東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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クーラー病

2014.06.05

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明日から24節気では「芒種(ぼうしゅ)」ですねえ。

芒種とは・・・、

「6月6日頃 芒種とは稲や麦など”穂が出る穀物の種を蒔く”という意味で、この頃は種まきを始め農家の忙しくなる時期で、

ちょうど梅雨に入る頃で、少し蒸し暑くじめじめする時期。」

だそうです。 

 

参考サイト 暦生活

・・・で、今日は東京も大雨。

今日から関東甲信越が梅雨入り。

恐るべし、24節気。

最近気になっているのが、数日前から真夏日が続き、患者さんの職場でも、清明院でも、いよいよ、やだけど観念して、

クーラーを入れました。

クーラーがついてから、体調を崩す人がチラホラ。

いわゆる「クーラー病」ってやつです。

あれを治療するときにうるさいのが、「湿邪」の存在。

「湿邪」を含む記事 参照

クーラーの冷たい風で外から冷やされて、体の中には「湿邪」とか、「湿熱」が発散できずに籠っている場合が多く、

色々な症状に”重だるさ”を伴うのが特徴です。

これは治療しても、”その場で劇的にスッキリ”とはなかなかいかず、治療後、少し時間が経ってから、排便、排尿、発汗等の、

”湿邪が排出された”

というイベントを経て、治っていくケースが多いようです。

患者さんによって出方が違うので、なかなか興味深い。

・・・まあでも、気をつけましょうね、クーラー病。(笑)

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爆釣!じゃなかったけどまあ満足。。

2014.06.02

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いやー、昨日は行ってきましたよ、”リベンジマッチ”に。。。

(さらに…)

「肥満」と東洋医学 2

2014.05.23

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前回のお話し・・・

「肥満」と東洋医学

 

では続きいきます!!

前回、肥満は現代病として、問題視されているが、中国古代では、さほど問題視されていなかった、というお話をしました。

◆肥満のメカニズム


・・・なぜ、肥満になるのか。


これは、西洋医学的に言えば、摂取カロリーと消費カロリーのアンバランス(摂取過剰)から、体内に余ったエネルギーを脂肪組織に蓄えてしまうため、

それが徐々に徐々に体内に蓄積するためです。

何故脂肪なのかというと、糖質やたんぱく質よりも、圧倒的に脂肪の方が貯蔵効率が高いからですよね。


これが、単純な運動不足や飲食の不摂生に起因する、単純性肥満の西洋医学的なメカニズムだそうです。

 

(詳しくは(一社)日本肥満症予防協会様のサイト 参照)

・・・では、東洋医学ではどうか。

中医学では、肥満のことを”肥胖(ひはん)”と呼び、

主に脾の臓を中心とした臓腑及び全身の代謝機能の低下(気虚)+痰湿、脂膏を中心とした病理産物の増加

と説明されます。

 

(『症状による中医診断と治療 上巻』参照)

 


因みに中医学、脾の臓、気、湿痰については過去記事

カテゴリ「中医学」
「脾」って何ですか?(その9)

「気」ってなんですか?
「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について
「湿熱」について                参照


まぁ要は、東洋も西洋も、似たようなこと言ってるわけですが、これは中医学の方が、西洋医学の考え方に寄せてまとめたような感じがします。


なぜなら、前回言うように、東洋医学では、太っていること自体はあまり問題ではなく、太っている人が何らかの陰陽バランスの不調和を起こしていないかどうか、

を問題にするので、肥満そのものについては「イコール病気」とはとらえてこなかったからではないかと思います。

 

ここにも、個体差(各々における陰陽バランスの調和度合い)を重視する東洋医学と、やれBMIだの理想体重だのと、集団における平均値や理想値を重視する西洋医学の違いがハッキリと見て取れますね。

 

 

また、一般国民が理想とするような体格も、男性は背が高く、手足が長く、スリムであり、女性では胸があり、腰はくびれがあり、お尻は大きく、足は長く、

 

という、もともとの日本人らしからぬ体型なのも、明治維新以降の、西洋化の流れの一つかもしれませんね。

 

 

そういう視点で見ても、興味深いと思います。

 


因みに、あまり聞きなれない「脂膏」という表現ですが、『黄帝内経霊枢 衞氣失常(59)』に出てきますし、『黄帝内経素問 異法方宜論(12)』には「脂肥」という表現が出てきます。

 

 

専門家の方はご参照あれ。

 

続く

 

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疲労と東洋医学 2

2014.04.24

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前回のお話・・・

疲労とは何か

では続きいきます。


前回、疲労の定義は西洋医学的には難しいが、東洋医学では古くから認識され、定義づけられ、治療されてきた、というお話をしました。

東洋医学的な疲労の原因は、

1.暑熱傷気(しょねつしょうき)

2.脾虚湿困(ひきょしっこん)

3.気血両虚(きけつりょうきょ)

この3つだそうです。

『症状による中医診断と治療 上巻』P101より)

まあこれも難しく考える必要はなく、要は疲労というのは、「気」とか、「血」の不足だったり、「脾の臓」の弱りから起こるのだよ、という考え方です。


これらについては

カテゴリ 気・血・水 
カテゴリ 脾・胃
「湿熱」について
   参照


あとは、脳の異常から来るものがあるとかいう考え方もあります。

(『霊枢 海論篇(33)』)

これが中医学の基本的考えなんですが、さてこれに、僕的には若干の異論があります。

 

続く

 

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腎着(じんちゃく)? その2

2014.01.23

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前回のお話


腎着(じんちゃく)? 参照

 

せっかく触れたんで、もうちょっと掘り下げときます。

 

この”腎着証”、東洋学術出版社『中医弁証学』によると、

1、疲れて汗をかいている時に外寒を感受した場合

2、衣服が雨に濡れたり、湿地に居たりして水湿邪が侵襲した場合

3、腎経が虚冷で、なおかつ風湿の邪気を感受した場合

という3パターンで発症するそうです。

(まあ要は、これらの原因で、腰が冷えて体が重くなるのです。)

 

「痹証」と非常に似ていますが、痹証の場合は関節部を中心とした痛みであり、「腎着証」の場合は腰部や背骨の際を中心とした痛みなんだそうです。

痹証についてはスタッフブログ 痹証(その14) 参照

 

もともとこの病名は『金匱要略』という、漢方の大古典に出てきます。

『金匱要略』についてはこちら参照(wiki)↓↓

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%8C%B1%E8%A6%81%E7%95%A5

 

『金匱要略』には、

「・・・身体重く、腰中冷え、水中に座っているが如く、浮腫みがあるが、咽喉の渇きはない。小便がよく出て、食欲は普通のものを言う。・・・これには、甘姜苓朮湯がよく効くよん!」

・・・と出てきます。

 


昭和の漢方医学の大家である大塚敬節先生は、この苓姜朮甘湯を使って、坐骨神経痛の頑固なやつを治したとか、田畑隆一郎先生はきつい腰痛と冷えを治したとか、

 

近現代の色々な先生も臨床で応用されているようです。

 

さて、じゃあ我々鍼灸家はこの”腎着証”を前に、どうしたらいいのか。

 

続く

 

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腎着(じんちゃく)?

2014.01.22

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今日、学校の講義で、学生さんから問われて、一瞬ど忘れしていたこの「腎着」という病態。

 

 

ネット上のいくつかの中医学サイト等に解説がありました。

 

 

まあ簡単にまとめると、「腎着」とは、張仲景の『金匱要略』内の「五臓風寒積聚病脈証并治」に出てくる病名で、寒湿邪が腰部に停滞して起こる一連の症状(腰部の冷え、重い痛み、寝返りしにくい、雨天や曇天で悪化など)を言い、

 

治療は苓姜朮甘湯(別名:腎著湯)で行う、とあります。

 

◆参考サイト

http://www.sm-sun.com/family/yougokaisetu/sa/jinntyaku.htm


・・・まあ簡単に言えば、寒邪と湿邪が腰部(腎の臓)を抑え込んだパターンね。

 

虚実については微妙なんでしょうが、邪気を散らすのを優先、と。

 

一考の余地ありですね。

 

・・・調べ直し、勉強になりました。

 

 

臨床上、割かし良くある病態ではないかと思います。

 

学生さん、どうもありがとう。

 

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病院での漢方薬の使われ方(抑肝散) その2

2014.01.17

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前回のお話

 


病院での漢方薬の使われ方
 参照

 

今日は抑肝散の話の続きいきます。

『保嬰撮要』の条文によると、抑肝散はもともと、

「抑肝散は小児が肝の経絡の虚熱のため痙攣を起こし、あるいは発熱して歯を食いしばり、あるいはひきつけを起こして発熱悪寒し、

るいは脾の臓に悪影響を及ぼして粘液(痰涎)を嘔吐し、腹部膨満して食欲不振となり、よく眠れないという症状を治す。

処方は軟柴胡(なんさいこ)と甘草(かんぞう)が各五分、川芎(せんきゅう)が八分、当帰(とうき)と妙った白朮(びゃくじゅつ)と茯苓(ぶくりょう)と釣藤鈎(ちょうとうこう)が各一銭で、

上を水で煎じて、小児と母親の双方に服用させる。

また、これを蜂蜜で煉り、丸薬にしたものを抑青丸という。」

となっております。

(赤字部分が非常にポイントだと思います。)

 

母親にも服用させる、というのが面白いですね。

 

 

因みに『保嬰撮要』の中に抑肝散の記載は4カ所出てきます。

 

江戸時代、日本では盛んに抑肝散の加味方が創製され、和田東郭(わだとうかく 1742-1803)『蕉窓方意解』の中で抑肝散加芍薬(よくかんさんかしゃくやく)として、

喘息や打撲に応用し、本間棗軒(ほんまそうけん 1804-1872)『内科秘録』の中で抑肝散加羚羊角(よくかんさんかれいようかく)として癲癎に応用し、

 

浅田宗伯(あさだそうはく 1815-1894)は、『勿誤薬室方函口訣』の中で和田東郭の抑肝散加芍薬に黄連や羚羊角を加え、脳卒中後遺症などに応用しており、

 

現代でもよく使われる超有名な加味方である抑肝散加半夏陳皮(よくかんさんかはんげちんぴ)は、抑肝散に、湿痰を取る二陳湯を加え、

 

そこからさらに生姜を除いた処方で、抑肝散の効果+湿痰を取り除く作用を加えており、非常に重用されるのですが、

 

文献的には浅井南溟の『腹診録』に記載があるものの、なんと誰の作かはハッキリとは不明なんだそうです。。。

 

(ちなみに上記リンクから分かるように、浅井南溟の『腹診録』ではなく『浅井腹診法』ではないかと思うのですが。。。)

 


しかし、日本で作られた処方であることは間違いなく、そういうものを”本朝経験方”と言います。

 

 

ちなみに昭和漢方の巨人の一人である矢数道明先生は抑肝散加陳皮半夏を北山友松子(?-1701)の創方ではないかと推測しておられるそうです。

 

 

↑↑上記内容は

 

中田敬吾ほか「抑肝散加味方の研究」

真柳誠 抑肝散・抑肝散加陳皮半夏① 古典的解説  を参考に纏めさせていただきました。

 

・・・まあこんな感じで、抑肝散てのは、中国明代に発表されて以来、特に日本で、臨床家の間でずいぶんゴチャゴチャとこねくり回された処方なんですが(笑)、

 

要は肝陰、肝血をフォローすることで肝陽、肝気が暴れないようにするのが基本的な目的であり、現代医学的に、”認知症なら抑肝散”、という短絡的な使い方はおかしい、

 

というのが私の意見です。

 

当たり前ながら、東洋医学的には、認知症にも虚実寒熱、臓腑、病邪の別あり、だからです。

 

 

ここで、変に誤解されて突っかかられたら嫌なので付言しておきますが、僕は、

 

「ある西洋医学的な病名に対して、ある漢方処方や、ある経穴への刺鍼施灸が、やらない場合よりも優位な効果を示す、というデータを得た、であるからして、現代医学の現場において漢方鍼灸は有用性が高いのだ。」

 

という研究、論理、主張をすること自体については、おおむね賛成なんです。

 

 

しかし、そういう研究結果があるからといって、何も考えずに、現場において、西洋医学的な病名のみから漢方処方、鍼灸配穴を考えるという、

 

患者さん、東洋医学を扱う上でまったく短絡的で浅薄な態度には大反対だ、という立場なのです。

 

 

つまり臨床家としては、抑肝散とその加味方を通じて、肝陰、肝血をフォローしながら肝陽、肝気を抑制する、というやり方は、認知症その他をやるうえで、

 

臨床上非常に価値の高い方法論である、ということを学べばいいのです。

 

 

もうチョイ続く

 

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「訪問鍼灸マッサージ」の現実 その4

2013.12.27

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これまでのお話

「訪問鍼灸マッサージ」の現実 
「訪問鍼灸マッサージ」の現実 その2

「訪問鍼灸マッサージ」の現実 その3

 

 

 

では、続きいきます!!

 

今日は、

4.鍼灸施術においては、同一部位への施術で、病院の治療との併用が不能

について考えてみたいと思います。

 


これもおかしな話なんですよねー。。

 


現在、医師が同意書を書けば、鍼灸治療に保険が適用される疾患は、

 

 神経痛・・・例えば坐骨神経痛など。

 

 リウマチ・・・急性、慢性で各関節が腫れて痛むもの。

 

 腰痛症・・・慢性の腰痛、ギックリ腰など。

 

 五十肩・・・肩の関節が痛く腕が挙がらないもの。

 

 頚腕症候群・・・頚から肩、腕にかけてシビレ痛むもの。

 

 頚椎捻挫後遺症・・・頚の外傷、むちうち症など。

 

以上の、わずか6疾患という、鍼灸が有効である疾患、症状の現実と、かけ離れたような設定になっています。(苦笑)

 

ちなみにWHO(世界保健機構)では、鍼灸治療の適応症としては以下の通りです。

(公社)日本鍼灸師会HP「鍼灸の適応症」 参照 

 

そして、実際はWHOが認めている疾患「以外」にも、さらに無限の可能性を秘めているのが鍼灸医学だ、と、僕は思っています。

 


それは何も僕だけではなく、僕の友人の先生や、先輩、後輩の臨床でも、現実に証明されています。

 

そういった世界基準や、現場の実際とかけ離れた、日本の制度。

 


鍼灸以外にも、いたるところで目に付きます。

 


・・・まあともかく、現行の日本の医療制度では、なぜか、医師が上記の疾患で、その患者さんを治療をしていた場合、我々は保険では、その部位に治療できない決まりになっています。

(しかも、なぜか鍼灸ではダメで、マッサージであればOKなのです。。。)

 


たとえば、腰が痛くて歩けないお年寄りから、往診での鍼灸治療の依頼があったとします。

 


・・・で、同意書を書いてもらって、ほぼ毎日ご自宅まで行ってあげて、一生懸命治療したとします。

 

しかしその月に、たった一回だけ、そのお年寄りが車椅子で整形外科に行って、腰に貼る湿布をもらってきたとします。

 

そうすると、僕らの治療の方は、保険請求できなくなります。。。

 

たとえ、湿布よりも鍼がよく効いて、腰痛が改善していたとしても、です。

 

そういう、訳の分からない制度です。

(これじゃー誰もやらねーわけだー)

 

だから、もし鍼灸の免許しか持っていない場合、この往診事業をやるのは、非常に大変だと思います。

 

(それでも、保険による訪問鍼灸をやっておられる先生も中にはいらっしゃいます)

 

小泉総理の時、規制緩和で、鍼灸学校は全国に、雨後のタケノコのように爆発的に増えました。

(それまでの約3倍、毎年約1000人の卒業生だったのが約3000人に増加。)

 


一般の方はあまりご存知ないでしょうけども、この時、按摩マッサージ指圧師と、鍼師、灸師というのは、実は別の資格で、鍼師、灸師の学校は増えたけど、

 

マッサージ師の学校は増えていません。

 


これには色々な理由があるそうですが、ここではあえて触れません。

 

ですから、鍼灸のみの資格だと、往診事業も難しい、自由診療で食っていけるだけの学術を身に着けないといけないけど、研修、インターン制度があるわけでもナシ。

 

だから、鍼灸師が柔道整復師の免許を合わせて取って、街中によくある「鍼灸整骨院」を開業し、保険を使ってどうにか経営する、というケースが非常に多いのです。

 

話がそれたけど、もうちょい続く。(苦笑)

 

 

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気圧が下がると気血はどうなる!?

2013.07.06

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毎日ムシムシしております。


こりゃムシできませんな。(爆)

・・・というわけで、今日は気圧が下がった場合、人体の気血はどのように変化するのか、考えてみたいと思います。

これ、実は結論から言うと、人によって違いますので、一概に言えません。(笑)

本来は、一人一人について、個別に考えないといけません。


でもそれを言ってはおしまいのなので(苦笑)、ちょっと考えてみたいと思います。



そのそも、気圧とは何か。


これは、気体の圧力のことです。

 

(笑・・・そのままですが。)


大気(空気)というのは、気圧の高いところから低いところに移動します。


この、移動する時の、気体の圧力を「気圧」というわけですな。


気圧の高低差が大きいほど、大気は激しく動きます。


で、低いところには、大気が集まってきますので、上昇気流が生まれます。


で、上昇気流によって水蒸気も上空に上がって、雲ができて、曇り空になってジメジメし、その雲が徐々にぶ厚くなって、

水滴がデカくなってくると、場合によっては雨が降ると。


人体の場合は、気圧が低ければ、上昇気流によって空気中の酸素量が減るため、副交感神経が優位になり、場合によっては体がだるくなったり、

 

やる気がなくなったり、喘息発作が誘発されたりする、と言われております。


東洋医学的には、緊張がゆるみ、気血の動きが緩慢になり、停滞する、といった感じでしょうか。


もうちょっと言うと、「肝の臓」の疏泄作用や、「脾の臓」の運化作用あたりに影響を及ぼし、ここらがもともと弱い人にとっては、

何らかの症状惹起につながるよ、というほどの理解でよいと思います。

「肝」って何ですか?(その13)
「脾」って何ですか?(その9)   参照


まーそもそも「気圧」の発見をしたのは、1640年代~1650年代のヨーロッパだそうですから、東洋医学にはその概念自体、

もともと存在しやしません。

また、自然界では普通、気圧の変化に伴って、気温、気湿など、さまざまな要因が複合的に変化しますし、そういった自然環境の変化”のみ”を受けて生きているわけでもありませんので、

 

気圧の変化だけをもって、画一的に何かを語るのは難しいでしょう。

 

しかしながら、こういったことを考える、というのも重要です。

 

 

◆参考サイト

 

Wikipedia 「気圧」

科学の歩みところどころ「第一回 大気圧の発見からボイルの法則へ」

 

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脳卒中と鍼灸 その5

2013.06.11

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これまでのお話・・・


脳卒中と鍼灸 その1
脳卒中と鍼灸 その2
脳卒中と鍼灸 その3
脳卒中と鍼灸 その4

 

ではでは、続きいきます!

 

 

今回は、脳卒中に伴う急性期、慢性期の数々の症状を、東洋医学ではどう考えるのか、というお話です。

 

◆卒倒して意識不明、意識混濁

 


これは、重症の脳卒中で起こる症状です。

東洋医学的には、正常な精神活動に大きく関わる臓腑、つまり肝の臓、心の臓、あるいは脳、こういったところを、急激に痰や風などの、

何らかの邪気が襲い、まともに機能しなくなった時、意識不明になったり、意識が混濁したりする、と考えます。


「肝」って何ですか?(その13)
「心」って何ですか?(その7)  参照

 

これは、発症した時の迅速で的確な処置が肝要で、倒れた時点できっちり戻せないと、その後も慢性的に意識不明、あるいは意識混濁状態になってしまいかねない、大変コワい症状です。

 

◆言語障害

 


これについては、正常な発語に関わる臓腑、つまり肺の臓や、発声に直接関わる機構である「声帯」を養う経絡経筋が大きく障害された時に、発症します。


本人にとっては、伝えたいことがうまく伝えられないという、大変つらい症状ですね。

 

◆めまい

 


これは、軽度から重度の脳卒中で起こりますが、主に上焦における気血の左右のバランスを大きく崩すと、平衡感覚が狂って、発症します。

また、何らかの原因で、上焦における気血が不足した場合にも、発症します。

一口にめまいといっても、ぐるぐると目が回るようなものから、左右にぐらぐらと揺さぶられるような感覚のもの、あるいは立ち上がった時にフラッとしたり、

 

グウーッと沈み込むような感覚がして、立っていられなくなるようなものなど、色々な種類のものがあり、それぞれ、関係する臓腑、邪気の種類など、病態が違います。

具体的には、肝の臓、胆の腑、風邪、湿痰、こういったものが関わることが多いです。

「胆」って何ですか?(その12)
カテゴリ 邪気(発病因子)   参照

 

・・・長くなったので、次回は続き、とても重要な「半身不随」からいきます。

 

 

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