東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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(一社)北辰会定例会大阪会場へ(二陳湯と鍼灸の症例)

2019.05.14

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5.12の日曜日は、大阪上本町で行われた(一社)北辰会定例会に参加してきました!!

 

 

今回は午前中は実技。

 

 

僕は上級班で、風胤堂本院長である油谷真空先生の超絶技巧を目の当たりにしていました。(゜o゜)

 

 

午後は久々に、丸々三時間症例検討会。

 

 

奈良のタケモトクリニック院長の竹本喜典先生による、「二陳湯加減と鍼灸を併用した三症例」です。

 

 

この二陳湯という薬は、このブログにも何度も出てきている、江戸期の多くの医家たちが参考にした、あの『和剤局方』が出典です。

 

『和剤局方』を含む記事 参照

 

 

中医学をやっている臨床家であれば、全員持っているであろう、東洋学術出版社の『中医臨床のための方剤学』では、「燥湿化痰剤」の首先に出てくる方剤で、「湿痰」という邪気に使う、超有名選手であります。

 

「怪病多痰(かいびょうたたん)」という言葉

「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について      参照

 

 

二陳湯は、半夏・茯苓・陳皮・甘草で構成されたシンプルな方剤であり、これを生姜、烏梅とともに飲む、と書いてあります。

 

 

東洋医学をやっているものにとって、半夏と陳皮のコンビネーションはあまりにも有名ですが、二陳湯の場合、この半夏と陳皮が古いものの方が、

 

薬性がマイルドになり、より良い、ということで、「半夏と陳皮の二つが陳(ふる)いほど良い。」という意味で「二陳湯」なんだそうです。(^^)

 

 

この方剤を、清代の名医である王旭高先生(1798-1862)「治肝三十法」の考え方を参考に加減して、見事に治してみせた症例を、三例発表して下さいました。

 

 

この症例は、今年の6月に新宿で行われる日本東洋医学会学術総会でも、ポスター発表なさいます。

 

 

今回聴き逃がした方は、ぜひ新宿に!!(=゚ω゚)ノ

 

 

僕も久々に湯液の絡んだ症例で、非常に勉強になりました。

 

 

また、中医学をベースにすれば、湯液家とも共通の理論土台の中で討論できるし、やはり中医学理論は有用だなあと思いましたね。

 

 

終わった後は呑み。。。

 

 

今回、油谷先生が爆裂していました。(笑)

 

 

 

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今日から土用!!!

2019.04.17

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今日は2019.4.17でございます!!

 

 

今日から5.5までが「春の土用」であります。

 

 

現在、二十四節気では「清明」節です。

 

(清明院の清明です。(^^))

 

 

「清明」の意味は「清浄明潔」であります!!

 

 

二十四節気をさらに3つに分けた七十二侯では、今は末侯の「虹始見(にじはじめてあらわる)」であります。

 

 

虹が始めてあらわるということは、梅雨に向かって空気が潤ってくることを示します。

 

 

・・・で、次の節は「穀雨」であります。

 

 

そして、土用が明けて、「穀雨」の次の節、5.6からがいよいよ「立夏」であります。

 

 

また、今年の穀雨~立夏は新元号である、「令和元年」でもあります。

 

 

春の終わりに潤った空気が、患者さんに何を起こすか、また、改元によって忙しくなる患者さんに、何が起こるか、GWの連休の過ごし方はどうするのか、

 

これらの諸問題をよくよく考えて、慎重に対処しないといけません。

 

 

土用で穀雨だから、空気が潤うから、イコール脾が弱るだの、イコール土克水で腎に来るだの、そういう短絡的発想はやめましょうね☆

 

 

やはり多面的観察が大事。

 

 

でも、時節も大事。

 

 

我々は、生物学的人間であると同時に、社会学的、文化的人間を診ているのであります。

 

 

蓮風先生や、『内経気象学』の橋本浩一先生も良く仰るが、東洋医学では、基本として運気や時節を鑑みつつも、常に実際の気候気象、風向や気温湿度、

 

その患者に起こった現象等々から、多面的観察の上で総合判断しなさいよ、という、重要な教えです。

 

 

陰陽論を、機械的に運用するという愚を犯してはならない。

 

 

 

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「治打撲一方」という薬

2019.04.05

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昨日、「牛車腎気丸」という薬という記事を書きました。

 

 

その時に、もう一種類、「治打撲一方」という薬の話にもなりました。

 

 

これはどうか。

 

 

これは実は、以前紹介した江戸期の医家、香川修庵先生(1683-1755)の創方だそうです。

 

香川修庵という人物

墓マイラー 9      参照

 

 

ですが、真柳誠先生の研究によれば、「治打撲一方」という”名前で”文献に登場するのは、あの幕末から明治の漢方医、浅田宗伯先生(1815-1894)の

 

『勿誤薬室方函口訣(ふつごやくしつほうかんくけつ)』だそうで、ということは、この薬の名付け親は浅田宗伯になるそうです。

 

浅田宗伯という人物

墓マイラー 18 浅田宗伯先生    参照

 

 

・・・まあ、個人的にはどっちでもいいんですが。(゚∀゚)

 

 

この薬の中に含まれる川骨(せんこつ)、樸樕(ぼくそく)という、活血化瘀の効果を持つ生薬は、呼び名からして日本独特であり、中国の処方に含まれることはないそうで、

 

そういう意味でもまさに日本製の漢方薬だそうです。

 

(もともとは戦国時代に傷や怪我を治療する秘伝の薬だったのを、香川先生がまとめたんだとか。)

 

(中国では川骨のことは萍蓬(ヘイホウ、コウホネ、カワホネ)というらしいが、『中医臨床のための中薬学』には載っていませんでした。。)

 

 

「治打撲一方」は、昭和になって、一貫堂の山本巌先生が紹介したことで、よく使われるようになった経緯があるそうです。

 

(今ではツムラのエキス剤になっています。)

 

 

これは中医学では血の流れを調える「理血剤」のグループであり、その中でも停滞した瘀血を取る「活血祛瘀剤」のグループで、その名の通り、

 

打撲や捻挫を治療する薬なんですが、応用的に骨折の後遺症などにも使われるようです。

 

 

さらに応用的には、経絡経筋が冷えて、瘀血が停滞した痛みなんかにも使われるそうです。

 

 

・・・ということは、外傷はともかくとして、気滞血瘀や瘀血性の疼痛に応用するには、

 

「経絡経筋に冷えがあり、気が停滞し、血も停滞している」

 

ということが診断できないとマズい、ということになります。

 

 

また、これを適切に運用するには、同じグループの有名な薬であり、現代でもよく使われる

 

「桃核承気湯」「血府逐瘀湯」「桂枝茯苓丸」「大黄䗪蟲丸」「温経湯」「抵当湯」

 

なんかとの使い分けができる能力が要求されるはずです。

 

 

まあ、治打撲一方に限って言えば、熱邪や湿邪の関与する痛みだったり、気虚や陽虚が関与するものに使ったらドボン、ということでしょうか。

 

 

漢方薬というのは、もちろんながら、東洋医学の生命観、疾病観に立脚して考案されたものです。

 

 

ここを無視して使用されているような現実があることは、実に残念に感じます。

 

 

 

 

 

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「牛車腎気丸」という薬

2019.04.04

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こないだ、とあるドクターと話していて、「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」という有名な漢方薬の話になった。

 

 

慢性腰痛や耳鳴りの患者さんなんかで、これを処方されている患者さんを、たまに見かける。

 

 

効果のほどを問うと、多くの患者さんは

 

「・・・うーん、うん。。。」

 

て感じの回答が多い。(苦笑)

 

 

・・・何で、こんなことになってしまっているのか。

 

 

少し考えてみたいと思います。

 

 

この薬の出典は、南宋の医家である厳用和(げんようわ)先生が1253年に書いた『済生方』です。

 

 

『済生方』は、厳用和先生の30年以上の臨床経験と学問に基づいて、それまで無数にあり過ぎて、ある意味で医家を混乱させていた、数万もの方剤群を、

 

500程度にスッキリとまとめて下さった、ありがたい本で、中国はもちろん、日本でも珍重され、現代にまで伝わっている書だそうです。

 

 

牛車腎気丸以外にも、現代のうつ病などによく使われる帰脾湯加味帰脾湯など、『済生方』の処方は現代でも応用され続けています。

 

 

牛車腎気丸は、陽気を補い温める作用を持つ「補陽剤」のグループで、あの『金匱要略』に出てくる八味地黄丸の中の桂枝肉桂に変更し、

 

さらに牛膝車前子を加えたものであり、八味地黄丸からさらに、腎を補う作用と、水を捌く力を強めてあるもの、と言えますね。

 

 

ということは、「腎陽虚>下焦の水湿邪」、という診断がついてないのに、使ったらマズい、ということになる。

 

 

腎陽虚とは言っても、八味地黄丸と、牛車腎気丸と、中国明代、張景岳右帰飲、右帰丸あたり、ここを四診(望聞問切)から判断した上で、

 

適切に使い分けているドクターが、どれくらいいるだろうか・・・。

 

 

ネット上を少し見ただけでも、牛車腎気丸のエビデンスレポートはいくつもあるようだが、東洋医学の発想で創方された薬を出すなら、東洋医学的な診断に基づいて、

 

しかも一定期間はそれのみで、使って頂きたいと思うのは僕だけなんだろうか。。。

 

 

西洋医学的な病名に基づき、他の西洋薬とともに漢方薬を出す、これでは何が何だか、じゃないでしょうか・・・?

 

 

 

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平胃散について

2019.03.01

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昨日、四君子湯と六君子湯という記事を書きました。

 

 

ついでなんで、比較的有名にして、「六君子湯」と似ているところのある「平胃散」についても書いておこうと思います。

 

 

・・・まあ、僕は鍼灸の臨床家でありますので、これらの薬の、より臨床的な解説は、漢方家の先生のサイトにお任せするとして、これらの方剤の使い分けの際に考えるような内容が、

 

我々の臨床においても、微妙に配穴や補瀉やその評価に関わってくるんだよ、という話でも書いておこうと思います。

 

 

「平胃散」の出典も、「四君子湯」と同じく、宋代の国定処方集である『和剤局方』であります。

 

 

この『和剤局方』は、以前紹介した森道伯先生の臨床にも出てくる、大変重要な処方集ですね。

 

一貫堂医学について 9(矢数格(道斎)先生の治療) 参照

 

 

『中医臨床のための方剤学』によれば、平胃散「袪湿剤」のグループであり、処方構成は蒼朮15g、厚朴9g、陳皮9g、甘草4gとあり(生姜、大棗を含める場合もあり)、

 

効能は燥湿運脾、行気和胃、主治は湿困脾胃とあります。

 

 

四君子湯六君子湯と違って、人参、白朮、茯苓ではなく、蒼朮を多めにドーンと入れてあることで、「燥湿(湿邪を乾かす)」の効果を主に狙っている訳ですね。

 

 

つまり、湿邪の邪気実によって、脾胃の働きが抑えられているものに対する処方な訳です。

 

脾・胃   参照

 

 

四君子湯、六君子湯”補法(補気)”をベースとした世界とは違う、”瀉法(袪湿)”の世界ですね。

 

 

中国清代の傳山(1607~1684)の『傳青主女科』では、この処方に朴硝(含水硫酸ナトリウム)を加えて、死胎の娩出に使っているというから、興味深い。

 

 

清明院もここ最近、二十四節気では「雨水」に入り、「啓蟄」の前であり、月齢では新月に向かい、こないだの雨で気温がガクンと下がり・・・、

 

という流れの中で、まさに「平胃散証」、という患者さんがチラホラ見えました。

 

 

これは鍼でやるなら、足三里豊隆を瀉法か?あるいは太白を瀉法か??

 

 

それとも脾兪胃兪か?

 

 

あるいはお灸でやるか??

 

 

どれが一番、平胃散チックか??

 

 

 

こう考えながらやるってのも、楽しいもんだねー(゚∀゚)

 

 

 

 

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四君子湯と六君子湯

2019.02.28

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こないだ、患者さんで、「四君子湯」という漢方薬を処方されている方がいらっしゃった。

 

 

・・・そこでふと、昔のことを思い出した。

 

 

ずいぶん前のことだが(15年以上前かな?)、蓮風先生が実技デモで腹診をしながら、

 

「これは四君子湯の証や!四君子湯と六君子湯は違うぞ!!どう違うか、お前分かるか!?」

 

と、当時の講師の先生が指されて、その先生が答えられずにアワアワしていたのを思い出した。

 

 

そのあと確か、太白に鍼をなさっていたように思う。

 

 

・・・で、当時、帰ってから、四君子湯六君子湯の違いについて一生懸命調べたことがあった。

 

 

久々に思い出したんで、ここに書いておく。

 

 

 

 

四君子湯の出典は中国宋代の国定処方集である『和剤局方(1110)』で、この方剤は『中医臨床のための方剤学』では「補気剤」のグループの薬だ。

 

「補気剤」の代表選手、といってもいい方剤みたいです。)

 

 

内容は人参6g、白朮9g、茯苓9g、炙甘草6gとのこと。

 

(本によって別説もあるようだが。。)

 

 

効能は益気健脾、主治は脾気虚とある。

 

 

人参炙甘草で津液を補い、白朮、茯苓では湿邪を取る、この相反する作用をもって、全体としては脾の臓の弱りをフォローする薬、というワケだ。

 

(相反する作用を持つ生薬をあえて配合して、結果的に効果を高める、これを相反相成というそうです。)

 

 

それに対して、六君子湯はどうか。

 

 

出典は明代の虞摶(ぐたん 1468-1517)による『医学正伝(1515)』だそうで、四君子湯よりもずいぶん後になって考案された処方らしいですが、

 

これも分類的には「補気剤」のグループで、四君子湯脾気虚がさらに進んで、脾胃ともに気虚(脾胃気虚)を起こし、さらに湿痰を生じているものに対する方剤で、

 

前述の四君子湯の4味に加えて、和胃降逆の作用を持つ小半夏湯の内容(半夏・生姜)を加え、さらに理気健脾、燥湿化痰陳皮と、補脾、養営大棗を加え、

 

全部で8味もの、やや複雑な構成になっている。

 

 

総じて効能は補気健脾、和胃降逆、理気化痰、主治は脾胃気虚痰湿、ということになる。

 

 

清代の名医で有名な程国彭(ていこくほう 1662-1735)『医学心悟(1732)』に、

 

「・・・気虚挟痰、清陽不昇、濁陰不降、即上重下軽、六君子湯主之。・・・」

 

と、簡潔に述べているように、臨床的には脾胃の弱りによって中焦から上昇(特に上焦)に痰湿が停滞しているものに使うとある。

 

 

四君子湯六君子湯も、どちらも脾気虚を補うという点では同じだが、六君子湯の場合は胃の気虚痰湿の邪実が射程に入っている、ということですね。

 

 

鍼では、四君子湯の場合は大白への補法でいいと思うが、六君子湯の場合は、大白だけで終われるのは相当腕達者だと思う。

 

 

二穴に分けるか、腹を使うか・・・。

 

 

いずれにせよ、所見も評価も、全然異なる。

 

 

 

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ノニと巴戟天

2019.02.21

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こないだ、患者さんで、

 

「生理痛にノニジュースが良いと聞いて、飲むようにしたら痛み止めを使わないでもいられるようになった!」

 

という人がいらした。

 

 

この手の話は、臨床をやっているとゴマンと出会うが、バカにしてはならないと思っています。

 

藤本鉄風先生の教えですね。)

 

 

・・・今回も、ほう、と思って、少し調べた。

 

 

清明院から歩いてすぐのところに、巨大なビルが建っている「ノニ」

 

 

こないだ話題になった「青汁王子」じゃないけど、こういった健康食品産業ってのは、スゴイもんだね。(゜o゜)

 

 

新宿にビルが建つなんて、鍼灸院ではとても無理っす☆

 

 

10代の頃から、朝から晩まで勉強して、臨床して、休みの日は勉強会行って、やっとこさっとこ学術を身に付けて、それでもやっとこさっとこメシが食えているくらいなのに、

 

とある健康食品を開発して、上手に宣伝して、通販で全国に売ったら、新宿に巨大なビルが建つ。。。

 

 

これが社会の現実です。(;’∀’)

 

 

・・・まあいいっす、僕は僕で、大都会新宿の片隅で、コツコツとやります。(`・ω・´)ゞ

 

 

さてこの「ノニ」ですが、東南アジアからオーストラリアにかけての太平洋熱帯地域全域に生育する常緑低木または小木だそうです。

 

 

日本では沖縄に「ヤエヤマアオキ」という和名の自生種があるそうで、古くから果実や根や茎が薬用に使われてきた歴史があるそうです。

 

 

まあ、「ノニ」の効果については、色んなサイトで、色んなこと(効果効能)が実に景気よく書かれています。(苦笑)

 

 

・・・でもまあ、こちらのサイト様に書かれているように、科学的根拠は不十分、という、いつものやつではないでしょうか。

 

 

ただ、冒頭にも述べたように、「科学的根拠が不十分」だから大したものではない、と即断するのは違う。

 

 

因みにノニは、morinda属の植物なんだそうだが、同じmorinda属の植物を使う生薬に「巴戟天(はげきてん)」という生薬があります。

 

 

毓麟丸(いくりんがん)、巴戟丸(はげきがん)、金剛丸(こんごうがん)といった、聞きなれない処方に使われるようで、中薬学では「補益薬」のグループで、特に「助陽薬」に分類されます。

 

(まあ、陽気を補うグループです。)

 

 

巴戟天は根っこの部分を使うらしいが、腎陽虚+寒湿邪の女子胞の冷えからくる不妊症や生理痛、生理不順などによく使う生薬だそうで、

 

ノニもこれと似たような効果が期待できるとすれば、生理痛が取れたというのも納得できる。

 

 

しかし、熱帯地域にある植物で、冷えを取るとは。

 

 

清熱にいきそうなイメージを持っていましたが、陰虚熱、湿熱には禁忌だそうです。。。

 

 

意外とこういう、患者さんのいう、健康食品で奇効が得られたという話が、鍼灸治療や、養生研究の役に立つことがある。

 

 

 

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声音嘶唖(嗄声・失声)について ③

2019.02.10

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これまでのお話し

 

参照

 

 

◆今回の治療と反省

 

 

今回、見事に立春とともに起こった、一連の症状でした。

 

 

まず時節柄、内傷としての肝胆の異常は頭に置くべきでしょう。

 

(決めつけてはイカんけどね)

 

 

土曜の食事会での緊張からの緩和、東方医学会での緊張からの緩和、この、「緊張からの緩和」「緩和」の際に症状が重くなるようなものは、

 

北辰会では、多くは肝気実型の病変と考えます。

 

 

今回は、最初の段階で、それにさらに外邪が絡んでいるものと考えた。

 

 

日曜の夜の、発熱時の段階での治療が、あまりにもシャープに決まったため、調子に乗って気を抜いたのがミスでした。

 

 

いくら軽くても、風邪気味であった場合、完全に治ってからも1週間、最低でも3日は、重々気を付けて過ごすべきでしたね。

 

 

その意味で、水曜日の午後、いやむしろ朝、咽喉がおかしい、声が出にくいと感じた時に、即座に病理を分析して手を打つべきでした。

 

 

それを放っておいて、講義で喋り、飲み会で喋り・・・、という流れをもって、迂闊にも「嗄声」という病を完成させてしまいました。(苦笑)

 

 

こうなると、邪熱の発生源を「肝の鬱熱」「中焦の湿熱」と考えて、せっせと治療したものの、「排便や排尿、発汗」というイベントを待って、

 

一定の期間を経過しないと、もはや即座には声は戻りません。。。orz

 

 

・・・いやー、いい勉強になりました。

 

 

しかし立春(というか時節の問題)、やはり恐るべし。。。

 

 

来年は健やかに立春を迎えたいなあ・・・。

 

 

 

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「糾励根(きゅうれいこん)??」

2018.11.09

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今日、膝痛の患者さんの膝が突然青黒くなっていた。

 

 

一瞬、

 

「なんじゃこりゃ!?( ゚Д゚)」

 

と思って、

 

「どうしたのコレ?」

 

と問うと、

 

「糾励根(きゅうれいこん)貼ったら色が移っちゃいました。。。」

 

とのこと。(苦笑)

 

 

・・・キュウレイコン??

 

 

何すかソレ??

 

 

臨床20年やってて、正直初めて聞きました。

 

(恐らくです。過去に聞いたけど忘れてる可能性もあるけど。)

 

 

患者さんが言うには、自分で練って作る泥のような湿布だそうだ。

 

 

昔の接骨院なんかでは、「泥湿布」といって、柔整の先生方が作っていたのを知っている。

 

(見たこともあるし、作るの手伝ったこともある。)

 

 

なるほどねー、泥湿布ねえ。

 

 

そこに、「糾励根」が練り込んであるわけか。

 

 

「糾励根」についてはこちらのサイト様が参考になりました。

 

 

いやー、まだまだ知らんことがたくさんあるなー。。。

 

 

まあ、膝の熱は、貼る前に診た時よりも確実に引いてはいました!!

 

 

それが何よりですな。(゚∀゚)

 

 

 

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ローズマリーティー?? 2

2018.10.27

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前回のお話し

 

ローズマリーティー??     参照

 

 

◆そもそもどこに生えてたの??

 

 

植物とその効能を考えていく時、まずは

 

どこに自生していた植物なのか(原産地)

 

を知ることで、ある程度そのものが持つ性質を把握できることがあります。

 

 

ローズマリーというのは、地中海沿岸地方が原産地なんだそうです。

 

(ふむふむ、ヨーロッパの植物な訳ですな。)

 

 

地中海沿岸地域ということは、「地中海性気候」といって、比較的温暖な気候で、冬には一定の降雨があるが、夏は日ざしが強く、乾燥するそうです。

 

 

植物としてはローズマリーの他に、夏の乾燥を利用した耐干性の樹木性作物(オリーブやブドウなど)、冬の降雨を利用した冬小麦栽培が行われるほか、

 

乾燥して牧草の育たない夏に、家畜を高山へ移動する移牧も行われるそうです。

 

 

これらを組み合わせた混合農業のことを「地中海式農業」といい、オレンジ、レモン、イチジク(無花果)、コルクガシ、月桂樹(ローレル、ローリエ)などが栽培され、

 

オリーブ油、ワインなどが多く出荷されているそうです。 

 

(やはり、暖かい気候で、しかも乾湿の偏差が大きい地域であるせいか、東洋医学的には理気活血、清熱解毒モノがよく採れるようですね。)

 

 

・・・で、そんな環境にあって、ローズマリーはシソ科に属する常緑性低木で、和名では「マンネンロウ」と呼ばれ、中国では「迷迭香(めいてつこう)」と呼ばれます。

 

(この日中でのネーミングの由来が気になりますね。あとで触れましょう。)

 

 

生葉もしくは乾燥葉を香辛料、薬(ハーブ)として用い、花も可食であり、水蒸気蒸留法で抽出した精油も、薬として利用されるそうです。

 

 

ふむふむ、大活躍だね、ローズマリー。 

 

 

 

続く

 

 

 

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