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2015.09.14
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これまでのお話
「尺膚診(しゃくふしん)」について
「尺膚診」について 2
「尺膚診」について 3
「尺膚診」について 4
「尺膚診」について 5 参照
では続きいきます!
◆『黄帝内経霊枢』論疾診尺篇(74)における尺膚診の記載
黄帝内経には、それ以外にもまだ尺膚診に関する記載があります。
霊枢の中の”論疾診尺篇(ろんしつしんしゃくへん)”というところにも、尺膚診の記載があります。
まあここが一番、尺膚診について集中的に述べている篇、と言っていいでしょう。
まさにタイトル通り、疾病と尺(前腕部分の皮膚の状態)との関わりを論じた篇です。
黄帝内経の中の、尺膚診についての記載は、ここにしか書かれてないと思ってない人もいるぐらいです。(笑)
ここに、
黄帝が岐伯(医師)に問いました。
「色を望診したり、脈診せずに、尺膚診だけで診断し、外から内を知るにはどうすればいいの?」
岐伯が答えて、
「その尺の緩急小大滑渋と肉の堅脆を細かく見極めれば、診断できますよ。」
と、いきなり冒頭に出てきて、そこからさらに、
尺の膚が滑で、光沢があるのは風です。
尺の肉が弱は、解㑊の病です。
尺の膚が滑で油のようにつややかなものは風なり。
尺の膚が渋は、血虚の風痺病です。
尺の膚が粗く、魚の干物の鱗のようなものは溢飮(水の停滞)の病です。
尺の膚の熱が甚しく、脈が盛大で落ち着きがないのは温病です。
尺の膚が寒、其の脈が小なものは下痢で気虚です。
尺の膚が燃えるような熱で、先に発熱して後に冷えるのは往来寒熱です。
尺の膚が先に冷えていて、しばらくして熱感を感じるのも往来寒熱です。
肘の所のみ熱があるのは腰より上に熱がある。
手の所のみ熱があるのは腰より下に熱がある。
肘の前(内側)のみ熱があるのは胸の前に熱がある。
肘の後(外側)のみ熱があるのは肩背に熱がある。
前腕の内側のみ熱があるのは腰腹に熱がある。
肘頭より下の三から四寸に熱があるのは、腸中に虫がある。
掌中に熱があるのは腹中に熱がある。
掌中に冷えがあるのは腹中に冷えがある。
母子球に青い毛細血管が有るのは胃中に冷えがある。
尺が燃えるように熱く、人迎(頚動脈の拍動)が大は、多量の出血。
尺が堅で大、脈が甚しく小さいものは、気虚であり、これに煩悶が加われば死ぬ場合がある。
と続きます。
(なげえー(@_@))
・・・まあ要は、前腕の皮膚を見るだけで、これだけ色々なことが分かるわけです。
古代人の大いなる知恵だと思います。
なお、この篇で括目するべきは、前腕の皮膚の異常(特に寒熱)と、体幹部の異常を対応させて診ているところです。
前腕で全身を診る、という時に、深さ(深浅)だけでなく、高さ(高低)も意識している、というのがポイントであります。
深さも陰陽、高さも陰陽であります。
続く
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2015.09.12
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これまでのお話
「尺膚診(しゃくふしん)」について
「尺膚診」について 2
「尺膚診」について 3 参照
では続きいきます!
◆『黄帝内経素問』通評虚実論(28)における尺膚診の記載
『黄帝内経』という書物の説明は前回しましたので、繰り返しません。
素問の28番目の篇である”通評虚実論(つうひょうきょじつろん)”の中に、尺膚診に関する記載が出てきます。
因みにこの”通評虚実論”の意味ですが、我々が治療する際に、非常に重視している”虚実”という考え方について、
時間、五臓、経絡、気血、脈、治療など、非常に広範囲に論じた篇です。
因みに虚実については
ここに、
経、絡、ともに実というのは、寸脈は急で尺は緩なり
とか、
絡気が不足し、経気が有余なものは、脈が熱で尺が寒なり
とか、
経気が不足し、絡気が満は、尺が熱で満、脈が寒で渋なり
とか、
尺の虚は歩行に力が無い
とか、ここでも主に脈診情報とセットで、病態把握の方法として尺膚診が紹介されております。
(ここでいう”尺”というのが、前腕の皮膚の状態のことです。)
ここで、『史記 倉公伝』といい、『黄帝内経素問』の平人気象論といい、通評虚実論といい、
なぜ、尺膚(前腕部分の皮膚の状態)と、脈診情報(橈骨動脈の拍動の状況)を診ることで、
病態把握が出来るのか、という疑問が頭に浮かびます。
これについて、日本、江戸期の医家である多紀元簡(たきげんかん 1754?-1810)は、手首の脈で経気(けいき)が診れるのは、手首の脈動は前腕の皮膚と比較すると相対的に「陰」だからで、
前腕の皮膚は相対的に「陽」なので、絡気(らくき)が診れるのではないか、と、経絡を経と絡に分けて、深さの観点から陰陽に分けて考察しています。
これも一つの考え方でしょう。
続く
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2015.09.11
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これまでのお話
「尺膚診(しゃくふしん)」について
「尺膚診」について 2 参照
では続きいきます!
◆『黄帝内経 素問 平人気象論』における尺膚診の記載
さて、本日は我々のバイブルである『黄帝内経(こうていだいけい)』です。
『黄帝内経』は、ザックリいえば約2500年前くらい、春秋戦国時代に複雑な経緯で纏まり始め、前漢の時代(BC206~8)にはその原型は編纂されていたと言われ、
『素問(そもん)』81篇、『霊枢(れいすう)』81篇、合わせて162篇からなる大著であり、ここに書かれた内容、理論が、
その後の東洋医学(中国伝統医学)の基本になっております。
(専門的な詳しい考証に関しては真柳誠先生の『黄帝医籍研究』汲古書院がいいと思います。)
言わずと知れた、東洋医学をやるものにとって、必要不可欠な、聖典のような本です。
この中の、『素問』の18篇目である”平人気象論(へいじんきしょうろん)”という篇の中に、尺膚診に関する記載が出てきます。
因みにこの、”平人気象論”という篇名の意味ですが、”平人”というのはいわゆる健康な人のことを指し、”気象”というのは
”気(ここでは脈の打ち方を主に指す)”
と
”形象(けいしょう・・・ここでは脈の形)”
のことであり、健康人と病人の脈の打ち方を主に比較検討した篇だから、”平人気象論”と言います。
ここに、
尺熱するを病温という。尺熱せず、脈が滑は病風という。
とか、
臂(ひ・・・前腕のこと)に青脈が多いのを脱血という。
尺が緩で脈が渋なものは解㑊(異常な疲労感)という。
とか、
尺が渋で脈が滑は多汗という。
尺が寒で脈が細は謂うなれば後泄(下痢)という。
脈も尺も(粗い感じ)で常に熱きものは熱中という。
てな具合に、脈の打ち方(脈診情報)と合わせて、前腕の状態から、病態を把握する方法があったことが書かれています。
『黄帝内経』の中の尺膚診の記載は他にもあります。
続く
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2015.09.10
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前回のお話
では続きいきます!
◆『史記 扁鵲倉公列伝』における尺膚診の記載
中国に、司馬遷(しばせん)という人が書いた『史記』という、超有名な書物があります。
東洋医学、東洋哲学をやるものなら、聞いたことのない人はいないような書物です。
wikipediaによれば、これは、前漢(BC206~8)の武帝(7代目の皇帝)の時代に、司馬遷(BC145頃~87頃)という歴史家によって編纂された、中国の歴史書だそうで、
中国が正しいと認めた歴史書(正史)の第一に数えられ、計52万6千5百字もの大著で、二十四史(にじゅうしし)(中国の王朝の正史24書のこと)のひとつで、
『漢書』と並んで最高の評価を得ているそうです。
司馬遷自身が名付けた書名は『太史公書』(たいしこうしょ)なんだそうですが、後世に『史記』と呼ばれるようになると、
これが一般的な書名とされるようになったそうです。
「本紀」12巻、「表」10巻、「書」8巻、「世家」30巻、「列伝」70巻から成る、紀伝体(上位に位置づけられた2項目、「本紀」と「列伝」に由来する)の歴史書で、
叙述範囲は伝説上の五帝の一人である黄帝から、前漢の武帝までだそうです。
(この”黄帝”は、我々東洋医学者のバイブルである『黄帝内経』の黄帝のことです。)
このような記述の仕方は、その後の中国の歴史書、正史記述の雛形となっていて、この書は、単に歴史的価値だけではなく、その文学的価値も、高く評価されているそうで、
日本でも古くから読まれており、元号の出典として12回も採用されているそうです。
〇
・・・とまあこのような、スゴイ本に、我々が日々やっている、”尺膚診”の記載が出てきます。
『史記』の中の”扁鵲倉公列伝”というところの中の、”倉公伝”というところの中の、”診藉(言わばカルテ集)”の中に、
「臨菑氾里女子薄吾病甚.衆醫皆以爲寒熱篤.當死.不治.
臣意診其脉曰.蟯瘕.蟯瘕爲病.腹大.上膚黄麤.循之戚戚然.
臣意飮以芫華一撮.即出蟯可數升.病已.三十日如故.
病蟯得之於寒濕.寒濕氣宛篤不發.化爲蠱.臣意所以知薄吾病者.
切其脉.循其尺.其尺索刺麤.而毛美奉髮.是蟲氣也.
其色澤者.中藏無邪氣及重病.」
という文章が出てきます。
これを竹下なりに、端折って端折って、翻訳すると・・・、
今でいう山東省の近くで、女の子が病気になった。
周りの医者は重篤な病で、もう助からないと言っていた。
これに対して、僕(倉公)は脈を診て、回虫の病と判断して、一つまみの薬草を飲ませた。
すると、すぐにたくさんの回虫を吐き出して、治った。
回虫の病は、腹が大きく張って、元気がなくなり、皮膚が荒くなる病気。
30日で、元通り元気になった!
この病気の診断は、脈と、前腕の皮膚(尺)の状態を診ることによって分かった。
回虫の病は寒湿の邪気によってかかってしまう。
寒湿の邪気が発散できれば治るけど、発散できないと重症化する。
この患者さんは、前腕の皮膚は荒かったが、毛や髪は綺麗。
その光沢からして、五臓に邪気は入っておらず、重病ではないと判断したわけさー。
(訳が間違ってたら、誰か教えてー(*‘∀‘))
まあ、これが尺膚診の出典の一つ。
古来より、脈診と並んで、大変重視されていたことが分かります。
続く
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2015.08.20
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昨日、「平補平瀉」という考え方という記事を書いた。
この中で、ここ最近、平補平瀉法を施すのは八脈交会八穴が多いと書いた。
もちろん、八脈交会八穴だけではない。
腹部もあるし、少ないけど、背部もある。
ただ、八脈交会八穴になることが多い。
〇
これはなぜか。
奇経の意味、手足の意味。
絡脈の意味。
季節の変わり目。
虚実寒熱錯雑状態調整機構としての、絡脈であり奇経。
とりわけ寒熱。
発汗のパターン。
そして、空間的な気の偏在と大きく関わる。
そう考えると、色々と説明がついてくる。
・・・と、僕は考えている。
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2015.08.19
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鍼灸治療の治療法に、「平補平瀉法(へいほへいしゃほう)」という考え方がある。
僕は個人的には、非常に好きな治療だ。
正気(言わば病と闘う力)を経穴に集め、結果的に気血の流れを良くし、治る力を高めるのが補法(ほほう)。
邪気(言わば病の原因となる、余分な気)が吹き溜まっている経穴の気を散らし、結果的に気血の流れを良くし、治る力を高めるのが瀉法(しゃほう)。
この、補法と瀉法を、一つの経穴に同時にやるのが平補平瀉法。
ある経穴に、正気の弱りと、邪気の停滞が、同時に表現されている場合がある。
なおかつ、その患者さんの病態も、正気の弱りに加えて、邪気の停滞も無視できないような病態である場合。
こういう時は、平補平瀉法でサクッと治すのが一番スマート、かつエレガントなんだが、その際の取穴といい、経穴に対する作法、鍼の操作といい、簡単ではない。
初心者、初学者はやらない方がいい。
立秋以降、これの応用を八脈交会八穴に施す機会が、非常に多い。
秋燥の気 参照
虚実錯雑、寒熱錯雑、燥湿錯雑、肺は嬌臓、半表半裏、左肝右肺、肝か胆か。
虚実 を含む記事
寒熱 を含む記事
燥邪 を含む記事
湿邪 を含む記事
「肺」って何ですか?(その12)
半表半裏 を含む記事
「左肝右肺」に関して 7
「肝」って何ですか?(その13)
「胆」って何ですか?(その12) 参照
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2015.06.30
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今日、腎透析中の患者さんがこんなことを言いました。
「先生、牛蒡茶(ごぼうちゃ)を飲むようにしたら便通が調子いいです!」
と。
・・・ほほー。
牛蒡茶というのは、ちょっと前に
”牛蒡茶若返りダイエット”
なんつって、例によって女性誌なんかで紹介されて、少しばかり話題になったことがあります。
これは、牛蒡をささがきにして、乾煎りして煮出したものです。
食品としてよく使う、牛蒡の根っこの部分は、生薬名では牛蒡根(ごぼうこん)と呼ばれ、その効能は
「祛风热,消肿毒治风毒面肿(風熱邪をとって、腫れや毒、特に顔の腫れをとる)」
ということになっております。
発汗させたり、利尿させることで、毒素を排出したりします。
漢方薬では牛蒡の種の方がポピュラーで、
”牛蒡子(ごぼうし)”
と呼んで、風邪や熱邪や湿痰をとったり、大小便の出が悪い時などに、よく用います。
五臓で言うと肺と胃に作用し、邪気を発散したり、冷やし、降す作用も持っています。
病気で言えば咽痛とか乳腺炎、皮膚炎なんかに応用されます。
(もちろん、本気でそういったものを治すなら自己判断ではなく、東洋医学のプロに処方してもらいましょうね。)
〇
思いがけず、治療のヒントになりました。
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2015.06.17
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これまでのお話
「四逆散」というお薬
「四逆散」というお薬 2
「四逆散」というお薬 3
「四逆散」というお薬 4
「四逆散」というお薬 5
「四逆散」というお薬 6
「四逆散」というお薬 7
「四逆散」というお薬 8
「四逆散」というお薬 9 参照
では続きいきましょう!!
今日もまた、四逆散に関して、違う先生の意見を考えてみましょう。
まあこの辺で、キリがないので、そろそろラストにしましょうかね。(笑)
今日は、知る人ぞ知る名医、内藤希哲(1701-1735)先生です。
なんとこの先生は、惜しいことに今の僕と同じ年齢、34歳で、急病でこの世を去っています。
(・・・うーん、悔しかったんじゃないかなー。どうかなー。)
そしてこの先生はあの吉益東洞と1歳違いなんです。
まあただ、残念なことに、二人は会いはしなかったようです。
もし会って、意見を交換していれば、その後の日本の東洋医学の流れは大きく変わったかもしれません。
そのぐらいのレベルの先生です。
〇
この先生が書いた『医経解惑論(いけいかいわくろん)』という有名な書物の話は、蓮風先生の話の中にも、たまに出てきます。
まあ、この先生も特別な先生なんで、あとでまた詳しく紹介しようと思いますが、歴史に「もし」はないけど、この先生が長生きして、
数百人、数千人という数の弟子を育てていたら、もしかしたら現代の病名漢方、症状漢方、病名配穴、症状配穴などの間違った流れは、
キチッと是正されていたかもしれません。
〇
まあともかく、そんな内藤先生が生前に書きかけていた原稿を、弟子たちが仕上げ、内藤先生が亡くなってから、実に100年後に発刊された『傷寒論類編』という本に、四逆散について書いてあります。
「四逆散は、”気滞”が少陰病みたいな症状を生じた場合の薬である。外邪によるものではないけど、四肢逆冷、無熱だから、少陰病のところに書いてある。
脈は結滞して沈実、決して微弱ではない。諸々の本を読むと、四逆散証の時に出る咳や動悸や下痢や腹痛などは、邪熱で説明しているが、違う。陽気の気滞である。」
と、四逆散証で起こる諸現象を、熱で説明している、ほかの先生方をバッサリとやっています。(笑)
そして、脈に関する知見を加え、熱は関係ない、外邪も関係ない、あくまでも内傷であり、気の停滞なんだ、と説明しています。
内藤先生の本は、他者をコテンパンに批判しているところがあって、読んでいて非常にスリリング、ある意味痛快なんですが、まあ、あまり人のことを悪く言いすぎるのも、ちょっとどうかとも思います。
やや、自意識過剰、自信過剰だったのかもしれません。
(苦笑・・・まあ若くしてあれだけの内容を書く先生ですから、自惚れるのも分からないでもないです。)
でもまあ、他者否定の裏側にある、非常に過剰な自意識(この場合、自分が実際に治すことが出来た経験からくる自信)が、この先生の素晴らしい臨床を生み出し、
それが、この先生の存在を唯一無二のものにし、その名前を、現代にまで響かせている面もあるんだろう、とも思いますね。
・・・彼は「天才」と評されることも多いのですが、著書に書いてあることとか読むと、天才というよりは、感動的なほどの誠実さを持った、田舎の努力家です。
(特に序文)
興味のある人には、ぜひ読んでほしいですね。
「四逆散」というお薬 11 に続く
〇
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2015.06.14
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これまでのお話
「四逆散」というお薬
「四逆散」というお薬 2
「四逆散」というお薬 3
「四逆散」というお薬 4
「四逆散」というお薬 5
「四逆散」というお薬 6 参照
さて本日も、また別の先生のご見解をみてみましょう。
今日は荒木性次(あらきしょうじ 1896-1973)先生です。
因みに号は荒木卜庵(あらきぼくあん)先生とも言います。
(この呼び名の方が有名かもしれません。)
この先生も、昭和を生きた、非常に有名な先生です。
実は私は、この先生の流れをくんだ先生と、ちょっとしたご縁がありまして、今ではその先生の漢方薬局に、清明院の患者さんをよく紹介させていただく間柄だったりします。(笑)
また、僕が尊敬している鍼の先輩も、この先生の薫陶を受けた先生から『傷寒論』の基本を学んだそうです。
そんなワケで、やや遠いけど、不思議な御縁を感じる荒木先生の『方術説話』に、このように書いてあります。
「四逆(四肢逆冷)する者には3通りあります。
1つ目は表面の陽気が弱っているもの、
2つ目は陽気が内(裏)に籠っちゃって外に伸びないもの、
3つ目は表裏の中間につっかえて、陽気が伸びないものです。
四逆散の場合は3つ目のパターンです。」
と述べ(1パターン加えた!)、そして、その籠った熱のことを”少陰の熱”と表現し、
「それ(少陰の熱)が肺に影響すれば、そこに水気が集まり咳となり、心に影響すれば動悸、肺腎両方に影響すれば小便不利、
腹中に影響すれば腹痛になり、腸中に影響すれば下痢となり、もともと腸の動きが悪い人であれば渋り腹になる。」
と述べています。
そして、上記のような診立てで、四逆散を使って、効果がイマイチの場合に、四逆散にさらにどんな生薬を加えたらいいかについても、丁寧に解説してくれております。
そして最後に、
「本章は少陰病血虚裏熱より四逆を生じたものの治し方を述べた章です。」
と締めくくっています。
なるほど、「表と裏の間に」籠る、ね。
裏に籠る、というのとはニュアンスが明確に違うのです。
(起こる現象も違う。)
咳や動悸など、上に出たり、下痢や腹痛、渋り腹など、下に出たりすることの、上手い説明になっていると思います。
そして”少陰の熱”とか、”少陰病血虚裏熱”という表現、これもサラッと言うけど、奥の深い説明だと思います。
他の先生のように、肝鬱+湿邪、とか、肝鬱+水邪とか脾胃の虚、とかで説明するのではなく、あくまでも
”熱(通じなくなった陽気)がどこに影響するか、そして、そこに集まる水気”
で論じる。
一つの立派なお立場だと思います。
・・・いやー、みんなスゲエなー (゜o゜)
「四逆散」というお薬 8 に続く
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2015.06.13
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これまでのお話
「四逆散」というお薬
「四逆散」というお薬 2
「四逆散」というお薬 3
「四逆散」というお薬 4
「四逆散」というお薬 5 参照
さて今日も、四逆散に関する、別の先生のご意見。
今日は矢数道明(やかずどうめい 1905-2002)先生です。
この先生も、大塚敬節先生や奥田謙蔵先生と並んで、1905-2002の、実に96年間を生きた、近代を代表する漢方家の一人です。
亡くなる前年の、95歳まで外来診療を続けておられたことは有名です。
(スゲエ!!(;゚Д゚))
この先生の診療所(温知堂)は清明院のすぐ近く、新宿にあり、現在もご遺族によって引き継がれております。
この先生の師匠である森道伯先生(1867-1931)も、後世派の一派である一貫堂医学の創設者として、たいへん有名です。
この森先生も素晴らしい先生なので、そのうち紹介したいと思います。
(みんな本当にスゴイので、紹介し始めたらキリがないですな。。。(苦笑))
〇
まあともかく、矢数先生はその著書『漢方処方解説』の中で、
「四逆散は大柴胡湯と小柴胡湯の中間のものに用いる。」
と述べ、
「大柴胡湯よりも虚証で、熱状が少なく、肋骨下の緊張がやや弱く、小柴胡湯よりは少し実証で、お腹は肋骨下の緊張、腹直筋の緊張が中心で、
腹直筋の緊張は臍の周囲まで及び、手足のキンキンに冷えてる者や、癇の昂ぶる神経過敏症の者に用いる。」
と述べ、臓腑では
「肝の臓の実と、脾胃がやや虚。」
と述べ、たいへん応用範囲が広い薬であることを教えています。
まあ、矢数先生の解説の書き方としては、四逆散が大柴胡湯の変方だと述べた、和田東郭先生や浅田宗伯先生の見解を尊重しつつ、近代の湯本求真先生や龍野一雄先生の論を引いて、
大柴胡湯と四逆散の使い分け方、とりわけ、腹診における見分け方に重きを置いた、解説の仕方をしております。
この観点も、また重要です。
大塚先生の見解に、少し補足を加えた、という感じですね。
「四逆散」というお薬 7 に続く
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2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2025.04.04
2025年3月の活動記録2025.04.01
2025年 4月の診療日時2025.03.13
2025年2月の活動記録2025.03.01
2025年 3月の診療日時2025.02.06
2025年1月の活動記録2025.02.01
2025年 2月の診療日時2025.01.21
順天堂東医研、第6回公開シンポジウム「総合診療と東洋医学」2025.01.10
2024年12月の活動記録2025.01.02
2025年 1月の診療日時2025.01.01
謹賀鍼年!!2024.12.28
年内診療終了!!2024.12.14
2024年11月の活動記録2024.12.01
2024年 12月の診療日時2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
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2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール