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2010.12.02
最近多いですねえ、カゼひきさん。
清明院にも、
「咳が止まらないんですけど・・・。」
とか、
「熱っぽいんですけど・・・。」
とか、
「ノドがイガイガするんですけど・・・。」
とか、
「ゾクゾク寒気がするんですけど・・・。」
などなど、一口にカゼといっても、あらゆる症状を訴える患者さんがお見えになっております。
・・・まあ、ここ最近、急に寒くなったし、乾燥もしてるし、無理もないとは思いますが、何でこのように、カゼというのは、
ひく人によって色んな症状に分かれるんでしょうか。
・・・これは、その人が元々持っている「弱い部分」や、その人の置かれている環境が、大いに関係するからです。
これにより、同じように気候が寒くなったとしても、人によって様々に症状が分かれるのです。
東洋医学では、カゼをひく前の、もともとのその患者さんの体質素因、つまり、もともと五臓六腑のどこに問題があったのかを、
問診で得た情報から、あらかじめ明らかにしておきます。
その上で、今回の風邪の症状がなぜ起こったか、今現在の問題の中心はどこかを、論理的に考え、治療をする訳です。
東洋医学的なカゼのパターンは、ひき始めのものも、こじれたものも、非常に多くのパターンがあります。
巷ではよく、
”カゼのひき始めには葛根湯”
だとか、
”くしゃみ3回、小青竜湯”
などという、デフォルメした宣伝文句を目にすることがありますが、本来の東洋医学では、そういう短絡的な結び付け方は致しません。
一人一人に合わせた治療、東洋医学的な的確な診立てを考えていかないと、カゼ一つでもなかなかよくならないんです。
・・・いずれにしても、しっかりと養生して、カゼをひかないような生活、送りましょう!!
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2010.11.22
昨日、11月21日の日曜日は、大阪にて行われた、(社)北辰会本部基礎コースに参加してきました!
今回は、午前中は油谷真空先生による「舌診講義とその実技デモンストレーション」、
午後は藤本彰宣先生による講義「八綱(はっこう)弁証・正邪(せいじゃ)弁証」、
その後、森洋平先生による講義「気血津液(きけつしんえき)弁証」と、
充実のラインナップでございました!
「八綱」については、以前このブログでも紹介しました。
カテゴリ 「八綱について」 参照
この「八綱」のうち、
”どこに病が存在するのか(表裏)”
”どんな性質の病か(寒熱)”
”病の勢いはどうか(虚実)”
を明確にするのが「八綱弁証」であります。
また、「正邪」というのは、人体の「正気」と、それを阻害する「邪気」のことを示し、その趨勢を明らかにするのが「正邪弁証」であります。
カテゴリ 「邪気」について 参照
これにより、さらに現時点での病の状態がクリアになっていく訳です。
「舌診」、「気血津液」については、まだ詳細はこのブログでも書いていませんが、これらも非常に大事な考え方であり、東洋医学的な治療(鍼灸、漢方薬など)をやる上では欠かせない概念です。
そして、終わった後は例によってお酒・・・。
今僕がつづっている「五行」について、何人かの先輩たちの考え方をうかがい、とてもためになりました。
あまり難解にならないように、ブログの内容に反映させたいと思います。
そして、終電にて東京に・・・。
久々の遠征で疲れていたのか、新幹線に乗った瞬間寝てしまいまして、新大阪―品川間の体感時間は5分程度でした。(笑)
・・・しかしやっぱ、
「基礎ほど重要なものはない」
と、あらためて実感しましたネ。
よく、ベテランの先生や、”名人”と言われる先生なんかがやる、
「応用的でカッコイイ技術」
というのは、
「徹底的な基礎の理解」
なくしては、あり得ないのであります。
このことは、片時も忘れてはいけません。
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2010.11.21
これまでのお話・・・
「五行(ごぎょう)」って何ですか?(その1)
「五行」って何ですか?(その2)
「五行」って何ですか?(その3)
「五行」って何ですか?(その4)
「五行」って何ですか?(その5)
◆「五行」の正常な循環
「陰陽五行説」においては、五行(木火土金水)の正常な循環の順番は2パターンあります。
一つは、
木⇒火⇒土⇒金⇒水⇒・・・・(最初に戻る)
だと言われています。
何故この順番(木が最初)になるのかは、ややこしくなるのでここでは細かくは書きませんが、これについては、古代中国人が自然界を素朴に観察していて、
「木が燃えて火が生じて」
↓
「燃えきったらその灰が土に還り」
↓
「土の中には鉱石(金属)があり」
↓
「鉱石の周囲の温度、湿度の変化で表面に水滴が生じ」あるいは「金属に熱を加えると液状(水状)に変化し」
↓
「水は木を養うのだ~!」
という、な~んかこじつけっぽい説明が、よくなされます。(苦笑)
・・・これもこれで、まあ一理あるかとは思いますが、もっと深い意味づけがあるような気もします。
ちなみによく、鍼灸学生の方々が、
「おいおい、なんか東洋医学って、言ってること、ヤバくないか?荒唐無稽なんですど・・・。」
とか、
「おおざっぱ過ぎるんですけど・・・。」
とか思って疑念、不信感を持ち、脱落するのも、たいがいこの辺です。(笑)
・・・ちなみに僕の場合はここで逆に、
「いやいや、そんなはずないっしょ!なんかあるっしょ!!あってほしいナー。」
と思った組です。(笑)
これはつまり、現代のように「文明的な観察機械」を持たない、当時の人間(学者)たちが、あくまでも”五感”で認識可能な範囲で、理論を組み立てていった結果なんだと思います。
確かに現代科学文明は、あらゆる道具や計測機器を使って、かつてよりももっともっと細かく精緻に自然を観察し、理解できたとも考えられます。
しかし、だからといって「自然」とうまくやれているか、うまく付き合っているかと言うと、大いに疑問であります。
こういう素朴だけど考え尽くされた自然認識だったからこそ、自然と人間がうまくやれた、おおざっぱに捕まえたからこそ、うまくいった。
そういうことって、人間関係においても、ありますでしょ?
”相手のことを細かく知り過ぎたら、うまくいかなくなった・・・。”
ってやつネ。
(笑・・・ちょっと違う?)
最後にまたまとめようと思っていますが、コレは実はとっても大事なんですよ。
(・・・と僕は思っています。)
で、もう一つのパターンですが、これは要は、”じゃんけん”の”グーチョキパー”の関係のようなものです。
次回はここからいきましょう。
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2010.11.20
これまでのお話・・・
「五行(ごぎょう)」って何ですか?(その1)
「五行」って何ですか?(その2)
「五行」って何ですか?(その3)
「五行」って何ですか?(その4)
前回、もともと別々に出来てきた「陰陽論」と「五行論」が、合体して「陰陽五行説」となった、という歴史的な流れを説明しました。
今回は、「五行」それぞれのもともとの意味を簡単に述べてみましょう。
木・・・樹木のこと。上へ、外へと、自由にのびのびとする性質(曲直という)のものは、これに属す。
火・・・炎のこと。熱を持ち、上へ上へと向かう性質(炎上という)のものは、これに属す。
土・・・大地のこと。植物の発育を助け、全てのものを載せる。ものを受け止め、変化させ、新たなものを生む性質(稼穡(かしょく)という)のものは、これに属す。
金・・・金属のこと。重く沈み、硬い。縮む、降る、変化する性質(従革(じゅうかく)という)ものはこれに属す。
水・・・お水のこと。潤し、冷やし、降る性質(潤下(じゅんげ)という)のものはこれに属す。
このように、生活に欠かせない5つのもの(五材)から、循環法則、相互関係として「五行」を設定し、これにさらに「陰陽」という考え方がドッキングされ、
これらの意味はさらに押し広げられ、複雑化、多様化し、自然界のあらゆる法則を表現する概念にまで発展していくのです。
あらゆるものを「五行」に割り振って考えていこうとする考え方が生まれてきます。
・・・まあ、それについてはまたあとで述べるとして、次回は「五行」の循環の順番、力関係について。
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2010.11.01
これまでのお話・・・
「心」って何ですか?(その7)
「小腸」って何ですか?(その1)
「小腸」って何ですか?(その2)
「小腸」って何ですか?(その3)
「小腸」って何ですか?(その4)
・・・「小腸の腑」シリーズ、いよいよラストでございます!!
☆「小腸の腑」と関わる体の部位
西洋医学では、小腸が悪くなったら、当然大便に異常が出たり、腹痛が出たりするはず、という風に考え、それを調べたりして、診断をつけていく訳ですが、
東洋医学ではそれだけではありません。
”五臓六腑”と”体の色々な部位”というのは、「経絡(けいらく)」というものの存在によって密接に結びついている、と考えているからです。
「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」って何ですか?
「経絡(けいらく)」って何ですか? 参照
五臓六腑のどれかが悪くなったら、その臓腑に関連する経絡にも異常が起こることがあり、逆に言えば、経絡上の異常を調べることによって、臓腑の異常を診断していく訳です。
例えば「小腸の腑」を病んだとしたら、手の小指側~肘~肩の後ろ側、首の横~顔面の横側(耳付近)なんかに異常が出てきます。
「異常」とは、具体的に言うと、上記の各部分が冷えたり、熱を持ったり、硬く引き攣ったり、あるいは緩んでしまって力が入らない、などの異常です。
具体的に病名を挙げれば、いわゆるテニス肘や五十肩、寝違いや中耳炎なども、この範疇に入ってきます。
(一般的な考え方からしたら、およそ”小腸”とは結び付かんでしょ?)
また、これとは逆に、上記の各部分を慢性的に使い過ぎたりして、悪い状態を放置しておくと、徐々に「小腸の腑」まで病んできて、
非常に治りにくい状態になる、というパターンもあります。
このように、
「五臓六腑」から「経絡」へ、
「経絡」から「五臓六腑」へ、
という病のルートを、東洋医学では非常に重要視しています。
これは、初診の時に、発症した時点から現在までの様子を詳しく問診することの理由の一つでもあります。
・・・たまに、初診の患者さんから、
「なんで痛いところに鍼をしないのですか??」
と聞かれることがありますが、それはこのように、東洋医学においては、全身のバランスを考えた上で、最も悪い反応の出ているところ(経穴)に治療を施すことが、
最も有効だと考えているし、実際にそうだからです。
このように、五臓六腑と経絡とは非常に深く関わり、その関わり方を熟知した上で、問診し、体表観察し、効果的な鍼をして気血の流れを調え、
バランスを調整するする、これが我々の仕事なのであります。
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2010.09.25
3日前はカンカン照りで、鬼のように暑かったです。
しかしおとといはドシャ降りの雨で突然寒かったです。
(前日との気温差10℃以上!!)
そして昨日は風が強く、メチャクチャ寒かったです。
そしてそして今日は、昨日の夜中からの雨で、朝非常に寒く、しかし昼ごろにはウソのように晴れて、今度はムシ暑かったです・・・。
・・・一体何なんだ!?この天気の感じ!?
患者さんの中にはサスガに風邪をひいてしまわれる方も何人かいました。
この3日間のような、
「急激な温度差や湿度差」
というものが、人間の体に与える影響は絶大です。
こういう時、人体には「東洋医学的に」どのような現象が起こっているんでしょうか?
まず「気温差」ですが、これは
1.急激に下がるパターンと、
2.急激に上がるパターン
の2つしかないですよね?
1.の場合は、「寒邪(かんじゃ)」という邪気に入られやすくなります。
2.の場合はその逆で、「熱邪(ねつじゃ)」という邪気に入られやすくなります。
次に湿度ですが、こちらも基本的には、
A.急激にむしてくるパターンと、
B.急激に乾燥してくるパターン
の2つしかないですよね?
これも、A.の場合は「湿邪(しつじゃ)」という邪気に侵されやすくなります。
B.の場合は「燥邪(そうじゃ)」という邪気に侵されやすくなります。
・・・まあここまでは、単純明快ですよね?
しかし実際は、これらがいくつか複合的に起こったり、もともとのその患者さんの体の状況によって、症状の出方や程度が大きく異なりますので、
治療する上では的確に分析せねばなりません。
こういった自然界の急激な変動、というのは、よく人間の「治る力」を阻害します。
「養生(ようじょう)」の迅速さ、的確さが要求される場面であります。
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2010.09.12
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これまでのお話・・・
「肺」って何ですか?(その1)
「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)
「肺」って何ですか?(その6)
「肺」って何ですか?(その7)
「肺」って何ですか?(その8)
「肺」って何ですか?(その9)
☆「肺」と「お水」
一般によく言われることに、
「人間の体の約60%は水分!!」
という言葉がありますよね?
今年の夏も、熱中症で多くの方が亡くなりました。
だからこの言葉を、つい最近聞いた人も多いのではないかと思います。
暑くて汗をかき過ぎて、しまいには脱水症状を起こすと、場合によっては生命が危ない。
だから人間の健康は、一つには、この水分の出納(出入り)がうまくいっているかどうかにかかっている、と。
(・・・ただ、だから誰も彼もガンガン飲め、というのは、いかにも短絡的で僕は嫌いなんですがネ。)
僕もこのブログで、以前から再三、東洋医学における「水分」と「健康」の関わりの重要性を説いてきました。
患者さんの質問
たくさん飲んだ方が健康に!?
どうしてムクむの?
どうしてムクむの?(その2)
「湿熱」について
「脾」って何ですか?(その5) などなど参照
これらを読んでいただくと、
量的に余分なお水、あるいは質的に偏ったお水、あるいはその両方
↓
胃腸に入る
↓
受け止めきれない(うまく捌ききれない)
↓
体内に余分なお水の停滞発生
↓
胃腸および全身の働きが弱り、諸症状発生
・・・という、簡単なメカニズムがご理解いただけるんじゃないかと思います。
このメカニズムから言えば、お水と直接関わるのは、五臓六腑で言うと「脾胃」や「小腸」「大腸」であり、他の臓腑はあまり関係ないようにも思えます。
しかし、そんなことはないのです。
「余分なお水」と「脾胃、腸以外の臓腑」は大いに関わります。
・・・「めちゃめちゃ」関わります。(笑)
ではどう関わるのか、という問題です。
人間に備わった、主な「余分な水分排出機構」というのは即ち、「発汗」、「排尿」、「排便」ですよね?
このうち、特に中心になるのが「排尿」と「発汗」ですよね?
例えば、「肺」って何ですか?(その6)で述べたように、「肺の臓」には、気を降ろす働きがあります。
気を降ろし、全身に気をくまなく巡らせる、というのは、肺の重要な働きでしたよね?
「気を降ろす」ということは、最終的には「下焦に降ろす」と考えていただいて差し支えない。
ということは、
「下焦に存在する”腎の臓”や”膀胱の腑”に降ろす」
と考えてよい。
「腎と膀胱」の重要な働きの一つは、
「尿を作って(溜めて)体外に排出すること」
です。
この働きに大きく関わる(助ける)のが、実は、”気を降ろす”働きを持った「肺の臓」なんですよ。
・・・そして、「発汗」ですが、発汗するところはどこかと言えば当然「皮膚」でございます。
「肺」って何ですか?(その7)で述べたように、その皮膚(皮毛)をつかさどるのは「肺」でございましたよね?
さらには、「余分な水分排出機構」の中では脇役である、「排便」に関しても、実は「肺」は大きく関わります。
長くなってきたので、その話は次回・・・。(笑)
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2010.09.06
昨日、9月5日の日曜日は、大阪、上本町にて行われた、(社)北辰会本部臨床コースに参加してきました!!
・・・なんだか8月入ってから、ほとんど毎週関西に飛んでますネ。(苦笑)
ついでに交通費でお金もどんどん飛んでいきます。(笑)
まるで翼が生えたかのようです。(爆)
でもその分、「新しい知識」や「新しい気付き」が、どんどん入ってきます!
それを得るために、体力、集中力が続く限り、自分に投資するのです!
だから僕のこの行動は、趣味と実益を兼ねた、「鍼」に対する情熱の表現なのであります!!
・・・今回は、午前中は実技。
今回から新たに初級~上級班に加えて、「講師班」という班が新設されました。
この班では、北辰会の講師の先生同士が、お互いに技術を研鑽し合う、という目的で新設された班です。
僕はここに参加させていただき、『傷寒雑病論』の水本淳先生、方剤学の島内薫先生、そして関東支部の尾崎真哉支部長という、大変豪華な大先輩たちに囲まれながら、
実技の研鑽をさせていただきました。
・・・これは、めちゃめちゃ勉強になりました!
何が勉強になったかは、難しくなるので書きませんが、今回、僕は割と無口に参加していましたが、ヒジョ~に色んなことに気づかされました。
パワーアップでございます。
午後は蓮風先生による「太極陰陽論解説」、「実技DVD上映」でした。
この医学の根幹である「陰陽論」に関する貴重な見解の数々、そして実技DVDでは超絶テクニックの数々・・・。
いつもながら、サスガでしたネ。
その後は以前このブログでも紹介した、神戸の輝鍼灸院(ブログも必見!)の原元氣先生による症例発表「パニック障害」でした。
原先生は、年齢は僕と同年代ですが、開業されて2年半、現在、スタッフさんも増え、患者さんも増え、乗りに乗っておられる先生です。
その勢いをそのまま感じさせるような、素晴らしい症例でした。
僕(清明院)も頑張って追い付かねば、と思います。
同年代に、こういう刺激的な先生がいるということは、とてもありがたいことです。
そして終了後はお酒・・・。
そして最終の新幹線で東京に・・・。
相変わらずの、トランス状態。
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2010.08.11
こないだ、患者さんから興味深い質問をいただきました。
「先生、鍼とデトックスを併用してもいいですか?」
という質問です。
実はこの質問、以前にも受けたことがあります。
これには僕は即答で答えます。
「いや、鍼ってデトックスだよ。」
・・・とね。(苦笑)
この質問をなさる方というのは、大体「デトックス」と「サプリメントを飲むこと」を同じ意味にとらえてらっしゃるようです。
まあ、少し前から、何やら巷で話題の「デトックス」ですが、要するにどんな意味があるんでしょうか。
参考はこちら(wiki)
コレを見ますと、「デトックス」とは、何のことはない、「解毒」のことじゃないか、となります。
(・・・まったく、何でも横文字にすれば目新しくってお金になると思って。。。)
ツボ(経穴)の中には、古代から「解毒」という効果を持つ、と言われるものがいくつかあります。
コレの意味は、そのまんまですが「毒を解く」「毒を排出させる」効果のことです。
そして、その場合に”解かれる対象である毒”というものについても、東洋医学の古典では、明確に定義づけられています。
古典では、この定義付けが東洋医学の理論に依拠しているだけであって、要するに考え方としてはwikiに書いてあることと大体同じです。
(一社)北辰会も、藤本蓮風先生が考案された、”清熱解毒法(せいねつげどくほう)”という非常に強力で、特殊な鍼の技術を持っています。
僕も普段治療していて、
「鍼をやるようになってから便通がよくなって、肌がキレイになってきた!」
とか、
「汗やお小水が自然に出るようになってきて、ムクミが減った!!」
なんて言われることは、日常茶飯事であります。
・・・まあさー、なんやかんやと目新しいことに飛びつく前に、よくそのことの本質を考えてみましょうや。(笑)
ゆえに、鍼灸はとっくの昔からある、確かな「デトックス」なのでございます!
併用もへったくれもございません!
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2010.08.09
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これまでのお話・・・
「脾」って何ですか?(その9)
「胃」って何ですか?
「胃」って何ですか?(その2)
「胃」って何ですか?(その3)
「胃」って何ですか?(その4)
「胃」って何ですか?(その5)
「胃」って何ですか?(その6)
「胃」って何ですか?(その7)
「胃」って何ですか?(その8)
「胃」って何ですか?(その9)
これまで「胃の腑」に関するお話を「脾の臓」とも絡めながら、
・機能
・形態
・症状
なんかに注目しながら、具体例も挙げて話をすすめてきました。
・・・まあ、このシリーズは専門家に向けたものではないので、概要としては大体のことは述べてきたかな、と思います。
なので「胃ってなんですか?」シリーズは、ここらで一旦完結しようと思います。
最後に一つ、ついこの間、患者さんを診ていて、
「あー、これはまずいなー。」
と思ったことがあったので、お伝えしておきます。
☆「足三里」の危険性
その患者さんは、80代の女性です。
以前から診ていて、経過もよく、安心していたのですが、最近妙に元気がなく、脈、舌、体表観察所見も「脾胃」の反応所見がよくないのが気になっていました。
そんなある日、
「先生、最近食事の後、気持ちが悪くなるんです。」
と、その患者さんは訴えました。
詳しく聞くと、のどもよく乾く、便も出にくい、食欲も落ちてきている、体がだるいとおっしゃいました。
患者さんは、
「夏バテかなあ?」
とおっしゃったが、去年はどうだったか、これまではこういうことはあったかと聞いてみると、
「去年、その前はこんなことはなかった。」
とのこと。
さらによくよく聞いていくと、
「先生に鍼してもらってから調子がいいので、もっと調子よくなりたいと思って、足三里にここ最近毎日お灸をしている。」
とのこと。
「・・・それだ!!」
と思い、すぐに中止させたところ、上記の症状は消失。事なきを得た、ということがありました。
・・・ツボの中には、たまに、誰でも知っているような超有名選手がいます。
「足の三里」というツボもその一つです。
↑↑これです。
この「足三里」というツボは、よく「長生きの灸」とか言って、お灸をすると元気で長生きするとか、足腰が強くなるとか言われ、昔から有名です。
テレビや、一部の雑誌や書籍なんかで紹介されてたりすることも少なくありません。
・・・コレ、とんでもない話です。
こういう言い方は、迷信もいいとこです。
足三里にお灸をするだけで誰もが例外なく足腰が強く、元気で長生きするんだったら、誰も苦労しやしません。
確かに「足三里」は、上手に使えば大きな効果を得ることが出来るツボではあります。
しかしそれは、確かな東洋医学的な診断に基づいていて、なおかつ適正な術(鍼か灸か)で、適正な刺激量での処方であった場合にのみ、言えることです。
当然ながら、治療に使える、ということは、逆に言うと間違った使い方をすれば悪化させることもある、ということです。
上記の患者さんは、もともと「胃の腑」に熱がこもりやすいタイプの患者さんでした。
本来ならばその熱を冷ます治療、養生法を行い、どんどん「胃熱」を発散、排出させるように持っていかなくてはなりません。
しかし、この患者さんがやった「足三里にお灸」という処置は、どちらかというと「胃の腑」を温める治療になります。
つまり逆です。
熱に熱を足してしまっている訳です。
しかも、自分で見よう見まねで適当にツボの位置を決めているため、時には右のみが効いたり、左のみが効いたり、効果にばらつきがある上に、
その的確な評価も出来ないため、左右のアンバランスなんかも引き起こしやすいです。
高齢者が左右のアンバランスを起こし、それがあまりにもきつくなると、たいがい転倒します。
歩行姿勢が左右アンバランスで、不安定になるからです。
高齢者にとっては、転倒から骨折でもしたら、寝たきり状態にもなりかねません。
そうなってから泣いたってわめいたって遅いんです。
東洋医学というのは、誰でも簡単に使いこなせるもんじゃありません。
僕も場合によっては、遠方でたまにしか治療に来れない患者さんなど、自宅でお灸を据えてもらうこともありますが、その場合は、安全かつ確実なツボ以外は選びません。
・・・まあー、これだけ「医学だ、医学だ」と叫んでも、それはごく一部の人にしか伝わりません。
甘く見られることの方が多いです。
でも、それでも僕は叫ぶことをやめません。
だって「医学」だからです。
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2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール2023.11.16
日本東方医学会学術大会、申し込み締め切り迫る!!2023.11.01
2023年 11月の診療日時2023.10.10
清明院14周年!!2023.10.04
12.3(日)市民公開講座やります!!2023.10.01
2023年 10月の診療日時2023.09.23
第41回、日本東方医学会学術大会のお知らせ2023.09.22
第55回、順天堂東医研に参加してきました!2023.09.21
第27回、日本病院総合診療医学会で発表してきました!!2023.09.20
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.09.01
2023年 9月の診療日時2023.08.18
第54回、順天堂東医研で喋ってきました!2023.08.17
順天堂東医研の学生さんと、「森のくすり塾」へ。2023.08.16
診療再開!!