東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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鍼灸には保険が効かない!?(その1)

2010.03.21

この間、いいコメントをいただきましたので、「鍼灸と保険」というテーマで何回かに分けて書こうかな、と思います。

(そういうことにも目を向けていかないとね。現実は大事です。目をそらさずに行きましょう!)

 


まず初めに、今現在、日本は言うまでもなく「国民皆保険制度」というものを採用しています。

 

これのお蔭で、前年の収入に応じて1~3割の負担金で国民誰でもが低額で医療を受けることが出来ます。

(皆さん持ってますよね?保険証。)

 


仮に収入がなくても、生活保護制度、後期高齢者医療制度等によって、その権利は守られますし、病気によっては全額公費負担になる制度もあります。

 

とても弱者思いの、いい制度ですよね。

 


しかしこれは、「保険医療機関」での治療がメイン(というかほとんど)です。

 


つまり、国家資格である「医師免許」「歯科医師免許」を持った医師が営業している、病院、医院、診療所、クリニック、歯科医院での治療に関して、

 

保険者(国や保険組合等)から治療費の大部分(7~9割)が支払われるわけです。

 


あと一部、柔道整復師がやっている接骨院、整骨院でも保険が使える、という認識があります。

 


しかしこれは正確に言うと、接骨院の場合は原則として、一度窓口で治療費を全額(10割分全額)払って、
自分の保険負担割合との差額分を、

 

患者さん自身が、自分で保険者(例えば国保なら区役所)に請求する、という方法をとるものです。


(あくまで「原則」としてね。)

 


しかしそれだと、一時的にでも患者さんの負担が大きくなりますので、多くの(というかほとんど全ての)接骨院では、「受領委任」といって、

 

保険者への差額の請求手続きを接骨院が代行するため、窓口では一部負担金のみをいただく、という形をとっています。

 


接骨院に治療に行ったことのある方は、申請書にサインを求められた経験があると思います。

 


これは、上記の手続きを接骨院さんの方に任せますよ、という確認なんです。

 


これにより、接骨院、整骨院では保険が使える、という認識が国民に浸透しています。

 


もう一つ言うと、接骨院で保険が使えるのは「骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷の5つの外傷(ケガ)のみ」についてです。

 


最近、慢性の腰痛や肩こり、単なる疲労感などに対する不正な保険請求が問題になっていますね・・・。

 

(逮捕者も全国に出ています)

 


ではいよいよ、鍼灸の場合はどうかというと、一応、保険は使えます。

 


・・・が、なぜかほとんど全然、使っている鍼灸院ありませんよね?

 


これはなぜかというと、保険を使って鍼灸を受けるためには、「医師による同意書」というものが必要になることと、保険制度においては、

 

一回の治療費がかなり低く設定されていること(総額でなんと1500円程度!)が理由になると思います。

 

しかも、保険適用になる症状として、「腰痛、頸肩腕症候群、リウマチ、五十肩、神経痛、頸椎捻挫後遺症」という、たった6つの疾病に限定(!)されており、

 

なおかつ、ひと月の治療回数、治療開始から終了の期間に至るまで、全て同意書を書いた医師が決定します。

 


さらには、上記6つの疾病を、病院と鍼灸院で併療(同時に治療)することは認められていません。

 


これまでに、患者さんがそのことを知らずに、同じ疾病で医院と鍼灸院に同時にかかってしまって、鍼灸院に「だけ」保険者から治療費が支払われなかった、

 

なんていう恐ろしい事例もあったようです。

 


しかも、今では撤廃されましたが、つい最近までは、鍼灸の治療回数には、なぜか法的に制限(ひと月10回までだったかな?)があり、

とてもまともに商売できるような仕組みではございませんでした。

 


そのため、保険専門の鍼灸院というものはほとんどなく、積極的に保険を使っている鍼灸院は、単純にすぐ隣にある医院と業務提携していたり、

単純にそこの鍼灸院の院長の親や親戚が医師であったり、という特殊な場合以外は、なかなか導入しにくいのが現状です。


「・・・あのさー、これ、なんか不公平じゃない?」

と思います。

 

さも日本という国に、保険制度に、鍼灸なんて効かない、嫌いじゃ、滅びよ!と言われているような気ィすらします。(苦笑)

 


しかも前回のブログにも書いたように、患者さんからは怪しい、痛そう、熱そう、恐いなんて言われます。(苦笑)

 


なんで、こんなことになるんでしょう。僕ら一生懸命やってるつもりなんだけどなー・・・。

 


毎日毎日、睡眠時間、遊ぶ時間を削って、鍼の本を読み、休日は勉強会にいき、知識、技術を少しでも高め、
患者さんの健康に少しでも寄与しようと頑張っているのは、

 

鍼灸の学術を最大化するためであって、こんな扱いを受けるためじゃない!

 


・・・とかって、卑屈になったこともあります。でも冷静に考えれば、こうなるには、それなりの理由、いきさつがあったはずです。


(次回に続く)

 

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鍼灸は「ワラ」!?

2010.03.19

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よく初診の患者さんに、

「病院やら整骨院やら、色々かかったけど治らないから、ワラをもつかむ思いで来ました。」

と言われることがあります。

 

これ、僕はいつもココロの中で、

「別に鍼はワラじゃないけどネ(苦笑)」

と突っ込んでしまいます。

 

 

昨日も書いたように、現代の日本において、東洋医学、鍼灸、漢方というのは、とかく「日かげの医療」的なイメージが強いようです。

 

ワケ分からんけど、なんだかしんないけど効きそうだ!、とか、怪しいけど、他で治んないんだからしょうがない、信じてみようかな・・・、とか、

 

とにかくマイナスイメージが強いようです。

 

初診患者さんに鍼を打った時、よく、

「エ?今ホントに鍼刺したんですか!?全然痛くない・・・。」

なんて言われることがあります。

 

(100%じゃないよ。場所によっては蚊に刺された程度、チクッとすることもあります。)

 

鍼は痛そう、お灸は熱そう、そんでもって東洋医学は怪しい。院長の見た目もなんだかロン毛でチョンマゲで、ますます怪しい・・・。

 

そんな思いを抱えながら勇気を出して治療にやってきて、まったく痛くない1本の鍼。人間というのは面白いもので、そうすると今度は、

「こんなんで本当に治るの??」

と始まります。(笑)

 

 

僕としてはそうきた時は、

「ええ治ります。だから僕は生活できています。」

と答えるほかないんですが、その言葉がなかなか信じられない患者さんは、残念ながら治療に来なくなる(あきらめてしまう)場合もあります。

 

もちろんそうなってしまったら、お互いに楽しくありませんから、なるべく希望を持っていただくために、治療直後に体(症状)の変化が分かるような治療を心がけています。

 

現在の日本では、東洋医学の効果は、「知ってる人のみが得をする」みたいな、おかしな話になっちゃってます。

 

東洋医学は高い臨床効果を持つ伝統的な「医学」です。

 

 

ただ、西洋医学とは人体に対する認識の仕方が根本的に違うため、西洋医学で治らないものがあっけなく治ったりする事実があります。

 

 

でもこれも別に奇跡などではなく、ある意味当然のことであり、その逆も大いにあるため、別にそのことを声高に自慢する気もしません。

 

ですから、「東洋医学で治った=奇跡」とか「東洋医学で治らなかった=迷信」ではないのです。

 

東西の医学それぞれに得意分野があり、それをどこまで表現できるかは、実践する者次第なんです。

 

なんか話がそれていってますが、要するに鍼は「ワラ」とか「最後の砦」じゃなく、何か体の不調を起こした時にファーストチョイスしても全然OK、

 

むしろするべきの、れっきとした「医学」である、ということです。

 

 

 

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小麦アレルギー

2010.03.12

昨日、珍しく親戚からメールが入りました。

何でも、身内が「小麦アレルギー」になった(判明した)とのこと。

・・・以前から、その親戚は何となくアレルギー体質っぽい印象はあり、注意するようにと伝えてあったんですが、

「はやっ!」

と思いました。


もちろん即座に、

「鍼するべき!」

とメールしましたが、今ホントに多いですね、アレルギー。


これはねー、花粉症についての時も書いたけども、内的、外的のありとあらゆる要因が複雑に絡んでいるんでしょう。


今回のケースで考えれば、どうやら小麦が外的要因、ということはおぼろげに分かりますが、内的要因について、となると現代医学的には不明な点が多いようです。

・・・そうなると根本治療(アレルギー反応自体を全く起こさないようにする)は不可能、というか不明、となり、治療は小麦と、小麦の入った食品を摂取しないことと、

もし湿疹等の症状が出てしまった場合は軟膏等で対症療法的に抑えよう、それしかない、となる訳です。

この、患者さんにとっては大変厳しい場面で、東洋医学がパワーを発揮します。

同じ小麦アレルギーでも、よくよく観察していくと、必ずその患者さん独特の「特徴」が出てきます。


まず、最近発症したということであれば、「春先」に初発、ということが分かります。

その時点で、こないだ花粉症の時に述べたように、「肝の臓」「胆の腑」「木気(風邪)の関与」の関与を疑います。

また、食餌性(しょくじせい)のアレルギーというのは、花粉などと違って、食べるものに対する反応ですから、

「肝」以外にも「脾の臓」や「胃の腑」の関与もありうるかもしれません。

そして、湿疹が出た、ということになれば、それがじゅくじゅくしたものか、カサカサしたものか、赤みはどうか、熱は持っていたか、出た場所はどこか、

などを詳しく聞いて、調べていくことにより、徐々に「体の内面」「どこがどう」おかしくなっているか、という問題が明らかになってきます。

コレを整えていくことによって、結果的に「小麦」という食品に「普通に」、「人並みに」対応できる状態に持っていければいい訳です。

「エエ!?小麦アレルギーって、肝臓や胃が悪いんですか!?」

と思った方が、もしいたらいけませんので、これは何度も何度も繰り返し、しつこくしつこく述べていますが、東洋医学の言う内臓学と、西洋医学の言う内臓学には違いがあり、

 

当然、東洋医学の言う「肝の臓」と、西洋医学の言う「肝臓=Liver」は違います。


五臓六腑ってなんですか? 参照

・・・まあ要するに、人間は物質代謝が基本な訳で、「動く」と「寝る」のバランスが重要であるのと同じように、「食べる」と「出す」のバランス、

つまり、「同化」と「異化」のバランスがキチッと取れていれば、大概の病気は治っていくんだと思います。

現代病と言われる「アレルギー疾患」、今後も注視していきたいと思います。

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三寒四温

2010.03.04

いや~、せっかく暖かくなってきたと思ったら、先週末ぐらいからまた寒くなっちゃいましたネ・・。

 


ところで昔から、この時期のことを「三寒四温」と呼んでいます。

 


これは、朝鮮半島や中国北東部でも同じような現象があるらしく、3日寒い日が続き、その後4日は暖かい日が続く、
という、7日間周期の独特な現象なんだそうです。

 


これが大体お彼岸(春分の日)ぐらいまで続くので、「暑さ寒さも彼岸まで」なんて言葉もあります。

・・・ところで我々東洋医学を実践する者にとっては、この時期はやっかいです。

 


なぜなら、人間の体には、暖かい日には皮膚がゆるんで、汗や水蒸気を発散して体にこもった余分な熱を発散し、寒い日には皮膚を緊張させて、

 

熱(陽気)を漏らさないようにするという、いわば

 

「自ら陰陽バランスを調節する」

 

霊妙で重要な働きがあるのですが、これがあまりにも頻繁に、交互に行われると、この働きがついていけず、病になることがあります。

 

 


しかも、春先という時期は気が上にのぼせ易い時期でもあります。

 

これについてもそのうち解説しようと思いますが、この時期によく問題になる「花粉症」なんていう病気は、その典型例です。

 


要は、寒いなら寒いまま、暑いなら暑いまま、であれば、体の調節機能も余裕で対応できるけれども、
これがあまりにも「頻繁で極端」だと、

 

ついていけなくなる人が出てくる、ということです。

 


これの治療を考える上では、発散できずにこもってしまった「熱」にとらわれたり、発散しすぎて冷えてしまった「寒」にとらわれ過ぎると、


治療した翌日の気候いかんによっては、症状を悪化させることがあります。

 


そこで、こういう不安定な時期は、あまり極端な治療はあえてせずに、治療した翌日が暑くても寒くても、患者さんが上手に、スムーズに対応できるような治療を考えなくてはなりません。


(もちろん患者さん一人ひとりに合わせて個別にね。)

 


ここら辺が、この時期のあらゆる病変に対する治療の、難しくもあり、面白いところでもあります。

 


・・・ところで、全然話変わるけど、もう終わっちゃったけど、「ひな祭り」ってなんでしょうかね?

 

 


次回はそのお話。

 

 

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「八綱」って何ですか?

2010.02.25

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前回まで、

ⅰ.「表裏」

ⅱ.「寒熱」

ⅲ.「虚実」

という、3つのテーマについて書いてきました。

 

 

そして、東洋医学ではこれらの考え方を使って、患者さんの

「どこに(病位)」

「どういう(病性)」

病があり、

 

「その勢い(病勢)」

 

はどうなのかを、まず大まかに診断するんだよ、ということを述べました。

 


この考え方(診断方法)を、

「八綱弁証(はっこうべんしょう)」

と言い、これは東洋医学的な鍼灸治療をする上で、絶対にはずせない診断法(弁証法)の一つです。

 

 

歴史的には、清代の程国彭(ていこくほう)が1732年に撰した『医学心悟』の中の「寒熱虚実表裏陰陽辦」に説かれ、

 

その考えは1742年、呉謙『医宗金鑑』にも引き継がれ、現代中医学の弁証法の基本の一つになりました。

 


なぜ「八綱」と言うのかというと、組み合わせとして、

「表か裏か」の2、

「寒か熱か」の2、

「虚か実か」の2

を掛け合わせると2の3乗となり、2x2x2=8パターンが得られます。

 


すなわち、全部は書かないけど、「表、寒、実」とか、「表、熱、実」・・・とかって組み合わせていくと、8通りの組み合わせが得られ、

 

それを「八綱(はっこう)」と呼び、大まかに病気を分類することが出来る訳です。

 

因みに、ここでしっかりと断っておきますが、上記は私の個人的な考えです。

 

 

中医学の教科書には、どの本にも八の要素を並列に並べて、陰陽、表裏、寒熱、虚実で八綱、という風に解説されていますが、個人的には上記の説に一票、という感じなんです。

 

(何の本で読んだか忘れたけど。。(^^;))

 

 

これは私の「八」に対する解釈にもかかわってきます。

 

 

奇経八脈の八、八法の八、八卦の八にしても、やはり総綱としての「二(陰陽)」があり、それの組み合わせや現れ方の違いのために他の「六」がある、

 

と考えた方が、個人的には納得できることが多いからです。

 

(まあ些末な話っちゃ話だけどね)

 

 


患者さんの病気のパターンが、この8パターンのうちのどこに収まるか、ということは、我々にとってとても大事です。

 


なぜなら、これによって「治療の大まかな方向性」が決定づけられるからです。

 


病気というのは、患者さんが訴える、表面的な「症状」にのみとらわれて、治療や診断そのものが右往左往していては、なかなか治っていきません。

 


大事なのは、その症状を出さしめている本質は何か、要は病の本体は何なのか、ということを常に意識して治療を進めることなんです。

 


そうしないと、治るものも治らないんです。

 

 

これを中医学では「治病求本」といい、2500年前の東洋医学のバイブルである『黄帝内経素問』陰陽応象大論(5)「・・治病必求於本.・・」とある通りです。

 

 


治療を技術論と考えると、本当に治療のうまい先生ほど、この「八綱弁証」が正確で、かつブレないんだと思います。

 


・・・ですから治療経過の中で、多少の症状の増減はあろうと、方向性が正しい訳だから、結果的には徐々に徐々に、確実に治っていく訳ですね。

 

 

ここが正確であれば、術者もフラフラすることなく、一貫性のある治療を進めることが出来るわけです。

 

まあ、ちょっとこのシリーズは難しかったかもしれないけど、とても大事な考え方なので、あえて書きました。

 

・・・ところで、清明院のHPにもこのブログにも、よく「弁証(べんしょう)」とか、「弁証論治(べんしょうろんち)」という言葉が出てきます。

 

コレ、聞き慣れませんよね?次回はそのお話。

 

 

 

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「表裏」って何ですか?

2010.02.24

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・・・続いて、「表裏(ひょうり)」についてです。

 


日常会話の中でも、

「表裏一体」
とか、

「表裏(おもてうら)のない人」

とか、よく言いますよね。

 


要するに「表(ひょう)」というのは見えてる部分、「裏(り)」というのは見えない部分のことを意味します。

 


この意味から、「表の病」というのは、「見えてる病」「表面的な病」という意味を持ち、要は病気の位置が浅いですよ、ということを示します。

 


浅い、と言うと、じゃあアトピーなどの皮膚の病気は「表の病」か、ということになりますが、そうではありません。

 


症状の出ている部位のことではなく、あくまでも、主な病変部位(言わば主戦場、症状の原因となる、陰陽バランスの崩れた場所)が浅い部位にある病を「表の病」と言います。

 

 

ですので、慢性のアトピーなどでは、症状が出ているのは皮膚であっても、主な病変部位は内臓(臓腑)の機能異常、バランス異常だったりするので、

 

「裏の病」という判断になる訳です。

 


「表の病」の例を挙げると、体の外からガンガン冷やされたり、あるいは乾燥して喉が痛いなどの、かぜの初期段階なんかが相当します。

 


これに対して「裏の病」というのは、「見えない病」「深い部分の病」という意味を持ち、深い部分、すなわち、繰り返しになりますが「臓腑」に病があるものを言います。

 


これも、簡単に「深い」と言ってしまうと、西洋医学的な肝炎とか腎炎とか胃炎などの、内臓の炎症疾患とかを想像しますが、そういう意味ではありません。

 


東洋医学の言う「臓腑」の病変と、西洋医学の言う「内臓=organ」の病変とは、意味が違います。

 

 

東洋医学では、内臓の形体的な異常に注目しているのではなく、五臓六腑それぞれの機能のバランスの乱れに注目しているのです。

 

ここは混同しないようにしたいですね。

 

 


ですので、慢性の頑固な病気などは、ほとんどが「裏の病」の範疇に入ってきます。

 


たとえ、肩こりであっても、です。

 

 

このように、東洋医学では”表裏”という概念(ものさし)を使って、病変(陰陽バランスの乱れ)が起こっている部位(位置)を考えますので、この考え方を「病位」と言います。

 


我々は、前回、前々回とお伝えしてきた「虚実(病勢)」「寒熱(病性)」「表裏(病位)」という、東洋医学独特の分類概念を駆使して、

 

「病の趨勢」「病の性質」「病の部位」という観点から、まず大まかに患者さんの病気を大きく「陰陽」に分析する訳です。

 

 

この「虚実」の2つ、「寒熱」の2つ、「表裏」の2つの物差しを使って、まず病を大きく「陰陽」の2つに分けることを、

 

「8つの綱領を弁(わきま)える」という意味で「八綱弁証」と言います。

 

 

因みに個人的には「虚実」の2、「寒熱」の2、「表裏」の2をそれぞれ組み合わせると、「虚・寒・表」「虚・寒・裏」「虚・熱・表」・・・と、組み合わせが8通りできるので、

 

その8通りの組み合わせに、とりあえず全ての病を概括できるという意味で「八綱弁証」という理解の方が好きだったりします。

 

 

この分類概念(弁証法)は、実は他にもまだまだあります。

 


そのうち気が向いたら書こうかな、と思います(笑)

 


それで、「ここぞ!!」というところに鍼灸を施し、アンバランスを整え、治療させていただく訳ですね。

 

 


東洋医学は、とっても科学的で芸術的な医学なんです。

 

 

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「虚実」って何ですか?

2010.02.22

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今日から、東洋医学独特のいくつかの考え方について、簡単に述べてみようと思います。

 


まずは「虚実(きょじつ)」についてです。

 


古代中国の自然哲学では、何もかも全てのもの(森羅万象)を「気」から出来ていると考え、それを「陰陽」の二つに分けて考え、その運動で持ってすべての事象を説明する、という話は、以前にしました。


「気」って何ですか?

「陰陽」って何ですか?  参照

 

 

・・・東洋医学では、この考え方を当然、人体においても用いている訳ですが、「病気」というものを考えた場合、問題になるのは、

その陰陽のバランスがどう崩れているか、

どうすれば元通りに出来るか、

というところですよね?

 

そこで使う考え方が

「虚実(きょじつ)」や、

「寒熱(かんねつ)」や、

「表裏(ひょうり)」

という概念です。

 


このうち、まず「虚実」ですが、

 

「虚(きょ)」というのは、字のまんまですが、「うつろ」とか「足りない」ということを意味します。

 

「実(じつ)」はその反対で、「充実している」「過剰である」という意味があります。

 


この考え方から、何かが足らなくなった病気を

「虚証(きょしょう)の病」

と言い、何かが過剰になった病気を

「実証(じっしょう)の病」

と言います。

 

 

「虚証の病」であれば、病気を試合や戦に例えれば、防戦一方、という感じになりますし、「実証の病」であれば、バチバチの殴り合い、激しい交戦状態を示します。

 

 

そこからして、この”虚実”のことを「病勢」と呼んだりします。

 


そして、さらに細かく具体的に、「どこの」「何が」足らないのか、「どこの」「何が」過剰なのかを考えて、それがいち早くもとに戻るように考えて、戦略的に治療します。

 


因みに、邪気と戦う「正気(せいき)」が過剰(実)で、「邪気(じゃき)」が足らない状態(虚)なんであれば、それは健康体ということですから、治療対象にはなりません。(笑)

 

「病体」というのは、必ず正気が虚、あるいは邪気が実、またはその両方が混在している、という状態になっている、と考えます。

 


我々が普段行っている診察(四診:望聞問切)というのは、ここからさらに


「虚」の中心(根本原因)

 

や、


「実」の中心(根本原因)


を突きとめ、明らかにするために行います。

 


そしてそれを突きとめたならば、うつろなところが充実するよう、あるいは過剰な部分が散って落ち着く(平均化する)よう、鍼灸を施したり、漢方薬を飲んでいただいたりする訳ですね。

 


故に、「虚実」は、鍼をする上で、絶対に外せない考え方の一つなのであります。

 

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「養生」と「鍼灸」

2010.02.19

明日から暖かくなるようですね。

ようやく、というところでしょうか。(苦笑)

・・・しかし、ここのところの寒さは異常ですね~。

そんなわけでかぜひきさんをよく診るんですが、よく患者さんから、

「「かぜ」って鍼で治療できますか?」

と聞かれることがあります。この質問に対して、僕はいつも

「もちろんできます。ただ、摂生が一番ですがネ。。」

と答えています。


東洋医学では古くから、現代医学で言うウイルスや細菌による急性の病気のことを指して、

「外感病(がいかんびょう)」

と呼んで、様々な治療法を考案し、成果をあげています。

(漢方薬はもちろん、鍼灸でも、です。)


この理論に従って治療をすれば、直後にその場でのどの痛みがとれたり、発汗して熱が下がったり、寒気や関節痛がとれたりすることはよく経験します。

(ちなみに今日もありました(笑))


・・・しかし、どんなに無理していようとも、鍼していればオールオーケーかと言うと、残念ながらそうではありません。


やはり基本は十分な睡眠、胃腸への負担の軽い食事、安静(無理に動かない)です。


それをやった上で、鍼で「病気と闘う力」、「治る力」を高めてやれば、より効果的で、早く治るよ、ということです。


「鍼」があまりにも高い効果を示して、それに慣れると、一にも二にも「養生」が大事だ、ということを忘れがちになります。


しかしこれは逆に言うと、まずはしっかり養生して、鍼灸で体のバランスを整えていれば、あらゆる病を予防できるよ、ということでもあります。

・・・あと少しで暖かくなります。


鍼と養生で、なんとか乗り切りましょう!

 

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「驚」について

2010.02.05

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七情シリーズ、ラストは「驚」についてです。

「驚」という感情は、前回の「恐」という感情とセットで書かれることが多いです。

「恐」について 参照

ダメージがいく臓は「心」と「腎」であります。

 

【参考】

燎原『基礎中医学』P118

『黄帝内経素問 経脉別論(21)』「・・有所驚恐.喘出於肺.淫氣傷心.・・」「・・驚而奪精.汗出於心.・・」

『同 挙痛論(39)』「・・驚則心無所倚.神無所歸.慮無所定.故氣亂矣.・・」

 

 

また、「心の臓」「腎の臓」以外にも、少陽、陽明、少陰、肝の熱など、あらゆる病機で、「驚」という現象が起こることを、『黄帝内経』では教えてくれております。

 


また、当然ながら「驚」「恐」の両者は違います。

「驚」・・・驚く、という感情は、多くは一過性のものです。

ある事柄があって、それに対して2年も3年も継続してずーっと驚き続けている人、見たことあります?

それとか、

「今まさに驚いているところです。」

ということを、驚いている最中に人に話したり、出来ますか?

・・・というのは、例えば物陰から急に飛び出して

「ワッ!」

と脅かされた場合、一瞬、

「うわっ。」

となって「驚」という感情変化をし、その後、腰が抜けたり、ドキドキしたりしますが、すぐに落ち着きますよね?

その直後に大体みんな、

「あ~ビックリ”した”~!!」

っていうのは、すでに過去の話ですよね?

それを考えれば分かるように、「驚」という感情変化は、それ自体が「一過性のもの」という特徴を持っています。

 

それに対して「恐」・・恐れる、という感情は、その対象に対して徐々に蓄積されたり、逃れようのない過去のトラウマ(心の傷)に起因していたりします。

ただし、じゃあ「驚」の方が体に与える影響が軽いかと言うと、そうではありません。

「一過性」であるだけに「慣れにくい」という面があり、同じパターンの事柄に何度も「驚く」という面があります。

また、最初に書いたように、「驚」「腎の臓」にも悪影響を与えつつ、「心の臓」にも悪影響を与えます。

「心」については「喜」のところで出てきました。

 ☞ 「喜」について 参照

「驚」は主に「心」の、正常な思考をつかさどる機能を障害するため、驚いた時、ドキドキし、訳のわからない行動や言動をしたりする訳ですね。

それを考えると「驚」「恐」もイヤなもんですねえ・・。(苦笑)

そしてこれら2つが、時にセットで生じて、人体の正常な状態を犯す、と東洋医学では考える訳です。

ちなみに、『黄帝内経 素問』挙痛論(39)という項には、

「驚けば気が乱れる」

という記載が出てきます。

 

逆に言うと、何らかの別の原因で「心の臓」や「腎の臓」が弱っていたり、他臓とのバランスが悪くなっていたりすれば、大したことない刺激にも「驚きやすく」なってしまい、

 

全身の気の流れが乱れやすくなってしまいます。

 

これが酷くなれば、いわゆる「精神病」と言われるような状態となっていきます。

また、デカルト科学で有名なデカルトさん(1596-1650)は、その最後の著作である『情念論』の中で、”基本6情念”なるものを定義し、

 

そのトップに「驚(驚き)」を挙げています。

この”基本6情念”というのは、デカルトさん曰く、あらゆる情念の基本となるものとし、色で言えば原色にあたるもの、と考えているようです。

それのトップに「驚」がきているのは大変興味深いですね。

・・・まあ、これ以上は難しくなるので解説はしませんが、興味ある人は読んでみて下さい。(笑)

次回は、「七情について」を、簡単にまとめてみようと思います。

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「怒」について

2010.01.30

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日常で、「怒」という感情を感じること、ありますよね??

ちなみに僕はほぼ毎日あります(苦笑)

・・・ただ、大事なのは、不愉快なことがあった時にこの「怒」という感情を感じること自体はまったく普通(当たり前)のことであり、

いたって健康的なことです。

これが過度になったり、変に我慢したりすると体に悪影響が出る、と東洋医学では指摘しています。

よく「怒」という感情を感じた時、「頭に来る」とか、「てっぺんに来る」とか、あるいは「怒髪天を衝く」なんて言い方、ありますよね。

これは要するに、体の上部に「気」が集まる、つまり上半身、頭部にのぼせる、ということを言っております。

 

こういった記載は、『黄帝内経』の中にも出てきます。

 

【参考】

『素問 挙痛論(39)』「・・怒則氣上・・」「・・怒則氣逆・・」

『霊枢 邪気蔵府病形(4)』「・・若有所大怒.氣上而不下.・・」

『霊枢 五変(46)』「・・怒則氣上逆.・・」、)

だから怒ってばかりいる人は「気」が頭部で渋滞を起こした結果、頭部の血行が悪くなって、鬱滞して鬱熱を生じ、結果的にハゲやすいんです。

(苦笑・・これは半分冗談、半分本気です。)


また、東洋医学には、

「怒は肝(かん)をやぶる」

という言葉があります。

 

『黄帝内経素問 陰陽応象大論(5)』です。)

面白いですね。感情の種類によって、ダメージを受ける部分が違う、という考え方は、現代の最先端の脳科学にも通じるものがあるそうです。


とはいえ、まあいつも言いますが、ここで注意しなくてはいけないのは、東洋医学の「肝の臓」と、西洋医学の「肝臓=liver」は別物だ、ということです。

 ☞ 「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」って何ですか?   参照

 

ですので、怒ってばっかりいる人が西洋医学的に肝炎や肝硬変になりやすい、という訳では無いです。

 

 

東洋医学の言う「肝の臓」の病変を発症しやすい、ということです。

 


この場合、東洋医学の言う「肝」の色々な機能のうち、特に

「全身にバランスよく気血を巡らせる働き(中医学のいう”疏泄(そせつ)”の働き)」

が低下し、頭痛やめまいなどなど、上半身を中心に、全身の様々な症状が出てくることが多いように思います。

毎日患者さんを診ていますと、この「肝の臓」の異常によって症状を出している患者さんが、非常に多いです。

 

(ほとんどと言ってもいいと思います。)

現代人は、怒り過ぎ、あるいは我慢しすぎなんでしょうかね・・。(苦笑)

愉快なことがあれば、その分不愉快なこともある、これは当り前の話です。

それに対して「普通に」怒れる日々を送りたいですね。

(・・・コレがなかなか難しいんだけどネ(笑))

次回は「喜」についてです。

 

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