東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 小柴胡湯

「柴胡桂枝湯証」という状態 その6

2014.02.25

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これまでのお話・・・

 


「柴胡桂枝湯証(さいこけいしとうしょう)」という状態
 
「柴胡桂枝湯証」という状態 その2
            
「柴胡桂枝湯証」という状態 その3
                
「柴胡桂枝湯証」という状態 その4
     
 「柴胡桂枝湯証」という状態 その5
                   参照

 


では続きです。

 

というか、そろそろいったん終わります。(*‘∀‘)

 


僕のような、しがない鍼灸師ごときが、この、非常に、専門的知識と経験なくしては語れない、漢方薬というものについて、あれこれエラそーに語ってると、

 

漢方家の先生方から怒られちゃいますんでね。(笑)

 


まあ今回、

「柴胡桂枝湯」

という、非常に有名な漢方薬の紹介を通じて、

「小柴胡湯」と「桂枝湯」

とか、それを考える上でバックボーンになる考え方としての

「六経弁証」

や、

「合病」「併病」「壊病」

という、いわゆる”カゼ”に対する東洋医学的な考え方の基本中の基本を紹介しました。

 

僕ら鍼灸師も、漢方薬と手法は違えど、いわゆる”カゼ”を治療するときは、こういう考え方の素養がないと、無理だと思います。

 


カゼだからどこそこのツボに鍼だとか灸だとか、そんなもんじゃないんです、東洋医学は。

 


だから、例えば「柴胡桂枝湯」を飲むことで起こるような変化を、鍼でやろうとすれば、参考として挙げられるツボはいくつかあるけど、

実際は無数のパターンが存在するし、手法(刺し方)も含めて無限にある、と思います。

 

大事なのは、その患者さんの病態が、今まさに「柴胡桂枝湯証」の状態に相当するかどうかが、その術者に分かっているかどうか、ということなんです。

 

そうであれば、ツボがどこであれ、手法がどうであれ、治療した後の変化から、その治療が間違っているか間違っていないか、あるいはもっといい方法はないか、という検討が出来るのです。

 

東洋医学的に。

 

「柴胡桂枝湯証」という状態 その7    に続く

 

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「柴胡桂枝湯証」という状態 その4

2014.02.09

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これまでのお話・・・

 


「柴胡桂枝湯証(さいこけいしとうしょう)」という状態
 
「柴胡桂枝湯証」という状態 その2
            
「柴胡桂枝湯証」という状態 その3
                      参照

 

 


では続きです。

 

 

ここまでで、柴胡桂枝湯という薬は、小柴胡湯と桂枝湯を合体させた薬であり、東洋医学的なカゼひきのパターン分類である、

「”太陽病”と、”少陽病”が同時に存在する場合」

に治療する薬である、というお話をしてきました。

 


今日はこの、

1.東洋医学的なカゼ引きのパターン

と、

2.そのパターン分類が、同時に存在する場合

について簡単に触れておきます。

 

1.については、張仲景が書いた、東洋医学の大古典である『傷寒論』の中に、詳しく述べられております。

「張仲景(ちょうちゅうけい)」という人物
『傷寒論(しょうかんろん)』という本    参照

 


カゼを引いた経験なんてのは、ない人はいないだろうと思います。

 


軽いものでは、寒気が中心だったり、ノド痛が中心だったり、鼻水や咳、くしゃみや痰が中心だったり、熱が出たり、頭痛や節々の痛みがしたりします。

 


中等度のものでは、場合によっては下痢になったり便秘になったり、食欲不振になったり吐き気がしたり、めまいがしたります。

 


重症例では肺炎を起こしたり、内臓の機能不全が起こって、命を落とす場合もあります。

 

『傷寒論』にはこういう、いわゆるカゼ引きの各レベルの状況とその治療法が、詳細に述べられております。

 

これが約1800年前の話です。

 

1800年前も、人間はもちろんカゼをひいていたし、医者はそれに真剣に対峙していたんです。

 

『傷寒論』は、著されて以降、約1800年もの間、中国、朝鮮半島、日本で歴代の有名な医師達によって踏襲されつつ批判され、現代でもその価値を失っていないという、怪物のような書物です。

 

 

因みに、単純なカゼにとどまらず、西洋医学的には「腸チフス」や「インフルエンザ」、「マラリヤ」など、重篤な感染症の治療法も含む書物、という解釈もあります。

 

『傷寒論』では、浅いレベルのものから、深いレベルのものまで、

 


太陽病(たいようびょう)     浅い
  ↓               ↓
陽明病(ようめいびょう)    
  ↓               ↓
少陽病(しょうようびょう)
  ↓               ↓
太陰病(たいいんびょう)
  ↓               ↓
厥陰病(けついんびょう)
  ↓               ↓
少陰病(しょういんびょう)    深い

 


という名称を付けて分類し、論じています。

 

(この順番については、諸説ありますがネ。)

 


それぞれのレベルにおいて、

”どういう症状を呈し”、

”どういう所見を呈し”、

”どういう治療をすればよくなり”、

”それはどうしてか”

までが、キッチリと、理路整然と、説いてあります。

 


このパターン分けが前提となり、例えば太陽病と少陽病が同時に現れたり、太陽病と陽明病が同時に現れたりする場合についても論じられております。

 


今回のテーマである柴胡桂枝湯は、要するにこの中の太陽病と少陽病が同時に存在する場合に使う薬なんですね。

 

ちょっと話題が広がってきたので、調子に乗って「柴胡桂枝湯証」という状態 その5 に続く(笑)


(この話題、いいね少ないけど、お構いなし!(爆)・・・決して読者に阿らないアティテュード。)

 

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「柴胡桂枝湯証」という状態 その3

2014.02.05

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これまでのお話・・・

 


「柴胡桂枝湯証(さいこけいしとうしょう)」という状態
 
「柴胡桂枝湯証」という状態 その2
               参照

 


では続きです。

 

何やらちょっと難しい話が続いてしまいましたが、小柴胡湯という薬については、以前にもこのブログに何度か登場しております。

 


確認しましょう。
三禁湯(さんきんとう)?
病院での漢方薬の使われ方 その4   参照

 


まあ、よく話題になる薬なんですね。

 


それだけよく効くとも、応用の幅が広いとも考えられますが、どうであれ、薬というのは間違った使い方をすればただの毒です。

 


こないだも患者さんから、病院で漢方薬を出してもらっているが、全然効かない、どうすればいいか、という相談を受けました。

 


漢方薬を飲むならば、漢方薬専門で、何年も、何十年も、真剣に臨床を続けてこられた先生に処方してもらうのが一番いい、というか、その選択「しか」ないと思いますし、

 

僕は患者さんにはいつもそう伝え、場合によっては信頼できる漢方家を紹介するようにしています。

 

鍼灸にしても漢方にしても、生半可な知識や経験で扱える代物じゃない、と思っています。

 


生半可な知識、経験で扱う鍼灸、漢方を受けて、効かなかったり、悪化するという経験をしてしまった人は、大変不幸だと思います。

 


 

まあともかく、柴胡桂枝湯ですが、歴史的には漢の時代の『傷寒論』という古典に初登場します。

『傷寒論(しょうかんろん)』という本 参照

 


そこには、

「寒邪に侵襲されて5、6日経って、発熱し、少し悪寒がし、節々が痛く、少し吐き気がし、みぞおちがつかえるようなものは柴胡桂枝湯で治る!」

と記されております。

 

上記の文章のうち、発熱、悪寒、節々の痛みという症状が”太陽病”、つまり桂枝湯でカバーできる症状であり、

吐き気やみぞおちのつかえ”少陽病”、つまり小柴胡湯でカバーできる症状なのです。

 

では鍼灸ではそれをどうするか、という話も含め、「柴胡桂枝湯証」という状態 その4   に続く。

 

 

 

 

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「柴胡桂枝湯証」という状態 その2

2014.02.04

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前回のお話・・・

 


「柴胡桂枝湯証(さいこけいしとうしょう)」という状態
   参照

 

では続きです。

 

前回、柴胡桂枝湯は、「小柴胡湯+桂枝湯」である、というお話をしました。

 


・・・ということは、柴胡桂枝湯を理解するためには、まずは小柴胡湯と桂枝湯を理解せねばなりません。

 


まず、「小柴胡湯」という薬は、

・柴胡
・半夏
・生姜
・黄芩
・人参
・大棗
・甘草

という、七味の生薬で構成されています。

 


この薬は、東洋医学的には無数にある、カゼひきの病態パターンのうち、”少陽病”という概念でとらえられるパターンの代表格です。

 


ここで、「少陽病」というのはどういうものかというと、

 


「口が苦くて、咽が乾いて、めまいがして、暑がったり寒がったりし、脇腹から肋骨の辺が詰まった感じがし、食欲不振、

胸がモヤモヤして嘔吐したり、あるいは胸がモヤモヤするだけで嘔吐しなかったり、あるいは腹痛し、あるいは動悸し、

小便の出が悪く、あるいは咽の乾きがなく、微熱があったり、咳が出るもの」

という、長ったらしい、しかもややこしい定義の、カゼの1パターンです。

 


これは非常に幅が広い概念だといえます。

 


でまあ、これを治す代表選手が小柴胡湯、ってわけです。

 

・・・で、「桂枝湯」はどうかといえば、

・桂枝
・芍薬
・生姜
・大棗
・甘草

という五味で構成されております。

(因みにこのうちの生姜、大棗、甘草の三味は、小柴胡湯とカブっていますね。)

 


桂枝湯は、”太陽病”というパターンの中の、”太陽中風証”というカゼ引きの、代表的な薬といわれます。

 

ここで「太陽病」というものの定義は、

「脈が浮いて、頭やうなじが痛くて寒気がする状態」

であり、その中の「太陽中風証」というのは、上記の状態に加えて、

 

「汗がダラダラ、ジトジトと止まらないような状態」

 

のことです。

(かなりザックリ言うと、ですが。)

 


太陽病というのは、カゼを引いた、つまり、風邪(ふうじゃ)や寒邪(かんじゃ)を中心とした外邪に侵襲された場合、最初(初期)になりやすい状態です。

 


まあ、それを治す代表選手が桂枝湯、ってわけです。

「風」「火」について
「寒燥」について   参照

 

 

この「桂枝湯」という薬は、実は漢方薬の王様みたいな薬でして、かの後漢代に著された、漢方薬の聖典とも言われる『傷寒論』の一番初めに出てくる薬も桂枝湯ですし、

 

清代の温病学の聖典とも言われる『温病条辨』の一番最初に出てくる方剤も桂枝湯なのです。

 

 

このことは重く見る必要があると思います。

 

 



 

まあまとめると、少陽病と太陽病が同時に起こっているような場合に、それを治す薬が柴胡桂枝湯である、と言えます。

 


また、小柴胡湯と桂枝湯、この2つの薬の構成生薬を見ると、小柴胡湯に、桂枝と芍薬を加えたのが柴胡桂枝湯、とも言えます。

(それぞれの分量抜きに考えれば、ですよ。)

「柴胡桂枝湯証」という状態 その3   に続く。

 

 

◆参考文献

 

神戸中医学研究会 編著『中医臨床のための方剤学』医歯薬出版株式会社

神戸中医学研究会 編著『基礎中医学』燎原

 

 

 

 

 

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「柴胡桂枝湯証(さいこけいしとうしょう)」という状態

2014.02.03

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有名な漢方薬に、「柴胡桂枝湯」という薬があります。

 

この薬がよく効くような状態の患者さんを、鍼できれいに治せると、特にこの時期、大変に喜ばれます。

 

蓮風先生もたまに講義の中で、

「漢方薬の先生にかかるなら、この”柴胡”という薬を巧みに使える先生にかかりなさい。」

とおっしゃいます。

 

東洋医学の聖典である『傷寒論』という本には、実にたくさん”柴胡”と”桂枝”が出てきます。

 


この「柴胡桂枝湯」という薬、中身は

1.柴胡(さいこ)
2.半夏(はんげ)
3.桂枝(けいし)
4.黄芩(おうごん)
5.人参(にんじん)
6.芍薬(しゃくやく)
7.生姜(しょうきょう)
8.大棗(たいそう)
9.甘草(かんぞう)

と、実に9種類もの生薬が入っております。

 


漢方薬の先生は、こういうのを全て機械的に暗記しているのかというと、違うようです。

 


この薬は、もともと”小柴胡湯”という薬に、”桂枝湯”という薬を足したものであり、別名”小柴胡湯合桂枝湯”なんて言われたりします。

 


漢方の先生はこうやって、ある代表的な処方同士を組み合わせたり加減したりして、微妙に効き方を調整しているのです。

 

生薬一つ一つの効能も、もちろん大体把握はしていますが、方剤を自由自在に使い分けるためには、それ以上に、

「代表的な方剤名と、それが作用する範囲」

というものをよく理解しているのだと思います。

 


「柴胡桂枝湯証」という状態 その2    に続く。

 

 

 

 


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病院での漢方薬の使われ方(抑肝散) その4

2014.01.19

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これまでのお話

 


病院での漢方薬の使われ方
 
病院での漢方薬の使われ方 その2
 
病院での漢方薬の使われ方 その3
    参照


 

ここまで、僕が病院で見た、とあるワンシーンから、現代の精神科において非常によく使われる「抑肝散」という漢方薬に触れつつ、

病院での漢方薬、東洋医学の使われ方をお話してきました。

 

それによって発生するであろう過ちについても指摘しました。

 

漢方薬を使うなら、その患者さん一人一人に合わせて弁証し、表裏寒熱虚実、五藏六府の不調などを明確にした上で、徹頭徹尾、東洋医学の考え方に基づいて処方しなくては、

 

せっかくの漢方薬も、真価を発揮できないと「僕は」思います。

 

この辺の話は、以前、蓮風先生のブログにも出てきています。

蓮風先生のブログ「小柴胡湯が犯人か?」 参照

 

・・・ただ、僕が非常に信頼していた、とある漢方の先生(故人)が、亡くなる寸前に、僕がそういう話をした時、

「イヤー竹下君、そうは言っても、病院で当たり前に漢方薬が処方されるとかさー、一部保険がきくようになったとかさー、テレビで漢方薬のCMがやっているとかさー、

それだけでも本当にスゴイことなんだよ。。。」

と仰っておりました。

 

この一言は、非常に印象的でした。

 

その先生は数年前に80数歳で亡くなっていますから、その先生の若い頃、今から約50年ほど前は、東洋医学、漢方医学に対する世間の目は、

もっともっと全然厳しかったのでしょう。

 

医療として認められてすらおらず、単なる迷信だったり、時代遅れの歴史の遺物のような扱いを受けていたんだろうと思います。

 

 

その先生も若い時分に漢方で生きていくと言ったら、周りから大反対されたそうです。

 

 

それから比べると、現状はまだいい方なのかなあ、とも思ったりもします。

 

まあ、いずれにせよ、そうは言っても現状は不満だらけなんですが(苦笑)、歴史的に考えると、どうやら上り調子であるようなので、

もっともっと現場から盛り上げていこうかな、と思っています。

 

てか、それしかないね。

 

 

・・・ん~、ま、いったん完結。

 

 

 

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三禁湯(さんきんとう)?

2014.01.12

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「三禁湯」という名前の漢方薬があります。

 

この薬、実は漢方薬の世界では超有名な「小柴胡湯(しょうさいことう)」という薬の別名です。

 


また、小柴胡湯には「黄竜湯(おうりゅうとう)」という別名もあるようです。

 


・・・三禁?黄竜?? 

 


これ、どういう意味があるんでしょうか。

 


小柴胡湯という薬は、”和解剤(わげざい、わかいざい)”という言われ方もします。

(漢方薬は、その作用でもって、このように色々なグループにグループ分けされます。)

 

”和解(わげ)”というのは、汗をかかす治療も不適、わざと吐かせる治療も不適、便を下す治療も不適な病の場合に用いる手段です。

 

まあ要は病を”ほど良くマイルドにぼかして散らせる”感じでしょうか。

 

小柴胡湯による和解がどういうものかについては、漢方家の間で諸説あるところでしょう。

 

ここは詳しくは漢方の専門家に聞くべきだと思います。

 

鍼灸で和解に相当するような変化を表現するときには、僕はそんなイメージでやっています。

 

ともかく、汗や嘔吐や便を下すやり方を”汗・吐・下(かん・と・げ)”と言います。

 

これを”三法”といったりします。

 

この3つ以外の方法、という意味で、”三禁湯”と呼ぶようです。

 

また”黄竜”というのは、中国の四方(東西南北)を守る神様(玄武、白虎、朱雀、青龍)の中心にいる神様だそうで、

これも、”四方のどこにも偏らない治療”という意味で”黄竜湯”なんだそうです。

 

このように、困ったときに非常に役立つ処方が「小柴胡湯」です。

 

 

 

 

 

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勉強会&謝恩会

2012.03.21


清明院では現在、スタッフを急募しております!!

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昨日は、とある勉強会に参加してきました。


参加者のほとんどが医師を中心とした勉強会だったのですが、やっぱり、彼らから見るとどうしても東洋医学はサブ的な位置づけであり、

基本的にはまだ「研究対象」って感じで、慢性疾患整形外科疾患にそこそこ強いのが東洋医学だから、

困った時には使ってみよう、みたいな論調が相変わらず目立ちました。

(・・・まあ、医学部における東洋医学教育はほぼ皆無、東洋医学外来を持っている病院もごく一部、当然ちゃあ当然なんですがネ。)

我々、東洋医学を専門にやっているものから見ると、近年話題の、

「代替、補完医療としての東洋医学」

だとか、

「西洋と東洋を合わせた、第3の統合医療」

という響き自体に、疑問を持ちます。

コレって、何となく「音(オト)的に」響きがいいだけで、”代替、補完”というと、要は”脇役”ということで、これまで変わらんじゃん、

と思うし、”統合”と言われても、統合するのが医師(西洋医学)ならば、別に同じ事じゃないの??と思ってしまいます。

ホントは抜本的制度改革による両医学の独立、両立、平等化、で、患者さんの選択の自由でいいと思うんですが、なかなかその動きにいきませんね・・・。(苦笑)

日本て、アンフェアが好きなのか嫌いなのかよく分からん・・・。

行政には、根本治療も応急処置も出来ないのか。

薬が売れて、経済が回れば、それでいいのか。

まあ、それ以外のトピックスでも、漢方薬の副作用の原因物質を化学的に追究してみたりとか、文献学的に古典に出てくる単語の意味を深く調べてみたりと、

確かに膨大な学問と労力は必要とするだろうけど、臨床的にどうだこうだ、という話が少なかったのが印象的でした。

かつて問題になった小柴胡湯の副作用問題や、甘草含有製剤による偽アルドステロン症の問題なんていうのも、

結局は病名漢方、症状漢方からいつまでたっても脱却しないから起こる問題で、原因物質を突き止めることよりも、

考え方を改めるところから始めるべきのように思えてなりません。

また、ドクターから見て、近年鍼灸業界に対する関心が高まってはきているが、みんなやり方がバラバラで、医師としても、

どうやって勉強したらいいか、誰の話を聞いたらいいのか分からない、という話を聞き、

「あー、それは確かにそうだろうなー。(苦笑)」

と思ってしまいました。

まさにそれが、日本の鍼灸学校、鍼灸教育そのものの問題点でもあろうかと思います。

・・・しかし、総じて、徐々にではありますが、ドクターの間で「鍼灸や漢方」というものが広まりつつある、という雰囲気は感じました。

今後、まだまだいい方向に動いていくことと思いますので、今後の動きに期待したいな、という感じです。

そして終了後は、新宿で行われた、東洋鍼灸専門学校の謝恩会に出席してきました。

僕は去年、初めて学校教員として講義させていただいたので、こういう場に呼ばれたのは初めてでしたが、卒業生の方や、

普段なかなかお会いできない色々な先生方から貴重な話を聞くことが出来、大変有意義な時間でした。

この業界の歴史や現状についても、まだまだ全然モノを知らないナー・・・、と痛感しました。

僕の世界、見識は、まだ全然狭い。

もっともっと見聞を広め、精進せねば・・・。

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出された処方はきちんと確認しましょう。

2011.11.12

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たまに、こういう患者さんがいらっしゃいます。

患「来たかったんだけれど仕事が忙しくて来れなくて、仕事場の近くの医者で漢方薬出してもらいました。」

竹「あー、まあ、それは仕方ないですね。ところでなんて漢方ですか?」

患「えーとえーと、分かりません・・・。」

 



 

あのー、コレはですね、きちんと確認していただきたいです。苦笑

 

(もちろん、その場で分からなかったら、帰ってから確認して頂いて、お電話で教えて頂くようにしております。)

 

まあ、処方箋の紙を持って来ていただければ一番ありがたいですね。

 

漢方薬も鍼灸も、当然ながら東洋医学に立脚した治療方法ですので、

「〇〇という漢方薬が効いた。」

とか、

「〇〇という漢方薬を飲んだけど変わらなかった。」

ということが、治療の大きなヒントになることがあります。

 

ですので、薬に関する情報は、ぜひ「指示された分量も含めて」正確に教えていただきたいと思います。

 

自分の体なんだから、最終的には自分の体は自己責任で管理するしかないですよ。

 

「忘れた (゚∀゚)」

と言われちゃうと、その時点では、それ以上は推測でやるより仕方ない。

 

僕らも、病院の医師も、薬局の薬剤師さんも、もちろん、より建設的な処置、アドバイスをしようと思ってます。

 

でも、その結果、「今自分が何をしてもらってるか」については、ある程度は自分で把握してないと。

 

医学部に東洋医学の授業はほぼなく、中にはいい加減な処方もありますから、気をつけないと。

 

特に漢方薬に関しては。

こないだの蓮風先生のブログ「小柴胡湯が犯人か?」 参照

 

自分の健康は自分で守る、という意識のもと、自分ではなかなか出来ない部分をこちらに委ねて下されば、と思います。

 

 

 

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