東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 易

「衛気」って何ですか? その10

2016.03.09

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これまでのお話

 


「衛気(えき)」って何ですか? 

「衛気」って何ですか? その2  
「衛気」って何ですか? その3  
「衛気」って何ですか? その4  
「衛気」って何ですか? その5  
「衛気」って何ですか? その6  
「衛気」って何ですか? その7  
「衛気」って何ですか? その8  

「衛気」って何ですか? その9

 

「浮く」の意味

「浮く」の意味 2

「浮く」の意味 3

「浮く」の意味 4

「浮く」の意味 5

「浮く」の意味 6

「浮く」の意味 まとめ     参照

 

 

こないだの北辰会の勉強会で、このシリーズの内容と関わる話が出たので、ちょっと補足しておきます。

 
『黄帝内経 素問 八正神明論(26)』に、

 

 

「凡刺之法、必候日月星辰四時八正之気、気定乃刺之。是故天温日明、則人血淖液、而衛気浮。故血易写、気易行。天寒日陰、則人血凝泣、而衛気沈。月始生、則血気始精、衛気始行。」

 

 

と、出てきます。

 

 

簡単に意訳しますと、

 

「鍼をする時の法則は、昼夜、天体、季節など、自然界の法則に則るべきです。温かくて太陽サンサンの時は、衛気が浮き、

 

血の流れもスムーズ、だから血は瀉しやすく、気もよく巡る。逆に寒くて曇ってる時は、衛気が沈んで、血も凝滞する。

 

と、なります。

 

 

八正神明論ではここから、満月の日には補法するなとか、新月の日には瀉法するなとか、そういう有名な話が出てきます。

 

月齢と補瀉

内外合邪と新月と    参照

 

 

・・・まあ「浮く」の意味 まとめ にも述べたように、”衛気が浮く”、”衛気が沈む”という表現があるように、衛気は、体表面のみならず、体表から離れた部分をも流れている、とも考えられます。

 

(というか考えています。)

 

 

 

ここ(体表から離れて浮いている衛気)を”上手に”操作することで、大きな効果を得ることが出来ます。

 

 

 

ただこの”上手に”というのが難しい。(笑)

 

 

 

そこの術式をある程度明確にするのは、今後の北辰会の仕事の一つでしょうね。

 

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『東洋医学概論』新教科書 2

2015.12.19

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前回のお話

 

新教科書  参照

 

 

では続きいきます。

 

 

40年前に蓮風先生が主張していたことが、今になってようやっと実現したというのは、あまりにも遅い、どうなってんの!<`ヘ´>

 

・・・と、思う人もいるかもしれないけど、まあこういうのは、言うは易し、行うは難しで、実際にいろいろな方面とコンセンサスを得ながら進めようと思ったら、

 

メチャメチャ大変なようです。(苦笑)

 

 

実際にこの教科書をまとめた先生の一人を知っていますが、非常に大変だったようです。

 

 

私は実は、この新教科書をまだちゃんと読んでおりません。

 

 

学校の講師室にあったものに、パラパラと目を通しただけです。(苦笑)

 

 

ですので、キチッと内容を把握しておきたいと思い、1カ月ほど前に学校を通じて注文したのですが、なぜかなかなか手元に来ません。。。

 

 

そうこうしているうちに、何やら縁があって、今回この教科書に意見具申できることになりました。

 

 

・・・でもまあ、期限がものすごく短いので、どれだけ建設的な意見を述べられるか分かりませんが、自分なりに真剣に考えてみようと思います。

 

 

一応全国の学生さんに関わることだしね。

 

 

 

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「尺膚診」について 14(『素問識』における尺膚診)

2015.09.30

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これまでのお話(分かり易いように、タイトルを付けました)

 


「尺膚診(しゃくふしん)」について(イントロ) 
「尺膚診」について 2(『史記 扁鵲倉公列伝』における尺膚診)                     
「尺膚診」について 3(『黄帝内経素問』平人気象論(18)における尺膚診)          
「尺膚診」について 4(『黄帝内経素問』通評虚実論(28)における尺膚診)
「尺膚診」について 5(『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形萹(4)における尺膚診)   
「尺膚診」について 6(『黄帝内経霊枢』論疾診尺(74)における尺膚診)
「尺膚診」について 7(『黄帝内経霊枢』邪客篇(71)における尺膚診)
「尺膚診」について 8(「表をもって裏を知る」の重要性) 
「尺膚診」について 9(「表をもって裏を知る」の重要性その2)
「尺膚診」について 10(『黄帝内経素問』脈要精微論(17)における尺膚診)

「尺膚診」について 11(『難経』13難における尺膚診)

「尺膚診」について 12(『傷寒論』における尺膚診)
「尺膚診」について 13(『腹証奇覧翼』における尺膚診)         参照

 

では続きいきます!

 

 

◆多紀元簡(たきげんかん)の『素問識(そもんし)』における尺膚診の記載

 


「尺膚診」について 4「尺膚診」について 10
に、日本の多紀元簡という人物の言説をチラリと紹介しました。

 


この人物の紹介は、また後ほど詳しくするとして、彼の代表作である『素問識』の中でチョイチョイ、この尺膚診について述べてくれております。

 

一つは、『素問』の17篇目、”脉要精微論”を解説した部分です。

 

 

 

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↑↑このような図とともに、細かく解説してくれております。(『素問識』より)

ここで彼が述べているのは、

「”尺”というのは前腕のことでアール!」

という説です。

 

それを言うだけでなく、前腕のどこで何を診るのかまで、わざわざ図にしてくれています。

 

専門家の方々は参考にするべきでしょう。

 

この前腕に書いてある文字を見て、あ!と、ピンとくるべきです。(笑)

 

もう一つは『素問』の28篇目、”通評虚実論”の解説部分です。

 

ここには、

「脈診で経を診て、尺膚診で絡を診る」

という論が提出されております。

 


経絡、経絡、と言うが、経が相対的に深く、絡は相対的に浅い、という論から始まり、さらに、経には営気が満ち、絡には衛気が満ちる、

という論から、脈が熱なのに尺膚が寒であるものについて、考察してくれております。

 


・・・とまあこのように、日本にもスゴイ先生がいた訳です。

(今でもいるけど)

 

この『素問識』なんかを読んでますと、『黄帝内経』のみならず、その周辺の有名な古典も、すべて頭に入った上で、平易に分かりやすく配慮しながら、慎重に解説しているのがよく分かります。

 

恐るべし、多紀元簡・・・。(苦笑)

 

 

尺膚診に関してはここらでいったん切って、また折に触れて解説してみたいと思います。

 

続く

 

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「尺膚診」について 11

2015.09.21

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これまでのお話

 

「尺膚診(しゃくふしん)」について 
「尺膚診」について 2                     
「尺膚診」について 3          
「尺膚診」について 4
「尺膚診」について 5   
「尺膚診」について 6
「尺膚診」について 7
「尺膚診」について 8 
「尺膚診」について 9
「尺膚診」について 10     
    参照

 

では続きいきます!

 

◆『難経』13難における尺膚診の記載

 

ここまでで、『史記』『黄帝内経』における尺膚診の記載を引きながら、尺膚診という診察法の重要性を紹介してきました。

 

今日は、我々鍼灸師にとっての、もう一つの聖典と言っていい、『難経(なんぎょう)』という本の中の、尺膚診に関する記載を紹介したいと思います。


因みに、この『難経』という書物ですが、時代的には『黄帝内経』の後で、『傷寒論』の前、後漢の時代に書かれたと言われる本であり、

内容が多岐にわたり、様々な異なった立場や見地から述べられている『黄帝内経』とは違い、外邪に侵襲される病について詳細に論じた『傷寒論』とも違い、

薬でも灸でもない、鍼治療に関する内容に特化してスッキリとまとめられており、内容に非常に一貫性がある書物です。

 


日本の鍼灸師で、この本を知らないものはいないでしょう。

内容は『黄帝内経』と同じように81篇にまとめられ、1篇目から”1難、2難・・・、”と数え、最後は”81難”に至ります。

 

この本の”13難”に、尺膚診に関する記載があります。

 


どのような記載かというと、まず

五藏有五色.皆見於面.亦當與寸口尺内相應.


(五臓にはそれぞれ5つの色があって、その異常は顔面に出る。そしてそれは脈は尺内(前腕内側の皮膚の状態)と一致する。)

 


と出てきて、その後に

脉數.尺之皮膚亦數.

脉急.尺之皮膚亦急.

脉緩.尺之皮膚亦緩.

脉濇.尺之皮膚亦濇.

脉滑.尺之皮膚亦滑.

 

五藏各有聲色臭味.當與寸口尺内相應.其不相應者病也.

(脈が早ければ尺膚に熱感が現れ、脈が堅ければ尺膚も堅い、脈が緩んでいれば尺膚も緩み、脈が渋れば尺膚も渋る、脈が滑らかならば尺膚もなめらかである。

五臓にはそれぞれ声、色、臭い、味があるが、それらは脈、尺膚の状態と一致するものであり、一致しないのが病なのだ。)

 


と、出てきます。

 

※( )内は僕なりに平易に訳してみました。

 


ここの解釈なんですが、江戸時代中期にいた広岡蘇仙(1696-?)という人が書いた、『難経』の解釈本である『難経鉄鑑』という本の中に、

わざわざ”尺内”と書いてあることへの解釈がなされています。

 

”尺内”は前腕の内側を示し、外側でなく内側であることの理由として、前腕内側は陰経が流注する部位であり、相対的に陰であり、皮膚が和らかく、診やすいからである、

 

と述べ、尺膚よりも脈、脈よりも色が優位なのは、人体においては陽の方が優先されるからである、と説明しています。

 


一つの、参考にすべき考え方だと思います。

 

続く

 

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心持ちを変える方法

2015.05.25

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患者さんが、日々の中で抱える精神的なストレスが、今現在の症状と大きく関わっていることは少なくない。

(さらに…)

チンプン漢文

2015.05.17

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こないだ、先輩との話の中で、講義で漢文のスライドを使うべきかどうかの話になった。

(さらに…)

東洋医学と「唯物論」「非唯物論」

2015.03.27

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今日は哲学的なお話。

 

 

まあ哲学なんて、とんでもない膨大、莫大な学問分野であり、僕なんてズブの素人なんですが、東洋医学を実践する上では、避けて通れない問題なので、

 

たまには自分なりに考えてみました。

 

 

西洋医学では、

「人体は、60兆個の細胞の集まり」

と、説きます。

(因みに近年では37兆個説が定説となっているようです。まあ、個人的にはどうでもいいが。。。)

 

 

この立場から、さらに細かく考えれば、人体も、人間を取り巻く大自然もみんな、原子、電子、分子、つまり物質と、その物質間に働く電磁力の集合体、と考えられます。

この立場からすれば、我々の精神、意識の活動(喜怒哀楽などなど)なんてのは、単に脳の特定部位の神経細胞の興奮(活動電位)の結果、ということになりますし、

 

あらゆる自然現象は全て物質の移動、変動、電位変化の観察により解析可能なのではないか、ということになります。

 

 

また、この立場からすれば、「生命」というのは遺伝子を自己複製する精巧なシステムであり、「死」はそのシステムの活動停止である、となり、

 

神仏?霊魂??気や経絡???・・・んなもんないっしょ、って話になります。

 

・・・とまあこのように、この世の森羅万象の根本は「物質(素材的なもの)」である、とする考え方を、「唯物論(ゆいぶつろん、Materialism)」と言うそうです。

 

 

因みに、その物質の集合体である生命も、そこに働いている物理的法則が分かればすべて理解可能、というスタンスを「生命機械論」と呼んだりします。

 

北辰会が治療方式の用語と理論のベースに置いている、中華人民共和国が1950年代にまとめあげた「中医学」というのも、この「唯物論」の考え方でもって、

 

それまでの中国伝統医学をまとめた医学であります。

 


さてここで、数千年の歴史を持つ、「東洋医学(中国伝統医学)」の深遠な世界が、この「唯物論」でもってすべて把握できうるか、説明できるか、

 

本当の意味で「東洋医学的に」人間を診る医学として、その理解は正当か、という問題になると、かなり疑問が残る、という話を、随分前にしました。


東洋医学と中医学 参照


(もう、あの記事から5年も経つのか・・・。( ゚Д゚))

 


じゃあもし、「唯物論」では東洋医学が表現、理解しきれないとすれば、どういう考え方ならば出来るのでしょうか。

 


唯物論の対義語として、

「観念論(かんねんろん、Idealism)」

とか

「唯心論(ゆいしんろん、Spiritualism)」

という言葉があるそうです。

 


「観念論」は、事物の存在と存り方は、事物よりも認識主体側の、当の事物についてのidea(イデア、観念)によって規定される、という考え方であり、

 

物質よりも精神、理性、言葉に優位性を置く理論のことだそうです。

 

「唯心論」は人間・社会において、心、もしくはその働きこそは至上の要因であるとする立場の一つで、心やその働きは、あくまでも物質に還元されない独特な性質を持っているとして、

 

物質的存在がその存在を容認されるのは、「意識」によるものである、したがって、意識こそが存在を決定づける、という論だそうです。

 

観念論も唯心論も、唯物論に対する言葉だそうで、要は「非」唯物論なのでありますが、観念論と唯心論は同義ではなく、

観念論は認識論(哲学の分野で、人が理解できる限界について考察する学問)における考え方

 

であり、


唯心論は存在論(哲学の分野で、存在するものの意味や根本規定を考察する学問)における考え方

 

なんだそうです。

 


東洋医学の背景にある古代中国の自然哲学では、大宇宙も、小宇宙である人間も、すべて「気」から出来ている、と考えます。


(これを”気一元論”と言います。)

 

そして、宇宙の開闢については、無(太極)から陰陽(両儀)が生まれ、それがさらに陰陽に分かれ(四象)、さらに分かれ(八卦)、という風に分化して万物が成った、と考えます。

(by『易経』繋辞上伝

 


また、

「道は一を生じ、一は二を生じ、三は万物を生ず」

という考え方もあります。

(by『老子』42章

 

因みにこの『易経』『老子』と同じような考え方は、『淮南子』天文訓にも出てきます。

 

 


まずこのような、大枠としての自然観、宇宙観、宇宙生成論が前提としてあり、その中にある、小宇宙たる人間、という風に説きます。

 

 

ここに出てくる「気」や「太極」や「道」といった考え方を、「物質が根本」という考え方で説明しきれるでしょうか。

 

 

中国伝統医学は、人間を、大宇宙と相似性、同一性を持ち、なおかつ大宇宙と常に連関する存在、という風に考えますが(天人合一思想)、それについても、

 

いわゆるニュートン物理学の言うような、質量を持った物質」における物理法則の範疇で理解可能でしょうか。

 

 

中国伝統医学は、もともと、そういう独特な考えでもってとらえた「人間」「患者」に対する、最良の医学医療はどうあるべきか、という風に考えを進めて、

 

悠久の歴史の流れの中で、絶え間ない臨床実践(ある意味人体実験)を繰り返す中で、永久不変の真理としての実効性、普遍性、再現性を備える形で、

 

少しずつ、でも堅実に、堅牢に構築され続けてきたものであるとすると、現代的な唯物論で説明するよりも、本来は”非”唯物論で解釈した方が、

 

より正確に理解が出来そうな気がしてきます。

 

現状において「現代中医学」が世界中の東洋医学教育のグローバルスタンダードになっているからと言って、こういう根本哲学に関わる部分まで、

 

まったく無批判に、悪く言えば盲信的に受け入れていては、問題が生じるのではないか、というのが、北辰会の立場です。

 

 

中国伝統医学を理解するにあたって、「唯物論」に対して「観念論」的、「唯心論」的で、さらには、それらをもすっぽりと包むように「気一元論」的に解釈し、

 

「生命機械論」に対して「生気論」的に解釈しようとする姿勢を重視しています。

 

(だから臨床実践において”直観”とか”魂”というものを、論理と同じかそれ以上に重視している訳ですね。)

 

日本という国は、いつの時代も、大陸から流入した新しいものを、自国の風土や価値観と見事に習合させ、ピューリファイ(精錬、純化)してきた歴史があります。

 

 

中医学に対しても、日本人としてはそうあるべきではないでしょうか。

 

 

この問題については、私もまだまだ理解が浅いですが、一生かけて、もっともっと深く考えていかないと、と思っています。

 

 

 

【参考文献】

 

『哲学事典』平凡社

『哲学・思想事典』岩波書店

『詳解 中医基礎理論』東洋学術出版社

『気の思想』東京大学出版会

『鍼灸医学と古典の研究 丸山昌朗東洋医学論集』創元社

『医学の哲学』誠信書房

 

 

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小半夏加茯苓湯と船酔い 5

2015.03.07

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これまでのお話


小半夏加茯苓湯と船酔い

小半夏加茯苓湯と船酔い 2  
小半夏加茯苓湯と船酔い 3  
小半夏加茯苓湯と船酔い 4
        参照

 


では続きいきます!!

 


前回は生薬の説明をしました。

 

茯苓は幻のキノコでしたね。

 

今日はついでと言っては何ですが、キノコもので有名な生薬をもう一つ紹介します。

 


◆”猪苓(ちょれい)”という生薬

これは、サルノコシカケ科、チョレイマイタケの菌核を乾燥したものです。

 


別名「猪屎(ちょし)」というぐらいで、イノシシの大便のような、イヤ~な見た目をしております。(苦笑)

 

性味は淡、甘、平で、帰経は腎、膀胱で、効果は余分な水分を飛ばすこと(利水滲湿)です。

 

結果的に解熱したり、口渇を止めたり、利尿作用を出したりします。

 

茯苓と同じようにキノコ軍団なのですが、茯苓との違いとして、猪苓は茯苓よりも水分を飛ばす力は強いが、心の臓、脾の臓にはあまり効かないので、

 

鎮静作用が発現しにくいという特徴があります。

 


しかし、これをあまり不用意に使うと、津液を損傷し、腎の臓のダメージになる、だから気を付けて使え、と言われております。

『本草衍義』や、易水学派の創始者である張元素(12世紀)がそのように述べております。)

 

◆キノコと薬

 

ところで、漢方薬に使われるキノコ生薬としては茯苓猪苓が有名なんですが、他にも霊芝(れいし)冬虫夏草(とうちゅうかそう)など、

キノコは、薬としてみた場合、独特な働きを持つものが多いようです。

 

まあ、抗腫瘍作用だとか、制癌作用なんてのが、わりかしセンセーショナルに扱われやすいですね。

(これはちょっと問題だと思いますがネ。。。)

 


キノコというのは菌類です。

 


かの南方熊楠も熱心に研究したという菌類、というのは、自然界では実はけっこう特殊な存在なんだそうです。

 


参考wiki【菌類】↓↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%8C%E9%A1%9E

【キノコ】↓↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%82%B3

 


 

僕の出身は群馬です。

 


小さい頃、身の回りのオジサンには山菜取り、キノコ狩りを趣味にしている人が何人かおりまして、毒キノコの怖さをよく聞かされていました。

 


毒と薬は表裏一体なわけですね。

 


医者が、毒にも薬にもならないようなことはやったらイカンですな。(笑)


小半夏加茯苓湯と船酔い 6   
に続く

 

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「左肝右肺」に関して 3

2014.12.12

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これまでのお話・・・

 


「左肝右肺」に関して

「左肝右肺」に関して 2   参照

 

では続きいきます。

 

前回、自然界と人体を同じものだと考え(天人合一思想)、それを拡大解釈していくと、顔面や腹部といった、人体の「ある一部分」も、全体と同じ、

 

と考えることが出来、その考えをさらに深化させていった結果、「左肝右肺」となったのではないか、というお話をしました。

 

これはどういう事か。

 

我々が非常にお世話になっている、教科書的な本である『臓腑経絡学』の中には、このように述べられております。

”『黄帝内経』における左肝右肺の問題は、易の後天八卦を使うと簡単に解ける”

と。

(P252から省略して抜粋)

 

これ、ちょっと難しいようだけど、

 

後天八卦図(樫部作)

 

(↑↑「文王八卦圖」をもとに、清明院スタッフ樫部が作成)

 

 

「易(えき※)」において、上の図を”後天八卦図(こうてんはっけず)”というのですが、これは要は、自然界の

”陰陽の循環”

を示した図なんだそうなのですが、これをみますと、通常の地図とは上下が逆で、向かって左が東、右が西になっています。

(※易・・・古代中国の様々な叡智を包括した、陰陽論の根本思想、哲学ともいえるもので、周代に始まったといわれる。)

はるばる・・・(その12)
『東洋医学の宇宙』      参照

 

この図の中心に立って、南の方角を向いた状態を考えたら、分かりやすいと思います。

(日本列島で言えば、沖縄の方を向いて東京にに立ったら、左手の方に千葉、右手の方に山梨、って感じです。)

 


・・・で、四方の方角を五行で言えば、東は木、西は金に分類されます。

「五行」って何ですか?(その8) 参照

 

てことは、これを五臓で考えれば、東は木だから肝の臓、西は金だから肺の臓に分類されます。

「肝」って何ですか?(その13)
「肺」って何ですか?(その12) 参照

 

で、この後天八卦図の中心に立って、南を向いている人の顔面とか腹部に、この壮大な図を投影すると、左が東だから肝の臓を示し、右が西だから肺の臓を示す、

 

という考え方をしたのが、「左肝右肺」の論である、という訳です。

 


でもこれ、普通に聞いたら、

「おいおい、そんなん、信憑性あんの? 話が荒唐無稽じゃね??」

と思う方がほとんどでしょう。

 

もうチョイ続く。

 

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スコットランド独立ならず

2014.09.21

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こないだ、スコットランド独立の話がニュースになっておりました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140919-00000092-jij-eurp

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