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2019.10.07
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このシリーズも、あらゆる書籍を参考にさせて頂きました。
以下に、メインとなった書籍を挙げておきます。
『漢易研究』鈴木由次郎
『宋代易学の研究』今井宇三郎
『太玄易の研究』今井宇三郎
『太玄経』鈴木由次郎
『易学入門』安岡正篤
『易と人生哲学』安岡正篤
『気の思想』小野沢精一ほか
『戴震の哲学』村瀬裕也
『王弼の易注』塘耕次
『周易参同契』鈴木由次郎
『朱子の自然学』山田慶児
『朱子の哲学』大濱晧
『朱子学と陽明学』島田虔次
『朱子学と陽明学』小島毅
『易』本田済
『易経講話』公田連太郎
『東洋易学思想論攷』濱久雄
『占いの想像力』池田知久ほか
『東洋医学の宇宙』藤本蓮風
『鍼灸治療のための易経入門』小林詔司
『鍼灸・漢方の名医になるための秘訣』神野英明
『鍼灸真髄』代田文誌
『鍼灸沢田流』山田国弼
この他にもたくさんあるんですが、メインとしてはこんなところです。
2019.10.06
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今書いている「太極・無極」シリーズ。
長くなったので、ここらで目次を作りましょう。
番号だけ並んでても分かりにくいので、各話にタイトル付けます。
「太極」「無極」の意味 6 なぜ”太極”陰陽論なのか その2
・・・もうちょっと続きます☆
2019.10.05
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これまでのお話し
『列子』という人物 参照
さて、続きいきましょう!!
◆「太極療法」なるもの。
鍼灸治療において「太極」という言葉を盛んに用いた近代の鍼灸家では、なんといっても澤田健先生がおります。
澤田健という人物 参照
澤田先生は、自身の治療を「太極療法」と称しました。
この先生自身の著作はほぼないのですが、高弟である代田文誌先生が治療院見学研修中に聞いた、澤田先生の発言をまとめて書いた「聞き書き書」である『鍼灸真髄』は、
鍼灸界のベストセラー、かつロングセラーと言っていいでしょう。
↑↑真面目そうな代田先生。
この本の中に、澤田健先生がなぜ自分の治療のことを「太極療法」と呼んでいるかが、代田文誌先生の言葉で書いてあります。
「要するに先生の治療は、五臓六腑の中枢を治すことにより末梢をも治す、局所治療ではなく、根本治療である。末梢的、小局的な治療に対して、自身の治療を太極療法という。」
「末梢の治療にばかり気を取られて中枢の根源を忘れた西洋医学は小乗の法であり、根本治療は大乗の法。大乗法華経の一年三千十二因縁の理による太極療法だと言われる。」
(以上『鍼灸真髄』P19)
澤田先生は若い時分から日蓮宗に傾倒し、晩年は時代背景もあったのか、神道、国粋主義に傾倒したことが知られていますが、その発言には仏教の知識が豊富にあることをうかがわせるものが多いです。
また、
「複雑多岐多端になって帰一するところを失った観のある現代西洋医学に対して、それを簡約し、万古不易の治療原則を教えるものである。」
とも説明し、また、澤田先生自身の発言として、
「昔から治療には小局治療と太極治療とがあって、太極治療は一流でないと出来なかったものだ。」
「東洋には名の付く病気などというものはないのだ。病気というのは血の循環が不平均になったということなのであって、それに名を付けるだけでいい気になっているなんて、実にばかげた次第です。」
という発言を紹介しています。
(同書P30より)
このように、過激な発言が多いのも、澤田先生の魅力の一つだと思います。
(それが原因で叩かれたりもしていますが。(苦笑))
しかし、臨床の場での実際の澤田先生は、こういう辛辣な物言いもするけど、時には冗談も飛ばし、豪快に爆笑しながら診療を行うような、
明るい先生であったようです。
(なんか、誰かと似ているような。。。)
また、澤田健先生のもう一人の高弟である山田国弼(くにすけ)先生の『鍼灸沢田流―原理から実際―』では、「太極」の語源である『易経』をはじめとする中国の古典の内容にも触れつつ、
また、西洋医学の考え方にも十分に触れつつ、「太極療法」の意義の説明と理論化を試みています。
↑↑あまり知られていませんが、この人の著作は非常に精緻で、大変な勉強家であったことが分かります。
この本は入手困難本なんですが、是非入手して読んでもらいたい本ですね。
・・・とにかく、澤田先生が意識した「太極療法」というのは、どこそこの経穴に鍼灸するとか、どこそこの部位に着眼するとか、そういう意味ではなく、
古典の教える鍼灸治療法を通じて、結果的に
「血液循環の不平均を正す、それによって自然の良能(治る力)を引き出す」
ことが、より人体にとって根源的な「太極」治療なのである(西洋医学へのアンチテーゼとしての意味も込めて)、という立場なんですね。
澤田先生がこれを述べ、実践しておられたのが、今から約100年前の昭和初期ですが、基本的には今でも通用する考え方であり、現在、世界が中国伝統医学に注目しているのも、
中国伝統医学が、近代西洋医学にはない、こういった考え方でもって治療を実践し、結果を出すことが出来ているからでしょう。
続く
2019.10.04
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これまでのお話し
『列子』という人物 参照
さて、続きいきましょう!!
◆腹診、腹部刺鍼と太極無極
・・・まあ、ここまでクドクドと述べてきたように、
「太極とはウンチャラカンチャラ・・・」
「無極とはウンチャラカンチャラ・・・・・」
と、古代中国の哲学に思いを馳せたり、勉強するのは結構だけれども、多くの臨床家にとっては、
「・・・で? つーかそれ、臨床に関係あんの??」
「それ覚えたら、なんか治せるようになんの??」
というのが普通のリアクションでしょう。(笑)
江戸期の日本古流派の腹診図や腹診書には、「太極」「無極」という表現が散見されます。
奥村裕一先生論文 参照
・・・まあ、お臍には「神闕」という経穴名が付されているのですが、このお臍のすぐ下の「気海」という経穴に鍼することを、宮脇仲策(江戸中期、生没年不明)の『鍼学発曚訓』では、
「腹根本太極鍼」と呼んでいたり、1679年序の『合類鍼法奇貨』では上腹部を太極、下腹部を無極と呼んでいたり、同年序の『大明琢周鍼法』では左右の天枢穴を太極無極穴と呼んでいたりします。
いずれにせよ、お臍周辺、あるいはお臍のレベルを境界線として、「太極」「無極」と呼び分けている。
まあこれらから分かるのは、要するにお臍、ないしその周辺には、全身(精神も含む)を大きく調整できる経穴がある、という臨床的事実です。
全員の陰陽の気の動きの根本になるのが臍周辺だ、ということですね。
お臍とは、母体と胎児を物理的に繋ぐ臍帯(へその緒)の名残りであり、出生してしまえば、そこを解剖しても特に何もなく、西洋医学では開腹手術をするにあたって、
臍の周辺を大きく切るなんてことは珍しくないですし、人によってはファッションでピアスをする人もいますが、東洋医学的には大問題だと思います。(苦笑)
因みに、近年ではこんな研究もあるようです。
(興味深いですね。)
太極観、無極観それ自体についても、江戸期各流派によってそれぞれ違いがあるようで、であるからして、「太極」「無極」と名付ける部位にも違いがある、ということなんでしょうね。
(実際は、タイムマシンで江戸時代に行って、当時の先生方に直接質問してみないと分かりませんけどね。)
江戸期は、中国(明)からの「儒・道・仏」の三教の影響、また、自国の神道との習合、あるいは、伊藤仁斎に始まる新儒学など、学問上の様々な動きがあり、
面白い反面、じゃっかんワチャワチャしています。(苦笑)
伊藤仁斎という人物 参照
(まあ、今でもそれはそうか。。。)
ただ、いずれにしても医学の分野で「太極」「無極」を語る場合には総じて「お臍(神闕)」にポイントが置かれているのが興味深いですね。
東洋医学では、お臍にはいつの時代も、深い意味が付与されてあります。
続く
2019.10.01
患者さん各位
清明院、2019年10月の診療日時です。
臨時休診日、休診時間等も、全てこちらに告知してあります。
御予約の際は、予めご参照下さい。
◆毎週日曜日は、外来診療、訪問診療とも、終日休診となります。
◆毎週月曜日は、外来診療のみ、終日休診となります。
(※往診事業部は稼働しておりますので、初診、再診のご予約、ご予約変更のお電話は受付可能です。)
◆10.2、9、16、23、30の水曜日は、院長が東洋鍼灸専門学校にて講義のため、外来診療は14時~、17時半~、18時半~からの3枠のみの診療となります。
(14時~の枠が満床になった場合、15時~の枠を開放します。)
◆水曜を除く、火曜から金曜までは14時から17時まで、土曜日は14時から15時は、昼休みとさせていただきます。
◆17日(木)は院長が順天堂大学医学部、東洋医学研究会参加のため、午後は17時半からの枠を最終とさせていただきます。
以上、診療時間外の活動等で、ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
清明院 院長 竹下有
2019.09.28
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これまでのお話し
さて、続きいきましょう!!
◆「周氏太極図」の解釈 その3
さて、「周氏太極図」の中の、「水火匡郭図」の下の「三五至精図」の解釈の話の続きです。
(ここから読んだ人は、もはや何が何だか分からんね。(゚∀゚))
↑↑これですね。
まあ、以前書いたようにこの医学を語る上で外せない「五行」なるもの。
カテゴリ 五行 参照
「五行」とは、木火土金水の5つの要素(はたらき)のことであり、五行の「行」には”めぐる”という意味があり、これは、よく英訳されるように、
5つの元素(five elements)と考えるのではなく、森羅万象の5つの位相(five phases)と訳した方が正確なように思えます。
(これは、大先輩が書かれていたのの受け売りなんですが、東郷俊宏先生に確認したところ、英文の著作でも、モノや文脈によっては後者で書かれてあるそうです。(笑))
・・・ともかく、昨日述べたように、「三五至精図」は、まずは五行の位置関係が重要です。
左側に火と木(二と三で五)があること、右側に水と金(一と四で五)があること、真ん中に土(五)があることで、五行の調和、交流を示しています。
(魔方陣的なね。)
また、一番上の段に火と水があることは、五行というのは最終的には火水(陰陽)の働きに帰結するという考え方があり、「三五至精図」の上にある「水火匡郭図」の陰陽が、
そのまま下に降りてきた姿(陰陽をシンボライズ)と、考えること出来ます。
しかし、陰陽ではなく、五行で言う「火と水」の間には「水克火(すいこくか)」という、いわゆる相尅(そうこく)関係というものがあります。
(水で火が消える、っていう力関係を示したやつね。)
相尅関係にあるもん同士が横並びでは、バランスが悪いですね。
ここで、すぐ下にある「土」の意味が効いてきます。
「土」と「水」の関係は「土克水(どこくすい)」ですから、この位置関係には、「土」の働きが「水」の働きを堰き止め、
結果的に「火」と「水」の調和を助ける、という意味があります。
そして、左上(最も陽の位置)にある「火」から、中央の「土」へ、そして「土」から右下(最も陰の位置)にある「金」へ、そして「金」から今度は右上にある「水」へ、
「水」から中央の「土」を飛び越して、左下にある「木」へ、で、また「木」から左上の「火」へと、タスキのように、五行の「相生(そうせい 木→火→土→金→水)」の順番で線が引いてあります。
そして、その相生の線とは別に、火水と木金から、それぞれ一番下の「天地の一元気」に向かって、線が引いてあります。
つまり、これは総じて、左側(火木)の「陽」と、右側(水金)の「陰」が、中央に「土」があることによって調和し、循環し、その結果として、
「天地の一元気」が生まれることを示しています。
そしてこの下の大きな〇に、「乾道成男」「坤道成女」と書いてあり、男女(人間だけでなく動植物全ての生物のオスメスを含む)を示し、
その下の大きな〇で、「萬物化生」とあり、自然界の万物の生々化育を示してあります。
周敦頤さんはこの五段階、つまり
「太極而無極」
↓↓
「陰陽(水火匡郭図)」
↓↓
「五行(三五至精図)」
↓↓
「男女」
↓↓
「萬物」
の流れでもって、宇宙全体の成り立ちを示した訳ですね。
シンプルながら、なかなかすごい意味が凝縮された図だと思います。(゚∀゚)
↑↑改めて見ると、ヘエ~(゜o゜) オオ~(゜o゜) となりますね☆
この図については、微妙に違う、類似している図があったりとか、仏教や道教の影響とか、清代以降にバカにされた歴史とか、まだまだ言い出せばキリがない話題を含んでいるんですが、
まあ今回は紹介として、こんなところにしときましょう。
・・・では次回から、こういった、
「やれ太極だ、無極だ、陰陽だ、五行だ、万物だ」
とかっていうのを考えていることが、実際に我々の日々の臨床にどう役立つのか、考えてみましょう。
続く
2019.09.27
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これまでのお話し
さて、続きいきましょう!!
◆「周氏太極図」の解釈 その2
前回、周敦頤(周濂渓)の「周氏太極図」↓↓において最も目立ち、清明院のロゴにもなっている「水火匡郭図(すいかきょうかくず)」について簡単に解説しました。
↑↑これの中の・・・
↑↑これね。
これは「太極」→「陰陽」のお話でしたね。
カテゴリ 陰陽 参照
・・・で、今日はその下の「三五至精図(さんごしせいず)」ってやつについて、簡単に解説しましょう。
↑↑この図ね。
要は今日は「陰陽」→「五行」の話ですね。
カテゴリ 五行 参照
・・・易には有名な「河図洛書(かとらくしょ)」という図があります。
(ちなみに河図洛書のことを略して”図書(としょ)”と言うそうです。”図書館”の図書とは、もともとはそういう意味だったのか・・・?)
このうちの「河図」というのは、「十数図」とも呼ばれるそうです。
↑↑これです。
この図は、簡単に言えば易の考え方でもって、宇宙万物創造の過程を描いた図であり、図中の○は陽、●は陰を示し、下が北、上が南、左は東、右は西を示します。
(方角を言っているのに、普通の地図とは上下左右が逆です。これは陰陽論では、上と左は陽、下と右は陰だからだと思います。)
そしてよく、この図を説明する時に、
「天一は水・北方を生じ、地二は火・南方を生じ、天三は木・東方を生じ、地四は金・西方を生じ、天五は土・中央を生ず。」
「地六は水・北方を成し、天七は火・南方を成し、地八は木・東方を成し、天九は金・西方を成し、地十は土・中央を成す。」
と言われ、これはまあ要するに、天地(陰陽)が定まったのちに、五行(森羅万象の性質や分類)が生じていく過程を順に説明しています。
上記の河図の説を踏まえて、冒頭に出した周氏太極図の中の「三五至精図」↓↓を考えると、
真ん中に土(五)
があり、
左に火(二)と木(三)、足して五
があり、
右にも水(一)と金(四)、足して五
があり、つまり真ん中と両サイドに「三つの五」があるから、「三五」と言われるそうです。
そしてこの、木火土金水の五行で描かれる「三五」は、下にある「ナゾの◯」に連なります。(笑)
↑↑ここね。
この◯は、「天地の一元気」と理解され、丹書である『周易参同契』に「三五、一となり、天地至精」とあるように、
陰陽が五行を生じ、それが天地の一元気となる過程をあらわしています。
そして「三五至精図」ではこの、五行間をつなぐ実線にも、意味があります。
長くなったので続く。(∩´∀`)∩
2019.09.26
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◆「周氏太極図」の解釈
前回も出したこの図。
↓↓
周敦頤さんの宇宙生成図(周氏太極図)な訳ですが、この図に関する詳細な解説がなされている本はあまりないようですが、私の手元にあるものだと、
やっぱり鈴木由次郎先生の『漢易研究』と、今井宇三郎先生の『宋代易学の研究』に詳しいですね。
(この二冊はマストだね。10年ほど前に、苦労して入手しといて良かったです☆)
まず、清明院のロゴにもなったこの図↓↓ですが、
これは「水火匡郭図(すいかきょうかくず)」と言います。
ちょっと難しくなりますが、ここまで来たら、簡単に解説、やってみましょう。
この図のドーナツの左半分は内側から白→黒→白、右半分は黒→白→黒、です。
白は陽、黒は陰だとすると、左は陽→陰→陽、右は陰→陽→陰、という順番になっています。
これを、易の八卦で言うと、左は「離火(りか)の卦」、右は「坎水(かんすい)の卦」で表されます。
☲(離火)
☵(坎水)
(↑↑真っ直ぐな横棒が陽を示し、途中で切れてる横棒が陰を示すのね。)
・・・で、「水火匡郭図」は左右で「離火と坎水」、つまり陰陽を示しています。
陰陽は繋がっており、真ん中には太極があり、図の下にはくっつくように半円が描かれ、これは陰陽が互根であり、しかも五行に連なることが示されています。
(五行の説明は次回)
ここで、宇宙の大きな陰陽を示すなら、陰陽を左右に割るのではなく、上下(天地)に割った方がいいのではないか、という疑問が浮かびますが、
清代の著名な学者である毛奇齢先生の解釈では、「左右」は方角で言えば「東西」であり、東西に離火と坎水を置くのは、北宋の儒学者である、
邵雍(しょうよう 邵康節しょうこうせつ 1012-1077)が強調した、易の「先天図」の考え方であり、左右が坎離(かんり)ということは上下(南北)は乾坤(けんこん)となり、
この思想(先天図の考え方)は道家によって受け継がれてきたことから、この図は、道家の内丹書である『周易参同契』の影響を受けている、という風に解釈なさるそうです。
(・・・ま、毛先生のこの説については反対意見や疑義もあるようですが。『宋代易学の研究』『占いの想像力』参照)
神野英明先生の『鍼灸・漢方の名医になるための秘訣』では、先天図というのは、陰陽の対待(たいたい)関係を示した図である、と説明して下さっております。
(まあ対待関係を簡単に言えば、対立と統一、つまり、あっちがなけりゃこっちもない、という陰陽関係のことです。)
因みに、『易経』の説卦伝における「天地定位、山沢通気」という文言を、『太玄経』では、「南北定位、東西通気」と置き換えています。
『太玄経』については長くなるのでいつか触れるとして、ここでは詳しくは述べませんが、たったこれだけの図で、「南北定位」が易の体、「東西通気」が易の用とし、
その上で、先天図は天地自然の法象、後天図は変化活動の法象、と仰る鈴木由次郎先生の解釈が、シンプルでシャープで、個人的にはすごく気に入っています。
まあ、簡単に言うと、清明院のロゴマークになっている「水火匡郭図」ってのは、
「場そのものや、森羅万象の関係性がもつ原理を示した図」
ってことなんですね。
上記のような考え(まあ他にもあるんだが。。)を知って、20代の半ば頃、妙にこの図の持つパワーに夜な夜な一人で興奮し、魅かれており、
開業したらロゴはこれかな、とか思っていました。(゚∀゚)
(ナツカシー)
続く。
2019.09.25
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◆色々な太極図
さて、この太極を図に示したものをよく「太極図(たいきょくず)」と言います。
清明院のロゴマークの元になったこの図が、歴史上最初に登場した太極図だそうです。
↓↓
これは、中国、北宋の時代の儒学者、周敦頤(しゅうとんい、周濂渓しゅうれんけい ともいう。 1017-1073)先生が『太極図説』に書いた図、
ということで「周氏太極図」という呼称が一般的です。
これは実はいくつかの図が組み合わさった図なんですが、とりあえず一番上の〇は、このシリーズで説明した「無極而太極」を示し、次のシマシマの〇は「陰陽」を示し、
次に「五行」、そして最終的に「万物」という、宇宙生成の道理を示しているんだそうです。
因みにこの図は、後漢の魏伯陽という人物が著したと言われる『周易参同契』という、煉丹術に関する本の影響を受けていると言われます。
(鈴木由次郎『漢易研究』参照)
この図については、なんつっても清明院のロゴの元ですから、後ほどゆっくりとキッチリと説明しましょう。(`・ω・´)ゞ
清明院ロゴマークについて 参照
あと、まあなんつっても、太極図として有名なのはこの図でしょう。
↓↓
実は、この図の作者や来源はイマイチ分かってないみたいです。
まあ、諸説あるようですが、歴史上に登場したのは、一番上に示した「周氏太極図」よりも後、と考えられるようです。
(今井宇三郎『宋代易学の研究』参照)
この図は「太極陰陽魚図」とか、「陰陽魚太極図」とか、「天地自然の図」とか、「天地自然河図」とか、色々な名前があるようで、道教の道士がよく用いたことで知られています。
あと、アメリカのサーフブランド、タウンアンドカントリーのロゴとかネ。(笑)
あと、こんなのもあります。
↓↓
↑↑これは中国明代の来知徳(らいちとく 1525-1604)先生が著した図だそうで、「円図」とも呼ばれます。
(真ん中の〇を太極、白を陽、黒を陰とし、縦に入った黒線が陰、白線が陽だとする図です。『来註易経図解』より)
今は深入りしませんが、この図もまた、非常に深い意味を持っているようです。
あとは、韓国の国旗にみられるように、あらゆる国旗や軍旗、地方自治体のマークなんかにまで使われる「太極図」。(笑)
(因みに、李氏朝鮮の国王の旗と、国軍の軍旗に清明院のロゴと同じマークが使われていますが、清明院と李氏朝鮮はまったく無関係ですので。。。(苦笑))
また、韓国は、この図を朝鮮半島発祥の図だと主張しているとか。。。(苦笑)
・・・まあ、「太極図」というのは、色々な図柄や来歴や考え方があるにせよ、要は「太極」「陰陽」に含まれる深遠な哲学を、簡単な図で表現しようとした結果な訳ですね。
確かに、図にしてくれたら、クドクドと漢文で説明されるよりは、分かりやすくていいネ!!(゚∀゚)
続く。
2019.09.24
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9.22の日曜日は、(一社)北辰会定例会東京会場に参加してきました!!
この日は朝から実技訓練「原穴診・背侯診・取穴」。
初学者の方はまずは原穴や背部兪穴の正確な取穴部位や意味(穴性)の確認や基本的な触り方(フェザータッチ)の練習、中級者は、経穴のより精密な診方触り方、
上級者の人はそれをどう治療に結び付けるかの考え方の練習。
さらには、重要な合穴である「陰谷・曲泉」の取穴練習をしました。
これを臨床にどこまで活かせるかは受講者次第ですが、北辰会の講師はみんな真剣にやっています。
効果的に伝わればいいな、と思いますね。
午後は西東京で鍼灸梅庵という鍼灸院を開業しておられる竹山悠樹先生による「円形脱毛症の一症例」を、私と尾崎支部長で解説するという企画。
竹山先生は開業鍼灸師でありながら、幼少の頃より狂言師としても活躍しておられる個性派の先生です。
また、北辰会関東支部の運営面での事務関係でも能力を発揮して下さっており、縁の下の力持ち的な先生です。
この症例は先週、関西の本部でも検討した症例だったのですが、支部ではまた違った盛り上がり方を見せて、マズマズ良かったんじゃないかと思います。
先週も書いたように、円形脱毛症というのは決して簡単な疾患ではありませんが、色々工夫しながら、北辰会方式の弁証論治の精神に則って、
患部を触ることなく、一定の効果をあげた症例だったと思います。
今年度から久々にカリキュラムに症例検討会を入れていますが、これがやっぱ個人的には一番いいですね。
基礎中医学と臓腑経絡学をまずはやって、この医学の解剖生理学、基本的な病理学を学んだら、体表観察をやって、診断学、弁証論治の訓練をやって・・・、と。
今後もいい臨床家がたくさん育つでしょう。
終わった後は飲み会。。。
支部の飲み会に参加する人数も、10年前と比較したらずいぶん増えました。
喜ばしいことですね。(∩´∀`)∩
2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール2023.11.16
日本東方医学会学術大会、申し込み締め切り迫る!!2023.11.01
2023年 11月の診療日時2023.10.10
清明院14周年!!2023.10.04
12.3(日)市民公開講座やります!!2023.10.01
2023年 10月の診療日時2023.09.23
第41回、日本東方医学会学術大会のお知らせ2023.09.22
第55回、順天堂東医研に参加してきました!2023.09.21
第27回、日本病院総合診療医学会で発表してきました!!2023.09.20
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.09.01
2023年 9月の診療日時2023.08.18
第54回、順天堂東医研で喋ってきました!2023.08.17
順天堂東医研の学生さんと、「森のくすり塾」へ。2023.08.16
診療再開!!