東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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(一社)北辰会スタンダードコース大阪会場

2017.04.11

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4.9の日曜日は、大阪で行われた(一社)北辰会スタンダードコースに行ってきました!!

 

 

今回、午後からの参加になりましたが、午後一は名古屋の祥楓院院長、田淵大輔先生による

 

「気について」

 

1時間講義。

 

 

田淵先生はデカいガタイなんですが、ああ見えて心優しい繊細な男です。(笑)

 

 

前日は緊張で眠れなかったようです。(苦笑)

 

 

基礎的で重要な内容を、丁寧に講義していましたね。

 

 

2限目は油谷真空先生による

 

「鍼の極意」

 

 

エライ物々しいタイトルの講義ですが、タイトル通り、真剣に鍼灸をやっていくにあたって、非常に重要な部分を語っておられました。

 

 

平たく言えば、学問、論理、基礎の重要性と、心持ちの大事。

 

 

まあでも、講義の中にもあったように、こういうのは、言うは易いが、やるのが難しいワケです。

 

 

そして、鍼灸師全員が、こういう極意を踏まえて鍼を持っているかというと、どうもそうでもないワケです。

 

 

こういうのは、どこまで行っても、忘れちゃいけないマインドです。

 

 

新年度、一発目の講義として、良かったんじゃないかと思います。

 

 

 

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「伝統」とは何か。 6

2017.03.26

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これまでのお話

 

「伝統」とは何か。

「伝統」とは何か。 2 

「伝統」とは何か。 3  参照

 

 

では続きいきます。

 

 

◆「伝統」と「易の三義」

 

 

前回、易の三義を説明しました。

 

 

「変易」「不易」「簡易」ですね。

 

 

そもそもこの易が持つ意味は三つあるよ、という考え方は、漢代の緯書である『易緯乾鑿度(えきいけんさくど)』「 易一名含三義」と書かれてあるようです。

 

 

僕ら伝統医学をやっているものは、単に古典研究をやっているのではなく、あくまでも現実の臨床医学、医療をやっているわけですから、

 

古典に書いてあることを、ただそのまま忠実にやることだとか、古典の文章を暗記したり、文献研究することに重きを置くのではなく、

 

現実に目の前で病んでいる患者さんのために、あくまでも古典の世界観、人体観を参考に、実際にどれだけのこと(治療)が出来るか、

 

を徹底的に追求するべきだと思っています。

 

 

この立場を北辰会では「臨床古典学」と言っています。

 

 

たとえ『黄帝内経』に書いてあることであっても、現代の現実の病人に対して利用価値が無ければサクッと捨てる、また、古典に書いてあることでも、

 

現代風にアレンジした方が良い部分があればためらいなくアレンジして運用する(変易)、そういうスタンスです。

 

 

ただ、数千年もの間、この医学に通底する「本質」「根本哲学」は変えずに(不易)、医学を志す人であれば誰でも理解できるようにシンプルに(簡易)

 

論理的に運用することです。

 

 

まさに「簡易」シンプルに、「変易」臨機応変に、「不易」本質は変えずに、です。

 

 

因みに、伝統としての鍼灸医学の本質は、いつも言っているように「気一元」「太極陰陽」の世界観に基づいて、

 

鍼灸で気を動かし、人体の陰陽のバランスを調整する、安定させること、ですね。

 

 

この意味からすると、鍼灸を一種の物理療法と考え、鍼灸による神経への物理的刺激によって、特定の反応を期待する療法である、

 

という考え方は、そもそもの世界観自体が違うので「伝統」や「伝承」ではない、ということになります。

 

(もちろん、だからといって否定はしませんが。)

 

 

・・・まあ、現段階ではこれが僕の考える「伝統」であり、「伝統医学」の現代での理想的な在り方かな。

 

 

易については、いつかまた折を見て語りましょう。

 

 

 

一先ず終わり。

 

 

 

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「伝統」とは何か。 5

2017.03.25

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これまでのお話

 

「伝統」とは何か。

「伝統」とは何か。 2 

「伝統」とは何か。 3

「伝統」とは何か。 4  参照

 

 

では続きいきます。

 

 

◆続、易の三義

 

 

中村天風先生と並んで、近代日本における東洋学の大家と言われる安岡正篤先生『易と人生哲学』や、『易経講座』の中に、

 

易の三義について書いてあります。

 

(本によって書いてあることが微妙に違ったりします。。。(^_^;))

 

 

安岡先生は、易について、

 

「民族が極めて長い歳月を通じて得た統計学的研究とその解説」

 

と端的に述べ、その上で、易の三義である「変易」「不易」「簡易」を説きます。

 

(因みに後漢の時代の大儒学者である鄭玄は、”簡易”を筆頭に置いています。意味が深いように思います。)

 

 

ともかく、まず第一の「変易」ですが、これは読んで字のごとく「変わる」「変化」という意味です。

 

 

『易経』を英語で言うと『The Book of Changes』なんですが、自然界、人生というのは常に変化してやまないものなんですね。

 

 

自然界の四季、人生における生老死、水が潤す、火が燃え移り、焦がす、なんかのことですね。

 

 

『易経』は、その「変化」について書かれた書であると。

 

 

ですから「易」という字の意味は「変化」なんだと。

 

 

ただその根本には「不変なるもの」がある。

 

 

まあ自然界で言えば、春の後に冬が来ることはないとか、水には火が付かないとかです。

 

 

要は「原理原則」というものがある訳です。

 

 

変化するものの中の変化せざるもの、これを「易」のもう一つの意味、「不易」と言います。

 

 

安岡先生は、「不変」がなければ、「変化」という意識が生じることはない、と説きます。

 

 

人間の知恵が発達すると、変化のうちにある、不変の真理を探究し、それに基づいて、変化を意識していく。

 

 

そして、変化の原則に従いつつも、自ら変化していく、となります。

 

 

しかし、その宇宙万物の変化たるや無限、無窮であり、その意味では、その造化の働きは簡単、明瞭であると説きます。

 

(ここが分かりにくい!(笑))

 

 

ここを竹下的に簡単に説明しますと、まあ要は、変化してやまない自然界、人生、万物の変化(変易)の中に、一定不変の原理原則(不易)を見出し、

 

それを限りなく簡明に示した(簡易)ものが『易経』であり、その三つの意味が「易」の字義である、というワケです。

 

(僕はそう考えました(^_^;))

 

 

で、これを「伝統」と絡めて考えてみますと・・・、それは次回。(笑)

 

 

 

続く

 

 

 

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「伝統」とは何か。 4

2017.03.24

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これまでのお話

 

「伝統」とは何か。

「伝統」とは何か。 2 

「伝統」とは何か。 3  参照

 

 

では続きいきます。

 

 

◆「易」の三義

 

 

「気」とともに、我々の医学のもとになっている「陰陽」という哲学。

 

 

これが一体どういうものなのか、ということについては、『黄帝内経』の中には詳述されていません。

 

 

『黄帝内経』は、陰陽についてある程度理解していることを前提に書かれているような雰囲気があります。

 

 

その「陰陽」について詳しく書かれている大古典が『易経(えききょう)』という書物です。

 

 

北辰会も以前からそうですし、近年では他の様々な流派の先生方も、この『易経』を非常に重視するようになってきました。

 

 

鍼灸師が、『易経』に関する内容を書いた本も、いくつか出て来はじめました。

 

 

いいことです。

 

 

でもこれ、なかなか難しいんです。

 

 

あんまり東洋医学の基本的なことが分かっていないうちに、興味本位で噛り付くと、普通に歯が折れます。(゚∀゚)

 

 

また、ある程度基本が分かった段階で、『易経』に関する色々な説明を受けても、

 

「うんうん、なるほど分かった。・・・で?それをどうやって臨床に使ったらいいの??」

 

と、なりやすく、そこで脱落しやすいお勉強の一つでもあります。(苦笑)

 

 

こういった、「根本哲学」なんてモノは、結局、実際には役に立たない!とか言っちゃう人がいるのも分からないではないくらい、

 

なかなか取っ付きにくい学問だと思います。

 

 

僕もこれまで、『易経』、「易学」、「医易学」については、このブログ上でもあまり触れてきませんでした。

 

(易に関してはエキスパートを何人か知っているので、理解が曖昧な状態で何か書くのが、怒られそうで怖くてね。。。)

 

 

でも「補瀉」とか「三陰三陽」の時みたいに、そのうち、気が向いたらバーッと書こうと思っていますので、少々お待ちを。(笑)

 

 

・・・前置きが長くなったけど、「易」には三義と呼ばれるものがあります。

 

 

これは、「易」という言葉が持つ、三つの意味、というほどの意味です。

 

 

長くなりそうなんで、続く。(*‘∀‘)

 

 

 

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「伝統」とは何か。 3

2017.03.23

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これまでのお話

 

「伝統」とは何か。

「伝統」とは何か。 2   参照

 

 

では続きいきます。

 

 

◆伝統と伝承

 

 

ここまで、「伝統」の一般的な意味を説きました。

 

 

似た言葉で、「伝承」というものがあります。

 

 

これは何でしょうか。

 

 

辞書によれば

 

① 受けついで伝えて行くこと。また、その事柄。

② 伝えきくこと。

 

だそうです。

 

(三省堂『大辞林 第三版』)

 

 

辞書の意味だけで言えば、「伝統」とどう違うの??となりますね。

 

 

では、「伝統」「伝承」の違いは何なんでしょうか。

 

 

調べていると、興味深いサイト様がありました。

 

伝統と伝承の違い  参照

 

 

英語だと、伝統はTradition、伝承はFolklore、どちらも、受け継いでいく、という意味では一緒だが、

 

伝統はやや政治的な意味を含み、革新の連続

 

とあり、それに対して

 

伝承はそのままの形で受け継いでいくことを言う

 

とあります。

 

 

伝統の一つの具体例は、鍼で言えば、機械で加工したディスポ鍼、刺さない打鍼術とかで、漢方薬で言えばエキス剤とか、

 

医学理論で言えば中医学とか韓医学のことか。

 

 

厳密に言えば、東洋医学の「伝承」と言ったら、手で、砥石で加工した鍼で、消毒しないで使わないと伝承じゃないとか、

 

生薬を古典の記載通りに修治して使わないと伝承じゃない、となりゃしませんかね。(^^;)

 

 

それを、「本質は変えずに」「現代に合う形に」昇華する、これが伝統の一つの在り方、ということになります。

 

 

せっかくFBの方で金澤先生からコメントいただいたので、これを「易の三義」と絡めて考えてみましょう。

 

 

 

続く

 

 

 

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三旗塾、中医オープン講座に行ってきました!!

2017.03.21

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3.19の日曜日は、三旗塾、中医オープンセミナーに行ってきました!!

 

 

このセミナーは、金子朝彦先生の主催する「三旗塾」が開催する、年に一回のイベントだそうで、普段やっている中医学の勉強ではなく、

 

他の流派の先生をゲストに呼んで講演してもらうという、斬新な試みです。

 

(まあ、随分過去にはこういうのは、他の流派間でもあったらしいんですが、いつの間にか行われなくなった、言わば対外試合、

 

対外交流みたいな感じですかね。)

 

 

去年の日本中医学会で、以前から気になっていた金子先生とお会いして、FBで繋がって以来、この日がちょうどオフの日だったんで、

 

行ってみることにしました。(*‘∀‘)

 

 

会場に行ってみると、かなり知っている顔が。。。(笑)

 

 

今年は積聚会の西岡由記先生、長野式の伊藤弘隆先生による特別講義でした。

 

 

西岡先生は、そのご著書である『易経と難経』を数年前に読まさせていただいて以来、ずうっと講義を聴いてみたいと思っていた先生ですし、

 

長野式は、実は僕は15年以上前に、毎月足しげく勉強しに行っていた時があります。

 

 

ですが、この講座では面白いことに、積聚の先生が積聚治療の話をしない、長野式の先生が、長野式の話をしないのです。

 

 

一人の鍼灸臨床家として、自分の研究や、普段の治療を語る、といった、これまた斬新な企画でした。

 

 

金子先生のアイデアが、イー感じで炸裂してると思います。

 

 

西岡先生は傷寒論と難経と易経を絡めて、脈診に関する話しを非常に分かりやすく講義されていましたし、伊藤先生は非常に難しい、

 

患者さんのトラウマに対する独自のアプローチを紹介して下さいました。

 

 

久々にガンガンメモって、ガンガン質問しまくっちゃいました。(笑)

 

 

大変、いい刺激をいただきました☆

 

 

今はIT情報化社会、他流派の勉強会の様子なんかも、ネットで即時的に、かつ写真入りでリアルに覗くことが出来ます。

 

 

しかも何か情報発信したら、一瞬で地球の裏側まで届く時代。

 

 

これから、各流派が健全に刺激し合って、みんなで過去よりももっといいものが構築出来たら、素晴らしいですね。

 

 

 

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「伝統」とは何か。 2

2017.03.20

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前回のお話

 

参照

 

 

◆「伝統」辞書的には

 

 

「伝統」を簡易な辞書でひくと

 

前の時代から受け継いだ風俗、制度、思想など。また、受け継ぐこと。

 

『三省堂 国語辞典 第四版』

 

と、出て来ます。

 

 

また、桑原武夫著『伝統と近代化』(『岩波講座 現代思想11』所収・1957・岩波書店)によれば、

 

文字どおりの意味では、歴史的に伝承された物質文化、思考や行為の様式、人やできごとなどについてのイメージ、

 

さまざまな象徴群などを意味する。

 

とあり、

 

広義に解すれば、過去から伝えられた文化遺産である。

 

とあります。

 

 

・・・で、これをどうとらえるかが、人によって違う、と、書いてあります。

 

 

伝統を重んじる立場の人と、軽んじる立場の人。

 

 

むしろ伝統の方が、社会秩序を守る上で重要であり、新しい文化や価値観を、伝統的な社会をかき乱す因子、ととらえるか、

 

あるいはその逆に、伝統なんてものは新しいもの、より良いものを構築する際に阻害因子となるものだ、ととらえるか。

 

 

桑原氏は、

 

進歩や発展が望ましいとされる時代においては、伝統は過去の無知の産物、進歩の障害物とみなされる傾向が強い。

 

といいます。

 

 

まさにこのような考えに基づいて、今から150年前、明治維新の時代に、日本の東洋医学は排斥されたんですね。

 

 

ただ、桑原氏はそう書きつつも、

 

伝統の担い手に、伝統をよりよきものに精練したいという願いがあれば、外発的な衝撃を契機として、古い遺産の中からより真なるもの、

 

より良きものが抽出され、新しい状況に適応するように再構成、再解釈された形で伝統はしばしば強調された。

 

とも書いています。

 

 

これは蓮風先生もよく仰るところで、夢分流の打鍼術を現代風にアレンジした経緯の説明の時に、よくこの話をなさいますね。

 

 

「現代中医学」「ディスポ鍼」「市販の温灸」というものだって、ある意味そうだと、僕なんかは思いますしね。

 

 

そして桑原氏は、

 

この意味で、伝統はかならずしも停滞的ではなく、創造の要素でもある。

 

と説き、

 

社会成員の共属の感情を継続させるためにも、成員の共感を呼び起こす伝統は、ある程度保持される必要がある。

 

と結んでいます。

 

 

まあ、新しい何かを発展的に構築していくにしても、伝統は無視、排斥するべきではない、という考えに、僕も一票です。

 

 

また、いつまでも伝統に固執して、発展や異文化を嫌うのは、極端すぎてどうかと思っています。

 

 

後はその背反する二つの考え方のバランスの問題でしょう。

 

 

 

続く

 

 

 

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少しずつ治すしかない病

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清明院には、「いわゆる」慢性難治性疾患の患者さんが、「それ自体を主訴として」多くいらっしゃいます。

 

 

今後、そういう疾患をお持ちの患者さんが、鍼灸、東洋医学に期待を寄せるケースは増えるでしょう。

 

 

こういう病の多くは、少しずつ少しずつ、体をいい方向に傾けていくしかない場合が多いと思います。

 

 

僕ら、街なかの平凡な鍼灸院では、例えば患者さんを入院させて、3食、衣食住全て管理して治療を行うことは出来ませんし、

 

どうしても、その患者さんにとって、時間的経済的に無理のない範疇で出来うる、最大限の治療をするしかありません。

 

 

ホントなら毎日でも、1日何回でも治療したいような疾患であっても、です。

 

 

そこを含めて、最初によーく説明して、ご納得いただいた上で、そのつもりで、治療を受けていただくということが大事じゃないかな、と思います。

 

 

鍼灸は、時に西洋医学の常識から考えたら、あり得ないような劇的で即効的な変化が患者さんに起こることがあります。

 

 

でもそれは「時に」です。

 

 

いわゆる「慢性、難治性」なんて呼ばれる疾患の患者さんであれば、少しずつ少しずつ、体調を整えて、少しでもいい方向にと、

 

やっていくしかないことはよくあります。

 

 

術者も患者も、最初から奇跡みたいな変化を求めてやるのは、ちょっとどうかと思いますね。

 

 

むしろ最初に平易にキチッと説明して、互いに納得した上で、腰を据えて治療を進めてみた結果、時に奇跡のような変化が起こって、

 

術者も患者も一緒になって喜ぶ、これが健全だろうと思いますね。

 

 

大事なことです。

 

 

 

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『黄帝内経 素問 霊枢』を読むにあたって

2017.02.06

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この医学を本格的にやろうと思ったら、避けて通れない『黄帝内経』

 

 

この医学のバイブルと言ってもいい本です。

 

 

この本に書いてあることが全くの迷信で、信じるに足りないインチキ本である、という立場に立つならば、それはもう東洋医学の否定です。

 

 

東洋医学の道ではない道、東洋医学と接点を持たない人生をどうぞ、ということになります。(゚∀゚)

 

 

約2500年前に書かれたと言われる、この本に書いてある内容を、現代の患者さんの前でも十分に使える考え方であり、一面の真実だ、

 

というのが、東洋医学を実践する者の、普通の立場です。

 

 

ただ、『黄帝内経』に書いてあることと言えど、盲信する訳ではなく、現代の現実に照らし合わせて理解し、運用していくのが、

 

一番理性的で常識的な立場だと思います。

 

 

いかに聖典であり、優れた本であると言っても、所詮は2500年も前の外国の本です。

 

 

現代日本の現実と完全に一致するはずはないです。

 

 

そこで、この本を研究していくのに重要な書籍は、何があるか。

 

 

まずは東洋学術出版社の『現代語訳 黄帝内経素問 上中下巻』『現代語訳 黄帝内経霊枢 上下巻』でしょうね。

 

 

僕はまず、この5冊から入りました。

 

 

値段的にも手に入りやすいし、凄く丁寧な本だと思います。

 

 

原文、読み下し文、現代語訳、解説文と、全て付いていて、参考文献も豊富です。

 

 

次に築地書館の『意釈黄帝内経』シリーズ。

 

 

これは素問と霊枢の他に、運気と難経と神農本草経もあります。

 

 

これも平易な現代文で読みやすい。

 

 

次に雄渾社の柴崎保三著、『黄帝内経』25巻セット。

 

 

これはなかなかお高いし、揃いで手に入れるのは難しいのかもしれませんが、持っといて損はないでしょう。

 

 

まずは上記をキチーッとやること。

 

 

・・・で、いよいよ漢文も読めるようになってきて、本格的になって来たら、森立之の『素問攷注』渋江抽斎の『霊枢講義』を入手しましょう。

 

森立之という人物

渋江抽斎という人物 参照

 

 

この二冊は、日本の考証学派が世界に誇る二冊です。

 

 

『黄帝内経』が出てから2500年、ここまで詳細に読み込んだ本はなかなかない、とまで評価される、日本人が書いた、

 

世界最高峰と言われる『黄帝内経』解説書の金字塔です。

 

 

幕末~明治初期、日本人の東洋医学研究の水準は、本家中国を凌ぐほどだったんですよ。

 

 

今でこそ、中国共産党が国家主導でまとめ上げたと言っても過言ではない「現代中医学」が東洋医学教育のグローバルスタンダードになっていますが、

 

中医学が成立していく際にも、日本人の多くの書籍が影響を与えているんです。

 

カテゴリ 「中医学」 参照

 

 

ここらへんをよーく踏まえて、日本人の誇りを持って学ぶべしです。

 

 

 

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総合と総体 10

2016.12.18

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これまでのお話

 

総合と総体 1

総合と総体 2

総合と総体 3

総合と総体 4

総合と総体 5

総合と総体 6

総合と総体 7   参照

 

 

 

◆「太極」とは。

 

 

ここまで話してきたように、この医学において重要なのは、人間(患者)を「気一元」「天人合一」の考え方でもって、

 

「一」にまとめて、「総体」のアンバランスを診ている、というところにある、というお話をしてきました。

 

 

よく、この医学の根本は「陰陽」だ、と言われます。

 

カテゴリ「陰陽」   参照

 

 

脈診にしても舌診にしても腹診にしても、要は生体の「陰陽」のアンバランスをうかがうためのものなんですね。

 

 

陰陽を考える上で重要な言葉に「太極」という言葉があります。

 

 

この言葉の意味は、『漢方用語大辞典』によれば

 

「宇宙の太元気、宇宙を構成する陰陽二元気の根本。」

 

とあります。

 

 

また、『道教事典』では、もっと詳しく解説されており、まとめると、

 

「『易経』の繋辞伝における生成論の始めであり、朱子学においては認識論的意味を持たせられるようになった。」

 

と、何やら難しいけど重要なことが書いてあります。(笑)

 

 

蓮風先生のご著書である『東洋医学の宇宙』には、「太極」に関しては

 

1.太極陰陽は天地創造分化の大本

2.陰陽する場が太極

3.太極は認識以前の状態

 

と、箇条書きでサクッとまとめてくれております。

 

(ここは要は生成論と認識論、両方踏まえている訳ですね。)

 

 

蓮風先生はこのように、難しいことをサクッと簡単にまとめて説明するのが非常に上手い先生だと思います。

 

 

僕なんかは先生のこういうところを見て、凄く臨床家的だなあ、凄いなあ、と思う訳です。

 

 

何故なら臨床では、患者さんに対して、病気や、体の難しい問題を、すぐにパッと簡単に説明する能力が常に問われるからです。

 

(クドクド理屈を言っても、多くの患者さんは、なかなか聞いてくれないです・・・。苦笑)

 

 

まあともかく、「太極」は陰陽の大元になるもので、同時に陰陽に分けられる「場そのもの」でもあると。

 

 

また、医者と患者で例えれば、医者が患者を認識する以前の状態が「太極」で、認識した段階で「陰陽」に一応分けられるんだけれども、

 

常に「太極」、つまり一元の場から目を離さずに、意識を離さずに、「陰陽」の傾斜を意識する訳ですね。

 

 

このように、東洋医学の言う「陰陽論」というのは、単純な二元論ではなく、「二元的一元論」なのだ、というのが北辰会の主張であり、

 

その意味から、「陰陽論」と言わずに「太極陰陽論」と呼んでおります。

 

 

 

続く

 

 

 

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