東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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(社)北辰会関東支部11月定例会

2011.10.24


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昨日、2011年10月23日(日)は、高田馬場にある、日本医学柔整鍼灸専門学校にて行われた、(社)北辰会関東支部、定例勉強会でした!!

今回は、先月の続きで、朝10時からから午後の3時前まで、

「問診・カルテ取り実技」

を講義させていただきました。

 

(長い・・・。)

この講義は、問診から体表観察、実際の治療に至るまで、一連の流れを、カルテを付けながら進めていく、という講義で、

北辰会自身、また僕自身も初めての試みであり、探り探りの講義となりましたが、まずまずうまくいったんじゃないかと思います。

まあ講師の目線からそう思ってるだけかもしれませんので、受講生のアンケートを待ちたいと思います。

モデル患者さんも、なかなかリアルな患者さんで(笑)、僕自身、教えながらも、勉強になりました。

3時からは土田丈先生による症例発表、

「大腿部痛」

でした。

日常の臨床でよく診る症状を、見事に東洋医学的に分析し、治療した素晴らしい症例でした。

そして終わった後は飲み会・・・。

今回は本部から藤本彰宣先生と、初の関東支部での講義となる、山本克仁先生がお見えになり、終了後の飲み会にも参加して下さり、大いに盛り上がりました。

山本先生は僕と同世代ですが、学、術ともに素晴らしい先生です。

こうやってどんどん関東、関西問わず鍼灸界の、元気のある若い世代が積極的に交わっていくと、どれぐらい先になるか分からないけれど、

起こるかどうかも分からないけれども、何か面白い流れが生まれる「かも」しれません。(笑)

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暖房が難しい

2011.10.20


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昨日あたりから、いよいよ寒くなって来ました。

(さらに…)

ととのえ方

2011.10.18

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以前、東洋医学の言う「メンケン」というものについて書いた。

「メンケン」って何ですか? 参照

仮に、コレが出てしまったって、正しい治療が出来ているなら、何の問題もない。

しかし、治療後に、たとえ一時的にしろ、不快な症状が出るのは、患者さんを不安にするし、よくないといえばよくない。

・・・というか、メンケンなしでよくなるに越したことはない。

いつも言うように、東洋医学は、「気」を動かし、人体の「陰陽」のバランスを整え、患者さんの「治る力」を最大限引き出そうとする医学。

で、その「陰陽バランスの崩れの中心」を明らかにするために欠かせないのが、詳細かつ精密な「体表観察」であり、「問診」

それに基づいて治療を進めていくのが「弁証論治」

・・・ですので、治療後に不快な症状が一時的に出たとしても、治療直後では脈、舌などの東洋医学的な所見が好転していることが確認できていれば、

 

特に慌てる必要はない。

しかしながら、極力「メンケン」を出さないように、患者さんが一時でも「不快」ではなく、常に「快」という感覚に包まれながら治癒まで導く、

ということが出来た方が、「より」いいハズ。

そこで要求されるのが、陰陽のバランスを整えるんだけど、その「整え方」を上手にやること。

なんでも、強引にグイッと整えるのがいいとは限らない。

場合によっては優しく、微妙に、そ~っと整えていかないとうまくいかないこともある。

あるいは、いったんあえて崩した方が、結果的に早く整う場合もあるかもしれない。

シーソーみたいな、ヤジロベエみたいな感じ。

上手い先生ほど、ここら辺のさじ加減が絶妙。

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一本の鍼

2011.10.13

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以前、業界内で有名なとある先生にかかっておられた患者さんを診たことがあります。

「で、効果はどうだったんですか?」

と問うと、

「・・・正直、変化がなかったです。」

とのこと。


その先生は、1時間ぐらい付きっきりで、症状を聞きながら、世間話をしながら、体中、色々なところに鍼を打ってくれたそうです。


でも、残念ながら変化はなかった。


で、清明院で、詳細な問診の後、一本の鍼。


体の状態が、劇的に変化。

「なんで一本でこんなに変化が出るんですか!!?」

と患者さん。


鍼の数の問題じゃないし、その先生の腕が悪くて、僕の方がうまいだなんて、全然思わない。

清明院で治っている人が確かにいるように、その先生のところで治ってる人だって確かにいるはず。


僕だって、どこかよその治療院で、同じように言われてるかも知れない。


たまたま、清明院のやり方がその患者さんにあっていた、というだけの話。

・・・でも、一本でそれだけ変化させられるんなら、その方がいいと、「僕は」思う。

「その」患者さんにとっても、僕にとっても。

少なくともそれは、間違いない。

 

・・・というだけの話。

 

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(社)北辰会関東支部9月定例会

2011.09.26


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昨日、9月25日の日曜日は、代々木オリンピックセンターで行われた、(社)北辰会関東支部、定例勉強会に参加してきました!!

こないだこのブログで告知したように、今回ワタクシ、朝10時からお昼休みをはさんで14時45分まで、臨床コースの方で、

「問診・カルテ取り実技」

という講義を担当させていただきました。

「問診」実技訓練!?  参照

これは、10人程度の班に分かれて、一人のモデル患者さんを、みんなで問診しながら、北辰会専用カルテを記入していく、という講義で、

受講生の先生方が問診していく内容に関して、僕の方からアドバイスや注意点を指摘していく、という、これまでにない、初の試みの企画でした。

感想としては、僕自身、非常に勉強になったナー、という感じです。(笑)

また、受講生の先生方がどの辺が弱いか、東洋医学的に問診を進めていく作業の中で、どの辺でつまづくか、という重要な問題が、

非常に鮮明になったように思います。

モデル患者さん役の先生も、非常に赤裸々に(笑)、情報提供して下さり、みんな非常に勉強になったんじゃないかと思います。

そして3時からは今年行われた、代表理事、藤本蓮風先生による講義、

「太極陰陽論 常と変、転化の法則」

および、以前の研修会で行われた、

「鍼で人は悪化するか~悪化実験~」

の、DVD特別上映でした。

こちらも、関東支部としてはかなり久しぶりのビデオ講義でした。

DVD上映講義というのは、生の講義と違って、「臨場感」に欠ける、という欠点があります。

また、音声も、生の講義と比べると若干聞きとりにくい、という欠点もあります。

僕はこの2つの講義については、関西で生で受講しましたので、内容の素晴らしさは分かっているのですが、

DVD上映講義でどの程度伝わるものなのか、受講生の方々の感想を待ちたいと思います。

そして終わった後は酒・・・。(笑)

充実の週末。

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「ずっと通い続けなきゃいけないんですか?」

2011.08.30

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30代の女性患者さん。

メインの症状には、初潮以来の月経の異常が大きく関わっている。

加えて、運動不足や過度の飲酒等、日常生活にもいくつかの問題が見受けられる。


いつも通り問診をし、治療が終わり、症状、劇的に変化。


しかし、この症状は根が深い問題と大きく関わっていることを伝え、治療には時間がかかるであろうという旨をお伝えした。


また、良好で安定した状態に至るまでは、週2回程度は治療に来た方がいいとも伝えた。

患者さんは意外な効果に驚きながらも、やや不安そうな顔で、

「でも、ある程度治った後もずっと通い続けないといけないんでしょうか・・・?」

とのこと。


・・・で、僕が

「いーえ。そんなことないですよ。よくなったら治療を打ち切りますから。」

すると、

「そしたらまた(症状が)戻っちゃうんじゃないでしょうか・・・?」

とのこと。


・・・これに対しては大体、

「戻らないよう最大限の努力はします。しかし鍼は魔法ではないので、鍼で治ったモノは一生再発しない、とは言い切れません。継続的な生活養生が大事なのは言うまでもないです。」

とお答えしています。

(病によりますけどね。)


時間的制約、経済的制約等々、「現実問題」があることはこちらも重々承知しております。


しかし、治療家としては理想的な段取りと養生法を提案します。


好きなモン食って、好きなだけ寝て、わがまま放題やって、理に背く人は治らない、と、昔の名医が戒めています。


まったくその通り、と思います。

清明院も、あまりにも無茶な要求には、お応え出来かねる場合もあります。

(たとえば2、3週に1回来たり来なかったりで、治せ治せ、とかネ。)


・・・本来、人間は元のバランスのとれた状態に戻ろうとしており、その「治る力」が追い付かないから、今の症状が出ているワケです。


鍼で「治る力」をフォローしてフォローして、一度”元の良好な状態”に戻ったら、少々無理があっても、その人が元々持っている「治る力」でも十分対応可能になるから、

治療間隔を開けていくことが出来るし、卒業することも出来る訳です。

清明院は、巷によくあるような、「通わせてナンボ」の、商魂丸出しのヤカラとは違います。


そんなことやったら、鍼の神様にたたられます。(笑)


ですので、初診の患者さんには、本気でやるなら心を決めて、やるならやる、やらないならやらない、もう一度家に帰って、ゆっくり考えてから決めていただいても結構ですよ、と言う時もあります。


・・・で、「やる」と決心した患者さんについては、あとは全力で治療にあたるのみです。


だから要は、治療は真剣勝負なんです。


勝ち負けのはっきり出る、コワい、でも楽しい世界です。

掃いて捨てるほど鍼灸院がある都内で、ウチを選んでくれたことは単純に嬉しいし、なにかの縁あって僕のところに、

「タスケテ・・クレルノ・・?」

と手を伸ばしてきたわけだから、これに対しては全力で引っ張りあげようとします。


そして、ある程度症状が落ち着いた段階で、最もいい状態を患者さんとともに模索していくのです。


治療は本当に二人三脚だなあ、と、最近よく思います。

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患者さんの声(50代男性 脊柱管狭窄症による腰痛、坐骨神経痛など)

2011.08.06


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「患者さんの声」をいただきましたので、ご紹介いたします。

50代 男性 学校法人役員

症状:腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)に伴う腰痛、坐骨神経痛など

 

はり治療体験記


手術から一転して、はり治療で痛みが無くなった!

 

 

「腰部脊柱管狭窄症」と整形外科で診断され、手術も覚悟していた時、清明院を紹介されて、さっそく電話でアポイントを入れ、竹下院長に面会しました。

問診の項目がやたらと多く、驚きましたが、治療する側からすれば持てる知識を最大限活用するには必要なことと思い、西洋医学の現状とは大きな違いを感じました。

はり治療がもし満足いくものでなくても、結局は手術しかないので、それは嫌だという思いと、多少投げやりな気持ちで、

金銭面でも道楽程度に考えて治療をはじめてみましたが、日ごとに痛みが消えていくのを実感しながら、同時に入院して手術をするという現実的な考えが頭の中から消えていきました。

まだ現役のサラリーマンとしては、時間、お金、痛み、空白、損失等々多くの節約ができたと喜んでいます。

 

西洋医学だけではなく、治療の幅を広げる東洋医学も視野に!

以前から腰痛や首の痛みで、40年以上に渡り苦しんでいたので、整形外科やカイロプラクティック、整体などへ足繁く通っていましたが、はり治療は全く考えたことはありませんでした。

たまたま勤務先の学校で、はり師・きゅう師の養成を開始したことで、はり治療を知ることになり、体験的に治療を受けたことがきっかけでしたが、

それでも体験治療を受けた時点では、はり治療への期待は薄いものでした。

 

脊柱管狭窄症と診断され、手術をする日程まで検討していたところ、

「なんでも治す先生がいる。」

と紹介された清明院で、痛みがなくなることを実感したことで、いつの間にかはり治療を他人に勧めている自分に気付きました。

 


年齢に関係なく、はり治療に恐怖感を持っている方が多くいますが、西洋医学で治らず、手遅れになるほうがもっと恐怖であるとの思いもあり、

治療の幅を東洋医学、とりわけはり治療に広げてみることをお勧めします。

 


【清明院からコメント】

 

まず、「なんでも」は治せませんのでお間違いなきようお願い致します!!(苦笑)<m(__)m>

私は市井の平凡な鍼師の端くれですので、確かに東洋医学の限界というものは果てしないとは思うけど、現時点では私に出来る範囲なんてまだまだ限られている、大したことない、と思っております。

良いウワサが広がってくれることは、悪いウワサが広まることと比べれば、大変嬉しく思いますが、勘違い、ミスリードされないか、ちょっと心配な気もしています・・・。(苦笑)

ここは正確に言えば、「なんでも」治せるわけではもちろんないけど、「何が来ても」最善の対応が出来るようには、常々心がけております。

ですので当然、清明院では場合によっては、病院(西洋医学)の受診をお勧めさせていただくこともあります。

この方は初診時、足を引きずったように、見るからに痛そうに治療院に入って来られました。

「脊柱管狭窄症※」により、電車での通勤時、起床時、歩行時等々、日常生活のあらゆる場面で腰痛、坐骨神経痛に悩まされ、

大変つらく、すでに病院では手術を勧められている、とのことでした。

※腰の部分の骨の内部にある、トンネル状の空洞が骨の変形により狭くなり、そこを通る重要な神経が圧迫されて、腰以下に痛みや痺れを生じる病気のこと。

整形外科では、骨の変形、神経の圧迫といった、物理的な要因に症状の原因を求めようとしますが、東洋医学では、問診と体表観察(四診)で得られた情報から、

 

その患者さんが最もバランスを崩しておられる部分を見つけ出し、そこを是正するのみであります。

この方の場合、1時間以上の問診の結果、10代の頃に柔道で腰をいためて以来の腰痛持ちで、過去には首と腰のヘルニアを患った過去があり、

それ以外にも過度の飲酒、仕事でのストレス、プレッシャー等々、日常生活にいくつか問題があることが明らかになりました。

そして、「腎虚(じんきょ)≒瘀血(おけつ)」と証を立て、治療を開始すると、4診目ぐらいで明らかな変化が出始め、

その後徐々に徐々に痛み、痺れが軽減し、現在では歩行、立ち上がり等では特に問題がなく、快適に生活されております。

学校法人の理事職であるため、ハードワーカーであり、まだたまに、以前よりは軽いものの、痛みが出ることがあるので、治療を継続してはいますが、

 

全体的な症状は初診時から比べると雲泥の差であり、今ではパッと見どこも悪くない人、といった感じです。

 


結果的に、どうみても東洋医学によって、手術を回避することが出来た、と評価してよい症例ではないかと思います。

 

 

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患者さんの声(60代女性:変形性腰椎症による腰痛、坐骨神経痛)

2011.08.05

 

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またまた、「患者さんの声」をいただきましたので、紹介します!!

 


60代 女性 

症状:変形性腰椎症による腰痛、臀部痛、右下肢痛、歩行困難

 

病院で、背骨の軟骨の右側片方が変形していると診断され、それにより腰から右足に痛みがあり家事、歩行が苦痛でした。

整形外科で電気治療を受けていましたが、日に日に痛みが増加してしておりました。

そんな折、古くからの友人の紹介で清明院を知り、竹下先生の治療を受ける事になりました。

夫や娘は、すでに、他の鍼灸院で鍼治療を経験しておりましたが、私は鍼に対する怖さが先に立ち、これまで敬遠しておりました。

初回の、竹下先生の一時間以上に及ぶ問診の間に、先生のお人柄にふれ、安心して治療を受け始める事が出来ました。

現在六回目の治療を終えた所ですが、頭頂部にたった一本の鍼を打つだけの治療ですが、腰、足の痛みがほとんど無くなりました。

私にとっては毎日家事とパートで時間に追われる生活をしておりますので、治療中は、心身共にリラックス出来、治療の一時間は至福の時です。

帰りは、精神面まで治療して戴いたように感じられ、感謝の気持ちで一杯になります。

これからも、何かありましたら先ずは先生にご相談させていただこうと思っております。     

 


【清明院からコメント】



この患者さんは、平成23年の初め位から、特に思い当たるきっかけもなく腰痛を発症し、整形外科では「腰椎(腰の部分の背骨)の変形」と診断され、

湿布、痛み止めなどが処方され、電気治療を継続するも、痛みは一向に改善せず、むしろ徐々に悪化し、清明院に来院される10日ほど前からは、

立ち上がり時に臀部に強い痺れ感を自覚するようになり、普通に歩くこと、立って作業をすることに障害が出てきたので、

古くからのご友人(清明院の患者さんの御家族です。)の強い勧めもあって、これまで敬遠していた鍼灸治療をようやく受診することとなりました。(苦笑)

腰の痛みの原因を、腰の部分の骨の変形と考える、というのは、西洋医学の、整形外科の立場から診た場合のしっかりとした御見解、診断です。

もちろんそれを否定するつもりはまったくありません。

我々は、もちろん西洋医学的な見解も参考にしますが、問診と体表観察(四診合参)によって、「東洋医学的に」痛みの原因を考えます。

この方の場合は、若い時分から、子宮筋腫、卵巣嚢腫等の、婦人科疾患の既往が多いこと、また現在、プライベートな問題で、

肉体的、精神的に極めてハードであること、また、以前から、甘味やカフェイン類の過度の飲食、慢性的で極端な運動不足など、

生活自体に様々な問題があることが分かりました。

そこで「肝胆湿熱(かんたんしつねつ)、右上への気の遍在」と証を立て、治療を開始すると、1回目からビックリするような効果が出て、

4回ほどで日常生活に問題なくなるほどに回復されました。

しかし、こういう、生活習慣、もともとの体質の問題等が複雑に関わり合っている病の場合、それでめでたしめでたし、とはいきません。

予想通り、多少のぶり返しがありましたが、慌てず騒がず、治療と養生指導を続行し、現在では、この患者さん自身が、

東洋医学的な痛みの原因とメカニズムについて理解され、自分から進んで養生なさるようになりました。

「痛みの原因」というものに関して、「腰椎の変形」と言われても、患者さんはどうしたらいいか分かりませんもんね。

仮に「腰椎の変形」があっても、腰に痛みのない人もいます。

この違いは何なのか、それを細かく細かく考えることが、非常に重要と思います。

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「精神的ストレスで悪化、発症する病」について(その2)

2011.07.22

前回のお話・・・

「精神的ストレスで悪化、発症する病」について

続いていきます!


☆なんで「そこに」症状が出たのか。


前回のお話では、精神的ストレスで悪化、発症する病に、東洋医学の言う「肝の臓」が大きく関係している理由を述べました。

今回は、ではなぜ、「そこに」症状が起こったのか、という問題です。


強烈な精神的ストレスがあってから発症、悪化した病も、必ずみんながみんな、同じ病になる訳ではありません。


「肝の臓」に負担がかかったからと言って、それが出る”場所””症状”も一様ではありません。


頭痛になる人、メマイになる人、肩こりになる人、胃痛になる人、坐骨神経痛がひどくなる人などなど、実に様々です。


・・・さあ、これをどう考えるか。


これには、

「もともとのその患者さんの状態(体質素因)」

と、

「どうして、もともとがそうなのか」

に対する理解が重要だと思います。

まー、これを知るために、我々は長い時間をかけて、その患者さんの生活状況、生活環境、体質状況等を、詳しく問診するのです。

つまり、もともと弱点としてあった、その患者さんにとっての

「気の動きが滑らかでない部分」

が、「肝の臓」に負担がかかったことにより、

「さらに気の動きが悪くなった」

結果、今回の症状を発症した、あるいは悪化した、と考え、さらに、

「じゃあどうしてそこが元々気の動きが悪かったのか」

という風に考えていくワケです。


この、「病のメカニズムに対する理解」が正確、精緻であればある程、治療も、患者さんに対する生活指導も、シャープになっていきます。


・・・実はこれが、東洋医学的な診断の重要な部分であり、術者のウデの差が出る部分の大きな一つだと思います。

「肝の臓が悪いんだから、肝の臓を治療できるツボに鍼をすりゃあいいのさ!」

と言っちゃえば、なんかいかにも簡単だけど、

「肝の臓を治療できるツボって、いっぱいあるけど、どこにどういう鍼をするの?それはどうして?お灸はどうしてしないの?」

とかっていう、誰もが疑問に思う、細かい問題の解決は、

「この病気がどういうメカニズムで発生し、そこにどういう風に肝の臓が関わって、今回の症状が出るに至ったのか。」

が分かってなければ、適切さを欠きます。


そして当然それは、”治療効果”に反映されてきます。


ぼんやりと病を理解し、治療してたら、治療効果もぼんやりです。

ピンボケします。

シャープに病を理解して治療してたら、治療効果もシャープです。

(基本的には。)

しかし、実はまだ問題は残ります・・・が、言い出すとどんどん難しくなっていっちゃうので、とりあえずこれでおしまい。

 


気が向いたら続きを書こうと思います。(笑)

 

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「精神的ストレスで悪化、発症する病」について

2011.07.21

初診時、問診をしていくと、何か強烈な精神的ストレスがあってから、今回の症状を発症したとか、もともと慢性的にあった症状が急激に悪化したとか、

患者さんがおっしゃる事がよくある。

こういう時、東洋医学では、「肝の臓」の異常を中心として起こっている病である、という風に推論することが圧倒的に多い。

「肝」って何ですか?(その10) 参照

・・・でもこれ、なんか、短絡的な感じがする。

(と、以前は思っていた。今にして思えば、自分の考えが浅かっただけだったが。)

ここで、「強烈な精神的ストレス」と一口に言っても、色々ある。

怒った、喜んで気が緩んだ、思い悩んだ、憂い悲しんだ、驚いた、恐れおののいた、など。

まず、東洋医学の古典(『黄帝内経』『素問 陰陽応象大論(5)、五運行大論(67)』『霊枢 百病始生萹(66)』など)では、これらの感情それぞれの過剰によって、

 

影響を受ける臓腑が違う、ということが明確に述べられている。

怒りは肝、喜びは心、思いは脾、悲憂は肺、驚恐は腎、

という風に。

「七情」まとめ 参照

 


・・・ではなぜ、「精神的ストレスで発症、悪化した病」を、どれもこれも即「肝の臓の異常が中心」と考えることがあるのか、という問題。

感情別に、悪影響を受ける五臓が分かれているというのに。


これは結局、各感情の過不足によって、結果的、最終的に起こる現象が「気の動き方」の異常だからだ。

「気の動き方(方向性やスピード)」を指して東洋医学では「気機(きき)」という。


つまり、感情の過不足が起こると、五臓それぞれに悪影響を与えて、最終的には「気機」に異常が起こってくる、ということだ。


具体的に言うと、

怒れば気は上がり、喜べば気は緩み、思えば気は結ぼれ、悲しみ憂えば気は消え、驚き恐れれば気は下がる、


といった具合。

 

『黄帝内経』「素問 挙痛論(39)、刺禁論(52)、繆刺論(63)」「霊枢 邪気蔵府病形(4)、百病始生(66)」など参照


つまり、本来全身を滞りなくスムーズに周流するべき「気」が、上がったり下がったり、部分的に消えたり停滞したり、緩慢になったりと、

 

異常を起こし、結果的に気の流れがスムーズでなくなる、ということを述べている。

その時、気の流れをスムーズに是正するべく頑張る中心が、「肝の臓」なのであり、その肝の臓の働きが追い付かなくなってるから、

症状がとれない、という風に考えるのである。

だから、その細かい説明を端折って、

「精神的ストレスで悪化、発症する病=肝の臓の病変」

という風に考えることがあるワケだ。

 

・・・しかし、まだ問題は残る。

 

次回に続く。

 

 

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