東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 痰

痰が切れるかどうか

2020.01.10

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最近、「痰」が主要病理になっているものをよく診る。

 

「痰」を含む記事 参照

 

 

癌、喘息、無呼吸、梅核気なんかはもちろん、頭痛や肩こり、坐骨神経痛などなど。。。

 

 

まあやはり、難病(というかしつこい病)に多いように思う。

 

 

西洋医学では「痰」と言えば呼吸器系の炎症性の病気の時に気道に出てくるあの分泌液のことを指すけど、東洋医学では全身どこにでも起こる、

 

生理的水分の停滞を指しますので、全身どこにでも「痰」という邪気は存在しえます。

 

 

しかも、「有形の痰」「無形の痰」なんていう言い方があって、水分が停滞して、粘稠性のある有形の邪気の塊となったものを「有形の痰」と呼称し、

 

まだ、いわば”モワッとしたミスト状”であり、粘滞性はあるけど塊をなしていないものを「無形の痰」なんて言ったりします。

 

 

当然、「有形の痰」の方が停滞のレベルがきつく、崩すのに時間も手間もかかりやすいと言えます。

 

 

しかしながら、「無形の痰」も、有形よりもつかみどころがない、得にくい、という意味では除去が難しいとも言えます。

 

 

このように、程度や特徴で分けているのであって、両者には連続性があり、有形の痰だから固形なんだから、必ず大便や月経血で排出されるとか、

 

無形の痰だから呼吸や不感蒸泄で発散されるとも限りません。

 

 

ただ、治療後の二便や発汗の変化は患者さんに十分に意識させますし、聴取します。

 

 

瘀血であれ湿痰であれ、病理産物を弁えたら、それが「どこに」「どの程度」あるか、「中心はどこか」を、見極めることが重要です。

 

 

これを考えながら、無駄のない手を打っていくのが「弁証論治」のやり方であります。

 

 

因みに、肺の臓の気機を塞いでくる痰に関しては、切れる(喀出できるかどうか)が大事です。

 

 

今日も診ましたが、置鍼中に急に患者さんが咳込んで、

 

「・・・あれ?」

 

と思って診ていると、暫く咳込んでから、ゴロッとした痰を吐き出して、声が綺麗になる。

 

 

気色が明るくなる。

 

 

たとえばこんな感じ。(゚∀゚)

 

 

 

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「怪病多痰(かいびょうたたん)」という言葉

2012.03.20

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中医学に、「怪病多痰(かいびょうたたん)」という言葉があります。

 

(東洋学術出版『風火痰瘀論』P136)

 


 この「怪病」という言葉の訳し方は、

「原因不明の病」

だったり、

「複雑怪奇な病」

だったり、

「精神の異常や、異常行動を示す病」

だったりと、まちまちなようですが、およそ重症の病で、主要な病理産物(発病因子)が特定しにくい場合に、この考え方を使うことが多いようです。


ちなみに発病因子については 
カテゴリ 邪気(発病因子) 参照

「痰」というのは、体内にある余分な水、言わば泥水のような濁ったもので、やまいだれに「炎」と書く字からも分かるように、汚いお水に「熱」が加わって、

 

カレーのようにドロドロに煮詰まった、熱くてばっちいお水、と考えてもらったらいいかと思います。


これが、体中のいたるところに停滞して、東洋医学が最も重要視する「気・血・水の正常な循環」を邪魔するのです。


僕らとしては、患者さんの体のどこに、どの程度、この痰が停滞してるかを考えて、一番効くであろうツボを選ぶわけです。


そしてこの「痰」は、臨床上

「有形(ゆうけい)の痰」と、「無形(むけい)の痰」

に分けて捉えられています。


「有形」の方は目で見れて、手で触れる「痰」のことで、主にノドに絡み、吐き出すことのできるあの「痰」のことを指し、

「無形」の方は目に見えず、触れないけども確かにある、体内に停滞した「痰」のことを言います。


臨床的にも、「痰」というのは頑固でとれにくく、なかなか厄介だったりします。

この邪気は、患者さん自身の食生活と直接関与します。

脂っこい物、甘いもののとり過ぎ、過剰な水分摂取、過度の飲酒などなど、すべて「痰」の原料になっていきます。

水をたくさん飲んだら健康になるとか言ってガブガブ飲んでたり、高いお金を払って謎の健康ドリンクをガンガン飲んでたりとか、そういう人は非常に多いですが、

 

それが体内をスムーズに循環しなければみ~んな結果的には「痰のもと」です。(笑)

 

 

そして「怪病」を形成する場合があります。

 

よくよく、考えていただききたいと思います。

 

 

因みに中国明代の名医、張景岳先生『質疑録』の中で、張景岳先生は”怪病”を何でもかんでも痰の仕業と考えることを厳しく戒め、痰が形成される前に治すことが肝心だと提案して下さっています。

 

「張景岳(ちょうけいがく)」という人物   参照

 

 

痰はあらゆる病の原因になりうるけども、何でもかんでもというのは行き過ぎだ、という訳ですね。

 

 

さすが張景岳、まことに正論ですが・・・、現実にはそれがなかなか難しい訳ですね。

 

 

 

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「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について

2010.01.24

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これまで、「寒」「燥」「湿」「熱」「風」「火」の6つについて書いてきました。

 


この6つは、東洋医学では「六淫(ろくいん、りくいん)の邪気」と言って、人間の健康を阻害する「邪気」の中の代表選手、と位置付けられています。

 


では「邪気」はこれ以外にはないのか、というと、当然あります。

 


それらを全て書いて、そのパターン(組み合わせ)についてまで解説すると、東洋医学の教科書みたいな内容になっちゃうので、それは避けます。(笑)

 


・・・でもまあ、ここまで来たんで、簡単ではありますが、患者さんに少しでも東洋医学を理解してもらいたいので、
あまり専門的にならないように、

 

有名な「痰(たん)」と「瘀血(おけつ)」について書いてみたいと思います。

 

 


◆「痰」について

 


まずは「痰」ですが、これは簡単に言うと体内の「余分なお水が停滞したもの」です。

 


ですので、以前書いた「湿」の仲間です。

 


ただ、ネバネバしていて、なかなか動きにくい、「余分なお水」ですので、「湿」よりも凝滞性、粘滞性が強く、動きにくい頑固な邪気、と言えると思います。

 


なぜ、ネバネバと動きにくくなるかと言うと、体に余分なお水を排出する力がなくて、それが長いこと体にとどまったり、余分なお水に「熱」が加わって、

 

カレーのように少し煮詰まったような状況になると、体内の余分なお水はますますネバついてきます。

 


また、「痰」と聞くと、どうしてものどに絡むあの「痰(喀痰)」を想像しがちですが、東洋医学の言う「痰」は全身どこにでも溜まることがある、と考えます。

 

そしてこれは、症状で言うと、なかなか治りにくい「重ダルさ」や「神経痛」の原因となり、治療にも時間がかかることが多いです。

 


原因は主に暴飲暴食(特にお酒や脂っこい物、甘いもの)です。(苦笑)

 


気を付けたいですね。。。

 

 


◆「瘀血」について

 


次に「瘀血(おけつ)」ですが、これはちょっと東洋医学に興味のある人なら聞いたことはあると思います。

 


よく、ある種の生理痛や、体の痛みを起こすもとになります。

 


瘀血の「瘀」の字はもともと「とどこおる」という意味があります。

 


つまり、「瘀血」には「滞った血」という意味があります。

 


ま、いわゆる血行不良ですね。

 


それも、一時的な血行不良ではなく、慢性的で頑固な、体のある部分の凝り固まったような血行不良を指して「瘀血」と呼ぶことが多いです。

 


これは、かなり慢性的で頑固な「痛み」の原因になり易く、これもまた治療に時間がかかることが多いです。

 


原因は様々ありますが、冷えやストレス、繰り返す怪我から来るものなどが多いです。

 


実際の患者さんを診ていますと、これら「痰」や「瘀血」、その他の邪気が複雑に絡み合って症状を出しているものが多く、これらの割合やそれぞれの程度、

 

またその「邪気」が生じた成り行きをキチッと明らかにした上で治療しないと、なかなかうまくいかないのが実際です。

 


まあこのように、「五臓六腑」だとか「邪気」だとか、東洋医学の言う、色々な要素の強弱のコントラストを明らかにして治療し、こちらの予想通りの変化を患者さんが見せた時、

「あ~、この医学はホント芸術的だな~。」

となります。

 

 

これを何度も経験しちゃうと、もうやめられませんネ。(笑)

 

 


それにしても、最初に考えた人も、それを発展させた人も、ほんとスゴイ!

 

 

 

やってて、いつも感心します。

 

 

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2024年 6月の診療日時

2024.06.01

 

 

 

 

◆患者さん各位

 

 

 

痛ましい能登の地震から始まった2024年:甲辰(きのえたつ)も、いよいよ前半の大詰め、6月に入りました!!

 

 

社会全体として、徐々にコロナも過去の話、という感じになってきていますね。

 

 

患者さんでも、マスクをしてない人が日に日に増えています。

 

 

あんなの、普通に暑いし苦しいし、咳痰も鼻水も何もないんだから、したくないと考え、もうさすがにマスク警察も湧いてないので、私はしない、という判断は、

 

ごく普通の考え方だと思いますし、こうやって以前の状態に戻っていくのは良い事である、と思っています。

 

(医療人として、感染症をナメてる訳ではありません、悪しからず。<m(__)m>)

 

 

清明院は相変わらず、猫の手も借りたいほど忙しいです・・・。

 

 

誰かホント、ヤル気のある、良い人いましたら、是非とも我が院に、御紹介下さい!!<m(__)m><m(__)m>

 

 

清明院の求人情報はこちら!!

 

(ホントにホントに、困ってます!!!)

 

 

まあとはいえ、これまでの15年、スタッフが増える時というのは、特に何もせんでも増えてきましたので、まあ、今はそういう流れなんでしょうね。。。

 

 

もともとはたった一人でやってた清明院、人が増えないなら、少数精鋭を意識して、内部充実を図ればいいだけです。

 

 

無理せず、流れに身を任せることも大事。

 

 

いずれにせよ今年の10月には、良き15周年を迎えられるように、1日1日、精進したいと思います。

 

 

・・・世の中的には、たまに入って来る良くない情報からしても、戦争はなんだか悪化していっているようにも見えるし、円安、物価高もあり、天災も含め、色々な火種もあり、世の中全体が今後どうなるかなんてのは神のみぞ知る訳ですが、

 

引き続き、疫病も含む疾病予防、心身の安定化、重篤疾患の早期発見早期治療が、極めて重要なのは間違いありません。

 

 

これの一番ベーシックな方法としては、自覚的な心身の不調に、早め早めに、適切に対処しておくことです。

 

 

それには鍼灸が、間違いなく超お勧めです。

 

 

「数千年続いてきた、職人芸的医療」は裏切りません。笑

 

 

清明院は、斯様な考えで、開業以来、いつも通り不動心で、日々診療しております!!

 

 

 

◆清明院、2024年6月の診療日時

 

 

 

臨時休診日、休診時間等も、全てこちらに告知してありますので、御予約の際は、予めご参照下さい。

 

 

◆毎週日曜日は、外来診療、訪問診療とも、終日休診となります。

 

 

◆毎週月曜日は、外来診療のみ、終日休診となります。

 

 (※往診事業部は稼働しておりますので、初診、再診のご予約や、予約時間変更のお電話は受付可能です。)

 

 

◆火曜、木曜、金曜は14時から17時まで、土曜日は14時から15時は、昼休憩とさせて頂きます。

 

 

◆毎週水曜日は、東洋鍼灸専門学校での講義のため、外来は①14時~、②17時半~、③18時半~の3枠のみの受付とさせて頂きます。

 

 

◆6.27(木)は、院長が順天堂東医研にて講義のため、17時半までの受付とさせて頂きます。

 

 

 

以上、診療時間外の活動等で、ご迷惑をおかけしますが、全ては東洋医学の普及啓蒙のためでありますので、何卒ご理解ご協力のほど、宜しくお願い申し上ます。

 

 

 

 

清明院 院長 竹下有

 

 

 

 

 

清明院のコロナ後遺症対応に関して

2023.05.12

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清明院では現在、求人募集しております。

 

募集内容の詳細はこちら

 

 

 

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2023年5月8日(月)から、新型コロナウイルス感染症は5類に変更となりました。

 

厚労省サイト 参照

 

 

5類になったことで、この3年間の騒動も、ようやく一つの節目を迎えた、と言って良いでしょう。

 

 

この3年間で、職を失い、生活が全く変わってしまった人、また、感染してしまったことで、お身内や近しい方が亡くなってしまった、という方など、無数の悲しみと不幸が、世界中を襲いましたね。

 

 

コロナ以前の当たり前が、当たり前でなかった、ということを嫌というほど思い知らされた3年間だったと思いますし、現在もなお、後遺症で苦しんでいる方が多数おられることと思います。

 

 

ですので、5類になったと言っても、なーんかこう、スッキリ!という感じはないですよね。。。

 

 

またすぐに新しい感染症のパンデミックが起こる可能性だってありますし、地震などの天災も、不穏なペースで続いていますし、戦争のこともありますから、

 

まだまだ慎重に、様子を見つつ、徐々に元の生活に戻していこう、というフェイズに入った、というくらいの感じですね。

 

 

ところで、たまに聞かれるのでここに書いておきますが、清明院でのコロナ後遺症対応ですが、2020年の段階から、普通にやっております。

 

(当たり前のことと考え、特に宣伝もしてきませんでした。苦笑)

 

 

 

個人的には、2020年の秋に、第10回、日本中医薬学会学術大会にて「COVID-19 治癒後の諸症状の⼀症例」と題して、症例発表をさせて頂きました。

 

 

これは恐らく、日本で最初の、コロナ後遺症を鍼灸のみで扱った症例の、学会発表だったであろうと思います。

 

 

コロナ後遺症に関しては、もちろんその後もチョイチョイ、相談されては診ておりまして、いずれも非常に効果的だなあ、という印象を持っております。

 

 

・・・というわけで、いくつかの症例を、ここに簡単に紹介しておきます。

 

 

◆症例1 50代女性 

主訴:全身倦怠感、嗅覚障害、味覚障害、痰

他院の鍼灸師からの紹介

コロナ感染以前からあった倦怠感が、コロナ感染で増悪し、その他の症状も出現し、改善しない。

「肝鬱腎虚」と弁証し、初回治療後、長時間睡眠。数回の治療で改善。

 

◆症例2 30代男性 

主訴:記憶障害、集中力低下、浅眠、頭痛、抑鬱感、倦怠感、胸痛、下痢、腹痛、動悸、唇の荒れ

HPを見て来院

コロナ感染後、諸症状が出現し、無理して仕事を続けて、さらに悪化した。他院の漢方薬で少し改善するも、改善しきらない。

「湿熱中阻>肺腎陰虚」と弁証し、1回の治療で大幅に改善。

 

◆症例3 40代男性 

主訴:関節痛、筋肉痛、下痢、脱毛

清明院患者の紹介

コロナ感染後、脱毛の症状が出る。その1か月後にワクチン接種後、それまでになかった症状が出現。

「肝脾鬱結≧心血不足」と弁証し、5回の治療で大幅に改善。

 

◆症例4 30代男性 

主訴:集中力低下、頭痛、倦怠感、息苦しさ、胸痛、脱毛、動悸

清明院患者の紹介

コロナ感染後、多様な症状が出現。休職を余儀なくされた。

「湿困脾土≧心肝気鬱」と弁証し、6回の治療で職場復帰、15回ほどの治療でほぼ回復する。

 

◆症例5 30代女性 

主訴:嗅覚消失

鍼灸師からの紹介

コロナ感染後、嗅覚が消失。

「肝気犯肺(魄気の異常)」と弁証し、1回で好転。10回ほどの治療でほぼ回復する。

 

 

・・・とまあこんな感じですが、挙げていったらキリがない感じです。

 

(因みに、当院の新規の患者さんのほとんどは、既存の患者さんか、鍼灸師や医師の先生方からの紹介です。(感謝合掌))

 

 

ここで強調しておきたいのは、当院では、「コロナ後遺症だから〇〇穴」とか、「コロナ後遺症だから〇〇証」などといった固定的、画一的な考え方は用いず、

 

あくまでも一例一例において、「その患者さんに」何が起こったのかを東洋医学的に分析、理解して治療に当たっている、ということです。

 

 

また最近では、コロナワクチン接種後に起こった、原因不明の体調不良がなかなか改善しない、という患者さんも多数見えており、こちらに関しても、鍼灸治療は非常に有効である、という印象を持っております。

 

 

今後も、国の方針としてワクチン接種は続けるのでしょうし、コロナに感染してしまって、後遺症に悩まれる患者さんもおられることでしょうから、これからもコロナ後遺症や、ワクチン接種後の体調不良の対応には、

 

「日本の医療の番外地」である路地裏の零細鍼灸院として、力を入れていきたいと思っています。笑

 

 

 

 

 

 

 

 

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「超越漢方研究会」を視聴しました。

2022.07.09

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昨日のニュースで、心を痛めてしまっている方がほとんどだと思います。

 

 

私もその一人だし、昨日の夜から、今日診た患者さんにも、多かったです。

 

 

まだ事件の詳しい背景は分かっていないし、今後全て明らかにされるかどうかも分かりませんので、今あのニュースを見ても、やるせない気持ちになるだけ、ここは落ち着いて、各人が自分の人生に、集中していきましょう。

 

 

暫くは発信を控えようかとも思いましたが、ここはいつも通りいきたいと思います。

 

 

 

 

7.3(日)は、超越漢方勉強会にオンライン参加し、視聴しました。

 

 

これは、日本東洋医学会関西支部の先生方を中心に行われている勉強会で、今回は北辰会の漢方医でもある竹本喜典先生や、いつもお世話になっている賴建守先生が講演されるということで、初めて参加させて頂きました。

 

 

細々書いたらキリがないけど、内容は鍼灸家から見ても素晴らしかったと思います。

 

 

「半夏(はんげ)」という生薬について、有名な先生方がワイワイと非常に盛り上がっていました。

 

 

半夏はサトイモ科のカラスビシャクの塊茎の外皮を除去して乾燥させたもので、化痰止咳平喘薬、と言われるグループに属する生薬です。

 

(まあ要は痰をとって呼吸を楽にする作用のある生薬ね。)

 

 

性味は辛温、微量ですが有毒、帰経は脾、胃と言われます。

 

『中医臨床のための生薬学』P334 参照)

 

 

そのままなめると、マジで咽喉(というか気道全体)がとんでもない乾燥感に襲われます。苦笑

 

 

昔、蓮風先生が半夏をなめてとんでもない目に遭ったというので、真似してなめたら、やはりドエライことになりました。苦笑

 

 

絶対真似しちゃダメです!!

 

(・・といっても、やっちゃう奴いるんだろうなあ。。。)

 

 

そしてこの半夏の毒性を消すのが生姜(生薬名しょうきょう:生のショウガ)なんですね。

 

 

因みに、半夏+生姜で小半夏湯という漢方薬で、これに茯苓を加えたのが、妊娠悪阻に良く用いられる小半夏加茯苓湯ですね。

 

 

この方剤は船酔いなんかにも応用されることがあり、実は小半夏加茯苓湯には、僕も以前助けられました。笑

 

小半夏加茯苓湯と船酔い 7

 

 

我々鍼灸師が、経穴の、ある一穴で盛り上がれるように、漢方家もあのように、生薬一つであーでもないこーでもないと盛り上がれるようであって欲しいな、楽しそうだな、と思いましたね。

 

 

 

臨床は、そりゃあ厳しいことも多々ありますが、やはり、仕事は基本的には楽しんでやらないと。

 

 

 

 

 

 

 

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(一社)北辰会、第12回古典ライブを視聴しました。

2022.06.17

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6.5(日)の朝に行われた、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義を視聴しました!!

 

 

今回も岡本一抱(1655-1716)『万病回春病因指南』を題材に、「嘔吐・翻胃(おうと・ほんい)」というテーマでの講義でした。

 

 

これねー、意外と多いんです。

 

 

特に若い人で。

 

 

最近も、消化器内科の先生から、比較的若い患者さんの「FD(Functional dyspepsia 機能性ディスペプシア)」の患者さんを紹介して頂き、何例か診ているところです。

 

 

実は僕自身も、20代のある時期に、一過性でしたが、嘔吐癖のようなものがついてしまったことがあって、以前はお酒を飲んでも相当飲まなければ吐くことはなかったのですが、

 

少し飲んだだけで吐くようになり、酒を飲んでいなくても常に悪心があるような状態となり、結構苦労した思い出があります。苦笑

 

 

また、患者さんでは、もう10年以上前ですが、すい臓がんの末期の患者さんで、亡くなる寸前まで診させてもらった患者さんでしたが、最後はもう黄疸が出て、嘔吐が止まらず、

 

吸い飲みの水や、自分の唾液を少し飲んだだけでも真っ黄色の胆汁まで吐いてしまい、非常に可哀想だったのをよく覚えています。

 

(まさに今回の講義で言う”翻胃”、”上膈”の病の状況だったんでしょうね。)

 

 

このように、軽症から重症まで、非常に様々な思い出がよぎる嘔吐ですが、今回の講義では「胃の冷え」に注目しつつ、「脾胃は寒熱の偏りを嫌う」ことに着眼せよ、という内容で、非常に参考になりました。

 

 

具体的には、嘔吐を治す時に、もし胃の冷えが原因のものであれば、生薬では生姜や山椒が重要になるということです。

 

 

酒ばっか飲んで嘔吐する人に、乾姜を使うことが重要とは、湿熱や湿痰を攻下する事ばかりを考えていた、20代の頃の僕にはほとんどない視点でしたね。笑

 

(・・・あの当時、とある有名な漢方の先生が、僕に対して温剤を処方した意味が、少し分かりました。)

 

 

まあ、平たく言えば、吐くことによって邪気を排出する側面と、吐くことによって正気が傷られる側面があり、そのバランスをよく考え、かつ、吐くことの原因を慎重に追及しないと、なかなか治らないよ、ってことですね。

 

 

あとは、酒飲んだら、基本的には運動と利尿が重要で、むやみに下したらいけないよ、とか、奥村先生が以前から盛んに研究されている「膜原」に対する理解、というのも、重要な指摘ですね。

 

 

やはり膈膜ライン、帯脈ライン、その中心にある胃土エリアは重要だ、というところに行き着きますね。

 

 

また、今回も奥村先生の古典研究の精緻さが光っており、日本の江戸期の古典の中に引用されている、中国の古典にさらに当たって、その文章の内容の違いから、

 

各時代、各国の先生方の考えを類推するという、ベーシックだけど非常に重要な研究方法で、いつもながら、頭が下がる思いがしました。

 

 

こうやって、臨床上よくある症状でも、歴史を掘り下げると、非常に奥が深いことがよく分かりますね。

 

 

なお、本ライブ配信は北辰会会員限定企画です。

 

 

これを機に入会の方はこちらからぜひ!!

 

 

 

 

 

 

 

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(一社)北辰会、第6回古典ライブを視聴しました!!

2021.10.23

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10.20(水)の夜は、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義を視聴してきました!!

 

 

10.20は満月であり、この日から秋の土用なんですね。

 

 

秋からいよいよ立冬に向かう18日間、何しろ養生が重要です。

 

 

今回のテーマは「咳嗽」です。

 

 

清明院のある東京も、今週からはグッと気温が下がって、咳の出ている患者さんもチラホラおります。

 

 

しかしコロナは今年最低の感染者数を更新。

 

 

人流は戻る一方です。

 

 

さて、これで第6波がどうなるか。

 

 

年内には、簡単に経口摂取できる治療薬が出るとか出ないとか。

 

 

ワクチン→治療薬→徐々にでも集団免疫の形成・・・、となって、もうそろそろ二年になるこの騒乱も、収束に向かうといいですね。

 

 

鍼灸、漢方などの東洋医学は、コロナ禍においても、予防も治療も後遺症にも、全てに役立つとは思うのですが、現状の日本では、コロナが2類感染症である以上、手は出せません。

 

 

ですので、何しろあらかじめ身体を調えて、かからない、万が一かかっても、重症化しない、後遺症も残さない、これに尽きますね。

 

 

さて、今回の内容ですが、咳のことを東洋医学でも西洋医学でも「咳嗽(がいそう)」と言いますが、咳(がい)と嗽(そう)の意味は微妙に違います。

 

 

具体的には、

 

咳:咳が出る時に声が出るけど痰が出にくいもの。肺が中心の病

 

嗽:咳が出る時に痰がでて声がない、あるいは出にくいもの。脾が中心の病。

 

ということです。(『雑病源流犀燭』より)

 

 

とはいえ、咳と来れば基本的には東洋医学では「肺」の異常を考えます。

 

 

今回の講義では、新風先生からも奥村先生からも、臨床家の心構えとして重要な発言が多数ありました。

 

 

『実用中医内科学』でも、よく読み飛ばしがちな歴史的な沿革を踏まえることが参考になる。

 

 

『症状鑑別診断学』”弁症状”の分類を読んで満足していてはいけない。

 

 

例えば”表寒虚に外関補法”みたいに機械的に配穴するのではなく、病因病理と穴位効能をよく踏まえて、その患者さんの病態に合わせて工夫した配穴をすることが重要。

 

 

などなど、金言至言が飛び出すこの講座、是非チェックしてください☆

 

 

また今回は、漢方医である竹本喜典先生からもコメントがあり、厚みがありましたね。

 

 

 

会員の方は勿論、これを機に入会の方はぜひ!!

 

 

 

 

 

 

 

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(一社)北辰会ツイキャスライブを視聴しました。

2021.08.31

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8.29の日曜日は、(一社)北辰会ツイキャスライブ配信を視聴しました!!

 

 

今回のテーマは

 

「起きられない子供たち」

 

 

講師は奈良のタケモトクリニック院長である竹本喜典先生です。

 

 

最近増加傾向といわれる、朝起きられない子供たち。

 

 

かつてこれを、「フクロウ型」体質と名付け、苓桂朮甘湯という漢方薬を中心に使って治療した、山本巌先生(故人)という漢方家がおりました。

 

(因みに朝から元気バリバリで強い体質に見えるけど、中年以降高血圧や糖尿病になるようなタイプの人のことは”ヒバリ型”と名付けました。)

 

 

現代においても、この「フクロウ型」を専門に治療する漢方外来が福岡県の久留米にあります。

 

 

今回は、山本巌先生が残した『東医雑録』という書籍を参考にしつつ、このいわゆる「フクロウ型」と思われるような体質の子供たちの症例から、

 

北辰会方式を漢方の臨床にどのように運用するのか、という興味深いテーマでご講義いただきました。

 

 

話は肝の臓の病理、脾の臓の病理、痰飲の取り方に及び、北辰会ではあまり強調されることの無い「肝気虚」という病理に関して、考え方や配穴に関して、

 

藤本新風先生からも補足講義して頂きました。

 

 

後日聞いたら、新風先生の補足は、さらにブログ等でして下さるそうなので、専門家の方は是非ご注目下さい。

 

 

また、少し専門的で上級編の話にはなりますが、いわゆる日本漢方の漢方医の先生方が取っている腹診所見というのも、北辰会なら上手に臨床(弁証論治)に取り込めるのではないかな、

 

という雰囲気も感じることが出来ました。

 

 

今後、東洋医学を実践している鍼灸家が、漢方家と連携するシーンも増えてくると思いますので、漢方に関する知識を習得しておくことは重要ですね。

 

 

 

 

 

 

 

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内因・外因・不内外因

2019.11.13

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現在の鍼灸学校で使われている『新版 東洋医学概論』の教科書において、「病因」「古典的病因」「(現在の)病因」と分けられており、

 

「古典的病因」として「内因・外因・不内外因」というものが書かれている。

 

 

基本として重要ながら、これまで書いていなかったようなので、ここに書いておきましょ。(笑)

 

 

「病因」というのは言うまでもなく「東洋医学的な病気の原因」という意味です。

 

 

「古典的病因(内因・外因・不内外因)」というのは、中国宋代の陳無択(別名:陳言(1131-1189))が撰した『三因極一病証方論(別名:三因方)』に書いてある分類です。

 

 

それに対して「(現在の)病因」というのは、現代中医学における分類法、と考えていいでしょう。

 

 

「古典的病因」の内訳は、

 

外因:六淫(風・寒・暑・湿・燥・火の6つの邪気のこと)、疫癘(えきれい:強力な伝染病、流行性の病のこと)

 

内因:七情(怒・喜・思・悲・憂・恐・驚)の過不足

 

不内外因:飲食不節、労逸、房事過多、外傷、鳥獣傷など

 

と言われます。

 

 

で、「(現在の)病因」として、

 

外感病因:六淫、疫癘

 

内傷病因:七情、飲食不節、労逸、房事過多

 

病理産物その他の病因:痰湿、瘀血、内生五邪(風・寒・熱・湿・燥)、外傷

 

と分類されています。

 

「中医学的分類」と書けばいいのに、なぜ書かないんだろうか。。。)

 

 

いずれにせよ、これらの病因によって、気血津液の流れが悪くなったのが「病気」であるわけです。

 

 

臨床では、これらの病因が、「どこをどのように」侵し、結果的に今現在どのような不調が起こっているのかを明確にして、よーく的を絞り込んで治療すると、

 

いい結果が得られます☆

 

 

 

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