東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「六部定位脈診」の根拠

2016.10.22

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僕ら東洋医学、特に鍼灸医学の世界では、手首の脈を診る「脈診」という診察法を非常に重要視します。

 

「脈」で何が分かるの?

脈々と続く脈診

「脈診」の可能性

舌診か脈診か。。。

「舌診・脈診」についてしゃべって来ました!

「いい脈になりましたよ。」という声掛け

「初めて脈診をちゃんと教わりました。」   参照

 

 

僕も、臨床では必ず脈を診てから治療に入り、治療後も脈を診て、治療効果のほどを確認します。

 

 

この「脈診」には、2500年前の『黄帝内経』の時代から、実に多くの診方、考え方、方法論が存在します。

 

 

先人の知恵の結晶と言っていいでしょう。

 

 

日本の鍼灸学校では、数ある脈診の方法の中から、「六部定位脈診(ろくぶじょういみゃくしん)」という脈診法が中心になって教育されています。

 

 

というか、それしか教育されてないような、嘆かわしい現実があったりします。。。

 

(場合によってはそれすらも。。。(苦笑))

 

 

「六部定位脈診」は、近代日本における、伝統鍼灸の一番大きな流派(研究会)である経絡治療学会が提唱している脈診法です。

 

 

この脈診法は、経絡治療学会の先生方の全くの独創というワケではなく、中国の元の時代に居た、滑伯仁(かつはくじん)という名医の、

 

『診家枢要』という本の中で説かれている脈診法です。

 

 

ですので、六部定位脈診の根拠は、滑伯仁の『診家枢要』という風に、私は理解しています。

 

(僕は経絡治療家ではないので、これを読んでくれている経絡治療学会の先生方、ここ、もし間違っていたらご指摘くださいネ。)

 

 

因みに経絡治療学会というのは、このブログでも紹介した柳谷素霊先生の高弟の先生方が、昭和初期に立ち上げた団体です。

 

柳谷素霊という人物

墓マイラー 15      参照

 

 

この脈診の考え方が、今や国家試験にも出てきます。

 

 

こないだ、東京衛生学園の教員養成科で講義してきましたが、あそこには全国の鍼灸学校から鍼灸マッサージの資格を取った、

 

鍼灸学校の教員を目指す優秀な人が集まってくるのですが、そこでも、

 

「脈診と言えば、六部定位脈診しか知らない。」

 

という人がほとんどでした。

 

 

しかしですねー、「脈診」ていうのは、歴史的に見ますと、「六部定位脈診」以外にも、もっともっと、実に色々な診方考え方がありますので、

 

それを歴史的に、平易に、客観的に説いた方がいいと思うんですけどね。

 

(特に学校教育、国家試験レベルでは。)

 

 

で、学生さんが卒業して現場に出てから、自分に合った方法を学べばよいと。

 

 

そう思うんですけどねー。。。(~_~;)

 

 

 

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最近観た映画

2016.08.20

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いやー、最近も、ヒマさえありゃあ映画観てます!!

 

 

◆『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』 

 

 

・・・うーん、これねえ、前作が20年くらい前で、ちょうど僕が16歳くらいのことでしたか。

 

 

正直、当時はさほど面白くはなかったけど、友人にこういうのが好きなやつが居て、アツく勧められ、観た後もアツく語られたのを覚えていました。(苦笑)

 

 

・・・で、今回、20年ぶりの2作目だったんですけど、やっぱりイマイチでした。。。(爆)

 

 

なんかねえ、エイリアンの侵略による世界の終わり、って話しなんだけど、そこに妙に家族愛だの、友情だの、個人の確執だの、

 

色々な人間的普遍的テーマを強引にたくさん織り込もうとし過ぎてて、終盤は辟易しました。。。

 

 

もう、アメリカ映画のこういうCGの派手さとか精巧さで、別にビビらなくなってんだよね。

 

 

となると、そこに深いメッセージ性とかストーリー性を見出したくなるんだけど、それがあまりにも見え見えっていうか強引っていうか。。。

 

 

珍しく辛口です。(苦笑)

 

 

◆『シン・ゴジラ』

 

 

エヴァンゲリオンの庵野監督がやったことで、公開前から超話題の作品。

 

 

”エヴァンゲリオン✕ゴジラ”という組み合わせが、映画ファン、アニメファンの心を完全に躍らせたのでしょう。

 

 

ファンにそう思わせるクリエイターの人たち、本当に素晴らしいです。

 

 

・・・で、観た感想としては、まあ確かに面白かったし、謎解きの部分とか、ラストシーンの意味とか、色々気になって、

 

あとで家に帰ってから調べてしまいました。

 

(石原さとみの”ガッジーラ”という英語発音がどうしても気になりましたが。。。)

 

 

僕は小学生の時の『ゴジラVSビオランテ』でゴジラを知り、その後チョイチョイ観てる程度の”浅い”ゴジラウォッチャーですが、

 

これを機に初回の作品から観てみようかな、と思いましたね。

 

 

ネットでレビューを見ても、多くの映画ファンの、日本が生んだ「ゴジラ」というアイコンへの愛を非常に感じるレビューが多かったです。

 

 

なんかもう、あの音楽と、ゴジラに対する自衛隊とか政府の必死になってる感じで、もう童心に帰るというか、持っていかれますね。(笑)

 

 

きっと庵野監督もゴジラファンの一人なんでしょうね。

 

 

アメリカがゴジラを作ると、ジュラシックパークみたいなゴジラになりますが、やっぱゴジラはあの形でしょ。(笑)

 

 

また、色々なシーンの見せ方や、テーマやメッセージなんかが、エヴァンゲリオンファンまでも唸らせているようなので、

 

エヴァンゲリオンの方も見てみようかな、という気になりましたね。

 

(因みに僕は全くエヴァンゲリオンを知りません。熱狂的なファンからの噂では、昔から色々聞いていますが、知るとハマりそうで恐いのです。。。)

 

 

いずれにせよおススメです。

 

 

次回作も楽しみ!!

 

 

◆『葛城事件』

 

 

上記のようなド派手な話題作映画も好きなんですが、僕はこういう、知る人ぞ知る、重ーいテーマの、暗ーい映画とか、

 

映像や音楽が妙にきれいで、内容は別に無いような映画とかの方が、むしろ好きなんです。

 

 

この映画は、連続通り魔事件を起こした犯人と、その家族の話です。

 

 

架空の話ではありますが、近年、たまに起こってしまっている、いくつかの無差別通り魔事件を詳細に取材し、題材にしたらしいです。

 

 

なぜ、ああいう狂気が醸成されてしまったのか。

 

 

一見普通の家庭の中にある、家族一人一人の心の闇、ちょっとしたボタンの掛け違い、意識、感覚のズレの、数年、数十年に渡る蓄積から起こる悲劇。

 

 

犯人の父親役に三浦友和、犯人の兄役に新井浩文、母役に南果歩という、実にいい感じのキャスティング。

 

『葛城事件』公式ページ

 

 

バルト9でやってる時は、なかなか時間が合わなくて観に行けなかったんですが、奥渋谷(文化村の裏の辺にある、小さいおしゃれな街。通称奥渋。(笑))にある

 

「アップリンク渋谷」という劇場で何とかやってくれていたので、観ることが出来ました。

 

 

これはおススメですが、あまりにも切ないので、ハートの弱い人はやめておきましょう。

 

 

宇多丸さんも観終った後、しばらく精神不安定になってしまったようです。。。

 

 

まあともかく、映画最高!!

 

 

 

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診療再開!!!

2016.05.06

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いやー、明けましたねえ、GW。

 

 

清明院も3連休いただきまして、患者さん各位、ご迷惑おかけしました。<m(__)m>

 

 

今日から再び、全力鍼でいきますのでよろしくお願い致します。

 

 

 

 

僕は群馬に帰ってダラダラしてたら一瞬にして3日経ちました。(苦笑)

 

 

今回地元に帰ってみて、意外とみんな、GW中も仕事している、ということに気づきました。

 

 

来年は仕事しようかな。(‘Д’)

 

 

それとも、旅にでも出るか。(笑)

 

 

いずれにせよ、友達と3人で回転ずしに10時間滞在して、3人で100皿食って、日本酒を2升空けて、完全に充電されました。(笑)

 

 

清明院も今日は移転後で、一番混んでたかな?

 

 

ちょうど3階でやってた時も、開業で半年くらいした休み明けに、バーッと混んだことがあって、

 

「これならやれる!」

 

と、妙に自信がついたのを思い出しました。

 

 

しかもあの時とは、来院している患者さんの重症度、難易度が全然違いますねー。

 

 

・・・でもまだまだ、こんなもんじゃないです。

 

 

このままもっともっと行って、

 

「コレ、やり過ぎでしょ。」

 

ぐらいやります。

 

 

 

さーて、ドンドン治しますよー!!(*‘∀‘)

 

 

 

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補瀉 49

2016.04.22

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1

補瀉 35  『杉山真伝流』における補瀉 2

補瀉 36     永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉

補瀉 37   『杉山流三部書』における補瀉 

補瀉 38     岩田利斉『鍼灸要法』における補瀉

補瀉 39    岡本一抱『鍼灸抜萃大成』における補瀉 

補瀉 40    本郷正豊『鍼灸重宝記』における補瀉 

補瀉 41  菅沼周桂(1706-1764)『鍼灸則』における補瀉 

補瀉 42  石坂宗哲(1770-1841)『鍼灸茗話』における補瀉 

補瀉 43  坂井豊作(1815-1878)『鍼術秘要』における補瀉 

補瀉 44   澤田流における補瀉 

補瀉 45  柳谷素霊先生、経絡治療学会における補瀉 

補瀉 46 北辰会における補瀉

補瀉 47 北辰会における補瀉 2

補瀉 48 北辰会における補瀉 3          参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆北辰会の補瀉は、何故ほとんど手技を使わないのか その3(練達自然と無為自然)

 

 

前回、北辰会がほとんど補瀉手技を使わないのは、老子の「無為自然」という考え方に基づいている面がある、というお話をしました。

 

 

しかし、鍼灸治療においての「無為自然」というのは、素人が、ただ何も考えず、ワケも分からずする、という意味ではありません。

 

 

徹底的で的確な診察診断(四診)と、徹底的な学術の鍛錬、修行を踏まえた上で、「無為」を志向しよう、ということなのです。

 

 

ですから老子ではなく荘子の言う「練達自然」を踏まえての、「無為自然」です。

 

 

修行、練習を十分にやった上での自然、これを「練達自然」と言います。

 

(因みに練達自然については、『荘子』養生主篇 第三の庖丁のお話を参照してください。)

 

 

荘子についてはこのブログでも以前紹介しました。

 

「荘子」という人物

『荘子』の渾沌のお話   参照

 

 

ここを変にカン違いして、

 

「北辰会の鍼は手技を使わないから、手指の不器用な俺に向いてるわーー(*‘∀‘)」

 

とか、浅薄かつ短絡的に考えた人は、まあドボンです。(笑)

 

 

失敗のマザーです。(笑)

 

 

結末は見えていると言ってもいい。(゜レ゜)

 

 

蓮風先生は常々、

 

「鍼をするには指の力が重要なんだ!」 

 

と仰り、弟子と指での押し合いをよくやっています。

 

 

また過去には、 ”硬物通し”と言って、堅いものを捻鍼で貫く練習を重ね、ついには鹿の頭蓋骨を刺し抜いたという逸話もあります。

 

 

このように、十二分に修行したうえでの「無為自然」なのであって、ただ適当にやるのとはワケが違います。

 

 

ですので、鍼を練習し始めたら、まずは今生体に気が集まっているのか散っているのか、そういう「鍼先の感覚」というものをしっかりと認識できるようになることがまず第一歩で、

 

次に、捻鍼や雀啄を加えるとそれがどうなるか、とか、そういう練習を重ねることが重要で、そこで身に付いたものは、決して無意味ではありません。

 

 

むしろ非常に大事なことです。

 

 

今年の関東支部の実力強化合宿「順雪会」でも、硬物通しの練習をしました。

 

 

こういうことを大事にする姿勢を忘れないことは、非常に大事です。

 

 

蓮風先生や、北辰会のそれ以外の幹部の先生方の臨床を見ていても、刺鍼後に微妙に手技を加えている場合は、実際にあります。

 

 

もちろん理想は「無為自然」であるけれども、臨床ではどんな場合であっても、そうやって気の動きを絶妙に調整(補瀉)することが出来るかどうか、

 

これが重要なのです。

 

 

ただその手技を加える際(瞬間)に、作為的にやるのではなく「体が勝手にそう動いた」、その結果として、気が正しく動いた、

 

そういう世界に至ることが重要なんだと思います。

 

 

鍼に限らず、多くの、その道のプロ、一流の仕事というのは、そういうものだと思います。

 

 

簡単ですが、北辰会の補瀉は以上です。

 

(医易学的な補瀉に関しては、長くなるんで、そのうち気が向いたら書きましょう。)

 

 

・・・まあ、臨床家は結果責任、どんな美辞麗句、理想論を述べたとしても、治せなかったらそれは単に「ヘタ」だっちゅうことです。

 

 

蓮風先生のお父様である和風先生が、よく仰っていたそうです。

 

「治せる者が医者なんだ、治せない者は医者ではない。治せないなら、医者を辞めた方が人助けだ。」

 

と。

 

(キビシー( ゚Д゚))

 

 

 

 

さて、いよいよこの補瀉に関して、私なりの、今現在における考え、結論を述べて終わりたいと思います。

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 46

2016.04.16

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1

補瀉 35  『杉山真伝流』における補瀉 2

補瀉 36     永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉

補瀉 37   『杉山流三部書』における補瀉 

補瀉 38     岩田利斉『鍼灸要法』における補瀉

補瀉 39    岡本一抱『鍼灸抜萃大成』における補瀉 

補瀉 40    本郷正豊『鍼灸重宝記』における補瀉 

補瀉 41  菅沼周桂(1706-1764)『鍼灸則』における補瀉 

補瀉 42  石坂宗哲(1770-1841)『鍼灸茗話』における補瀉 

補瀉 43  坂井豊作(1815-1878)『鍼術秘要』における補瀉 

補瀉 44   澤田流における補瀉 

補瀉 45  柳谷素霊先生、経絡治療学会における補瀉     参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

昭和に入り、澤田健先生によって起こった澤田流柳谷素霊先生によって起こった経絡治療学会、そして、幕末、明治から続く、

 

鍼灸医学を現代の西洋医学の論理で説明しようとする学派(いわゆる現代医学派)、これらの大きな流れは、その後の鍼灸界に大きな影響を与えていきます。

 

 

しかしそんな中、大東亜戦争、そして敗戦によって、日本の鍼灸界は再び受難します。

 

 

敗戦後、GHQによって、再び鍼灸を廃止する動きが起こりました。

 

 

理由は以下の4つです。

 

1.視覚障がい者による治療が行われている。

2.消毒の観念が定着していない。

3.医療としての教育制度が整備されていない。

4.治療効果の科学的根拠が証明されていない。

 

 

その時も、当時の全国の先生方が一丸となって東奔西走して、1947年(昭和22年)、どうにか制度的廃止を食い止めた歴史があります。

 

 

GHQが鍼灸を廃止しようとした理由の一つに、

 

「医療としての教育制度が整備されていない」

 

というものがあり、鍼灸の教育制度を整えることは急務であり、昭和30年代以降、徐々に徐々に、全国に鍼灸学校が増え続けました。

 

 

私が現在講義させていただいている東洋鍼灸専門学校も、柳谷素霊先生が創立した学校であり、私が卒業した、渋谷にある花田学園の創立者である花田傳先生も、

 

もともとは柳谷先生のお弟子さん(というか仲間)でした。

 

(年齢は花田先生の方が10歳くらい上のようです)

 

 

そう考えると、何やら縁のようなものを感じますね。

 

 

因みに、柳谷先生は、藤本蓮風先生のお父様である藤本和風先生にも、一度会っているそうです。

 

(出雲の鍼灸師会の勉強会に柳谷先生が見えて、モデル患者を治療したそうです。その主催者サイドだったのが和風先生。実にワクワクする顔合わせですね。)

 

 

まあともかく、そういった流れの中で、戦後、様々な鍼灸学校の設立とともに、様々な流派、学派、研究会が全国に誕生していきます。

 

 

大きく見れば、その中の一つが、現在私がお世話になっている、北辰会であるわけです。

 

 

◆北辰会における「補瀉」

 

 

北辰会では、このブログで長々と語ってきたこの「補瀉」という問題について、 その教科書である『北辰会方式 理論編』の中で、

 

”補瀉と刺鍼”という章を設けて、約30ページに渡って解説しています。

 

 

その中で、補法と瀉法を

 

「補法は気血が虚ろになっている部分に気血を充実させる方法。瀉法は気血や邪気が欝滞しているところを散らし巡らせ、

 

場合によっては気化させる方法。」

 

と定義し、さらに”医易学的な補瀉の解釈”を紹介したうえで、補瀉が単純なプラスマイナスではないことを説明し、

 

実際の臨床事実から、補法よりも瀉法の重要性、また、補法をした結果、瀉法的に働くことや、その逆の例もあることから、

 

補瀉に関して、単純な二者択一的な判定が出来ないケースもある、ということを述べています。

 

(医易学については、壮大なテーマですが、いつか語りましょう。)

 

 

そして、いくら瀉法が重要であると言っても、瀉法の目的は、邪気を散らすことによって正気を守ることなのである、

 

という部分をポイントとして強調しています。

 

 

つまり補瀉の目的は、正気(治る力)を高めることにあるのです。

 

 

また北辰会では、中医学や、他の流派が述べているような複雑な補瀉手技については、もちろん過去に理解、追試した歴史的経緯はあるにせよ、

 

現在では補瀉するにあたって、ほとんどと言っていいほど手技を使わない、という結論に至っています。

 

 

この辺の話をして、いよいよまとめましょう。

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 45

2016.04.14

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1

補瀉 35  『杉山真伝流』における補瀉 2

補瀉 36     永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉

補瀉 37   『杉山流三部書』における補瀉 

補瀉 38     岩田利斉『鍼灸要法』における補瀉

補瀉 39    岡本一抱『鍼灸抜萃大成』における補瀉 

補瀉 40    本郷正豊『鍼灸重宝記』における補瀉 

補瀉 41  菅沼周桂(1706-1764)『鍼灸則』における補瀉 

補瀉 42  石坂宗哲(1770-1841)『鍼灸茗話』における補瀉 

補瀉 43  坂井豊作(1815-1878)『鍼術秘要』における補瀉 

補瀉 44   澤田流における補瀉            参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

明治時代に受難にあった東洋医学は、国内全体としては存続の危機を迎えつつも、力強く臨床を続けた先人たち、また何より、

 

それを熱心に支持した患者さん達の支持によって、命脈を保ってきました。

 

 

そして、昭和の時代に入って、

 

「本来の古典的な考え方に基づく、東洋医学本来の鍼灸治療を復活させよう!!」

 

という動きが高まり、昨日紹介した澤田健先生と、もう一人、私が現在講義させていただいている東洋鍼灸専門学校を作った、

 

柳谷素霊先生が登場します。

 

 

この二人の先生は、我々北辰会の代表である藤本蓮風先生にも、多大な影響を与えている二人と言っていいと思います。

 

 

◆柳谷素霊先生、そして経絡治療学会における補瀉 

 

 

柳谷素霊先生(1906~1959)は、昭和2年(1927年)に、この業界では非常に有名な言葉である「古典に還れ」というメッセージを強く叫んで、

 

臨床、教育、研究、古典書籍の出版等々、膨大な仕事をしました。

 

(本人が言った言葉ではないという説あり。どーでもいいが。(笑))

 

 

柳谷先生の著書の中に『補瀉論集』という本があり、その中に、江戸期の様々な先生による「補瀉」に関する考え方が紹介してあります。

 

 

その冒頭(第一章)に、

 

「補は正気を補うのであり、瀉は邪気を排除するのである。」

 

と述べ、

 

「鍼灸によって与える刺激の”緩急劇易”こそ、補瀉手技を解明する手がかりであると考える。」

 

と述べています。

 

 

そして、当時、柳谷先生のもとに集まった有力な弟子たちがのちに組織した「経絡治療学会」という学派は、現在の日本の鍼灸界でも、

 

非常に大きなプレゼンスを示しています。

 

 

僕が鍼灸学校に通っていた頃も、学校の有力な先生の中には経絡治療学会の先生が何人かいらして、クラスメイトの何人かは、

 

学校の勉強の延長のような感じで、当たり前のように経絡治療の勉強会に参加していました。

 

 

その学派の考え方を持った学校教員が多いということは、当然そうやってフォロアーも増えますから、その分業界に与える影響も大きくなります。

 

(反対勢力、対抗勢力の存在も含めて。)

 

 

経絡治療学会の前身である「新人弥生会」が発足したのが昭和14年(1939年)ですから、現在、2016年までの約80年の歴史が、

 

この業界に与えた影響は計りしれません。

 

 

因みに、現在も使われている経絡治療学会の教科書である『日本鍼灸医学 基礎編』には、補瀉の基本として、

 

徐疾の補瀉、強弱の補瀉、開闔の補瀉

 

について述べ、実際の手法として、

 

鍼の材質や長さ、迎随、深浅、呼吸、徐疾、開闔、前柔、後柔、捻転、揺動など

 

の手技を挙げ、気が至ったら(効果が出たら)抜鍼する、と説いています。

 

 

なるほど、基本的な内容であり、これまでこのシリーズに書いてきたことを、標準的に網羅したような内容なんですが、

 

要はこの”気が至る(効果が出た)”、つまり、適切な補瀉がなされたかどうか、ということを、どうやって判断するか、

 

そして、そう判断できる根拠はなにか、というのが、最も重要なポイントじゃないかな、と思います。

 

 

続く

 

 

 

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「衛気」って何ですか? その10

2016.03.09

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これまでのお話

 


「衛気(えき)」って何ですか? 

「衛気」って何ですか? その2  
「衛気」って何ですか? その3  
「衛気」って何ですか? その4  
「衛気」って何ですか? その5  
「衛気」って何ですか? その6  
「衛気」って何ですか? その7  
「衛気」って何ですか? その8  

「衛気」って何ですか? その9

 

「浮く」の意味

「浮く」の意味 2

「浮く」の意味 3

「浮く」の意味 4

「浮く」の意味 5

「浮く」の意味 6

「浮く」の意味 まとめ     参照

 

 

こないだの北辰会の勉強会で、このシリーズの内容と関わる話が出たので、ちょっと補足しておきます。

 
『黄帝内経 素問 八正神明論(26)』に、

 

 

「凡刺之法、必候日月星辰四時八正之気、気定乃刺之。是故天温日明、則人血淖液、而衛気浮。故血易写、気易行。天寒日陰、則人血凝泣、而衛気沈。月始生、則血気始精、衛気始行。」

 

 

と、出てきます。

 

 

簡単に意訳しますと、

 

「鍼をする時の法則は、昼夜、天体、季節など、自然界の法則に則るべきです。温かくて太陽サンサンの時は、衛気が浮き、

 

血の流れもスムーズ、だから血は瀉しやすく、気もよく巡る。逆に寒くて曇ってる時は、衛気が沈んで、血も凝滞する。

 

と、なります。

 

 

八正神明論ではここから、満月の日には補法するなとか、新月の日には瀉法するなとか、そういう有名な話が出てきます。

 

月齢と補瀉

内外合邪と新月と    参照

 

 

・・・まあ「浮く」の意味 まとめ にも述べたように、”衛気が浮く”、”衛気が沈む”という表現があるように、衛気は、体表面のみならず、体表から離れた部分をも流れている、とも考えられます。

 

(というか考えています。)

 

 

 

ここ(体表から離れて浮いている衛気)を”上手に”操作することで、大きな効果を得ることが出来ます。

 

 

 

ただこの”上手に”というのが難しい。(笑)

 

 

 

そこの術式をある程度明確にするのは、今後の北辰会の仕事の一つでしょうね。

 

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『東洋医学概論』新教科書 2

2015.12.19

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前回のお話

 

新教科書  参照

 

 

では続きいきます。

 

 

40年前に蓮風先生が主張していたことが、今になってようやっと実現したというのは、あまりにも遅い、どうなってんの!<`ヘ´>

 

・・・と、思う人もいるかもしれないけど、まあこういうのは、言うは易し、行うは難しで、実際にいろいろな方面とコンセンサスを得ながら進めようと思ったら、

 

メチャメチャ大変なようです。(苦笑)

 

 

実際にこの教科書をまとめた先生の一人を知っていますが、非常に大変だったようです。

 

 

私は実は、この新教科書をまだちゃんと読んでおりません。

 

 

学校の講師室にあったものに、パラパラと目を通しただけです。(苦笑)

 

 

ですので、キチッと内容を把握しておきたいと思い、1カ月ほど前に学校を通じて注文したのですが、なぜかなかなか手元に来ません。。。

 

 

そうこうしているうちに、何やら縁があって、今回この教科書に意見具申できることになりました。

 

 

・・・でもまあ、期限がものすごく短いので、どれだけ建設的な意見を述べられるか分かりませんが、自分なりに真剣に考えてみようと思います。

 

 

一応全国の学生さんに関わることだしね。

 

 

 

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「尺膚診」について 14(『素問識』における尺膚診)

2015.09.30

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これまでのお話(分かり易いように、タイトルを付けました)

 


「尺膚診(しゃくふしん)」について(イントロ) 
「尺膚診」について 2(『史記 扁鵲倉公列伝』における尺膚診)                     
「尺膚診」について 3(『黄帝内経素問』平人気象論(18)における尺膚診)          
「尺膚診」について 4(『黄帝内経素問』通評虚実論(28)における尺膚診)
「尺膚診」について 5(『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形萹(4)における尺膚診)   
「尺膚診」について 6(『黄帝内経霊枢』論疾診尺(74)における尺膚診)
「尺膚診」について 7(『黄帝内経霊枢』邪客篇(71)における尺膚診)
「尺膚診」について 8(「表をもって裏を知る」の重要性) 
「尺膚診」について 9(「表をもって裏を知る」の重要性その2)
「尺膚診」について 10(『黄帝内経素問』脈要精微論(17)における尺膚診)

「尺膚診」について 11(『難経』13難における尺膚診)

「尺膚診」について 12(『傷寒論』における尺膚診)
「尺膚診」について 13(『腹証奇覧翼』における尺膚診)         参照

 

では続きいきます!

 

 

◆多紀元簡(たきげんかん)の『素問識(そもんし)』における尺膚診の記載

 


「尺膚診」について 4「尺膚診」について 10
に、日本の多紀元簡という人物の言説をチラリと紹介しました。

 


この人物の紹介は、また後ほど詳しくするとして、彼の代表作である『素問識』の中でチョイチョイ、この尺膚診について述べてくれております。

 

一つは、『素問』の17篇目、”脉要精微論”を解説した部分です。

 

 

 

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↑↑このような図とともに、細かく解説してくれております。(『素問識』より)

ここで彼が述べているのは、

「”尺”というのは前腕のことでアール!」

という説です。

 

それを言うだけでなく、前腕のどこで何を診るのかまで、わざわざ図にしてくれています。

 

専門家の方々は参考にするべきでしょう。

 

この前腕に書いてある文字を見て、あ!と、ピンとくるべきです。(笑)

 

もう一つは『素問』の28篇目、”通評虚実論”の解説部分です。

 

ここには、

「脈診で経を診て、尺膚診で絡を診る」

という論が提出されております。

 


経絡、経絡、と言うが、経が相対的に深く、絡は相対的に浅い、という論から始まり、さらに、経には営気が満ち、絡には衛気が満ちる、

という論から、脈が熱なのに尺膚が寒であるものについて、考察してくれております。

 


・・・とまあこのように、日本にもスゴイ先生がいた訳です。

(今でもいるけど)

 

この『素問識』なんかを読んでますと、『黄帝内経』のみならず、その周辺の有名な古典も、すべて頭に入った上で、平易に分かりやすく配慮しながら、慎重に解説しているのがよく分かります。

 

恐るべし、多紀元簡・・・。(苦笑)

 

 

尺膚診に関してはここらでいったん切って、また折に触れて解説してみたいと思います。

 

続く

 

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「尺膚診」について 11

2015.09.21

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これまでのお話

 

「尺膚診(しゃくふしん)」について 
「尺膚診」について 2                     
「尺膚診」について 3          
「尺膚診」について 4
「尺膚診」について 5   
「尺膚診」について 6
「尺膚診」について 7
「尺膚診」について 8 
「尺膚診」について 9
「尺膚診」について 10     
    参照

 

では続きいきます!

 

◆『難経』13難における尺膚診の記載

 

ここまでで、『史記』『黄帝内経』における尺膚診の記載を引きながら、尺膚診という診察法の重要性を紹介してきました。

 

今日は、我々鍼灸師にとっての、もう一つの聖典と言っていい、『難経(なんぎょう)』という本の中の、尺膚診に関する記載を紹介したいと思います。


因みに、この『難経』という書物ですが、時代的には『黄帝内経』の後で、『傷寒論』の前、後漢の時代に書かれたと言われる本であり、

内容が多岐にわたり、様々な異なった立場や見地から述べられている『黄帝内経』とは違い、外邪に侵襲される病について詳細に論じた『傷寒論』とも違い、

薬でも灸でもない、鍼治療に関する内容に特化してスッキリとまとめられており、内容に非常に一貫性がある書物です。

 


日本の鍼灸師で、この本を知らないものはいないでしょう。

内容は『黄帝内経』と同じように81篇にまとめられ、1篇目から”1難、2難・・・、”と数え、最後は”81難”に至ります。

 

この本の”13難”に、尺膚診に関する記載があります。

 


どのような記載かというと、まず

五藏有五色.皆見於面.亦當與寸口尺内相應.


(五臓にはそれぞれ5つの色があって、その異常は顔面に出る。そしてそれは脈は尺内(前腕内側の皮膚の状態)と一致する。)

 


と出てきて、その後に

脉數.尺之皮膚亦數.

脉急.尺之皮膚亦急.

脉緩.尺之皮膚亦緩.

脉濇.尺之皮膚亦濇.

脉滑.尺之皮膚亦滑.

 

五藏各有聲色臭味.當與寸口尺内相應.其不相應者病也.

(脈が早ければ尺膚に熱感が現れ、脈が堅ければ尺膚も堅い、脈が緩んでいれば尺膚も緩み、脈が渋れば尺膚も渋る、脈が滑らかならば尺膚もなめらかである。

五臓にはそれぞれ声、色、臭い、味があるが、それらは脈、尺膚の状態と一致するものであり、一致しないのが病なのだ。)

 


と、出てきます。

 

※( )内は僕なりに平易に訳してみました。

 


ここの解釈なんですが、江戸時代中期にいた広岡蘇仙(1696-?)という人が書いた、『難経』の解釈本である『難経鉄鑑』という本の中に、

わざわざ”尺内”と書いてあることへの解釈がなされています。

 

”尺内”は前腕の内側を示し、外側でなく内側であることの理由として、前腕内側は陰経が流注する部位であり、相対的に陰であり、皮膚が和らかく、診やすいからである、

 

と述べ、尺膚よりも脈、脈よりも色が優位なのは、人体においては陽の方が優先されるからである、と説明しています。

 


一つの、参考にすべき考え方だと思います。

 

続く

 

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