東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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最近の症例 ⑤ 慢性扁桃炎、咳

2017.10.21

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こないだ、何となく書き始めたシリーズ。

 

最近の症例 ① 抗がん剤治療後に発症した諸症状

最近の症例 ② 男児のネフローゼ

最近の症例 ③ 生まれつきのアトピー

最近の症例 ④ 好酸球性肺炎     参照

 

 

せっかくなんで、もう少し紹介しましょう。

 

 

患者 30代 男性

 

主訴 慢性扁桃炎による痰、咳、咽喉の異物感

 

随伴症状 咽喉の渇き、めまい

 

現病歴 清明院初診の3年前より発症。病院、漢方、鍼灸と、色々試したが良くならない。

 

(何か治療をすると、症状少し落ち着くが、完全には改善しない状況。ピーク時を比較すれば症状の強さは半分以下の状況)

 

既往歴 突発性難聴 慢性鼻炎

 

弁証 肺胃不和 湿痰 

 

配穴 明らかにしない

 

経過 初診後、咳、痰が改善。

 

遠方であり、多忙でもあることから、漢方の先生の力を借りる。

 

(処方名は明らかにしない)

 

現在、経過良好。ほとんど崩れなくなっている。

 

 

他の治療院の鍼灸や漢方でダメでも、清明院のやり方考え方でならうまくいく症例、というのがある。

 

 

 

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「麦飯」ってどうでしょう?? 8

2017.07.10

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これまでのお話

 

「麦飯」ってどうでしょう??

「麦飯」ってどうでしょう?? 2

「麦飯」ってどうでしょう?? 3 

「麦飯」ってどうでしょう?? 4

「麦飯」ってどうでしょう?? 5   参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆麦飯ととろろ。

 

 

さて、麦飯の話から始まり、白米(うるち米ともち米)の現代医学的、東洋医学的なお話までしました。

 

 

ここで、話を麦飯に戻しましょう。

 

 

麦飯のよさは大体分かった。

 

 

でも、それを食おうと思ったら、牛タンとろろ「ね〇し」にでも行かないと、なかなか外では食えませんね。

 

 

ちなみに「ね〇し」の牛タンとろろ定食はもともと仙台の名物ですが、これは戦後、食べ物がない中で「太助」というお店が出し始めたのがきっかけといわれ、

 

麦飯ととろろについては、食感を良くする為とか、消化を助けるためとか言われているようです。

 

仙台牛タンの歴史 参照

 

 

あとはまあ、刑務所の麦飯が有名ですね。(笑)

 

 

これはもともと受刑者を管理する上で、脚気の予防のために与えられていたようです。

 

(他にも海軍とかね。)

 

 

刑務所の食事と、生活リズムや運動量の半強制的な是正が、体に与える影響は、ホリ〇モンの出所後の姿を見たら一目瞭然ですね。(笑)

 

 

現代人の食生活(運動睡眠その他も含めて)はおかしい、だから生活習慣病になる、当たり前の話なんです。

 

 

公衆衛生の状況が悪かったら疫病が流行る、食べ物がなかったら栄養失調、飢餓が流行る。

 

 

大概のもんはこうやって「ごく当たり前」に起こってきます。

 

 

 

 

・・・ところでなんで、麦飯にはとろろ(山芋)なんでしょうか。

 

 

単に食感の問題のみでもない気がします。

 

 

今回はそれを考えてみましょう。

 

 

とろろといえば山芋です。

 

 

山芋は漢方では、「山薬(さんやく)」という名前の生薬です。

 

(すげえネーミングだ(゜o゜))

 

 

山薬は有名な六味丸八味地黄丸に入っている生薬で、性味は甘・平であり、脾・肺・腎を養うといわれます。

 

 

「山薬」といわれるぐらい超優秀な山芋くん。

 

 

効能は補脾止瀉、養陰扶脾、養肺益陰、止咳、補腎固精、縮尿、止帯とあり、

 

「補気して滞らず、養陰して滋でなく、中気培補する最も和平な品で、渋性もあり、収斂の効能も持つ」

 

と言われます。

 

 

これを 「麦飯」ってどうでしょう?? 3 で述べたような麦飯(大麦)の東洋医学的効能と合わせて考えると、

 

1.「大麦」で気を下げ、潤し、清熱利湿しながら

 

2.「山薬」で気を傷らない様にしつつ、陰をフォローすることで、

 

効果を助ける、という感じになるので、相性がいいとされてきたのではないでしょうか。

 

 

・・・まあ、ネットで見ると、栄養学的にはそこまで大きな意味はないとか、単に食感をよくするためだけの問題とか、

 

昔は食べるものが少なかったから云々・・とか、そういうのばっかり出てきますが、この組み合わせが現在も残っているのは、

 

僕からみるとこういう、東洋医学的意味づけが背後にあるからなんじゃないかと思いますね。

 

(どなたか詳しい方、何かご存知でしたらご教示ください。)

 

 

 

続く

 

 

 

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「麦飯」ってどうでしょう?? 3

2017.07.03

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前回のお話

 

「麦飯」ってどうでしょう??

   参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆麦飯と東洋医学

 

 

東洋医学的に考えていく場合、麦飯は大麦を炊いたものですので、大麦について知らなければなりません。

 

 

大麦とは、人類最古の作物の一つと言われ、原産地は西アジアですが、9000年前のイラクの遺跡からも発見されたとか。

 

 

日本では飼料やビール、麦茶、麦芽糖、みそ、しょうゆ、焼酎の原料として利用されています。

 

 

まさに我々の生活になくてはならない作物ですね。(゜o゜)

 

スタッフブログ 「麦茶」 参照

 

 

東洋医学的には、五味は甘、鹹、性は微温(涼性という説もある)であり、気を下げ、潤す性質をもち、脾の臓、胃の腑、膀胱の腑を養うと言われます。

 

 

発芽した大麦(外皮が付いたモミ)は「麦芽」という生薬として、漢方薬に使われます。

 

 

効能としては清熱消渇、益気調中、凉血利水、強心養血、寛腸消積とあり、主に中焦(脾胃)を調整する効果があります。

 

 

現代の研究では、前回述べた血糖値降下に作用する以外にも、消化促進、有機リン解毒作用、潰瘍抑制作用も期待出来ると言われ、

 

こういうものを日常的に摂っていた日本人、サスガ、って感じです。(笑)

 

 

ただ、注意点としては消化にやや負荷がかかるため、胃腸の虚弱な人や下痢しやすい老人や小児は、控えめに摂った方が良いでしょう、という感じです。

 

 

因みに、「大麦の苗」は一部の青汁の原料にもなっており、熱証、湿熱証の人は積極的にとるべきものですが、これも、

 

冷えのキツイ「陽虚」型の人は気を付けるべきでしょう。

 

 

このように、体にいいからと言って摂りすぎるのは問題ですが、西洋医学的に血糖値の問題といい、東洋医学的に内熱の問題といい、

 

胃腸虚弱やキツイ冷え体質でもない限り、現代人は白米に麦を混ぜた方が良い気がしてなりません。

 

 

 

続く

 

 

 

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ルイボスティーと東洋医学

2017.06.07

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↑↑ダム好きなんだよねー。進撃の巨人的世界観。

 

 

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今日、患者さんに問われました。

 

「ルイボスティー飲んでもいいですか?」

 

と。

 

 

アフリカ原産のマメ科植物、ルイボスの葉を使うルイボスティーは、紅茶の代用品なんだそうで、ネット上にあるいくつかのサイトを見てみると、

 

抗炎症作用があり、不妊、便秘、冷え性、むくみ、ダイエット、美肌などなど、とてもたくさんの効能が謳ってあります。

 

(どれも、健康に敏感なアラサー女子が飛びつきそうなものばかりですな。。。)

 

 

で、ルイボスの葉っぱを乾燥させたものを煎じてお茶にして飲む、という訳だそうです。

 

 

何でもこのお茶はアフリカでは「奇跡のお茶」と呼ばれているんだとか。(゚∀゚)

 

 

・・・こういうのね、たまに聞かれます。

 

 

患者さんに聞かれると、その食品にどういう作用があるかについては、『東方栄養新書』『東方養生新書』『東洋医学で食養生』あたりを中心に、

 

清明院に10冊ほどある食養生の本から探したりするのですが、ルイボスティーについては見つかりませんでした。

 

(まあ”最近話題”っていうくらいで、最近になってから日本のメディアで紹介されたのでしょう。)

 

 

・・・で、うちの蔵書になければ、仕方なくネットの情報から探す訳ですが、僕と同じようなことを考えている人が何人かいました。

 

(因みに、ネットでも無理な場合は最終的にS先生に聞きます。(笑))

 

 

まあたいがい、アフリカなどの暑い国で採れるものというのは、人体の熱を取る作用があるものが多いです。

 

 

結果的に気の巡りが良くなったり、浮腫みがとれることもあるでしょう。

 

 

こう考えると、東洋医学的には実熱型、湿熱型の人には、”過度にならなければ”いいのかもしれません。

 

 

で、反対に陽虚型、虚寒型の人が過度に飲めばよくない、と考えること出来ます。

 

 

ただ、昔から「身土不二」という言葉があるように、上記のように、体に籠った熱が取りたいとか、気血の巡りをよくしたいとか、浮腫みを取りたいとか言うなら、

 

わざわざアフリカ原産のものをとらんでも、毎日ガブガブ飲んでる水分の量減らして、軽い運動して、その辺の八百屋で売ってるキュウリでも食っときゃいんじゃないすかね。(゚∀゚)

 

 

横文字とか、ド派手な広告をありがたがるのは、そろそろヤメにしませんかね。

 

 

 

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間違った養生法(水分多飲+ホットヨガ)

2017.01.21

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随分前に、けっこうしつこく書いてたんだけど、

 

「なんか、キリがねえや(‘Д’)」

 

と思って止めた経験のある、養生法に関する話題。

 

 

まあ、ネットを中心とした情報化社会である昨今、実にキャッチーな

 

「〇〇すれば健康美人!」

 

「〇〇で美ボディーゲット!」

 

などなど、メディアの美辞麗句の毒牙にかかって、深刻な病になっている患者さんを、清明院ではよく診ます。

 

 

よくあるのが、

 

「日頃から水分をガンガンとって、休日はホットヨガで大汗をかく。」

 

という健康法のようなものを一生懸命続けている患者さん。

 

 

しかもこれ、20代後半から30代の女性で、管理職などのハードワーカーの方に多かったりします。

 

 

これは非常に危なっかしいです。

 

(全否定はしませんが。)

 

 

東洋医学的には、水分を必要以上にたくさん取ることによって、脾にも腎にも無用な負担がかかります。

 

(もちろん膀胱にも三焦にも胃にも小腸にも大腸にも、場合によっては肝胆にも心肺にも、無用な負担がかかります。)

 

 

そして、捌ききれない水分は、余った水となり、体内に停滞し、「湿痰(しったん)」という病理産物になります。

 

 

・・・で、ホットヨガに行くとこの「湿痰」が排出されて、それとともに他の毒も出る、という、まるでマッチポンプのような健康法なんですが(苦笑)、

 

それでスッキリしてめでたしめでたしかと言うと、そうでもない人が多い。

 

 

人間は水道管じゃないし、水は排水管洗浄剤じゃない。(苦笑)

 

 

日頃のハードワークで、飲み会も多い、睡眠不足も多い、ストレスも多い、運動不足、そういう生活習慣によって、主に脾腎による、

 

水分の出納調整機能が極端に減退しているところに持ってきて、「デトックス」とか称して過剰に水分を取り、しかも暑い部屋で一定時間体操させて、

 

無理やり発汗させることで、必要な津液(有用な水分)を失い、疲労を助長する。

 

 

このメカニズムによって、耳鳴り、突発性難聴、ニキビや皮膚炎、生理痛や生理不順などなど、起こりうる病、症状は数知れずです。

 

(もちろん、水分の調整機能が十分な人は大丈夫ですが。)

 

 

各人がよくよく考えて、自分の体は自分で守らないと。

 

 

流行っているからとか、テレビや雑誌で取り上げられてるからとかじゃなくて、「自分自身の体質と生活習慣にあった養生法」というのを真剣に考えないと、

 

10年後、20年後を考えたとき、大きなマイナスになる可能性があるということを、よく考えた方が良いと思います。

 

 

 

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患者さんの「浮気」に思う

2017.01.19

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今日、1年以上ぶりの、久々の患者さんを診ました。

 

 

以前、どこに行っても治らなかった、とある症状が、清明院の鍼で、劇的に改善したことのある患者さんです。

 

 

最初に訴えておられた症状がほぼ完治した、今から1年半前くらいに、

 

「後は月に1、2回診せに来て、色々な症状を予防しておくといいと思います。」

 

と伝えたっきり、音沙汰ナシだった。(苦笑)

 

 

で、本日久々の来院。

 

 

聞くと、

 

「4か月前から謎の湿疹に苦しんでいる。皮膚科や、”特殊な治療”をやる先生にかかっているが、一向に良くならない。」

 

とのこと。

 

 

いやいや、皮膚科はともかく、”特殊な治療をやる先生”のところに行く前に、清明院に来てよ、と思ってしまいましたが(苦笑)、

 

そこはポーカーフェイスで真摯に受け止めて、治療開始。

 

 

すぐに病理が見えました。

 

 

で、処置し、その後に起こった変化からして、僕の手のうちに入る範疇の病である可能性が非常に高い、と思いました。

 

 

抜鍼直後に、

 

「あれ、気のせいか、痒みが治まってるんですけど。。。」

 

と、患者さん。

 

 

しかし、発症から4か月も経過してしまっている点、またこれまでに、色々な薬や、”特殊な処置”が入っているせいか、

 

病因病理が複雑になってしまっているので、少し時間がかかると思います、とお伝えしました。

 

 

患者さんは反省したような様子で、

 

「また明日来ます。今回もお願いします。」

 

と仰って帰りました。

 

 

 

 

・・・うーん、悔しいねえ。

 

 

でも、昔はこういうの、すぐにブチ切れてたけど(笑)、今回の症状が出た時点で、すぐに清明院、と思いつかなかったわけだから、

 

僕にも責任はある、と思えるようになったよ。(*‘∀‘)

 

 

東洋医学のプレゼン不足、技量不足です。

 

 

まあ今回も、皮膚科医よりも、”特殊な治療”をやる謎の先生よりも、鮮やかに治してみたいと思います。

 

 

 

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頭から汗が出る人 まとめ

2016.07.02

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これまでのお話

 

頭から汗が出る人

頭から汗が出る人 2

頭から汗が出る人 3

頭から汗が出る人 4             

頭から汗が出る人 5        参照

 

 

 

ではまとめいきます!!

 

 

これまで、我々東洋医学のバイブルの一つである『傷寒論』における、「頭汗」のパターンを見てきました。

 

 

要するに、

 

1.湿邪持ち、

 

2.虚の激しいもの、

 

3.中途半端にこじれたカゼ(少陽病)

 

4.いろんなところに熱がこもったもの(陽明病)

 

にまとめることが出来そうです。

 

 

因みに同じ張仲景の 『金匱要略』では、これに加えて、産後に体力の非常に弱ったものにも「頭汗」という現象が起こると書かれています。

 

「婦人産後病脉證治第二十一.」です。)

 

 

まあこれも、上記の分類の2.に入りますね。

 

 

だから患者さんから

 

「頭から汗が出るー(;゚Д゚)」

 

と相談されたら、少なくとも上記ぐらいのパターンを考えて、治療にあたるといいでしょう。

 

 

あとはまあ、”頭から”というキーワード以前の、そもそも論である「発汗」という生理現象のメカニズムに対する理解ね。

 

 

 

 

 

 

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頭から汗が出る人 2

2016.06.25

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前回のお話

 

頭から汗が出る人   参照

 

 

 

2.『傷寒論』辨太陽病脉證并治中第六.に、

 

「太陽病中風.以火劫發汗.邪風被火熱.血氣流溢.失其常度.兩陽相熏灼.其身發黄.陽盛則欲衄.陰虚小便難.

 

陰陽倶虚竭.身體則枯燥.但頭汗出.劑頸而還.腹滿微喘.口乾咽爛.或不大便.久則讝語.甚者至噦.手足躁擾.

 

捻衣摸床.小便利者.其人可治.」

 

とあります。

 

 

まあ要は、カゼ引きで、汗かきまくって体力をかなり失ったものは、頭に汗が出る場合があるよ、っちゅうことだね。

 

 

前回は湿邪持ちの人、今回は正気の弱った人。

 

 

これは東洋医学をちゃんとやっている人であれば、簡単に見分けることが出来るでしょう。

 

 

 

 

続く

 

 

 

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頭から汗が出る人

2016.06.24

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蒸し暑い日々が続いています。

 

 

皆さん、汗がベタベタして、イヤでしょ!?(笑)

 

 

東洋医学では、汗の出方と性質と、出た後の変化を問題にします。

 

 

患者さんから聞いていると、全身、色々な部位から汗をかく人がおります。

 

 

患者さんの中で、

 

「頭だけから妙に汗が出るー( ゚Д゚)」

 

と仰る人がいます。

 

 

さてこれは、東洋医学的に考えると、どういう現象か。

 

 

まずは弁証論治の父、張仲景(150?-219)先生『傷寒論』に聞いてみましょう。

 

 

1.辨痓濕暍脉證第四.に、

 

「濕家之爲病.一身盡疼.發熱.身色如似熏黄.濕家.其人但頭汗出.背強.欲得被覆向火.若下之早則噦.

 

胸滿.小便不利.舌上如胎者.以丹田有熱.胸中有寒.渇欲得水.而不能飮.口燥煩也.

 

濕家下之.額上汗出.微喘.小便利者死.若下利不止者.亦死.」

 

と、出てきます。

 

 

まあ要するに、「湿邪」を体にため込んでいる人は、頭に汗かくよ、って話です。

 

(笑・・・端折り過ぎか。)

 

 

こういう人は、胃腸を弱らせると、体の状態が余計に悪化し、頭の汗が止まりません。

 

 

 

続く。

 

 

 

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患者さんの声(60代女性 関節リウマチ、シェーグレン症候群)

2016.04.28

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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。

 

 

60代 女性 

 

【症状】関節リウマチによる手足の痛み、シェーグレン症候群による乾燥症状

 

【既往歴】子宮内膜症、胆石、自律神経失調症

 

 

 

十年ほど前に患ったリウマチの痛みが、昨年末からまた出てきてしまいました。

 

治癒したと思っていたのでショックでした。

検査結果は、やはりリウマチの値が出ており、シェーグレン症候群も合併していました。

 

幸い、検査値はどちらも軽度でしたが、手足の痛みをベースに日替わりで身体の様々な箇所が痛み、辛い状態でした。

 

処方してもらった抗炎症鎮痛剤があまり体に合わず、免疫抑制剤を服用することにも不安がありました。

 

今まで働き続けてきてくれた体の何処にも弊害を及ぼすことなく、対症療法ではなく、体全体が元気になりたいとの思いが強く、

 

治療方法を色々探していた時に、友人が鍼治療を勧めてくれました。

 

鍼といえば、肩こりや腰痛治療のイメージだったのですが、リウマチも治療して下さるとの事でお世話になることにしました。

 

治療開始当初は痛みが増したように感じたり(好転反応)、日によって痛む場所が変わるのでモグラ叩き状態でした。

 

正直な所、鍼一本刺すだけで本当に効果があるのかなあと思ったこともありましたが、痛みはあっても体が軽くなってきたり、

 

食欲も増し、口内の渇きが気にならなくなってきたりと、

 

 

治療を重ねる毎に心身共に楽になっていきました。

 

 

治療して頂いて二カ月経った現在、日替わりの痛みはなくなり、手足の痛みも軽減していて、とても有難く、嬉しく思っています。

 

竹下先生には食べ物をはじめ、色々な養生を教えて頂き、質問にも丁寧に答えて下さって感謝しています。

 

痛みが完全に無くなることを願いつつ、治療をして頂きながら養生に心がけ、「大丈夫!」と明るい気持ちで過ごさせてもらいたいと思っています。

 

これからも宜しくお願い致します。

 

 

【清明院からのコメント】


本症例は、初診がH28年の2月、と
ある鍼灸院さんからの紹介でした。

関節リウマチやシェーグレン症候群というのも、清明院では意外と多く診る疾患です。

 

関節リウマチ YAHOOヘルスケア

シェーグレン症候群について 難病情報センター

 

西洋医学的には痛み止めやステロイドを使って、効果薄だと、免疫抑制剤を使ったりしてコントロールするしかなく、

 

いずれにしても対症療法的であり、たとえうまく症状がコントロールできていたとしても、患者さんとしては非常に先行きが不安な疾患でもあります。

 

こういうものに、東洋医学が力を発揮します。

 

東洋医学的な考え方に基づく、「根本的な体質改善」が見込める可能性がある、ということです。

 

西洋医学的な数値がどうであれ、リウマチの関節炎や、シェーグレンの乾燥症状が起こる状況、外的環境にさらされても、

 

それが起こらない体質に改善される場合がある、ということです。

 

本症例の患者さんは、初診の10年前にもリウマチの痛みを発症したことがあり、今回、10年ぶりに再発してしまったこと、

 

病院から出された薬があまり効かなかったことに、非常に不安感を覚えておりました。

 

また、10年前に発症した時は漢方薬で治したそうで、もともと東洋医学に理解のある患者さんでした。

 

このように、どんな病気であれ、東洋医学の考え方に肯定的な患者さんは、治療がうまくいきやすい傾向があると思います。

 

初診時、「痹証(肝鬱痹≒著痺:脾湿肝鬱)」と証を立て、治療を開始すると、初診治療後から非常に手応えのある変化を見せました。

 

多少、治療後に瞑眩が出たり、症状が右往左往することはありましたが、5診目には症状が緩解し始め、そのままブレずに、

 

冷静に有効打を与え続け、2か月後、20診目には関節炎の消退をみました。

 

「メンケン」って何ですか? 参照

 

今後も、外部環境がいかに変化しても、リウマチやシェーグレンの症状が出ないような体質になるよう、治療を進めさせていただこうと思います。

 

また、本症例で興味深いのは、リウマチによる関節炎を主な標的として治療を進めていたのですが、シェーグレン症候群による渇き症状も、

 

同時に改善していることは、注目に値すると思います。

 

東洋医学は、全身のバランスを整えることによって、その患者さんの「治る力」を最大化しようとする治療です。

 

化学物質による強引な対症療法ではありません。

 

ですので、こういう、嬉しい副産物が付いてくることはよくあります。

 

アレルギーや自己免疫疾患など、西洋医学が比較的苦手とするような疾患に、伝統鍼灸、試してみては如何でしょうか。

 

試す価値「大」だと思います。

 

 

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