東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 癌

最近の症例 ① 抗がん剤治療後に発症した諸症状

2017.10.13

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まあ最近の症例でも。

 

 

まあ、普段こんなんやってます、って感じで、チャチャっとライトに、何例か紹介します。(*‘∀‘)

 

 

患者 60代 女性 

 

主訴 足の痺れ

 

既往歴 卵巣癌

 

現病歴 卵巣癌の手術後、抗がん剤治療中に主訴発症。抗がん剤治療終了後も改善せず、徐々に悪化。症状は今が一番強い。

 

弁証 心腎不交 気滞血瘀

 

配穴 あえて明らかにしない

 

経過 初診治療後、主訴が劇的に改善。現在6診ほど加療したが、随伴症状であった、浅眠、高血圧も改善。

 

医師に相談し、睡眠薬、降圧剤の減薬を検討するとのこと。

 

 

 

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医師向けの鍼灸勉強会に同行させていただきました!

2017.07.25

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清明院では現在、求人募集しております。

 

本物の鍼灸医学の世界を、我々と追求してみませんか?

 

募集内容の詳細はこちら

 

 

 

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昨日、ちょこっと書きましたが、7.23の日曜日は、麹町で行われた、医師を対象とした鍼灸の勉強会に参加して来ました!!

 

鍼灸に興味のある医師たち。   参照

 

 

この勉強会は少人数制で、医師に対して鍼灸を教える勉強会です。

 

 

今回はその勉強会にて、(一社)北辰会村井和先生がご講演なさるということで、普通は医師しか入れないのですが、特別にカバン持ちとして同行させていただきました。

 

 

医師の中に鍼灸医学に興味を持つ人が増えてきている、これはいいことだと思います。

 

 

鍼灸師が、その興味に大いに応えるべきでしょう。

 

 

今回、村井先生は

 

「日々の実践から、鍼灸の驚くべき臨床効果」

 

と題して、4つの症例(小児のアトピー、小児の感冒、末期癌の胸腹水、難治性てんかん(ドラベ症候群))を提示し、

 

鍼灸の素晴らしさを訴えておられました。

 

 

 

医師の先生方からすると、やはり西洋医学的な病名を使って発表すると、興味を引くようです。

 

 

また、腰を据えて鍼灸を勉強したい、という感じの医師と、自分の診療の中にちょっと鍼灸を組み込んでみたい、という感じの医師と、教わりに来る目的が様々であるように思いました。

 

 

村井先生の症例は、タイトルどおり「驚くべき」効果の出ている症例であり、そういうところも、医師からするとにわかには信じがたいようで、そこも興味を引いたようでした。

 

 

このように、西洋医学的な病名を使って、驚くべき効果の挙がった症例を、コツコツと発表し続けることには、やはり意義があるなあと、再確認できました。

 

 

講演終了後に、主催者の方と少しお話をさせて頂いたのですが、

 

「鍼灸は素晴らしいのに、現代の鍼灸師には確固たる哲学、思想がない。それが非常に残念だ。」

 

というご意見に、蓮風先生も頷いておられました。

 

 

これは以前から蓮風先生が叫び続けている事のひとつです。

 

 

東洋医学をやるものの哲学、思想、矜持。

 

 

昔の学会誌なんかを見ると、昭和初期くらいまでは、業界全体にそういう雰囲気があったような感じがしますが、現代はどうでしょうね。。。

 

 

・・・まあ、嘆いていても始まらないので、まずは自分から、頑張っていきたいと思います☆

 

 

 

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「麦飯」ってどうでしょう?? 9

2017.07.20

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これまでのお話

 

「麦飯」ってどうでしょう??

「麦飯」ってどうでしょう?? 2

「麦飯」ってどうでしょう?? 3 

「麦飯」ってどうでしょう?? 4

「麦飯」ってどうでしょう?? 5

「麦飯」ってどうでしょう?? 6

「麦飯」ってどうでしょう?? 7

「麦飯」ってどうでしょう?? 8   参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆玄米はどうなんだ?

 

 

ここまでの話をまとめれば、白米7+麦飯3くらいで、そこにさらにとろろ(山芋)を入れたら最強な感じがします。

 

 

まあただ、山芋とろろはいいけど、スルスル飲み込んでしまって

 

「噛まないから消化に悪いのでは?」

 

という懸念がありますね。

 

 

こないだ、このシリーズに関して、

 

「玄米はどうでしょうか?」

 

というご質問をいただいたので、ついでなんで玄米についても、少し考えてみたいと思います。

 

 

玄米については、「麦飯」ってどうでしょう?? 4 にて、消化に悪い、と書きました。

 

(出典は『東方栄養新書』です。)

 

 

理由は食物繊維の多さからと言われておりますが、ここは少し調べると、諸説(というか賛否両論)あるようです。

 

 

患者さんでも、若い女性なんかでたまに、

 

「玄米菜食(マクロビ)やってます!!」

 

と仰る患者さんがチラホラいます。

 

 

マクロビ(正式にはマクロビオティック)を調べると、

 

桜沢如一(1893-1966)が提唱し、世界中に広めた食養生法であり、よく「玄米菜食」と言われるが、桜沢氏の思想、哲学が大きく反映されている。

 

と出てきます。

 

wikipedia「マクロビオティック」参照

 

(エ!マクロビって日本発なの??と思った人もいるかもしれませんね。意外と色々なところに”日本発”ってあるんですよ。(^^))

 

 

桜沢如一先生の紹介はそのうちするとして、ここでは「玄米」がいかなるものか、考えてみたいと思います。

 

(因みに東洋医学をやっている人は桜沢先生の『無双原理』『魔法のメガネ』『東洋医学の哲学』は読みましょうね☆)

 

 

玄米は現代栄養学的には白米よりもビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含むと言われ、健康食品と言われています。

 

 

普通の炊飯器で炊くとボソボソになるが、圧力鍋で炊くとふっくらと炊くことが出来るので、圧力鍋が簡単に手に入るようになった最近では注目されているようですね。

 

 

玄米の抗癌作用に関する研究もあるようで、玄米に含まれる「フィチン」などの栄養素の解毒効果が癌に有効なのでは?

 

なんて言われていますが、これはどうなんでしょうね。。。(^^;)

 

 

ここまでの話の中にもチョイチョイ出てきていますが、こういう、食品、健康食品の持つ「抗癌作用」「制癌作用」あるいは逆に「発癌物質」とかいう言い方には、

 

十二分に注意を払う必要があると思います。

 

(大体、玄米のみの食生活なんて出来ないわけだしね。。。)

 

 

ネット上の情報をパーッと見ていると、「玄米礼賛派」「玄米否定派」と、「冷静に考えようや派」と、「どーでもいいよ派」に分かれて、

 

侃侃諤諤とやっておりますね。(笑)

 

 

なぜ、こういうことが起こるかと言うと、いかに玄米が「ある人にとっては」いいものであったとしても、それを食べる人間側の、

 

個々の体質素因によって、発現される効果、変化、つまり結果が違うからだろうと思います。

 

 

まあ、よく問題になるのは消化不良のようですので、圧力釜で炊いた玄米を一定期間食べてみて、消化不良等の症状を起こさない人で、

 

なおかつ便通がよくなったとか、体調がよくなったとか、ポジティブな変化があれば、一先ずよしとしてもいいのではないでしょうか?

 

残留農薬の問題等が解決できているならば)

 

 

・・・では自分は玄米を継続的、積極的にとっても大丈夫そうか、この判断は東洋医学的判断が重要でしょう。

 

 

続く

 

 

 

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往診に出ました。

2017.06.30

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今日は久々に往診に出て来ました。

 

 

非常に重篤な段階の、癌の患者さん。

 

 

胸水、腹水が溜まっています。

 

 

非常に呼吸が苦しそうでした。

 

 

喋るだけ、手を動かすだけで、脈力が落ちる。

 

 

鍼を翳すと、呼吸が深くなる。

 

 

眠くなる。

 

 

脈が緩む。

 

 

顔色が良くなる。

 

 

喜んでくださいました。

 

 

東洋医学に、入院施設があればなあ。。。

 

 

 

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患者さんの声(50代女性 口腔扁平苔癬、肩こり、疲労倦怠感など)

2017.03.31

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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。

50代女性 会社員

【症状】 

 

口腔扁平苔癬 肩こり、疲労倦怠感など

 

 

 

一昨年から、歯磨きが出来ないほどの口内の痛みが続いたかと思うと治まる、といった日々の繰り返しでした。

 

口の中が熱いというか、モノが当たると痛いんです。

 

それでも何日かすると治まるので、あまり深く考えていませんでした。

 

その痛みが治まっている間に歯医者へ行ったところ、

 

「あっ、おそらく口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)です。大きな病院で調べてもらってください。」

 

とのこと。

 

その頃、下の歯茎に白いレース状のものができていました。

 

大きな病院の口腔科で生検した結果、「前がん状態」とのことでした。

 

しかも

 

「治療法は特にありません」

 

と大きな病院の先生は仰います。

 

「えっ?では私はどうすればいいんでしょう」

 

「定期的に経過観察をしていきます。もしガンになったらその部分を切除します。ならないように気をつけてください」

 

「切除したら顔変わります?」

 

「…変わります」

 

む、難しいですよね、ガンにならないように気をつけるなんて……。

 

わたくし、顔が変わるのはイヤだ、との思いから、なんとか治療法を探ろうとネット検索致しました。

 

で、

 

“鍼で扁平苔癬が治った!”

 

という患者さんの声に辿り着き、こちらの清明院にすぐさま予約を入れた次第です。

 

そこからは真面目に通いました。

 

竹下先生の技術は素晴らしいのひと言。

 

通い始めてからは一度も痛みの症状は出ませんでした。

 

先日、3か月後の定期検診で大きな病院へ行ったところ

 

「扁平苔癬が消えてる! なぜ? 奇跡!?」

 

と、先生が驚く驚く。

 

ドヤ顔で、清明院の鍼治療を話したところ、他の患者さんにも教えてあげていいか?と逆に聞かれました。

 

口腔扁平苔癬で悩んでいる方々にお伝えします。

 

その痛みは改善する可能性があります。

 

どうぞ、竹下先生の鍼治療を受けてみてください。

 

泣きたいくらいの毎日から解放され、新しい自分になれるかもしれません。

 

私は現在50代半ばですが、60代も明るく楽しく生活できそうな気がしております。

 

 

 

【清明院からのコメント】 

 

 

 

感動が伝わってくる文章をいただき、こちらも嬉しいです。(^^) 

 

最近、チョイチョイ診ます、口腔扁平苔癬

 

以前にも、他の患者さんの声を紹介致しました。

 

患者さんの声(50代女性 口腔扁平苔癬 イボ、ホクロの急激な増加、疲労倦怠感など) 参照

 

まあ、たとえ西洋医学の病名が付いていても、それで東洋医学的な診察診断に大きな影響が出るというものでもないのですが、

 

臨床的には肝が悪かったり、脾が悪かったり、正気の虚が関与したりと、色々な病理があるようです。

 

(もちろん西洋医学の診断名や予後予測も参考にはしますが。)

 

この方の場合は初診時「脾虚肝乗」と証を立て、治療を進めると、3診目には明らかな変化を実感されたようです。

 

そのまま治療を継続し、約3か月後、最近の検査にて、専門病院にて、奇跡的に苔癬が消失している、という結果を得ました。

 

その間、治療回数は15回です。

 

僕も以前、禁煙後の口内炎に苦しんだ経験があるので、口腔内の痛みという症状の不快さはよく分かります。(苦笑)

 

タバコと東洋医学(その6) 参照

 

この患者さんのように、大きな病院から

 

「前癌病変です。現時点ではやりようがないです。」

 

なんて言われたら、その先の人生、暗くなっちゃいます。

 

でも、鍼灸ではちゃんとやりようがアリアリです。

 

 

お困りの方は、清明院に相談してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

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1月(一社)北辰会スタンダードコース東京会場

2017.01.24

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1.22の日曜日は、御茶ノ水で開催された(一社)北辰会スタンダードコース東京会場に参加してきました!!

 

 

今回、都合により午後からの参加となりました。

 

 

今回のテーマは一日通して

 

「うつ病」

 

です。

 

 

朝から、吉祥寺で「月晶院」という鍼灸院を開業している佐藤達也先生から「うつ病」に対する東洋医学的な考え方を学び、

 

午後は丸々三時間使って、北辰会の先生が実際に扱った「うつ病」の症例カルテを、国立で「蒼天堂」という鍼灸院を開業している、

 

尾崎真哉支部長が解説するという、一日丸々「うつ病」の日でした。(笑)

 

 

受講された方は、東洋医学、鍼灸医学的な「うつ病」に対する注意点や考え方を、よーく学んだことと思います。

 

 

今多いですね、うつ病。

 

 

今や癌や脳卒中、心不全や糖尿病の次に来るぐらいの病気じゃないでしょうか。

 

(なんでそんなことになってしまったんだ、日本よ。(~_~;))

 

 

清明院でもチョイチョイ診させていただく疾患であり、このブログにも過去何度も書いています。

 

「うつ」を含む記事 参照

 

 

これは程度や、その患者さんが置かれている環境によっては、非常に難しいところがありますね。

 

 

でも、冷静にお身体の状態をよーく診て、術者側も患者さん側も根気よく治療を続けると、あっと驚くような効果が出ることがあります。

 

 

ぜひ諦めずに、鍼灸治療を試してほしい疾患であります。

 

 

 

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「標準治療」なるものとの距離

2017.01.20

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先日、ある患者さんとお別れしました。

 

 

癌でした。

 

 

その患者さんが亡くなる数日前、病院の治療、担当医の説明に納得がいかず、非常に憤っている、ということを、私に語ってくれたことがありました。

 

 

「先生に言ってもしょうがないんだけど、すいませんね。。。」

 

と仰りながら。

 

 

その患者さんが亡くなった後、ご遺族としても、全く納得がいっていないご様子でした。

 

 

これから、病院側と喧々囂々やるのかもしれません。

 

 

でも、その患者さんは、大変頭脳明晰な方だったんですが、清明院の初診時、いつものように私から東洋医学的な病態把握や治療方針に関して説明をすると、

 

非常に傾聴され、

 

「なるほどー、大変よく分かりました。ぜひ、よろしくお願いします。」

 

と、ハッキリと目を見て仰っていただいたのが印象的でした。

 

 

僕もこの業界に15年以上います。

 

 

こういう経験は、数多くあります。

 

 

「鍼灸師は、西洋医学をキチッと学ぶことが非常に重要だ!」

 

と、喧しく叫ぶ鍼灸師がいますが、そんなんは当たり前です。

 

 

「法」に則った、いわゆる「標準治療」なるものを、医療従事者である我々が否定したりするべきではない。

 

 

でも、

 

「論理的で、統計学的な根拠もあり、治療の王道」

 

と言われる標準治療で効果が上がらないばかりか、説明に納得も出来ず、一方で、

 

「非科学的で、エビデンスがなく、迷信的」

 

と揶揄される東洋医学では効果が上がり、説明に対する患者の納得感が強いのはどういう訳か。

 

 

西洋医学の知識が豊富な鍼灸師よりも、現場で、こういうパフォーマンスの出来る鍼灸師の方がよっぽど大事じゃないか?

 

 

人生の最後に受ける医療に納得できないなんて、よくないことだと思いますね。

 

 

 

合掌

 

 

 

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総合と総体 14

2016.12.24

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これまでのお話

 

総合と総体 1

総合と総体 2

総合と総体 3

総合と総体 4

総合と総体 5

総合と総体 6 

総合と総体 7

総合と総体 8

総合と総体 9

総合と総体 10

総合と総体 11

総合と総体 12

総合と総体 13  参照

 

 

 

◆東洋医学のアドバンテージ

 

 

僕が20歳の頃、東洋医学に興味を持ち始め、徐々にのめり込んでいった時、いつも気になっていたのは、

 

「西洋医学と比較した場合に、東洋医学の側にアドバンテージはあるのか?あるとすればそれはどういう点か??」

 

ということでした。

 

 

もし、これがないのであれば、受けるのもやるのも、西洋医学の方が良いです。

 

 

西洋医学の方が保険制度も整っているし、マンパワーも圧倒的です。

 

 

毎年毎年、テレビでは医者ドラマが作られ、ドキュメンタリーでも医師はカッコよく描かれます。

 

 

医学部は秀才ばかりで、しっかりとした研修制度も整っています。

 

 

ですので、国民が寄せる信頼だって、圧倒的です。

 

 

マジョリティー過ぎます。(笑)

 

 

それをわざわざ、保険外診療で、高いお金を払って、圧倒的マイノリティー医療である鍼灸治療を受けに来るのに、西洋医学と比較して、

 

何のアドバンテージもないなら、そんなのいくら一生懸命やってたって、これからの人生、満足に食べていける気がしません。

 

 

だから20歳の頃、一生懸命悩み、考えました。

 

 

東洋医学の考え方では、ちぎれた腕を繋げたり、大きな傷口を縫い合わせたり、内臓を移植したり、ばい菌を殺したりすることは出来ません。

 

 

同じように、東洋医学に出来て、西洋医学に出来ないこととは何か。

 

 

ここを鍼灸師が正確に知り、主張できることが重要ではないでしょうか。

 

 

そうでなければ、数千年の歴史を誇る伝統的鍼灸医学も、現代では単なる物理療法、理学療法、筋緊張緩和治療の一種、という位置づけに甘んじることになります。

 

 

東洋医学にあって、西洋医学にないもの。

 

 

端的に言えば、これこそが、ここまでこのシリーズで書いてきた、東洋医学の言う「全体観」だと思います。

 

 

「総体における気の傾斜(アンバランス)を調える」、それで結果として”治る力”が最大化する、という、西洋医学では少なくとも主眼に置かれていない視点。

 

 

この観点を前提とする、数千年に渡る臨床実績の集積が「東洋医学」なんです。

 

 

ここに主眼を置いた治療をすると、西洋医学的にはあり得ないような変化が起こる場合がある。

 

 

だから、やる価値があるのだろう、と思います。

 

 

だから、堂々と自信を持って患者さんにプレゼンし、お勧めすることが出来ます。

 

 

まあ、批判する訳じゃないけど、西洋医学の場合は、細かく細かく分解して分析するあまり、

 

「木を見て森を見ず」

 

というミステイクを犯しやすい、ということもあります。

 

 

これをもっと具体的に言えば、

 

「手術は成功したけど、亡くなってしまった。」

 

「癌の数値は正常化したけど、結果的に亡くなった。」

 

というやつです。

 

 

癌細胞や原病巣に”のみ”、過剰に着眼した弊害ですね。

 

 

東洋医学の場合は、常に「総体」から目を話しませんので、たとえ数値が異常値だろうが、全体的にバランスがとれているのであれば良しとする、

 

という考え方をするところが、アドバンテージだと思います。

 

 

まあしかし、勘違いして欲しくないのは、検査数値や検査所見が異常値でも、鍼灸漢方だけやってればオールOK、という意味ではなく、冷静に診て、

 

データ上、標準的な治療で高い効果が得られる目算が高いのであれば、それをやることを別に否定するものではないです。

 

 

ただ、それでうまくいかない場合が実際に結構あり、そういうものに対して、東洋医学の考え方で触ると、上手くいく場合がある、という事実があります。

 

 

だから、最初から東西の両医学が協力して、患者さんのために最大限のことをやれば、鬼に金棒なんじゃないかと思っています。

 

 

この考え方を理解してくれて、味方についてくれるドクターは、今後もどんどん味方について欲しいです。

 

 

ヘンに見下してくるドクターとは、すぐに縁切ります。(笑)

 

 

あたりめーだよ、ムカつくもん。

 

 

江戸後期から、西洋医学と東洋医学は闘争を繰り広げてきた歴史があります。

 

(そして、東アジアの中でも特に日本では、西洋医学にあまりにも極端な軍配が上がっている訳です。(笑))

 

 

でももう、そんな時代じゃないでしょう。

 

 

 

続く

 

 

 

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病院に往診に行く

2016.12.22

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今日、久々に依頼があり、病院に往診に行ってきました。

 

 

相当重篤な、癌の患者さんです。

 

 

清明院では、スタッフの実地臨床での教育的配慮も兼ねて、通院困難な患者に対して、医師に同意書を書いてもらって、

 

健康保険を使っての鍼灸マッサージ、リハビリ訓練等を行う、往診事業部という部門を設けてはいますが、特に重症の患者さんの場合で、

 

しかもその重篤な病気そのものを主訴とし、東洋医学的な治療アプローチをしてほしい、というような依頼の場合は、

 

自費治療にて、私が往診することにしています。

 

 

今日伺ったのは、とある総合病院。

 

 

いつも往診に来ると思いますが、相変わらず、我々東洋医学が置かれている現状と、圧倒的な規模の違いを感じます。(苦笑)

 

 

国家がバックアップするかしないかというのは、ここまで違うものかと、ため息が出ますね。

 

 

以前、蓮風先生が訪中した時の、中国の病院の映像を見せていただいたことがありますが、日本の病院のような大きな白い建物の中で、

 

漢方薬の処方を待つ長蛇の患者さんの列、鍼灸治療を待つ長蛇の患者さんの列、患者さんでごった返す待合室を見たときに、

 

「世の中ってのは不公平だナー。。。(‘Д’)」

 

と思ったのを思い出しました。(笑)

 

 

まあともかく、今日伺った患者さんは、非常に危ない状態なんですが、いつも通り粛々と治療をしてきました。

 

 

反応も良く、今後の変化が楽しみです。

 

 

僕としては、主治医の先生に同席してもらいたかったくらいです。

 

 

患者からの依頼で、俺が病院に往診に行くなんて、この国の医療はいびつだよ。

 

 

 

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総合と総体 6

2016.12.14

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これまでのお話

 

総合と総体 1

総合と総体 2

総合と総体 3

総合と総体 4

総合と総体 5   参照

 

 

 

◆「原子論(アトミズム)」とは。

 

 

西洋医学では、人体は数兆の細胞の集まりと説きます。

 

(これ、昔はよく60兆と言ったんだけど、最近では37兆説が有力らしいですね。ま、どーでもいいけど。笑)

 

 

この考え方をベースに、ある意味美しい「機械論的人体観」が形成されていきます。

 

 

その根本にある考え方は「原子論(アトミズム)」です。

 

 

これはどういう意味かと言うと、『百科事典マイペディア』によれば

 

物質は究極・最小・不可分の原子(ギリシア語でアトモン)から成るとし,その離合集散によって物質の性質と運動とを説明する説。

 

だそうです。

 

 

この考え方は、もともと紀元前の古代ギリシャにあった考え方なんだそうです。

 

 

この時代にすでにデモクリトス(BC460年頃-370年頃)なんて人は、「機械論的世界観」だの「唯物論的世界観」なんてのを提唱しているようです。

 

 

でもまあ、この当時は、近代化学技術もないし、電子顕微鏡もないし、ということで、そういう主張は机上の空論のようになって、近代まではある意味で眠っていたようですね。

 

 

それが近代になり、17世紀にボイル( 1627-1691)が元素を発見し、18世紀には気体を構成する様々な元素(窒素や酸素など)が発見されました。

 

 

19世紀にはさらにナトリウム、カリウムが発見されます。

 

 

このようにして、徐々に徐々に様々な分野で、もちろん医学医療の分野も含めて、機械論的な近代科学が形成されていきました。

 

 

自然に対するこの見方は、やがてウイルスや細菌の発見、外科手術の進歩にも繋がっていきます。

 

 

このような目線、見方で人間を見つめ、細部に渡って分析し、それを総合した結果として、膨大な理論体系をなし、大いに結果を出しているのが西洋医学です。

 

 

今や西洋医学は、世界中で医学の主役です。

 

 

しかしその一方で、西洋医学で解決しない病人は増えるばかりです。

 

 

こないだもニュースで見ましたが、精神疾患にかかりながら労働している人の人口が、この数年で何倍にも増えているようです。

 

 

清明院の患者さんにも多いこと。

 

 

アレルギー、精神疾患、癌、糖尿病、心疾患・・・、素晴らしく美しい西洋医学をもってしても、治らない、あるいは効果に満足しない患者さんは増えるばかりです。

 

 

因みに上記の疾患も、清明院の患者さんには多いです。

 

 

別にそれが全て西洋医学のせいなんて、全然思ってないんですが、これは何故なんでしょうかね。

 

 

自然環境が悪い?

 

 

社会環境が悪い?

 

 

持続可能な環境、社会、医療って何??

 

 

 

続く

 

 

 

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