東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「患者さんの導き方」

2017.09.25

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来年頭の話になりますが、(一社)北辰会関東支部の冬季研修会「順雪会」での、藤本蓮風先生の講演テーマが決まりました!!

 

 

タイトルはなんと「患者さんの導き方」!!

 

 

・・・うーん、なかなか深いタイトルじゃないでしょうか。

 

 

普段、藤本漢祥院を研修に行っていて、当然ながら色々な学びがあるのですが、その中でも大きなものの一つがこれです。

 

 

患者さんというのは、時に間違った行動をとることがあります。

 

 

また、そもそも病気になったこと自体が、その患者さんが何か間違った行動をとった結果だったりします。

 

 

場合によっては医療者はそれを上手に気づかせ、「良い方向に」導いていかないといけません。

 

 

病人でなく病気を診て、ただ弁証して、鍼灸で補瀉をする、これだけでも患者さんの体に「良い変化」は起こりますが、不十分です。

 

 

場合によっては患者さんの内面にまで踏み込んで、上手に導かないといけない場合があります。

 

 

またそれが、上手いんだよね、蓮風先生は。( ゚Д゚)

 

 

・・・ちょっとこれはー、蓮風先生にしか話せない内容になると思います。

 

 

また諸々、詳しく決まってきたら告知します☆

 

 

必聴の講義になると思います。

 

 

 

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年末12.17(日)東京衛生学園にて北辰会特別講演!

2017.09.24

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二十四節気では秋分に入り、早いもので、もう秋ですな。(*’ω’*)

 

 

今年の年末は、例年通り東京衛生学園にて、毎年恒例の特別講演が行われます。

 

 

今年は藤本新風副代表による講演と実技

 

「体表の声を聴く~体表観察上達のコツ~」

 

です。

 

 

他は尾崎支部長から

 

「北辰会方式の舌診学」

 

と、私から

 

「北辰会方式と中医学の違い」

 

の三本立てで講義させていただきます!!

 

(因みに蓮風先生のサプライズ参加もあるかもしれません。。。)

 

 

いずれにせよ、ゴリゴリの弁証論治派で、理論的で細かい人たち、と思われがちな北辰会ですが、それは片輪の話。

 

 

もう片輪は「妥協なき体表観察」です。

 

 

それで両輪の輪です☆

 

 

聞き逃せませんよ~~(゚∀゚)

 

 

申し込みが始まったら、再び告知します!!

 

 

 

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論文のお作法

2017.09.03

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今回、症例を発表するにあたって、色々なことが分かった。

 

 

まずは、公的なガイドラインを遵守した方がいい、ということ。

 

 

症例報告には、「CARE」というガイドラインがあって、こういうものがきちんと遵守されていないのが伝統医学の症例報告の現状であり、

 

それではなかなか説得力に繋がらないという現実があるようです。

 

 

どうせ出すなら、説得力、価値を最大化した方がいい。

 

 

また、症例の集合体である症例集積においても、一定のガイドラインが存在し、それに準拠した形でないと、やはり説得力やインパクトは低くなる。

 

 

僕ら鍼灸臨床家からすれば、どんな症状が来ようが、いつも通り粛々と弁証論治するだけなのであり、その中で、西洋医学的には難病と言われているものが治ったり、

 

良性の変化を示したりすることは、大して珍しいことではないのですが、その事実を公に言おうと思うと、越えなければいけないハードルがかなりあるようです。(苦笑)

 

 

そこで、どうするか。

 

 

それをせずに、ネット上のみで吠え続ける?

 

 

隠遁趣味気取る??

 

 

ハードル超えるのがめんどくさいからやらない?

 

 

そんな時間ない、と言い訳する??

 

 

そんな余裕ない?

 

 

そんな能力ない?

 

 

仕方なくやる??

 

 

あるいは誰かにやらせる??

 

 

世に認めさせる方法は色々あるけど、どれを取るかはその人次第。

 

 

ただ、最もオーソドックスに公的に認めてもらおうと思ったら、それなりのハードルを越えないといけない。

 

 

みんな見てる。

 

 

・・・さあ、そこでどうするか。

 

 

色々問われるね。(苦笑)

 

 

 

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(一社)北辰会エキスパートコース大阪会場

2017.03.14

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3.12の日曜日は、大阪で行われた(一社)北辰会エキスパートコースに参加してきました!!

 

 

今回、午前中は応用実技。

 

 

関西なのに、尾崎真哉関東支部長と、あーでもないこーでもないとやりました。(苦笑)

 

 

午後は藤本蓮風先生による症例発表

 

「間質性肺炎」。

 

 

蓮風先生による、この病名の患者の症例は3例目です。

 

 

間質性肺炎といったら、相当ヤバい病気です。

 

間質性肺炎とは 参照

 

 

でも、非常に綺麗に治っていましたね。

 

(西洋医学的な数値や画像も付いております。)

 

 

まあ、正しく弁証して、間違いない刺鍼技術で治療を進めれば、そういうことが起こります。

 

 

だから、どんな難病であっても、諦めずに、伝統に基づいた鍼灸治療をやる価値があるんじゃないでしょうかと、

 

北辰会はいつも訴えております。

 

 

最後は各務祐樹先生による症例発表

 

「アルコール依存症と咽頭がん」。

 

 

これまた難病、重症です。

 

 

各務先生は、藤本蓮風先生の鍼灸院である藤本漢祥院の内弟子でした。

 

 

最近、芦屋で「鍼風堂」という鍼灸を開業し、超頑張っている若手です。

 

 

まあなかなか、30そこそこの年(まだ20代だっけな)で、あんな難しい症例を、ああやってまとめて、効果も挙げて、

 

なんてことをやっている鍼灸師、そうそう居ないと思いますね。

 

 

今後、バンバン治して、それを発表して、世に問うて、活躍してほしいと思いますネ。(゚∀゚)

 

 

そして今回も、終わった後は酒。

 

 

妙にアツかったです。(*‘∀‘)

 

 

 

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証を絞り込む、経過を追う。

2017.02.27

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重症になればなるほど、長患いになればなるほど、

 

「あっちもこっちも悪い患者さん」

 

というのが存在します。

 

 

専門用語で言えば、いくつかの臓腑経絡が、重層的に病的な状態になっており、虚もあり実もあり、冷えもあり熱もあり・・・、というような、錯綜した状況です。

 

 

パッと聞き、そういう症例は「弁証論治派」泣かせかもしれませんが、実はそんなことは全然ないです。

 

 

むしろこういうものをキチッと整理できるのが、弁証論治という方法論の良さじゃないでしょうか。

 

 

この場合に、

 

「まず現時点では何から狙うか」

 

明確にして治療に入るのがいいと思います。

 

(特に初心者~中級者。)

 

 

ここで、患者さんにも、

 

「あなたの場合、色々と治療しないといけないところがあるのですが、まずは〇〇からやりましょう。」

 

という感じで、きちんと説明するといいと思います。

 

 

その方が理解、納得を得やすい。

 

 

そうして、患者さんが「なんじゃかんじゃ」言っていたとしても、冷静に一貫性のある治療を進めていくと、病体が、治療に反応して動きを見せます。

 

 

その動き、変化から、次なる優先順位だったり、より正確な病因病理の像が明確になります。

 

 

そうやって、経過を追いながら、病因病理と証を的確に整理していくこともできると思います。

 

 

 

あてずっぽうとか、場当たりとか、欲張りとかは、やっぱダメですね。

 

 

 

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「衛気」って何ですか? その18

2017.02.24

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これまでのお話

 

 

カテゴリ 「衛気」参照

 

 

 

長くなってきましたが、ここらでいったん締めましょう。

 

 

 

◆我々が動かしているのは、本当に衛気か?

 

 

伝統的な東洋医学の理論に基づき、精密に四診合参して弁証論治を行う、北辰会方式の枠組みの中に、

 

「手を翳して」

 

行う体表観察(東洋医学的診察術)のことを

 

「衛気診」

 

と位置付けて採り入れ、その観察結果に基づいて、

 

「鍼を翳して」

 

補瀉(※)を行い、東洋医学的に

 

「治る力を最大化する」

 

治療を行う、という診察術、治療術は今後、北辰会を超えて、鍼灸界のメジャーになるか。

 

(※)補瀉については 補瀉 目次 参照

 

 

 

・・・正直、微妙かも。(苦笑)

 

 

でもまあ、キチッと理解、習得し、方法論の一つとして持っておくと、臨床レベルで武器になることは間違いないと思います。

 

 

あと、もっと位置付けを明確にするなら、実際に

 

「どういう場合に」

 

衛気診と、衛気に対する治療を選択するべきか、という問題において、単純に

 

「小児などの敏感、過敏な患者」

 

という以外の、明確な診断学的な位置付けも必要ですね。

 

 

・・・ということで、まだまだ解決するべき問題は多くあると思います。

 

 

 

 

ところで、我々が動かしているのは、本当に衛気なんでしょうか?

 

 

実際にやってみると、時になぜ、あそこまで大きな変化が起こるのか、という問題については、

 

「衛気」って何ですか? その8

 

にいくつか仮説を挙げましたが、それ以外には何か考えられないか。

 

 

一つには、

 

「人体内外の世界の境界」

 

なんですよね、衛気の層は。

 

 

北辰会方式では、

 

「枢(すう、とぼそ)(※)」

 

つまり腹部や奇経、少陽枢機、少陰枢機を巧みに動かすことによって、一本の鍼で気を大きく動かす、という理論、手法をよく使います。

 

(もちろん、中途半端に配穴のみ真似すれば非常に危険です。)

 

(※)「枢」については 「三陰三陽」という考え方 8 参照

 

 

この考え方からすれば、衛気の層というのは、内外の気の境界線であり、一種の「枢」とも考えられます。

 

 

空気も飲食物も、人体の「外」、気一元論からすれば、外界にある「気」です。

 

 

人間は外界にある「気」を体内(ここでは外界に対して”内界”とでも言いましょう。)に採り込むことでしか生命を維持できません。

 

 

その、外界の外気と、内界の内気のバランスの調整を行うのが衛気の操作なのかもしれない、と考えると、色々と面白いことが妄想できます。(笑)

 

 

・・・まあ、僕ごとき青二才が、ここであまり迷言妄説を吐いても仕方ないので、この妄想は今後、臨床しながら、古典にも照らし合わせつつ、よーく検討していきたいと思います。

 

 

 

気が向いたら続く

 

 

 

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「不安」の原因

2017.01.23

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患者さんの不安をいかに取り除くか。

 

 

これは、どんな病気を治す上でも重要。

 

 

ここを、そもそもそんなこと無理、性格だからしょうがない、と逃げたらよくないと思う。

 

 

また、患者さんの心理誘導や心理操作はムンテラだ、ムンテラだ、と言い過ぎるのもどうかと思う。

 

 

これについても、これまで何度も書いてきた。

 

「不安」を含む記事 参照

 

 

どんな症状でも、どんな病気でも、大なり小なり患者さんは不安感を覚えるものですが、とりわけ五臓では、「心の臓」の異常で、

 

「不安感」というマイナス感情が起こりやすいと言われる。

 

カテゴリ 「心・小腸」 参照

 

 

「心の臓」の単独の証としては、

 

心気虚、心陽虚、心血虚、心陰虚、心火亢盛、寒傷血脈、痰火擾心、痰迷心竅、心痹、水気凌心、脚気衝心

 

あたりがある。

 

『中医弁証学』東洋学術出版社より

 

 

このうちの、心の臓自体の虚証病変、つまり上記の最初の4つ(気虚、陽虚、血虚、陰虚)が病因病理の片隅にでも入ってくるようなものは、

 

急性病、慢性病問わず、いやーな不安感が出やすいんじゃないかと思います。

 

(たとえ動悸や胸痛や胸悶感がなくても。)

 

 

だから、もちろん患者さんが来たら、まずは主訴をキチッと弁証して、その主訴と合致した証と病因病理を踏まえて治療を進めたらいいのだが、

 

初診時や経過中に、患者さんが不安感を強く訴えるような場合は、あくまでも病因病理と証を外さないようにしつつ、

 

しかも結果的に「心の臓」の気血が充足、疏通するように意識した配穴に処置すると、効果が出やすいように思います。

 

 

あとは毎回治療後に、「後渓」「神門」「心兪」あたりの反応の変化を、見逃さないようにするべきだと思います。

 

 

決して患者さんの言葉で、術者自身が狼狽することの無いよう。

 

 

 

もしそうなるようであれば、無理せず治療を断った方が、お互いのためだと思います。

 

 

 

 

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『臨床というもの2 生物学的人間』

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蓮風先生の新刊本が出ました!

 

(Amazonの商品ページはこちら

 

 

因みに、まだまだ出るそうです。(笑)

 

 

これ、昨日Facebookでは軽く紹介したんですが、Facebookをやってない人のために、Blogでも感想を述べておきます。

 

 

北辰会は、今や東洋医学教育のグローバルスタンダードである「現代中医学」の理論の優れた部分と、日本伝統鍼灸医学独特の理論と実技を組み合わせ、

 

しかもそれを現代風にピューリファイし、非常に精緻で、確度の高い弁証論治を行う流派である、という、正当な認識、評価があります。

 

 

一方で、蓮風先生というカリスマ鍼灸師を頂点とする、カルト集団的な雰囲気がある、という心外な評価があります。

 

(まあ、北辰会はそういう輩を相手にしていませんが。。。(笑))

 

 

なぜ、こういう妙な評価が出るのかと考えると、蓮風先生のカリスマ性、圧倒的存在感をさておいても、北辰会はその医学の理念の中に

 

「患者さんの心と体と”魂を”救う。」

 

という言葉を理念に掲げていることが、一つにはあるのだろうと思います。

 

 

とりわけ、

 

”魂を救う、救済する”

 

という表現は、かつてのオウム真理教や、他のカルト教団も用いている(いた)表現であり、この一文を読んだだけで、

 

人によっては引いてしまうだろうと思いますし、新興宗教だ、カルト集団だ、という発想が出てくるのも分かります。

 

 

僕もこのブログ上で、何度なくこの問題には触れてきました。

 

「魂」を含む記事 参照

 

 

まあ僕的には北辰会は、患者さんを診る時に、人間存在の肉体面、精神面よりさらに深い部分に、この「魂」というものの存在を仮定、想定し、

 

そこをも、「東洋医学で、伝統鍼灸で」救おうじゃないか、と、理念に掲げている鍼灸学術研究団体だ、と、理解しています。

 

 

ですので、宗教団体、カルト集団ではなく、宗教的で、スピリチュアルな生命観を持った、東洋医学、鍼灸医学の学術研究団体である、という理解です。

 

 

北辰会では、死後の世界や輪廻転生は説きませんよ。(*‘∀‘)

 

 

グルへの帰依も説きません。(笑)

 

 

むしろ蓮風先生は、

 

「俺を徹底的に批判してみろ!どっちの方が真実か、鍼一本でトコトン勝負しようじゃないか!!」

 

と仰います。

 

 

まあ、東洋医学の医者が、スピリチュアルな生命観を持つのは、東洋医学の勉強を深めていくと、ある意味当然の認識のように、今では思います。

 

 

で、これまで北辰会、蓮風先生は、この「魂」というものについて、あえて細かく語ってきませんでした。

 

 

多くの哲学者や科学者、宗教家が言及しているように、「魂」というのは非常に多義的であり、一所懸命語ってみたところで、

 

言語でサクッと明確化できる代物ではないし、仮にしたところで、どうやって運用したらいいのか困る代物だと思うのですが、

 

それでもこの本には蓮風先生なりの「魂観」が多く語られています。

 

 

この日本で、50年以上、延べ70万人以上の患者さんの鍼灸臨床をやった蓮風先生だからこそ言えるところを、言葉を選んで語ってくれたものだと思います。

 

 

鍼を持つ者はもちろん、医師、薬剤師、患者さん、これから鍼灸を受けようと思っている方、皆さんにぜひ読んでもらいたい一冊です。

 

 

「魂」というものをどう考え、感得するか、ということは、序文で、蓮風先生の長年の患者さんでもある内科医、村井和先生が語っておられるように、

 

「鍼による難病治しの核心中の核心」

 

なんだと思います。

 

 

 

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患者さんの声(10代男児 多動症、広汎性発達障害に伴う諸症状)

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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。

 

 

 

10代 男児 

 

【症状】多動、不眠(入眠障害)、夜間頻尿、独り言、イライラ、自傷行為、幻覚、妄想など

 

【既往歴】ケトン性低血糖、広汎性発達障害、多動症

 

 

 

小学6年生の息子が、こちらの院でお世話になっております。

 

息子の育児には、小さい頃から壁が沢山ありました。

私自身も進むべき方向が分からず、ずっと迷路の中にいたように思います。

小学校1年生のときに、「広汎性発達障害」との診断を受けてからは、病院の先生や心理士の方達に助けて頂きながら、

 

今までトレーニングやカウンセリングなどを受けてきました。

 

しかし、4年生の後半くらいからは、精神的成長の裏返しにより、自分への否定が強まり、徐々に常に脅迫観念に怯えるようになり、

 

内なる攻撃性の高まり、自傷行為、不眠、幻覚、妄想、と、状態が悪化していきました。

 

いわゆる二次障害に突入していました。

 

リタリン、エビリファイ、リスパダールなど、薬も処方されましたがあまり効果を感じることはありませんでした。

私は、それまでの母親としての自分の言動や行動において後悔、反省すべきことが沢山ありました。

 

そして私が全面的に向き合うことで状態は少しだけ落ち着きはしました。

しかし、きっかけさえあれば状態はすぐに悪くなりました。

鍼に通い始めたのは6年生になってすぐの頃からです。

 

最初は私自身が治療を受けていたのですが、そちらの先生から、発達障害の子供も多く来ているから一度連れてきてみたら、

 

と言っていただき、連れて行ったのが最初でした。

 

息子は感覚過敏な上、特に鍼に対しては絶対的な嫌悪があったので、3回目くらいまでは刺す鍼はしませんでした。

 

4回目くらいで鍼を刺せるようになったのですが、そこからは劇的な変化が起きていきました。

 

まず、一番最初に目が変わりました。目の奥が穏やかになったのです。

攻撃性がなくなり、表情は優しく、性格も素直になっていきました。

 

まるで取り憑いていた邪気が出ていったかのような変化でした。

そして、続く会話ができるようになったのです。

 

1~2週間に1度、4ヶ月ほどそちらの院に通いました。

ただ、場所が遠かったため、同じ流派の先生である、こちらの清明院に3ヶ月ほど前から通わせて頂いています。

 

こちらに移ってからも状態は日を追うごとに更によくなっています。

 

夜布団に入ってから2時間以上、15分に一度はトイレに起きてきていたのが、朝まで一度も起きてこなくなりましたし、

 

笑顔が増え、学校の勉強も一生懸命取り組むようになりました。

 

病気の特性上、漢字を覚えることが難しいのですが、自分から根気よく何度も何度も書いて覚え、テストで点を取れるようになってきました。

 

いま、参観日や保護者会で学校に行くたびに、担任の先生に呼び止められ、いったい何があったんですか?と問われます。

 

勉強だけでなく、周りの友達との付き合いや生活面、すべてが変わったと目を丸くして言われます。

 

ただ、一日中、歩き(またはスキップ)をし続けてしまうという多動症の症状はなかなかまだ治りませんが、これは特性として受け入れるしかないのかなとも思っています。

もうすぐ中学に入りますが、去年の今ごろは、不登校児を対象としたのびのびとした中学校への入学を考えておりました。

 

しかし、最近になり、本人の意思にて公立の普通学級に進むことに決めました。

 

現在の息子の状態を見ていて、私にも今は迷いや不安はありません。

 

私は鍼との出会いに心から感謝しております。

大げさなようですが、もうどこにも行くところがなかった私たちを救ってくれました。

 

この文章が、同じような境遇にあり、同じような悩みを抱えた親御さんの目にとまることを願います。

 

 

【清明院からのコメント】

 

 

この症例は、都内で開業している北辰会の先輩とのコラボ症例です。

先輩の治療院には遠くて通いにくいとのことで、ありがたいことに私に白羽の矢が立ちました。

 

初診時は、まだ新しい先生である私への警戒心も強く、なかなか心を開いてくれなかったのですが、何回目かに刺す鍼をするようになりました。

 

この症例は「多動症」「発達障害」と、たいそうな病名が付いていますが、西洋医学の処置ではなかなか効果が見られませんでした。

 

しかし、東洋医学では他の病気と同じで、考え方は変わりません。

望聞問切、四診を行って、丁寧に弁証論治するのみです。

 

初診時、「肝鬱≧腎虚」と証を立て、治療を開始すると、

 

「治療後眠い、珍しくよく寝ていた。」

 

という変化を得ました。

 

これはこの症例の場合、非常に重要な変化だと思います。

 

この変化と、体表情報の変化、好転を頼りに治療を進めた結果、1、2週に一回の治療をわずか8回で、上記のような結果が得られています。

 

この春から、普通学級に進むことになりました。

 

この子の人生が変わりましたね。

 

親御さんは、多動の症状に関しては半ば諦めているようですが、これについても、まだまだ改善の可能性はあるとみています。

 

西洋医学がお手上げだった病に、こういう力を発揮するのが、本来の鍼灸治療だと思います。

 

 

同じような病で苦しんでいるお子さんをお持ちの親御さん、まずは清明院の門を叩いてみては如何でしょうか。

 

 

 

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学校講義開始!!

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今日から、東洋鍼灸専門学校での講義が始まりました!!

 

 

一発目の講義内容は

 

「弁証問診」

 

であります!

 

 

問診、大事ですねー。

 

 

今清明院でもちょうど、新しいスタッフの問診訓練をやっています。

 

 

清明院では、問診の訓練を十分に積んでから、実際の患者さんにデビューするようにしています。

 

 

筋の良さによって違いますが、デビューするまでには早い人(それも経験者)で1か月、遅い人で半年ほど、毎日練習してもかかります。

 

 

どういう問診をするかで、その術者がどれくらい分かっているかが如実に表れるとともに、医療人としてのコミュニケーションスキルが問われます。

 

 

果てしない世界ですね。

 

 

問診については、これまでこのブログ上で、何度も何度も説いております。

 

「問診」を含む記事 参照

 

 

東洋医学、鍼灸医学の各種診察法は、いちいち果てしない世界を持っています。(苦笑)

 

 

 

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