東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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バカにされた経験

2017.12.11

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20代前半の頃、東洋医学の医者になりたいと意気込んで、毎晩、目を爛々とさせながら、夜中まで勉強して、日曜日は勉強会に行って、

 

空いた時間は先輩や、気になる治療院に治療を受けに行き、分からないことは先輩に聞きながら、必死になって東洋医学を身に付けようとしていた。

 

 

・・・でも、現実は厳しくて、患者さんは誰も、僕の出来損ないの東洋医学なんて受けようとしてくれなかった。

 

 

毎回、分からないなりに脈を診て、舌を診て、腹診をして、

 

「肝臓がどうのこうの」

 

とか、

 

「腎臓がどうのこうの」

 

とか、

 

「東洋医学ではどうのこうの」

 

とか、よく意味の分からない説明をしては、手先や足先など、症状と全然関係ない場所に鍼治療するのだが、ある日、ご高齢の男性患者さんから言われた。

 

「あのさー、そんなんどうでもいいから、早く肩もめよ。」

 

と。

 

僕が、

 

「いや、でも内臓の不調も考えて、根本的な治療をしないと・・・、」

 

と食い下がると、

 

「腎臓だの肝臓だのは、病院のそれ専門の先生に診てもらうから、別にアンタに診てもらわんでもいいよ。」

 

と言われた。

 

 

僕は歯を食いしばって、

 

「そうですか、分かりました。」

 

と頭を下げて、悔しさで震える手で、その患者さんの肩をもんだ。

 

 

一人で群馬から東京に出てきて、友達もいない中、そんな惨めな日々だった。

 

 

 

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患者さんの声(50代女性 口腔扁平苔癬、肩こり、疲労倦怠感など)

2017.03.31

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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。

50代女性 会社員

【症状】 

 

口腔扁平苔癬 肩こり、疲労倦怠感など

 

 

 

一昨年から、歯磨きが出来ないほどの口内の痛みが続いたかと思うと治まる、といった日々の繰り返しでした。

 

口の中が熱いというか、モノが当たると痛いんです。

 

それでも何日かすると治まるので、あまり深く考えていませんでした。

 

その痛みが治まっている間に歯医者へ行ったところ、

 

「あっ、おそらく口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)です。大きな病院で調べてもらってください。」

 

とのこと。

 

その頃、下の歯茎に白いレース状のものができていました。

 

大きな病院の口腔科で生検した結果、「前がん状態」とのことでした。

 

しかも

 

「治療法は特にありません」

 

と大きな病院の先生は仰います。

 

「えっ?では私はどうすればいいんでしょう」

 

「定期的に経過観察をしていきます。もしガンになったらその部分を切除します。ならないように気をつけてください」

 

「切除したら顔変わります?」

 

「…変わります」

 

む、難しいですよね、ガンにならないように気をつけるなんて……。

 

わたくし、顔が変わるのはイヤだ、との思いから、なんとか治療法を探ろうとネット検索致しました。

 

で、

 

“鍼で扁平苔癬が治った!”

 

という患者さんの声に辿り着き、こちらの清明院にすぐさま予約を入れた次第です。

 

そこからは真面目に通いました。

 

竹下先生の技術は素晴らしいのひと言。

 

通い始めてからは一度も痛みの症状は出ませんでした。

 

先日、3か月後の定期検診で大きな病院へ行ったところ

 

「扁平苔癬が消えてる! なぜ? 奇跡!?」

 

と、先生が驚く驚く。

 

ドヤ顔で、清明院の鍼治療を話したところ、他の患者さんにも教えてあげていいか?と逆に聞かれました。

 

口腔扁平苔癬で悩んでいる方々にお伝えします。

 

その痛みは改善する可能性があります。

 

どうぞ、竹下先生の鍼治療を受けてみてください。

 

泣きたいくらいの毎日から解放され、新しい自分になれるかもしれません。

 

私は現在50代半ばですが、60代も明るく楽しく生活できそうな気がしております。

 

 

 

【清明院からのコメント】 

 

 

 

感動が伝わってくる文章をいただき、こちらも嬉しいです。(^^) 

 

最近、チョイチョイ診ます、口腔扁平苔癬

 

以前にも、他の患者さんの声を紹介致しました。

 

患者さんの声(50代女性 口腔扁平苔癬 イボ、ホクロの急激な増加、疲労倦怠感など) 参照

 

まあ、たとえ西洋医学の病名が付いていても、それで東洋医学的な診察診断に大きな影響が出るというものでもないのですが、

 

臨床的には肝が悪かったり、脾が悪かったり、正気の虚が関与したりと、色々な病理があるようです。

 

(もちろん西洋医学の診断名や予後予測も参考にはしますが。)

 

この方の場合は初診時「脾虚肝乗」と証を立て、治療を進めると、3診目には明らかな変化を実感されたようです。

 

そのまま治療を継続し、約3か月後、最近の検査にて、専門病院にて、奇跡的に苔癬が消失している、という結果を得ました。

 

その間、治療回数は15回です。

 

僕も以前、禁煙後の口内炎に苦しんだ経験があるので、口腔内の痛みという症状の不快さはよく分かります。(苦笑)

 

タバコと東洋医学(その6) 参照

 

この患者さんのように、大きな病院から

 

「前癌病変です。現時点ではやりようがないです。」

 

なんて言われたら、その先の人生、暗くなっちゃいます。

 

でも、鍼灸ではちゃんとやりようがアリアリです。

 

 

お困りの方は、清明院に相談してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

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「伝統」とは何か。 4

2017.03.24

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これまでのお話

 

「伝統」とは何か。

「伝統」とは何か。 2 

「伝統」とは何か。 3  参照

 

 

では続きいきます。

 

 

◆「易」の三義

 

 

「気」とともに、我々の医学のもとになっている「陰陽」という哲学。

 

 

これが一体どういうものなのか、ということについては、『黄帝内経』の中には詳述されていません。

 

 

『黄帝内経』は、陰陽についてある程度理解していることを前提に書かれているような雰囲気があります。

 

 

その「陰陽」について詳しく書かれている大古典が『易経(えききょう)』という書物です。

 

 

北辰会も以前からそうですし、近年では他の様々な流派の先生方も、この『易経』を非常に重視するようになってきました。

 

 

鍼灸師が、『易経』に関する内容を書いた本も、いくつか出て来はじめました。

 

 

いいことです。

 

 

でもこれ、なかなか難しいんです。

 

 

あんまり東洋医学の基本的なことが分かっていないうちに、興味本位で噛り付くと、普通に歯が折れます。(゚∀゚)

 

 

また、ある程度基本が分かった段階で、『易経』に関する色々な説明を受けても、

 

「うんうん、なるほど分かった。・・・で?それをどうやって臨床に使ったらいいの??」

 

と、なりやすく、そこで脱落しやすいお勉強の一つでもあります。(苦笑)

 

 

こういった、「根本哲学」なんてモノは、結局、実際には役に立たない!とか言っちゃう人がいるのも分からないではないくらい、

 

なかなか取っ付きにくい学問だと思います。

 

 

僕もこれまで、『易経』、「易学」、「医易学」については、このブログ上でもあまり触れてきませんでした。

 

(易に関してはエキスパートを何人か知っているので、理解が曖昧な状態で何か書くのが、怒られそうで怖くてね。。。)

 

 

でも「補瀉」とか「三陰三陽」の時みたいに、そのうち、気が向いたらバーッと書こうと思っていますので、少々お待ちを。(笑)

 

 

・・・前置きが長くなったけど、「易」には三義と呼ばれるものがあります。

 

 

これは、「易」という言葉が持つ、三つの意味、というほどの意味です。

 

 

長くなりそうなんで、続く。(*‘∀‘)

 

 

 

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総合と総体 8

2016.12.16

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これまでのお話

 

総合と総体 1

総合と総体 2

総合と総体 3

総合と総体 4

総合と総体 5

総合と総体 6   参照

 

 

 

◆「天人合一思想」とは。

 

 

まあ、この医学が基本に置く「天人合一思想」というものについては、これまで何度か語ってきていますが、これ専門に記事を書いたことがなかったので、これについても、ここらで書いときましょう。

 

「天人合一思想」を含む記事 参照

 

 

大宇宙である自然と、小宇宙である人間は、密接に関わり合っている、相互に影響しあっている、という考え方を、「天人感応説」とか、

 

「天人相応説」といい、そこからさらに、天と人は一体である、同根同体である、と考えるのを「天人合一思想」と言います。

 

 

自然現象と人間が密接に関わり合っている、というのは、誰でも何となく感覚的に分かります。

 

 

でも、 「一体」と言われるとどうでしょうね・・?

 

 

これは、人間という小宇宙の中にも、無数の宇宙が存在し、大宇宙の中にもまた、無限の小宇宙が存在する、だから一緒なんだ、という、壮大な考え方です。

 

 

この考え方を応用(拡大解釈?)すると、生命体の「ある部分」は全体の情報を持ち、全体はまた部分の情報を持つ、ということになり、

 

ここから、部分と全体は同一、 という考え方が成り立ち、それを、例えば臨床に応用すれば、足ツボだけで全身が治療できるとか、

 

耳ツボだけで全身が治療できるとか、 一部の整体術の先生方の考え方のように、骨盤を調整したら万病に効くとか、

 

頸椎を調整したら万病に効くとか、そういう発想も出て来うるわけです。

 

(ここが良く、言い過ぎだとか無茶だとか、無理筋だとか、インチキ、エセ医学だと言われてしまいやすい部分でもあります。)

 

 

また、あるいは一部の歯科医の先生方のように、噛み合わせを調整したら意外な病気が治ったとか、そういうことも起こりえます。

 

歯を治療したら掌蹠膿疱症が治っちゃった   参照

 

 

もちろんたとえ治ったからといって、その発信の仕方には個々に気を付けないといけませんが、こういう考え方というのは、最近の宇宙論や物理学の分野で言われる、

 

「ホログラフィック・パラダイム」や、「トポロジー(位相幾何学)」の発想とも共通する部分があり、大変面白い、興味深いところです。

 

「トポロジー(位相幾何学)」について(その6)

ホログラフィックパラダイム        参照

 

 

近代の最先端技術を持って、研究に研究を重ねて紡ぎ出された宇宙論や物理学が、もともと古代からあった東洋哲学と類似してくるというのは、たとえ現時点ではエビデンスがなかったり、あるいは不十分だったとしても、 

 

古代中国人が、この自然に対して、一定の「真実」を捕まえていた、とも考えられないでしょうか。

 

 

まあ、だからこそ数千年も継続している訳で。

 

 

僕ら東洋医学の臨床家は、古代の先哲が遺してくれた、その貴重な考え方(財産、遺産)を、現代の病める患者さん達に有効に活かせる形で再構築し、臨床の場で最大限に表現する責務があると思います。

 

 

 

続く

 

 

 

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奇恒之腑について 2

2016.01.30

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前回のお話

 

奇恒之腑について 1 参照

 

 

 

では続きいきます!!

 

 

奇恒之腑というのは、6つあります。

 

つまり、

 

「骨・髄・脳・脈・胆・女子胞」

 

の6つです。

 

 

この6つに、”奇恒之腑”なる名前を与えたのは、『黄帝内経』です。

 

(『素問』五蔵別論(11)です。)

 

 

五蔵別論には、

 

「この6つは、地の陰気を受けた存在であり、腑のクセに何かをため込んでやがる存在」

 

ということになっています。(意訳by竹下)

 

 

五蔵別論には、臓と腑の定義を比較して、

 

「臓は大事なものをため込んで洩らさない存在、腑は洩らしてため込まない存在」

 

ということになっています。

 

(これは超有名です。)

 

 

そう考えると、奇恒之腑というのは、腑のクセに、何かをため込んでやがるという、変わったやつな訳です。

 

 

だから、変わった存在、ということで、奇妙の”奇”の字があてられています。

 

 

この中の、「胆」については、以前書きました。

 

「胆」って何ですか?(その12) 参照

 

「脳」についても、以前書いています。

 

脳卒中と鍼灸 その7

精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 10 参照

 

 

ですので、ここでは、それ以外の4つについて語っていこうと思います。

 

 

まずは「骨」から。

 

 

◆東洋医学における「骨」とは。

 

 

東洋医学も、当然、人間の体には「骨」という、建物で言えば柱のようなものがあるということは、2500年前の『黄帝内経』の時代から、すでに認識していました。

 

 

『黄帝内経』の本文中から、「骨」という文字を検索すると無数に出てきます。

 

 

しかし、素問81篇、霊枢81篇の、「篇名」自体の中に”骨”とはいっているのは

 

霊枢:骨度篇(14)と素問:骨空論(60)

 

のみです。

 

 

骨度篇の方は、骨の長さから、経脈の長さを論じた篇です。

 

 

骨空論の方は、経穴が骨と骨の間の空間(骨空)に存在することを説いた篇です。

 

 

このように、「骨」というのは、他の組織に比べて動きが少ないため、人体における位置や長さを考える時の”基準”として考えるのに便利だったんだろうと思います。

 

 

また、何度も出てきますが『素問』五蔵生成論(10)には、

 

「腎の合は骨なり」

 

とあり、『素問』陰陽応象大論(5)には、

 

「腎は骨髄を生ず」

 

とあり、『霊枢』経脈篇(10)には、

 

「骨は幹たり」

 

とあります。

 

 

これらから分かるのは、骨と腎の臓との関わりの深さ、また、骨は体を支える柱である、ということです。

 

「腎」って何ですか?(その11)

 

 

また、「歯」について、東洋医学では

 

「歯は骨余(骨の余り)」

 

と説きます。

 

 

歯についても、以前書きました。

 

歯科と東洋医学 参照

 

 

これらのことから、東洋医学的には、「腎の臓」が弱ると、骨や歯がもろくなり、逆に骨折などで骨を傷めると、腎の臓にキツイ負荷がかかる、と言えると思います。

 

 

 

続く

 

 

 

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迷い

2015.07.24

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患者さんが迷っている時がある。

(さらに…)

小半夏加茯苓湯と船酔い 4

2015.03.01

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これまでのお話

 

小半夏加茯苓湯と船酔い
小半夏加茯苓湯と船酔い 2  
小半夏加茯苓湯と船酔い 3
     参照

 


では続きいきます!!

 

ここまでで、和歌山の加太の船の上で、油谷真空先生から何気なく渡された「小半夏加茯苓湯」にインスピレーションを得て、ツラツラと書いてきました。(笑)

 

今日は「小半夏加茯苓湯」を構成する3つの生薬(半夏・生姜・茯苓)に関して、解説しておこうと思います。

 

◆半夏(はんげ)

サトイモ科、カラスビシャクの根茎であり、医歯薬出版株式会社の『中医臨床のための中薬学』によれば性は温、味は辛、帰経は脾胃、とのことですが、

 

まあ簡単に言うと、脾の臓、胃の腑、肺の臓あたりに作用し、温め、余分な水分を飛ばしてくれる生薬です。

 

これは生で食べると軽い毒性がありまして、かつて蓮風先生が若い頃に生で試しに食べてみたら、ノドがカラカラになった感じがして、

呼吸するのもきつく、エライ目にあったという話をされておりました。(笑)

(因みに生で使う場合は外用薬として使い、皮膚の化膿に効果があるようです。)

 

そして、その半夏の毒性を消してくれるのが生姜なのです。

 

◆生姜(しょうきょう)

家庭に良くある、ショウガ科ショウガの根茎。


皆さんよくご存じの、しょうが焼きの生姜であります。

 


性は微温、味は辛、帰経は肺、脾、胃、とのことで、半夏とほぼ同じなんですが、半夏は水分を飛ばす作用が強く、生姜は胃を温める作用が相対的に強い、と見ていいと思います。

 

つまり半夏と生姜のコンビネーションで余分な水を飛ばしながら胃を温める、ということでしょう。

 

 

田畑隆一郎先生『傷寒論の謎 二味の薬徴』では、半夏と生姜のコンビネーションについて

 

「嘔、嘔吐を治す主薬にして、停水、宿飲を除き嘔、嘔吐、喘欬、噦(えつ:しゃっくり)、噫(い:げっぷ)を治す」

 

とまとめて下さっています。

 

 


◆茯苓(ぶくりょう)

これはサルノコシカケ科マツホドの菌核を輪切りにしたもの。

 

主に松の根に寄生する茯苓は、利水作用に優れた生薬として知られています。

 

性は平、味は甘淡、帰経は心・脾・胃・肺・腎とあり、簡単に言うと、心の臓、脾の臓、胃の腑、肺の臓、腎の臓に作用して、停滞した水を動かし、

 

結果的に利尿作用だったり、鎮静作用を発揮する生薬です。

 


これは、分かりやすく言えば松の木の根っこに生えるキノコです。

 


キノコなんですが、地表に顔を出しているわけではなく、地下に生えているジメッとしたやつで、見つけにくいことから、

”幻のキノコ”

とも言われるそうです。(笑)

 

この幻のキノコが、みぞおちのところの深い部分に入り込んで停滞してしまった、余分な水分を動かすのです。

 

 

地面に埋まっているキノコ(菌類)が、人体の深い部分の水を動かす。

 

面白いですね~。(*‘∀‘)

 

そしてこの3つの生薬はどれも植物の”根っこ”、あるいは”根っこに寄生するもの”です。

 

陰陽で言うと、明らかに”陰の場”である地面の下にある”根っこ”と、そこにくっつくキノコを使って、深い部分に支えた水を動かし、結果的に全体としての気を下げる・・・。


古代中国人、面白い発想しますねー☆

 

小半夏加茯苓湯と船酔い 5  に続く

 

 

◆参考文献

 

神戸中医学研究会編著『中医臨床のための中薬学』医歯薬出版株式会社

田畑隆一郎『傷寒論の謎 二味の薬徴』源草社

 

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「痛み止め」服用の是非

2014.10.15

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昨日、「ピル」服用の是非という記事を書きました。

今日は、「痛み止め」について書きます。

非常に多い、「痛み止め」が手放せない患者さん達。。。


生理痛もそうですし、片頭痛もそうです。

慢性の痛み疾患をお持ちの患者さんにとって、この「痛み止め」がなかったら、まともに社会生活を営むことすら難しい、というケースもあることでしょう。

ですから当然、否定的ではないです。

「痛み止め」使用が仕方ない場合、場面、というのは厳然とあるし、僕だって患者さんに対して、場合によっては、一時的には、「痛み止め」で痛みを止めることを勧めちゃう場合もあります。

私ごとですが、最近、親不知を抜いた日の晩、どうにかこうにか、鍼で何とかしましたが、鍼してもなかなか痛みが止まらなかった時、

どれだけ歯医者から頓服でもらった痛み止めに手が伸びそうになったことか。。

(笑・・・バカみたいですか?まあ、一般人から見たらそうでしょうが、鍼師にはそう思ってほしくないなあ。。。)

いつも蓮風先生が仰るように、自分の行う東洋医学に誇りを持つなら、出来る限り自分なりに東洋医学的に考えてやってみて、それでもどうしてもダメな時に、

 

他の医学に頼るのだったら話は分かるけど、最初から何かあったら病院病院、薬薬、なんていう鍼師は、論外中の論外、と、僕も思います。

そういう人は東洋医学なんて、すぐに辞めた方がいいんじゃないかぐらい、思います。

・・・まあともかく、そうは言っても、僕も小学生の時、虫歯があまりにも痛くて、食事も出来ないぐらいしんどかった時に、歯医者からもらった痛み止めを飲んで、

見事に数分後に、劇的に痛みが止まった時の、あの感動は良く知っています。(笑)

だから、薬に頼ってしまう心理も、非常によく分かる。

・・・が、しかし、です。

冷静に考えて、痛みというのは、体からの危険信号である場合があります。

 

(多いです。)

この痛みを、痛み止めによって無理に止めてしまうと、かえってよくない場合があります。

痛み止めに頼って、痛みをやり過ごしているうちに、

”どうせ痛みが出たら、薬で止めればいーやー”

という考え方になってしまって、そのまま数年、数十年経ってしまうと、ろくなことがありません。

痛みのメカニズムをよく考え、理解し、痛みが出ないように養生、生活改善、治療をすることによって、身体を、痛みの出にくい状態にしておくことで、

様々な病を予防できると思います。

そして鍼灸は、その大きな助けになると思います。


・・・ま、知ってる人のみが、得をするってことだわね。(*‘∀‘)

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爆釣!(になりつつある)

2014.07.21

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昨日も行ってきましたよ~

(さらに…)

「柴胡桂枝湯証」という状態 その2

2014.02.04

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前回のお話・・・

 


「柴胡桂枝湯証(さいこけいしとうしょう)」という状態
   参照

 

では続きです。

 

前回、柴胡桂枝湯は、「小柴胡湯+桂枝湯」である、というお話をしました。

 


・・・ということは、柴胡桂枝湯を理解するためには、まずは小柴胡湯と桂枝湯を理解せねばなりません。

 


まず、「小柴胡湯」という薬は、

・柴胡
・半夏
・生姜
・黄芩
・人参
・大棗
・甘草

という、七味の生薬で構成されています。

 


この薬は、東洋医学的には無数にある、カゼひきの病態パターンのうち、”少陽病”という概念でとらえられるパターンの代表格です。

 


ここで、「少陽病」というのはどういうものかというと、

 


「口が苦くて、咽が乾いて、めまいがして、暑がったり寒がったりし、脇腹から肋骨の辺が詰まった感じがし、食欲不振、

胸がモヤモヤして嘔吐したり、あるいは胸がモヤモヤするだけで嘔吐しなかったり、あるいは腹痛し、あるいは動悸し、

小便の出が悪く、あるいは咽の乾きがなく、微熱があったり、咳が出るもの」

という、長ったらしい、しかもややこしい定義の、カゼの1パターンです。

 


これは非常に幅が広い概念だといえます。

 


でまあ、これを治す代表選手が小柴胡湯、ってわけです。

 

・・・で、「桂枝湯」はどうかといえば、

・桂枝
・芍薬
・生姜
・大棗
・甘草

という五味で構成されております。

(因みにこのうちの生姜、大棗、甘草の三味は、小柴胡湯とカブっていますね。)

 


桂枝湯は、”太陽病”というパターンの中の、”太陽中風証”というカゼ引きの、代表的な薬といわれます。

 

ここで「太陽病」というものの定義は、

「脈が浮いて、頭やうなじが痛くて寒気がする状態」

であり、その中の「太陽中風証」というのは、上記の状態に加えて、

 

「汗がダラダラ、ジトジトと止まらないような状態」

 

のことです。

(かなりザックリ言うと、ですが。)

 


太陽病というのは、カゼを引いた、つまり、風邪(ふうじゃ)や寒邪(かんじゃ)を中心とした外邪に侵襲された場合、最初(初期)になりやすい状態です。

 


まあ、それを治す代表選手が桂枝湯、ってわけです。

「風」「火」について
「寒燥」について   参照

 

 

この「桂枝湯」という薬は、実は漢方薬の王様みたいな薬でして、かの後漢代に著された、漢方薬の聖典とも言われる『傷寒論』の一番初めに出てくる薬も桂枝湯ですし、

 

清代の温病学の聖典とも言われる『温病条辨』の一番最初に出てくる方剤も桂枝湯なのです。

 

 

このことは重く見る必要があると思います。

 

 



 

まあまとめると、少陽病と太陽病が同時に起こっているような場合に、それを治す薬が柴胡桂枝湯である、と言えます。

 


また、小柴胡湯と桂枝湯、この2つの薬の構成生薬を見ると、小柴胡湯に、桂枝と芍薬を加えたのが柴胡桂枝湯、とも言えます。

(それぞれの分量抜きに考えれば、ですよ。)

「柴胡桂枝湯証」という状態 その3   に続く。

 

 

◆参考文献

 

神戸中医学研究会 編著『中医臨床のための方剤学』医歯薬出版株式会社

神戸中医学研究会 編著『基礎中医学』燎原

 

 

 

 

 

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