東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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東洋医学と「痛み」(その2)

2010.11.11

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これまでのお話・・・

スピリチュアルペイン(その4)
東洋医学と「痛み」(その1)

前回は、”魂(たましい)”というもののお話を少ししました。

 


コレについては、僕も以前から大変重要視(というか意識)しています。

・・・まあさておき、今日はいよいよ、東洋医学では「痛み」というものをどのように考えるのか、というお話です。

 


東洋医学では、人間の体には「気」というものがくまなく、絶えず巡っている、と考えています。

「気」ってなんですか? 参照

 

そしてその「気」というものが、体の中で、過不足による滞りなく、スムーズにバランスよく巡っていれば、「痛み」は出ない、というより”無病”である、と考えます。

 


つまり、「痛み」がある、ということは、東洋医学ではそこに「気」の過不足による、「気の流れの滞り(循環障害)」がある、ということを示している、と考えます。

 


そして、その「原因」を究明するために、問診から始まる各種の診察法(脈診や舌診や腹診などなど)が考えだされている訳です。

 


東洋医学では「痛み」を大きく分けて、2種類の分類をして、解説します。

1.痛みのある部分に「気」が通じていないパターン

2.痛みのある部分に「気」が不足しているパターン

この2つです。

 


1.のパターンなら、「気」を通じさせればよく、2.のパターンなら、そこに「気」が充実するように治療すればよい訳です。

「なんだ、エライ簡単じゃん。」

と思う方も多いかと思いますが、東洋医学が注目するのは、この2つを起こさしめている「原因」です。

 


この「原因」によって、痛みの程度も、出方の特徴も決まってきます。

 


そして「原因」にアプローチ出来ないと、なかなかよくなってくれません。

 


たとえ治療直後に効果があったとしても一時的ですぐ戻ってしまったりします。

 


我々はその痛みの東洋医学的な「原因」「問診」によって調べ、実際に体表観察をしてみることで、明らかにしていく訳です。

 


ここで、

「じゃあ、仮に肩こりの”原因”が長時間のPC作業だったとしたら、鍼ではどうしようもないですよね?」

という意地悪な質問があったとします。

 

(実際に言われたことあります。それも同業者に。)

 

 

僕はこれに対しては、

「長時間のPC作業をしても、肩が凝らない人もいます。そりゃあPC作業なんて不自然なこと、やめてくれるに越したことはないけど、生活の為にはそれがどうしても出来ない、

 

という条件であれば、東洋医学の立場から、PC作業が最も負担をかけた臓腑、経絡を明らかにして、そこの不具合を是正することで、

 

”PC作業をしても肩の凝らない人”に限りなく近づけていくしかない訳です。」

となります。


(真面目に答えるとネ(笑))

 


いずれにせよ、東洋医学の疾病観というのはどこまでいっても「陰陽の不調和」の一語であり、言いかえれば「気の過不足」な訳ですから、

どのような病態、状況においても、まったくのお手上げ、という状況はない訳です。

 


ただ、誤解を招きそうなので付け加えておくと、場合によっては、西洋医学的な手法(外科手術など)を用いた方が早いケースももちろんある、ということです。

 


次回に続く

 

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「小腸」って何ですか?(その5)

2010.11.01

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これまでのお話・・・


「心」って何ですか?(その7)

「小腸」って何ですか?(その1)
「小腸」って何ですか?(その2)
「小腸」って何ですか?(その3)
「小腸」って何ですか?(その4)

 

 

・・・「小腸の腑」シリーズ、いよいよラストでございます!!

 



☆「小腸の腑」と関わる体の部位

 

西洋医学では、小腸が悪くなったら、当然大便に異常が出たり、腹痛が出たりするはず、という風に考え、それを調べたりして、診断をつけていく訳ですが、

 

東洋医学ではそれだけではありません。

 


”五臓六腑””体の色々な部位”というのは、「経絡(けいらく)」というものの存在によって密接に結びついている、と考えているからです。

「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」って何ですか?
「経絡(けいらく)」って何ですか?       参照

 

 

五臓六腑のどれかが悪くなったら、その臓腑に関連する経絡にも異常が起こることがあり、逆に言えば、経絡上の異常を調べることによって、臓腑の異常を診断していく訳です。

 

 


例えば「小腸の腑」を病んだとしたら、手の小指側~肘~肩の後ろ側、首の横~顔面の横側(耳付近)なんかに異常が出てきます。

 


「異常」とは、具体的に言うと、上記の各部分が冷えたり、熱を持ったり、硬く引き攣ったり、あるいは緩んでしまって力が入らない、などの異常です。

 

 

具体的に病名を挙げれば、いわゆるテニス肘や五十肩、寝違いや中耳炎なども、この範疇に入ってきます。

(一般的な考え方からしたら、およそ”小腸”とは結び付かんでしょ?)

 


また、これとは逆に、上記の各部分を慢性的に使い過ぎたりして、悪い状態を放置しておくと、徐々に「小腸の腑」まで病んできて、

 

非常に治りにくい状態になる、というパターンもあります。

 


このように、

「五臓六腑」から「経絡」へ、

「経絡」から「五臓六腑」へ、

という病のルートを、東洋医学では非常に重要視しています。

 


これは、初診の時に、発症した時点から現在までの様子を詳しく問診することの理由の一つでもあります。

 


・・・たまに、初診の患者さんから、

「なんで痛いところに鍼をしないのですか??」

と聞かれることがありますが、それはこのように、東洋医学においては、全身のバランスを考えた上で、最も悪い反応の出ているところ(経穴)に治療を施すことが、

 

最も有効だと考えているし、実際にそうだからです。

なぜ、「痛いところ」に鍼をしないのか 参照

 

このように、五臓六腑と経絡とは非常に深く関わり、その関わり方を熟知した上で、問診し、体表観察し、効果的な鍼をして気血の流れを調え、

 

バランスを調整するする、これが我々の仕事なのであります。

 


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初心忘るるべからず

2010.10.16

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今日も1日、満員御礼でございました!!(感謝)

 


・・・東洋医学でも西洋医学でも、よく言われることの一つに、

「患者さんが診療所に入ってきた時から診察は始まっている。」

という言葉があります。

 


今日のように忙しい時なんかは、この考え方は非常に役立ちます。

 


患者さんが入ってきた瞬間、

「ん?今日は少し様子がおかしいぞ・・・。」

とか、

「はは~ん、何かいいことがあったな?」

と思わせることが、大体、顔に書いてあります。(笑)

 


また、歩き方なんかからは、

「あれ?今日は腰がおかしいのかな?」

とか、

「膝がおかしいのかな?」

とか、顔色だけでなく、”姿勢”というものも、ときに我々に非常に有益な情報を教えてくれます。

 


治療者はそれを極力素早くさりげなく読み取り、診察に入る訳です。

 


その段階をキチッと踏まえておくと、非常に診察の効率がいいように思います。

 


清明院では初診時、非常に時間をかけて患者さんの話を聞く(問診する)けれども、「不問診」の部分というのも、実は問診と同じぐらい重要なんですね。

丁寧な問診+丁寧な不問診+丁寧な体表観察+丁寧な刺鍼

を常に意識することによって、自分の治療の精度を限りなく高める訳ですね。

 


当たり前の話ですが、大事なことです。

「初心忘るるべからず」

でございます。

 

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「大腸」って何ですか?(その5)

2010.10.09

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前回までのお話・・・


「肺」って何ですか?(その12)

「大腸」って何ですか?
「大腸」って何ですか?(その2)
「大腸」って何ですか?(その3)
「大腸」って何ですか?(その4)

 

前回までで「大腸の腑」の働きについて、重要なことは述べました。

(他のに比べると少ないっしょ?)

 


今回は、ではその大腸を病むと具体的にはどうなるのか?というお話です。

 


☆「大腸の腑」の異常

 

まず重要なのが、「便秘」、「下痢」等の、分かりやすーい、「お通じの異常」ですわな。

 


コレが起こっている、ということは、もし病的なものであれば、病変の「場所」としては「大腸の腑」ということになるけれども、これを治療する上では、

 

これが起こった「メカニズムに対する理解」が極めて重要です。

 


色々と問診し、体表観察し、その症状の原因を特定しなかったら、治療なんて出来るはずありません。

 


だから、「便秘には〇〇!」なんていうのは、土台、あり得ない話なんです。

 


そんなんで治ったら誰も苦労しやしません。(苦笑)

 

☆「大腸の腑の経絡」の異常

 


五臓六腑には、それぞれと関わりの深い経絡が存在し、全身をくまなく巡っています。

 


今はコレについて一つ一つ詳しくは述べませんが
「大腸の腑」にもそれはあります。

 


「経絡」については
「経絡(けいらく)」って何ですか? 参照

 


「大腸の腑」の経絡は、

手の人差し指、手首、肘、肩、首筋、歯、鼻、ほっぺた、目、

などを通っています。

 


これらの部分の異常(例えばテニス肘、五十肩、肩こりなどなど..)は、意外と「大腸の腑」の異常と関係があることがあります。

 


例えば、五十肩で痛くてしょうがない、と言う人に、よくよく話を聞いてみると、そういえば肩が痛くなる少し前から便秘気味だった、なんていうことがあるんです。

 


このように、東洋医学では、一見、症状とは関係のない部分に鍼やお灸をしたり、症状とは関係のなさそうなことをあれこれと問診したりするのは、こういう、

「臓腑の異常」

と、

「経絡の異常」

を常に結び付けて考えているためなんです。

 


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再分析(病因病理について)

2010.07.16

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治療を長いことやっていると、これまではうまくいっていたのに、途中からうまくいかなくなり出すことがたまにあります。

 


みんなみんな、全てがストレートに治ったら、こんないいことはないんだけど、なかなかそうもいかないのが「病気」というものなんです。

 


・・・しかしこういう時、東洋医学をちゃんとやっている人なら、極めて冷静に対処できるはずです。

 


清明院では、初診の際、問診にて

「その患者さんのこれまでの病の歴史や体質」

を十二分に聞いた上で、それを東洋医学的に分析し、さらに「今、この瞬間」の脈や舌などの体表観察情報と合わせて、「証」を立てます。

「体表観察」について
「弁証論治」って何ですか?  参照

 

かなり細かく分析しますので、まず初診時に立てた「証」、つまり東洋医学的な診断(治療時点における病理状態)は極めて重要です。

 


しかし、治療が進むに従って、治療開始当初の「証」が、徐々に変動してくることがあります。

 


これもまあ当然と言えば当然なんです。

 


・・・だって「治療」してるんだから。

 


これを見逃して、いつまでも初診時に立てた「証」にこだわって、同じ治療を続けていると、場合によっては徐々に徐々に悪化していってしまう患者さんもいます。

 


そんな時、モノを言う(効いてくる)のが、初診の時に聞いた、

「これまでの病の歴史(既往歴)や、その患者さんの体質(体質素因)」

です。

 


これに基づいて分析した、その人の病の全体像のことを、北辰会では

「病因病理(びょういんびょうり)」

と呼んでいますが、この「病因病理把握力」こそが、こうした時に大変役立ちます。

 


病気というのは、治りにくいものほど、単一の原因から直線的、短絡的に起こっているものは少なく、いくつかの原因(病因)があいまって、

 

複雑性と立体性をもって形成されていることが多いです。

 


これまでうまくいっていた治療が、途中からうまくいかなくなった、ということは、その患者さんの病因病理の中のおいて、初診時とは異なる、

 

どれか他の病因が今度はメインになってきた、ということを暗示しています。

 


だからそういう時は、初診カルテに基づいて、場合によっては患者さんに追加問診をして、冷静に「再分析」します。

 


カッコよく言えば「論理の再構築」です。

 


分かりやすく言えば「いっぺん全部バラシ」です。

(笑・・・言い過ぎかな?使える情報はまた使う訳だからリフォームみたいなもんか。まーいーや。)

 


これをすることにより、今度は新たにメインになってきた、別の病因、病理に対して、治療をしかけていきます。

 


とまあこんな風に、「病気」というのは、東洋医学が作ったロジックの網目から逃げることは出来ないようになっているんです。

 

 

 


・・・スゴイこと考えたもんだわ、しかし。

 

 

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患者さんの質問(お酒の飲み方)

2010.06.23

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今日、患者さんからこんな質問をいただきました。

その内容が、今つづっている「脾って何ですか?」にもちょっと関わるので、紹介します。

・・・その患者さんは、お酒をよく飲まれる、坐骨神経痛の男性です。

初診時から、経過は良好なのですが、たまにお酒を飲み過ぎると、症状が出てくることがあります。

今日も、前日にお酒を飲み過ぎたことによって、若干症状が出た、とおっしゃいました。

しかし、いつもの、飲み過ぎた時の症状とは若干違います。

体表観察してみると、今日の場合は「酒のせい」というよりも、

お酒というより、全体的に水分全般を取り過ぎてること+体の外からの冷え

によって症状が出ている、と判断しました。

そこで患者さんに再度確認してみると、

「自分では飲み過ぎたような印象があったんだけど、よく思い返してみると、量的にはいつもと変わらないか、少し少ないぐらいだった。」

と言いました。また、

「昨日仕事中にエアコンがきつすぎて寒かった。」

ともおっしゃいました。

 


・・・で、

”あー、ヤッパリネ”

ということで、治療が終わり、治療後に、

竹「お酒も含めて、少しお水の取り過ぎに注意して下さいね~。」

と声をかけると、

患「先生、体に余分なお水が多い時、お酒の量は変えずに、他の水分の量”だけ”減らしたら、それでも症状軽くなるの?」

と聞かれました。

 


僕は即答で、

竹「なります。この場合はね。酒がたくさん飲みたいんなら、酒以外の水分を極端に減らせば、ある程度の量飲んでも症状が悪化しにくいですよ。」

患「なるほど。へへへ・・・。(笑)」

竹「ただ、”今日みたいな場合は”ですよ!!いつもそうとは限らんよ!」

・・・という会話でした。専門家の先生方なら、この会話の時点で大体どういう患者さんかお分かりになるかと思いますが(笑)、今日はこの会話から、

 

一つの問題を取り出して解説してみようと思います。


☆お酒とその他の水分の違い

清明院で使用している(一社)北辰会専用カルテの問診事項には、飲酒の頻度と一回量を記載してもらう欄があります。

ここに問題がありそうな患者さんであれば、そこからさらにお酒の種類は何か、ペースはどうか、酔うとどういう状態になるかなどなど、

さらに突っ込んで問診していきます。

・・・なぜこのように、”お酒”を医学的に特別視するんでしょうか。

酒のことを東洋医学では、

”大辛大熱(だいしんたいねつ)”

と言って、適量であれば、大いに気血を巡らせる作用があるが、過度になれば体内に余分な熱を生じる飲み物、と考えています。

また発泡酒(炭酸が入ったお酒)の場合は、

上記の作用+気血を体の上(つまり頭部、胸部)に持ち上げる作用がある、

と考えます。

よく、「酒は百薬の長」と言われますが、これはお酒が持つ”気血の巡りをよくする”作用のことを指して言っているのであって、過度に飲んで、

 

結果的に体内に”余分な熱””余分な水分”を生じることを指して言っているのではありません。

 

よく西洋医学で、酒は利尿作用があり、呑んだ量よりも出ていく量の方が多いから、結果的に脱水状態になり、水分補給にはならない、と説かれますが、

 

酒を呑んでいる人をよく観察していると、かえってトイレに行かなくなる人もいます。

 

 

そういう人の場合は浮腫みます。

 

 

このように、「どういう人が」「どういう酒を」「どの程度の量」呑んだかによって、その後起こる現象は一様でなく、これをよくよく聴取して、

 

酒がその患者さんに何をもたらしているか、個別に考えるべきです。

 

(因みにあの、”チェイサー”というのはとてもいい方法だと思います。)

 

 

こうしたことから、日頃よくお酒を飲む、という初診の患者さんには、量、頻度、種類、ペース等々、詳しく聞いておくことが、「正しい」東洋医学的な診断をする上ではとても大事になります。


冒頭の患者さんも、こうした「お酒」というものの特徴から考えると、ちょっと考えにくい症状、所見を呈していたので、
冒頭のようなやり取りになった訳です。

 


お酒以外の嗜好品では「カフェイン類」というのも見逃せませんが、それはまた今度語ることにします。(笑)


まあ、いずれにしても最近のようなジメジメした時期を快適に過ごそうと思ったら、酒だろうがカフェインだろうがジュースだろうが、

 

お茶やお水であっても、過度に飲まないことです!

 


「脾」は湿気(余分なお水)を嫌いますのでネ・・・。

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4月(社)北辰会本部基礎コース

2010.04.19

昨日、4月18日の日曜日は、大阪で行われた(社)北辰会本部基礎コースに行ってきました!

今回は諸事情があって午後からの参加となりましたが(残念)、午後の講義はばっちり聴いてきましたよ~!

午前中は森洋平先生による「弁証問診とコミュニケーションスキル」という、我々にとって欠かせない、「問診」の実演デモ講義、午後は藤本彰宣先生による「陰陽の基礎」「臓腑経絡学・三焦(さんしょう)」の講義でした。

「陰陽」は言うまでもありませんが、「三焦」というものも、東洋医学の基礎を固める上では欠かせない内容です。

この2つに対してどういう認識を持つかが、その後を大きく左右します。

 

この2つをあいまい、というかいい加減に理解していると、「東洋医学的な鍼灸治療」をなすことはとても難しいと思います。

彰宣先生の講義では、随所にとても重要な表現が散りばめられていましたね~。

僕も講義をさせていただくことはありますが、やっぱ基本的な内容を教えるにしても、その奥行きの深さをどこまで分かりやすく表現できるかは、

 

その講師の日常の勉強量にかかってきますね~。

まあしかし、1時から4時半までの長時間、彰宣先生、お疲れ様でした!

 

終了後の飲み会で、いつもより声が出ていませんでしたね…。(苦笑)

僕はちゃっかり、行ったついでに来週25日の関東支部の蓮風先生の特別講演も、ちょこっと宣伝してきました!

今回は本部の先生も10人以上参加されるようで、なかなか盛り上がりそうな気配を感じております。

申し込みは、お早めに!

 

 

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「泣く」とはどういうことか(その1)

2010.04.09

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人はよく、悲しいことがあったり、嬉しいことがあったり、感動すると、「目」から「涙」というものを流します。

 


清明院でも、問診中に感極まって泣かれる患者さんや、小児の患者さんで、鍼が怖くてビービー泣く患者さんなど、この職業は、他の職業の方よりも、

 

人間が「泣く」という現象を目の当たりにすることが多いと思います。

 


ところでこの「涙」「泣く」って、東洋医学的には一体何でしょうか?

 


なんで人は感情が極まると「泣く」という現象を起こすんでしょうか?

 


今日はこれについて考えてみたいと思います。

 


東洋医学には「五液(ごえき)」という概念があります。

 

 

コレの内訳は・・・


涙(るい)・・なみだ

汗(かん)・・あせ

涎(えん)・・よだれ

涕(てい)・・はなみず

唾(だ)・・つば

の5つです。

 

 

この5つそれぞれ、「どういう時に出るか」を東洋医学では問題にします。

 


・・・まあ、そこは西洋医学でもそうだけどネ。

 

 

ただ、生体に対する認識の仕方が違うために、これらに対する解釈はかなり異なります。

 


今日は「泣く」ということについてなんで、この中の「涙(るい)」について考えてみましょう。

 


涙が出てくる場所、というのは当然「目」ですよね?

 

 

耳から涙が出てくる人がいたら周りの人がひいちゃいます。(笑)

 


東洋医学ではこの「目」という場所は、五臓の中の「肝(かん)」が主に関係する場所、と考えています。

 


・・・と、ここまで書いたところで急用が入ってしまいましたので、この続きはまた明日。(笑)

 

 

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「体表観察」は曖昧か。

2010.04.04

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清明院では、初診の患者さんへの「問診」が終わると、必ず「体表観察」という流れを経て、「治療」を行います。

 


この「体表観察」つまり「東洋医学的な身体診察」という過程なくしては、鍼灸をどこにやったらよいかがはっきりしません。

 


それぐらい重要というか、もう必要不可欠な過程になります。

 


この「体表観察」には、

「脈診(みゃくしん)」

「腹診(ふくしん)」

「背候診(はいこうしん)」

「原穴診(げんけつしん)」

「舌診(ぜっしん)」

 

などなど、様々な診断法があり、それらを縦横無尽に駆使しながら、その患者さんの病態を「東洋医学的に」把握します。

 

 


それによって得た情報と、問診によって得た情報とを合わせて、理論的に総合判断し、一番効果的だと思われる経穴に、適切な刺激の鍼灸をする訳です。

 

 


しかしまあここで、意地悪な意見として、

1.「じゃあ、問診で患者さんがウソついた場合は問診の情報ってあてになりませんよね?しかもそれが本当かどうかの確認なんて出来なくないですか?」

とか、

2.「体表観察で得た情報っていうのも、結局は治療する人の主観に委ねられるものだから、そんなものあいまいですよね?あいまいなものを診断材料にするんですか?」

という意見がありえるでしょう。

 

これは、1.の問診に関しては、ある程度当たっています。

 

 


確かに患者さんが本当のことを喋ってくれないと、こちらが惑わされることがあります。

 

 

だから僕の場合、問診で得た情報というのは、実際に「体表観察」をしてみるまでは、

「ウソやおおげさや勘違いの可能性もある情報」

として、冷静に持っておきます。

 

 


・・・まあ、自分の体のことを事細かに他人に話す、なんていう行為は、めったにすることじゃないし、あまり知られたくない、話したくないこともあるのが普通でしょう。

 

 


ですので、問診で聞いただけで、これは100%真実の情報だ、という保証なんてのは、どこまでいってもないのです。

 

 


コレ、当たり前ですよね・・・??

 

 


次に2.「体表観察情報」は治療者の主観的な情報だからあてにならない、あいまいだ、というのは少し間違っています。

 

 

まあ、人間の感覚(五感)を頼りにした診察法である以上、血液検査や画像診断のようなもの(数値化、映像化)とはそもそも違うよね、というのはその通りです。

 

 


東洋医学では、術者の主観的な情報を、大いにあてにします。

 

 


・・・というか、それがないと東洋医学は成立しません。

 

 

 

だから治療者の「技術」に、治療効果が大きく左右される面があるんです。

 

 

それがダメだ、というのなら、話が東洋医学のそもそもの否定になってきます。(苦笑)

 

 


「技術」「知識≒経験」が上がれば上がるほど、積み上げられるほど「感覚=五感=主観」は、ブレなくなってきます。

 

 


僕自身も実際にやっていて、そう感じますし、先輩たちもみなさんそうおっしゃいます。

 

 


だから、たとえ感覚的であっても、自分自身の中にキチッとしたブレない物差しを持つことが出来れば、臨床上、全然あいまいじゃないんです。

 

 


むしろ融通性がある分、機械での検査よりも、時に正確だと、僕は思います。


(この意味、分かりますかね・・・?)

 

 


清明院には、言語障害や認知症、あるいは乳幼児の患者さんなど、初診の段階からそもそも「問診」が出来ず、「体表観察」のみで治療するしかなかった患者さんが、何人かおられます。

 

 


しかし皆さん、鍼灸治療によって良好な経過を得ています。

 

 


これが、「体表観察術」が全くのあいまいな代物ではなく、臨床上あてになる、使い物になる、再現性や普遍性がある、ということの証左ではないでしょうか?

 

 


「体表観察」における主観、というのは、東洋医学の基礎理論や、先人達の貴重で膨大な経験から得られた、普遍性、再現性を持った、確かな理論に基づいた「主観」なのです。

 

 


あいまいと斬って捨てるのはもったいないです。

 

 

メチャメチャあてになります。

 

 


あいまいで、あてにならないものによって診断する医学が、数千年もの間、患者さんの支持を得られるはずありません。

 

 


この医学には、「体表観察術」”不可欠”なんです!

 

 

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勉強会行ってきました!

2010.03.23

臨時休診をいただき、患者様各位にはご迷惑おかけしましたm(__)m

 

今日からは再び朝からガンガン臨床再開しております!

今回は、3月21日(日)、3月22日(月)と、二日間にわたって、(社)北辰会 役員講師研修会に行ってきました。

今回のテーマは「実技(基本事項の徹底確認~実際の治療まで)」でした。

清明院では、診察~治療~予後の推定~養生指導まで、純粋な東洋医学の考え方にのっとった治療法である、「北辰会方式」を採用しています。

これは、「診察」の部分も、「治療」の部分も、東洋医学の基本的な考え方に基づいた、言わばすべて「実技」であり、当然、「技術」を必要とします。

(正直、簡単には真似できません。プロの仕事なんだから当たり前ですけどね。)

東洋医学は、西洋医学と違い、世界共通で血液検査で〇〇の数値が高い=〇〇病=治療は〇〇、予後は〇〇、という考え方はしません。

診察も治療も、結局のところ術者の「技術力」がモノを言います。

 

だから名医と凡医の差が出ることも当然あります。

(西洋医学でも当然技術の問題はありますが、東洋医学の方が「より」技術が要求される面があると思います。)

要は患者さんの話を聞き(問診)、体に触れて(切診)、体臭や声色なども意識し(聞診)、舌や顔色などを見て(望診)、どこまで患者さんの病の状況を読み取ることが出来るかどうか。

その情報をもとに治癒までの最短距離を考え、実際にそれを表現できるか(刺鍼・施灸・漢方処方)、という治療の流れのすべてに、

 

術者自身の感性、思考力、感覚、発想力などが常に要求されます。

(当然、基礎理論は踏まえた上での話、ですよ。)

ですから、東洋医学は終わりなき、果てしなき「技術力追求」の世界なんです。

 

僕はそれが面白くてしょうがないんです。(笑)

僕の班の担当は藤本彰宣(あきのり)本部育成部長でした。

 

きわめて分かりやすい説明と、随所にサスガの超絶テクニック、見せていただきました。

以前から、彰宣先生は僕がお付き合いさせて頂いている諸先輩方の中でもかなり頼りになる、尊敬できる先輩の一人であります。

勉強会終了後の懇親会では、(社)北辰会代表理事である藤本蓮風先生と対面(トイメン)に座らせていただき、これまた貴重な話を色々と伺うことが出来ました。

が、しかし2次会で…。

 

(ここはコメントしないでおきましょう。そっと胸にしまっておきます。(苦笑))

そして3次会、4次会、そして翌日と、まあとにかく、色々と貴重な知識、技術を教わり、またパワーアップしてきました!

今日の臨床で、再び自分の変化(成長)を実感しております。

 

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