東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学 2

2018.02.15

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前回のお話

 

暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学   参照

 

 

では続きいきましょう。

 

 

◆暈厥の定義

 

 

『症状による中医診断と治療 上巻』によれば、「暈厥」の定義は

 

突然意識が消失して四肢が冷え、一定時間のうちに覚醒して、失語、顔面麻痺、半身不随などの後遺症を伴わないこと

 

だそうです。

 

 

東洋医学のバイブルといっていい、『黄帝内経 素問』「生気通天論(3)」に、「薄厥(はくけつ)」という熟語で登場します。

 

 

そしてこれは後世になって、

 

「鬱冒(うつぼう)」

「気厥(きけつ)」

「血厥(けっけつ)」

「痰厥(たんけつ)」

「食厥(しょくけつ)」

「暑厥(しょけつ)」

「酒厥(しゅけつ)」

「昏厥(こんけつ)」

「昏暈(こんうん)」

「昏仆(こんふ)」

 

などと呼ばれています。

 

(なげえ~~ ありすぎ~~~)

 

 

あれこれと紛らわしいんですが、要は、意識障害を起こした原因(病因)や、その病態によって、名前を呼び分けているようです。

 

 

ともかく、暈厥というのは、「一過性の意識障害」のことを言います!!(・ω・)ノ

 

 

暈厥の暈の字は「眩暈(げんうん):めまい」で有名なんですが、通常、めまいには意識障害は伴いません。

 

 

暈厥の「厥」の字は、ちょっと大事なので後で詳しく書きます。

 

 

また、暈厥は「神昏(しんこん):意識障害が長く続くもの(昏睡状態)」とは、病態が違います。

 

 

また、私の親戚が、ずいぶん前に脳腫瘍で倒れた時に起こした

 

「癲癇(てんかん:単に癇(かん)ともいう)」

 

でも、一過性の意識障害はありますが、この場合は四肢痙攣、牙関緊急(強く噛み締め、閉口してしまう)、口から泡を吹くなどの証候を伴い、

 

これも暈厥とは区別します。

 

 

 

続く

 

 

 

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最近の症例 ⑤ 慢性扁桃炎、咳

2017.10.21

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こないだ、何となく書き始めたシリーズ。

 

最近の症例 ① 抗がん剤治療後に発症した諸症状

最近の症例 ② 男児のネフローゼ

最近の症例 ③ 生まれつきのアトピー

最近の症例 ④ 好酸球性肺炎     参照

 

 

せっかくなんで、もう少し紹介しましょう。

 

 

患者 30代 男性

 

主訴 慢性扁桃炎による痰、咳、咽喉の異物感

 

随伴症状 咽喉の渇き、めまい

 

現病歴 清明院初診の3年前より発症。病院、漢方、鍼灸と、色々試したが良くならない。

 

(何か治療をすると、症状少し落ち着くが、完全には改善しない状況。ピーク時を比較すれば症状の強さは半分以下の状況)

 

既往歴 突発性難聴 慢性鼻炎

 

弁証 肺胃不和 湿痰 

 

配穴 明らかにしない

 

経過 初診後、咳、痰が改善。

 

遠方であり、多忙でもあることから、漢方の先生の力を借りる。

 

(処方名は明らかにしない)

 

現在、経過良好。ほとんど崩れなくなっている。

 

 

他の治療院の鍼灸や漢方でダメでも、清明院のやり方考え方でならうまくいく症例、というのがある。

 

 

 

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「不安」の原因

2017.01.23

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患者さんの不安をいかに取り除くか。

 

 

これは、どんな病気を治す上でも重要。

 

 

ここを、そもそもそんなこと無理、性格だからしょうがない、と逃げたらよくないと思う。

 

 

また、患者さんの心理誘導や心理操作はムンテラだ、ムンテラだ、と言い過ぎるのもどうかと思う。

 

 

これについても、これまで何度も書いてきた。

 

「不安」を含む記事 参照

 

 

どんな症状でも、どんな病気でも、大なり小なり患者さんは不安感を覚えるものですが、とりわけ五臓では、「心の臓」の異常で、

 

「不安感」というマイナス感情が起こりやすいと言われる。

 

カテゴリ 「心・小腸」 参照

 

 

「心の臓」の単独の証としては、

 

心気虚、心陽虚、心血虚、心陰虚、心火亢盛、寒傷血脈、痰火擾心、痰迷心竅、心痹、水気凌心、脚気衝心

 

あたりがある。

 

『中医弁証学』東洋学術出版社より

 

 

このうちの、心の臓自体の虚証病変、つまり上記の最初の4つ(気虚、陽虚、血虚、陰虚)が病因病理の片隅にでも入ってくるようなものは、

 

急性病、慢性病問わず、いやーな不安感が出やすいんじゃないかと思います。

 

(たとえ動悸や胸痛や胸悶感がなくても。)

 

 

だから、もちろん患者さんが来たら、まずは主訴をキチッと弁証して、その主訴と合致した証と病因病理を踏まえて治療を進めたらいいのだが、

 

初診時や経過中に、患者さんが不安感を強く訴えるような場合は、あくまでも病因病理と証を外さないようにしつつ、

 

しかも結果的に「心の臓」の気血が充足、疏通するように意識した配穴に処置すると、効果が出やすいように思います。

 

 

あとは毎回治療後に、「後渓」「神門」「心兪」あたりの反応の変化を、見逃さないようにするべきだと思います。

 

 

決して患者さんの言葉で、術者自身が狼狽することの無いよう。

 

 

 

もしそうなるようであれば、無理せず治療を断った方が、お互いのためだと思います。

 

 

 

 

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間違った養生法(水分多飲+ホットヨガ)

2017.01.21

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随分前に、けっこうしつこく書いてたんだけど、

 

「なんか、キリがねえや(‘Д’)」

 

と思って止めた経験のある、養生法に関する話題。

 

 

まあ、ネットを中心とした情報化社会である昨今、実にキャッチーな

 

「〇〇すれば健康美人!」

 

「〇〇で美ボディーゲット!」

 

などなど、メディアの美辞麗句の毒牙にかかって、深刻な病になっている患者さんを、清明院ではよく診ます。

 

 

よくあるのが、

 

「日頃から水分をガンガンとって、休日はホットヨガで大汗をかく。」

 

という健康法のようなものを一生懸命続けている患者さん。

 

 

しかもこれ、20代後半から30代の女性で、管理職などのハードワーカーの方に多かったりします。

 

 

これは非常に危なっかしいです。

 

(全否定はしませんが。)

 

 

東洋医学的には、水分を必要以上にたくさん取ることによって、脾にも腎にも無用な負担がかかります。

 

(もちろん膀胱にも三焦にも胃にも小腸にも大腸にも、場合によっては肝胆にも心肺にも、無用な負担がかかります。)

 

 

そして、捌ききれない水分は、余った水となり、体内に停滞し、「湿痰(しったん)」という病理産物になります。

 

 

・・・で、ホットヨガに行くとこの「湿痰」が排出されて、それとともに他の毒も出る、という、まるでマッチポンプのような健康法なんですが(苦笑)、

 

それでスッキリしてめでたしめでたしかと言うと、そうでもない人が多い。

 

 

人間は水道管じゃないし、水は排水管洗浄剤じゃない。(苦笑)

 

 

日頃のハードワークで、飲み会も多い、睡眠不足も多い、ストレスも多い、運動不足、そういう生活習慣によって、主に脾腎による、

 

水分の出納調整機能が極端に減退しているところに持ってきて、「デトックス」とか称して過剰に水分を取り、しかも暑い部屋で一定時間体操させて、

 

無理やり発汗させることで、必要な津液(有用な水分)を失い、疲労を助長する。

 

 

このメカニズムによって、耳鳴り、突発性難聴、ニキビや皮膚炎、生理痛や生理不順などなど、起こりうる病、症状は数知れずです。

 

(もちろん、水分の調整機能が十分な人は大丈夫ですが。)

 

 

各人がよくよく考えて、自分の体は自分で守らないと。

 

 

流行っているからとか、テレビや雑誌で取り上げられてるからとかじゃなくて、「自分自身の体質と生活習慣にあった養生法」というのを真剣に考えないと、

 

10年後、20年後を考えたとき、大きなマイナスになる可能性があるということを、よく考えた方が良いと思います。

 

 

 

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カゼっぴきだらけ

2016.12.25

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イヤー最近、カゼっぴきの患者さんが多い。

 

 

発熱、咳、痰、のどの腫れ痛み、悪寒、悪心、節々の痛み、胃痛、下利を伴うものなどなど。。。

 

 

土曜日は、10人以上診ましたかね。

 

 

急性疾患のオンパレードで、大変勉強になりました。

 

 

インフルエンザかもしれないと思ったけど、鍼に来ちゃった方が治るのが早いと思ったから来た、という患者さんが多かったですね。

 

 

まあ別に、病院でインフルエンザの検査をする、抗インフルエンザの薬をもらう、解熱剤だの消炎剤だの総合感冒薬といわれるものをもらう、

 

そういう患者さんの行動、当たり前の処方を、別に否定しないし、それはそれとして、こっちは粛々と東洋医学的に診て考えて、治療するのみです。

 

 

カゼを引いて、治らなかったら病院に行く、これは現代日本において、極めて普通の、常識的な行動だと思うからです。

 

 

でも、何度も何度も、病院で出された薬ではスッキリ治らなかったけど、清明院の治療ですぐにスッキリと治った、そういう経験を重ねた患者さんが、

 

病院よりも先に清明院に来るようになる、という事実は普通にあります。

 

 

数千年の大昔から、東洋医学の医者は、無数のカゼの患者さんを治療して来ました。

 

 

そして、『傷寒論』『温病学』という、急性外感熱病に対する優れた理論を構築しました。

 

 

僕らはそこから学び、安心して冷静に、患者さんと対峙することができます。

 

 

 

まあ、鍼最高。(笑)

 

 

 

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患者さんの声(20代女性 治らないカゼ)

2016.04.12

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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。

 

 

20代 女性 

 

【症状】1か月以上治らないカゼ症状(咳、痰、微熱、悪寒、下痢)

 

【既往歴】十二指腸潰瘍、生理痛、不正出血

 

 

 

最初、清明院に行ったきっかけは1ヶ月以上風邪をこじらせたことでした。
どこの病院に行っても、待ち時間は長いのに診察は1分程度・・・

 

全然治らず、不安な私に、鍼灸の勉強をしている弟が、ここしかない!と勧めてくれて、清明院に行きました。

病院嫌いで注射も大嫌いな私が、鍼なんて無理!と思いましたが、そのときは藁にもすがる思いでした。

 

4枚にわたる問診票
1時間以上の問診
そして1時間の治療

 

とにかくたっぷり聞かれて、たっぷり話しました。

 

正直、記憶の中で薄れている部分も多いところまで聞かれて、逆に普段の自分の生活と向き合う時間にもなったような気がします。

 

最初は緊張してばかりでしたが、先生がとても話しやすく、たくさん聞いてくださるので、だんだん打ち解けるようになり、

 

自分の体をとことん診て、治してもらえる!と信じて通うようになりました。

 

最初は週2回ずつ通いました。
治らなかったカゼが、1週間くらいで咳は治り、その後、すぐに痰も絡まなくなりました。

お腹はなかなか治らなかったのですが、先生を信じて通い続け、そこから1ヶ月弱くらいで良くなりました。

 

それからは、症状以外の体調を整えてもらい、できるだけ健康体になるように、先生に言われるがまま通っています。

 

体のちょっとした異常から、病気の芸能人のニュースなどで精神的にも不安になったりすることもあり、その度に先生には診ていただいて治療してもらっています。

ちょっとでも痛い、変な感じを伝えると先生は親身に診てくださり、心配なければ心配ない!と言ってくださるので、

 

とりあえず何かあったら相談してみようといつも思っています。

 

去年、移転リニューアルしてから完全個室になり、他の患者さんたちに自分の状況が聞こえなくなったので、話しやすくなりました。

 

今ではかなり元気になったので、通う頻度も減りましたが、ここなら安心!という病院ができただけ心強いです。

 

鍼灸院や東洋医学はマイナーで足を踏み出しにくいとは思いますが、病院嫌いの私でも、すすんで行く病院です!

 

ぜひ皆さんに一度行っていただきたいです!

 

 

 

【清明院からのコメント】


本症例は、初診がH27年の6月、
ある鍼灸学生さんからの紹介でした。

この症例は、発症当初、一般的なカゼ症状から始まり、病院で投薬治療を行い、一定の改善を見るも、それ以上の効果に関してはお手上げ状態になっていた症例です。

 

こういう症例も、意外と多く診ます。


西洋医学の病院が処方するかぜ薬(西洋薬)というのは、基本的にはカゼに伴って起こる諸々の症状を、表面的に緩和するものしかなく、

 

薬を飲んだら症状は楽になったけど、かえって経過は長引いた、という結果になってしまう患者さんが少なくありません。

 

また、医師を対象に取ったアンケートで、

 

「あなた自身がカゼを引いた時、薬を飲みますか??」

 

という問いに、飲むと答えた医師は極端に少なかった、という有名な話もあります。

 

http://biz-journal.jp/2015/09/post_11561.html

 

(因みに私の知り合いの、西洋医学バリバリのドクターも、そう言っていました。)

 

そういった理由から、近年、カゼを根本から治療しようということでなのか、「漢方薬」を処方するドクターも増えていますが、

 

私の知人の漢方薬専門の薬剤師の先生からは、皆さん口を揃えて、

 

「知ったかぶりの、全然デタラメな東洋医学の知識でもって、患者さんにまったく的外れな漢方薬を処方するドクターが多過ぎる!」

 

と聞きます。

 

これらは、現代医療の由々しき問題の一つですね。

 

大変嘆かわしい現実だと思います。

 

・・・でまあ、こういう状態になっている患者さんに、清明院の鍼は良く効きます。(笑)

 

この患者さんも、初診時、今回のカゼも関与した「肝脾同病(肝気逆、湿熱)」と証を立て、治療を開始すると、一回の治療で非常に大きな効果が得られました。

 

その後も順調に経過し、下痢症状のみ、若干ぶり返すことがありましたが、初診から1カ月弱、計7回の治療で、全症状消失しました。

 

まずまず、鍼がよく効いた症例と言っていいと思います。

 

このように、カゼなどの急性の軽症の疾患であっても、間違った治療、対応を重ねることで、治りにくくなり、ついにはもともと体質的に弱い部分を、

 

さらに弱めてしまう結果になってしまうことは、少なくありません。

 

当然それが大病、重病に繋がる可能性もあります。

 

こういう経験をした患者さんは、その後は自分の身に何かあると、すぐに鍼に診せに来るようになります。

 

(笑・・・体で覚えるワケです。)

 

 この患者さんも、現在では清明院のすぐ近くの会社に転勤されたこともあって、1、2週に1回、健康の維持増進を目的に、

 

通院を継続されております。

 

「カゼに鍼が効く」という事実は、現代日本の国民にはほとんど知られていないと思います。

 

でも実際に効くのです。

 

東洋医学では、数千年前から当たり前に、カゼを診療してきました。

 

何かあったら、早い段階で清明院に鍼に来ることをお勧めします。

 

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初心に帰る

2015.07.27

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約1年半ぶりに、とある往診患者さんご夫妻のもとを訪れた。

初回の往診依頼、往診事業部のスタッフに任せていた患者さん。

その後、色々あって、奥様の状態が悪いとの報告を受けた。

そして、その奥様を、90歳過ぎた御主人が介護しておられる。

現代の日本で非常に問題になっている、老老介護の、実に厳しい現場だ。

伺ってみると、奥様、確かにあまり良くない状況。

正直、積極的な治療は非常に難しい段階。

喋るのもしんどいご様子なので、御主人から慎重に現状に関する話を聞いていると、奥様が弱々しい声で、御主人に対して、

「先生に椅子をお出ししてあげて・・・。」

と仰った。

その気遣いに、感動した。

シビレたね。

あの状態になっても、他人にそういう気が使えるとは。

患者さんから学ぶ。

御主人の状態も、あまりいいとは言えない。

湿痰や気鬱が、”化火”寸前、という感じ。

これは危ない。

未然に防いでおく必要がある。

ご夫妻ともに、非常にギリギリの判断が要求される。

色々と、初心を思い出す、素晴らしい現場だった。

思えば、20代の前半から、こういう現場を、毎日毎日、何とかせねばと、必死で診てきた。

それが今の私の学術の、血肉になっている。

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牛蒡茶の効能

2015.06.30

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今日、腎透析中の患者さんがこんなことを言いました。

「先生、牛蒡茶(ごぼうちゃ)を飲むようにしたら便通が調子いいです!」

と。

・・・ほほー。

牛蒡茶というのは、ちょっと前に

”牛蒡茶若返りダイエット”

なんつって、例によって女性誌なんかで紹介されて、少しばかり話題になったことがあります。

これは、牛蒡をささがきにして、乾煎りして煮出したものです。

食品としてよく使う、牛蒡の根っこの部分は、生薬名では牛蒡根(ごぼうこん)と呼ばれ、その効能は

「祛风热,消肿毒治风毒面肿(風熱邪をとって、腫れや毒、特に顔の腫れをとる)」

ということになっております。

発汗させたり、利尿させることで、毒素を排出したりします。

漢方薬では牛蒡の種の方がポピュラーで、

”牛蒡子(ごぼうし)”

と呼んで、風邪や熱邪や湿痰をとったり、大小便の出が悪い時などに、よく用います。

五臓で言うと肺と胃に作用し、邪気を発散したり、冷やし、降す作用も持っています。

病気で言えば咽痛とか乳腺炎、皮膚炎なんかに応用されます。

(もちろん、本気でそういったものを治すなら自己判断ではなく、東洋医学のプロに処方してもらいましょうね。)

 

参考 『中医臨床のための中薬学』


思いがけず、治療のヒントになりました。


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患者さんの声(30代女性 不妊症 冷え性 ノドのつまり感など)

2015.03.26

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「患者さんの声」をいただきましたので、紹介します。

(さらに…)

小半夏加茯苓湯と船酔い 3

2015.02.28

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これまでのお話

 

小半夏加茯苓湯と船酔い  
小半夏加茯苓湯と船酔い 2
           参照

 

では続きいきます!

 

前回までは、「小半夏加茯苓湯」の元になった「小半夏湯」について、簡単に紹介しました。

 


本日はいよいよ本題である「小半夏加茯苓湯」についてです。

 

これも、「小半夏湯」と同じく、『金匱要略』の中に出てきます。

 

一つ目は「痰飲欬嗽病脉証治」という章の中であり、小半夏湯の”支飲”という病の、言わば親戚のような関係である、”水気”という病証を治療するパターンの一つです。

 

急に嘔吐して、しかもみぞおちが詰まった感じがして、横隔膜の部分(東洋医学の言う”膈”)に余分な水分が停滞し、めまいと動悸を伴うものに使いなさい、と出てきます。

 

因みに東洋医学の言う”膈”と、西洋医学の言う”横隔膜”の違いはこちら↓↓

「心」って何ですか?(その2) 参照

 



 

そしてもう一箇所、『金匱要略』の同じ部分の後半に出てきます。

 


ここでは、まず喉が渇き、それによってたくさん飲み、みぞおちに水が痞え、後で吐くものに使いなさい、という指示で出てきます。

 

こういう人のことを金匱要略では

「飲家(いんか)・・・常に余分な水分を持っている病人」

と呼んでおります。

 


このように、みぞおちや横隔膜周辺あたりに水が痞えたものに、「小半夏加茯苓湯」は使える、という考え方のようです。

 

次回、さらに深く、半夏、生姜、茯苓という3つの構成生薬について、考えてみたいと思います。

小半夏加茯苓湯と船酔い 4  に続く

 

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