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2010.11.18
これまでのお話・・・
「五行(ごぎょう)」って何ですか?(その1)
「五行」って何ですか?(その2)
・・・まあこのテーマは、これまでに中国はもちろん、日本でも、世界中でも、ありとあらゆる人によって語り尽くされ、調べ尽くされているテーマであり、
最初に言ったように、詳しく調べようと思ったら専門書がいくらでもあります。
でもそれを、自分の言葉で、「分かりやすさ」を意識しながら、簡単に説明しなおす、文章にしてみる、ということがとても大事じゃないかな、と、
”僕は”
”今のところは”
思っていますので、もうちょっと続けようかな。(笑)
◆「陰陽」と「五行」の歴史
前回、「陰陽論」は「五行説」よりも前から存在する、というお話をしました。
「陰陽論」の起源は約2800年前、周の時代の『易経(えききょう)』にあるとも、そのもっともっと前からあるとも、言われています。
「五行」の起源も、『書経(しょきょう)』であるとも、そのもっともっと前からあるとも言われています。
(根本光人監修『陰陽五行説 その発生と展開』 参照)
・・・まあ、これに関して、詳しく調べた話を書いてもいいけど、そこは誰も読みゃあしない、あるいは読む人が限定され過ぎる気がするので(笑)、ここは要するに、いわゆる「陰陽五行説」のうち、
最初に生まれた考え方は「五行」じゃなくて「陰陽」であり、どちらもとっても古い、古代中国の考え方で、のちに結合した、とそのまま理解していただければよいのではないかと思います。
まあ、こう考えた方が納得がいくのも、そもそもものごとを理解する時に、まずおおざっぱに分けてアウトラインを理解し、次により細かく分けて理解しようとするだろうな、
と考えた方が自然ですし、専門書を見ても、そのように解釈されているものがほとんどだと思います。
(いやいや竹下、五行の方が先だぜ、っていう文献がもしあったら教えて下さい。・・・ま、個人的にはどっちが先かなんて、ホントはどうでもいいんだが。(笑))
自然における様々な現象(人間の生老病死も含む)を観察し、体系的に説明づけていく時、「陰陽」だけでは不十分であり、そこで「五行」が生まれ、
さらにその2つが合体し、「陰陽五行説」となっていったのだろうと、今のところは思っています。
「陰陽」は昼と夜、太陽と月、男と女、火と水、というものなどからの発想と言われ、「五行」つまり木火土金水は、当時の生活に必要不可欠な5つの材質(五材)からの発想であろう、ということが言われています。
また、当時の人々は天体観察を非常に細かく行っていますが、空にみえる非常に明るく目立つ星が木星、火星、土星、金星、水星の5つだったことや、
手足の指の本数である5、両手両足と頭で、人体の出っ張りが5、また、空間を認識する時、東西南北と中央で5、という、「五」という数字が持つ神秘性との関係もある、
なんていう解釈もあります。
いずれにしても重要なのは、これらを考えていく場合の手段は人間の「五感」であった、ということと、「陰陽」にしろ「五行」にしろ、ただ分けたのではなしに、
それらの「循環」「変化」「相互関係」に重きを置いた、ということに注目すべきでしょう。
・・・ではそこで、この2つは、どのタイミングで、どんな考え方で合体したんでしょうか。
長くなっちゃったんで、それは次回。(笑)
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2010.05.15
これまでのお話・・・
「肝(かん)」って何ですか?(その1)
「肝」って何ですか?(その2)
「肝」って何ですか?(その3)
「肝」って何ですか?(その4)
「肝」って何ですか?(その5)
「肝」って何ですか?(その6)
「肝」って何ですか?(その7)
引き続き、「肝」を構成する”7枚の葉っぱ”の意味について考えてみましょう。
前回述べたように、他の奇数に比較すると、影が薄いとはいえ、古代の中国では、様々な古典の中に”7”が出てきます。
『論語』『孟子』『荘子』などなど・・・。
僕ら東洋医学を学ぶものにとってなじみが深いモノの中では
『黄帝内経(こうていだいけい)』
という、東洋医学のバイブルと言ってもいい、大古典の中に、女性は7の倍数に応じて成長する、という記載が出てきます。
(つまり、7歳、14歳、21歳、28歳・・・と、女性の生涯の中で、身体的に大きな節目が訪れるよ、という記載です。)
また、東洋医学の根本思想である「陰陽論」の来源ともいわれる、『易経(えききょう)』の中にも、”7”という数字が「繰り返し、つまり循環」を示す数字として登場します。
(本田濟『易』P224~参照)
また、ここで詳しくは述べないが、今井宇三郎先生の『宋代易学の研究』の第二章(P146~)に、『易』において有名な「河図洛書」の「河図」には、
後漢の『漢書』五行志や、後漢の儒学者、鄭玄(じょうげん)の『周易鄭玄注』によって、1~5までの数字を「生数(せいすう)」、6~10までを「成数(じょうすう)」と呼んでおり、
7は生数5+2と考えられ、五行では火の成数ということになるが、龍雷相火といわれる肝の臓に、五行において火の意味を持つ成数7が乗せられていることは興味深いが、
この意味で肺の八葉を解釈しようとすると、こちらは「木」の成数ということになるので、肝の七葉、肺の八葉の意味に一貫性が見出しにくい。
ここは、詳しい読者諸賢の方は是非ご教示下さい。
個人的には、蕭吉(しょうきつ)撰『五行大義』の生成数解釈でここに関しては強引に理解しています。
(中村璋八ほか注『五行大義 上下巻』、神野英明『鍼灸漢方の名医になるための秘訣』P106~参照)
さらには仏教においても「初七日」「四十九日」と、7および7の倍数(乗数)に、極まり、そしてまた繰り返す、あるいは次なる段階へ進む、という意味がのせられています。
さらにさらに、中国古代の文学作品や詩集には、タイトルに「七」のつく作品が異常に多い、という特徴があるそうです。
この理由については、最終的には”不明”らしいですが(苦笑)、僕個人としては、「七」という数字に込められた、
「永続性」と「形式美」
に、当時の文学者たちは何かを感じていたんじゃなかろうか、と思っています。
(終わりと始まりを、同時に、かつストーリー性を持たせて表現できる数、という意味でね。)
・・・また、卑近な例として、7月7日の七夕祭りがありますね。
これも実は、織姫と彦星が、いつも会いたいのに年に一度しか会えない、ということから、「やっと会える日」の強調というよりも、好きな人がすぐそこにいるのに会えない、
”無限にも感じられる辛い時間”
というものの永続性とその極みを”7”に込めた、という解釈もあるようです。
(ロマンチック!!)
・・・さらに天体モノでいくと、何と言っても「北斗七星」の7です。
古代の中国人は夜空を見て、北極星の周りを回る北斗七星の柄の部分がどの方角を指すかで季節を定めました。
(ちなみに北辰会の”北辰”というのは北極星という意味がありマス・・。すごいネーミングだネ・・。)
そして道教においては、七夕に七星を祭る、という儀礼が存在し、内丹術(・・・ここでは詳しくは述べないけど、まあ要は気功みたいなもんです。)においても、”七”を極めて重要視します。
(これには”不老長寿”という考え方と”7”の神秘性、永続性が関係しているのではないか、と思っています。)
・・・また、空間を認識する上でも”7”は実は重要です。
つまり、「東西南北」の4と、「上下」の2を足すと”6”という数字が得られ、これを「六合(りくごう・・・宇宙のこと)」と言いますが、
これに「中央」、つまり「観測者の立ち位置」を加えると”7”という数字が得られます。
これにより広大無辺な六合空間の中に「基準」が出来るので、基準点から見て「空間」というモノを”どこからどこまで”と規定することが出来ますし、
当然、その空間の中で、2点間の移動を考えることが出来ますから、その移動速度と合わせて”いつからいつまで”という「時間」も規定することが出来ます。
小学生の頃やった、「道のり、早さ、時間」てやつが規定できるようになるわけです。
こう考えると、時間と空間を「規定する」「決定づける」数字が”7”なのであります。
それが、狭義の「魂」(意識の支え)と「血」を蔵し、「全身」という空間区分における「気」の配分調節をつかさどるという役割を持つ「肝」の「形態」に、
さりげなくのせられている、という東洋医学・・・、シャレてないすか?
・・・今日のブログは、細かい部分をかなりはしょりまくって書いたものなので、ちょっと意味が分かりにくかったかもしんないけど、何となく壮大で面白そう、
ということが伝われば、とりあえず満足です(苦笑)
今日はあえて書きません(てか書けません)が、ここからさらに、まだまだ2次的、3次的に生じる疑問や、それに対する考察についても、
これまた面白い考え方が山ほど!!
そのほかにもまだまだ僕の中で何年かあたためてる事案が山ほど!!
・・・ですので、東洋医学の中にさりげなく出てくる数字の意味には、深い意味が込められているとしか思えないことが多く、無視しない方が良いのですが、
これに最初からあまり拘ってばかりいると、基礎固めが全然進まないので(苦笑)、初学の方にはまったくおススメしません。
こういう細かい部分で、なおかつ初めに提唱した人の見解が残っていないので、原義や解が出しにくい部分に対して、色々な古典を幅広く調べて渉猟し、
肝の臓の七葉の意味の仮説に関して猛烈に詳しくなったとして、・・・「で?」ってなります。(笑)
しかし、そうはいっても東洋医学面白い~・・・、やめられない止まらない~・・・。
続く
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