医学における「血」というものは、基本的には「飲食物」が主な原料となり、足らなくなると「腎精」「血」に変化してくれることによって不足がフォローされ、

 

主として「血脈」の中を流れて、全身を隅々まで循環し、必要に応じてカラダを栄養するもの、でした。

 

また、睡眠時など、あまり使われない時は「肝の臓」に蓄えられている、というお話もしました。

 


そして、「血」が循環する際の原動力や律動性には「心の臓」「肺の臓」が、飲食物を消化吸収するためには「脾の臓」「胃の腑」が、


「腎精」から「血」に変化するには「腎の臓」の働きが大きく関わり、「血」の生成、作用は、実に様々な臓腑の働きに支えられているよ、

 

というお話でした。

 

・・・で、今日は、”「血」が不足する”とはどういうことか、を考えてみたいと思います。

 

上記のようなメカニズムで生成される訳ですから、当然、「脾の臓」「胃の腑」に異常があって、飲食物をうまく消化吸収出来なければ、


「血」が生成されにくくなり、不足が起こってきます。

 

それでも、「腎の臓」がしっかりしていて、「腎精」をガッチリ蓄えてくれていれば、不足をフォローできます。

 

また、「肝の臓」「血」がたっぷりと貯蔵されていれば、ここからも不足をフォローすることが出来ます。

 


ですので、”脾胃が弱い=必ず血が不足する”という短絡的な考え方はNGなのです。

 


しかし、脾の臓や胃の腑が弱く、飲食物から「血のもと」を取り込めない、しかも腎の臓も弱っていて、「腎精」による血のフォローが出来ない、

 

なおかつ肝の臓にもあまり貯蔵出来ていない、ということになると、これは”全身的な血の不足”が起こります。

 


まずコレが一つ重要。

 

こうなると、カラダを潤すことが出来なくなるワケですから、いたるところがパサパサになってきます。

 

具体的には皮膚、髪、爪がパサパサ、弱く脆くなり、全身的に血色が悪くなり、唇や舌の色も褪せて白くなってきます。

(コワイネ~)

 

もう一つのパターンとして、「血」の全体量としてはあるんだけど、巡る力が弱い、あるいは何かによって邪魔されてるために、停滞してしまって、

 

必要な部分に届かず、”部分的に”足らなくなるパターンです。

 

皮膚に足らなければ痒みを起こしたり、目に足らなければ眼精疲労を、筋肉に足らなければこむら返りやけいれんなどなど、実に様々な症状を引き起こします。

 

これが、”部分的な血の不足”です。

 

二つ目にはコレが重要です。

 

・・・ちなみにこの、「部分的な血の不足」の原因の一つである、”停滞してしまって、使い物にならん血”のことを東洋医学では「瘀血(おけつ)」と呼んでおります。

 

「瘀血」については、素人の方でも、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。

 

 


以前、このブログでも紹介しました。

「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について 参照

 


要はこの瘀血が、正常な血の運行を物理的に邪魔して、必要な部分に届かないと、様々な症状が起こす場合があるのです。

 


それ以外にも、肝や心や肺の異常により、「気の停滞」が起こると、血の正常な循環が保てなくなる、というケースもあります。

 

・・・このように、「血の不足」と一口に行っても、東洋医学的にはまずそれが「全身的なのか、部分的なのか」を考え、それらのメカニズムまで考え、対処、治療しております。

 

 

ちなみにちなみに、言うまでもないですが、東洋医学の言う「血の不足(血虚)」と、西洋医学の言う「貧血」とは別物ですので、あしからず。(苦笑)

 

 


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(社)北辰会関東支部4月代表特別講演

2012.04.23

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昨日、4月22日(日)は、代々木オリンピックセンターにて行われた、(社)北辰会関東支部、代表特別講演に参加してきました!!

というか「奇経八脈総論~基礎編~」の講義もしてきました!!(笑)

今回、清明院のスタッフも何人も参加しておりますので、詳しい内容はスタッフブログに任せます。

・・・しかし今回、実は毎月、定例会前日に支部のヤル気のある先生達で清明院に集まって、勉強会をやっているんですが、

その後の飲み会が、なんか妙に楽しくて、気付いたら朝の4時でした・・・。(爆)

で、若干酒が残った状態&睡眠不足での講義となりましたが、かえって妙に饒舌だった面もあり、何とかなったかな、という感じです。(苦笑)

ちょっと不安だったので、終わった後色々な人にどうだったか聞いて回ったのですが、おおむね評判が良かったようで、安心しました。

あとはアンケートを待ちたいと思います。(反省)

奇経八脈に関しては、去年の5月に支部の臨床コースでやった時は、難しい内容が多くて、

「難しかったです。。」

とか、

「早口過ぎてよく分かんなかったです。。」

というご意見をいただいたのですが、今回はそういう難しい部分は大幅カットしましたので、まずまず伝わったんじゃないかな、と勝手に思っています。

そして今回、蓮風先生の講義は「鍼治療が奏功した非結核性好酸菌症の2症例」でした。

症例のあまりにもスゴイ内容に、会場はあっけにとられていたかもしれません。

こういった、重症の内臓疾患にも、鍼で対応できるんだ、という事実を、かなり初心者用にかみ砕いて説明しておられました。

そして公開臨床。

今回は時間の都合で3症例でしたが、わずか一本での、治療直後での劇的な変化は、いつもながら聴衆の心に響いたことと思います。

そして終わった後は懇親会でしたが、今回は珍しく自重しました。(苦笑)

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そこで一歩出れるかどうか

2012.02.17


清明院では現在、スタッフを急募しております!!

ぜひ我々とともに、切磋琢磨しましょう!!詳細はこちら。

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全員じゃないけど、多くの人は、何らかの目標に向かって生きてたりします。

(さらに…)

「表裏同治」とは(その4)

2012.02.03

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これまでのお話・・・。

「表裏同治(ひょうりどうち)」とは
「表裏同治」とは(その2)
「表裏同治」とは(その3)

 


前回、漢方薬に「表裏双解剤(ひょうりそうかいざい)」というグループが存在する、というお話をしました。

 

これはまさに読んで字のごとく、「表証」と「裏証」を同時に解く(治療する)お薬のグループです。

 

そしてそれは、さらに3パターンに分けられております。すなわち・・・、

1.解表温裏(げひょうおんり)・・・表証を治しながら、裏を温める。

2.解表清裏(げひょうせいり)・・・表証を治しながら、裏の熱を冷ます。

3.解表攻裏(げひょうこうり)・・・表証を治しながら、裏を攻め下す。

『中医臨床のための方剤学』神戸中医学研究会 編著 医歯薬出版株式会社から引用)

 

 


・・・まあ、コレ以上いくとどんどん難しくなっていくので深入りはしませんが、要は、表裏両方を治そうとする場合、

「表の状態」「裏の状態」にそれぞれ適切に合わせた処置をしないと治せませんよ、ということなんです。

ここで、こぼれ話になりますが、3.の”解表攻裏剤”の中に、有名な「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」という薬があります。

”メタボリックシンドローム”というものが騒がれるようになった近年、「やせ薬」なんつって大々的にうたわれ、話題になった薬です。

・・・やせ薬?? 

 

 

・・・漢方に??

 

 

いやいや、ちょっと待ってよ、そーゆーの、と思いませんか??

 


そういう、太ってるから、太鼓腹だから、イコールこの漢方、とかっていう考え方、また、そう誤解されるような宣伝方法に、僕はまったく賛成しない立場です。

この薬はもともと、1172年、元の時代に、「金元の四大医家」の一人といわれ、火熱論という学説を唱え、寒涼派といわれる劉完素(りゅうかんそ 1120-1200)によって書かれた、

 

『黄帝素問宣明論方(こうていそもんせんめいろんほう)』、通称『宣明論(せんめいろん)』という本に登場するお薬であり、この薬の目的は、

 

表裏、三焦(つまり全身)ともに実(邪気が旺盛)のものに使うことです。

 

・・・まあ確かにそう言われると、慢性的な食べ過ぎ飲み過ぎで、肥満から糖尿病が大流行りの現代人にとっては、とてもいい薬な気がします。

 


でも、コレ飲んで痩せようなんてのは、虫がイイ話です。

 


場合によっては(証が合っていなかったら)具合が悪くなることもあるかもしれません。

 

たまたま証があっていれば、スッキリと汗や便や尿が出て、痩せるケースもあるでしょうが、もしそうなったとしても、僕はあまり感心しません。

 


やっぱり薬に頼る前に、適切な運動、食事、睡眠です。(笑)

 

足すことよりも引くことを考えないと。

 

 


それでもダメな場合に、もし漢方薬でやりたいなら、漢方薬の専門家の診断に基づいた、適切な処方を選ぶことをお勧めしますねえ・・・。

 


忙しくて時間がないのは分かりますし、お手軽を求め、それに飛びついてしまう気持ちも分かります。

 

しかしながら・・・、です。

 

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お天気と病気

2012.01.22

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金曜日に、関東地方でも初雪が降りました。

幸い、道路に積もったり、交通機関が麻痺するほどではなかったので、往診事業部には影響は出ず、私もバイクに乗って元気に往診に出ました。


ここのところ寒い日が続いていましたので、ついに来たか!という感じでしたネ。


やはり寒いと、いわゆる「カゼ」をひく人が多いです。


寒さが原因で、神経痛や、五十肩が悪化するケースもあります。


これを東洋医学的にどう考えるかというと、「風邪(ふうじゃ)」「寒邪(かんじゃ)」が合わさって、「風寒邪(ふうかんじゃ)」となって、

自然界の”邪気(じゃき)”として、健康な人体の”正気(せいき)”を脅かすからだ、と考えます。

カテゴリ「邪気」 参照

 

そしてこれは、もともと、飲食の不摂生があったり、睡眠不足などからくる過労があったり、過度のストレスによる血行不良があったりする人は、

当然邪気に侵入されやすく、この「風寒邪」にももちろん侵入されやすくなります。

 


結局は普段の養生が大事だ、ということですな。

 

そしてその「邪気に入られた時のカラダの状況と、邪気の強さや種類」によって、結果的に呈する症状も経過も、千差万別、という訳です。

 

こういうことを前もって予測するのに、自然界の大きな動きを東洋医学的に把握しておくことは非常に有益です。

 


そこで重要なのが、(一社)北辰会、橋本浩一先生の

『内経気象学(だいけいきしょうがく)』

です。

12月(社)北辰会本部定例会 参照

 


これは大変膨大な学問で、抵抗のある人も多いんですが、専門用語の問題だけ慣れてしまえば、実は非常に論理的で分かりやすい学問です。

 


基本的には60年周期で、いついつの何年は土運太過だから、四季はこうなると予測できる、というモノですから、パソコンともよく馴染みます。

 


そこで橋本先生は、なんと内経気象学のPCソフトまで開発しております。

 

(スゴ過ぎる・・・!)

内経気象学リアルタイム 参照

 


常に先手先手を打った治療、また、大自然の大きな動きをも視野に入れた「壮大な」弁証論治が表現できてこそ、東洋医学なんだと思います。

 

・・・精進しなくては、と思います。

 

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「気」が動く感覚

2011.12.09

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「気」を動かし、人体の「陰陽」のバランスを整えて、結果的に「治る力」を最大限引き出し、病気を治したり、病気を予防する東洋医学。

この「陰陽」の境界線をどこに引くか、それをどう動かすかが問題であることは、先日述べました。


そこで今日は、「気が動く感覚」というものについて考えてみたいと思います。


「鍼灸によって気が動いた感覚」これは、”正しい鍼灸治療”を受けた人にしか分からない感覚かもしれません。

 

 

これは、清明院の多くの患者さんが、清明院HP内、「患者さんの声」に書いて下さっているように、大体は、実に気持ち良いものです。

 

「昔鍼灸をやったことがあるけど、とにかく痛かったし熱かったし恐かったし、症状は楽になんないし、何の説明もないし、トラウマです。」


という人は、”正しい鍼を受けた”とは言えないでしょう。

 

(苦笑・・・まあこれもある意味で、「マイナスの方向に気が動いた」とも言えますが。)

 

”正しい鍼灸治療によって、陰陽バランスが整う方向に気が動く感覚”というものの感じ方は、人によって違います。

 

人によっては、

「体が温まる感じで、とにかく気持ちいい!」

とか、

「心、気持ちがリラックスする感じ。」

とか、

「一時的に痛みやしびれが出ることがあるけど、それが治まると症状がスッキリする感じ。」

とか、

「トイレに行きたくなる感じ。」

とか、

「睡眠が足りてても、鍼した瞬間、猛烈に眠くなる感じ。」

などなど、とにかく人によって全然違います。

 

中には、症状や脈や舌、その他東洋医学的な所見は明らかに良性に変化していても、鍼をしている最中は、

「いや別に、特に何も感じませんでした。」

 

「症状も全く変わりませんでした。」

と仰る人もいます。(笑)

 

熱いお風呂が好きな人もいれば、ぬるいお風呂が好きな人もいるように、「感覚」というのは非常に個人差があり、個性があります。

 


「気が動く感覚」も、例外ではないのです。

 


過敏から鈍感まで、人それぞれ、千差万別です。

 

まあ、子供や動物に鍼をすると、彼らは基本的には大人よりも、人間よりも敏感であり、シャープに気が動きますので、反応が興味深いです。


よく言われることとして、

「鍼って、そういう敏感な体質の人じゃないと効かないんじゃないですか??」

という話がありますが、コレはそんなことないと思います。

 


敏感であろうが鈍感であろうが、気が動き、陰陽バランスが整えば、おのずと「治る力」は引き出され、よくなるものと、僕は思っています。

 

ただ、「そのことを術者自身が正確に把握できれば」の話ですがネ。

 

これはつまり、「気を”動かした側の”感覚」の問題です。

 

ここにもまた個人差があり、しかも様々なガイドライン(流派による違い)があります。

 

 

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「疲労」によって籠った熱

2011.09.28

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半年ほど診ているアトピーの患者さん。

皮膚の方は、パッと見、まったくアトピーとは分からないぐらいに改善しています。

随伴症状としてあった、喘息の方も、薬を飲まなくてもいられるほどに改善。

今では、2週間に1回くらいのペースで、健康管理目的で来院されております。

そんな訳で、バリバリと仕事しておられるのはいいのですが、ここ最近、ちょっと気になる所見が・・・。

仕事で、睡眠時間や趣味の時間を削って働いて、へとへとになって来るわけですが、いつも、お腹の「とあるところ」に熱が籠っております。

ここに直接鍼をしますと、脈や舌の状態、本人の疲労感そのものなどが、非常によくなります。

人間には、主に発汗、排便、排尿という、強力な「余分な熱排出機構」が整っております。

それらの細かい仕組みは、これまでに五臓六腑シリーズに書いてきた通りです。

興味のある方は、右のカテゴリ一覧から、ぜひお読みください。(笑)

ハードな仕事で肉体的、精神的に「疲労」した結果、体内の「余分な熱」を排出する機構が徐々に徐々に機能不全に陥り、

結局は気の動きの「弱い部分」や「停滞している部分」に余分な熱が鬱積してくるのです。

これ、マメに取っとかないと、コワいんです。

東洋医学では、癌などの非常に頑固な病気を、このメカニズムで考えます。

何年、何十年もかけて鬱積した余分な熱が、他の「余分なもの(血とか水とか)」と結びついて、非常に頑固な塊になったモノ、

それがおおよそ西洋医学の言う「癌」というものだ、という考え方があります。

(もちろんこれが全てではありませんが。)

この患者さんは、そのことをよく分かって下さっていて、定期的に「疲労によって籠った熱」を取りに来ております。

上記の話は、東洋医学的な考え方で、毎回毎回患者さんの生活状況を聞いて、お腹を診ているから分かることだし、患者さん自身も実感できることなのです。

病院の診療体制への批判としてよく言われるように、電子カルテのPC画面ばかり見て、患者さんの顔すら見ない、検査数値ばかり気にして、

 

実際の患者さんの訴えには耳を貸さない、こういう医療の現実がまだまだまかり通っている日本の世の中で、こういう診方、考え方には非常に

 

「重い価値を置くべき」だと”僕は”思っています。

 

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