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一貫堂医学について 10(患者の死と道伯先生の臨床)

2018.09.19

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これまでのお話・・・

 

 

墓マイラー 52 森道伯先生

森道伯という人物

一貫堂医学について 1(三大体質五大処方)

一貫堂医学について 2(瘀血証体質について)

一貫堂医学について 3(臓毒証体質について)     

一貫堂医学について 4(解毒証体質について)

一貫堂医学について 5(解毒証体質の続き) 

一貫堂医学について 6(温清飲について) 

一貫堂医学について 7(スペインかぜの治療)

一貫堂医学について 8(感染症と東洋医学)

一貫堂医学について 9(矢数格(道斎)先生の治療)      参照

 

 

 

ここまで、たまたま森道伯先生の墓参に行ったことをきっかけに、甚だ簡単ではありますが、日本の漢方の一流派である一貫堂医学について紹介してきました。

 

 

墓参に行くと、その名医が実践した医学、その名医の思想、行動、人生に興味が湧き、色々調べていくと、非常に感動することがあります。

 

 墓マイラー 目次          参照

 

 

今日、東洋医学が現代日本で行われているのは、先人たちの絶え間ないご努力の上にあるのだということを再認識しますね。

 

 

あらためて、

 

「ナメた鍼は打てねえなー。。。」

 

という気持ちになります。

 

 

 

 

最後に、いくつか森先生の臨床でのエピソードを紹介しましょう。

 

 

前述したように、森先生は医者であると同時に仏教の僧籍を持つ宗教家です。

 

 

もう亡くなることが分かっている患者さんの前では「生死一如」の理を優しく説き、悠々と死を迎えられるように導いたそうです。

 

 

浄土宗では”南無阿弥陀仏”ととなえるが、阿弥陀には

 

阿→生

弥→現在

陀→死

 

という意味があり、生から死、死から生へと、大自然の生々化育、霊魂不滅、生死流転の理を示すのだということを、患者さんに分かるように、

 

平易な言い方で説いて聞かせたと言います。

 

(・・・そういえば、藤本鉄風先生の墓石にも”南無阿弥陀仏”と刻んでありましたね。)

 

 

また、とある肺病の青年がもう助からない状況であり、本人が、どうしても肺病で死にたくない、と日々苦悩、懊悩していた時、森先生は

 

「これは絶対に肺病ではない、必ず治してあげるから。」

 

と伝えて、毎日のように往診に行ったそうですが、暫くして、その青年はついに亡くなってしまったそうです。

 

 

亡くなった日、森先生はいつもと変わらない様子で泰然と往診に来て、つかつかと青年の亡骸に近づき、いつも通り脈を診て、腹を診て、

 

「病はすっかり治ったよ、もうすっかり治った。」

 

と、何度も何度も、その青年の亡骸に、繰り返し語りかけていたそうです。

 

 

患者さんの家族や、ちょうどその場に来ていた西洋医は苦笑していたようですが、僕的にはこのエピソードにはシビレましたね。( ゚Д゚)

 

 

これは僕からは浄化に思えます。

 

 

魂に語り掛けてたんでしょう。

 

 

森先生は、この青年の霊魂をも、診ていたんだと思います。

 

 

西洋医に「肺病」と言われ、「もう助からない」と言われたこの青年の苦しみ、無念を浄化していたんじゃないでしょうか。

 

 

すぐ横にご家族がいて、西洋医がいる状況下でこれをやるとは・・・、森先生の魂自体が、永遠に不滅だね。

 

 

僕も在宅医療を始めて15年以上、これまで多くの患者さんを見送ってきましたが、このエピソードはなかなか、考えさせられるものがあります。

 

 

東洋医学の名医はホントに凄い。

 

 

 

・・・このシリーズ、これにておわり。

 

 

◆参考文献

 

『漢方一貫堂医学』矢数格

『漢方一貫堂の世界』松本克彦

『森道伯先生 生誕百年祭 記念文集』仁性会

『漢方医術復興の理論 改稿版』竹山晋一郎     他多数

 

 

 

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一貫堂医学について 3 (臓毒証体質について) 

2018.09.10

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これまでのお話・・・

 

一貫堂医学について 1

一貫堂医学について 2      参照

 

 

 

・・・さて今日は、森道伯一貫堂医学の言う三大体質の二つ目、「臓毒証体質」について掘り下げます。

 

 

「臓毒証体質」とは、風毒、食毒、梅毒、水毒の四毒に侵された体質、だそうです。

 

 

この四毒を少し詳しく言いますと・・・、

 

 

「風毒」とは、ここではあらゆる病のもととなるようなキツイ邪気のことを言っているようです。

 

 

「食毒」とは、そのまんまですが食べ物の毒、それも急性の中毒ではなく、慢性の毒とも言えるもので、要するに肉食中心の偏った食生活や、

 

暴飲暴食の過剰な栄養だったり、また現代であれば加工食品や添加物などによる 内臓機能の低下なども広く含まれる考え方だと思います。

 

 

「梅毒」というのは性感染症で有名なあの梅毒で、現代では残念ながら増加傾向だそうです。

 

国立感染症研究所「日本の梅毒症例の動向について」

 

 

「水毒」というのは腎機能が低下して不要な水分の排出が滞って、水滞(浮腫みも含む)が起こったもののことを指しているようです。

 

 

この「四毒」が体内に蓄積し、単一に、あるいは複合して、健康を害しているようなものを、「臓毒証体質」と名付け、

 

これらすべてを「防風通聖散加減」で治療していた、というワケです。

 

 

この体質のものは、ガッチリしていて若いうちは丈夫だが、壮年期になると癌や脳卒中、痔疾や腎疾患を起こすと言われます。

 

 

診断は望診、脈診、腹診であり、

 

皮膚は黄白色、脈は実脈や堅い脈が中心で、腹は全体が堅いか、あるいは全体が軟満しているか、

 

だそうです。

 

 

防風通聖散は、以前このブログでも紹介した金元の4大医家の一人である劉完素(1120-1200)の著作である『黄帝素問宣明論方』(1172)に出て来る方剤で、

 

もともと熱のこもりやすい人が風寒邪に罹患し、「表裏ともに実」になったものに使う方剤と言われます。

 

金元の4大医家 劉完素(りゅうかんそ)   参照

 

 

実はこれ、近年になって”やせ薬”みたいに言われて、「ナ〇シトール」だの「コッコ〇ポA」とかいう商品名がついて製品化されています。。。

 

(しかし、痩せたいからといって安易に使用するのは、危険極まりないので絶対にやめましょうね。)

 

 

まあ、こういうものがよく売れるぐらい、安逸過度や暴飲暴食で実熱証、毒素をため込んでいる人が多いというのは、森道伯先生の晩年の、

 

第一次大戦後の、未曽有の好景気であった大正~昭和初期の日本と似ているのかもしれません。

 

 

しかし、私もたまにのぞかせていただき、勉強させていただいている、山口の村田漢方同薬局村田恭介先生は、そのブログの中で、

 

「特殊な状況においてしか使う必要のない、まして現代においては全く必要のない、支離滅裂に近い配合」

 

と断じておられます。(笑)

 

 

 

・・・うーん、この辺、漢方家からしてどうなんでしょうね。

 

 

まあ、防風通聖散の方意を見ると、表は風邪邪実、裏は腸胃の湿熱の実、で、表は疏風して裏は清利湿熱で、表裏双解剤、というわけですから、鍼ではどうやるのが近いでしょうかね。

 

 

外関や合谷やりながら、上廉で下すような感じ?しかも養血や和中の穴処も加える??

 

 

あるいは上腹部の沈んだ実をややキツ目に瀉すか??

 

(これだと難易度は高いね。)

 

 

まあ、確かなのは、防風通聖散も、単に痩せようと思って長期に服用するなんてのは、バカ丸出しだね。(苦笑)

 

 

毎日、メシ減らして走ってりゃ、絶対痩せます。

 

 

漢方薬のそういう使い方を聞いたら、天国で森道伯が泣いているでしょうな。

 

 

 

続く

 

 

 

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一貫堂医学について 2 (瘀血証体質について)

2018.09.09

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前回、一貫堂医学の基本中の基本である、「三体質・五処方」を紹介しました。

 

 

今日はこのうちの「瘀血体質」なるものについて少し掘り下げましょう。

 

 

「瘀血」という病理産物については、東洋医学では誰でも知っているような重要な概念で、このブログでもチョイチョイ登場しています。

 

「瘀血」を含む記事 参照

 

 

まあ要するに、「使いもんにならん、停滞した血(けつ)」のことです。

 

 

あらゆる病気、症状に関わり、あらゆる病気、症状を治りにくくする、病理産物であります。

 

 

一貫堂医学では、これを叩くことを治療、予防の3本柱の一つとして、非常に重視してるわけです。

 

 

一貫堂のいう瘀血体質というのをもう少し詳しく述べると、要は「体内に停滞した血液を持っている者」のことであり、血液の多くは腹部にあることから、

 

腹部、それも下腹部、骨盤内(それも左側)に瘀血が停滞しやすい、特に閉経後や月経不順のある婦人に多いと考え、皮膚の色、脈診、腹診などで判断するようです。

 

(皮膚は赤ら顔、爪は暗赤色、あるいは貧血して黄白色、脈は細実、腹は臍周に緊張、腹直筋が緊張など)

 

 

瘀血体質の患者がかかり易いのは脳溢血、片麻痺、喘息、胃腸病、肝臓病、肺結核、痔疾、淋疾、精神疾患、婦人病などなど、とのことです。

 

(幅ひろー(゜o゜))

 

 

・・・で、これらを通導散加減で治療します、と。

 

 

通導散というのは、中国明代、16~17世紀を生きたと言われる龔廷賢(きょうていけん 生没年不詳)の著作である『万病回春』に所収されている処方で、

 

現代でも超有名な駆瘀血剤(瘀血を取り去る薬)です。

 

 

この『万病回春』は、江戸時代の日本人の医師に広く読まれた古典であり、極めて実践的な内容で、あの和田東郭や、原南陽も高く評価しているそうです。

 

和田東郭という人物

「原南陽(はらなんよう)」という人物   参照

 

 

つい最近、1989年になって、大塚敬節先生の指示を受けた松田邦夫先生全訳解説本を出版されたことでも知られています。

 

 

この通導散は、『傷寒論』の陽明病の薬として有名な大承気湯当帰、紅花、甘草を加えた加味承気湯に、さらに蘇木、枳殻、陳皮、木通を加えたもので、

 

気の停滞、瘀血を取り去る力の強い薬です。

 

『万病回春』の原文には”童便、黄酒各一鍾で温服すべし”とありますが、”童便”ってまさか。。。( ;∀;))

 

 

・・・で、私は鍼師ですので、さてこれを、鍼でやるならどうするか、という問題にぶち当たる訳ですが、北辰会では瘀血証には三陰交、膈兪、血海、臨泣などを瀉法で使いますが、

 

通導散のイメージに一番近いものとなると、この中では臨泣でしょうかね。。。

 

 

 

ただし「上手にやれば」ですね。(ΦωΦ)

 

 

 

続く

 

 

 

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ついに富士山登頂☆

2018.07.10

富士山

 

 

 

↑↑この火口部分にいたかと思うと、なかなかのことですな。

 

 

 

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7.8の日曜日は、ついについに、天下の霊峰、富士山に登ってきました!!

 

きれいな画像 ④   参照

 

 

これ、本当は去年行きたかったのですが、去年の夏はバタバタしているうちに時間が無くなり、行けずじまいでしたので、今年こそはと、

 

早くからスケジュールを組んで、少々強引に実現させました!!

 

 

まあ、事前に富士山登頂経験者に軽くリサーチし、4つあるルートのうち、初心者用の「吉田ルート」を選択し、初心者用だから何とかなるだろと、

 

じゃっかんナメていました。。。

 

 

結果的に、一番遅い人のペースに合わせて休み休み、8時間で登頂し、山頂での食事時間、途中のこまめな休憩時間、全て込みで、5合目の駐車場に停めた車に戻ってくるまでに合計15時間という、

 

ややダサめのタイムで制覇しました!!

 

(苦笑・・・しかも火口を1周回る”お鉢巡り”は出来ず!!orz)

 

 

いやー、吉田ルートでも十分キツイわ。。。

 

 

僕は8合目で、完全にバテました。(^^;)

 

 

少し動くと動悸、息切れ、足が重くて上がらんし前に出ない。。。(苦笑)

 

 

僕はもともと、身長の割に体重があるし、生まれつき結代脈があるので、昔から持久系の運動は弱く、低い山でも登りが弱く、呼吸器に来ちゃうと、

 

足が止まっちゃいますので、心配していましたが、予想通り、やっぱりダメでした。。。orz

 

(ただ、下りはなぜか強いです。全く疲れません。(゚∀゚))

 

 

まあ体力的にもそうなんだけど、経験者から聞くと、登山中に「高山病」になったらアウト、という事前情報があったので、高地に体を順応させながら、

 

ゆっくりと、と思いながら登っていたので、やや慎重になり過ぎた感じもあります。

 

 

次は吉田ルートよりも難易度の高い「須走ルート」でリベンジに行こうと思いますが、事前に今回以上の基礎体力作りが必要ですな。。。

 

 

色々、教訓の多い登山でした☆

 

 

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↑↑山頂からの神目線☆

 

 

富士山登山は、色々なことを教えてくれますので、まあ日本人なら、一度はおススメです!!

 

 

 

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「比較優位」の議論

2018.02.07

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「比較優位」という言葉があります。

 

 

この言葉は、wikipediaによれば

 

イギリスの経済学者であったデヴィッド・リカード(1772-1823)が提唱した概念で、比較生産費説やリカード理論と呼ばれる学説・理論の柱となる、貿易理論における最も基本的な概念である。

 

同じイギリスのアダム・スミス(1723-1790)が提唱した絶対優位(absolute advantage)の概念を柱とする学説・理論を修正する形で提唱された。

 

これは、自由貿易において各経済主体が(複数あり得る自身の優位分野の中から)自身の最も優位な分野(より機会費用の少ない、自身の利益・収益性を最大化できる生産)に特化・集中することで、

 

それぞれの労働生産性が増大され、互いにより高品質の財やサービスと高い利益・収益を享受・獲得できるようになることを説明する概念である。

 

と、クソ難しい言い方で説明されています。(苦笑)

 

Wikipedia 「比較優位」 参照

 

 

まあ要は、

 

「なぜ貿易するのか」

 

という根本的な疑問を、リカードさんよりもちょっと先輩である、アダムスミスさんの説明よりもエレガントに説明した理論で、

 

「・・・、であるからして貿易した方がいいっしょ?お互いにとって得っしょ??」

 

ということを、精緻に説明した理論だそうです。

 

 

で、これは経済学とか貿易にのみ使われる話ではなく、この考え方を応用すると、仕事とか、組織とか、世の中の色んなことを考えることができるようです。

 

 

・・・例えば、東洋医学の現状にも。

 

 

ある疾患を治療するのに、西洋医学ではなく、東洋医学でやった方がいいのかどうか。

 

 

あるいは、西洋医学の治療に加えて、東洋医学が介入した方が、しないものと比べて良いのかどうか。

 

 

良いのだとすれば、どう良いのか。

 

 

こういうのを考えることを「比較優位の議論」、と言ったりします。

 

 

で、この比較優位を言うには、色んな方法があります。

 

 

先日も書いたように、東洋医学は、世界ではちゃんと認められていますし、勢いもそれなりにあります。

 

産経新聞にこんな記事が。  参照

 

 

そんな中、日本はどうでしょうかね。

 

 

このブログにいつも書いているように、明治維新以降、東洋医学は国民の医療の主役の座を降りたままで、終戦以降も、とにかく存続すること自体に力を割いてきて、

 

個人レベルでは凄まじい努力をなさり、結果も出された先生方はおられますが、なかなか全体としての制度的発展までは注力しきれなかったというのが、

 

この150年くらいの日本の東洋医学の流れでしょう。

 

 

今でも、医師に同意書を書いてもらわなかったら健康保険適用で治療できない。

 

(しかも同意の対象になるのは僅か6疾患、それも運動器疾患のみです。。。(苦笑))

 

本来の鍼灸医学からみれば、著しい制限を受けています。

 

(だから清明院の外来では、ややこしくなるので一切保険を使わない訳です。)

 

 

こんな状況なので、日本の東洋医学、特に鍼灸は、総体としては、変に選り好みしないで、色んな方法をフル活用して、鍼灸を活用しない場合との比較優位性を、

 

各人、各団体が精一杯、世にアピールするべきでしょうね。

 

(ホントは一枚岩になりゃあいいけど、それは無理でしょうからね。。。)

 

 

まあ、EBMの枠組みの中で、東洋医学の比較優位を主張する人がいたっていいじゃないか。(*‘∀‘)

 

 

芸能人ばっか治療する先生とか、テレビに出て目立つ先生がいたっていいじゃないか。

 

 

海外のデータを活用したって、いいじゃないか。

 

 

西洋医学との根本哲学の違いを説く人がいたって、いいじゃないか。

 

 

色んなところで、色んな人に、大いに叫んでいただきたいねえ。(゚∀゚)

 

 

俺は臨床現場で、患者さんやるだけ。

 

(うまくいったものについては、たまに世に出すけど☆)

 

 

要は鍼灸の素晴らしさ、「比較優位」を世にアピールしたいだけ。

 

 

・・・まあ、ある程度同じ方向を向いて、仲良くやろうぜ、日本の東洋医学の人達!!

 

 

 

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「弁病」について

2018.02.05

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中医学の用語の中に

 

「弁病(べんびょう)」

 

という言葉があります。

 

「弁証」と紛らわしいね~~(~_~;))

 

 

これは読んで字の如く、

 

「東洋医学的な”病名”を”弁(わきま)える”」

 

ということです。

 

 

中医学では、例えば喘息のことを

 

「哮喘(こうぜん)」

 

と呼んだり、胃痛のことを

 

「胃脘痛(いかんつう)」

 

と呼んだり、顔面神経麻痺のことを

 

「口眼喎斜(こうがんかしゃ)」

 

と呼んだりと、言わば、

 

「東洋医学における固有の病名」

 

というものがあります。

 

 

これが分かれば、その病名や症状には、どういった「病因病理」や、どういった「証」が考えられるか、ということが、ある程度、場合によっては一気に、絞り込むことが出来ます。

 

「病因病理」を含む記事

「弁証」を含む記事     参照

 

 

清明院に、初診予約の電話がかかってきたときに、西洋医学的な病名や、メインになる症状をお聞きするのは、それさえ把握できていれば、来院される前に、

 

中医学ではどのような「病因病理」「証」が考えられるのかを、あらかじめ問診を担当するスタッフが予習しておくことが出来るからです。

 

(もちろん、必ず中医学の成書に強引に当てはめて考えるわけではないですよ。参考にする、ということです。)

 

 

言わば、東洋医学的な「鑑別診断」「除外診断」が相対的に容易になるわけですね。

 

 

丸腰でいくよりは、自信もって臨めますし、対策も立てやすくなります。

 

 

またもちろん、西洋医学の病名の中には、東洋医学では未だに概念が整理されていないものもあります。

 

 

そういう場合は、西洋医学的な病名をそのまま「弁病名」とすることもあります。

 

 

こういうことをコツコツやっていくと、いずれ西洋医学の先生方ともコミュニケーションがとりやすくなると思いますね。

 

 

このようなことから、

 

「弁病」を踏まえ、

 

「弁証」を踏まえ、

 

「病因病理」の把握をして、

 

常に優先順位を考えて治療を進める、これが、

 

「北辰会方式の弁証論治」

 

をやっていく上では欠かせないのです。

 

 

 

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「『難経』に罪はない」を読んで

2018.01.11

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先日の鍼灸医学史研究会の後の懇親会で、尊敬している某先生と「五行」『易』の話になった。

 

鍼灸医学史研究発表会に行ってきました!!   参照

 

 

で、すぐに過去の論文を送っていただき、読ませていただいた。

 

 

10年前(2008年)の『季刊内経』の別刷で、内容は

 

「『難経』に罪はない」

 

というもの。

 

 

これは、当時の内経医学会の会長であった島田隆司先生への反対論文、という感じのもの。

 

(反対論文と言っても、この論文を書いた先生と、島田先生は普通に仲良いようですよ。仲いいけど、意見が違えば論文で主張し合う、いいことです。)

 

 

島田先生の『難経』へのご見解に対して、同意できる部分と出来ない部分を分けて、特に同意できない部分に関して、その理由を論じています。

 

 

非常に分かりやすく、陰陽五行の歴史、『難経』の内容をまとめてくれております。

 

 

今から15年くらい前、難経を1難から81難まですべて通読しましたが、その時に感じた一番の感想は、

 

「難経と言えば”五行”というイメージがあったけど、何これ、思いっきり”陰陽”の本じゃん!」

 

というところです。

 

 

私のその感想を、思い出させてくれました。

 

 

そして、陰陽調和を説くのに、なぜあそこまで五行論を縦横に用いるのか、『難経』が成立した歴史的背景から推測、考察しておられます。

 

 

 

 

今年は、香川で、東京で、「胃の気の脈診」について講義します。

 

 

久々に『難経』の話を大いに盛り込んでいこうと思います。

 

 

 

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鍼灸医学史研究発表会に行ってきました!!

2018.01.09

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1.7の日曜日は、北里大学で行われた、

 

「第五回 鍼灸医学史研究発表会」

 

に参加してきました!!

 

 

鍼灸医学史研究は、近年、素晴らしい学者肌の先生方が何人か業界に出てきて下さり、ジャンジャン研究が進んでいるところだと思います。

 

 

今後、不明瞭だったことが徐々に分かっていくことでしょう。

 

 

僕はちょっと自分でやるのは苦手な分野だけに、非常に興味深く聴けました。

 

 

これを、「マニアの世界」と冷笑的に言ってしまえば、それはそうかもしれないが、誰かのプロパガンダを鵜呑みにするのではなく、きちんとした歴史観(史実)に基づいて、

 

今現在自分がやっていることや言っていること、自分の主張を顧みることは非常に重要なことと思います。

 

 

今回、一人目の演者は加畑聡子先生

 

 

若くて綺麗な、新進気鋭の女性学者さんです。

 

 

山崎宗運という江戸期の鍼医の取穴法の研究を通じて、

 

「江戸時代なりのエビデンスの取り方に興味がある。」

 

と仰ったのが印象的でした。

 

 

江戸期の医者も、それ以前の古典の内容を、当時なりの方法で批判的に吟味していたんですね。

 

 

二人目は精神科医の蒲生裕司先生『断易と五行』に関する発表。

 

 

精神科医で断易を行うとは・・・。

 

 

タダモノではない先生ですね。(笑)

 

 

僕は周易のことなら、用語レベルくらいなら少しくらいは分かりますが、断易の、しかも占術の理論となると、全くのド素人です。(苦笑)

 

 

でも今回、興味が湧きました。

 

 

「貪生忘剋」という、鍼灸臨床にも応用の効きそうな言葉を得ました。

 

(思わぬ収穫でしたね)

 

 

三人目は左合昌美先生による「霊枢の人迎脈口診」のお話。

 

 

左合先生のご著書には、お世話になっております。

 

 

まあこの脈診法は、僕自身が臨床でやっているわけではないのですが、

 

「人迎脈口診は脈状診である。」

 

という結論が興味深かったですね。

 

 

聴いた話をすべて消化しきれてはいませんが、あの考えが、『難経』独取寸口脈診にも連なっていくのでしょう。

 

 

四人目は長野仁先生による、日本最古の鍼灸の流儀書である『鍼聞書(はりききがき)』の話を北里大学の創始者、北里柴三郎と絡めたお話。

 

 

長野仁先生は、もはや日本の伝統鍼灸界で知らない人はいない、江戸期の鍼灸の文献研究のトップランナーです。

 

 

最近では「東の大浦、西の長野」とかいう言い方もあるらしい。。。(゚∀゚)

 

 

まあホントに、素晴らしい知識量、研究量です。

 

 

しかも長野先生も大浦先生も、日々実際に鍼灸で患者さんを治療しながら、研究もやっておられるのがまた素晴らしい。

 

 

今回、長野先生は九州にある北里柴三郎記念館に赴き、柴三郎が師事した橋本家の墓参をしたという、貴重な話を聞かせていただくことが出来ました。

 

 

橋本家の墓の惨状には、目を覆いたくなりましたね。

 

 

あれが先哲への扱いなのかと。。。

 

 

今度研究グループで掃苔に行かれるようです。

 

 

最後は内経医学会会長の宮川浩也先生による『沢庵禅師』のお話。

 

 

沢庵禅師は、夢分流を世に広めたと言われる、御薗意斎とも交流があったことは知られています。

 

御薗意斎という人物

「沢庵和尚(たくあんおしょう)」という人物   参照

 

 

そして、禅僧らしく「無心」というキーワードを強調しているようです。

 

 

宮川先生も、沢庵の墓参の話をしておりましたね。

 

 

なんだか、みんな墓マイラーになってきた。。。

 

 

いいことだ。(゚∀゚)

 

(それが結論☆)

 

 

・・・要するに、歴史をきちんと踏まえて、今できる最大限をやろう。

 

 

 

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お会いしてきました。

2017.11.08

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11.6の月曜日は、朝一から藤本漢祥院の仮施術所にて鍼を受け、その足で以前から気になっていた奈良、吉野山へ。

 

 

ここに、現時点で気になっている、最後の不動明王が存在するのです。

 

 

実は、あまりにもマニアックっていうか、東洋医学とか鍼灸とかけ離れた、しかも宗教的な話になっちゃうので、引く人も多いかな(実際チラホラいた)、

 

と思ってあえて書いてこなかったんですが、以前チョコッとシリーズで書いていた不動明王マイラーシリーズ。

 

不動明王マイラー 目次 参照

 

 

もちろん、その後も不動明王マイラーはずーっと続けており(書いてないけど)、今回の吉野山、奥千本の不動明王にて、一応現時点で気になる、

 

全国のお不動さんはコンプリートしました。

 

 

・・・僕も早36歳。

 

 

いつまでも若くないっす。(苦笑)

 

 

人生で3回目の年男であり、酉年の守護仏である不動明王を参る中で、修験道や仏教といったものの考え方に触れつつ、色々と自分なりに「ないアタマで」考えてきました。

 

 

今後も折に触れて、山に入っては、不動明王を参っていくんじゃないかと思います。

 

 

・・・まあそれはともかく、この日の夜は、楽しみにしていた、蒼流庵主人とお会いしてきました!!

 

蒼流庵随想「漢方ハカマイル」 参照

 

 

清明院の墓マイラー記事は、以前から、蒼流庵主人のブログの情報を大いに参考、引用させていただいております。

 

 墓マイラー 目次          参照

 

 

ブログでの文面、口調とは違って、ゴリゴリの関西弁マシンガントークの先生でした。(笑)

 

(文章というのは面白いですね。会ってみると意外な人と、そのまんまの人といますね。)

 

 

「蒼流庵随想」は、東洋医学をやっている先生で、ネットをよく検索する人で、「易学」に注目している先生なら、みんな知っているんじゃないでしょうか。

 

 

・・・まあしかし、蒼流庵主人は今後も年齢不詳正体不明、がいいと思いますので、詳細は書きません。(笑)

 

 

話を伺ってみると、他にも墓マイラー、子孫マイラー、家マイラーなど、近現代にもまだまださらに上の、レジェンドのような人物もおられるようで、

 

やはり史跡研究家、医史学研究の世界は果てしないようです。

 

 

こういうのは本来は大学等で、国家機関として、それ専門の部署を作ってやるべきですね。

 

 

まあ、近年は私も色々、他の分野や流派の先生方とお会いして交流させていただく機会を意図的に多く作っているのですが、昨日の記事にも書きましたが、

 

例えばドクターと薬剤師と鍼灸師とか、その中でも違った流派や考え方の先生方とか、あるいは学者さんと臨床家とか、バンバン垣根を超えた対話をしていくべきだと思います。

 

日本東洋医学会関西支部例会に参加してきました!! 参照

 

 

その中で、お互いが対立要素を探すのではなく、統合、統一を目指すのでもなく、お互いのためになる、足しになるような部分を見つけあって、

 

刺激しあったらいいと思いますね。

 

 

そこから、互いの発展や、新しい何かが生まれるかもしれません。

 

 

 

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最近の症例 ② 男児のネフローゼ

2017.10.14

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さて、またいきましょう。

 

 

患者 9歳 男児

 

主訴 ネフローゼに伴う諸症状(特に易疲労)

 

現病歴 6歳の頃、大変にショックなことがあった頃発症。

 

既往歴 ネフローゼ以外特にないが、悪化傾向

 

弁証 肝鬱気滞≧腎気虚

 

配穴 あえて明らかにしない

 

経過 初診治療後、「気持ちが楽になった」と訴える。

 

なお、毫鍼での治療を怖がったため、古代鍼、鍉鍼にて治療を進める。

 

現在7診目。

 

ステロイド減薬中のムーンフェイス等、様々な症状が改善している。

 

 

 

今後が楽しみな症例の一つ。

 

 

 

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