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2009.12.20
(その1)では、現代人は水分を飲む量が多過ぎてることが多いように思う、というお話をしました。
今日はその続きとして、飲むものの種類(質)について考えてみたいと思います。
清明院では初診時、(一社)北辰会専用カルテを使用しています。
ここには、一日の水分摂取量と、尿の量の比較、また、カフェイン類(コーヒー、紅茶etc..)をどのくらい摂っているか、飲酒量と飲酒頻度はどうか、
などなど、詳しく質問事項が並べてあります。
「飲み物」というのは、当然それぞれの種類によって、体内に入った時に人体に及ぼす影響は異なります。
東洋医学では、単なる「水」でさえも、30種類程度に分類して考えている(ホジュンにも出てきましたね☆)ほど、飲み物が持つ作用というのは、
時には薬にもなり、時には毒にもなる、と考え、大変重要視しています。
つまり、飲み物の種類、量、出入りのバランス、体表所見や症状をトータルで考えて、摂取している水分がその人にとって余分な「毒」になる場合、
結果的に体内に「余分なお水」が増えてしまって、それが結果的に「ムクミ」となる訳です。
ここで、この世の全ての飲み物について解説することなど、到底出来ませんし、そういった専門書もたくさんありますので、ここでは、患者さん向けに、
おおよその傾向を述べますので、参考にしていただければ、と思います。
1.甘い飲み物(糖分の多いもの。たくさんありますね。)
・・・心身の緊張を緩め、少量、適量であれば胃腸には良い。しかし飲み過ぎればかえって胃腸を弱らせ、便秘、のぼせ、慢性の炎症などのもとになる。
2.苦い飲み物(コーヒーが代表選手かな。)
・・・これも心身の緊張を和らげ、適量であれば便秘やのぼせの解消に役立つ。しかし飲み過ぎればかえってのぼせて、全身的には冷える。
3.酸っぱい飲み物(果汁100%ジュースとか、ああいうのの甘くないやつね。)
・・・これは体を引き締め、シャキッとさせますが、飲み過ぎれば血行を悪くし、体を冷やします。
4.冷たいものがいいのか、温かいものがいいのか
・・・これはその人の体質によってケースバイケースなんですが、基本的には極端に冷たいもの、極端に熱いものは避けて、一気飲みはしないように、チビチビ飲むのが無難でしょう。
5.お酒は?
・・・お酒は「百薬の長」という言葉があるくらいで、適量であれば、心身の緊張をほぐし、血行を良くする作用があります。
問題は飲み過ぎた場合、胃腸、肝臓、腎臓、その他内臓を弱らせ、慢性炎症、その他様々な症状の原因、引き金になりえます。
まあ、もろ刃の剣ですな。(苦笑)
6.カフェイン類は?
・・・これは、ここぞ!という時に使うべきであって、日常的に常用、過飲するのはお勧めできません。常用していると徐々に体の上下のバランスを大いに崩すようです。
(いわゆる冷えのぼせみたいな状態ですね。)
・・・とまあ、超簡単にザックリと示してみました。
まだまだ挙げていけばキリがないんですが、結局は、量的にも質的にも「偏らない」ことがとても大事だ、ということです。
色々な物をバランスよく、しかも全体量として行き過ぎない程度に飲む、というのが理想なんです。
ちなみに、これは何も東洋医学独特の考え方でなく、現代の最先端の栄養学でも、ほぼ同じような結論に至っているようです。
よく知られた言葉で、「医食同源(いしょくどうげん)」という言葉があります。
(因みに「医食同源」という言葉自体は東洋医学にはないようですが。参考サイト)
上記のような飲食物の特性を知っていれば、体調が悪い時、何かを控えて、何かを多めに摂るだけで、特別に鍼灸、漢方で治療なんてしなくても、
自分で十分に対応できちゃいます。
まさに「未病を治す」ことが出来る訳です。
普段の自分自身の食生活の傾向を知っておくことは大変重要ですので、この機会によく見直してみるといいと思います。
調子の悪い人はたいがい「偏り」があるはずです。
まさに東洋医学のいう「陰陽」のアンバランスなんですね。
◆参考文献
『東方栄養新書』メディカルユーコン
『中国伝統医学による食材効能大事典』東洋学術出版社
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2009.12.06
引き続き、新しく届いた患者さんの声をアップします。
50代 男性
症状:腰痛、坐骨神経痛、眼精疲労(疲労性網膜剥離手術後)
学生時代にやっていた柔道で腰を痛めてから、坐骨神経痛持ちになりました。
スポーツで痛めたものは鍼治療が効くと聞き、過去にも受けていましたが、仕事の忙しさも相まって治療が途切れていました。
そんな時、家族がお世話になっていた竹下先生に十数年ぶりに鍼治療していただき、今日に至っています。
長時間のデスクワークや車の運転などで痛みが出ることが多く、先生から体の歪みによる不良姿勢も影響していると言われ、
姿勢や歩き方なども気を付けるようになりました。
仕事の都合もあって、2週に1度程度の診察しか受けられませんが、治療の都度、日常生活で出来る運動などアドバイスしていただき、
それを実行することで随分楽になったと実感します。
治療間隔が空いても継続して受けることは大きいですね。
治療後は体が少し重だるい感じで、とても眠くてひと眠りしますが、夜には再びぐっすりと熟睡できます。
翌朝の爽快感と身体の軽さは鍼治療ならではの感覚だと思います。
毎日の晩酌を週末だけにしたり、それまでの自転車通勤をやめて歩くようにしたりと、それなりに努力しているつもりですが、
筋肉量に対して骨が細めだから膝にも注意して、と言われ、自分では全く想像もしない盲点がまだまだあるのだと思いました。
43歳の時に過労から網膜剥離になり手術を受けて以来、目の疲れには特に気をつけているつもりでしたが、治療の時に
「少し熱を持ってるから気をつけて下さい。」
と指摘されてハッとすることもよくあります。
これからも竹下先生の治療とアドバイスに従い、身体をこき使わないように注意して、仕事にプライベートに充実した日々を送りたいと思います。
<清明院からのコメント>
この方は仕事がら肉体労働とPC作業の両方をなさる方で、目も体も酷使するため、10年前に疲労から網膜剥離を起こしてしまいました。
それに学生時代から持病として抱えている坐骨神経痛もあり、治療の相談を受けました。
「肝鬱気滞、湿熱(かんうつきたい、しつねつ)」と証を立て、2週間に1回、継続的に治療しています。
患者さん自身がおっしゃっているように、ご自分で会社を経営されている方などに多いのですが、仕事が忙しいとつい仕事に気が集中してしまい、
自分の体に蓄積している疲労には無頓着になってしまっていることがよくあります。
そういう方がある日突然パタッと倒れてしまったり、知らず知らずに大病が進行していて、気づいた時にはもう手遅れ、なんてことは実際にあります。
不況と言われる現代で、社会で生き残っていくのは大変なことだと思いますが、自分が倒れてしまったらそれこそ大変です。
鍼灸治療は完全ではないにせよ、それを未然に防ぐことに資するでしょう。
忙しくて自分の体と向き合うことがなかなかない方は、是非ご相談していただきたいと思います。
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2009.11.29
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この疑問については、清明院HP内の「よくある質問」のコーナーに挙げてありますので、まずはそちらをご覧ください。
ここに書いてあるように、「経穴」というものは、
1.目には見えず、機械で測定することも出来ず、
2.緊張度や寒熱などが「変化する力」が大事であり、
3.「ある病気、症状=〇〇という経穴」という考え方は間違いである、
と述べてあります。
今日はさらにこのことを詳しく、分かりやすく、述べてみたいと思います。
なるべく患者さんに分かるように、専門用語は極力避けて、説明してみようと思います。
まず、1.目に見えない、機械で測定できない という定義づけですが、これは、”「気」って何ですか?”のところで述べたとおり、東洋医学のいう「気」というものは、
絶えず動いており、ギュッと集まれば形を成し、ふぁ~と散れば形を成さないものである、という、この宇宙の有形と無形の間を自由に行き来する存在であり、
人間の「カラダ」というものは、その「気」が集まった形であると考え、さらにそのカラダの中を「流れる気(経絡の気)」も、形のない存在、と考えます。
「気が集まって、形を成した姿」である人間の体を、縦横無尽にめぐる「経絡の気」は、「形のない存在、つまりここでは目に見えない存在」として、
ぐるぐると全身を廻りながら、人間の「陰陽のバランス、調和」を保っている、最も重要な存在、と考えます。
東洋医学ではそのように考えているため、目に見えない経絡の上にある「経穴」というものも、当然目には見えないですよ、となります。
で、この「気」そのものを物理的、あるいは数値に置き換えたりして、機械で捉えることは現状出来ていません。
だから非科学だ、ではなく、現状の最先端科学ですら追い付いていない、大いに研究対象とすべき「未」科学とはいえまいか、というのが、私個人の考え方です。
次に、2.経穴が変化する力の重要性 ですが、これは実際に、毎日毎日患者さんの経穴を診ていますと、それは実に様々に変化します。
時には冷えたり、熱を持ったり、ガチガチに硬くなったり、ふにゃふにゃに柔らかくなったりと、その場その時によってあらゆる変化を見せます。
・・・要するに、「経穴」はこうやって色々と変化しながら、時々刻々と移り変わる外界の環境に適応するべく、結果的に体全体の「陰陽のバランス調和」を保ってくれている訳です。
この変化する力が強ければ強いほど、「陰陽バランス」を保とうとする力が強い、すなわち、「生命力が強い」と考えます。
東洋医学ではこの、人間みんなが持つ「陰陽バランスを保とうとする力」すなわち生命力、言いかえれば自然治癒力(免疫力と言ってもいいかもしれません)、
さらに平たく言うと、人間もともと持つ「治る力」を、鍼灸や漢方で調えて、最大限活かしきることによって、病気を治そうぜ、というのが目的なんです。
まあ簡単に言うと”カラダにとって無理や負担の少ない、やさしい医学”ですね。
ですから、3.〇〇の病気には〇〇という経穴 という考え方で、同じ経穴に延々と処置をしていても、時々刻々と変化する、外界や人間の体の微妙な変化に、
到底ついていけるはずはないんです。
ただ、そういった本をよく見ますと、確かに〇〇という症状の場合に、変化の出やすい経穴が、大体紹介されていることに気付きます。
あるいは、有名な古典からの引用も多いです。
(つまりは、過去の名医の経験則です。)
なので、中には本に書いてある通りのことをやって、病気や症状がよくなる人がいるのはそのためなんです。
しかし、「経穴」というものはそういう、通り一遍の使い方をすると、場合によっては症状を悪化させることもあります。
そもそも、人間の健康に関することを、軽々に扱ってはいけません。
最近はインターネットもあるし、あらゆる情報が無数にあふれ、しかもそれを簡単に手にできる時代です。
その中にはもちろん正しく尊い情報もありますが、単なる「お金もうけ」のための、おかしな情報もかなり混ざっています。
あるいは、医療従事者ですらない者による、無責任な知識のひけらかし、単なる売名行為も少なくありません。
しかも、おかしな情報に惑わされない、冷静な自分を持つことすら難しい、ストレスフルな世の中ですしね(苦笑)
僕はこのブログで、自分が出来る限り最大限、「正しく尊い情報」を発信していこうと思っています。
(まあ、そうはいっても間違うこともあろうかと思います。もし誤謬を見つけて下さったら、ぜひご教示ください。)
・・・だいぶ前に、寝違いの患者さんを治療した時、うまくいって、治療直後に劇的に痛みが取れたことがあります。患者さんは信じられない、といった様子で、
「先生には”気の流れ”とかが見えるんですか??」
と聞いてきました。
僕は即座に、
「いえいえ、まったく見えませんよ。普通に東洋医学的に診立てて治療しただけですよ。(笑)すごいのは僕じゃなくて、東洋医学なんだと思います。
しっかりと勉強して経験を積めば、今のは誰でも出来ます。」
と、答えました。
患者さんは
「なるほどー・・・。」
と仰っていましたが、ここでもし、
「ええ、見えます。実は私には神通力があるんです。今後寝違いを2度と起こさないためには、このネックレスを100万円で・・・」
と答えてたら、今頃お金持ちになってたのかしら・・・。(苦笑)
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2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
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